日本人高齢者の歩数と死亡率

提供元:ケアネット

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公開日:2018/05/08

 

 これまでの研究では、高齢者の日常的な歩行活動の評価はアンケートに基づいている。今回、愛媛大学の山本 直史氏らは、客観的に歩行活動を評価する手段として歩数計を用いて、歩数と全死因死亡率の関連を検討した。その結果、1日平均歩数が多いと全死因死亡率が低いことが示唆された。BMC public health誌2018年4月23日号に掲載。

 本コホート研究には、身体的に自立している地域在住の71歳の日本人419人(男性228人、女性191人)が参加した。1日の歩数は、ベースライン時に連続7日間、腰に装着した歩数計で測定した。1日平均歩数によって参加者を四分位に分け(第1四分位:4,503歩/日未満、第2四分位:4,503~6,110歩/日、第3四分位:6,111~7,971歩/日、第4四分位:7,972歩/日以上)、平均9.8年間(1999~2010年)追跡した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中に76人(18.1%)が死亡した。
・1日平均歩数の各四分位における死亡のハザード比(性別、BMI、喫煙、飲酒、薬剤服用を調整)は、最低四分位から順に1.00(基準)、0.81(95%CI:0.43~1.54)、1.26(同:0.70~2.26)、0.46(95%CI:0.22~0.96)であった(傾向のp=0.149)。
・最高四分位の参加者は、最低四分位の参加者と比較して死亡リスクが有意に低かった。

(ケアネット 金沢 浩子)