内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:185

不眠症患者はどんな治療を望んでいるのか

 認知行動療法(CBT)を求める不眠症患者の睡眠薬使用に対する考えや、使用を減らしたいと願う予測因子について、米国・スタンフォード大学のIsabelle A. Tully氏らが調査を行った。その結果、CBTを望んでいる睡眠薬使用中の不眠症患者において、睡眠薬の必要性を強く示し、服用についての懸念が比較的少ないにもかかわらず、4分の3の患者が睡眠薬を減らしたいと望んでいることが示された。Journal of Clinical Sleep Medicine誌オンライン版2023年3月8日号の報告。

2型DMの追加処方に有益なのは?~816試験をメタ解析/BMJ

 中国・四川大学のQingyang Shi氏らはネットワークメタ解析を行い、2型糖尿病(DM)成人患者に対し、従来治療薬にSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬を追加投与する場合の実質的な有益性(心血管系および腎臓系の有害アウトカムと死亡の減少)は、フィネレノンとチルゼパチドに関する情報を追加することで、既知を上回るものとなることを明らかにした。著者は、「今回の結果は、2型DM患者の診療ガイドラインの最新アップデートには、科学的進歩の継続的な評価が必要であることを強調するものである」と述べている。BMJ誌2023年4月6日号掲載の報告。

糖類の過剰摂取、心代謝疾患リスクを増大/BMJ

 食事による糖類(単糖類、二糖類、多価アルコール、遊離糖、添加糖)の過剰な摂取は、一般的に健康にとって益よりも害が大きく、とくに体重増加、異所性脂肪蓄積、心血管疾患などの心代謝疾患のリスク増大に寄与していることが、中国・四川大学のYin Huang氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年4月5日号で報告された。   研究グループは、食事による糖類の摂取と健康アウトカムの関連に関する入手可能なすべての研究のエビデンスの質、潜在的なバイアス、妥当性の評価を目的に、既存のメタ解析のアンブレラレビューを行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。

片頭痛予防、日本人患者と医師の好みは?

 現在、日本における片頭痛の予防には、自己注射可能なカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)モノクローナル抗体(mAb)のオートインジェクター(AI)製剤、非CGRPの経口剤などが利用可能である。米国・EvideraのJaein Seo氏らは、CGRP mAbのAI製剤と非CGRPの経口剤に対する日本人患者および医師の好みを調査し、両者にとってのAI製剤の相対的な重要性の違いを測定しようと試みた。その結果、多くの片頭痛患者および医師は、非CGRP経口剤よりもCGRP mAbのAI製剤を好むことが確認された。本結果から著者らは、日本人医師が片頭痛の予防治療を勧める際には、患者の好みを考慮する必要性が示唆されるとしている。Neurology and Therapy誌2023年4月号の報告。

医師の働き方改革の対策セミナー、オンデマンド配信のご案内

 2024年4月から勤務医の時間外労働の上限が原則960時間となる、いわゆる「医師の働き方改革」がスタートする。医療・健康分野のシステム開発などを手掛けるメディカル・データ・ビジョンは4月14日、「1年切った医師の働き方改革、病院の準備は? 医師の本音は?」と題した無料WEBセミナーを開催した(協賛:レイヤード、協力:ケアネット)。  セミナーには約350人(うち医師102人)が参加、日本赤十字社 愛知医療センター 名古屋第二病院の前事務部長である渡辺 徹氏が「これだけは準備しておきたい『医師の働き方改革』」と題した講演を行った。渡辺氏は時間外上限規制の概要を説明した上で、ポイントとなる労働基準法上の宿日直や自己研鑽の労働時間該当性、追加的健康確保措置について解説した。

肺機能と認知症リスク~43万人超のコホート研究

 脳の認知的な健康に、肺機能が他の因子と独立して影響を及ぼすかはよくわかっていない。中国・青島大学のYa-Hui Ma氏らは、肺機能と脳の認知的な健康の縦断的な関連性を評価し、根底にある生物学的および脳の構造的なメカニズムを明らかにしようと試みた。その結果、認知症発症の生涯リスクに対する個々の肺機能の影響が確認され、著者らは、「最適な肺機能の維持は、健康的な加齢や認知症予防に有用である」としている。Brain, Behavior, and Immunity誌2023年3月号の報告。

医療者の無症候コロナ感染が増加、既感染の割合は?/順大

 本邦では、ワクチン接種率が高いにもかかわらず、多くの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が確認されている。しかし、感染の既往を示す抗体の陽性率に関する研究は限られている。そこで順天堂大学では、医療者をはじめとした職員を対象として、2020年から年次健康診断時に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査を実施している。2020年、2021年における抗N抗体※陽性率はそれぞれ0.34%、1.59%と低かったが、今回報告された2022年の調査結果では、17.9%に増加していた。また、抗N抗体陽性者のうち、約半数は感染の自覚がなかったことが明らかになった。本研究結果は、順天堂大学の金森 里英氏らによって、Scientific Reports誌2023年3月27日号で報告された。

PM2.5曝露で認知症リスク増加の可能性~メタ解析/BMJ

 直径2.5ミクロン未満の微小粒子状物質(PM2.5)への曝露が認知症リスクの増加と関連する可能性があり、ややデータが少ないものの二酸化窒素と窒素酸化物への曝露にも同様の可能性があることが、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のElissa H. Wilker氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年4月5日号に掲載された。  研究グループは、認知症リスクにおける大気汚染物質の役割の調査を目的に、文献の系統的レビューとメタ解析を行った(Harvard Chan National Institute of Environmental Health Sciences Center for Environmental Healthなどの助成を受けた)。

新型コロナ、5類感染症変更後の療養期間を発表/厚労省

 厚生労働省は4月14日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に変更される5月8日以降の取り扱いについて発表した。5類変更後の療養期間は、法律に基づく外出自粛は求められず個人の判断に委ねられる。そのうえで外出を控えることが推奨される期間として、発症日を0日目として5日間は外出を控えること、かつ、5日目に症状が続いている場合は、熱が下がり、痰や喉の痛みなどの症状が軽快して24時間程度が経過するまでは外出を控え様子を見ることとした。なお、学校における取り扱いについては、文部科学省にてパブリックコメントを実施予定。

60歳以上への2価RSVワクチン、下気道・急性呼吸器疾患を予防/NEJM

 呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染症に対する2価融合前F蛋白ベース(RSVpreF)ワクチンは、60歳以上の高齢者において、RSV関連下気道感染症およびRSV関連急性呼吸器疾患を予防し、安全性への明らかな懸念はないことが示された。米国・ロチェスター大学医療センターのEdward E. Walsh氏らが、日本を含む7ヵ国240施設が参加し行われた無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「RENOIR試験」の中間解析結果を報告した。RSV感染症は、高齢者に重大な疾患を引き起こすが、高齢者集団におけるRSVpreFワクチンの有効性と安全性は不明であった。NEJM誌オンライン版2023年4月5日号掲載の報告。