2つの経カテーテル大動脈弁の適応を中等度リスクに拡大:FDA

提供元:ケアネット

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公開日:2016/09/02

 

 米国食品医薬品局(FDA)は2016年8月18日、経カテーテル大動脈弁Sapien XTとSapien 3の開胸心臓手術中等度リスクの大動脈弁狭窄患者への適応拡大を承認した。これらのデバイスは重度リスク患者への適応を取得していた。

 大動脈弁狭窄症は加齢に伴い増加し、75歳以上の米国人の約3パーセントで発生している。重度の大動脈弁狭窄症患者は一般的に、大動脈弁の血流改善のため心臓弁の置換が必要となる。中等度リスク患者の大動脈弁置換のゴールドスタンダードは開胸心臓手術であるが、経カテーテル心臓弁による最小侵襲性手技に比べ、より大きな切開創と長い回復時間が必要となる。開胸心臓手術による大動脈弁置換の約3分の1が中等度リスクカテゴリーに陥り、手術後30日以内の死亡リスクは3パーセントを超えるとされている。

 両製品の安全性と有効性を評価する臨床試験では、中等度リスクの狭窄症患者を無作為に、Sapien XTとSapien 3による経大動脈弁置換術群(1,011例)、開胸大動脈弁置手術群(1,021例)に割り付けた。第2の研究では、1,078例の中等度リスク患者に Sapien XTまたはSapien 3を埋め込み、同様のグループの外科手術患者1,021例と比較した。これら2つの研究は、中等度リスク患者におけるデバイスの安全性と有効性の妥当性を確認するものであった。

 Sapien XTまたはSapien 3の重篤な合併症は、死亡、脳卒中、急性腎障害、心臓発作、出血、永久ペースメーカーの必要性などのデバイスや置換手技によるものである。

 FDAはさらに安全性と有効性を監視するために、デバイスの承認の一環として第1、第2臨床試験の被験者を10年間追跡する承認後試験の実施を製造業者に要求している。

FDAのプレスアナウンスメントはこちら

(ケアネット 細田 雅之)