サイト内検索|page:7

検索結果 合計:138件 表示位置:121 - 138

121.

トロンボポエチン受容体作動薬eltrombopag、特発性血小板減少性紫斑病に有用

eltrombopagは、慢性免疫性血小板減少(特発性血小板減少性紫斑病:ITP)の管理に有用であり、特に脾臓摘出などの治療に反応しなかった患者にベネフィットをもたらす可能性があることが、中国・香港中文大学のGregory Cheng氏らによる検討で明らかとなった。ITPでは、抗血小板抗体によって血小板の破壊が増進されるとともに巨核球からの血小板の放出が抑制されるため、軽度~重度の出血をきたす。eltrombopagは経口投与が可能な小分子の非ペプチド性トロンボポエチン受容体作動薬で、ITPのほかC型肝炎やがんの化学療法に伴う血小板減少の治療に使用されている。Lancet誌2011年1月29日号(オンライン版2010年8月24日号)掲載の報告。6ヵ月治療のプラセボ対照無作為化第III相試験研究グループは、ITPに対するeltrombopagとプラセボの効果、安全性を評価する二重盲検無作為化第III相試験を実施した。対象は、6ヵ月間以上の治療を受け、ベースラインの血小板数が<30,000/μLの成人ITP患者。これらの患者が、各国の標準治療+eltrombopag 50mg/日を投与する群あるいは標準治療+プラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、6ヵ月間の治療が行われた。患者、医師、データの評価者には治療割り付け情報は知らされなかった。用量は治療への反応としての血小板数の変動に基づいて調節した。治療への反応(血小板数:5万~40万/μLと定義)は、最初の6週間は毎週1回、その後は少なくとも4週に1回評価した。主要評価項目は、上記の定義による治療への反応とし、intention-to-treat解析を行った。血小板数が増加、レスキュー治療や重度出血は減少2006年11月22日~2007年7月31日までに23ヵ国75施設から197例が登録され、eltrombopag群に135例が、プラセボ群には62例が割り付けられた。治療期間中に1回以上の治療への反応が確認された患者は、eltrombopag群が79%(106例)、プラセボ群は28%(17例)であり、オッズ比は8.2(95%信頼区間:3.59~18.73)と有意な差が認められた(p<0.0001)。併用された標準治療の減量が可能となったのは、eltrombopag群の59%(37例)に対しプラセボ群は32%(10例)であり、有意差がみられた(p=0.016)。治療期間中にレスキュー治療(用量の増量、新たな治療の追加、血小板輸血、脾臓摘出)を要した患者は、eltrombopag群が18%(24例)と、プラセボ群の40%(25例)に比べ有意に良好であった(p=0.001)。血栓塞栓イベントは、eltrombopag群の2%(3例)にみられたが、プラセボ群では認められなかった。ALT値の軽度上昇がeltrombopag群の7%(9例)、プラセボ群の3%(2例)に、総ビリルビン値の上昇がeltrombopag群の4%(5例)に認められた(プラセボ群は0%)。重度出血イベントは、eltrombopag群が<1%(1例)であったのに対し、プラセボ群は7%(4例)で発生した。著者は、「eltrombopagはITPの管理に有用であり、特に脾臓摘出などの治療に反応しなかった患者にベネフィットをもたらす可能性がある」と結論した上で、「これらのベネフィットを選択する場合は、eltrombopag治療に伴う潜在的なリスクとのバランスを十分に考慮して決めるべきである」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

122.

リンパ節転移陰性の高リスク乳がんでも、ドセタキセル補助療法が優位

タキサン系抗がん剤のドセタキセル(商品名:タキソテール)を含むTACレジメン(ドセタキセル、ドキソルビシン、シクロホスファミド)の有効性について、これまでリンパ節転移陽性乳がんについては明らかになっていたが、リンパ節転移陰性の高リスク乳がんの治療においても、フルオロウラシル(商品名:5-FUなど)を含む標準療法とされるFACレジメン(フルオロウラシル、ドキソルビシン、シクロホスファミド)よりも高い奏効率が認められた。欧州で行われた「GEICAM 9805」試験からの報告で、スペイン・Hospital General Universitario Gregorio MaranonのMiguel Martin氏らが、追跡期間中央値77ヵ月時点の無病生存率、全生存率、毒性について解析した。NEJM誌2010年12月2日号掲載より。TACレジメンとFACレジメンに割り付け5年以上追跡第III相オープンラベル無作為化試験として行われたGEICAM 9805試験は1998年に、リンパ節転移陰性の乳がんを有し、再発リスクの高い因子(1998ザンクトガレン基準に準拠)を一つ以上有する女性を対象に、TACレジメンとFACレジメンの効果を比較検討することを目的にスタートした。スペイン、ドイツ、ポーランドからの被験者1,060例が、術後補助療法として3週間ごとに1回×6サイクルの、TACレジメン(ドセタキセル75mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500mg/m2)もしくはFACレジメン(フルオロウラシル500mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500mg/m2)を受ける群に割り付けられ追跡された。主要エンドポイントは、5年以上追跡調査後の無病生存率とされ、全生存率と毒性などが副次エンドポイントに含まれた。TAC群の再発リスク32%減少を示す追跡期間中央値77ヵ月時点において、無病生存率は、TAC群(539例)が87.8%と、FAC群(521例)の81.8%よりも高く、TACレジメンによって再発リスクが32%減少していたことが示された(ハザード比:0.68、95%信頼区間:0.49~0.93、log-rank検定によるP=0.01)。TACレジメンの有効性は、ホルモン受容体の状態、閉経の有無、高リスク因子の数にかかわらず一貫していた。生存率は、TAC群95.2%、FAC群93.5%で、両群間の差は有意ではなかったが(ハザード比:0.76、95%信頼区間:0.45~1.26、非階層化ベースでのlog-rank検定によるP=0.29)、イベント数はTAC群が26件と、FAC群34件より少なかった。有害事象グレード3または4の発生率は、TAC群28.2%、FAC群17.0%だった(P<0.001)。なお当初プロトコルにはなかったが、試験開始後、TAC群で発熱性好中球減少症が25%以上にみられたため、登録230例以後の被験者には、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の予防的投与を行うようプロトコルが改定された。TACレジメンの毒性は、それ以後減少していた。(武藤まき:医療ライター)

