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前期破水妊婦に対する抗生物質投与は子どもへの影響はない:ORACLE Children I試験

前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさないことが、イギリスLeicester大学生殖科学のS Kenyon氏らが実施したORACLE Children I試験で明らかとなった。ORACLE試験は妊婦への抗生物質投与が早産児に及ぼす影響を検討するもの。早産児は脳性麻痺など重大な障害のリスクが高く、妊娠期間が短くなるほどリスクは増大する。障害のない早産児でも、後年、多くが行動障害や学習困難をきたすという。Lancet誌2008年10月11日号(オンライン版2008年9月17日号)掲載の報告。ORACLE I試験を終了した妊婦の子どもを7年間フォローアップORACLE I試験は、臨床的に顕性感染の徴候がない前期破水妊婦において、エリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸カリウム複合薬(co-amoxiclav)、両薬剤の併用、プラセボの4群の有用性の比較を目的に実施された。今回は、ORACLE Children I試験として、ORACLE I試験を終了した4,148例の女性の子どもが7歳となった時点における健康状態について評価した。フォローアップ対象の選択には、子どもの健康状態に関する両親への質問票を用いた。mark III Multi-Attribute Health Status分類に基づいて、機能障害を重篤、中等度、軽度に分けた。学習能力は、イギリス在住の子どもを対象とした全国的なカリキュラムテストの結果で評価した。機能障害、行動障害、学習困難に有意な差はない選択基準を満たした小児は3,298人(75%)であった。エリスロマイシンを含む群の妊婦の子どもにおける機能障害の頻度(38.3%、594/1,551例)は、エリスロマイシン非投与群の頻度(40.4%、655/1,620例)と有意な差は見られなかった(オッズ比:0.91、95%信頼区間:0.79~1.05)。co-amoxiclavを含む群の小児における機能障害の頻度(40.6%、645/1,587例)は、co-amoxiclav非投与群の頻度(38.1%、604/1,584例)と有意差を認めなかった(オッズ比:1.11、95%信頼区間:0.96~1.28)。特定の薬剤投与状況が行動障害のレベルに有意な影響を及ぼすことはなかった。また、読み書き、算数について一定のレベルを達成した小児の割合にも有意な差は見られなかった。研究グループは、「前期破水妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの7歳時の健康にはほとんど影響を及ぼさない」と結論している。また、早期自然陣痛妊婦の子どもを対象としたORACLE Children II試験の結果を踏まえたうえで、「前期破水妊婦における感染の意義、および周産期における抗生物質の役割やより広範な効果に関する理解をいっそう深める必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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早期自然陣痛妊婦への抗生物質投与により子どもの脳性麻痺が増加:ORACLE Children II試験

