内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:379

予期せぬ体重減少、がん精査をすべき?/BMJ

 プライマリケアで予期せぬ体重減少を呈した成人のがんリスクは2%以下で、英国の現行ガイドラインに基づく検査対象とはならないことが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のBrian D. Nicholson氏らによる、予期せぬ体重減少のがん予測を定量化することを目的とした診断精度研究の結果で、著者は、「しかしながら、50歳以上の男性喫煙者および臨床所見を有する患者では、がんリスクを考慮すると、侵襲的な検査受診を紹介する必要がある」と述べている。報告では、特定のがん部位と関連する典型的な臨床所見は、予期せぬ体重減少が生じた際は複数のがん種のマーカーとなることも明らかにされた。BMJ誌2020年8月13日号掲載の報告。

体重減少伴う発症初期の糖尿病で膵がんリスク増/JAMA Oncol

 糖尿病と膵臓がんの関連は知られているが、体重減少を伴う発症して間もない糖尿病では、膵臓がんのリスクが大幅に高いことが明らかにされた。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のChen Yuan氏らによるコホート研究の結果で、「高齢」「以前は健康体重」「意図的な減量ではない」場合は、さらに膵臓がんの発症リスクが高まることも示された。米国において膵臓がんは、がん死要因で3番目に多いという。しかしこれまで、膵臓がんの早期診断戦略を促進する高リスク群は、ほとんど特定されていなかった。JAMA Oncology誌オンライン版2020年8月13日号掲載の報告。  研究グループは、30年以上にわたり繰り返し評価が行われてきた米国の2つのコホート研究(Nurses’Health StudyおよびHealth Professionals Follow-Up Study)のデータを用いて、糖尿病罹病期間および最近の体重変化とその後の膵臓がんリスクとの関連を解析した。

毎月の住宅費や物件の購入価格は?医師1,000人に聞きました

 転勤や開業の可能性など、キャリアプランによって大きく左右される医師の住まい選び。20代から70代以上まで、各世代の医師たちはどんな選択をして、どれくらいの費用を住宅にかけているのか。CareNet.comの会員医師1,000人に、その実情を聞いた。  住宅の購入歴あり、と答えたのは1,000人中519人(51.9%)。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2018年の日本全国での持ち家率は61.2%1)。転勤が多いなどの医師という職業の特性が影響しているのかもしれない。購入した年代別にみると、最も多かったのが30代で312人(60.1%)、40代が165人(31.8%)と続き、30~40代での購入者が9割以上を占めた。

“GLP-1ダイエット”は速やかに規制当局へ連絡、製造販売元4社が警告

 2型糖尿病治療薬・GLP-1受容体作動薬の適応外使用について、「GLP-1ダイエット」などと称され、美容・痩身をうたうインターネット上の広告が問題となっている。20日、GLP-1受容体作動薬の製造販売元4社(ノボ ノルディスク ファーマ、アストラゼネカ、サノフィ、日本イーライリリー)が、文書で適正使用を呼び掛けた。この問題に関しては、日本糖尿病学会からも7月9日に見解・警告が出されている。  文書では、GLP-1受容体作動薬について、現時点でわが国においては2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性および有効性については確認されていない、と改めて強調。また、GLP-1受容体作動薬が適応外使用された場合、本来の効果が見込めないだけでなく、思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されると注意喚起している。

SARS-CoV-2変異株、重症度が変化/Lancet

 遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)8領域に382ヌクレオチド欠損(Δ382)を認める新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異体の感染者は、症状が軽症であることが明らかにされた。シンガポール・国立感染症センターのBarnaby E. Young氏らによる観察コホート試験の結果で、著者は「観察されたORF8における欠損の臨床的影響は、治療やワクチン開発に影響を与えるものと思われる」と述べている。ORF8領域にΔ382を有するSARS-CoV-2遺伝子変異体は、シンガポールおよびその他の国でも検出されていた。Lancet誌オンライン版2020年8月18日号掲載の報告。

慢性心不全にARNIのエンレスト発売/ノバルティス ファーマ

 ノバルティス ファーマは8月26日、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)のエンレスト(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)を「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」を効能・効果として発売した。医療従事者への情報提供はノバルティス ファーマと大塚製薬が共同で行う。  ARNIのエンレストは、ネプリライシン阻害作用をもつサクビトリルとアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)であるバルサルタンを1:1のモル比で含有する単一の結晶複合体。心不全の病態を悪化させる神経体液性因子の1つであるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の過剰な活性化を抑制するとともに、RAASと代償的に作用する内因性のナトリウム利尿ペプチド系を増強し、神経体液性因子のバランス破綻を是正する。

第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定し、同学会のホームぺージで公開した。  本計画は、増加を続ける糖尿病患者の歯止めと診療の進歩への寄与などを盛り込んで、2004年より策定されているもの。第3次計画では、糖尿病予備群の数の減少、健康寿命の延伸、わが国独自の糖尿病の疫学・臨床データの蓄積、専門知識を持つさまざまな職種の人材の育成などが予測される成果として標榜され、検証されている。

心房細動と超過死亡の関連、45年の長期分析の結果は/BMJ

 心房細動と全死因死亡との関連について、時間的傾向は見いだせないことが、デンマーク・オーフス大学のNicklas Vinter氏らによる検討で明らかにされた。フラミンガム心臓研究(Framingham Heart Study:FHS)の被験者を対象に45年間の関連傾向を分析した結果によるもので、心房細動診断後10年時点での心房細動による平均喪失寿命年数は顕著に改善していたが、心房細動を診断されていない被験者との間には、なお2年間のギャップが残存し続けていることも示された。新規診断の心房細動は死亡ハザード比を増大する。一方で心房細動患者における短期および長期の生存確率が経時的には改善していることが報告されていた。BMJ誌2020年8月11日号掲載の報告。

COVID-19、第1波・第2波の特徴と転帰を比較/JAMA

 COVID-19感染流行において、初期と2度目の流行では、患者の属性や臨床的症状、転帰に違いはあるのか。Center for Outcomes Research(米国・ヒューストン)のFarhaan S. Vahidy氏らによる分析が、JAMA誌オンライン版2020年8月13日号のリサーチレターで報告されている。  著者らは、テキサス州ヒューストンの8病院が使うヘルスケアシステム・Houston Methodistの電子カルテから、PCR検査で陽性となったCOVID-19重症患者を抽出したうえで、年齢、性別、人種/民族、併存症、投薬、ICU入院、死亡率を分析した。第1波は2020年3月13日~5月15日、第2波は5月16日~7月7日までとした。2020年7月7日時点におけるCOVID-19の入院患者のユニーク数は2,904例、第1波が774例、第1波が2,130例だった。

レビー小体型認知症が疑われる患者の初期症状と診断時の特徴

 レビー小体型認知症(DLB)は、さまざまな初期症状がみられるが、多くのDLBの症例に焦点を当てた報告は、これまでほとんどなかった。北海道・砂川市立病院の内海 久美子氏らは、診断時にDLBおよびDLB関連症状が認められた患者234例を対象に、初期症状をレトロスペクティブに評価し、症状プロファイルの性差について検討を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2020年8月2日号の報告。  対象は、2017年に改訂されたDLBの臨床診断に関するコンセンサス基準を満たした、DLBの可能性の高い患者234例。DLBは、ドパミントランスポーターシンチグラフィと123 I-MIBG心筋シンチグラフィで確認した。脳灌流は、SPECTを用いて測定した。これらに加えて、中心および補助的な臨床的特徴を考慮した。