123.

CA125濃度上昇を指標とした再発卵巣がんへの早期治療介入にベネフィット認められず

CA125濃度上昇を指標とした再発卵巣がんへの早期治療介入に、生存期間延長の効果は認められなかったことが、イギリス・マウントバーノンがんセンターのGordon J S Rustin氏らMRC OV05/EORTC 55955共同研究グループによる無作為化対照試験の結果、報告された。卵巣がんでは再発症状が認められる数ヵ月前に、CA125濃度の上昇がよくみられることから、研究グループは、これを指標とした早期治療介入が、再発症状の発現を基点に治療を開始することよりも有益であることを立証することを目的に試験を行った。Lancet誌2010年10月2日号掲載より。CA125濃度が標準値2倍超時点で被験者を早期治療群か治療遅延群に無作為化試験には、プラチナ製剤ベースのファーストライン治療後に完全寛解が認められ、CA125濃度が標準値だった女性1,442例が登録された。登録後、3ヵ月ごとに臨床検査とCA125測定が行われ、測定値が被験者および試験研究者にはマスキングされる一方、コーディングセンターでモニタリングされ、CA125濃度が標準値の2倍超となった場合、被験者は早期に化学療法を受ける群か症状発現まで遅延し化学療法を受ける群かに1対1の割合で無作為に割り付けられた。患者と試験協力施設には、早期に化学療法を受ける場合は知らせがあり、CA125濃度2倍超上昇が認められてから28日以内に治療が開始された。なお被験者は全員、標準治療を受けた。主要エンドポイントは全生存率で、intention-to-treat解析にて検討が行われた。治療を遅延した群の方が生存期間長期に無作為化されたのは529例(早期治療群265例、治療遅延群264例)、無作為化後の追跡期間中央値は56.9ヵ月(IQR:37.4~81.8)だった。その間の死亡は370例で、内訳は早期治療群186例、治療遅延群184例で、全生存率について両群間に差異があることは立証されなかった(ハザード比:0.98、95%信頼区間:0.80~1.20、P=0.85)。無作為化後の生存期間の中央値は、早期治療群が25.7ヵ月(95%信頼区間:23.0~27.9)、治療遅延群は27.1ヵ月(同:22.8~30.9)だった。

124.

20年前と比べ、米国青少年の聴覚障害が増大、約2割に

米国の12~19歳の聴覚障害罹患率が、20年前と比べて増加傾向にあることが明らかになった。1988~1994年調査時の罹患率は約15%だったが、2005~2006年調査時は約20%になっていたという。米国ブリガム&ウィメンズ病院Channing LaboratoryのJosef Shargorodsky氏らが、全米健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)のデータを分析し明らかにしたもので、JAMA誌2010年8月18日号で発表した。著者らは、「増加の要因と、回避・防止し得るリスクファクターを特定することが必要」と提言している。5,000人弱について、聴覚障害の種類や程度、リスク因子を調査Shargorodsky氏らは、NHANESの1988~1994年時の12~19歳被験者2,928人のデータと、2005~2006年時の同1,771人のデータについて検討した。被験者は、聴力測定器によって聴覚障害の有無を調べられ、聴覚障害の程度について、片耳もしくは両耳、低周波(0.5、1、2kHz)または高周波(3、4、6、8kHz)、軽度(15超~25未満dB)か中等度~重度(25以上dB)に分類された。また、聴覚障害とそのリスク因子についての相互関係についても分析調査された。近年の聴覚障害は片耳、高周波が高率結果、1988~1994年の聴覚障害罹患率は14.9%(95%信頼区間:13.0~16.9)だったのに対し、2005~2006年の同率は19.5%(同:15.2~23.8)と、有意に増加していた(p=0.02)。05~06年の聴覚障害は片耳が多く、その罹患率は14.0%(同:10.4~17.6)で、88~94年の同11.1%(同:9.5~12.8)に比べ高率だった(p=0.005)。また05~06年は、高周波聴覚障害の罹患率が16.4%(同:13.2~19.7)と、88~94年の同12.8%(同:11.1~14.5)に比べ高率だった(p=0.02)。聴覚障害のリスクは、連邦政府が定める貧困層の子どもで有意に高く、罹患率は23.6%(同:18.5~28.7)であり、そうでない場合の18.4%(同:13.6~23.2)に比べ有意に高率だった(補正後オッズ比:1.60、95%信頼区間:1.10~2.32)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

125.

