腎臓内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:47

CKD進行、eGFRの小幅な低下にも注意を/JAMA

 慢性腎臓病(CKD)の進行エンドポイントとして、推定糸球体濾過量(eGFR)の小幅な低下(たとえば2年間で30%低下)が有用であることが、米国ジョンズ・ホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院のJosef Coresh氏らにより明らかにされた。CKDの進行エンドポイントとしては、末期腎不全(ESRD)または血清クレアチニン値の倍増(eGFRの57%低下に相当)が確立しているが、いずれも末期のイベントである。今回の検討で、eGFRの小幅な低下はクレアチニン値の倍増よりも発生頻度が高く、その後のESRDや死亡リスクと強固に関連していたことが明らかにされた。JAMA誌オンライン版2014年6月3日号掲載の報告より。

乳幼児専用の腎代替療法機器が登場/Lancet

 多臓器不全を伴う新生児や乳幼児への持続的腎代替療法(CRRT)機器として開発された「CARPEDIEM」は、多様な治療やサポートを提供し有用であることがイタリア・聖ボルトロ病院のClaudio Ronco氏らにより報告された。腹膜透析導入を減らし、CRRT適用範囲を拡大し、CRRTによる外傷を減らし、その他の腎代替療法がなくても支持療法として用いることができるという。新生児の急性腎不全(AKI)例では腹膜透析が選択肢となるが、適用できなかったり効果的ではない場合がある。従来CRRT機器は、15kg未満の新生児には未承認使用されており、乳幼児向けにデザインされたものはなかった。Lancet誌2014年5月24日号掲載の報告より。

ビタミンDと透析患者の抑うつ症状との関連

 うつ病は、末期腎不全(ESRD)患者において最も広く知られている心理的問題である。また、うつ病とビタミンD不足との関連が示唆されていた。中国・浙江大学のJisheng Zhang氏らは、透析患者における高感度C反応性蛋白(HsCRP)値、ビタミンD値とうつ病との関連を検討した。BMC Psychiatry誌オンライン版2014年4月28日号の掲載報告。

尿管結石の予測に有用な新たなスコアを開発/BMJ

 尿管結石有無の診断のために新たに開発されたSTONEスコアは、確実にその存在を予測することが、米国・エール大学のChristopher L Moore氏らによる前向きおよび後ろ向きコホート研究の結果、示された。同スコアが高い群で尿管結石が存在する割合が高く、その場合、ほかの急性重大症状を有する確率は低いことも確認された。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討により、CT画像診断による放射線曝露、および画像診断そのものの過剰適用を制限するのに役立つことになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月26日号掲載の報告より。

急性心筋梗塞後にも心房細動患者にはCKDのステージに関わらずワルファリンを投与すべき!でも、日本でも同じ?(コメンテーター:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(190)より-

 ワルファリンは、心房細動患者で心原性脳梗塞や全身性塞栓症を予防するには有効な薬剤で、出血のリスクはあっても、Net Clinical Benefitの点からCHADS2 Scoreを考慮して使用すべきとされている。しかし、CKDのステージが進行するにつれ出血のリスクが増加することから、ワルファリン投与についてはControversialであった。

どのCKDステージにおいてもワルファリンは有用/JAMA

 慢性腎臓病(CKD)で急性心筋梗塞後に心房細動を呈した患者へのワルファリン治療は、CKDの重症度にかかわらず、出血リスクを高めることなく転帰を改善することが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJuan Jesus Carrero氏らによる2万4,317例を対象とした多施設共同前向き観察試験の結果、示された。ワルファリン非使用群と比べた1年時点の複合アウトカム(死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中)ハザード比(HR)は0.57~0.87であり、出血リスクのHRは0.52~1.10だった。これまで、CKDが進行した心房細動患者に対する、ワルファリン治療と死亡・虚血性脳卒中発生との関連については、相反するエビデンスが報告されていた。JAMA誌2014年3月5日号掲載の報告より。

生体腎提供によって末期腎不全のリスクは高まるか/JAMA

 生体腎移植のドナーが末期腎不全(ESRD)を有するリスクは、適合健常非ドナーと比べ有意に高いが、非スクリーニング一般集団と比べると、絶対リスクの増加はわずかであることが明らかにされた。米国ジョンズ・ホプキンス大学のAbimereki D氏らが、米国の生体腎ドナー9万6,217例を追跡調査して報告した。これまで腎ドナーのESRDリスクについて、一般集団との比較は行われておりリスクが高いことが報告されていた。しかし、非スクリーニング一般集団という高リスク集団との比較は行われておらず、ドネーション後の後遺症をより適切に推定しうるスクリーニング健常非ドナーとの検討も十分ではなかった。著者は、「今回の結果は、生体腎提供を考えている人への検討材料の一助となるだろう」とまとめている。JAMA誌2014年2月12日号掲載の報告より。

夜間血圧は慢性腎臓病の発症に関連~大迫研究

 自由行動下血圧は標的臓器障害との関連が報告されているが、慢性腎臓病(CKD)発症の予測に意味を持つかどうかは確認されていない。仙台社会保険病院の菅野 厚博氏らは、大迫研究(Ohasama Study)において、一般の日本人843人のベースライン時の自由行動下血圧とCKDの発症率との関連を検討した。その結果、夜間血圧がCKD発症の予測因子として日中の血圧より優れており、CKDへの進行リスクの評価には自由行動下血圧測定が有用と考えられることを報告した。Journal of hypertension誌2013年12月号に掲載。