消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:11

医師の子供の約6割が中学受験または予定している/医師1,000人アンケート

 2023年の調査によると、東京都では5人に1人が中学受験をして進学するなど、大都市圏では中高一貫校に人気がある。「公立学校よりも豊かな学習環境で学ばせたい」や「来るべき大学受験のために進学校で学ばせたい」など理由はさまざまである。  では、大都市圏の医師の子供は中学受験を行っているのであろうか。また、受験の動機や合格するための対策、受験までの費用などどのくらい支出しているのだろうか。  CareNet.comでは、3月21~27日にかけて、関東圏(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)、関西圏(大阪府・兵庫県・京都府)の会員医師1,000人に「中学受験」の実状について聞いた。

肝硬変患者において肝硬変自体はCAD発症リスクの増加に寄与しない

 冠動脈疾患(CAD)は肝硬変患者に頻発するが、肝硬変自体はCAD発症リスクの上昇と有意に関連しない可能性を示唆する研究結果が、「Journal of Clinical and Translational Hepatology」に2024年11月21日掲載された。  CADは、慢性冠症候群(CCS)と急性冠症候群(ACS)に大別され、ACSには、不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)、およびST上昇型心筋梗塞(STEMI)などが含まれる。肝硬変患者でのCADの罹患率や有病率に関しては研究間でばらつきがあり、肝硬変とCADの関連は依然として不確かである。

手術を受けるなら週末の前より後の方が転帰は良好

 金曜日に手術を受ける予定の人は、可能であれば手術の日程変更を検討した方が良いかもしれない。新たな研究で、週末直前に手術を受ける人は、週末直後に手術を受ける人に比べて死亡や合併症のリスクが大幅に高まる可能性が示唆された。米ヒューストン・メソジスト病院のRaj Satkunasivam氏らによるこの研究結果は、「JAMA Network Open」に3月4日掲載された。  病院や医療システムは、週末に最小限の人員で運営される傾向があることから、週末に患者が受ける医療の質は、平日よりも低くなる可能性が懸念されている。このような現象は、一般に「週末効果」と呼ばれている。

通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下、制度拡充が必要/国立がん研究センター

 がんの臨床試験(治験)では、地域の医療機関が参加条件に該当した患者を治験実施施設に紹介することが一般的だ。患者は自宅から離れた治験実施施設に通わねばならないケースも多く、時間的・経済的負担が生じる。国立がん研究センター中央病院 先端医療科の上原 悠治氏、小山 隆文氏らは、施設までの通院費と治験の参加可能性が関連するかを検討する後ろ向きコホート研究を行った。  2020~22年に、がん遺伝子パネル検査後に国立がん研究センター中央病院に治験目的で紹介された進行固形腫瘍患者1,127例を対象に、通院費と治験参加状況の関連を調査した。主要評価項目は遺伝子変異に関連した治験への参加、副次評価項目は遺伝子変異とは関連しない治験への参加だった。多変量ロジスティック回帰分析により、移動費用と治験参加率との関連を評価した。本研究の結果はESMO Real World Data and Digital Oncology誌オンライン版2025年2月25日号に掲載された。

臓器の生物学的老化の加速は疾患リスクに影響する

 臓器の生物学的年齢(臓器年齢)は人によって異なり、臓器の老化の加速により、その臓器だけでなく、他の臓器に関連した疾患のリスクも予測できる可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMika Kivimaki氏らによるこの研究の詳細は、「The Lancet Digital Health」3月号に掲載された。  Kivimaki氏らは、特定の臓器年齢の加速は、1)その臓器の疾患リスクを高めるのか、2)他の臓器に関連する加齢関連疾患や、それらの疾患の同時発症のリスクも高めるのか、を検討した。対象は、35年以上にわたり1万人以上の英国成人を追跡したホワイトホールII研究のデータから抽出した、45〜69歳の6,235人とした。対象者の血漿プロテオームの解析により9つの臓器(心臓、血管、肝臓、免疫系、膵臓、腎臓、肺、腸、脳)の年齢を推定し、同年代の人の臓器年齢との差を算出した。その後、対象者を平均19.8年間追跡し、45種類の加齢関連疾患とマルチモビディティ(多疾患併存)の発症について調査した。