一般市民による心肺蘇生は胸骨圧迫に集中させた方がよいか?(その1)

一般市民による心肺蘇生(CPR)について、米国ワシントン大学のThomas D. Rea氏らは、「胸骨圧迫を重視させるべきとの戦略を後押しする結果を得た」とする、胸骨圧迫単独実施と胸骨圧迫+人工呼吸実施との有効性を比較した無作為化試験の結果を報告した。全体的な生存率改善に関しては両群で有意な差はみられなかったが、発作時の臨床症状別で解析した結果で、単独実施群の生存率の方が高い傾向がみられたという。NEJM誌2010年7月29日号掲載より。通報者へのCPR指示を、胸骨圧迫単独実施群、+人工呼吸実施群に無作為化し検討一般市民によるCPRで、人工呼吸を実施することの有効性については明らかになっていない。Rea氏らは、胸骨圧迫単独実施よりも、胸骨圧迫+人工呼吸併用実施の方が、生存率を改善するであろうと仮定し、多施設共同無作為化試験(米国ワシントン州キング郡とサーストン郡、英国ロンドン市)を行った。試験は、救急医療サービスに通報があった際に、通信隊員が胸骨圧迫のみを実行するよう指示する場合、もしくは胸骨圧迫+人工呼吸を実行するよう指示する場合に無作為に割り付け実行された。対象は、18歳以上の院外心停止のケース(外傷、溺水、仮死状態は除く)で、通信隊員が、通報してきた現場に居合わせた一般市民によるCPR実行が必要と判断した場合だった。主要評価項目は、生存退院とし、副次評価項目は、神経学的転帰良好な生存退院[CPC(Cerebral Performance Category)5段階評価で1、2に該当]とされた。なお、患者に対する事前承諾は行われなかったが、生存回復後に試験に組み入れられていたことが知らされた。生存退院者割合は有意差認められず、ただし……患者登録は3地域トータルで、2004年6月1日~2009年4月15日に行われ計1,941例が試験に組み入れられた。内訳は、胸骨圧迫単独群に割り付けられたのは981例、胸骨圧迫+人工呼吸併用群は960例だった。結果、生存退院した人の割合は、単独群12.5%、併用群11.0%で、両群間に有意差は認められなかった(絶対差:1.5ポイント、95%信頼区間:-1.4~4.4、P=0.31)。副次評価項目の、神経学的転帰良好で生存退院した人の割合も両群間に有意差は認められなかった(それぞれ14.4%、11.5%、P=0.13)。ただし臨床症状別に検討した事前規定のサブグループ解析の結果、単独群の方が生存退院者の割合が高い傾向がみられた。すなわち、心原性心停止ケースにおける生存退院者の割合は、単独群15.5%に対し併用群12.3%(P=0.09)、AED適応ケースでは単独群31.9%に対し併用群25.7%(P=0.09)だった。(武藤まき:医療ライター)

126.

高齢者の心不全入院期間2日以上短縮、院内・30日死亡率は低下

 1993~2006年にかけて米国では、高齢者の心不全による入院期間は2日以上短縮し、院内死亡率や30日死亡率も低下していたことが、調査により明らかにされた。一方で、30日再入院率は1割程度増加していた。スペインGregorio Maranon大学病院循環器部門のHector Bueno氏らが、心不全による入院700万件弱について調べたもので、JAMA誌2010年6月2日号で発表した。これまで、心不全による最近の入院日数短縮傾向についての報告はあったが、それに伴う患者のアウトカムについては不明だった。心不全の平均入院期間は8.81日から6.33日へ、院内死亡率は8.5%から4.3%へ 同氏らは、米国高齢者向け公的医療保険メディケアの出来高払いプランに加入する人の、1993~2006年の心不全による入院695万5,461件について、入院日数や院内・30日死亡率、30日再入院率などについて調べた。 その結果、心不全による平均入院期間は1993年の8.81(95%信頼区間:8.79~8.83)日から2006年の6.33(同:6.32~6.34)日へと減少していた。同期間の院内死亡率もまた、8.5(同:8.4~8.6)%から4.3(同:4.2~4.4)%へと減少した。 30日死亡率は、12.8(同:12.8~12.9)%から10.7(同:10.7~10.8)%へと、同じく減少していた。高齢者の心不全入院患者の自宅復帰・在宅ケア移行は減少、30日再入院リスクは1.11倍に 一方、高齢者の心不全入院患者が退院後に自宅復帰や在宅ケアへ移行した割合は、74.0%から66.9%に減少し、逆にスキルド・ナーシング施設への退院は、13.0%から19.9%へと増加がみられた。 また、30日再入院率は、17.2(同:17.1~17.3)%から20.1(同:20.0~20.2)%へと増加していた。 2005~2006年の1993~1994年に対する補正後30日死亡率リスク比は、0.92(同:0.91~0.93)、補正後30日再入院リスク比は、1.11(同:1.10~1.11)だった。

127.

