活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)
活動性ループス腎炎(LN)は全身性エリテマトーデス(SLE)の中でも重症病態の1つであり、LN患者の約20%が15年以内に末期腎不全に至る。B細胞はSLE発症の重要なメディエーターであるが、この病原性B細胞の減少を来すことがSLEの治療となりうる可能性が以前から指摘されていた。
CD20はB細胞の表面に存在するタンパク質で、B細胞の活性化や増殖に関与する細胞表面マーカーである。この病態に対する治療的アプローチとして、当初はタイプI抗CD20モノクローナル抗体(mAb)であるリツキシマブ(RTX)が検討された。しかし、臨床試験においてその評価は無効とするものもあり、有効とするものでも反復投与例に、B細胞の枯渇が不完全な二次無効が存在することが報告されている。