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【医師限定記事】医師が最もよく飲んでいる花粉症の薬とは?

医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」で行ったアンケート「医師だってつらい花粉症!先生ご自身が飲む薬は何?」の結果によると、花粉症で飲む薬に対する意見は分かれた。アンケートは2009/03/13から2009/04/13まで行われ、480名の医師が参加した。それによると、「アレグラ」23%、「クラリチン」16%、「ジルテック」11%などの順となったが、意見はかなり分かれている。コメントでも点鼻ステロイドが良い、漢方などの意見が寄せられている。 ●「医師だってつらい花粉症!先生ご自身が飲む薬は何?」の詳細結果はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=17

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冠動脈多枝病変に対するCABGとPCI、長期効果はどちらが優れる?

冠動脈多枝病変に対する冠動脈バイパス移植術(CABG)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の長期予後は同等であり、いずれを選択するかは他の予後因子に関する患者の好みを考慮して決めるべきであることが、無作為化試験の共同解析の結果から明らかとなった。冠動脈多枝病変の治療選択肢としてのCABGとPCIについては、これまで手技に関する無作為化試験は実施されてきたが、代表的なサブグループの死亡率に及ぼす治療法別の長期的な効果は明確にされていなかったという。アメリカStanford大学医学部のMark A Hlatky氏が、Lancet誌2009年4月4日号(オンライン版2009年3月20日号)で報告した。10の無作為化試験のプール解析研究グループは、治療が死亡率に及ぼす効果が患者背景によって変化するか否かを検討するために、無作為化試験のデータに関する共同解析を行った。ベースライン時の患者背景に基づいてCABGとPCIの効果を比較した10の無作為化試験のデータについてプール解析を実施した。層別化に基づく変量効果Cox比例ハザードモデルを用いて、無作為に割り付けられた治療法の全死亡に及ぼす影響を評価し、その臨床的な患者背景との相互関連について検討した。6年後の死亡率は、CABG群15%、PCI群16%と同等10試験に登録された7,812例のデータが解析の対象となった。PCIは、6試験ではバルーン血管形成術が、4試験ではベアメタルステント留置術が施行されていた。フォローアップ期間中央値5.9年の時点で、CABG群の3,889例中575例(15%)が死亡したのに対し、PCI群の死亡例は3,923例中628例(16%)であり、両群間に有意な差は認めなかった(ハザード比:0.91、p=0.12)。糖尿病患者(CABG群:615例、PCI群:618例)の死亡率はPCI群よりもCABG群で実質的に低かった(12.3% vs. 20.0%)が、非糖尿病患者では両群間に差はなく(7.6% vs. 8.1%)、糖尿病の有無別には有意な差が見られた(p=0.014)。年齢別の解析では、治療法によって死亡率に変化が見られ、55歳未満ではCABG群5.5%、PCI群5.0%(ハザード比:1.25)、55~64歳ではそれぞれ8.0%、9.4%(同:0.90)、65歳以上では11.0%、14.7%(同:0.82)であり、年齢層間に有意差を認めた(p=0.002)。罹患血管数や他の患者背景による違いは確認されなかった。著者は、「冠動脈多枝病変患者では、CABGあるいはPCI施行後の長期的な死亡率は同等であり、それゆえ治療法の選択の際は他の予後因子に関する患者の好みを考慮して決定すべきである」と結論し、「糖尿病患者と65歳以上の患者では、CABGで死亡率が低かったことから、より優れた治療選択肢となる可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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資源に乏しい発展途上国での子宮頸がん検診は、HPV検査が有効

日本では今年から、子宮頸がんへの関心を高めようと4月9日を「子宮の日」と称し、子宮の健康を考える日とされた(命名はNPO法人子宮頸がんを考える市民の会:理事長・笹川寿之 金沢大学医学部助教授)。さて本論だが、子宮頸がん検診の普及を推進するWHOの付属機関、国際がん研究機関(IARC;International Agency for Research on Cancer、フランス・リヨン)のRengaswamy Sankaranarayanan氏らが、「検診が普及していない発展途上国」で、3つの検診法(細胞診、HPV検査、VIA検査)のいずれが有用かを、標準的ケア群(対照群)と比較検証した試験結果。「資源に乏しい発展途上国で1回検診を行うとすれば、HPV検査が有効」とする報告を寄せている。NEJM誌2009年4月2日号掲載より。30~59歳の健康な女性13万1,746例を4群に無作為割り付けし8年間追跡過去30年において、発展途上国での子宮頸がんの発生率は減っていないが、対照的に先進国では、細胞診の大規模検診の普及とともに死亡率が大きく低下した。しかし発展途上国での細胞診普及には限界があり、HPV検査、VIA検査実施への期待が高い。Sankaranarayanan氏らはインド中西部、マハラシュトラ州の南部にあるウスマーナーバードで1999年10月に、3つの検査と検査未実施群の4集団を比較検討するクラスター無作為化比較試験を開始。本論では追跡期間8年間の結果を報告している。試験は、52村(30~59歳の健康な女性13万1,746例を含む)を無作為に13村ずつ4群に分け、3つの検査群と対照群に無作為に割り付け行われた。対照群と比べHPV検査群が、最も早期発見に優れ、がん死亡半減対照群との比較で、子宮頸がんのうちステージ2以上の進行がん発生数および死亡発生数について有意差(減少)が見られたのは、HPV検査群(34,126例)だけで、細胞診群(32,058例)とVIA群(34,074例)で有意な減少は見られなかった。HPV検査群の子宮頸がん例は127例に対し、対照群は118例。このうちステージ2以上の進行がんについてはそれぞれ39例と82例で、HPV検査群の進行がん発見のハザード比は0.47(95%信頼区間:0.32~0.69)だった。細胞診群は同0.75、VIA群は同1.04にとどまった。また、がんによる死亡については、HPV検査群34例に対し、対照群は64例で、ハザード比は0.52(0.33~0.83)。細胞診群は同0.89、VIA群は同0.86だった。(武藤まき:医療ライター)

