小児期に身体活動時間が長いと乳がんリスク低い 最終更新:2017/05/19 医療一般 成人期における身体活動は乳がんリスクの低下と関連するが、成人前の身体活動との関連を検討した研究は少ない。米国ノースカロライナ大学のNicole M. Niehoff氏らが5万人超の大規模女性コホートで5~19歳時の身体活動を調査したところ、乳がん発症リスクとの間に逆相関が示された。Breast cancer research and treatment誌オンライン版2017年5月12日号に掲載。
慢性疼痛患者に対する医療用大麻、オピオイドとの比較 最終更新:2017/05/19 医療一般 慢性疼痛患者では、抑うつや不安を高率に合併している。オピオイド(OP)の処方は、疼痛の薬理学的治療において一般的な方法の1つであるが、米国および世界のいくつかの国において、疼痛管理のための医療用大麻(medical marijuana:MM)が増加している。イスラエル・アリエル大学のDaniel Feingold氏らは、OPおよびMMを処方された疼痛患者の、抑うつおよび不安レベルの比較を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年4月21日号の報告。
ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験 最終更新:2017/05/19 医療一般 AstraZenecaとその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年5月12日、放射線とプラチナベース化学療法の併用で進行が止まったステージ3の切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、第III相試験PACIFICにおいて、durvalumab(海外商品名:Imfinzi)が良好な結果を得たと発表した。
直近10年、新薬の32%に販売中止・枠組み警告/JAMA 最終更新:2017/05/18 ジャーナル四天王 2001年からの10年間に米国食品医薬品局(FDA)で承認を受けた222種の新規治療薬のうち、安全性への懸念から、市販開始後に販売中止や枠組み警告の追加などに至ったものが32%あったことが明らかにされた。なかでも、生物学的製剤や精神疾患治療薬、迅速承認や当局承認締め切り間際に承認を受けたものでその発生率が有意に高く、著者は「これらの新しい治療薬は、生涯にわたる継続的な安全性モニタリングが必要であることを強調するものである」と述べている。米国・ブリガム・ウィメンズ病院のNicholas S. Downing氏らによる検討で、JAMA誌2017年5月9日号に発表された。
バイスタンダーによる蘇生処置が予後を大幅に改善/NEJM 最終更新:2017/05/18 ジャーナル四天王 バイスタンダーによる心肺蘇生(CPR)および除細動の実施は、脳障害/介護施設入所や全死因死亡の1年リスクを、いずれも3~4割と有意に低減することが示された。デンマーク・オールボー大学のKristian Kragholm氏らが2,855例を対象に行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2017年5月4日号で発表した。院外心停止へのバイスタンダーによる介入と長期機能アウトカムとの関連について、これまで大規模に検討されたことはなかった。
咽頭痛に対するステロイドの症状軽減効果(解説:小金丸 博 氏)-679 最終更新:2017/05/18 CLEAR!ジャーナル四天王 咽頭痛は、プライマリケアセッティングでみることの多い症候の1つである。咽頭炎の原因の多くはウイルス感染症であるものの、症状軽減効果や化膿性合併症の予防を期待して不必要な抗菌薬が投与されてしまうことも多い。あるsystematic reviewでは、咽頭痛に対してステロイドを単回投与することで24時間以内に症状を消失させることが示されたが、引用された試験はすべて抗菌薬とステロイドを併用したものであり、ステロイド単独の有効性を示した研究は存在しなかった。
MCI患者の進行を予測する、DLB進行型の特徴とは 最終更新:2017/05/18 医療一般 認知症の病理学的に特異な治療を有効に行うためには、正確にかつ早期に診断する必要がある。レビー小体型認知症(DLB)は、とくに前駆期においてアルツハイマー病(AD)と誤診されることが少なくない。英国・ロンドン大学のDilman Sadiq氏らは、軽度認知障害(MCI)患者を対象に、フォローアップ時におけるAD、DLBへの進行の有無による臨床的および神経心理学的プロファイルを比較した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2017年4月28日号の報告。
