レゴラフェニブ、肝細胞がん2次治療の適応承認:バイエル薬品

提供元:ケアネット

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公開日:2017/06/30

 

 バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:ハイケ・プリンツ)は2017年6月26日、抗悪性腫瘍剤レゴラフェニブ(商品名:スチバーガ)が、厚生労働省より「がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌」に対する効能・効果の承認を取得した旨を発表した。本邦において、切除不能な肝細胞がん(HCC)の全身療法として承認を得ている治療選択肢は、ソラフェニブ(商品名:ネクサバール)しかなく、同剤による治療後に病勢進行した場合の2次治療薬は8年もの間、アンメット・メディカル・ニーズとなっていた。

 レゴラフェニブのHCCに対する本承認は、ソラフェニブ治療後に病勢進行が認められた切除不能なHCC患者を対象とする国際共同多施設プラセボ対照第Ⅲ相臨床試験RESORCE試験から得られたデータを根拠資料としている。同試験における全生存期間(OS)は、レゴラフェニブ群の10.6ヵ月に対してプラセボ群は7.8ヵ月と、レゴラフェニブ群で統計的に有意に延長したことが示された(HR:0.63、95%CI:0.50~0.79、p<0.0001)。また、安全性と忍容性はレゴラフェニブの既知プロファイルとおおむね一貫しており、被験者において多く見られたGrade3/4の副作用は、高血圧(レゴラフェニブ群15%、プラセボ群5%)、手足症候群(同13%、同1%)、疲労(同9%、同5%)、下痢(同3%、同0%)であった。

 バイエル薬品は、2016年10月にHCCに対するレゴラフェニブの製造販売承認事項一部変更承認申請を厚生労働省に行い、2017年1月に同省より優先審査に指定されていた。本邦におけるレゴラフェニブの効能・効果は、「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」「がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍(GIST)」に続き、今回のHCCで3つ目のとなる。

■参考
バイエル薬品株式会社プレスリリース

(ケアネット 細田 雅之)