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ホームレスへの住居提供で、医療費など公的サービス費用が半減

 慢性的ホームレスの人(Chronically Homeless Persons)は、様々な問題を抱えており、医療サービス提供や刑務所への収容といったことに、多くの公的費用が費やされている。しかし、ホームレスに無料で住居を提供することで、そうした費用をおよそ半分に減らすことができるとする、研究結果が報告された。ワシントン大学のMary E. Larimer氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2009年4月1日号で発表した。入居前ホームレスの公的サービス費用は月額1人4,066ドル同氏らは、ワシントン州シアトルで2005年11月から2007年3月の間、慢性的ホームレスで住居を提供された95人と、住居の空きを待つ待機者39人について、調査を行った。いずれのグループに対しても、アルコール摂取を許可した。住居群の、試験開始前の公的コストについて見てみると、刑務所等収容施設の費用、病院の医療費、救急医療費、アルコールや薬物解毒の治療などにかかった費用は、年間総額817万5,922ドルだった。1人当たりの月額中央値は、4,066(四分位範囲:2,067~8,264)ドルだった。住居提供6ヵ月で公的サービス費用は53%減少住居を提供されてから6ヵ月後、住居群に支払われた同コストは、月額中央値1,492(337~5,709)ドルに減少。さらに12ヵ月後には月額中央値958(98~3,200)ドルに減少した。一般化推定方程式ポアソン回帰モデルで分析し、傾向スコア補正を行った結果、住居群は待機群に比べ、入居後6ヵ月で同コストが53%減少していた(率比:0.47、95%信頼区間:0.25~0.88)。住居提供に要した費用である月額1人1,120ドルを差し引くと、住居群は待機群に比べ、月額1人平均2,449ドルの公的費用削減につながった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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かかりつけ医に、うつ病重症度判定の報酬インセンティブを導入したが……:イギリス

イギリスでは2006年4月以降、NHS(国民健康保険制度)のQOF(quality and outcomes framework)契約を結ぶかかりつけ医に対し、初診時全患者について、公認された3つの評価表(PHQ-9、HADS、BDI-II)のいずれかを用いて、うつ病重症度評価を行う報酬インセンティブを導入している。目的は、中等度~重度うつ病患者の過少治療(特に抗うつ薬投与)を改善することにある。サウサンプトン大学プライマリ・ケア部門のTony Kendrick氏らは、制度導入後のかかりつけ医の抗うつ薬の処方率と精神科専門医等への紹介率をカルテデータから調べ、狙い通り改善が図られているのか調査を行った。BMJ誌2009年3月28日号(オンライン版2009年3月19日号)掲載より。検査実施率は着実に増えている一方、評価ツールの精度、有用性に疑問の声原則として評価表でスコアが高かった患者は、必要な介入がより大きいことを示す。しかしQOFガイダンスでも、治療評価はスコアだけをあてにするのではなく、身体的障害やうつ病既往歴、患者の希望を考慮するよう推奨している。また評価表は、それぞれ開発・設計目的が少しずつ異なっており、うつ病重症度の「ゴールドスタンダード」はない。HADS(hospital anxiety and depression scale)はうつ病患者を同定する検査ツールであり、BDI-II(Beck depression inventory第2版)はうつ病重症度を測定する診断ツール、そしてPHQ-9は検査と診断の両評価を兼ね備えたものとして開発された。そのためNHSによれば、公認評価表の診断時活用は、2006~2007年の平均81%から、2007~2008年は平均91%にアップしたと報告されているが、一方でかかりつけ医がスコア結果を無視している実態がありツールの精度や有用性について議論が続いているという。高齢患者、共存症患者への治療率が低いそうした背景の中でKendrick氏らは、サウサンプトン、リバプール、ノーフォークの3地域からかかりつけ医38人の協力を得て、2006年4月から2007年3月の間に、うつ病評価を行った患者2,294例のカルテデータを解析した。結果、使用された評価表の内訳は、PHQ-9が1,658例、HADSが584例、BDI-IIが52例。広く使われていたPHQ-9とHADS患者群(2,242例)で、抗うつ薬処方率は79.1%、専門医等の紹介率は22.8%。処方率および紹介率は、より高度な重症度スコアと有意に相関していた。ただし評価表別に見ると、PHQ-9群では83.5%の患者が中等度~重度患者と分類されている一方、HADSでの同分類患者分類の割合は55.6%という違いが見られた。また、QOFで特に重視すべきスクリーニング対象としている高齢患者(65歳以上)、あるいは共存症(虚血性心疾患、糖尿病など)を有する患者について、治療に結びついている割合が、それぞれの対照群と比べると低いことが明らかになった。Kendrick氏は、「かかりつけ医は、評価表スコアだけに頼らずうつ病治療の評価を行っており、スコア結果と実際の治療とは相反している実態が明らかになった。今回の結果は、治療を行うことが妥当である、臨床的な判断とも一致する、とかかりつけ医が患者分類の手段として容認できるよう、推奨スコアの変更を行う必要があることを示唆するものである」と結論している。

