ベンゾジアゼピン使用に伴う認知症リスクに関するメタ解析 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/07/18 ベンゾジアゼピンは高齢や壮年期の患者において一般的に使用されているが、その使用は、認知症リスクの増加と関連している可能性がある。観察研究でベンゾジアゼピンの使用が認知症リスクを増加させることが示唆されているが、これらの研究では、因果の逆転(protopathic bias)に関する重大な懸念があり、決定的な所見が見いだされていない。オーストラリア・シドニー大学のRoss Penninkilampi氏らは、protopathic biasを制御した後、高齢患者におけるベンゾジアゼピンの使用に関連する認知症リスクについて調査を行った。CNS drugs誌オンライン版2018年6月20日号の報告。 2018年6月5日までの、ベンゾジアゼピン使用の適切な評価および信頼できる認知症診断方法で確認された50例以上の観察研究を、電子データベース(MEDLINE、PubMed、EMBASE、CINAHL、LILACS、CENTRAL)を用いて検索を行った(言語制限なし)。現在または過去の短時間/長時間作用型ベンゾジアゼピン薬の使用と認知症との関連を分析した。protopathic biasの影響を評価するため、ログタイム導入によるサブグループ解析を行った。研究の質を評価するため、Newcastle-Ottawa Scaleを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・14件の論文で報告された15件の研究より、15万9,090例が抽出された。 ・常時、ベンゾジアゼピンを使用することで、認知症リスクは有意に増加していた(オッズ比[OR]:1.39、95%CI:1.21~1.59)。 ・protopathic biasを制御する可能性が最も高い5年以上の最長ログタイムによる研究では、認知症リスクはわずかに弱まったが、以前として有意な差が認められた(OR:1.30、95%CI:1.14~1.48)。 ・長時間作用型ベンゾジアゼピン薬(OR:1.21、95%CI:0.99~1.49)は、短時間作用型(OR:1.13、95%CI:1.02~1.26)と比較し、リスク値がわずかに高かったが、そのリスクは統計学的に有意ではなかった(p=0.059)。 著者らは「ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性は、protopathic biasによる人為的なものではないことが示唆された。不適切なベンゾジアゼピン使用を減少させることは、認知症リスクを低減させる可能性がある」としている。 ■関連記事 ベンゾジアゼピンと認知症リスク~メタ解析 アルツハイマー病に対する新規ベンゾジアゼピン使用に関連する死亡リスクのコホート研究 ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Penninkilampi R, et al. CNS Drugs. 2018 Jun 20. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ベンゾジアゼピン使用と認知症リスクとの関連性が示唆された 医療一般 (2018/11/20) ベンゾジアゼピンの使用および中止に伴う離脱症状とその期間は 医療一般 (2023/03/20) ラメルテオン併用でベンゾジアゼピン系睡眠薬の併用数が減少 医療一般 日本発エビデンス (2018/07/04) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] TTR遺伝子サイレンサーは、ATTR-CMの転帰を改善するか/JAMA(2026/10/06) 心筋梗塞後の駆出率保持例、β遮断薬の中止は可能か/Lancet(2026/10/06) GLP-1受容体作動薬はdual agonistのステージへ―ベストパートナーはGIPか、グルカゴンか、それともアミリンか?(解説:住谷哲氏)(2026/10/06) 2型糖尿病の網膜症リスク低下、フェノフィブラートvs.スタチン(2026/10/06) 抗うつ薬は糖尿病リスクを増加させるのか(2026/10/06) MASLDの肝関連イベント、非侵襲的検査で個別予測可能か(2026/10/06) 緑膿菌肺炎、CFPM vs.TAZ/PIPC(2026/10/06) 光曝露は高齢者の睡眠の質や活動レベルと関連(2026/10/06) 脊髄くも膜下麻酔後の悪心・嘔吐――機械学習で関連因子を解析(2026/10/06) [ あわせて読みたい ] ミュンヘンの熱気とアスピリンの行方~PREMIUM試験が語る学会と雑誌の歴史学~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第100回(2026/09/10) 外の海へ漕ぎ出せ!~血栓と出血の狭間で揺れる循環器内科医に届いた「1ヵ月」の福音~【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第99回(2026/08/21) 第51回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2026/04/28) 専門医が総合診療を使って成長する秘訣――50代からの学び直しのコツを教育のプロに聞く【ReGeneral インタビュー】第6回(2026/03/27) ケースで学ぶ輸液オーダー(2026/03/18) 僕はなぜ医者になったのか? 医療行政マンを原点に帰らせたある出来事「総合医育成プログラム」インタビュー【ReGeneral インタビュー】第5回(2026/02/25) キャリア中断後に見つけた 総合診療能力で専門性を強化する新しい診療スタイル【ReGeneral インタビュー】第4回(2026/02/05) 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24)