内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:209

iPhoneを使った眼科検査の精度はいかに?

 モバイル網膜カメラで撮影した画像は視神経乳頭陥凹拡大の検出において、対面診療での眼科検査と比較して、有用であることが報告された。Cureus誌2022年8月17日号掲載の報告。  米国および世界における失明は予防可能であるが、健康保険の欠如や健康リテラシーの低さにより、眼科医療を受けられない人々が多く存在する。米国・NewYork-Presbyterian/Weill Cornell Medical CenterのDu Cheng氏らはiPhoneなどのデバイスおよび3Dプリンターでモバイル網膜カメラを開発し、ニューヨーク市で眼科検査のスクリーニングイベントを実施した。

コロナ陽性になること「怖い」が7割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広まり、3年が経とうとしている。この間、COVID-19陽性者も身近にいたりとすでに珍しいことではなくなった。そこでCOVID-19感染者の特徴およびワクチン接種回数との因果関係、また、COVID-19に関連する疑問解明を目的として、株式会社アイスタットは、全国で最も感染者数が多い東京都を対象にコロナウイルス陽性に関する調査を行った。  アンケート調査は、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の東京都在住の有職者の会員20~59歳の300人が対象。

コロナワクチンの血栓症リスク、種類別比較を定量化/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンのうち、アデノウイルスベースのワクチンであるChAdOx1-S(アストラゼネカ製)はmRNAベースワクチンのBNT162b2(ファイザー製)と比較して、初回接種から28日以内の血小板減少症のリスクが30%以上高く、アデノウイルスベースのワクチンAd26.COV2.S(ヤンセン製)はBNT162b2に比べ、血小板減少症を伴う血栓症候群(TTS)の中でも静脈血栓塞栓症のリスクが高い傾向にあることが、英国・オックスフォード大学のXintong Li氏らが行った欧米6ヵ国のデータセットの解析で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年10月26日号で報告された。

不眠症患者の死亡リスクに対する睡眠薬の影響~J-MICC研究

 不眠症患者の死亡リスクに関する研究では、一貫した結果が得られていない。不眠症の治療では、睡眠のコントロールよりも、睡眠薬の使用が死亡リスクを高める可能性があるにもかかわらず、死亡リスクに対する睡眠薬の影響については、これまでよくわかっていなかった。佐賀大学医学部附属病院の祖川 倫太郎氏らは、日本の大規模サンプルにおける全死亡リスクと睡眠薬使用との関連を、併存疾患の影響を考慮したうえで評価した。その結果、睡眠薬の使用と全死亡率との間に、性別および年齢による関連性が観察されたことを報告した。Sleep Medicine誌オンライン版2022年9月28日号の報告。

ガイドライン改訂ーアナフィラキシーによる悲劇をなくそう

 アナフィラキシーガイドラインが8年ぶりに改訂され、主に「1.定義と診断基準」が変更になった。そこで、この改訂における背景やアナフィラキシー対応における院内での注意点についてAnaphylaxis対策委員会の委員長である海老澤 元宏氏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター長)に話を聞いた。  改訂となった診断基準では世界アレルギー機構(WAO)が提唱する項目として3つから2つへ集約された。アナフィラキシーの定義は『重篤な全身性の過敏反応であり、通常は急速に発現し、死に至ることもある。重症のアナフィラキシーは、致死的になり得る気道・呼吸・循環器症状により特徴づけられるが、典型的な皮膚症状や循環性ショックを伴わない場合もある』としている。海老澤氏は「基準はまず皮膚症状の有無で区分されており皮膚症状がなくても、アナフィラキシーを疑う場面では血圧低下または気管支攣縮または喉頭症状のいずれかを発症していれば診断可能」と説明した。

