産婦人科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:69

妊娠初期の肥満が乳児死亡リスクに/BMJ

 母体の過体重や肥満は、乳児死亡率の増大と関連していることが、スウェーデン住民ベースコホート研究の結果、明らかにされた。同国カロリンスカ大学病院のStefan Johansson氏らが1992~2010年の出生児データを分析して報告した。満期産での死亡率増大および早産の出現頻度の増大が、乳児死亡率増大に寄与していたという。著者は、「母体の過体重と肥満は、世界中の乳児死亡率の重大かつ予防可能なリスク因子と考えられる」と考察し、他国における同関連の調査の必要性を提言するとともに、今回の所見は、公衆衛生担当者が乳児の健康促進のために妊婦の肥満予防に取り組むのに十分なエビデンスを有するものだと述べている。BMJ誌オンライン版2014年12月2日号掲載の報告より。

抗うつ薬と妊娠中絶との関連は

 抗うつ薬の使用は選択的妊娠中絶と関連するのであろうか。また、薬剤間で差はあるのだろうか。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や三環系抗うつ薬、ミルタザピン、ベンラファキシン、その他の抗うつ薬が妊娠後の中絶にどのような影響を与えるかを、スウェーデン・カロリンスカ研究所のH Kieler氏らが評価した。BJOG誌オンライン版2014年11月14日号の報告。

妊婦への3種混合ワクチン、早産リスクと関連せず/JAMA

 妊娠中に破傷風・弱毒化ジフテリア・無菌体百日咳3種混合ワクチン(Tdap)を接種しても、早産や在胎週数不当軽量児(SGA)、妊娠高血圧症の発生リスクは増大しないことが明らかにされた。一方で、絨毛羊膜炎リスクが、接種群で2割弱の増大が認められたという。米国・HealthPartners Institute for Education and ResearchのElyse O. Kharbanda氏らが、単胎生児を出産した12万超の女性について行った検討で明らかにした。米国では2011年、米国疾病管理予防センター(CDC)の予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices)が、Tdap未接種の妊婦に対し、妊娠20週以降の同接種を勧告している。JAMA誌2014年11月12日号掲載の報告より。

子宮頸部上皮内腫瘍の切除、流産リスク増大/BMJ

 英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのMaria Kyrgiou氏らが行ったシステマティックレビューとメタ解析の結果、子宮頸部上皮内腫瘍における頸部切除が、妊孕性に悪影響を与えるとのエビデンスは示されなかったが、妊娠第2期の流産リスクの有意な増加と関係していたことが明らかにされた。著者は、さらなる検討を行い、この流産リスク増大のメカニズムを調べること、また妊孕性および妊娠早期のアウトカムへの治療の影響について、切除サイズや用いる治療法の層別化を行うべきであると提言した。BMJ誌オンライン版2014年10月28日号掲載の報告より。

卵巣がんのリスク予測モデル、識別良好/BMJ

 ベルギー、ルーヴェン・カトリック大学のBen Van Calster氏らは、卵巣がんの良性または悪性を識別する術前のリスク予測モデル「Assessment of Different NEoplasias in the adnexa(ADNEX)」を開発した。10ヵ国24施設5,909例の患者の協力を得た開発・検証の前向き診断試験において、良好に識別したことを報告。また、同モデルにより、良性、境界悪性、ステージI浸潤、ステージII~IV浸潤、および二次性(転移性)腫瘍を識別できたという。著者は、「ADNEXモデルは、患者トリアージおよび治療方針を改善し、付属器関連の罹患率および死亡率に大きな影響を及ぼすだろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2014年10月15日号掲載の報告より。

子宮移植による生児出産、世界初の成功例/Lancet

 先天的に無子宮の35歳の女性に、61歳の女性の子宮を移植し生児出産に成功したとの報告が、Lancet誌オンライン版2014年10月5日号に掲載された。報告を行ったのはスウェーデン・イェーテボリ大学のMats Brannstrom氏らのチームで、子宮移植後の生児出産としては初めての成功例だという。子宮移植は、無子宮または非機能性子宮に起因する絶対的な不妊の第一選の治療法で、これまでに世界で11件のヒト子宮移植が試みられている。