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【医師限定記事】4割の医師が臨床研修制度の見直しに反対!

医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」にて行ったアンケート「臨床研修制度の見直しは医療崩壊を救えるか?」の結果によると、約4割の医師が今回の臨床研修制度の見直しに反対していることがわかった。投票は2009/03/05から2009/04/05まで行われ、846名の医師の方が回答。その結果、「賛成」14%、「一部賛成」35%、「反対」43%、「わからない・その他」8%だった。医療崩壊は解決しない、研修の本来の意味から逆行する、あるいは医局の復権を期待する、など、様々なコメントをいただいている。また、同時期に開催したアンケート「医師偏在を解決するには医師を計画的に配置すべきか?」では、45%の医師が反対という結果が出ている。「賛成」が17%、「条件付き賛成」35%だが、ここでも医療崩壊の解決策につながらないとのコメントが寄せられている。詳細は下記の結果画面をご覧いただきたいと思います。 ●「臨床研修制度の見直しは医療崩壊を救えるか?」結果画面はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=8 ●「医師偏在を解決するには医師を計画的に配置すべきか?」結果画面はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=15

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【医師限定記事】6割の医師が「医師は禁煙すべき」と回答!

医師限定コミュニティ「Dr'sVoice」にて行ったアンケート「医師は禁煙すべき!それとも個人の自由?」の結果によると、6割の医師が「医師は禁煙すべき」と回答していた。アンケートは2009/03/05から2009/04/05の間に実施、605名の医師の方から回答をいただいた。その結果、「医師は禁煙すべき」64%、「医師の喫煙も個人の自由」34%、「わからない・その他」2%となった。医師の喫煙に対しては厳しいコメントが多数あり、個人の自由という声でも患者の前では吸ってはならないなど、医師間でも禁煙意識が高い結果となっている。詳細は結果画面をご覧ください。 ●「医師は禁煙すべき!それとも個人の自由?」結果画面はこちらhttp://www.carenet.com/click/voice/result.php?eid=11

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マンモグラフィを搭載したバスで乳がん無料検診

ノバルティス ファーマ株式会社は7日、同社が特別協賛する「ノバルティス マンモグラフィ体験キャラバン(http://www.novartis.co.jp/campaign/mammography/index.html)」による乳がんの無料マンモグラフィ検診を、今年も4月からスタートすると発表した。マンモグラフィ体験キャラバンは、NPO法人乳房健康研究会が主催するマンモグラフィによる乳がん検診で、乳がんに関する一般の理解を深め、定期検診や早期発見の重要性を認識してもらうことを目的に、2006年から実施されている。2006年には6地区計686名、2007年には7地区793名、2008年には7地区381名と、3年間で約1,900名の方に無料でマンモグラフィ体験を提供してきた。4年目となる今年は、4月から10月にかけてマンモグラフィを搭載したバスが全国9ヵ所を巡回する予定。体験キャラバンでは、マンモグラフィの無料体験のほか、乳がんやマンモグラフィに関するパンフレット配布やアンケート調査、パネル展示、ミニクイズ大会などにより、多くの人に乳がんの定期検診・早期発見の重要性を呼びかける。体験の申し込みは当日、イベントコーナーにて受付。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090407.html

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PSA検診で前立腺癌死亡率を2割減少:ヨーロッパでの無作為化試験の結果

前立腺癌のPSA検診を行うことで、前立腺癌による死亡率を約2割引き下げることができるとする研究結果が出た。これは、ヨーロッパ7ヵ国の18万2,000人を対象に行った、前向き無作為化試験の結果で、オランダErasmus Medical CenterのFritz H. Schroder氏らが、NEJM誌2009年3月26日号(オンライン版2009年3月18日号)で発表した。 PSAは前立腺癌の腫瘍マーカーだが、PSAスクリーニング検査の有効性については、議論が分かれている。同一号のNEJM誌では、米国の研究グループが同試験結果と相反する結果を報告しており、有効性をめぐる議論の決着には、まだ時間がかかるようだ。18万2,000人を中央値9年追跡同研究グループは、ヨーロッパ7ヵ国に住む50~74歳の男性を、無作為に2群に分け、一方にはPSA検診を平均4年に1回の割合で行った。もう一方の対照群には、同検診を行わなかった。事前に設定した中核年齢層である55~69歳の被験者は、16万2,243人だった。主要アウトカムは、前立腺癌による死亡率。追跡期間の中央値は9年だった。前立腺癌による死亡率はPSA検診群で2割減SA群のうちPSA検診を最低1回受診したのは、82%だった。追跡期間中の前立腺癌の累積罹患率は、PSA群が8.2%、対照群が4.8%だった。PSA群の対照群に対する前立腺癌死亡率比は、0.80(95%信頼区間:0.65~0.98、補正後p=0.04)だった。死亡件数の、両群の絶対リスクの差は、0.71例/千人だった。前立腺癌を1人予防するには、スクリーニング1,410人は行う必要があること、また前立腺癌の治療は48人を要するという計算だった。なお、PSA群のうちPSA検診を受けなかった人を除き対照群と比較したところ、前立腺癌死亡率比は、0.73(95%信頼区間:0.56~0.90)とさらに低下した。同研究グループは、PSA検診は前立腺癌の死亡率を20%低下するが、過剰診断のリスクが高いと結論づけている。(當麻 あづさ:医療ジャーナリスト)

