血液内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

多発性骨髄腫患者の感染リスクを予測する免疫バイオマーカー/Blood

 多発性骨髄腫患者において感染予防は最重要課題である。今回、スペイン・Cancer Center Clinica Universidad de NavarraのAintzane Zabaleta氏らによる多発性骨髄腫患者の大規模免疫プロファイリングの結果、骨髄中のCD27陽性B細胞、CD27陰性NK細胞、CD27陰性/CD27陽性T細胞比が、感染の独立したリスク因子であることが示唆された。Blood誌オンライン版2026年1月29日号に掲載。  著者らは感染リスクの高い免疫バイオマーカーを特定するため、さまざまな疾患Stageおよび治療シナリオにある1,786例の多発性骨髄腫患者から骨髄および末梢血検体を採取し、次世代フローサイトメトリーを用いた免疫プロファイリングを実施した。

青年期の進行古典的ホジキンリンパ腫、ニボルマブ+AVDの3年PFS(S1826サブ解析)/JCO

 進行古典的ホジキンリンパ腫に対する1次治療としてニボルマブ(N)+AVD(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)とブレンツキシマブ ベドチン(BV)+AVDを比較した第III相S1826試験における青年コホートを対象としたサブグループ解析で、N+AVDが放射線療法を最小限に抑えつつ、高い3年無増悪生存(PFS)率を達成したことを、米国・エモリー大学のSharon M. Castellino氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月9日号に掲載。  S1826試験は、StageIII~IVの古典的ホジキンリンパ腫と新たに診断された患者を対象に、N+AVD 6サイクルもしくはBV+AVD 6サイクルに無作為に割り付け、主要評価項目としてPFS、副次評価項目として全生存期間、無イベント生存期間、安全性を比較した試験である。

LDHでHFrEFの予後予測?

 乳酸脱水素酵素(LDH)は、肝臓をはじめ、心臓、肺などほぼ全身の組織に細胞質酵素として存在する。これまで循環器領域では心筋梗塞の指標として用いられているが、このほど、LDHの上昇が心不全(HF)の予後予測に重要であることが明らかになった。英国・心臓財団グラスゴー心血管研究センターの小野 亮平氏らがGALACTIC-HF試験対象者を解析した結果、LDHの上昇が左室駆出率の低下した心不全 (HFrEF)の臨床アウトカムの上昇と独立して関連性を示したという。 JACC:Heart Failure誌オンライン版 2026年1月15 日号掲載の報告。  研究者らは、細胞障害の非特異的な指標であるLDH とHFrEFの臨床的特徴など評価するため、GALACTIC-HF試験*データを用い、LDHと臨床アウトカムの関係を解析した。

自己免疫性溶血性貧血、抗CD19 CAR-T細胞療法が有用/NEJM

 難治性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)患者において、CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法(抗CD19 CAR-T細胞療法)は予想された毒性を示し、持続的な寛解をもたらしたことを、中国・Institute of Hematology and Blood Diseases HospitalのRuonan Li氏らが報告した。AIHA患者は持続的な自己反応性B細胞活性により、再発のリスクが高い。難治性AIHAは3ライン以上の治療に対して寛解が得られない、より進行した病態であるが、抗CD19 CAR-T細胞療法はB細胞を著しく減少させて難治性AIHAに対するドラッグフリー寛解を達成する、有用な治療法となる可能性が示唆されていた。NEJM誌2026年1月15日号掲載報告。

ASCO多発性骨髄腫ガイドライン改訂、移植適応初回治療に4剤併用を推奨など/JCO

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)・Ontario Health(Cancer Care Ontario)による多発性骨髄腫治療に関するガイドラインの改訂版が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2026年1月6日号に公表された。ASCOおよびOntario Health(Cancer Care Ontario)の合同の専門家パネルが論文の系統的レビューを実施し、同定された161の無作為化試験における217論文を基に治療推奨が作成された。  改訂された主な推奨箇所は以下のとおり。 ・高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫には、積極的モニタリングのほかダラツムマブ(最長36ヵ月)が推奨される場合がある。