中国で子どもの死亡率が大幅低減、MDG4の達成が明らかに

中国では近年、子どもの死亡率が大幅に低減し、主な死因は肺炎や早産合併症などであり、長期的には先天性異常や偶発事故、乳幼児突然死症候群(SIDS)の重要性が増大すると予測されることが、イギリスEdinburgh大学医学部公衆衛生学センターのIgor Rudan氏らWHO/UNICEFのChild Health Epidemiology Reference Group (CHERG)が実施した調査で明らかとなった。中国政府および国連の公式データによれば、中国では子どもの死亡数の低下が進み、ミレニアム開発目標4(MDG4、乳幼児死亡率の削減)を達成したとされる。しかし、以前に行われた子どもの世界疾病負担に関する調査では中国の情報が十分ではなかったためデータに大きな乖離があるという。Lancet誌2010年3月27日号掲載の報告。中国の一般公開情報を基にした系統的調査CHERGと北京大学の研究グループは、一般に公開された情報を用いて中国における新生児(生後1ヵ月未満)、乳児(1~11ヵ月)、小児(5歳未満)の主要な死亡原因について系統的な調査を行った。中国保健省統計局のウェブサイト、中国学術情報(Chinese National Knowledge Infrastructure; CNKI)データベース、中国保健統計年鑑(1990~2008年)のほか、5歳未満の子どもの死因について中国語で書かれた質の高い地域住民ベースの縦断的研究206論文からも情報を得た。地域、年齢、集団、主要な死因ごとに総死亡数を推算する統計モデルを開発した。子どもの死亡率が大幅に減少、主な死因は肺炎、出生時仮死、早産合併症1990~2008年の間に、生児出生1,000人当たりの死亡数は、新生児が34.0人から10.2人へと70%減少し、乳児は53.5人から14.9人へ72%低下、小児は64.6人から18.5人へ71%低下した。これは、MDG4のターゲット(2015年までに5歳児未満の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する)を満たすものである。2008年の主要な死因は肺炎、出生時仮死、早産合併症であり、それぞれ全死亡の15~17%を占めた。この期間中に死因として先天性異常(11%)および偶発事故(10%)の重要度が増大した。乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率は5%であった。著者は、「中国の一般に公開されたデータベースは疾病負担を予測する情報として重要である」とし、「傾向としては、早産合併症が中国の子どもの主な死因になると予測されるが、長期的には先天性異常や事故、SIDSによる死亡の重要性が高まると考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

128.

レボフロキサシン水和物注射剤を国内製造販売承認申請

第一三共株式会社は29日、レボフロキサシン水和物注射剤の国内製造販売承認申請を、10月28日に行ったことを発表した。レボフロキサシン水和物注射剤は、当社が創製したニューキノロン系注射用抗菌剤。これまでの臨床試験成績から、本注射剤は肺炎及び慢性呼吸器病変の二次感染に対して優れた臨床効果を示すことが確認されている。レボフロキサシン水和物の経口剤である「クラビット錠500mg・錠250mg・細粒10%」は、治療現場においてすでに広く認知されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.daiichisankyo.co.jp/news/yymmdd_nn.html?b_newsrelease_n1.detail[id]=1231.1&b_newsrelease_n1.year_selector[id]=1231.1&b_newsrelease_n1.category_selector[id]=1231.1

129.

