脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:56

片頭痛と認知症との関係~メタ解析

 片頭痛と認知症リスクとの相関を明らかにするため、中国・The First Hospital of Jilin UniversityのWei Jiang氏らは、包括的なシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Aging Clinical and Experimental Research誌オンライン版2022年1月31日号の報告。  PubMed、EMBASE、Cochrane library databasesより、システマティックに検索した。血管性認知症を含む認知症患者の片頭痛について報告されたコホート研究(プロスペクティブおよびレトロスペクティブ)およびケースコントロール研究を抽出した。プールされた効果を分析し、95%信頼区間(CI)を用いて、相対リスクの評価を行った。

脳梗塞の血管内治療、アスピリン・未分画ヘパリンは益より害?/Lancet

 虚血性脳卒中への血管内治療において、周術期のアスピリンまたは未分画ヘパリン投与はいずれも、症候性頭蓋内出血リスクを増大し、機能的アウトカムの有益な効果に関するエビデンスはないことが、オランダ・Erasmus MC University Medical CenterのWouter van der Steen氏らによる無作為化比較試験の結果、示された。アスピリンおよび未分画ヘパリンは、脳卒中の血管内治療において、再灌流とアウトカムを改善するためにしばしば使用される。しかし、その適応に関する効果とリスクは明らかではなかった。Lancet誌オンライン版2022年2月28日号掲載の報告。

アルツハイマー病治療薬aducanumabのFDA承認に対する世論調査

 FDAによるアルツハイマー病治療薬aducanumabの承認については、専門家の間でさまざまな意見が出されているが、このことに関する世論については、ほとんど知られていない。米国・ジョンズホプキンス大学School of Public HealthのMichael J. DiStefano氏らは、米国成人を対象に、aducanumabのFDA承認に対する世論調査を実施した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2022年2月7日号の報告。  対象は、35歳以上の米国成人。aducanumabの承認に関する意見、FDAに対する批判因子の特定、政策対応に関する意見(メディケアおよびメディケイドサービスセンターによる全国的な補償範囲決定に関連する対応など)を調査した。調査には、全国世論調査センターAmeriSpeakパネルから得られた確率ベースのサンプルを用いて、オンライン(英語およびスペイン語)で調査した。パネルおよび調査デザインの選択確率は、人口統計による人口分布と期待反応率の違いにより算出した。選択確率と無回答を調整するため、survey weightを用いて分析した。

抗CGRP抗体フレマネズマブの使用継続による効果の変化

 片頭痛の予防的治療の主な目的は、発作頻度の減少、重症度の軽減、期間の改善、片頭痛関連障害の軽減などである。これまでの片頭痛予防薬では、投与を継続するたびに、次の投与を行う前に臨床症状の再発または悪化が認められる減弱効果が報告されている。米国・The Headache Center of Southern CaliforniaのAndrew M. Blumenfeld氏らは、片頭痛予防に対する抗CGRP抗体フレマネズマブの四半期ごとまたは月1回投与において、継続投与により有効性の減弱効果が認められるかについて、検討を行った。Headache誌2020年11月号の報告。

難治性院外心停止、体外心肺蘇生法vs.標準的蘇生法/JAMA

 難治性院外心停止(OHCA)患者において、心停止状態での早期搬送/体外循環式心肺蘇生法(ECPR)/侵襲的診断と治療から成るケアバンドルは、標準的な蘇生法と比較して、180日後の神経学的アウトカム良好での生存率を改善しないことが、チェコ・カレル大学のJan Belohlavek氏らが実施した単施設無作為化臨床試験「Prague OHCA試験」の結果、示された。OHCAはアウトカムが不良であり、心停止状態での搬送/ECPR/即時侵襲的戦略の有益性については不明であった。JAMA誌2022年2月22日号掲載の報告。

抗凝固薬の使用は十分に慎重に!(解説:後藤信哉氏)