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ヒト用パンデミックインフルエンザワクチンEmerflu、オーストラリアで承認を取得

サノフィ・アベンティス株式会社は31日、仏サノフィパスツール社が、ヒト用パンデミックインフルエンザワクチンであるEmerfluがオーストラリア治療製品局(TGA:Therapeutic Goods Administration)から販売承認を取得したことを発表しました。Emerfluワクチンは、パンデミックが公式に宣言された場合のオーストラリアにおけるパンデミックインフルエンザワクチンとして承認された。Emerfluは、同定されたパンデミック株から製造され、オーストラリア政府による行動計画のもと、オーストラリアで接種される。オーストラリアにおけるEmerfluの承認は2004 年後半に開始された、アルムアジュバントを含有する、不活化H5N1 パンデミックインフルエンザワクチン候補の臨床試験結果に基づき、2009年2月13日、オーストラリア医薬品評価委員会(ADEC:Australian Drug Evaluation Committee)による肯定的な勧告を受けて決定された。これらの試験では、現在世界各国の保健当局と専門家が次のパンデミックの原因になりうると同定しているH5N1ウイルス株に対するEmerfluの安全性と防御免疫応答について評価が行われたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/8E70BBBE-FD94-4CA7-8E20-293E401C087C.pdf

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慢性疼痛、うつ症状はプライマリ・ケアで改善できる

プライマリ・ケアでよく見られる慢性疼痛について、コラボレートケア介入(プライマリ・ケアベースでサイコロジスト・ケアマネジャーと内科医が疼痛治療補助の介入を行う)で、統計的に有意な改善が見られことが報告された。ポートランド退役軍人病院(アメリカ)のSteven K. Dobscha氏らによる、同院関連の5つのプライマリ・ケア診療所で行った集団無作為化試験SEACAP(Study of the Effectiveness of a Collaborative Approach to Pain)の結果で、JAMA誌2009年3月25日号で掲載されている。慢性疼痛患者401例、通例治療群とコラボレートケア群に無作為化され12ヵ月間追跡Dobscha氏らは、プライマリ・ケアでよく見られる慢性疼痛は、大半は身体的・精神的障害、苦悩、あるいは共存症のうつ病と関連し、医療コストの増大とも関連しているとして、一部試験評価で改善が実証されていたコラボレートケアが、共存症のうつ病を含む予後改善に寄与するかどうかを検討した。試験には、かかりつけ医42人が協力。12週間以上、中等度以上の痛みがあり、筋骨格痛と診断された退役軍人患者401例が登録され、通例治療群(専門ペインクリニックに患者を紹介)とコラボレートケア群に無作為に割り付けられた。登録は2006年1月から2007年1月まで。追跡調査は2008年1月に終了した。疼痛治療補助には、かかりつけ医向け教育プログラム(2セッション)をはじめ、患者評価、ワークショップへの参加誘導、症状モニタリング、かかりつけ医へのフィードバックと勧告、必要に応じた専門治療受療の勧告が含まれた。患者は試験登録するとまず電話連絡を受け、書面評価票が郵送され、ケアマネジャーによる評価訪問を受けた。患者評価はクリニックにて、あるいは電話やテレビ電話会議で行われた。介入期間は12ヵ月間。2ヵ月ごとにケアマネジャーが電話で患者にコンタクトをとりモニタリングと評価が行われた。通例治療群より、疼痛による障害、疼痛強度は大きく改善、うつも改善コラボレートケア群に割り付けられた患者は、平均10.6回(SD 4.5)、チームからのコンタクトを受けた。通例治療群と比較して、12ヵ月間でより大きな改善が見られたのは、疼痛による障害[ローランド・モーリス障害質問票(RMDQ)のポイント/月の変化:-0.101、P=0.004]、疼痛強度(同CPG疼痛強度サブスケール:-0.270、P=0.01)だった。 また基線で、うつ病があった患者[PHQ-9スコア(範囲:0~27)が10]にも、より大きな改善が見られた(同:-0.177、P=0.003)。コラボレートケア群と通例治療群の、基線と12ヵ月時点でのスコアの違いは、RMDQは-1.4対-0.2、CPG疼痛強度サブスケールは-4.7対-0.6、PHQ-9は-3.7対-1.2だった。これらから、「介入効果はわずかではあるが、種々の予後評価で統計的に有意な改善をもたらしたことが確認された」と結論し、プライマリ・ケアベースでの介入で、慢性疼痛およびうつ症状は改善できるとまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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急性胸痛を訴え救急外来を受診した患者へのアドバイス