社会的貧困と死亡率との関連は100年経っても変わっていない

英国ランカスター大学人文社会科学学部のIan N Gregory氏は、イギリスおよびウェールズの中で、社会的に貧困状態にある人々に焦点をあてた死亡率の、20世紀初頭と21世紀初頭における変化を調査した。イギリスおよびウェールズは、20世紀において死亡率パターンに劇的な改善が見られた。乳幼児死亡率が激減し、男女とも寿命は30歳以上延び、死因についてもかつては約2割を感染症や寄生虫症が占めていたが、現在は替わって、がん・虚血性心疾患・脳卒中が主因を占める。一方でこの1世紀の間に、貧困は一部地域(行政区)に住まう人々だけのものとなった。そうした人々に焦点をあてた死亡率の変化を見たような国家的研究はほとんどないという。BMJ誌2009年9月19日号(オンライン版2009年9月10日号)より。1世紀の間に、貧困が死亡率に与える影響は変化したのかを調査同様の研究として、ロンドンを対象とした1890年代と1990年代との死亡率を比較した調査があり、一部エリアの結果で貧困状態と死亡率との関連を示す報告があるという。今回のGregory氏の調査も、貧困状態と死亡率との地域的関連を調べることを目的に行われた。1世紀の間に、その関連の度合いが強まったのか弱まったのか、前世紀と現在の、死亡率と貧困状態とを行政区単位で、国勢調査のデータをもとに調べ検討した。貧困は、現代の死因にも主要な影響を与えている各地区の貧困度合いは、Carstairs scoresによって割り出された。1900年代と2001年の貧困指数と死亡率のデータが揃ったのは、614の行政区分だった。分析の結果、20世紀初頭と終わりでは、貧困状態と死亡率との関連の強さに有意な変化があったことが証明された。前世紀に貧困状態および死亡率が最も高かったのはロンドン中心部、南ウェールズなど工業都市だった。一方で、国全体としては豊かではなく貧困状態だったが、イギリス南東部を中心とする地方で死亡率が低い傾向が見て取れた。そして貧困状態と死亡率のパターンは、現代においても1世紀前のパターンと変わっていなかった。現代における社会的貧困要因で補正後も、死亡率と死亡要因との関連は1900年代の標準的な死亡率パターンと有意に変わらなかった。工業都市での死亡率は高く、一方で大きく変わっていたのは高い死亡率を有する農村部が見られるようになったこと、イギリス南東部地方に見られた死亡率が低い傾向は見られなくなっていた。Gregory氏は、「医療、公衆衛生、社会・経済・政治的な変化にもかかわらず、貧困状態と死亡率との関連は、世紀が変わっても根強く残ったままである。そして貧困がなお現代の死因の主要な要因を占めていることを示している」と結論している。

130.

抗がん剤レゴラフェニブ、腎細胞癌に対する第II相臨床試験で、患者の81%に有効

独バイエル・シエーリング・ファーマ社は29日、有望な経口マルチキキナーゼ阻害剤レゴラフェニブ(regorafenib、BAY73-4506)の第II相臨床試験結果を発表した。同社の日本法人であるバイエル薬品が報告した。試験結果によると、レゴラフェニブによる治療を受けた転移性腎細胞癌患者の31%で部分奏効(PR)、50%で病勢安定(SD)が示されたという。これらの試験結果は、第15回欧州癌学会(ECCO)・第34回欧州臨床腫瘍学会(ESMO)合同会議の口演発表で報告された。本試験の中間結果は、米フロリダ州オーランドで2009年の5月29日から6月2日まで開催された第45回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されていた。本試験の解析結果によると、参加した患者(48人)の81%において、病勢安定(SD)あるいは腫瘍の縮小がみられたという。具体的には、31%の患者さん(15人)においては、RECIST評価(the Response Evaluation Criteria in Solid Tumors:固形癌治療効果判定法)による部分奏効(PR)、50%の患者(24人)においては病勢安定(SD)がみられた。試験プロトコルで規定された試験終了時において、無増悪生存期間(PFS:progression-free survival)の中央値は、8.3ヵ月だった。試験結果の解析は、2009年5月31日に行われたが、あらかじめ試験プロトコルによって、解析のタイミングは、最後に登録された患者さんが少なくとも6ヵ月治療された時点と定められていた。解析時において、25人の患者が治療継続中であり、部分奏効(PR)が得られた患者の80%(15人中12人)において、効果が持続していた。解析時を過ぎてから、病勢安定(SD)と評価されていた患者のうち2人が、新たに部分奏効(PR)に移行し、合計35%(17人)の患者において、部分奏効(PR)が示されたとのこと。試験結果は引き続き、観察されるという。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-09-29.html

131.

1日1回投与のクラビット錠500mg/250mg・細粒10%新発売

第一三共株式会社は7日、日本国内において、1日1回投与の広範囲経口抗菌製剤「クラビット錠500mg/250mg・細粒10%」(一般名:レボフロキサシン水和物)を発売した。同剤は、4月22日に製造販売を取得し、6月19日薬価基準に収載されている。クラビット500mg 1日1回投与法は、PK-PD理論に基づき開発され、従来の100mg 1日3回投与法と比較して最高血中濃度を上げることにより、殺菌作用が増強されると共に耐性菌の出現を抑制することが期待できるという。同投与法は、すでに海外においては120以上の国または地域で承認されており、世界の標準的用法・用量になっている。従来の用量のクラビットは、1993年12月に発売され、これまでに各種感染症に対して43の適応症と32の適応菌種を取得している。詳細はプレスリリースへhttp://www.daiichisankyo.co.jp/news/yymmdd_nn.html?b_newsrelease_n1.detail[id]=1128.5&b_newsrelease_n1.year_selector[id]=1128.5&b_newsrelease_n1.category_selector[id]=1128.5

132.