羊膜に異常がない早期自然陣痛妊婦に対する抗生物質の投与は、その子どもの脳性麻痺の発生リスクを有意に増大させることが、ORACLE Children II試験で確認された。妊娠期間26週以前に生まれた早産児の約25%が重篤な機能障害を呈し、機能障害のない小児もその多くが後年、行動障害や学習障害をきたす。また、早期自然陣痛の13~22%が周産期の子宮内感染や炎症に起因するという。そのため、このような病態の妊婦に対する抗生物質投与が母子双方に及ぼす影響の解明が重要な課題とされている。イギリスLeicester大学生殖科学のS Kenyon氏が、Lancet誌2008年10月11日号(オンライン版2008年9月17日号)で報告した。7歳児の機能障害、行動障害、学習困難を評価ORACLE II試験は、臨床的に顕性感染の徴候がなく、羊膜に異常のない早期自然陣痛妊婦において、エリスロマイシン、アモキシシリン-クラブラン酸カリウム複合薬(co-amoxiclav)、両薬剤の併用、プラセボの4群の有用性の比較を目的に実施された。ORACLE Children II試験は、このような臨床状態の妊婦に対する抗生物質投与が子どもの健康に及ぼす長期的な影響を検討するため、ORACLE II試験を完遂した4,221例の妊婦の子どもが7歳に達した時点で、その健康状態の評価を行った。子どもの健康状態に関する両親への質問票を用いてフォローアップの対象を選択した。mark III Multi-Attribute Health Status分類に基づいて、機能障害を重篤、中等度、軽度に分けた。学習能力は、イギリス在住の子どもを対象とした全国的なカリキュラムテストの結果で評価した。機能障害がエリスロマシンを含む群で、脳性麻痺はいずれの抗生物質でも有意に増加選択基準を満たした小児は3,196人(71%)であった。エリスロマイシンを含む群の妊婦の子どもにおける機能障害の頻度(42.3%、658/1,554例)は、エリスロマイシン非投与群(38.3%、574/1,498例)よりも有意に高かった(オッズ比:1.18、95%信頼区間:1.02~1.37)。co-amoxiclavを含む群の小児における機能障害の頻度(40.7%、624/1,523例)は、co-amoxiclav非投与群の頻度(40.0%、608/1,520例)と有意な差は認めなかった(オッズ比:1.03、95%信頼区間:0.89~1.19)。死亡数、疾患罹患状況、行動パターン、学業成績については、抗生物質の使用状況による違いは見られなかった。しかし、脳性麻痺の発生率は、エリスロマイシンを含む群(3.3%、53/1,611例)がエリスロマイシン非投与群(1.7%、27/1,562例)よりも有意に高く(オッズ比:1.93、95%信頼区間:1.21~3.09)、同様にco-amoxiclavを含む群(3.2%、50/1,587例)はco-amoxiclav非投与群(1.9%、30/1,586例)よりも有意に高かった(オッズ比:1.69、95%信頼区間:1.07~2.67)。1例に有害事象が発現するのに要する治療例数は、エリスロマイシンが64例(95%信頼区間:37~209)、co-amoxiclavは79例(42~591)であった。著者は、「羊膜に異常がない早期自然陣痛妊婦の子どもにおいては、エリスロマシン投与により機能障害が有意に増加した。脳性麻痺のリスクは全体としては低いものの、いずれの抗生物質によってもそのリスクが有意に上昇した」と結論し、「今回の結果をどう解釈するかはともかく、新生児死亡率が上昇する懸念がある以上、感染の臨床的徴候のない早期自然陣痛妊婦への抗生物質投与は勧められない」としている。(菅野守:医学ライター)

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重要性はわかっていても、朝食15分未満が6割

株式会社マクロミルが行ったインターネット調査「朝ごはんの実態調査」(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の20歳以上の男女1030名)によると、朝食の重要性を認識しつつも、15分未満が6割を占め、朝食の簡便化が進んでいることがわかった。調査結果では、「朝食は健康のため重要だ」と思う人は97%、「できれば朝食は毎日食べたい」と思う人は94%を占め、朝食の頻度は「週に5日以上」が78%、欠食の比率は22%だった。一方で、朝食にかける時間は平日で「5分以上15分未満」が57%で最も多く、15分未満を合計すると6割を超え、特に20~30代の若い世代では75%が15分未満で朝食を済ませていた。詳細はこちらhttp://www.macromill.com/r_data/20080930bfast/index.html

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閉経後骨粗鬆症に適応、ウェールナラ配合錠に製造販売承認とジュリナ錠に追加承認

バイエル薬品株式会社は10月20日、閉経後骨粗鬆症治療薬「ウェールナラ配合錠」の製造販売承認及び更年期障害治療薬「ジュリナ錠0.5mg」の閉経後骨粗鬆症での適応追加を10月16日付で取得したと発表した。ウェールナラ配合錠は、天然型エストロゲンである 17β-エストラジオール 1mg と、黄体ホルモンであるレボノルゲストレル 0.04mg を主成分とする国内初の経口投与で作用する配合剤。この配合錠は、一剤でエストロゲンの補充と子宮内膜保護という2つの効果を示すことから、服薬コンプライアンスの向上が期待できる製剤として開発された。自然閉経または両側卵巣摘出に伴う骨粗鬆症患者 309名を対象とした国内プラセボ対照無作為化二重盲検試験では、1年間(52週間)の腰椎骨密度が約8%、2年間(104週)で約10%増加し、対照としたプラセボでは骨密度の増加は認められなかったという。ジュリナ錠は、国際閉経学会、北米閉経学会等が推奨する低用量の経口エストロゲン製剤で、更年期障害および卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(ホットフラッシュおよび発汗)、腟萎縮症状への適応で本年4月に厚生労働省から製造販売承認を取得し、9月16日に国内で新発売した製品。今回の適応追加により、閉経後骨粗鬆症の治療を目的とした処方が可能となった。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-10-20.html

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2型糖尿病の血圧コントロールによるベネフィットは試験後2年で消失:UKPDS

