低出力レーザー照射で男性型脱毛症を有意に改善

提供元:ケアネット

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公開日:2013/11/04

 

 男性の男性型脱毛症において、655nmの低出力レーザー療法(LLLT)は毛髪数を有意に改善することが、米国・ロチェスターの開業医Raymond J. Lanzafame氏らによる、二重盲検無作為化試験の結果、報告された。研究グループは、発毛促進に用いられているLLLTについて、安全性と生理学的効果を明らかにするため、本検討を行った。Lasers in Surgery and Medicine誌2013年10月号の掲載報告。

 試験は、男性44例(18~48歳、Fitzpatrick I~IV、Hamilton-Norwood IIa~V)を集めて行われた。照射部スカルプ部位を選択し、髪の毛は3mmに刈り揃え、照射部はタトゥーを施し撮影をしておいた。

 被験者は、照射群とプラセボ群に割り付けられた。照射群は、自転車のヘルメットのような装置による「TOPHAT655」ユニット21 5mWレーザー(655±5nm)と、30 LEDS(655±20nm)の照射を受けた。プラセボ群は、一見同一に見える白熱灯の赤ランプの照射を受けた。

 患者は自宅で1日おきに16週間治療を受け(治療60回、25分間の治療当たり照射量67.3J/cm2)、16週時点でフォローアップと写真撮影を受けた。その際、撮影領域のなかでマスキングされていた2.85cm2部分については、ほかの盲検の研究者が評価した。

 主要エンドポイントは、ベースライン時からの毛髪数の増大(パーセントで評価)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・44例のうち41例(照射群22例、プラセボ群19例)が試験を完了した。
・有害事象や副作用は報告されなかった。
・ベースライン時の毛髪数は、プラセボ群(22例)は162.7±95.9、照射群(19例)は142.0±73.0で有意差はなかった(p=0.426)。
・治療後の毛髪数は、プラセボ群(19例)162.4±62.5、照射群(22例)228.7±102.8で有意差が認められた(p=0.0161)。
・照射群のほうが、39%の毛髪の有意な増大が認められた(プラセボ群:28.4±46.2、照射群:67.2±33.4、p=0.001)。
・ベースライン時の毛髪数が最高値で最大値の低下を有したプラセボ群の1例の被験者を除外すると、毛髪数はプラセボ群(21例)151.1±81.0、照射群(22例)142.0±73.0で有意差はなかった(p=0.680)。
・治療後の毛髪数は、プラセボ群(18例)158.2±61.5、照射群(22例)228.7±102.8で有意差が認められ(p=0.011)、照射群のほうが35%の有意な増大が認められた(プラセボ群:32.3±44.2、照射群67.2±33.4、p=0.003)。

(ケアネット)