ヒドロクロロチアジド使用量と口唇がんリスクが相関 最終更新:2017/05/18 医療一般 利尿薬であるヒドロクロロチアジドの使用により口唇がんリスクが高まることを示唆する報告がある。この関連を検討した南デンマーク大学のAnton Pottegard氏らの症例対照研究において、ヒドロクロロチアジドの累積使用量と口唇がんリスクに強い相関が認められた。Journal of internal medicine誌オンライン版2017年5月8日号に掲載。
ペムブロリズマブ、化学療法併用でPD-L1発現問わず肺がん1次治療に承認:FDA 最終更新:2017/05/18 医療一般 Merck社は2017年5月10日、米国食品医薬品局(FDA)が、ペメトレキセド+カルボプラチン(pem/carbo)レジメンとの併用で、PD-L1発現とは無関係に、ペムブロリズマブを転移性非扁平非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に承認したと発表した。
ネガティブ試験の出版割合は低くない?/BMJ 最終更新:2017/05/17 ジャーナル四天王 ポジティブな転帰の試験は、ネガティブな転帰の試験よりも初回投稿時の採択率は高い傾向があるが、投稿や出版期日までの出版の割合はネガティブ試験の研究のほうが高く、試験期間を通じて研究段階バイアス(submission bias)や出版バイアス(publication bias)のエビデンスは認められないとの結果が、米国・グラクソ・スミスクライン社研究開発部のGary Evoniuk氏らの調査で示された。同氏らは、「出版率にのみ重点を置いた分析は、不成功に終わった出版に向けた取り組みを考慮していない」と指摘する。研究の成果は、BMJ誌2017年4月21日号に掲載された。2010年以降に実施された文献調査では、clinicaltrials.govや他の公的サイトに登録された試験の15~44%は医学誌に発表されていないという。統計学的に有意な転帰が得られなかった試験は出版の可能性が低く、出版された場合も試験終了から公表までの期間が長期に及ぶとされてきたが、今回の結果はこれらの知見とは相反するものであった。
うつ病患者、入浴がうつ症状を軽減 最終更新:2017/05/17 医療一般 うつ病治療は進歩しているにもかかわらず、3分の1のうつ病患者は、従来の抗うつ薬では対応できていない。副作用の少ない、より効果的な治療が求められている。ドイツ・フライブルク大学のJohannes Naumann氏らは、うつ病性障害を有する成人において温熱浴がうつ症状を軽減するかを検討した。BMC complementary and alternative medicine誌2017年3月28日号の報告。
亜鉛欠乏症のあなどれない影響 最終更新:2017/05/17 医療一般 2017年4月26日、都内においてノーベルファーマ株式会社は、「見落とされがちな『亜鉛不足』の最新治療~日本初となる低亜鉛血症治療薬の登場~」と題してプレスセミナーを開催した。セミナーでは、2008年に承認された同社の酢酸亜鉛水和物(商品名:ノベルジン)が2017年3月に低亜鉛血症にも追加承認されたことから、小児に多い亜鉛欠乏症の概要を小児科専門医の視点から、そして、亜鉛が肝疾患に与える影響について消化器専門医の視点から講演が行われた。
両眼白内障の手術、両眼同時 vs.片眼ずつ 最終更新:2017/05/17 医療一般 両眼白内障の手術において、両眼同時手術と片眼ずつ手術では予後に違いはあるのか。米国・カイザーパーマネンテ北カリフォルニア研究部門のLisa J. Herrinton氏らによる後ろ向き研究の結果、両眼同時手術が、片眼ずつの手術と比較して術後の最高矯正視力(BCVA)不良や屈折異常、あるいは合併症リスクを増大させるとのエビデンスはないことが示された。Ophthalmology誌オンライン版2017年4月21日号掲載の報告。