急性胸痛を訴え救急外来を受診する患者の大半は、即時診断は困難で、さらなる診断評価を必要とする。通常はそのことを患者に口頭で伝えるだけだが、診断に対する不安を患者に与えることになったり、急性胸痛を繰り返すことになるなどQOLに重大な影響をもたらし、うまく伝えることが求められている。Northern General HospitalのJane Arnold氏らは、年間70万人(イングランドとウェールズで)に上る急性胸痛患者への有用な情報伝達方法として、循環器外来患者のコミュニケーションツールとして開発されたインフォメーションシートをアレンジ。患者の不安解消および健康QOL、治療満足度、二次的症状の改善に役立つか試験した。BMJ誌2009年3月21日号(オンライン版2009年2月26日号)より。診断評価の伝達を、口頭のみ群、+インフォメーションシート提示群とで比較試験は1施設のER胸痛ユニットで、非盲検無作為化試験で行われた。急性胸痛を訴え受診するも初発症状での診断がつかなかった患者を、診断評価後に、一般的な口頭でのアドバイスだけを与えるグループと、口頭でのアドバイスに加えインフォメーションシートを提示するグループに、無作為に割り付けた。主要転帰は、不安症(14の質問項目で評価するhospital anxiety and depression scale)。副次転帰は、うつ病(hospital anxiety and depression scaleで評価)、健康QOL(SF-36でセルフ評価)、患者満足度、1ヵ月以内の再度の急性胸痛の有無、ライフスタイルの変化(禁煙、食事、運動)、さらに他のソースから情報を得ようとしたり、疼痛へ備えた健康管理行動とした。インフォメーションシート提示はうつや不安予防に有効患者700例のうち試験に応じたのは494例(70.6%)だった。結果は、アドバイスが口頭のみだったグループに比べ、インフォメーションシートも受け取ったグループのほうが、主要転帰の不安症、副次転帰のうつ病の評価指標平均値(hospital anxiety and depression scale)が、より低く、シート提示が不安症やうつを減らすことが確認された。不安症のスコアは、7.61対8.63、群間差は1.02(95%信頼区間:0.20~1.84)。うつ病スコアは、4.14対5.28、群間差は1.14(0.41~1.86)。SF-36評価による精神面および健康状態についても、+インフォメーションシート群のほうが高く、健康QOLの面に有用なことが認められた。一方で、患者満足度、二次的症状、ライフスタイルの変化、さらなる情報探求行動や疼痛へ備えた健康管理行動に有意な変化は見られなかった。それでもArnold氏は、患者にインフォメーションシートを提供することの潜在的な有用性を強調し、さらなる改良開発が必要であるとまとめている。

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間欠性跛行患者へのナフチドロフリルの臨床的有用性確認

間欠性跛行に対する経口ナフチドロフリルの有効性について、Ghent大学(ベルギー)Heymans薬理学研究所のT De Backer氏らが、個々の患者データに基づくメタ解析を実施。プラセボとの比較で臨床的な有用性が確認されたと、BMJ誌2009年3月21日号(オンライン版2009年3月10日号)で発表した。血管作用薬の治療薬として提案されて30年以上になるが、強力な有効性データが不足しており、使用については議論が続いている。ナフチドロフリルは1968年に発売され、European and transatlanticガイドラインでも有効性が言及されているが、メタ解析による有効性の提示が行われていない。唯一行われたシステマティックレビューによるメタ解析は、取り上げた試験間の不均一性を理由に見送られていたが、Backer氏らは、個々の患者データに基づくメタ解析で補正可能と判断し本研究を実施した。1,266例を無作為化し全例解析解析は、Medline、International Pharmaceutical Abstracts、Embase、Science Citation Index、the Cochrane trial registersから、無痛歩行距離を主要アウトカムとする、二重盲検無作為化プラセボ対照試験を取り出し行われた。個々の患者データは、電子データもしくは症例報告から収集され整合性の確認を行った上で解析に回された。解析方法は、すべての患者を無作為化したのち全例解析。有効性は、プラセボとの比較によるナフチドロフリル投与後の無痛歩行距離の相対的改善率(相乗平均)で評価された。レスポンダー解析における治療成功の定義は、歩行距離がベースライン時より最低50%改善された場合とした。患者総数は1,266例で、主要解析対象は1,083例にて行われた。結果、プラセボとの比較でナフチドロフリル投与後の無痛歩行距離の相対的改善率は、1.37(95%の信頼区間1.27~1.49)。改善率の差は22.3%(95%信頼区間:17.1%~27.6%)だった。また、6ヵ月の治療期間中に症状軽減のために必要とした治療回数は4.48(95%の信頼区間3.62~5.85)だった。