英国糖尿病前向き研究(UKPDS)では、試験期間中に登録患者を厳格な血圧コントロールと緩やかな血圧コントロールに割り付けた結果、厳格コントロール群では合併症リスクが有意に低下することが示された。この差異が試験終了後も維持されるかどうか、登録患者を長期間追跡調査し検証していたオックスフォード大学チャーチル病院の糖尿病研究班Rury R. Holman氏らは「早期の血圧コントロール改善は、合併症のリスク低下をもたらすが、血圧コントロールをやめてから2年以内でそのベネフィットは消失していた」と報告した。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年9月10日号)より。糖尿病で高血圧の患者884例を10年間追跡新たに2型糖尿病と診断されたUKPDS登録患者5,102例のうち、高血圧患者1,148例を、1987年から4年間、厳格な血圧コントロール治療群と、緩やかな血圧コントロール治療群に、無作為に割り付けた。試験後、モニタリングに応じた患者884例を10年間追跡調査。患者は試験終了から5年間、UKPDSで通った病院に毎年通院するよう指示されたが、試験で割り付けられた治療は継続されていない。また当初5年の間に通院できなかった患者は、患者と一般医による年1回の記述式アンケートで経過観察し、6年目から10年までは、すべての患者に年1回のアンケート調査を行った。その結果を踏まえて事前規定した7つの複合臨床エンドポイントを、厳格治療群、緩やかな治療群に分け、intention-to-treat解析を行った。厳格コントロール群は有意に合併症リスクが低下するがUKPDSの期間中、両群間にあった血圧差は、試験終了後2年以内に消失した。試験期間中、厳格治療群は緩やかな治療群に比べて、糖尿病関連のすべての転帰、糖尿病関連死、微小血管障害、脳卒中の相対リスクが有意に低下した。試験終了後の追跡調査中に血圧コントロールは継続されなかった。試験期間中も終了後も、心筋梗塞または全死因死亡については、何のリスク低下も見られなかったが、厳格な血圧コントロールと関連する末梢血管疾患のリスク低下は有意になった(P = 0.02)。血圧の群間差が消失すると、試験中に改善された血圧コントロールのベネフィットも維持されなかった。このためHolman氏は「2型糖尿病に加えて高血圧を有する患者では、早期の血圧コントロール改善は合併症のリスク低下と関連していたが、そのベネフィットを維持するには、良好な血圧コントロールを継続しなければならないようだ」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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2型糖尿病の強化血糖コントロールのベネフィットは10年間持続:UKPDS

英国糖尿病前向き研究(UKPDS)では、試験期間中に登録患者を従来の食事療法群と強化血糖療法群に割り付けた結果、強化療法群のほうが血糖値は改善されることが示された。この効果と差異が試験終了後も維持されるかどうか、長期間追跡調査し検証していたオックスフォード大学チャーチル病院の糖尿病研究班Rury R. Holman氏らは「血糖値の差異は1年で消失する。しかし微小血管のリスク低下は10年後も継続しており、心筋梗塞と全死因死亡のリスク低下をもたらしている」と報告した。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年9月10日号)より。食事療法群と強化療法群に無作為割付された3,277例を10年間追跡新たに2型糖尿病と診断されたUKPDS登録患者5,102例のうち、4,209例を、血糖コントロールのために、従来治療群(食事制限)と、強化治療群(SU剤またはインスリン投与、肥満患者にはメトホルミン投与)へ無作為に割り付けた。試験終了後、患者3,277例を10年間モニタリングした。患者は試験終了から5年間、UKPDSで通った病院に毎年通院するよう指示されたが、試験で割り付けられた治療は継続されていない。また当初5年の間に通院できなかった患者は、患者と一般医による年1回の記述式アンケートで経過観察し、6年目から10年までは、すべての患者に年1回のアンケート調査を行った。その結果を踏まえて事前規定した7つの複合臨床エンドポイントを、厳格治療群、緩やかな治療群に分け、intention-to-treat解析を行った。血糖値の差は1年で消失するが関連リスク低下は10年間持続糖化ヘモグロビン値の群間差は、試験終了後1年間で消失した。しかし、SU剤・インスリン治療群では、すべての糖尿病関連転帰(9%、P = 0.04)および微小血管障害(24%、P = 0.001)とも、相対リスク低下が10年後の時点でも維持されていた。そして心筋梗塞(15%、P = 0.01)、全死因死亡(13%、P = 0.007)のリスク低下は、イベント発生数の増加とともに経時的に現れた。メトホルミン治療群では、すべての糖尿病関連転帰(21%、P = 0.01)、心筋梗塞(33%、P = 0.005)、全死因死亡(27%、P = 0.002)の有意なリスク低下が持続した。こうした結果から、Holman氏は「血糖値の差異が早期に失われたにもかかわらず、微小血管のリスク低下は維持され、心筋梗塞と全死因死亡のリスク低下が発現することが、10年間の追跡調査で観察された。肥満患者では、メトホルミン治療後のベネフィット継続が明白だった」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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ジェノトロピンに日本初のSGA性低身長症に対する効能が追加承認取得

