NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果/ASCO2017

提供元:ケアネット

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公開日:2017/07/06

 

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療における、化学療法+ペムブロリズマブ群と化学療法群を比較した第II相試験KEYNOTE-021コホートGの更新結果が、米国MD Anderson Cancer CenterのVassiliki Papadimitrakopoulou氏らによりASCO2017で発表された。

 同試験では、Stage IIIB~IVで化学療法未治療の非扁平上皮NSCLC(EGFR変異またはALK転座を伴わない)123例を、カルボプラチン+ペメトレキセド(CP)群とペムブロリズマブ追加(pembro+CP)群に、無作為に割り付けて比較している。初回解析では、主要評価項目の客観的奏効率(ORR)(55%対29%、p=0.0016)、主たる副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)(HR:0.53、p=0.0102)共に、pembro+CP群で有意に改善されている。全生存期間(OS)は、両群とも6ヵ月OSで92%と同等であった。

 今回の発表は2016年12月31日時点でのもので、フォローアップ中央値は14.5ヵ月(0.8~24.0)である。ORRはpembro+CP群56.7%(43.2~69.4)、CP群30.2%(19.2~43.0)で、初回解析と同様にpembro+CP群で有意に高かった(p=0.0016)。

 PFSはpembro+CP群は未達(9.7~NR)、CP群では8.9ヵ月(6.2~10.3)で、pembro+CP群で有意に長かった(HR:0.49、95%CI:0.2~0.83、p=0.0035)。OS については、CP群の75.0%がクロスオーバーしたという条件の下、12ヵ月推定値はpembro+CP群76.0%、CP群69.3%と、統計的有意ではないものの、pembro+CP群で高い傾向であった(HR:0.69、95%CI:0.36~1.31、p=0.13)。また、9ヵ月推定値のpembro+CP群84.6%、CP群82.3%と比較すると、OSの差は拡大傾向にあった。奏効期間は、pembro+CP群では中央値に達しておらず(1.4+〜18.6+)、CP群では16.2ヵ月(2.8〜20.7+)であった。

■参考
ASCO2017 Abstract
KEYNOTE-021試験(Clinical Trials.gov)

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(ケアネット 細田 雅之)