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患者向けの成長ホルモン治療の情報サイトを新規公開

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は、成長ホルモン治療に関する患者向けのサイトをリニューアルし、新しく成長障害を持つ子供のための相談室「Nordicare.jp」として3月24日(火)より公開したと発表した。新サイトでは以下の機能があるとのこと。成長障害Q&A:子供の身長、成長ホルモン治療などに関しての質問を送ることが可能。数多く寄せられた質問に対する回答はサイトで公開する予定。成長ホルモン治療に関連する医療保険の仕組みや地域ごとに異なる医療助成に関する解説ページを用意し、「疾患の気づき」「受診」「診断」「医療手続き」「治療の開始と継続」までを一貫してサポートする。ユーザーの「マイページ」:一人ひとりの専用ページをつくることができ、その中で「成長曲線」や「注射カレンダー」を提供する。また、マイページでは、「Nordicare.jp」のキャラクターである3匹の犬の中から好きな犬を選んだり、背景色を選んだりするなどのカスタマイズが可能。携帯電話でのサービスも開始予定。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_09_03.asp

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【医師・薬剤師限定】乳がんにおける術前・術後補助化学療法ではACよりもECを選択?

癌情報のスペシャルサイト「実践!化学療法」において開催中のアンケート「手術可能乳がんにおけるACおよびEC療法の選択ついて」の途中経過によると、AC(ドキソルビシンADM+シクロフォスファミドCPA)よりもEC(エピルビシンEPI+シクロフォスファミドCPA)をメインに使うとの回答が多くなっている。現状の投票状況は、ACが3割弱なのに対して、ECが6割に及んでいる。また、ACとECを選択する場合、もっとも重視する項目としては慣れ(経験の多さ)」「副作用の少なさ」が多く選ばれている。先生のご意見はどうでしょうか?アンケートはこちらhttp://www.carenet.com/oncology/chemo/cngpage/c_bc090319.html

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ACAT阻害薬pactimibeは動脈硬化を進展させ心血管イベントを増大:CAPTIVATE試験

コレステロールの体内への再吸収や血管内付着に要するエステル化を阻害する治療薬として、開発が進められていたACAT阻害薬pactimibeは2005年、本論報告のCAPTIVATE試験と同時期に進められていた第Ⅱ相試験ACTIVATEにおいて、期待された抗アテローム性動脈硬化作用どころか、アテローム形成を促進する恐れがあることが判明し、ただちにすべての臨床試験が中止された。今回公表されたCAPTIVATE試験結果でも、動脈硬化を進展させ心血管イベントを増すことが報告されている。JAMA誌2009年3月18日号より。892例対象の前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験、追跡期間15ヵ月で早期中止CAPTIVATE試験(Carotid Atherosclerosis Progression Trial Investigating Vascular ACAT Inhibition Treatment Effects)は、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、南アフリカ、イスラエルの高脂血症クリニック40施設で、ヘテロ接合型家族性高コレステロール血症患者892例を対象に行われた前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験。参加者は標準的な脂質低下治療に加えてpactimibe投与(100mg/日、n=443)、もしくはプラセボ投与(n=438)を受けた。基線、12ヵ月、18ヵ月、24ヵ月時に、頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)を超音波にて測定し、頸動脈アテローム性動脈硬化症を評価。最大CIMTを主要評価項目に、平均CIMTを副次評価項目とした。なお2004年2月1日~2005年12月31日を予定して開始されたが、ACTIVATEの結果を受け、2005年10月26日、追跡期間15ヵ月で早期中止となった。最大CIMTは有意差なし、平均CIMT、心血管イベントはpactimibe群の増大を確認投与開始6ヵ月時点で、LDL-Cがプラセボ群1.4%(SD、28%)に比べて、pactimibe群では7.3%(SD、23%)と増大していた。超音波測定を2回以上、40週以上の間隔を置き行われていた716例について解析したところ、最大CIMTの結果から、pactimibe投与の効果を確認することはできなかった。プラセボとの差は0.004mm(95%信頼区間:-0.023~0.015 mm、P=0.64)。それどころか平均CIMTについては、0.014mmの増加が確認された(-0.027~0.000mm、P=0.04)。主要な心血管イベント(心血管死亡、心筋梗塞、脳卒中)は、pactimibe群の発生頻度がプラセボ群に比べて高かった[10/443(2.3%)対1/438(0.2%)、P=0.01]。(朝田哲明:医療ライター)