「内科医のためのこころの診かた」 PIPC(Psychiatry in PrimaryCare) 東京セミナーのご案内

PIPC(Psychiatry in PrimaryCare)では、8月22、23日「ACP内科医のためのこころの診かた」刊行記念PIPC東京セミナー「ベーシック・コース」を開催します。 日時:2009年8月22日(土)・23日(日) 場所:ベルサール八重洲(東京駅八重洲北口徒歩3分)http://www.bellesalle.co.jp/bs_yaesu/index.htmlプログラム2009年8月22日(土) 18時00分~<前夜祭・プレセミナー>「プライマリケア医によるうつ病診療の実践(仮題)」三好町民病院第二内科部長・検診科部長 木村勝智先生「うつ病の現状と治療:プライマリケア医に期待されること(仮題)」藤田保健衛生大学精神医学・准教授 内藤 宏先生 20時00分~<懇親会&「「ACP内科医のためのこころの診かた」刊行祝賀パーティー>参加費7000円(要事前登録) 2009年8月23日(日)9時~16時<PIPC東京セミナー・「ベーシックコース」>ファシリテーター:井出広幸先生(信愛クリニック・院長)スーパーバイザー:内藤 宏先生(藤田保健衛生大学精神医学・准教授) 対象:心療に関心を持つ医師、医学生、その他の医療従事者参加費:3000円(昼食代を含む)定員:100名!(要事前登録) セミナー内容およびPIPC説明内科診療の中で精神科的・心療内科的・心理的な問題に直面したご経験は多いのではないでしょうか。内科医が内科医に内科診療の現場における精神科疾患の診かたを伝えるセミナーです。内科医が精神科医になるための訓練ではなく、自分の専門領域の中で精神科的対応を適切に行えるためのプログラムです。PIPCは、シュナイダーらによって米国内科学会(ACP)における教育プログラムとして開発されたものを、内科開業医である井出広幸氏が、日本の臨床医の実情を考慮してカスタマイズを行い、より実戦的な内容に進化させた、「内科医のための精神疾患の診かた」を修得するための学習体系です。PIPCベーシック・コースでは、一般の内科医/プライマリケア医/家庭医が心療(「こころを診る」こと)に取り組む際に感じる様々な障壁を乗り越えるための知識やスキルを提供いたします。内科医にとってなじみの薄い精神疾患群に関するエッセンスを、診断・治療のための診療ツールとしてまとめた「MAPSO」問診システムを使いこなせるように練習し、患者さんの話をコントロールする方法、自殺のブロック法、うつや不安の薬物治療の基本などを身につけます。 《関連URL》PIPC東京セミナー案内 http://pipc-jp.com/category/1290457.htmlPIPCホームページ http://pipc-jp.com/

133.

【医学生の会】勉強会:医療政策における専門知と公共性

「医師のキャリアパスを考える医学生の会」が、6月26日(金)18時半から東京大学にて、シンクタンク構想日本の田口空一郎先生をお呼びして、「医療政策における専門知と公共性」について勉強会を開催致します。 【日時】6月26日(金)18:30-20:30 【場所】東京大学 鉄門講堂(医学部教育研究棟14階)http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html 【テーマ】医療政策における専門知と公共性1. 医療政策における専門知と公共性―技官制度の現状と課題―(1時間程度)2. 田口先生への質問タイム(1時間程度) 【講師】田口空一郎先生(構想日本政策スタッフ・東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻) 【参加費用】無料 *勉強会後、実費で懇親会あり【申し込み】以下申し込みフォームより *参加は医学生のみとなりますhttp://spreadsheets.google.com/viewform?formkey=cklCb2dWUGRMVjV6bnJ5VERvMlBzdXc6MA医療崩壊が叫ばれる今日、医療制度の欠陥・問題点が指摘されるようになり医療政策分野への注目度が高まっています。実際、「制度」と「現実」との乖離が問題になることがしばしばであり、医療現場の実情にそぐわない政策立案が行われることも少なくありません。そこで、今回はシンクタンク構想日本より田口空一郎先生をお呼びしてお話をうかがいます。田口先生は「現場知のネットワーク」を非常に重視なさっており、最近では千葉県の地域医療の危機を打開するため、千葉県がんセンター前センター長の竜崇正先生らと医療構想・千葉というシンクタンクの立ち上げに関わり、地域医療の現状に即した医療政策立案をめざしています。田口先生自身は議員秘書などを経て現在はシンクタンクでの政策調査・提言の傍ら、東京大学大学院で医療政策の研究をなさっています。今回は特に、医療政策に専門知を反映する仕組みであるはずの医系技官制度の現状と課題を分析する中で、高度・細分化する医療における「専門知」と「公共性」の関係や展望についてお話しいただきます。医療をめぐる大きな動きを、一緒に体感してみませんか?皆さん奮ってご参加ください。 構想日本HPhttp://www.kosonippon.org/ 同 医療プロジェクトHPhttp://www.kosonippon.org/project/list.php?m_category_cd=26 同 政治家アンケート「医療崩壊」http://db.kosonippon.org/question/data.php?id=35#cts 医療構想・千葉HPhttp://iryokoso-chiba.org/  著者ご略歴 田口 空一郎(たぐち くういちろう)構想日本政策スタッフ・東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 1977 年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻修士課程修了。国会議員公設秘書・政策スタッフ、東京大学大学院医学系研究科医療倫理学講座客員研究員を経て、現職。担当は、医療政策を中心とする社会保障。立法府での経験を基に、医療制度全般への政策提言から、立法過程における合意形成の研究など、現場と政策、アカデミズムと制度を繋ぐ政策提言を行う。専門は政治哲学、公共政策論。共訳書に『健康格差と正義』(勁草書房) ●医学生の会ホームページhttp://students.umin.jp/

134.

