毛染めアレルギーの診断スクリーニングに加えるべき成分

提供元:ケアネット

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公開日:2013/07/23

 

 デンマーク・コペンハーゲン大学ゲントフテ病院のHeidi Sosted氏らは、ヘアダイ(毛染め)に一般的に含まれている成分に着目して、接触皮膚炎との関連性を調べた。12ヵ所の皮膚科クリニックで約3,000例を対象としたパッチテストの結果から、陽性反応を示す主要な成分はp-フェニレンジアミン(PPD)で、そのほかにも陽性反応を示す成分として、トルエン-2.5-ジアミン(PTD)、p-アミノフェノールとm-アミノフェノールが特定された。著者はそれら成分について、ヘアダイアレルギー診断のためのスクリーニングに加えるべき根拠が得られたとまとめている。Contact Dermatitis誌2013年7月号の掲載報告。

 PPDは、ヘアダイアレルギー診断パッチテストの主要なスクリーニング対象成分だが、ヘアダイにはそのほかにも約100種のさまざまな化学成分が使用されている。

 研究グループは、PPDがヘアダイアレルギー診断のスクリーニング対象成分として至適であるのか、またそのほかに臨床的意義のある感作物質はないかを調べた。

 12ヵ所の皮膚科クリニックで連続患者2,939例を対象に、パッチテストサプライヤーが供給可能であった5つのヘアダイについてパッチテストを行った。さらに、パッチテストサプライヤーが供給できないものの使用頻度が高い22のヘアダイ成分について、それぞれ500例の患者を被験者とするサブグループ試験を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・PPDに対する陽性反応を示した患者は、4.5%であった。また、PTDに対する反応を示した患者は2.8%、p-アミノフェノールに対しては1.8%、m-アミノフェノールは1%、レゾルシノールは0.1%で、合わせると5.3%(156例)が陽性反応を示した。
・毛染めは、アレルギー症例の中で最も頻度の高い原因だった(55.4%)。「temporary henna」と呼ばれる一時的なタトゥーが原因の症例は8.5%であった。
・p-メチルアミノフェノールへの反応を示した患者は20例(2.2%)であった。そのうち3例が臨床的に意義のある症例だった。5つのヘアダイ全部に共通した反応ではなかった。

(ケアネット)