高齢がん患者、補助的医療従事者の介入で急性期医療利用が減少/JAMA

 レイヘルスワーカー(補助的医療従事者)主導による症状評価の介入は、急性期医療の利用を減少させるために広く実現可能なアプローチとなりうることが、米国・スタンフォード大学のManali I. Patel氏らがカリフォルニア州とアリゾナ州の地域がん外来クリニック43施設で実施した無作為化臨床試験の結果で示された。高齢者において、がん症状に対する治療は十分にされていないことが多い。一方で、効果的な早期発見および介入も限定的なままであった。JAMA誌オンライン版2025年12月30日号掲載の報告。

大細胞型B細胞リンパ腫へのCAR-T細胞療法、投与時刻が効果に影響か/Blood

 概日リズムは免疫活性化とエフェクター機能を調節するが、日内リズムがキメラ抗原受容体(CAR)細胞療法のアウトカムに影響するかはわかっていない。今回、米国・Weill Cornell Medical CollegeのDanny Luan氏らによる再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者における国際多施設共同後ろ向き研究で、CAR-T細胞投与のタイミングが治療効果に影響しうることが初めて示唆された。Blood誌オンライン版2025年12月23日号に掲載。  本研究は、2017~25年に7施設でCD19標的CAR-T細胞療法を受けた再発・難治性LBCLの成人患者1,052例を対象に実施した。

市中敗血症への抗菌薬、4日目からde-escalationは可能?

 市中発症敗血症で入院し、多剤耐性菌感染が確認されていない患者において、入院4日目から広域抗菌薬のde-escalationを実施しても、広域抗菌薬継続と比較して90日死亡率に差は認められず、抗菌薬使用日数および入院期間の短縮と関連していたことが報告された。米国・ミシガン大学のAshwin B. Gupta氏らが、本研究結果をJAMA Internal Medicine誌オンライン版2025年12月22日号で報告した。  研究グループは、Michigan Hospital Medicine Safety Consortium(HMS)のデータを用いて、抗メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)薬および抗緑膿菌(PSA)薬のde-escalationの影響をtarget trial emulationの手法で検討した。対象は、2020年6月~2024年9月に入院し、広域抗菌薬によるエンピリック治療を開始した18歳以上の市中発症敗血症患者とした。

再発・難治性多発性骨髄腫へのiberdomide+低用量シクロホスファミド+デキサメタゾンの第II相試験(ICON)/Lancet Haematol

 2~4ラインの治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫に対するiberdomide+低用量シクロホスファミド+デキサメタゾン(IberCd)の現在進行中の前向き単群第II相非盲検試験(ICON試験)において、追跡期間25.4ヵ月で無増悪生存期間(PFS)中央値が17.6ヵ月と良好であったことを、オランダ・アムステルダム自由大学のCharlotte L. B. M. Korst氏らが報告した。Lancet Haematology誌2026年1月号に掲載。  iberdomideは、経口セレブロンE3リガーゼモジュレーターであり、レナリドミドやポマリドミドとは薬理学的に異なりセレブロンとの親和性が高いため、直接的な抗腫瘍効果と免疫刺激効果をもたらすことが示されている。

再発・難治性濾胞性リンパ腫、タファシタマブ追加でPFS改善(inMIND)/Lancet

 濾胞性リンパ腫は長期生存率が高いが、一般的に根治が困難で、寛解と再発を繰り返すことから複数の治療ラインが求められている。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のLaurie H. Sehn氏らによる「inMIND試験」において、再発・難治性濾胞性リンパ腫の治療では、レナリドミド+リツキシマブへの追加薬剤として、プラセボと比較しFc改変型抗CD19抗体タファシタマブは、統計学的に有意で臨床的に意義のある無増悪生存期間(PFS)の改善をもたらし、全奏効割合や奏効期間も良好で、安全性プロファイルは許容可能であることが示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2025年12月5日号で報告された。