感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:243

乳酸桿菌やビフィズス菌による抗菌薬関連下痢症の予防効果―長い論争に結論は見えるのか―(コメンテーター:吉田 敦 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(152)より-

 抗菌薬投与後に生じる抗菌薬関連下痢症(Antibiotic-associated diarrhea:AAD)、およびその多くを占めるクロストリジウム・ディフィシル感染症(Clostridium difficile infection:CDI)の予防や治療に、微生物製剤(整腸薬、プロバイオティクス)が有効であるかについては、長く研究が行われてきた。微生物製剤も乳酸桿菌Lactobacillus、ビフィズス菌Bifidobacterium、腸球菌Enterococcus、非病原性酵母であるサッカロミセスSaccharomycesなど多菌種にわたっており、成績はさまざまで、有効性については意見が分かれていた。

新規ソホスブビル+レジパスビル合剤、遺伝子1型HCV治療に有望/Lancet

 C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子型1型の大半の患者は、治療歴や代償性肝硬変の有無にかかわらず、新規合剤[ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+HCV NS5A阻害薬レジパスビル(ledipasvir)]単独または+リバビリン併用による治療が有効である可能性が報告された。米国・テキサス大学のEric Lawitz氏らによる、非盲検無作為化第2相試験LONESTARの結果、示された。インターフェロンベースの治療は、精神疾患などの禁忌があったり有害イベントの負荷が高いため、HCV患者の多くについて適していない。研究グループは、インターフェロンを使わない新規開発の合剤の有効性と安全性について評価を行った。Lancet誌オンライン版2013年11月5日号掲載の報告より。

出生後1年間の抗菌薬暴露が小児期~若年成人期の湿疹に影響

 出生後1年の間に抗菌薬に曝露された小児は、0~25歳時に湿疹を有するリスクが1.4倍高く、出生前の胎児期の曝露よりも湿疹を呈する頻度が高いことが明らかにされた。英国・Guy's and St Thomas' Hospital NHS財団トラストのT. Tsakok氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで先行研究の多くで、誕生後間もない時期に抗菌薬に曝露されると、湿疹を呈するリスクが高まることが示唆されていた。British Journal of Dermatology誌2013年11月号の掲載報告。

重症市中肺炎における肺炎球菌性の菌血症を予測できるか

 菌血症を伴う肺炎球菌性肺炎(BPP)患者では、プロカルシトニン(PCT)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、乳酸、CRPが有意に高くなることが示され、なかでも、PCTは肺炎球菌性の菌血症を同定するのに最も優れていることが、ポルトガル・セントロ病院集中治療部のJose Manuel Pereira氏らにより報告された。 

中国でのH7N9感染、家禽市場閉鎖がヒトへの感染予防に効果/Lancet

 中国での鳥インフルエンザA(H7N9)のヒトへの感染について、家禽市場の閉鎖によって大きな抑制効果が上がることを、中国疾病管理予防センター(CDC)のHongjie Yu氏らが報告した。感染者データを基に分析を行い明らかにしたもので、著者は「生きた家禽やヒトへのH7N9の感染が認められた場合には、ただちに家禽市場を閉鎖すべきである」と報告をまとめている。上海では2013年3月31日に、H7N9の最初の確定感染者が報告され、4月に家禽市場を閉鎖していた。Lancet誌オンライン版2013年10月31日号掲載の報告より。

CV-A6感染の非定型手足口病、既往皮膚病変の拡大が特徴

 急性ウイルス性疾患の手足口病は、一般にコクサッキーウイルス(CV)-A16またはエンテロウイルス(EV)71感染により発症するが、近年、CV-A6が関連した非定型手足口病が報告されるようになっている。米国・エール大学のJason P. Lott氏らは、その臨床像および検査結果の特徴などを報告した。Journal of the American Academy of Dermatology誌2013年11月号(オンライン版2013年9月10日号)の掲載報告。

汚染メチルプレドニゾロン注射による真菌感染症、詳細が明らかに/NEJM

 米国で発生した汚染されたメチルプレドニゾロン酢酸エステル注射が原因の真菌感染症集団発生の患者について詳細が報告された。末梢関節感染が認められない人のうち、中枢神経系感染症は81%であり、また、E. rostratum(エクセロヒルム・ロストラツム)が検出されたのは36%だったことなどが明らかにされた。米国疾病管理予防センター(CDC)のTom M. Chiller氏らが、症例数が最も多かった6州の患者の診療記録を調査し明らかにしたもので、NEJM誌2013年10月24日号で発表した。なお、主な集団発生関連病原体のE. rostratumが原因の感染症については、その詳細はあまり明らかになっていないのが現状だという。

洗口剤や歯周病治療の併用で胃内H.pylori除菌率UP

 アモキシシリン/エソメプラゾール/レボフロキサシン3剤併用療法による胃内ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori、以下HP)除菌療法は、洗口剤や歯周病治療を併用し、口腔内HP感染率を減少させることで、胃内HP除菌率が有意に高まることが、中国医科大学附属盛京医院のHan-Yi Song氏らによる研究で明らかになった。World journal of gastroenterology誌2013年10月21日号の報告。