イベルメクチン、軽~中等症コロナ患者の回復に寄与せず/JAMA

 軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)外来患者において、イベルメクチン400μg/kgの1日1回3日間投与はプラセボと比較し回復までの期間を改善しないことが、米国・デューク大学のSusanna Naggie氏らが実施した無作為化二重盲検プラセボ対照プラットフォーム試験「ACTIV-6試験」の結果、示された。著者は、「軽症~中等症のCOVID-19患者に対して、イベルメクチンの使用は支持されない」とまとめている。JAMA誌2022年10月25日号掲載の報告。  ACTIV-6試験は、軽症~中等症のCOVID-19外来患者における既存治療転用を評価するようデザインされた、進行中の完全遠隔法による分散型臨床試験である。

モデルナのBA.4/5対応2価ワクチンを特例承認/厚労省

 厚生労働省は11月1日、モデルナのオミクロン株BA.4/5に対応した新型コロナウイルス2価ワクチン「スパイクバックス筋注」(2価:起源株/オミクロン株BA.4/5)について、承認事項の一部変更の特例承認をしたことを発表した。  一部変更申請の概要として、起源株およびオミクロン株BA.4/5のスパイクタンパク質をコードする mRNAを含む2価ワクチンが追加された。有効成分のエラソメランはSARS-CoV-2の起源株を、イムエラソメランはオミクロン株BA.1を、ダベソメランはオミクロン株BA.4/5のスパイクタンパク質をコードするmRNAだとしている。

世帯所得が低い2型DMの男性は食物繊維が不足気味?

 世帯所得は日本人2型糖尿病(T2DM)患者の男性において、食物繊維摂取量および食事性酸負荷と関連することが報告された。Nutrients誌2022年8月7日号掲載の報告。  世界中で、T2DM患者の人口は増え続けている。教育レベル、職業、生活状況、世帯所得からなる社会経済的地位は、T2DMの有病率に影響を及ぼすことが知られている。京都府立医科大学の高橋 芙由子氏らはT2DM患者における世帯所得と習慣的な食事摂取、とくに食物繊維の摂取と食事性酸負荷との関連について調査した。

認知症患者のインフルエンザワクチン接種の抗体反応に対する光曝露の影響

 認知症受け入れ施設の照明条件を改善すると、患者の睡眠、概日リズム、健康状態の改善がみられる。スイス・Ecole Polytechnique Federale de LausanneのMirjam Munch氏らは、日中に明るい光を浴びると、認知症患者のインフルエンザワクチン接種に対する免疫応答がサポートされる可能性について報告を行った。この結果は、毎日より多くの光を浴びることで、認知症患者の免疫応答が上昇することを示唆しており、今後の研究において、定期的な光曝露がヒトの免疫系に対し直接的または安定した概日睡眠覚醒リズムを介して良い影響を及ぼすかが明らかになることが期待される。Brain, Behavior, & Immunity - Health誌2022年9月20日号の報告。

放射線ファーマシスト、健康・食品への不安に寄り添う/日本薬剤師会学術大会

 福島県薬剤師会副会長の松下 敦氏は第55回日本薬剤師会学術大会の分科会「災害時の薬剤師の役割」で、同県薬剤師会が2013年から開始した「放射線ファーマシスト」の活動を紹介。過去6年間の相談実績では、放射線ファーマシストの説明内容への市民の納得度は90%超に上ると報告した。  2011年の東日本大震災では福島県双葉郡双葉町と同郡大熊町にまたがる東京電力・福島第一原子力発電所で電源喪失に伴う過酷事故が発生。同原発から半径20km圏内は災害対策基本法に基づく「警戒区域」に定められたほか、その圏外で放射線量が高い地域を原子力災害対策特別措置法に基づく「計画的避難区域」や「緊急時避難準備区域」とし、これら地域で約14~15万人が避難を強いられた。避難区域はその後再編され、避難指示が解除された地域もあるものの、現時点でも原則住民が帰宅できない「帰還困難区域」は、名古屋市の面積とほぼ同じで同県面積の約2.4%を占めている。なお、福島第一原発に関しては現在も廃炉作業は継続中である。