内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:377

患者とどこまでわかり合える?「医療マンガ大賞2020」開催

 医療現場では、同じ出来事でも、患者と医療従事者では受け取り方や感じ方が異なることが少なくない。横浜市は、こうした視点の違いによるコミュニケーションギャップの可視化を目的に、「第2回医療マンガ大賞」の開催を発表した。  これは、医療広報の一環として、患者や医療従事者が体験したエピソードを基に、それぞれの視点の違いを描く漫画を公募する取り組み。昨年開催された第1回では、55作品の漫画が応募され、「人生の最終段階」をテーマに患者・家族の視点を描いた油沼氏(ペンネーム)の作品が大賞を受賞した。

日本における若年性認知症の有病率とサブタイプ

 若年性認知症患者の生活には、その年代に合った社会的支援が求められる。最新情報を入手し、適切なサービスを提供するためには、疫学調査が必要である。東京都健康長寿医療センター研究所の粟田 主一氏らは、若年性認知症の有病率、サブタイプの内訳、患者が頻繁に利用するサービスを明らかにするため、調査を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2020年8月19日号の報告。  本研究は、マルチサイト人口ベース2ステップ研究として実施された。全国12地域(北海道、秋田県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、東京都、新潟県、山梨県、愛知県、大阪府、愛媛県[対象となる人口:1,163万322人])の医療機関、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所、相談機関などを対象にアンケートを実施した。ステップ1として、過去12ヵ月間で若年性認知症患者がサービス求めたかまたは滞在したかを調査した。ステップ1で「はい」と回答した施設に追加のアンケートの協力を求め、若年性認知症患者へ質問票を配布し、認知症サブタイプなどのより詳細な情報を収集した。

米国Novavax社の新型コロナワクチン、第I相試験で安全性確認/NEJM

 開発中の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のワクチン「NVX-CoV2373」は、接種後35日の時点で安全と考えられ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の回復期血清中のレベルを上回る免疫応答を誘導することが、米国・NovavaxのCheryl Keech氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年9月2日号に掲載された。NVX-CoV2373は、三量体完全長(すなわち膜貫通ドメインを含む)のスパイク糖蛋白から成る遺伝子組み換えSARS-CoV-2(rSARS-CoV-2)ナノ粒子ワクチンと、Matrix-M1アジュバントを含有する。動物モデルでは、SARS-CoV-2に対する防御効果が確認されている。なお、Novavaxは本ワクチンの日本国内での開発、製造、流通について、武田薬品と提携している。

COVID-19重症化への分かれ道、カギを握るのは「血管」

 COVID-19を巡っては、さまざまなエビデンスが日々蓄積されつつある。国内外における論文発表も膨大な数に上るが、時の検証を待つ猶予はなく、「現段階では」と前置きしつつ、その時点における最善策をトライアンドエラーで推し進めていくしかない。日本高血圧学会が8月29日に開催したwebシンポジウム「高血圧×COVID-19白熱みらい討論」では、高血圧治療に取り組むパネリストらが最新知見を踏まえた“new normal”の治療の在り方について活発な議論を交わした。

ロシアの新型コロナワクチン、第I/II相試験で抗体陽転率100%/Lancet

 ロシアのGamaleya National Research Centre for Epidemiology and Microbiologyで開発されている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの第I/II相試験の結果が、Lancet誌オンライン版2020年9月4日号に掲載された。本ワクチンは、組換えアデノウイルス血清型26(rAd26)ベクターおよび組換えアデノウイルス血清型5(rAd5)ベクターに、SARS-CoV-2のスパイク糖タンパク質の遺伝子をそれぞれ組み込んだ2つの成分(rAd26-SおよびrAd5-S)から成り、凍結および凍結乾燥の2つの製剤が開発されている。著者のDenis Y. Logunov氏らは、本試験の結果から、2製剤とも安全性が高く、強い液性および細胞性免疫反応が誘導されたと結論している。