 ファイザー株式会社は10月16日、ジェノトロピン5.3mg、ジェノトロピン注射用12mg、ジェノトロピンミニクイック皮下注用0.6mg、1.0mg、1.4mg(一般名:ソマトロピン)の、骨端線閉鎖を伴わないSGA(Small-for-Gestational Age:子宮内発育遅延)性低身長症に対する効能追加の承認を取得したと発表した。 ジェノトロピンは遺伝子組換え技術を応用し、1987年に世界で初めて開発された天然型ヒト成長ホルモン製剤。国内では1988年に、小児期における成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療薬として承認され、その後もターナー症候群などの低身長や成人成長ホルモン分泌不全症の効能を取得し、最も処方されている。 国内で行われた治験の結果、SGA性低身長症においても確かな成長促進効果が認められたため、効能追加を申請していた。■詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_10_16.html

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日本初のアプタマー医薬品、マクジェンが新発売

ファイザー株式会社は10月14日、加齢黄斑変性症治療剤「マクジェン硝子体内注射用キット0.3mg」(一般名:ペガプタニブナトリウム)を新発売した。マクジェンは、加齢などが原因で物がゆがんだり、視野の中心が欠けて見えるなどの症状を起こす滲出型(しんしゅつがた)の加齢黄斑変性症(Age-related Macular Degeneration:AMD)の治療薬。病的な血管の成長や血液などの漏出をひき起こす原因となる体内の物質の働きを抑え、病的な血管の成長を遅らせることで、視力が低下する速度をゆるやかにする。マクジェンは日本初のアプタマー医薬品であり、眼球内(硝子体内)に投与する注射剤なので、薬剤が必要とされる眼底に確実に到達させることができるという。なお、マクジェンは米国では2004年12月に、欧州では2006年1月に新生血管を伴う滲出型AMDの治療薬として承認され、2008年1月現在、欧米を始め53の国または地域で承認を取得している。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_10_14.html

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maravirocは治療歴のあるR5 HIV-1患者のウイルスを抑制

CCケモカイン受容体5(CCR5)拮抗剤のmaravirocは、新しい抗レトロウイルス薬である。既存の抗レトロウイルス薬による治療歴のある患者を対象とした、maravirocと至適療法を比較する多国間二重盲検プラセボ試験(第3相)「MOTIVATE 1」(カナダ、米国)「MOTIVATE 2」(オーストラリア、ヨーロッパ、米国)が行われ、参加した米国・Weill-Cornell Medical College(ニューヨーク市)のRoy M. Gulick氏らは、「maravirocはHIV-1ウイルスを有意に抑制し、T細胞を増やす」と報告した。NEJM誌2008年10月2日号より。薬剤耐性のある患者1,049例を対象に比較試験MOTIVATE(Maraviroc versus Optimized Therapy in Viremic Antiretroviral Treatment-Experienced Patients)試験対象は、3クラスの抗レトロウイルス薬の治療歴あるいは耐性があり、HIV-1 RNAレベルは5,000コピー/mL以上の患者計1,049例。治療歴と薬剤耐性テストに基づく至適バックグラウンド療法(OBT)に加え、maravirocを「1日1回投与」「1日2回投与」「プラセボ投与」の3つの投薬計画うちの1つに無作為に割り付け、48週時点で安全性と有効性を評価した。HIV-1ウイルスは有意に減少しT細胞は増加ベースラインでのHIV-1 RNAレベルは、平均72,400コピー/mL、T細胞のCD4中央値は169/立方mmだった。48週時点では、MOTIVATE 1、2ともに、ベースラインのHIV-1 RNAからの平均変化はmaraviroc投与群のほうがプラセボ群より大きかった。MOTIVATE 1では、「1日1回投与群」で-1.66Log(10)コピー/mL、「1日2回投与群」で-1.82Log(10)コピー/mL減少したが、「プラセボ投与群」は-0.80Log(10)コピー/mL。MOTIVATE 2でも「1日1回投与群」が-1.72Log(10)コピー/mL、「1日2回投与群」は-1.87Log(10)コピー/mL、「プラセボ投与群」は-0.76Log(10)コピー/mLだった。「maraviroc投与群」は、HIV-1 RNAレベルが50コピー/mL未満になった数がより多かった。MOTIVATE 1では「1日1回投与群」42%、「1日2回投与群」47%、「プラセボ投与群」16%。MOTIVATE 2では「1日1回投与群」45%、「1日2回投与群」45%、「プラセボ投与群」18%。各研究の両群間比較:P

