感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:195

最短8週間治療が可能なC型肝炎治療薬が登場

 アッヴィ合同会社は、すべての主要なジェノタイプ(GT1~6型)のC型肝炎ウイルス(HCV)に感染した成人患者に対して1日1回投与、リバビリンフリーの治療薬であるマヴィレット配合錠(一般名:グレカプレビル/ピブレンタスビル、以下マヴィレット)を11月27日に発売した。マヴィレットは肝硬変を有さない、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)未治療のジェノタイプ1型(GT1)および2型(GT2)のC型慢性肝炎(HCV)感染患者にとって、最初で唯一の最短8週間治療となる。薬価は1錠24,210.40円。

単純性尿路感染症へのNSAID、抗菌薬と比較/BMJ

 単純性下部尿路感染症(UTI)の女性患者において、ジクロフェナクの使用は抗菌薬の使用を減らすが、ノルフロキサシンと比較して症状軽減に関して劣性であり、腎盂腎炎のリスクを増大させる可能性が、スイス・ベルン大学のAndreas Kronenberg氏らによる無作為化二重盲検非劣性試験の結果で示された。著者は、「選択的な抗菌薬使用の開発と検証を、今後の試験で行うことが必要だ」と述べている。BMJ誌2017年11月7日号掲載の報告。

腸チフスにおける蛋白結合型ワクチンの有効性-細菌摂取による感染モデルでの検討(解説:板倉泰朋氏)-761

腸チフスは南アジアやサハラ以南アフリカなど、上下水道の設備が不十分な途上国を中心に流行を認めている疾患である。世界では小児を中心に年間2,000万人以上が罹患し、死亡者は20万人に及んでいる。日本においてここ数年は年間40~60例ほどの届け出がなされ、輸入例が多くを占めている。

先天性ジカウイルス症候群、石灰化は診断指標にならず/BMJ

 新生児の先天性ジカウイルス症候群の診断では、「脳石灰化の検出を主要な基準とみなすべきではなく、石灰化の非検出を診断の除外基準として用いるべきではない」とする所見を、ブラジル・Barao de Lucena病院のNatacha Calheiros de Lima Petribu氏らが示した。先天性ジカウイルス症候群の小児について、出生直後と1年時点に受けた脳CT所見を比較した症例シリーズ研究の結果で、BMJ誌2017年10月13日号で発表した。

呼吸器感染症の抗菌薬投与、プロカルシトニンガイドで生存率は?

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月、急性呼吸器感染症患者への抗菌薬投与を判断するための血中マーカーとしてプロカルシトニンを承認した。今回、スイス・アーラウ州立病院/バーゼル大学のPhilipp Schuetz氏らの研究グループによるメタアナリシスの結果、急性呼吸器感染症の抗菌薬治療のマーカーとしてのプロカルシトニンの使用が、抗菌薬の曝露や副作用を減少させ、生存率を改善することが示された。著者らは、「急性呼吸器感染症におけるプロカルシトニン・プロトコールの普及は、抗菌薬マネジメントを改善し、臨床転帰および多剤耐性菌増加の脅威に対してプラスの効果をもたらす可能性がある」としている。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2017年10月13日号に掲載。

新規インフルエンザ薬S-033188、先駆け審査指定制度下で国内承認申請

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、自社創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188について、成人および小児におけるA型又はB型インフルエンザウイルス感染症を適応症として、2017年10月25日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表。

エボラウイルスは生存者精液中に長期残存/NEJM

 エボラウイルス病(EVD)の男性生存者では、エボラウイルスRNAが精液中に長期に残存し、時間が経過するに従って徐々に減少することが、シエラレオネ保健衛生省のGibrilla F. Deen氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2017年10月12日号に最終報告として掲載された。西アフリカのエボラ流行を根本的にコントロールするには、EVD生存者におけるエボラウイルス排出の期間を理解し、さらなる感染を予防することが不可欠とされる。すでに本研究の準備報告に基づき、世界保健機関(WHO)と米国疾病管理予防センター(CDC)、中国CDCが、被災3国(シエラレオネ、ギニア、リベリア)の保健省との協働で精液検査プログラムと予防的行動カウンセリングを確立し、実行に移している。

抗ジカウイルスDNAワクチン、ヒトで免疫応答/NEJM

 開発中の抗ジカウイルスDNAワクチン(GLS-5700)の、ヒト接種の安全性と免疫原性を検討した第I相非盲検臨床試験の速報結果が、NEJM誌オンライン版2017年10月4日号で発表された。米国・ペンシルベニア大学のPablo Tebas氏らが、米国とカナダの3施設で健康なボランティア成人40例(年齢中央値38歳)を集めて1mgまたは2mg接種について検討した結果、全例で安全に免疫応答を誘発したことを報告した。ジカウイルス(ZIKV)感染症に対する承認ワクチンは、現状ではない。今回の結果を受けて著者は、「さらなる試験を行い、ワクチンの有効性と長期的安全性を評価する必要がある」とまとめている。