社会的地位や健康の「格差」を是正したいのなら禁煙を

NHSスコットランドのLaurence Gruer氏らが、男性・女性それぞれの社会的地位と喫煙率が生存率にどのような影響をもたらすのか、イギリス・スコットランド地方で行った長期間にわたるコホート観察研究の結果が、BMJ誌2009年3月14日号(オンライン版2009年2月17日号)にて発表されている。編者によれば、これまでイギリスでは、1930年以前生まれの高齢のイギリス人男性医師に関する調査で、喫煙習慣がある人の生存率が大幅に低かったことや、また社会的地位が低い人々の間で、喫煙率の高さが健康格差の重大な一因であり、社会的地位と結びついていることなどが明らかにされていた。喫煙群・非喫煙群を28年間追跡観察本研究は、スコットランド中西部の2つの町、レンフルーとペイズリーで行われた。参加者は1972~1976年にかけて募集された45~64歳の女性8,353人と男性7,049人で、この年齢層の集団のほぼ80%をカバー。参加者は、性(男、女)、喫煙状態(喫煙中、過去に喫煙、非喫煙)、社会的地位(職業分類に基づき「クラスI+II」「クラスIII」のノンマニュアル層、「クラスIII」のマニュアル層、「クラスIV+V」)もしくは居住地カテゴリー(deprivation category)によって24集団に分けられた。主要評価項目は、年齢と他のリスクファクターで補正した各群の相対死亡率とし、 28年時点のカプラン・マイアー生存曲線と生存率で表した。社会的地位よりも喫煙の有無が生存率に影響28年間の死亡は、女性では7,988人中4,387人、男性は6,967人中4,891人だった。死亡率が最も低い「クラスI+IIの非喫煙女性群」と比較して、「喫煙群」の補正後相対死亡率は1.7(95%信頼区間:1.3~2.3)から4.2(3.3~5.5)までにわたった。「過去に喫煙群」の死亡率は、「非喫煙者群」よりも「喫煙者群」の死亡率と近似だった。28年時点の年齢補正後生存率を、社会的地位が高い順に見ると、女性非喫煙者では65%、57%、53%、56%、女性喫煙者では41%、42%、33%、35%、男性非喫煙者では53%、47%、38%、36%、男性喫煙者では24%、24%、19%、18%だった。居住地カテゴリーによる解析からも同様の結果が得られたという。これらから研究グループは、男女の性差や社会的地位にかかわらず、非喫煙者は喫煙者よりはるかに高い生存率を維持しているとともに、喫煙はそれ自体が社会的地位よりも大きな健康格差の原因であり、男性に対する女性の生存率の優位性をさえ無効にすると述べている。さらに、社会的地位の低い多くの喫煙者は、禁煙しない限り、地位・健康格差を是正する余地はないと結論づけている。

135.

慢性胃食道逆流症、腹腔鏡下フンドプリケーションで有意に改善

長期間の薬物療法を必要とする慢性胃食道逆流症(GORD)患者に対し、手術療法、特に腹腔鏡下フンドプリケーションを早期に行うことでQOLが有意に改善することが、英国で行われた他施設共同無作為化試験REFLUXの結果として報告された。アバディーン大学保健サービス部門のAdrian M Grant氏らによる同報告は2009年1月10日号(オンライン版2008年12月15日号)に掲載された。英国内21病院800例が参加REFLUX試験には英国内21病院から、無作為化試験に参加した357例(手術群178例、薬物療法群179例)と、選択的に療法を選んだ453例(手術群261例、薬物療法群192例)の計800例が参加し行われた(平均年齢46歳、男性66%)。参加者はいずれも12ヵ月超にわたってGORD症状があることが診断されていた。また無作為化試験の参加者は中央値32ヵ月間の薬物療法を受けていた。手術療法に関しては、腹腔鏡下のフンドプリケーションのタイプを含め各外科医の裁量に委ねられた。無作為化手術群では111例(62%)が、完全もしくは部分的なフンドプリケーションを受けた。薬物療法に割り当てられた患者は処置について概説を受けたのち、地元の胃腸病専門医によって必要に応じた調整がなされ、臨床管理はケアに対して責任がある臨床家の裁量のもと行われた。主要評価項目は疾患特異的なREFLUX-QOLスコア。その他、SF-36、EQ-5Dの各スコアを介入後3ヵ月、12ヵ月時点で測定し両群の評価を行った。手術群の健康状態が有意に改善REFLUX-QOLスコアの基線値は、無作為化手術群63.6(SD 24.1)、無作為化薬物療法群66.8(SD 24.5)。12ヵ月時点で逆流症の治療を受けていたのは、無作為化手術群は38%(59/154)、フンドプリケーション群に限って見てみると14%(14/104)だった。一方、無作為化薬物療法群は90%(147/164)が治療を受けていた。REFLUX-QOLスコアによる評価の結果、無作為化手術群の効果の程度が大きいこと、効果の程度は基線値でのスコアが低いほど大きいことが確認された。同様に、SF-36、EQ-5D評価でも、無作為化手術群の効果の程度が大きいことが確認された。基線スコアが最も悪かったのは選択的手術群55.8(SD 23.2)だった。選択的薬物療法群は77.5(SD 19.7)。しかし12ヵ月時点では、選択的な薬物療法群より良好になっていた(83.3 vs. 79.2)。手術群における外科合併症の頻度は稀で(発症0.6%、死亡0)あり、Grant氏は「手術後12ヵ月で、腹腔鏡検査下フンドプリケーションを受けたGORD患者の健康状態は有意に改善されていた」と結論している。

136.

