内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:472

吸入薬の使い方、効果発現の要は舌を下げること

 気管支喘息治療の根幹はステロイド薬を中心とした吸入薬であり、正しい吸入操作を行うことが必要不可欠である。今回、藤田保健衛生大学の堀口 高彦氏らは、吸入デバイスの操作だけでなく、目に見えない口腔内の状況、とくに舌に焦点を当て、吸入薬使用時の望ましい舌の位置について検討を行った。その結果、舌を下げて吸入薬の通り道をつくることで、より多くの薬剤が咽頭に到達し、気管方向に流入していく様子が確認できた。舌が吸入薬の流入経路の妨げにならないよう、舌と舌根をなるべく下げ、喉の奥を広げるよう患者に指導することが望ましい。今回の結果は、The journal of allergy and clinical immunology:In practice誌2018年5~6月号に掲載された。

80歳以上の収縮期血圧、死亡リスク最低は129mmHg/BMJ

 中国で行われたコミュニティベースの長期前向き試験で、80歳以上の超高齢者では、収縮期血圧値と全死因死亡リスクとの関連はUカーブを示し、収縮期血圧値が129mmHgで同リスクが最低であることが示された。中国疾病管理予防センターのYue-Bin Lv氏らが、同国22省に居住する80歳以上4,658例を対象に行った試験で明らかにし、BMJ誌2018年6月5日号で発表した。Uカーブの関連結果については、収縮期血圧値107~154mmHgを基準に、同値よりも高値では心血管死リスクの上昇が、低値では非心血管死リスクの上昇が関与している可能性があるという。著者は「今回の結果は、超高齢者では高血圧治療が再び重要になり、同年齢群のガイドラインを整備する重要性を強調するものである」とまとめている。

コントロール不良DMの血糖管理、 SMSによる介入で改善/BMJ

 テキストメッセージ(SMS:short message service)を活用した糖尿病自己管理サポートプログラムは、コントロール不良の成人糖尿病患者の血糖コントロールをわずかだが改善したことが、ニュージーランド・オークランド大学のRosie Dobson氏らによる無作為化試験の結果、示された。高コストで長期にわたる、コントロール不良の糖尿病関連の合併症が増大していることに対し、有効な糖尿病自己管理サポートが求められている。SMSは、自己管理サポートにおいて理想的なツールであるが、これまで糖尿病の自己管理サポートに対する有効性は不明であった。BMJ誌2018年5月17日号掲載の報告。

胃がん予防効果が得られるアスピリン投与量は?

 アスピリンが特定のがんの予防効果を有することが、多くの研究で報告されている。今回、米国・ワイルコーネル医科大学のMin-Hyung Kim氏らは、韓国の一般集団において、アスピリン使用と胃がんの用量反応関係を評価し、胃がん予防効果を得るためのアスピリン累積投与量の閾値を推定した。The American Journal of Gastroenterology誌オンライン版2018年6月1日号に掲載。

抗うつ薬は長期の体重増リスク/BMJ

 抗うつ薬処方と体重増加の関連を10年間フォローアップした結果、抗うつ薬処方は長期にわたる体重増のリスクと関連している可能性が示された。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのRafael Gafoor氏らが、同国のプライマリケア・データベースを利用した住民ベースのコホート研究の結果、明らかにしたもので、BMJ誌2018年5月23日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「抗うつ薬治療の必要性を示す場合は、体重増加の可能性を考慮すべきである」とまとめている。肥満は世界的な課題で、抗うつ薬の使用は広がりつつある。これまで短期試験において、抗うつ薬使用と体重増加の強い関連性が示されているが、個々の抗うつ薬に関する長期的リスクのデータは存在していなかった。

飲酒と心血管疾患・脳卒中、関連は逆?/BMJ

 アルコール摂取は、非致死的な冠動脈疾患(CHD)と負の相関がみられた一方、複数の脳卒中サブタイプとは正の相関が認められたことが、WHO国際がん研究機関のCristian Ricci氏らによる検討の結果、明らかにされた。著者は、「示された結果は、アルコール摂取と心血管疾患(CVD)の関連は種々存在することを強調するものであり、アルコール摂取の低減方針のエビデンスを強化するものである」とまとめている。BMJ誌2018年5月29日号掲載の報告。

日本における抗認知症薬の処方量に関する研究

 2015年時点で、世界で認知症を有する人は4,700万人いるといわれている。認知症の有病者数は、2050年には1億3,200万人に達すると予想されており、そのうちアジア諸国が51%を占めると予想されている。日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中で最も認知症の有病率が高く、人口の2%(約500万人)が認知症に罹患している。