DOACは出血合併症が少ないと喧伝される。しかし、心房細動の脳卒中予防をワルファリンと比較した4つのDOAC開発試験では、いずれも年間2~3%に重篤な出血合併症を惹起している。対照群がPT-INR 2-3を標的としたワルファリン療法であったこと、PT-INRの計測が精度の低いPOC deviceであったこと、実臨床で多用される0.5mgの錠剤が必ずしも供与されなかったこと、などの各種条件の結果、DOAC群の出血合併症リスクはワルファリン群よりも低かった。しかし、DOACは決して出血合併症の少ない薬剤ではない。年率2~3%の重篤な出血イベントはむしろ副作用の多い薬剤ともいえる。

心停止後昏睡、抗けいれん治療併用で転帰改善は?/NEJM

 心停止後昏睡患者において、律動的および周期的な脳波活動を48時間以上抑制する抗けいれん治療を標準治療に併用しても、標準治療のみと比較して3ヵ月後の神経学的アウトカム不良の割合に有意差は認められないことが、オランダ・トゥウェンテ大学のBarry J. Ruijter氏らが実施した医師主導型無作為化非盲検(評価者盲検)臨床試験「TELSTAR試験」の結果、示された。心停止後昏睡患者において、律動的および周期性の脳波パターンを治療することにより転帰が改善するかどうかは明らかになっていなかった。NEJM誌2022年2月24日号掲載の報告。

認知症の精神症状に対する薬理学的治療~メタ解析

 認知症では精神症状が頻繁に認められ、疾患アウトカムの不良や実質的な機能障害を引き起こす可能性がある。どの治療薬を用いるべきかを議論するためには、薬物療法の直接的または間接的な比較が必要とされるが、これまで十分に行われていなかった。中国・復旦大学のYu-Yuan Huang氏らは、認知症患者に対する薬理学的治療の有効性および忍容性アウトカムを調査するため、システマティックレビューおよびペアワイズネットワークメタ解析を実施した。Ageing Research Reviews誌2022年3月号の報告。  2020年8月末までに報告された研究を、MEDLINE、Cochrane Library、EMBASE、PubMedより検索した。米国FDAより最終承認されているコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)、メマンチン、抗精神病薬、抗うつ薬、気分安定薬を含む試験を検索した。すべての薬剤について対プラセボの比較効果をランク付けするため、SUCRA(surface under the cumulative ranking)を用いた。  主な結果は以下のとおり。

抗CGRP抗体フレマネズマブの患者満足度調査

 米国・アルベルトアインシュタイン医科大学のDawn C. Buse氏らは、片頭痛に対する抗CGRP抗体フレマネズマブの長期的(52週間)な安全性および有効性を評価するために実施された延長試験を完了し、フォローアップ調査に同意した患者を対象に、フレマネズマブに対する満足度、好み、患者報告アウトカムの評価を行った。The Journal of Headache and Pain誌2020年9月4日号の報告。  延長試験では、片頭痛患者1,842例がフレマネズマブ四半期ごと投与群または月1回投与群にランダム化された。積極的な治療完了後、患者の満足度、治療および投薬の好み、患者報告アウトカムの変化を調査票を用いて評価した。  主な結果は以下のとおり。

痛み止めの使い過ぎによる頭痛の有病率調査~糸魚川研究

 一般的な日本人を対象とした痛み止めの使い過ぎによる頭痛(MOH)の有病率に関する調査は十分に行われていない。新潟・糸魚川総合病院の勝木 将人氏らは、MOHの有病率およびその特徴を明らかにするため、アンケート調査を実施した。また、クラスタリングを実施し、MOHのサブグループ化を行った。Neurological Sciences誌オンライン版2022年1月19日号の報告。  新潟県・糸魚川市において、COVID-19のワクチン接種後の待機時間を利用して15~64歳の住民を横断的に調査した。MOHの定義は、1ヵ月当たり15回以上の頭痛、過去3ヵ月間で1ヵ月当たり10日または15日以上の鎮痛薬の使用とし、自己報告により情報を収集した。ウォード法およびK-means++法を用いて、MOHのクラスタリングを行った。  主な結果は以下のとおり。