内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:255

モデルナ2価ワクチン候補、オミクロン株に対する抗体反応で優越性確認

 2022年6月13日、Moderna(米国)はオミクロン株を含む2価追加接種ワクチン候補 mRNA-1273.214について、同社の承認済みのワクチンmRNA-1273(商品名:スパイクバックス筋注)の追加接種と比較して、オミクロン株に対する抗体反応で優越性が示されたことを発表した。  mRNA-1273.214は、mRNA-1273の有効成分と変異株であるオミクロン株を標的とするワクチンの有効成分候補を含有する、Moderna の2価追加接種ワクチン候補である。

コロナ治療薬2剤、重大な副作用にアナフィラキシー追記/使用上の注意の改訂指示

 厚生労働省は6月14日、新型コロナウイルス感染症治療薬のモルヌピラビル(商品名:ラゲブリオ)とニルマトレルビル・リトナビル(同:パキロビッドパック)について、「重大な副作用」の項に「アナフィラキシー」を追記する使用上の注意の改訂指示を発出した。  アナフィラキシー関連の国内および海外症例を評価し専門委員の意見も聴取した結果、モルヌピラビルとニルマトレルビル・リトナビル両薬剤ともに因果関係が否定できない国内および海外症例が集積したため、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。  調査の結果は以下のとおり。

日本食の死亡率や認知症リスクへの影響~大崎コホート研究

 長寿国である日本。その要因として日本人の食生活が影響しているといわれている。しかし、日本食の健康に対するベネフィットは、十分に解明されていない。2007年、宮城県大崎市の日本人住民を対象とした大崎コホート研究において、日本食パターンと心血管疾患による死亡率との関連が世界で初めて発表された。以来、本報告の著者らは、日本食パターンと健康への影響に関するエビデンスを蓄積するため、日本食インデックス(JDI)を開発し、日本食の健康への影響について検討を行ってきた。東北大学の松山 紗奈江氏らは、これまでの6報の論文をレビューし、日本食の健康への影響および将来の研究への影響について議論を深めるため本報告を行った。その結果、日本食パターンを高率で実践している人では、死亡率だけでなく、機能障害や認知症リスクの減少も認められることが確認された。Nutrients誌2022年5月12日号の報告。

高齢者糖尿病患者の低血糖対策と治療/日本糖尿病学会

 5月12~14日に神戸市で「第65回 日本糖尿病学会年次学術集会」(会長:小川 渉氏/神戸大学大学院医学研究科 糖尿病・内分泌内科学 教授)が「知の輝きち技の高みへ」をテーマに開催された。  本稿では「シンポジウム 加齢を踏まえた糖尿病管理の最前線」より「高齢者糖尿病患者における低血糖の課題」(演者:松久 宗英氏/徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター 教授)の概要をお届けする。  超高齢化が進むわが国では、高齢の糖尿病患者は適切な自己管理行動をなかなかとることができず、糖尿病治療のハードルは高い。とくにわが国では世界的にみて糖尿病関連死亡について、重症低血糖の割合が高いことが指摘されている。  過去に日本糖尿病学会の糖尿病治療による重症低血糖調査委員会が行った調査(193施設、798症例)によれば、重症低血糖の発生率は年間2万件と推計され、低血糖による死亡や重篤な合併症(認知症など)が約5%に合併することが報告されている。とくに前駆症状が6割の患者に発生しているのに低血糖が発生していることが問題となっている。  また、2型糖尿病で重症低血糖を発症した患者の臨床的特徴では、70歳以上、HbA1c7.5%を下回ることが示唆され、約6割以上の患者にインスリンが、約3割の患者にSU薬の使用

インフルエンザでも、mRNAワクチン第III相試験開始/モデルナ

 2022年6月7日、Moderna(米国)は季節性インフルエンザワクチン候補mRNA-1010の第III相臨床試験において、最初の被験者への投与を行ったことを公表した。  mRNA-1010は、世界保健機関(WHO)が推奨するA/H1N1、A/H3N2、B/山形系統およびB/ビクトリア系統の4つのインフルエンザ株の血球凝集素(HA)糖タンパク質がコードされた新規mRNAワクチン候補である。  本試験は、既存の季節性インフルエンザワクチンに対するmRNA-1010の安全性および免疫学的非劣性を評価することを目的とし、南半球諸国の成人約6,000人が登録される。Modernaは、必要に応じて、早ければ2022/2023年の北半球のインフルエンザシーズンにmRNA-1010の有効性確認試験を実施できるよう開発準備を進める。