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持続血糖モニタリングは成人患者の血糖管理を改善

1型糖尿病の血糖管理のために簡便な持続血糖モニタリング装置が開発されている。強化治療を受けている患者にとっての装置の有効性を検証していた米国の若年性糖尿病研究基金・持続血糖モニタリング研究グループ(The Juvenile Diabetes Research Foundation Continuous Glucose Monitoring Study Group)のWilliam V. Tamborlane氏らは、「成人患者の血糖管理は改善されたが、小児や青年患者にも有効かどうかは、さらに研究が必要」と報告した。NEJM誌2008年10月2日号(オンライン版2008年9月8日号)より。強化治療を受けている小児・成人患者322例が対象1型糖尿病の強化治療をすでに受けている患者を対象とした多施設共同臨床試験で、成人と小児計322例を、持続血糖モニタリングを行う群と、血糖計を使って家庭でモニタリングする対照群に無作為に割り付けた。患者全員を年齢別に3群(8~14歳、15~24歳、25歳以上)に層別化。糖化ヘモグロビン値は7.0~10.0%だった。主要項目は26週時点の糖化ヘモグロビン値の変化とした。25歳以上群は使用率が高く血糖値も有意に改善2つの研究群における糖化ヘモグロビン値の変化は、年齢層によって顕著に変化した(P = 0.003)。とりわけ25歳以上の持続モニタリング群で有意に減少した(変化の平均差:-0.53%、95%信頼区間:-0.71~-0.35、P

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小児の解熱にはまずイブプロフェンの単独投与が効果的:PITCH

発熱は就学前の小児によく見られる症状だが、本人にとっては深刻で、親には不安を与え、医療費全体の増加につながる。イギリスでは毎年、就学前の小児の7割が発熱に見舞われ、4割が医療機関を受診し、しばしばパラセタモール(別名アセトアミノフェン)とイブプロフェンが併用または単独で投与されるが、これまで各処方のエビデンスはなかった。そこで、各薬剤の単独投与と併用した場合の効果を比較研究(PITCH)したブリストル大学のAlastair D Hay氏らは、「子供にはまずイブプロフェンを与え、24時間経過したら両剤併用を」と報告した。BMJ誌2008年9月2日号(オンライン版7月4日号)より。熱のある6ヵ月~6歳の小児を対象に各処方を比較PITCH(Paracetamol plus ibuprofen for the treatment of fever in children)は、イングランドにおけるプライマリ・ケア受診者と一般家庭から募集した、腋窩体温37.8度以上41.0度以下の生後6ヵ月~6歳児を対象とした研究。保護者に対し、体温を下げるための物理的手段と、パラセタモール+イブプロフェン、およびパラセタモールかイブプロフェンの単独投与についてアドバイスを行い検証した。主要転帰尺度は、初回の投与から4時間で熱がない(37.2度未満)状態、48時間時点で「discomfort scale」に基づき「正常に回復した」と報告した小児の比率とした。副次転帰は、最初に正常体温に戻るまでの時間、24時間以上の熱がない状態、熱に関連する症状、副作用とした。イブプロフェンは早く効き併用は効果が持続intention to treat解析に基づき、4時間時点では、パラセタモール+イブプロフェン併用群はパラセタモール単独群より解熱効果が高かった(補正後の時間差55分、95%信頼区間:33~77分、P

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小児の解熱にパラセタモール+イブプロフェン併用が経済的:PITCH

