内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:185

急性非特異的腰痛への鎮痛薬を比較~RCT98件のメタ解析/BMJ

 1万5千例以上を対象とした研究が行われてきたにもかかわらず、急性非特異的腰痛に対する鎮痛薬の臨床決定の指針となる質の高いエビデンスは、依然として限られていることを、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のMichael A. Wewege氏らがシステマティックレビューとネットワークメタ解析の結果、報告した。鎮痛薬は、急性非特異的腰痛に対する一般的な治療であるが、これまでのレビューではプラセボと鎮痛薬の比較で評価されており、鎮痛薬の有効性を比較したエビデンスは限られている。著者は、「臨床医と患者は、鎮痛薬による急性非特異的腰痛の管理に慎重となることが推奨される。質の高い直接比較の無作為化試験が発表されるまで、これ以上のレビューは必要ない」とまとめている。BMJ誌2023年3月22日号掲載の報告。

カフェイン入りコーヒー、期外収縮への影響は?/NEJM

 カフェイン入りコーヒーの摂取はカフェインを摂取しない場合と比較し、毎日の心房期外収縮が有意に増加することはないことが、米国・カリフォルニア大学のGregory M. Marcus氏らが実施した単施設での前向き無作為化ケースクロスオーバー試験「Coffee and Real-time Atrial and Ventricular Ectopy trial:CRAVE試験」で確認された。コーヒーは、世界で最もよく消費されている飲料の1つであるが、コーヒーの摂取による健康への急性の影響は依然として不明であった。NEJM誌2023年3月23日号掲載の報告。

新型コロナワクチン接種ガイダンスを改訂/WHO

 世界保健機関(WHO)は3月28日付のリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種ガイダンスを改訂したことを発表した。今回の改訂は、同機関の予防接種に関する専門家戦略アドバイザリーグループ(SAGE)が3月20~23日に開催した会議を受け、オミクロン株流行期の現在において、ワクチンや感染、またはハイブリッド免疫によって、世界的にすべての年齢層でSARS-CoV-2の抗体保有率が増加していることが考慮されたものとなる。SARS-CoV-2感染による死亡や重症化のリスクが最も高い集団を守ることを優先し、レジリエンスのある保健システムを維持することに重点を置いた、新たなロードマップが提示された。

看護施設スタッフの検査強化で、入所者のコロナ関連死減少/NEJM

 米国の高度看護施設(skilled nursing facilities)において、職員に対する新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)サーベイランス検査の強化は、とくにワクチン承認前において、入所者の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症および関連死の、臨床的に意味のある減少と関連していた。米国・ロチェスター大学のBrian E. McGarry氏らが、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)のデータベースを用いた後ろ向きコホート研究の結果を報告した。高度看護施設の職員へのCOVID-19サーベイランス検査は広く行われているが、施設入所者のアウトカムとの関連性についてのエビデンスは限定的であった。NEJM誌2023年3月23日号掲載の報告。

不眠症に対する認知療法、行動療法、認知行動療法の長期有効性比較

 不眠症を軽減するためには、長期的な治療が重要である。米国・カリフォルニア大学バークレー校のLaurel D. Sarfan氏らは、不眠症治療に対する認知療法(CT)、行動療法(BT)、認知行動療法(CBT)の長期的な有効性について、相対的に評価した。その結果、セラピストによるCBT、BT、CTの提供は、長期にわたり不眠症による夜間および日中の症状を改善させる可能性が示唆された。Journal of Consulting and Clinical Psychology誌オンライン版2023年2月23日号の報告。

コロナ疾患後症状患者、1年以内の死亡/重篤心血管リスク増

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染から1年間のコロナ罹患後症状(Post-COVID-19 Condition:PCC[いわゆるコロナ後遺症、long COVID])について、米国の商業保険データベースを用いて未感染者と比較した大規模調査が、保険会社Elevance HealthのAndrea DeVries氏らによって実施された。その結果、PCC患者は心血管疾患や呼吸器疾患のリスクが約2倍上昇し、1年間の追跡期間中の死亡率も約2倍上昇、1,000人あたり16.4人超過したことが明らかとなった。JAMA Health Forum誌2023年3月3日号に掲載の報告。  米国50州の18歳以上の健康保険会員において、2020年4月1日~7月31日の期間にCOVID-19に罹患し、その後PCCと診断された1万3,435例と、未感染者2万6,870例をマッチングし、2021年7月31日まで12ヵ月追跡してケースコントロール研究を実施した。

日本の食事パターンと認知症リスク~NILS-LSAプロジェクト

 日本食の順守が健康に有益である可能性が示唆されている。しかし、認知症発症との関連は、あまりよくわかっていない。国立長寿医療研究センターのShu Zhang氏らは、地域在住の日本人高齢者における食事パターンと認知症発症との関連を、アポリポ蛋白E遺伝子型を考慮して検討した。その結果、日本食の順守は、地域在住の日本人高齢者における認知症発症リスクの低下と関連しており、認知症予防に対する日本食の有益性が示唆された。European Journal of Nutrition誌オンライン版2023年2月17日号の報告。  本研究データはNILS-LSA(国立長寿医療研究センター・老化に関する長期縦断疫学研究)プロジェクトの一環として収集され、愛知県在住の認知症でない高齢者1,504人(65~82歳)を対象とした20年間のフォローアップコホート調査が実施された。

うつ、不安、苦痛に対する身体活動介入の有効性~アンブレラレビュー

オーストラリア・南オーストラリア大学のBen Singh氏らは、成人のうつ病、不安、精神的苦痛に関する症状に対する身体活動の影響を明らかにするためアンブレラレビューを行った。その結果、身体活動は、幅広い成人に対しうつ病、不安、精神的苦痛の改善に有益であることが確認された。British Journal of Sports Medicine誌オンライン版2023年2月16日号の報告。  2022年1月1日までに公表された適格研究を、12件の電子データベースより検索した。成人を対象に、身体活動によるうつ病、不安、精神的苦痛を評価したランダム化比較試験のメタ解析によるシステムを適格基準とした。研究の選択は、2人の独立したレビュアーによる重複チェックにより実施した。

3回接種後の効果、ファイザー製/モデルナ製各160万人で比較/BMJ

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のデルタ変異株~オミクロン変異株の流行期において、BNT162b2(ファイザー製)ワクチンまたはmRNA-1273(モデルナ製)ワクチンによるブースター接種はいずれも、接種後20週以内のSARS-CoV-2感染および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院に関して適度な有益性があることが、英国・オックスフォード大学のWilliam J. Hulme氏らのマッチドコホート研究で明らかとなった。BMJ誌2023年3月15日号掲載の報告。  研究グループは、OpenSAFELY-TPPデータベースを用いてコホート研究を行った。本データベースは英国の一般診療所の40%をカバーし、国民保健サービス(NHS)番号を介して救急外来受診記録、入院記録、SARS-CoV-2検査記録および死亡登録と関連付けられている。

睡眠の時間や質とうつ病リスク~コホート研究

 睡眠の時間や質およびその変化が抑うつ症状リスクに及ぼす縦断的な影響は、よくわかっていない。韓国・Hallym University Dongtan Sacred Heart HospitalのYoo Jin Um氏らは、睡眠の時間や質およびその変化が抑うつ症状の発症にどのような影響を及ぼすかを明らかにするため、検討を行った。その結果、睡眠の時間や質およびその変化は、若年成人の抑うつ症状と独立して関連しており、不十分な睡眠や睡眠の質の低下がうつ病リスクと関連していることが示唆された。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2023年2月14日号掲載の報告。