消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:151

上部消化管出血への輸血戦略、大規模RCTは可能か/Lancet

 論争の的となっている急性上部消化管出血への輸血戦略について、大規模な非盲検集団無作為化試験の実行可能性を探るTRIGGER試験が英国・オックスフォード大学のVipul Jairath氏らにより行われた。その結果、試験は実行可能であることが示され、著者は、「臨床診療ガイドラインで、すべての上部消化管出血患者に対する制限輸血戦略を推奨するよう記述を変える前に、その効果を評価する大規模な集団無作為化試験は実行可能であり、実施が必須である」と指摘した。これまで、同戦略に関する検討は小規模試験3件と単施設試験1件のみである。単施設試験の所見では、制限輸血(限定的な赤血球[RBC]輸血)群で死亡の低下が報告されており、研究グループは、同所見が多施設の集団無作為化試験によって立証されるか否かを検討することを目的とした。Lancet誌オンライン版2015年5月5日号掲載の報告より。

新規抗凝固薬、高齢者では消化管出血リスク増大/BMJ

 ダビガトラン(商品名:プラザキサ)やリバーロキサバン(同:イグザレルト)は、ワルファリンに比べ、心房細動の有無にかかわらず、消化管出血リスクを増大しないことが示された。ただし76歳以上の高齢者の場合には、ダビガトランでは心房細動患者について、リバーロキサバンは心房細動の有無にかかわらず、ワルファリンに比べ消化管出血リスクを増大することが示されたという。米国・メイヨークリニックのNeena S. Abraham氏らが、9万例超を対象に行った後ろ向き傾向スコア適合コホート試験で明らかにした。新規経口抗凝固薬の消化管出血リスク増大のエビデンスの大半は、追跡期間や試験への包含基準により限定的なものであった。また観察研究では、相反する結果も示されていた。BMJ誌オンライン版2015年4月24日号掲載の報告より。

新規抗凝固薬、消化管出血リスクは増大しない?/BMJ

 ダビガトラン(商品名:プラザキサ)やリバーロキサバン(同:イグザレルト)は、ワルファリンに比べ、消化管出血リスクを増大することはないと思われることが示された。米国・ジョンズホプキンス大学のHsien-Yen Chang氏らが、約4万6,000例のデータを分析した結果、統計的有意差を示すエビデンスは得られなかったという。ただしChang氏らは、「今回の試験結果で、ダビガトランの消化管出血リスクはワルファリンに比べて50%ほど高いということや、リバーロキサバンはワルファリンに比べ同リスクが2倍超高いということを排除はできない」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年4月24日号掲載の報告より。

大腸がんスクリーニングは何歳まですべき?/BMJ

 ガイドラインは高齢者(50~74歳)のがんスクリーニングについて、スクリーニングの恩恵がもたらされるよう平均余命を考慮して実施することを推奨している。米国・サンフランシスコ退役軍人医療センターのVictoria Tang氏らは、高齢者に対する大腸がんスクリーニングについて、どれくらいの平均余命を考慮すればよいのか、軟性S状結腸鏡を用いたスクリーニング試験の生存メタ解析を行い検討した。結果、おおよそ10年超の平均余命を有する高齢者については実施されるべきであることが明らかになったという。BMJ誌オンライン版2015年4月16日号掲載の報告より。

重症アルコール性肝炎の推奨薬、その効果は?/NEJM

 アルコール性肝炎は、重症化すると短期的死亡率が30%を超えるという。英国・インペリアル・カレッジのMark R Thursz氏らSTOPAH試験の研究グループは、本症の治療におけるプレドニゾロンとペントキシフィリン(国内未承認)の有用性について検討した。本症は黄疸と肝障害を特徴とする臨床症候群であり、多量のアルコールを長期間摂取することで発症する。両薬剤とも重症例の治療薬として推奨されているが、そのベネフィットは確立されていない。NEJM誌2015年4月23日号掲載の報告より。

生活習慣指導でGERD症状が改善

 胃食道逆流症(GERD)は生活習慣病と考えられているが、生活習慣の影響と生活習慣への介入の効果については議論されている。川崎医科大学 春間 賢氏らは、GERDと関連する生活習慣因子とプライマリケアによる生活習慣への介入の有効性について、LEGEND studyの事後解析により検討した。その結果、プロトンポンプ阻害薬(PPI)投与中のGERD患者における生活習慣への介入は、逆流症状およびディスペプシア症状とも有意に改善することが認められた。Internal medicine誌2015年4月1日号に掲載。

ベーチェット病の口腔潰瘍にアプレミラストが有効/NEJM

 ベーチェット症候群の特徴的な病変である口腔潰瘍の治療に、アプレミラスト(apremilast、国内未承認)が有効であることが、トルコ・イスタンブール大学のGulen Hatemi氏らの検討で明らかとなった。ベーチェット症候群の他の粘膜病変には、陰部潰瘍や丘疹膿疱性、結節性の病変などがあるが、再発を繰り返す口腔潰瘍は身体機能を損ない、QOLに多大な影響を及ぼす。従来薬の効果は十分ではないため新規薬剤の開発が求められており、口腔潰瘍に有効な薬剤は他の病変への効果も有する可能性が示唆されている。アプレミラストはホスホジエステラーゼ4を特異的に阻害する低分子量の経口薬で、とくに免疫細胞内のサイクリックAMPを上昇させることでさまざまな炎症経路に作用するという。NEJM誌2015年4月16日号掲載の報告。