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社会的地位や健康の「格差」を是正したいのなら禁煙を

NHSスコットランドのLaurence Gruer氏らが、男性・女性それぞれの社会的地位と喫煙率が生存率にどのような影響をもたらすのか、イギリス・スコットランド地方で行った長期間にわたるコホート観察研究の結果が、BMJ誌2009年3月14日号(オンライン版2009年2月17日号)にて発表されている。編者によれば、これまでイギリスでは、1930年以前生まれの高齢のイギリス人男性医師に関する調査で、喫煙習慣がある人の生存率が大幅に低かったことや、また社会的地位が低い人々の間で、喫煙率の高さが健康格差の重大な一因であり、社会的地位と結びついていることなどが明らかにされていた。喫煙群・非喫煙群を28年間追跡観察本研究は、スコットランド中西部の2つの町、レンフルーとペイズリーで行われた。参加者は1972~1976年にかけて募集された45~64歳の女性8,353人と男性7,049人で、この年齢層の集団のほぼ80%をカバー。参加者は、性(男、女)、喫煙状態(喫煙中、過去に喫煙、非喫煙)、社会的地位(職業分類に基づき「クラスI+II」「クラスIII」のノンマニュアル層、「クラスIII」のマニュアル層、「クラスIV+V」)もしくは居住地カテゴリー(deprivation category)によって24集団に分けられた。主要評価項目は、年齢と他のリスクファクターで補正した各群の相対死亡率とし、 28年時点のカプラン・マイアー生存曲線と生存率で表した。社会的地位よりも喫煙の有無が生存率に影響28年間の死亡は、女性では7,988人中4,387人、男性は6,967人中4,891人だった。死亡率が最も低い「クラスI+IIの非喫煙女性群」と比較して、「喫煙群」の補正後相対死亡率は1.7(95%信頼区間:1.3~2.3)から4.2(3.3~5.5)までにわたった。「過去に喫煙群」の死亡率は、「非喫煙者群」よりも「喫煙者群」の死亡率と近似だった。28年時点の年齢補正後生存率を、社会的地位が高い順に見ると、女性非喫煙者では65%、57%、53%、56%、女性喫煙者では41%、42%、33%、35%、男性非喫煙者では53%、47%、38%、36%、男性喫煙者では24%、24%、19%、18%だった。居住地カテゴリーによる解析からも同様の結果が得られたという。これらから研究グループは、男女の性差や社会的地位にかかわらず、非喫煙者は喫煙者よりはるかに高い生存率を維持しているとともに、喫煙はそれ自体が社会的地位よりも大きな健康格差の原因であり、男性に対する女性の生存率の優位性をさえ無効にすると述べている。さらに、社会的地位の低い多くの喫煙者は、禁煙しない限り、地位・健康格差を是正する余地はないと結論づけている。

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冠動脈性心疾患、もっと日常診療での予防に重点を

急性心筋梗塞、虚血性心疾患という冠動脈性心疾患(CHD)を低減するには、日常診療においてより強制力のある指導が必要であり、予防に重点を置くべきことが、ヨーロッパで3回にわたって実施された聞き取り調査(EUROASPIRE I、II、III)で判明した。1回および2回目の調査では、CHD患者においては心血管疾患の修正可能なリスク因子の頻度が高いことが示されている。イギリスImperial College London国立心肺研究所のKornelia Kotseva氏らが、Lancet誌2009年3月14日号で報告した。ヨーロッパ8ヵ国における横断的な聞き取り調査研究グループは2006~07年に3回目の調査を行い、予防循環器学の進展状況および心血管疾患の予防に関するヨーロッパの共同勧告の一般診療における遵守状況について検討した。EUROASPIRE I、II、IIIは、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、オランダ、スロベニアの同一地域の病院で実施された横断的研究である。急性心筋梗塞あるいは虚血性心疾患で冠動脈バイパス移植術(CABG)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)もしくは入院となった70歳以下の患者を対象に、6ヵ月以上が経過したのち聞き取り調査を行った。女性喫煙者、肥満者、糖尿病が増加、高コレステロールは低下EUROASPIRE Iの聞き取り調査の対象は3,180例、IIは2,975例、IIIは2,392例であった。全体として、喫煙者の割合はIが20.3%、IIは21.2%、IIIは18.2%と各調査で同等であった(p=0.64)が、50歳未満の女性喫煙者は増加していた。肥満者(BMI≧30kg/m2)の頻度も、Iの25.0%からIIは32.6%、IIIでは38.0%と有意に増加した(p=0.0006)。高血圧患者(非糖尿病患者:≧140/90mmHg、糖尿病患者:≧130/80mmHg)の割合は、Iが58.1%、IIは58.3%、IIIは60.9%と同等であった(p=0.49)のに対し、高コレステロール(総コレステロール値≧4.5mmol/L)の頻度はIの94.5%からIIは76.7%、IIIでは46.2%と有意に低下した(p<0.0001)。糖尿病(自己申告による)は、Iの17.4%からIIは20.1%、IIIは28.0%と有意に増加した(p=0.004)。著者は、「降圧薬や脂質低下薬の使用量が実質的に増加したにもかかわらず、高血圧患者の割合に変化はなく、患者の約半数は推奨される脂質の目標値を上回っていた。これらの経時的な傾向は、CHD患者のライフスタイルをより効果的に管理するには、もっと強制力のある指導が必要なことを示している」と結論し、「疾患の根本原因を解決せずに急性の虚血に陥った心筋を救済しても無意味である。予防に資金を投入すべき」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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PCIは非急性冠動脈疾患の死亡率を改善しない

