ゲフィチニブは進行非小細胞肺癌の2nd-line治療として妥当:INTEREST試験

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2008/12/04

 



再発進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対するゲフィチニブ(商品名:イレッサ)療法の有用性は標準治療であるドセタキセル療法に劣らないため、進行NSCLCの2nd-line治療として妥当であることが、国際的な第III相試験INTEREST試験で明らかとなった。米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのEdward S Kim氏が、Lancet誌2008年11月22号で報告した。

EGFR遺伝子コピー数高値例における優越性は示せず




既治療の進行NSCLCに関する2つの第II相試験で、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるゲフィチニブは化学療法よりも有効かつ毒性が低いことが示唆されている。

INTEREST試験の研究グループは、すでにプラチナ製剤ベースの化学療法を受けた局所進行・転移性NSCLCを対象に、ゲフィチニブとドセタキセルを比較する無作為化第III相試験を行った。

2004年3月1日~2006年2月17日までに、24ヵ国149施設からプラチナ製剤ベースの化学療法レジメンを1つ以上受療した1,466例の進行NSCLC患者(2nd~4th-line)が登録され、ゲフィチニブ群(250mg/日、経口投与、733例)あるいはドセタキセル群(75mg/m2、3週毎に1時間で静注、733例)に無作為に割り付けられた。

主要評価項目は全生存期間であり、per-protocol解析による非劣性およびEGFR遺伝子コピー数が高値の患者においてintention-to-treat解析による優越性の評価を行うco-primary解析を実施した。

1,433例(ゲフィチニブ群:723例、ドセタキセル群:710例)のper-protocol解析では、生存期間中央値はゲフィチニブ群7.6ヵ月、ドセタキセル群8.0ヵ月と同等であり、ゲフィチニブ療法の非劣性が確認された(ハザード比:1.020、96%信頼区間:0.905~1.150)。

EGFR遺伝子コピー数高値例(ゲフィチニブ群:85例、ドセタキセル群:89例)のintention-to-treat解析では、生存期間中央値はゲフィチニブ群8.4ヵ月、ドセタキセル群7.5ヵ月であり、ゲフィチニブ療法の優越性は示されなかった(ハザード比:1.09、95%信頼区間:0.78~1.51、p=0.62)。

有害事象については、ゲフィチニブ群では皮疹/挫瘡(49%)、下痢(35%)が高頻度に見られたのに対し、ドセタキセル群では好中球減少(74%)、脱力感(47%)、脱毛(36%)の頻度が高かった。

INTEREST試験の研究グループは、「既治療の進行NSCLCの治療におけるゲフィチニブのドセタキセルに対する非劣性が確認された。ゲフィチニブ療法はこれらの患者の治療法として妥当である」と結論し、「効果が同等であれば、耐用性、QOLがともに静注薬よりも良好な傾向がある経口薬は、再発進行NSCLC治療にパラダイムシフトを促し、代替可能な治療選択肢となるだろう」と指摘する。

(菅野守:医学ライター)