本論は、イギリスの国民医療保健サービス(NHS)で、就学前の小児の解熱によく処方されるパラセタモール(別名アセトアミノフェン)とイブプロフェンに関する有効性等の比較研究(PITCH:Paracetamol plus ibuprofen for the treatment of fever in children)の報告の一つ。Sandra Hollinghurst氏ら効果とコストについて分析結果で、「両剤の併用がコスト面では最も効果が大きい」と報告した。 BMJ誌2008年9月9日号に掲載された。48時間と5日後の効果と費用を比較検討3肢無作為化試験の一部として、コスト分析と費用対効果分析を行った。対象はプライマリ・ケアおよび地域から集められた、腋窩体温が37.8度以上41度以下の生後6ヵ月~6歳児で、パラセタモールとイブプロフェンを単独または併用で投与した。主要転帰尺度は、NHSと保護者が投じたコスト。コストと体温、不快感、活力、食欲、睡眠状態との比較を、投与後48時間時点と5日時点とで行ったコスト分析と、48時間時点のコストと小児が回復した割合とを比較した費用対効果分析を行った。併用は効果もありNHSと親の費用負担を軽減NHSの負担するコストは、48時間時点では、パラセタモール単独投与が11.33ポンド、イブプロフェン単独投与が8.49ポンド、併用は8.16ポンドだった。5日時点ではそれぞれ19.63ポンド、18.36ポンド、13.92ポンドに増加した。保護者が支払う経費は、48時間では、パラセタモール単独が23.86ポンド、イブプロフェン単独が20.60ポンド、併用では25.07ポンドだった、5日時点ではそれぞれ26.35ポンド、29.90ポンド、24.02ポンド。48時間時点、5日時点で示された結果では不十分で、結論を断定するには至らず、特に48時間時点の費用対効果分析は、ある処置選択が他方より有意に費用対効果があったというエビデンスを得ることはほとんどできなかった。しかし4時間時点では、解熱時間を評価する主要項目に関して、イブプロフェン単独投与と併用治療は、パラセタモール単独投与より優れており、24時間時点では、併用治療が、この項目では最も効果があることが示された。各処置間にコストの違いに関する明確なエビデンスはないが、臨床データおよびコストデータともに、両剤併用が最も費用対効果に優れていることを示唆した。Hollinghurst氏は「この処置選択は、ヘルスケア資源の消費がより少なく済みかつ効果があり、NHSと保護者とのに負担が軽減される」と結論している。

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1日1回投与の新規COPD治療薬NVA237 臨床第II相試験の新データが発表される

ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市の本社が10月7日に1日1回投与の新規COPD治療薬NVA237臨床第II相試験の新データを発表したことを報告した。新たに得られた第II相試験の結果によると、新規長時間作用型吸入ムスカリン性拮抗薬(LAMA: long-acting muscarinic antagonist)であるNVA237(一般名:臭化グリコピロニウム)は、中等症から重症のCOPDの患者さんにおいて24時間にわたり気管支拡張作用を示すことが明らかになり、また、NVA237はチオトロピウムと同等の有効性と作用時間を示し,効果発現がより早い可能性が示唆されたという。さらに、28日間投与された第II相試験では、NVA237は安全で良好な忍容性を示すとともに、臨床的に問題となる心血管系所見も認められなかったという。これらの結果は、同日、ドイツ・ベルリンで開催されている欧州呼吸器学会(ERS: European Respiratory Society)の年次総会で発表されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20081007_02.html

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ユリーフ 米国での承認取得

キッセイ薬品工業株式会社(代表取締役社長 神澤陸雄)は10月9日、同社が創製し、米国ワトソン社(Watson Pharmaceuticals, Inc.)に技術導出した前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬シロドシン(日本製品名:ユリーフ、米国予定製品名:RAPAFLOTM〔ラパフロ〕)について、ワトソン社が米国食品医薬品局(FDA)より承認を取得したと発表した。シロドシンは同社が創製した選択的α1A遮断薬で、前立腺に主に存在するα1A受容体に結合することにより、前立腺の緊張を取り除いて尿道抵抗を改善し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。既存薬に比べ自覚症状の改善が早く現れるのに加え、尿の勢いが低下するなどの排尿症状と、頻尿や排尿が我慢できないなどの蓄尿症状の両方を改善する特長があるという。また、ワトソン社が実施したシロドシンの心臓への影響を調べた試験(QTc試験)では、異常は認められなかったという。 詳細はプレスリリースへhttp://www.kissei.co.jp/news/press2008/seg081009.html

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HIV感染症治療薬アイセントレスが2008年最高医薬品賞を受賞

 万有製薬株式会社は10月3日、HIV感染症治療薬アイセントレスが今年のPrix Galien USAにおいて「2008年最高医薬品(Best Pharmaceutical Agent)賞」を受賞したことを発表した。 アイセントレスは、世界で初めてのインテグラーゼ阻害薬で、日本では10年ぶりとなる新しい作用機序のHIV感染症治療薬。2008年7月7日に日本国内で発売し、現在世界50カ国以上で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2008/product_news_1003.html