肥満者への行動的体重管理介入で体重とウエスト減/BMJ

 プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入は、減量に有効で、ウエスト周囲長にも有意な減少効果が認められ、一般人への導入の可能性もあることが、英国・ラフバラー大学のClaire D. Madigan氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月30日号で報告された。  研究グループは、プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入(減量を目的とする行動的介入)の有効性の評価を目的に、無作為化対照比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]レスター生物医学研究センターの助成を受けた)。

mRNAコロナワクチンにギラン・バレー症候群の注意喚起/使用上の注意改訂指示

 厚生労働省は6月10日、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注、コミナティ筋注5~11歳用、スパイクバックス筋注)について、使用上の注意の「重要な基本的注意」の項にギラン・バレー症候群に関して追記するよう改訂指示を発出した。  今回の改訂指示は、第80回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(2022年6月10日開催)における審議結果などを踏まえたもので、「重要な基本的注意」に以下を追加するよう指示がなされた。

アストラゼネカ、新型コロナの新規抗体カクテル療法を国内承認申請

 アストラゼネカは6月9日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症抑制および治療を適応として、長時間作用型抗体の併用療法AZD7442の製造販売承認(特例承認)を厚生労働省に申請したことを発表した。AZD7442(海外での商品名:Evusheld)は、現在までにEUでの販売承認、英国医薬品医療製品規制庁の条件付き販売承認、米国食品医薬品局の緊急使用許可を取得している。  AZD7442は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し回復した患者により提供されたB細胞に由来する、2種類の長時間作用型抗体であるtixagevimabとcilgavimabの併用療法だ。それぞれがSARS-CoV-2のスパイク蛋白に特異的に結合し、ウイルスのヒト細胞への侵入を阻止する。AZD7442を筋注で1回投与後、少なくとも6ヵ月間ウイルスからの保護が持続するという。

NSCLC1次治療のNIVO+ IPI、5年生存は24%(CheckMate 227)/ASCO2022

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療としてのニボルマブとイピリムマブ(NIVO+IPI)の併用療法は、PD-L1の発現状態を問わず、化学療法と比較して長期的な生存効果を示すことがCheckMate 227試験の5年間追跡結果から示された。この結果は米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)において、米国・Johns Hopkins Kimmel Cancer CenterのJulie R. Brahmer氏が発表した。  主な結果は以下のとおり。 ・最小フォローアップは61.3ヵ月であった(データカットオフ2022年2月15日)。 ・PD-L1≧1%は1189例、PD-L1

ワクチン接種者のlong COVIDリスク

 ブレークスルー感染者においてもコロナ罹患後症状(いわゆる後遺症、long COVID)が発現するか、米国退役軍人のコホート研究で調査した結果、急性期以降の死亡やコロナ罹患後症状発現のリスクがあることが確認されたが、ワクチン未接種の感染者より発現リスクが低いことが示された。本結果は、Nature Medicine誌オンライン版2022年5月25日号に掲載されている。  本調査では、2021年1月1日~10月31日の期間での退役軍人保健局の利用者で、ブレークスルー感染(BTI)群(3万3,940例)と、コロナ既往歴のない同時期対照群(498万3,491例)ほか、ワクチン未接種の感染群(11万3,474例)や、季節性インフルエンザ入院群(1万4,337例)など複数のコホートを構成し、2つの尺度でリスクを比較検証した。1つは死亡もしくは特定の症状発現(肺、心血管、血液凝固、消化器、腎臓、精神、代謝、筋骨格など)の補正ハザード比(HR)、もう1つは、BTI群におけるSARS-CoV-2検査陽性後6ヵ月間の各アウトカムについて1,000例当たりの補正超過負荷(excess burden)を推定した。