小児の外傷性脳損傷後の低体温療法は死亡率上昇の危険性

低体温療法は外傷性脳損傷後の生存率と神経病学的転帰を改善することが、動物モデルでは知られているが、人間の子どもでは?これまで効果が明らかにされていなかった、重篤な外傷性脳損傷を受けた小児に対する低体温治療の、神経病学的転帰と死亡率についてカナダ・トロント小児病院のJames S. Hutchison氏らが調査を実施。「かえって死亡率を上昇させる危険性がある」と警告する報告を寄せた。NEJM誌2008年6月5日号より。小児225例を32.5℃ 24時間と37.0℃の群に割り付け本研究に参加したのは小児外傷性脳損傷低体温療法の研究者およびカナダ救命救急治験グループのメンバー。カナダ、アメリカ、イギリスの17医療センターによる多施設共同国際試験で、重篤な外傷性脳損傷を受けた小児225例を、受傷後8時間以内に低体温療法(32.5℃で24時間)を始める群と、正常体温(37.0℃)で治療する群に無作為に割り付け試験された。主要転帰は、Pediatric Cerebral Performance Category score(小児脳機能分類スコア)に基づき6ヵ月時点で評価した転帰不良(重度障害、遷延性植物状態、死亡)の小児の割合。死亡、低血圧、投薬とも低体温群が上回る平均到達体温は、低体温治療群33.1±1.2℃ 、正常体温治療群36.9±0.5℃ だった。6ヵ月時点で転帰不良と評価されたのは、低体温治療群31%に対して正常体温治療群22%だった(相対リスク:1.41、 相対リスク:0.89~2.22、 P=0.14)。このうち死亡は低体温治療群23例(21%)に対して正常体温治療群14例(12%)(相対リスク:1.40、相対リスク:0.90~2.27、P=0.06)。低体温治療群は復温期間中に正常体温治療群より低血圧症が多発し(P=0.047)、血管作用薬の投与も多く必要とした(P

137.

妊娠中期に子宮頸管の長い初産女性は帝王切開のリスクが高い

正期産となるかは妊娠初期の子宮の膨張に依存されることは、生理学および生化学の研究によって示唆されている。また妊娠中期の子宮頸管の短縮が自然早産のリスク増加に関係していることも知られている。英国ケンブリッジ大学産科・婦人科のGordon C.S. Smith氏らは、逆に妊娠中期に子宮頸管が長いままだと、正期産で帝王切開分娩になるリスクの増大につながるのではないかと仮説を立てた。NEJM誌2008年3月27日号より。妊娠23週で子宮頸管長16mm以上の初産女性27,472例を対象研究対象は、妊娠期間の中央値23週の時点における子宮頸管長が16mm以上だった、正期産の初産女性27,472例。正期産での帝王切開リスクは最長群が最短群の1.8倍正期産で帝王切開分娩だった割合は、妊娠中期の子宮頸管長が最低四分位群の「16~30mm」で最も低く16.0%、次いで「31~35mm」18.4%、「36~39mm」21.7%、「40~67mm」25.7%と長くなるにつれて有意に高まった(傾向P

138.

輸血赤血球が「古い」と心臓手術後の合併症・死亡率は有意に増大する

保存赤血球は時間とともに構造および機能が変化する。クリーブランド・クリニック(アメリカ)心臓麻酔部門のColleen Gorman Koch氏らは、心臓手術時に輸血された保存赤血球が古い(2週間超)と、術後の深刻な合併症および死亡率を増大させるとの仮説を立て検証を行った。NEJM誌2008年3月20日号より。保存期間14日以下輸血患者2,872例と14日超3,130例を検証Koch氏らは、1998年6月30日~2006年1月30日の間に、冠状動脈バイパス移植、心臓弁手術あるいは両手術の際に、赤血球輸血を受けた患者のデータを調査した。対象となったのは、保存期間14日以下(中央値11日)の「より新しい血液」8,802Uを受けた患者計2,872例と、14日超(中央値20日)の「より古い血液」10,782Uを受けた患者計3,130例。「古い」ほうが術後合併症のリスク増大、生存率低下と有意に関連結果、「より古い血液」を与えられた患者のほうが、合併症および死亡率は高率で、Koch氏らは「保存期間2週間超の赤血球輸血は、術後合併症のリスク増大、生存率低下と有意な関連がみられた」とまとめている。院内死亡率は2.8%(より新しい血液:1.7%、P=0.004)、72時間超の挿管9.7%(同5.6%、P

検索結果 合計:138件 表示位置:121 - 138