重度骨折では術前血管造影を行うべき 最終更新:2012/11/02 医療一般 Gustilo IIIC外傷については、その定義のコンセンサスが求められており、また重度開放脛骨骨折のアウトカムに関する血行障害の影響について調査されている。英国 Frenchay HospitalのChummun S氏らは、約3,300人の形成および整形外科医から患者データを集め、血行障害とアウトカムとの関連について評価を行った。その結果、血行障害は肢機能に影響を与える独立した因子であることが示される一方で、医師の半数近くが血管損傷は無関係だと考えていることなどが明らかになった。
なぜ?第二世代抗精神病薬投与による“強迫症状”発現機序 最終更新:2012/11/02 疫学(危険因子) 大部分の統合失調症患者は、第二世代抗精神病薬(SGA)による治療中に強迫症状が発現する。近年の研究により、このような二次的な強迫症状の遺伝的危険因子として、グルタミン酸エステル搬送体遺伝子(SLC1A1)が関連することが示唆されている。Schirmbeck氏らは欧州での試験により、この結果を検証した。Psychiatr Genet誌2012年10月号の報告。
ロタウイルス遺伝子型の頻出、G3P[8]型が約6割 最終更新:2012/11/02 医療一般 ロタウイルスは、世界的にみても乳幼児における重度の下痢の最も主要な原因であるが、2009~2011年にタイ国で最も猛威をふるったロタウイルスの遺伝子型はG3P[8]型であり、約6割を占めていたことが明らかになった。タイ・Chulalongkorn UniversityのMaiklang O氏らの報告による(Southeast Asian J Trop Med Public Health誌2012年7月号)。なお、関連報告(2007~2009年動向調査)によると、前2年間のG3P[8]型の出現頻度は0.6%であり、最も頻出していたロタウイルス遺伝子型はG1P[8]型で約5割だったことが報告されている。
抗結核薬耐性の最大リスク因子は「2次抗結核薬の投与歴」 最終更新:2012/11/01 ジャーナル四天王 超多剤耐性結核(XDR-TB)を含む抗結核薬耐性の最大のリスク因子は、「2次抗結核薬の投与歴」であることが、米国疾病対策予防センター(CDC)のTracy Dalton氏らの調査(Global PETTS)で示された。多剤耐性結核(MDR-TB)は、Mycobacterium tuberculosisを原因菌とし、少なくともイソニアジドとリファンピシンに対する耐性を獲得した結核で、XDR-TBはこれら2つの1次抗結核薬に加え、2次抗結核薬であるフルオロキノロン系抗菌薬および注射薬の各1剤以上に耐性となった結核と定義される。XDR-TBの世界的発生は実質的に治療不能な結核の到来を告げるものとされ、MDR-TBに対する2次抗結核薬の使用拡大によりXDR-TBの有病率が増大しつつあるという。Lancet誌2012年10月20日号(オンライン版2012年8月30日号)掲載の報告。
〔CLEAR! ジャーナル四天王(32)〕 心臓手術における抗線溶薬アプロチニンは安全性に懸念が残る:メタ解析 最終更新:2012/11/01 CLEAR!ジャーナル四天王 心臓手術では人工心肺離脱後の止血が重要である。止血剤としては従来からトラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)やイプシロンアミノカプロン酸が使用されている。アプロチニンも以前は頻用されていたが、安全性の理由から2008年以降、市場供給が停止されていた。しかし最近、ヨーロッパとカナダで再上市されている。
うつ病の既往歴がある患者に対する禁煙治療は難しい?! 最終更新:2012/11/01 医療一般 大うつ病の既往は、禁煙治療中あるいは治療後の禁煙継続に悪影響を及ぼすことが報告された。米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学校のHitsman氏らによるメタ解析の結果で、以前(2003年)の解析のアップデート報告。当時の報告では、大うつ病既往は禁煙治療に影響しないことが示されていた。今回の解析結果を受けて著者は、大うつ病喫煙患者には、この点に注目した効果的な治療もしくは適切な治療を見極めることが必要だと提言している。Addiction誌オンライン版2012年10月16日号の報告。
乾癬患者の2型糖尿病リスク、有病率1.59倍、罹患率1.27倍 最終更新:2012/11/01 医療一般 乾癬は2型糖尿病リスクと関連しており、重症患者で最もそのリスクが強い可能性があることが明らかにされた。米国カリフォルニア大学デービス校Health SystemのArmstrong氏らが、システマティックレビューによるメタ解析の結果、報告した。Archives of dermatologyオンライン版2012年10月15日号の掲載報告。
新生児における牛乳アレルギーの臨床的特徴 最終更新:2012/11/01 疫学(予後) 牛乳アレルギー(CMA)を疑う食物関連症状の臨床的所見は、早産児であることや消化器外科手術のような根本的要因に影響を受けると報告された。昭和大学の宮沢氏らによる報告。
だいじょうぶか安房医師会:無料低額診療に反対する理由がひどい (その1/2) 最終更新:2012/11/01 医療一般 亀田総合病院副院長 社会福祉法人太陽会顧問 小松 秀樹 2012年10月31日 MRIC by 医療ガバナンス学会 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 ●原徹文書 2012年10月9日、安房医師会理事会(会長、副会長以外に6名の理事が出席)において、原徹安房医師会副会長が「安房地域医療センター 無料低額診療施設としての位置付けに関して」と題する文書を配布した。原徹医師は、千葉県医師会副会長であり、日本医師会代議員でもある。医師会活動に長年取り組み、医師会内で地位を獲得してきた。理事会では、間宮聰会長と3名の理事が、原徹文書の論理に沿って、安房地域医療センターで計画されている無料低額診療に対する反対意見を述べた。
