感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:245

多剤耐性結核、PA-824を含む3剤併用レジメンが有望

 薬剤感受性の多剤耐性結核の新規治療法として、PA-824+モキシフロキサシン+ピラジナミド併用療法は適切なレジメンであり、今後、開発を進める価値があることが、南アフリカ共和国Stellenbosch大学のAndreas H Diacon氏らの検討で示された。薬剤抵抗性の結核による世界的な疾病負担を軽減するには、投与期間が短く耐性になりにくい新規薬剤の開発が求められる。近年、種々の新規抗結核薬の臨床評価が進められ、なかでもbedaquiline(ジアリルキノリン、TMC207)とPA-824(nitroimidazo-oxazine)は用量依存性の早期殺菌活性(early bactericidal activity; EBA)が確認され有望視されている。Lancet誌2012年9月15日号(オンライン版2012年7月23日号)掲載の報告。

DTaPワクチン5回接種後のワクチン効果持続期間は?

 ジフテリア・破傷風・無細胞性百日咳(DTaP)混合ワクチンの5回目接種後、その効果は時間経過に伴い低下し、1年経過するごとに百日咳に罹患するリスクは平均42%増加することが報告された。米国・Kaiser Permanente Vaccine Study CenterのNicola P. Klein氏らがケースコントロール試験の結果、明らかにした。米国では、小児に対し、DTaPワクチンの5回接種を行っているが、5回接種後のワクチン効果の持続期間については不明だった。NEJM誌2012年9月13日号掲載の報告。

HIV患者の抗レトロウイルス療法、プライマリ・ケア看護師への移行は可能か?

 HIV患者に対する抗レトロウイルス療法(ART)の導入や再処方を医師に代わって看護師が行うアプローチは安全に遂行可能であり、健康アウトカムやケアの質を改善することが、南アフリカ・ケープタウン大学肺臓研究所のLara Fairall氏らが実施したSTRETCH試験で示された。南アフリカにおけるART普及の主な障壁は治療医の不足であり、ART導入の遅れによりART待機患者の死亡率が上昇することが知られている。ARTの医師から他の医療職への職務移行の可能性に期待が寄せられているが、その有効性に関するエビデンスは十分でないという。Lancet誌2012年9月8日号(オンライン版2012年8月15日号)掲載の報告。

ロタウイルスワクチン接種、小児の胃腸炎による入院予防に効果

 ロタウイルスワクチン(商品名:ロタリックス、ロタテック)接種は、ロタウイルス胃腸炎小児の入院の予防に有効なことが、ベルギー・アントワープ大学のTessa Braeckman氏らの検討で示された。ロタウイルスは世界的に、小児の重篤な急性胃腸炎の最大の原因であり、高所得国では死亡例はまれだが、WHOはすべての国がロタウイルスワクチンを導入するよう勧告している。低・中所得国ではワクチンのルーチン接種の有効性が示されているが、高所得国におけるエビデンスは少なく、ベルギーはEUで最初のルーチン接種導入国だという。BMJ誌2012年9月1日号(オンライン版2012年8月8日号)掲載の報告。

クラリスロマイシン製剤、ヘリコバクター・ピロリ感染症に係る適応症追加を申請

 大正製薬株式会社とアボット ジャパン株式会社は8月31日、両社がそれぞれ日本において製造・販売している「クラリス錠200」と「クラリシッド錠200mg」(クラリスロマイシン製剤)について、プロトンポンプ阻害薬(4成分・5ブランド)及びアモキシシリン水和物(一般名、3ブランド)を用いた3剤併用によるヘリコバクター・ピロリ感染症に係る、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎の適応症を追加する申請を、9社共同で厚生労働省に行ったと発表した。

アジスロマイシン、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の増悪を抑制:EMBRACE試験

 アジスロマイシン(商品名:ジスロマック)は、嚢胞性線維症を原因としない気管支拡張症におけるイベントベースの増悪の予防治療として有効なことが、ニュージーランド・Middlemore病院(マヌカウ市)のConroy Wong氏らが実施したEMBRACE試験で示唆された。気管支拡張症は好中球性の気道炎症、慢性的な細菌感染、繰り返す肺の病態の増悪で特徴づけられ、大量の喀痰を伴う重篤な咳嗽や進行性の肺機能低下、QOL低下をきたし、死亡率の上昇をもたらす可能性がある。アジスロマイシンは抗炎症作用および免疫調節作用を有するマクロライド系抗菌薬で、嚢胞性線維症の病態の増悪を抑制することが示されている。Lancet誌2012年8月18日号掲載の報告。