一過性受容体電位カチオンチャネルサブファミリーCメンバー6(TRPC6)の阻害は筋ジストロフィーのみならず巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)の治療にも有効(解説:浦信行氏)
FSGSは糸球体の一部に硬化が見られる疾患でネフローゼ症候群を示す。難治性であり、腎生存率は10年では85.3%、20年では33.5%となり、3人に1人が末期腎不全となって腎臓を失う。日本における患者数は約7,000人と推定されているが、現在FSGSに対する特異的な治療法はない。しかし、最近病態の一部が明らかにされ、TRPC6が注目されている。これの経口阻害薬であるBI 764198の第II相試験の結果が報告され、約40%の症例で尿蛋白が25%以上の減少を示した。その詳細は本年2月5日配信のCareNet.comに紹介されているので参照されたい。FSGSの病態の一部はTRPC6が上昇してポドサイトの細胞内Caが上昇し、ポドサイトが糸球体基底膜から脱落してポドサイトの減少を招き、糸球体の瘢痕化と尿蛋白漏出を招く。