XDR結核患者へのリネゾリド追加投与、約9割が半年以内に喀痰培養陰性化 最終更新:2012/10/31 ジャーナル四天王 超多剤耐性(XDR)の結核患者に対してリネゾリド(商品名:ザイボックス)を追加投与することで、6ヵ月時点までに87%で喀痰培養陰性化が認められたことが報告された。一方で、リネゾリドを投与した人の8割で、臨床的に明らかな有害事象が認められた。韓国・International Tuberculosis Research CenterのMyungsun Lee氏らが、40人弱について行った無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年10月18日号で発表した。
非血縁ドナーからの末梢血幹細胞移植と骨髄移植、2年生存率は同等 最終更新:2012/10/31 ジャーナル四天王 白血病患者などに対する、非血縁ドナーからの末梢血幹細胞移植(PBSCT)と骨髄移植(BMT)について、2年生存率は同等であることが報告された。また、生着不全の割合はPBSCTのほうが、慢性移植片対宿主病の発症率はBMTのほうが、それぞれ有意にリスクは低い可能性も示唆された。米国・H. Lee Moffitt Cancer Center and Research InstituteのClaudio Anasetti氏らが、約550例について行った第3相多施設共同無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年10月18日号で発表した。
〔CLEAR! ジャーナル四天王(31)〕 リウマトイド因子高力価陽性の健常者は10年以内に関節リウマチを発症する可能性がある 最終更新:2012/10/31 CLEAR!ジャーナル四天王 健常者におけるリウマトイド因子陽性の病的意義は不明であったが、関節リウマチと診断されていない20代から70代の9,712人のコペンハーゲン住民の健常者を28年間追跡した前向きコホート研究の結果、リウマトイド因子の値が高いほど10年以内に関節リウマチを発症するリスクが高まることが示された。
CKD患者の血圧管理:ARBで降圧不十分な場合、増量か?併用か? 最終更新:2012/10/31 比較 CKD患者の血圧管理においてARB単剤で降圧目標130/80mmHg未満に到達することは難しい。今回、熊本大学の光山氏らは、日本人対象の無作為化比較試験のサブ解析の結果、ARB単剤で降圧不十分時にARBを増量するより、Ca拮抗薬を併用したほうが心血管系イベントや死亡といったリスクを回避しやすいことを示唆した(Kidney International誌オンライン版10月10日号掲載報告)。
うつ病に対するミルタザピンvs他の抗うつ薬【ポール・ヤンセン賞受賞】 最終更新:2012/10/31 比較 第22回日本臨床精神神経薬理学会・第42回日本神経精神薬理学会合同年会(2012年10月18~20日、宇都宮市)にて2012年ポール・ヤンセン賞を受賞した名古屋市立大学 渡辺氏の「うつ病に対するミルタザピンと他の抗うつ薬の比較―コクランレビュー」を紹介する。
HPVワクチン接種を受けた少女、その後の性交渉に変化はみられるのか? 最終更新:2012/10/31 医療一般 HPVワクチン接種を受けた少女と受けなかった少女について、その後3年間の性交渉に関連した受診動向について後ろ向きに比較した結果、接種群の複合アウトカムリスク(妊娠/性感染症の検査または診断、避妊カウンセリング)の増大は、認められなかったことが報告された。米国のHMOカイザーパーマネント南東部ヘルスリサーチセンターのBednarczyk RA氏らによる報告で、これまでHPVワクチン接種後の性交渉の変化について自己申告に基づくサーベイ調査はあったが、臨床的指標を用いた調査はこれが初めてだという。Pediatrics誌オンライン版2012年10月15日号の掲載報告。
仕事上でストレスを感じていると、冠動脈疾患を発症しやすいのか? 最終更新:2012/10/31 疫学(危険因子) 「仕事上でストレスを感じていると、冠動脈疾患を発症しやすいのでしょうか?」 このような患者さんからの質問にどのように回答するか? これまで職場でのストレスが冠動脈疾患の発症リスクを高めるかについては、出版バイアスや因果の逆転等によって異なる結果が発表されてきた。英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのKivimäki氏らはメタアナリシスの結果、仕事上のストレスを感じている人では冠動脈疾患の発症率が高くなることを明らかにした。Lancet誌2012年10月27日号の掲載報告。
抗うつ薬だけじゃない!うつ病寛解を目指す「共同ケア」の効果は? 最終更新:2012/10/30 比較 うつ病に対する共同ケア(collaborative care)の有効性について評価した結果、抑うつおよび不安アウトカムが、通常ケアと比べて改善することが、英国・マンチェスター大学のArcher氏らによるシステマティックレビューの結果より示された。著者は、「抑うつ・不安症状を呈する成人患者の臨床治療に有用であることが示された」と結論している。Cochrane Database Syst Rev2012年10月17日号の報告。
小学生の日焼け止め塗布量、中央値0.48mg/cm2で大人と同程度 最終更新:2012/10/30 医療一般 オーストラリア・クイーンズランド工科大学公衆衛生校のDiaz A氏らは、小学生の日焼け止めの塗布量と年齢、および容器との関連についてクロスオーバー試験を行った。その結果、塗布量は製品推奨では2.00mg/cm2だが中央値0.48mg/cm2未満であり、ポンプ入りの日焼け止め利用者が最も厚塗りだったが、それでも1.00mg/cm2未満で大人と同程度であったことが明らかになった。Arch Dermatol誌2012年5月号の掲載報告。