セフトリアキソンで腎盂腎炎を伴う腸内細菌目細菌菌血症を治療できるか

 セフトリアキソン(CTRX)は尿路感染症における選択薬の1つであるが、他のβ-ラクタム系抗菌薬と比較して尿中排泄率が低いという欠点がある。わが国では2023年にセフォチアム(CTM)が不足したことから、尿路感染症に対するCTRXの需要が高まっている。今回、愛知医科大学の柴田 祐一氏らが、腎盂腎炎を伴う腸内細菌目細菌菌血症に対するCTRXと他のβ-ラクタム系抗菌薬の有効性を比較したところ、30日全死亡率は同様であった。Journal of Infection and Chemotherapy誌オンライン版2025年4月9日号に掲載。

食道がんリスクが平均赤血球容積でわかる?

 健康診断などでよく見る平均赤血球容積(MCV)は貧血の種類を判別する指標だが、食道がんの予測因子としても使えるようになるかもしれない。静岡県立総合病院消化器外科の佐藤真輔氏、静岡社会健康医学大学院大学の菅原照氏らの研究によるもので、食道がんの発症リスクが高血圧の既往や生活習慣などとともにMCVでも予測できる可能性があるという。研究の詳細は「PLOS One」に2月11日掲載された。  食道がんは予後不良のがんであり、2020年には世界で54万人が食道がんで死亡している。症例の多くは扁平上皮がんであり、日本や中国を含む東アジアでの発症率が特に高くなっている。食道の扁平上皮がんのリスク因子は飲酒と喫煙であることが報告されている。

ポリープの家族歴、頻度・人数が多いほど大腸がんリスク増加

 近年の研究により、家族内での大腸ポリープ診断の頻度が大腸がんリスクと関連していることが示されている。ドイツ・ハイデルベルク大学のYuqing Hu氏らは親族におけるポリープ診断の頻度と、大腸がんの全体的なリスクおよび早期発症リスクとの関連性を評価するための大規模研究を行った。本試験の結果はGastroenterology誌オンライン版2025年1月10日号に掲載された。  研究者らは、スウェーデンの大規模な家族性がんデータセット(1964~2018年)の1,167万6,043例を対象とし、親族における大腸ポリープ診断の頻度と大腸がんリスクの関連を調査した。親族のポリープ診断歴を「1回のみ」と「複数回」に分けて解析を行った。大腸がんと診断、移住、死亡、または2018年末のいずれか早い時点まで追跡した。

大腸がん死亡率への効果、1回の大腸内視鏡検査vs.2年ごとの便潜血検査/Lancet

 大腸がん検診への参加率は、大腸内視鏡検査より免疫学的便潜血検査(FIT)のほうが高く、大腸がん関連死亡率について、本研究で観察された参加率に基づくとFITベースのプログラムは大腸内視鏡検査ベースのプログラムに対し非劣性であることが確認された。スペイン・バルセロナ大学のAntoni Castells氏らCOLONPREV study investigatorsが、スペインの8地域における3次医療機関15施設で実施したプラグマティックな無作為化比較非劣性試験「COLONPREV試験」の結果を報告した。大腸内視鏡検査とFITは、平均的なリスク集団(大腸がんの既往歴または家族歴のない50歳以上の人々)における一般的な大腸がんスクリーニング戦略である。中間解析でも、FIT群は大腸内視鏡検査群よりスクリーニング参加率が高いことが示されていた。Lancet誌オンライン版2025年3月27日号掲載の報告。

「胃癌治療ガイドライン」改訂のポイント~薬物療法編~/日本胃癌学会

 2025年3月、「胃癌治療ガイドライン」(日本胃癌学会編)が改訂された。2021年から4年ぶりの改訂で、第7版となる。3月12~14日に行われた第97回日本胃癌学会では、「胃癌治療ガイドライン第7版 改訂のポイント」と題したシンポジウムが開催され、外科治療、内視鏡治療、薬物療法の3つのパートに分け、改訂ポイントが解説された。改訂点の多かった外科療法と薬物療法の主な改訂ポイントを2回に分けて紹介する。本稿では薬物療法に関する主な改訂点を取り上げる。  内科系(薬物療法)については非常に多くの改訂があった。多くはガイドラインを一読すれば理解いただけると思うが、多くの方が関心を持っているであろうMSI、CPS、CLDN18、HER2といったバイオマーカーとそれに基づく治療選択と、今後避けて通れない高齢者診療に関する新たな推奨に絞って、改訂ポイントを紹介する。