非急性冠動脈疾患の治療では、カテーテルベースの治療法による死亡や心筋梗塞の抑制効果が薬物療法よりも優れることを示すエビデンスはないことが、アメリカTufts医療センター臨床試験・健康政策研究所のThomas A Trikalinos氏らが行ったメタ解析で明らかとなった。1977年、Andreas Gruntzig が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の開発によって冠動脈疾患の治療に革命的な進歩をもたらして以来、アメリカでは毎年100万人以上の患者がPCI治療を受けているが、この中には非急性期の患者も多く含まれるという。急性冠症候群やST上昇心筋梗塞ではPCIの有用性が確立されているが、非急性期に対する効果については議論が続いている。Lancet誌2009年3月14日号掲載の報告。インターベンション治療と薬物療法の無作為化試験の系統的オーバービュー研究グループは、非急性冠動脈疾患を対象に経皮的冠動脈形成術(PTCA)、ベアメタルステント(BMS)、薬剤溶出性ステント(DES)、薬物療法を比較した無作為化試験について系統的オーバービューを行った。4つの治療法のうち2つ以上について比較した試験をMedlineで検索した。解析の対象は、死亡、心筋梗塞、冠動脈バイパス移植術、標的病変あるいは標的血管の再血行再建術(TLR/TVR)、あらゆる再血行再建術をアウトカムとする試験とした。変量効果メタ解析でhead-to-head比較試験を評価し、ネットワークメタ解析で直接的エビデンスと間接的エビデンスの統合解析を行った。非急性期の初回治療は薬物療法とすべき4つの治療法のうち2つを比較した4種類の組み合わせ(PTCA vs. 薬物療法:7試験、BMS vs. PTCA:34試験、BMS vs. 薬物療法:4試験、DES vs. BMS:18試験)について検討した63の試験(2万5,388例)が適格基準を満たした。DESと薬物療法、DESとPTCAを直接比較した試験はなかった。すべての直接比較、間接比較において、PCIの進歩は死亡や心筋梗塞の改善には結びついていなかった。DESと薬物療法の間接比較では、死亡のリスク比は0.96(95%信頼区間:0.60~1.52)、心筋梗塞のリスク比は1.15(同:0.73~1.82)であり、いずれも有意差を認めなかった。対照的に、直接比較におけるTLR/TVRのリスク低減効果は、BMSがPTCA に比べ有意に優れ(リスク比:0.68)、DESはBMSよりも有意に優れた(同:0.44)。また、間接比較では、DES がPTCAよりもTLR/TVRのリスク低減効果が有意に優れた(同:0.30)。著者は、「非急性期冠動脈疾患においては、カテーテルベースの治療の技術革新が、薬物療法と比較して死亡や心筋梗塞の抑制効果に優れるとのエビデンスはない」と結論し、「今回の結果は、非急性期の初回治療戦略は至適な薬物療法とする現在の勧告を支持するもの」としている。(菅野守:医学ライター)

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オゾン長期曝露は呼吸系の死亡リスクを増大する

オゾンは大気汚染物質の1種であり、有害な健康アウトカムに関与していることが多くのスタディで示唆されている。しかし、大気汚染関連の死亡率とオゾンへの長期曝露との関連を断定できるデータはいまだ得られていない。カリフォルニア大学公衆衛生校環境健康科学部門のMichael Jerrett氏らは、過去のスタディの示唆をもとに、心肺系が原因の死亡リスク、特に呼吸器系が原因の死亡の、オゾン曝露の潜在的な寄与について調査を行った。NEJM誌2009年3月12日号より。18年間、約12万の死亡例を分析調査は、American Cancer Society Cancer Prevention Study IIのコホートデータを用いて行われた。これらは米国96都市の大気汚染データと関連づけることができ、分析は、コホート44万8,850例の18年の追跡調査期間中の死亡例11万8,777例について行われた。分析に用いた1日の最大オゾン曝露濃度に関するデータは、1977年から2000年までの各年4月1日~9月30日までの分を入手。微細粒子物質(≦PM 2.5;直近のレビューで有害な健康アウトカムに影響すると示唆された値、PM:空気力学的直径)濃度に関するデータは、1999年と2000年分を入手し、オゾン濃度と死亡リスクとの関連は、標準多平面コックス回帰モデルを用いて調べられた。オゾン濃度の増加に伴う、呼吸器系が原因の死亡リスクの有意な増加を実証1種汚染物質モデル(オゾンデータが入手可能だった96都市とオゾン・微細粒子両データが入手可能だった86都市をベースとする)では、オゾンおよび微細粒子両濃度の増大と心肺系を原因とする死亡リスクの増大とに有意な関連が認められた。2種汚染物質モデル(オゾン・微細粒子両データが入手可能だった86都市をベースとする)では、微細粒子濃度と心血管系が原因の死亡リスクとの関連、オゾン濃度と呼吸器系が原因の死亡リスクとの関連が認められた。またオゾン濃度10ppb上昇に伴う、呼吸器系が原因の死亡リスクの相対リスクは1.040(95%信頼区間:1.010~1.067)と推定された。Jerrett氏らは「我々が行った大規模試験の結果、微細粒子濃度(PM 2.5)を考慮した場合は、心血管が原因の死亡リスクとオゾン濃度との関連を見いだすことができなかった。しかしオゾン濃度の増加に伴って、呼吸器系が原因の死亡リスクが有意に増加をすることを実証することはできた」と結論した。(武藤まき:医療ライター)

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