脳神経外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:109

2次予防の抗血小板療法、重大出血リスクは高齢ほど上昇/Lancet

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)非併用でアスピリンベースの抗血小板治療を受ける虚血性イベント後の患者について、重大出血のリスクは長期的に高いことが、前向き住民ベースのコホート試験で示された。また、そのような患者は、先行研究で示された患者と比べて実際には高齢の患者で多く、機能障害が残るまたは死亡に至る上部消化管出血のリスクがかなり高かった。これら、英国・オックスフォード大学のLinxin Li氏らによる「Oxford Vascular Study」試験の結果は、Lancet誌オンライン版2017年6月13日号で発表された。虚血性イベント後の患者には生涯にわたる抗血小板治療が、先行研究である75歳未満の患者を対象とした試験をベースに推奨されている。著者らは年齢を問わず、2次予防としての抗血小板治療における出血のリスク、経過、アウトカムを評価するため、本検討を行った。

認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているか

 認知症高齢者によく用いられる向精神薬は、死亡率の上昇と関連しているといわれている。これまでの研究では、このリスクに関する性差は調査されていない。スウェーデン・ウメオ大学のJon Brannstrom氏らは、認知症高齢者における抗精神病薬、抗うつ薬、ベンゾジアゼピンの使用と2年間の死亡率との関連を分析し、性差に関する調査を行った。BMC pharmacology & toxicology誌2017年5月25日号の報告。

日本人の脳卒中予防に最適な身体活動量~JPHC研究

 欧米人より出血性脳卒中が多いアジア人での身体活動量と脳卒中の関連についての研究は少ない。わが国の多目的コホート研究であるJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study、主任研究者:津金昌一郎氏)で、脳卒中予防のための身体活動の最適レベルを検討したところ、日本人では過度の激しい活動は出血性脳卒中の予防に有益ではなく、不利益にさえなる可能性があることが示唆された。今回の結果から、脳卒中予防には中等度の活動による中等度の身体活動量が最適であろうとしている。Stroke誌オンライン版2017年6月5日号に掲載。

せん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証

 認知症入院患者は、せん妄リスクが高いが、認知症に併発したせん妄(delirium superimposed on dementia:DSD)が患者アウトカムに及ぼす影響については、あまり知られていない。ブラジル・サンパウロ大学のThiago J. Avelino-Silva氏らは、高齢者入院患者におけるDSDと院内死亡率および12ヵ月間の死亡率との関連を調査した。PLOS medicine誌2017年3月28日号の報告。

CVDリスクを予測する最新QRISK3モデルを検証/BMJ

 心血管疾患(CVD)の10年リスクを予測するQRISK2に新規リスク因子を加えた新しいQRISK3リスク予測モデルが開発され、英国・ノッティンガム大学のJulia Hippisley-Cox氏らが検証結果を発表した。追加された臨床変数は、慢性腎臓病(CKD)、収縮期血圧(SBP)の変動性、片頭痛、ステロイド薬、全身性エリテマトーデス(SLE)、非定型抗精神病薬、重度の精神疾患および勃起障害で、これらを組み入れたQRISK3は、医師が心疾患や脳卒中のリスクを特定するのに役立つ可能性が示されたという。現在、英国のプライマリケアではQRISK2が広く活用されているが、QRISK2では完全には捉えられないリスク因子もあり、CVDリスクの過小評価につながる可能性が指摘されていた。BMJ誌2017年5月23日号掲載の報告。

うつ病は認知症のリスクファクター or 初期マーカー

 うつ病は、認知症のリスクファクターとして知られているが、この関係が原因であるかはわかっていない。オーストラリア・西オーストラリア大学のO. P. Almeida氏らは、うつ病に関連する認知症が抗うつ薬使用により減少するか、うつ病への曝露と認知症が発症した時間との関係性を調査した。Translational psychiatry誌2017年5月2日号の報告。

evacetrapib、早期中止の第III相試験の結果/NEJM

 ハイリスク血管疾患の患者に対するコレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害薬evacetrapibの投与は、プラセボ投与と比較して、LDLコレステロール値を低下しHDLコレステロール値を上昇させるという従来確認されている脂質バイオマーカーの変化は見られたが、心血管イベント発生の低下は認められなかった。米国・クリーブランドクリニックのA. Michael Lincoff氏らによる、約1万2,000例を対象とした第III相・多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。evacetrapibについては第II相試験で、ベースラインからLDLコレステロール値を35%低下、HDLコレステロール値を130%上昇させた効果が確認されていた。NEJM誌2017年5月18日号掲載の報告。