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抗凝固薬ザレルト、欧州連合(EU)でも承認取得

バイエル薬品は10月2日、ドイツ・バイエル ヘルスケア社が抗凝固薬ザレルト(一般名:リバロキサバン)の欧州連合(EU)加盟国内での販売を間もなく開始すると発表した。欧州委員会が販売承認を許諾したという。ザレルトは、待機的股関節または膝関節置換術を受けた成人患者における静脈血栓予防のための1日1回1錠投与の抗凝固薬。ザレルトのEUでの販売承認は、待機的股関節または膝関節置換術を受けた約1万人の患者を対象としたザレルトの3つの第III相試験(RECORD 1,2,3試験)を含む、大規模なRECORD臨床試験プログラムのデータの審査を経て得られた。この3つの試験結果は、エノキサパリンとの直接比較(RECORD 1と3)と、ザレルトの長期投与(5週間)とエノキサパリンの短期投与(2週間)を比較した場合(RECORD 2)の両方において、ザレルトの優れた有効性を示した。また3つの試験すべてにおいて、ザレルトとエノキサパリンは重大な出血の頻度が同程度に低く、同等の安全性プロファイルを示している。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-10-02.html

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下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー錠が新発売

アステラス製薬株式会社は、下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー錠2.5μg/5μg(一般名:ラモセトロン塩酸塩)について、「男性における下痢型過敏性腸症候群」を効能・効果として、10月7日に国内で新発売した。イリボー錠は、5-HT3受容体を選択的に阻害することで、消化管運動亢進に伴う便通異常(下痢・排便亢進)を改善するとともに、大腸痛覚伝達を抑制し、腹痛及び内臓知覚過敏を改善する。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-31.html

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新開発のbiolimus溶出ステント、従来ステントと同等の有用性示す

冠動脈ステント留置術が適用とされる慢性安定性冠動脈疾患や急性冠症候群では、新たに開発された生体分解性ポリマー製のbiolimus(高脂溶性の半合成シロリムス・アナログ)溶出ステントが、従来の耐久性ポリマー製のシロリムス溶出ステントと同等の安全性および有効性を示すことが、ヨーロッパで実施された無作為化試験で明らかとなった。生体分解性ポリマー製biolimus溶出ステントは初期研究で有望な結果が報告されていた。スイスBern大学病院循環器科のStephan Windecker氏が、Lancet誌2008年9月27日号(オンライン版2008年9月1日号)で報告した。新開発ステントの従来ステントに対する非劣性を検証LEADERS(Limus Eluted from A Durable versus ERodable Stent coating)試験は、生体分解性ポリマー製biolimus溶出ステントと耐久性ポリマー製シロリムス溶出ステントの安全性および有効性を比較する多施設共同無作為化非劣性試験。2006年11月~2007年5月にヨーロッパの10施設から18歳以上の慢性安定性冠動脈疾患および急性冠症候群の1,707例が登録され、biolimus溶出ステント群に857例が、シロリムス溶出ステント群に850例が無作為に割り付けられた。主要評価項目は、術後9ヵ月以内の心臓死、心筋梗塞、臨床的に示された標的血管の血行再建術の複合エンドポイントとし、intention to treat解析を行った。血管造影によるフォローアップに割り付けられた427例では、ステント内の径狭窄率を9ヵ月時点での主要評価項目とした。複合および個々のエンドポイントのいずれもが両ステント群で同等9ヵ月の時点における複合エンドポイントの発生率について、biolimus溶出ステント群のシロリムス溶出ステント群に対する非劣性が確認された[9%(79例) vs. 11%(89例)、イベント発生率比:0.88(95%信頼区間:0.64~1.19)、非劣性p値=0.003、優位性p値=0.39]。個々のエンドポイントの発生率はいずれも両ステント群で同等であった[心臓死:1.6%(14例) vs. 2.5%(21例)、優位性p値=0.22、心筋梗塞:5.7%(49例) vs. 4.6%(39例)、p=0.30、臨床的に示された標的血管の血行再建術:4.4%(38例) vs. 5.5%(47例)、p=0.29]。biolimus溶出ステント群の79%(168例)、シロリムス溶出ステント群の78%(167例)で血管造影によるフォローアップデータが得られた。これらの患者におけるステント内の径狭窄率につき、biolimus溶出ステント群のシロリムス溶出ステント群に対する非劣性が確認された[20.9% vs. 23.3%、両群の差:-2.2%(95%信頼区間:-6.0~1.6)、非劣性p値=0.001、優位性p値=0.26]。著者は、「慢性安定性冠動脈疾患や急性冠症候群に対するステント留置術では、生体分解性ポリマー製のbiolimus溶出ステントが、耐久性ポリマー製のシロリムス溶出ステントに代替しうる安全性および有効性を有する」と結論し、「熟練した術者が行えば、新開発のステントは日常診療においてルーチンに使用可能と考えられる」としている。(菅野守:医学ライター)