高齢者でも朝食抜きが肥満に関連~平城京スタディ 最終更新:2017/05/17 医療一般 子供や若年者では朝食の欠食が肥満に関連することが報告されているが、高齢者での関連性の報告はほとんどない。今回、平城京スタディの横断研究で、高齢者においても朝食の欠食が肥満と有意に関連することが示された。食事の質の低さや身体活動の少なさが肥満につながっている可能性があるという。The journal of nutrition, health & aging誌2017年5月号に掲載。
低LDL-Cが認知症リスクを低減する可能性/BMJ 最終更新:2017/05/16 ジャーナル四天王 PCSK9遺伝子およびHMGCR(HMG-CoA reductase)遺伝子のバリアントに起因するLDLコレステロール(LDL-C)の低下は、認知症やパーキンソン病の発症リスクを増加させず、LDL-C値の低下によりアルツハイマー型認知症のリスクが低減する可能性があることが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarianne Benn氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2017年4月24日号に掲載された。コレステロールは脳のニューロンを取り囲むミエリンの主成分であるため、低LDL-C値はアルツハイマー型認知症やパーキンソン病などの神経疾患のリスクを増大させる可能性が指摘されている。
世界および日本において喫煙対策は急務である(解説:有馬 久富 氏)-678 最終更新:2017/05/16 CLEAR!ジャーナル四天王 Global Burden of Disease Study 2015から喫煙に関する成績がLancet誌に報告された。その結果は、世界において男性の25%、女性の5%が喫煙しており、年間640万人が喫煙のために死亡しているというショッキングなものであった。死因別にみると、心血管病死亡の41%、悪性新生物による死亡の28%、呼吸器疾患による死亡の21%が、喫煙によるものであった。つまり、喫煙者がいなくなることにより、心血管病死亡が約4割、悪性新生物による死亡が約3割、呼吸器疾患による死亡が約2割減少し、年間640万人の死亡が回避できると期待される。
確定診断までの平均期間は13.8年 最終更新:2017/05/16 医療一般 2017年5月9日、シャイアー・ジャパン株式会社は都内において、5月16日の「遺伝性血管性浮腫 啓発の日」を前に、「腫れやむくみ、腹痛を繰り返す難病の実態」と題したプレスセミナーを開催した。
歯科治療で突然のむくみ!? 「遺伝性血管性浮腫」の危険性と予防 最終更新:2017/05/16 医療一般 2017年5月10日、都内にて「遺伝性血管性浮腫」をテーマにプレスセミナーが開催された(主催:CSLベーリング株式会社)。本セミナーは、今年3月に同社のベリナートP静注用500(一般名:乾燥濃縮人C1-インアクチベーター、以下ベリナート)が、「侵襲を伴う処置による遺伝性血管性浮腫の急性発作の発症抑制」に対する、適応追加承認を取得したことを受けて行われたものである。
抗うつ薬治療により誘発される躁病、リスクプロファイルは男女間で異なる 最終更新:2017/05/16 医療一般 抗うつ薬治療により誘発される躁病(antidepressant treatment-emergent mania:ATEM)を発症する男女の有病率および臨床プロファイルを、英国・ニューカッスル大学のJ Scott氏らが調査を行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌2017年5月号の報告。
高感度心筋トロポニンT、非心臓手術後の死亡と関連/JAMA 最終更新:2017/05/15 ジャーナル四天王 非心臓手術施行例では、術後3日間の高感度心筋トロポニンT(hsTnT)のピーク値が30日死亡リスクと関連することが、カナダ・マックマスター大学のP.J.Devereaux氏らが行ったVISION試験で示された。心筋虚血の臨床所見がみられない場合でも、hsTnT値上昇は30日死亡と関連したという。研究の成果は、JAMA誌2017年4月25日号に掲載された。非心臓手術後心筋障害(myocardial injury after noncardiac surgery:MINS)は、術後30日以内に発症した心筋虚血に起因する心筋障害と定義され、死亡との独立の関連が確認されている。非高感度心筋トロポニンTアッセイに基づくMINSの診断基準が確立されているが、米国食品医薬品局(FDA)は最近、hsTnTの使用を承認し、世界的に多くの病院でhsTnTアッセイが用いられている。