新型コロナ感染後の抗体、4ヵ月は持続/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染から回復した人は、感染が診断されてから4ヵ月後までは血清中の抗ウイルス抗体が低下しないことが、アイスランド・deCODE GeneticsのDaniel F. Gudbjartsson氏らが行ったアイスランドの住民約3万人を対象とした調査の結果、明らかとなった。また、アイスランドでは、SARS-CoV-2感染による推定死亡リスクは0.3%で、SARS-CoV-2感染患者の44%は定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)による診断を受けていなかったことも示された。NEJM誌オンライン版2020年9月1日号掲載の報告。  研究グループは、SARS-CoV-2感染に対する液性免疫応答の特性および持続性を明らかにする目的で、アイスランドにおける3万576例の血清中のSARS-CoV-2特異的抗体を、次の6種類の方法で検査した。

アンジェスの新型コロナワクチン、阪大病院での第I/II相試験開始

 9月8日、アンジェスは、新型コロナウイルス感染症向けDNAワクチンについて、大阪大学医学部附属病院で第I/II相試験を開始したと発表した。同社によると、開発は計画通り進んでおり、接種完了後、経過観察を経て、大阪市立大学医学部附属病院および大阪大学医学部附属病院での第I/II相試験成績を総合的に判断する速報結果を2020年第4四半期に公表する予定という。  大阪市立大学医学部附属病院における第I/II相試験(低用量群15 例および高用量群15 例、筋肉内に2週間間隔で2回接種)は、6月末に開始され、8月半ばに接種が完了している。今回の大阪大学医学部附属病院における第I/II相試験では、用量2mgで、10例による2週間間隔での2回接種、10例による4週間間隔での2回接種、10例による2週間間隔での3回接種の計30例を目標としている。試験期間は、1回目の接種から52週間のフォローアップ期間を含み、2021年9月30日までの予定。

新型コロナ、マスク着用で手指経由の感染も防げる?

 顔に触れることは一般的な行動であり、とくに手洗い場や消毒薬の不足などで手指衛生を保つすべがない環境では、顔を触る行為が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に影響を及ぼしている可能性がある。そのため、イランではマスクを着用して顔に触れないよう指導がなされており、この状況を踏まえ、イラン・Shiraz University of Medical SciencesのRamin Shiraly氏らが成人1,000例を対象にマスク着用が顔への接触予防に有用なのかについて研究を行った。その結果、マスク着用によって顔の粘膜部分(目、鼻、口)に触れる頻度が低下したことを明らかにした。American Journal of Infection Control誌オンライン版8月12日号掲載の報告。

COVID-19に対するスタチンの影響~メタ解析

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床経過に対するスタチンの影響については、相反する報告・見解が示されている。炎症反応の進行や肺損傷に対し保護的な役割を果たすというものと、逆に重症化やサイトカインストームに寄与しうるというものである。マレーシア・International Medical UniversityのChia Siang Kow氏らは、COVID-19の臨床転帰に対するスタチンの影響に関する4報の後ろ向き研究結果を用いてメタ解析を行った。American Journal of Cardiology誌オンライン版2020年8月12日号のCORRESPONDENCEへの報告より。  2020年7月27日までに、スタチン使用者と非使用者との間でCOVID-19の重症度および/または死亡のリスクを評価した研究について、PubMed、Google Scholar、およびmedRxivデータベースを検索・抽出した。観察研究の質は、Newcastle-Ottawa Scale13を用いて評価された。  

今冬の発熱患者への対応はどうするか/厚生労働省

 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、9月4日に全国の保健所設置市衛生主管部などにあて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における季節インフルエンザ流行対策に関し「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」の通知を発出した。  COVID-19とインフルエンザは、症状について臨床的に鑑別することが困難であることが指摘され、とくに発熱患者への対策では地域の医療体制の構築が待たれていた。  今回、厚生労働省では「医療提供体制整備」に関し、発熱患者などの相談または診療・検査可能な医療機関として指定される医療機関については都道府県から厚生労働省へ報告を行うとし、「検査体制の整備」に関し、次のインフルエンザ流行を見据えた検査需要、検査体制、検査(分析)能力などを都道府県毎に計画をするとしている。さらに、発熱患者などの診療または検査可能な医療機関として指定される医療機関に対する個人防護具(PPE)の配布支援を実施する必要があることから、都道府県ごとの必要物資数などにつき、都道府県から厚生労働省へ報告を明記している。詳細は、今後連絡する予定。