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脳梗塞発症3~4.5時間後のrt-PA静注療法は有効だが……

急性期脳梗塞に対し唯一承認された治療法は、rt-PA(アルテプラーゼ)静注療法だが、発症から3時間以上経過した後の投与については、有効性と安全性が確立されていなかった。ドイツ・ハイデルベルク大学のWerner Hacke氏らECASS(European Cooperative Acute Stroke Study)研究グループは、発症後3~4.5時間に投与されたrt-PAの有効性と安全性を検証した結果、「臨床転帰は改善するが、症候性頭蓋内出血を伴う所見が高頻度にみられる」と報告した。NEJM誌2008年9月25日号より。プラセボ投与と等分し90日後の障害の有無を比較急性期脳梗塞患者のうち、CT検査で脳内出血または重い梗塞のある患者を除き、rt-PA静注群(0.9mg/kg)またはプラセボ投与を受けるよう、等分に無作為二重盲検試験に割り付けた。主要エンドポイントは90日時点の障害とし、転帰良好(無症状を0、死亡を6とする0~6の尺度で0または1)か、転帰不良(同2~6)に分けた。副次エンドポイントは、4つの神経学的スコアと障害スコアを統合した総合的な転帰解析の結果とした。安全性エンドポイントは、死亡、症候性頭蓋内出血および他の深刻な有害事象とした。転帰はやや改善されるが症候性頭蓋内出血も高頻度登録された患者計821例を、rt-PA静注群418例、プラセボ群403例に割り付けた。rt-PA投与時間の中央値は3時間59分。rt-PA群のほうがプラセボ群より転帰良好の患者がより多かった(52.4%対45.2%、オッズ比:1.34、95%信頼区間:1.02~1.76、P = 0.04)。総合解析の結果も、rt-PA群のほうがプラセボ群より転帰は改善された(1.28、1.00~1.65、P

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北米の院外心停止の発生率と転帰には有意な地域格差

 院外心停止はよく見られる致死的なイベントだが、院外心停止の発生率と転帰は地域の医療政策と関連しているのだろうか。検証にあたった米国・ワシントン大学のGraham Nichol氏らは「有意で重大な地域格差がある」と報告した。JAMA誌2008年9月24日号より。米国・カナダの10地域で救急医療の対象者を追跡 研究は2006年5月1日~2007年4月30日にかけて、北米の10地域(米国8地域、カナダ2地域)で行われた「Resuscitation Outcomes Consortium(救急蘇生転帰共同事業体)」による院外心停止に関する前向き観察研究の全対象者を退院まで、2008年6月28日時点で利用可能なデータで追跡した。対象者(0~108年歳)は、救急医療サービスシステム(EMS:emergency medical services)スタッフによって、外傷はなく、体外除細動または心臓マッサージ、救急蘇生法が試みられたと評価された者。 主要転帰尺度は発症率、死亡率、致死率と、EMSスタッフにより評価・治療された生存退院患者、および心室細動が初発症状かどうか。地域ごとの発生率と転帰には有意で重要な格差 10地域の合計人口は2,140万人で、期間中に2万520例の心停止があった。このうち合計1万1,898例(心停止全体の58.0%)は蘇生が試みられ、2,729例(処置されうちの22.9%)は、初発症状が、心室細動、または心室頻拍、心室律動、自動体外式除細動器(AED)によるものだった。 生存退院したのは954例(全体の4.6%)だった。 全地域の心停止発生率(EMS治療を受けた)の中央値は、人口10万人につき52.1(四分位数間領域:48.0~70.1)だった。生存率は3.0~16.3%と幅があり、中央値は8.4%(5.4~10.4%)だった。 心室細動が初発の中央値は人口10万人につき12.6(10.6~5.2)で、生存率は7.7~39.9%、中央値は22.0%(15.0~24.4%)で、発生率と地域には有意な差があった(P<0.001)。 Nichol氏は「北米10地域では、院外心停止の発生率と転帰に有意で重大な地域差があった。地域格差の縮小には、入院前の救急医療に対して、より資源を配分することを検討すべき」と結論している。

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