内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:576

うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題

 うつ病患者に対し、精神科医とかかりつけ医(general practitioner)が協同してケアを実践していくべきという考えの下、日常臨床でうつ病の概念がどう位置付けられているか、また、うつ病の診断方法に対する精神科医とかかりつけ医の認識について、デンマーク・コペンハーゲン大学のAnnette S. Davidsen氏らは調査を行った。その結果、精神科医はうつ病の概念を実用的であると考え、診断方法の正当性に疑問を感じていなかったのに対し、かかりつけ医はうつ病を「グレーな領域」と考えており、うつ病診断の臨床的有用性に疑問を持っている状況を報告した。International Journal of Qualitative Studies on Health and Well-being誌オンライン版2014年11月6日号の掲載報告。

エゼチミブ、冠動脈疾患リスクを低下?/NEJM

 米国・マサチューセッツ総合病院のSekar Kathiresan氏らMyocardial Infarction Genetics Consortium Investigatorsは、エゼチミブ(商品名:ゼチーア)のLDLコレステロール(LDL-C)値低下作用に関わるNiemann-Pick C1-like 1(NPC1L1)タンパク質に着目し、同タンパク質を不活化する突然変異遺伝子を有している人と有していない人を比較した。結果、前者のほうがLDL-C値および冠動脈疾患リスクとの関連が、いずれも有意に低かったことが判明したという。NEJM誌オンライン版2014年11月12日号掲載の報告より。

糖尿病患者へのインフルエンザ予防接種、HbA1c値は抗体保有に影響するのか

 インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンは、1回の接種で、糖尿病患者の免疫力を十分なレベルまで高めることができ、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが、大阪市立大学の江川 裕美氏らによる研究で明らかになった。ただし、高齢者やBMIが低い患者では、免疫応答が低下する可能性があるという。Human vaccines & immunotherapeutics誌2014年5月号の報告。

肺炎球菌ワクチン導入で直接および間接的な効果/NEJM

 南アフリカ共和国では、2009年に小児への7価肺炎球菌ワクチン(PCV7)定期接種が導入され、2011年からはPCV7に代わりPCV13の定期接種が行われている。同国National Health Laboratory Service(NHLS)のAnne von Gottberg氏らは、ワクチン定期接種導入前後の侵襲性肺炎球菌感染症発症の変化を調べた。その結果、2歳未満児と22~45歳の年齢群での効果が最も大きく、それぞれPCV7タイプの肺炎球菌髄膜炎の減少は89%、57%であったことなどを報告した。NEJM誌2014年11月13日号(オンライン版2014年11月11日号)掲載の報告より。

脳卒中急性期の高血圧管理は、効果がない? ~無数のCQに、臨床試験は応えられるのか -ENOS試験の教訓~(解説:石上 友章 氏)-279

 臨床試験は、臨床現場の葛藤に回答を与えてくれることが期待されている。結果の不確実な選択肢に対して、丁半博打のような行為を繰り返す愚を回避するための、有力で科学的な解決策である。しかし、臨床現場のクリニカル・クエスチョン(CQ)は、有限個であるとはいっても、無数に存在する。1つのCQに、1つの臨床試験が確度の高い回答を与えてくれるとは限らない。CQを解決するつもりで行った臨床試験が、未知のCQを発掘することもある。また、臨床試験にかかるコストは、費用だけではない。人的なコスト、時間的なコストも莫大にかかるので、こうしたコストに見合った結果が得られるのかは、重大な関心事であろう。

女性は男性より有害な心血管代謝プロファイルを示す―日本の糖尿病患者

 日本人の糖尿病患者は、男性よりも女性のほうが有害な心血管代謝プロファイルを示すことが、兵庫医科大学の若林 一郎氏による研究で明らかになった。日本の糖尿病女性は、男性よりも腹部肥満、高脈圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドロームの有病率が高いという。Journal of women's health誌オンライン版2014年11月14日号の報告。

エタネルセプト+MTX、漸減療法が有効/NEJM

 最最大投与量のエタネルセプト(商品名:エンブレル)+メトトレキサート(MTX)併用治療により寛解が得られた早期関節リウマチ(RA)患者について、同併用療法を減量継続投与したほうが、投与を中断したりMTX単独に切り替えたりするよりも、寛解維持が長期化するなど良好な結果に結び付くことが明らかにされた。ただしX線所見上での疾患進行に有意差はみられなかった。英国・リーズ大学のPaul Emery氏らがヨーロッパとアジア57施設で行った第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。