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がん性疼痛治療剤KW-2246の第III相臨床試験結果

協和発酵キリン株式会社は、オレクソ社(本社:スウェーデン・ウプサラ)から導入し、がん性疼痛の持続的疼痛管理時に起こる急激な痛み(突出痛)に対する治療剤として開発中のKW-2246(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)の第III相臨床試験の結果を発表した。試験は、中等度から高度のがんの痛みに対してオピオイド鎮痛薬が定時投与されており、かつ、突出痛に対してモルヒネ製剤を使用しているがん患者を対象に、プラセボとの二重盲検比較試験およびモルヒネ製剤との非盲検比較試験として、クロスオーバーデザインにて実施された。その結果、本剤のプラセボに対する統計学的な有意差が示され、臨床効果が確認されたという。さらに、モルヒネ製剤に対する非劣性も確認されたとのこと。なお、安全性に関しては、本試験期間中に忍容できない副作用の発現は認められなかった。詳細はプレスリリースへhttp://www.kyowa-kirin.co.jp/news/2009/20090723_01.html

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HIV-1対策は予防と治療をセットで議論すべき段階を迎えている

HIV-1感染症の拡大予防対策は、危険な性行為や麻薬の常用といったリスク行動対策とは別に、高活性抗レトロウイルス療法(HAART・多剤併用療法)の予防的観点での投与が、近く本格化するかもしれない。British Columbia Centre for Excellence in HIV/AIDS(カナダ)のEvan Wood氏らは、これまで未報告だった地域ベースでの血漿HIV-1 RNA濃度とHIV-1発症率との関連について前向きコホート研究を行い、「リスク行動とは独立した関連が見られ、血漿HIV-1 RNA濃度との関連でHIV-1発症を予測することができた」ことを明らかにした。BMJ誌2009年5月16日号(オンライン版2009年4月30日号)より。地域の血漿HIV-1 RNA濃度と、麻薬(注射)常用者におけるHIV-1発生率との関連を調査HIV-1感染拡大予防の観点からのHAART活用が議論されるようになり、有効性を示す統計的データが次々と発表されても、「リスク行動を助長するものだ」との意見に抑え込まれ活用は進んでいないが、最近になってWHOもHAARTの予防的投与の研究を認めるコンセンサス文書を発表し、また関連学会で中心的トピックを占めるなど世界的関心が高まっている。そうした中で行われたWood氏らの調査は、カナダ・バンクーバーのダウンタウンを対象とし、同地域の血漿HIV-1 RNA濃度と、麻薬(注射)常用者におけるHIV-1発生率との関連が調べられた。被験者の麻薬常用者はHIV-1陽性・陰性にかかわらず登録され、1996年5月1日~2007年6月30日の間、6ヵ月ごとに追跡調査が行われた。抗体陽転時期はウイルス量の増加から予測可能研究期間中に追跡調査されたHIV-1陽性の麻薬常用者は622例(女性40.2%、年齢中央値37歳)で、血漿HIV-1 RNA濃度の測定値は12,435例[1患者当たり中央値17例(8~31)]が集められた。 一方、HIV-1陰性の麻薬常用者は1,429例[女性32.5%、年齢中央値36.1歳、追跡調査回数中央値8(3~16)]。このうちHIV-1抗体陽転したのは155例で、発生率は2.49/100人年(95%信頼区間:2.09~2.88)だった。研究期間11年の動向を見たところ、HIV-1の血漿濃度と発生率とは相関関係を示していた。未調整コックス回帰分析の結果、HIV-1陰性患者が抗体陽転した時期と、前回(6ヵ月前)調査時の推定血漿HIV-1 RNA濃度とが関連していることが見出された(ハザード比:3.57)。この関連は、危険な性行動や注射器共用などで調整後も維持された(ハザード比:3.32)。またHIV-1の血漿濃度と発生率との関連に関して、事後解析の結果、研究期間以前(1988年1月以降の血漿HIV-1 RNA濃度中央値が

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経口そう痒症改善剤「レミッチ カプセル2.5μg」新発売

東レ株式会社と日本たばこ産業株式会社および鳥居薬品株式会社は、3社で共同開発し、東レが2009年1月21日に国内における製造販売承認を取得した血液透析患者における経口そう痒症改善剤「レミッチカプセル2.5μg」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)について、3月24日より鳥居薬品が販売を開始すると発表した。血液透析患者におけるそう痒症は炎症などを伴わない全身性の強い痒みで、はっきりとした原因は不明。従来の止痒薬(抗ヒスタミン薬など)では十分に抑えられないこともあった。「レミッチカプセル2.5μg」は、血液透析患者の既存治療抵抗性の痒みを抑える世界初の選択的オピオイドκ(カッパ)受容体作動薬となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.torii.co.jp/release/2009/090323.html

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薬物過剰摂取による死者の90%以上がオピオイド使用

米国ウエストバージニア州で薬物乱用が原因で死亡した人のうち、90%以上がオピオイドを使用、その4割超が処方箋なしで不正入手していたことが明らかになった。これは、米国疾病予防管理センター(CDC)のAron J. Hall氏らの調べによるもので、JAMA誌2008年12月10日号で発表した。同州は1999~2004年にかけて、薬物過剰摂取による死亡率が全米で最も増加した地域だった。薬物過剰摂取死亡者のうち6割強が処方薬を不正入手Hall氏らは、2006年に同州で薬物の過剰摂取で死亡した295人について、その薬の種類や処方箋の有無などについて調査した。調査対象となった死者のうち、198人(67.1%)が男性で、271人(91.9%)が18~54歳で、平均年齢、年齢の中央値ともに39歳だった。医師からの処方箋がなく処方薬を不正入手し、使用していたのは、全体の63.1%にあたる186人だった。また、死亡した前年に、5人以上の医師から規制薬物の処方箋を入手した、“ドクター・ショッピング”をしていた人は、21.4%、63人だった。ドクター・ショッピングの傾向は女性に多く、調査対象の女性の30.9%(30人)に上ったのに対し、男性では同16.7%(33人)、また年齢別では35~44歳のグループが30.7%(23人)と最も高率だった。8割が複数種の薬物を使用オピオイドを使用していたのは、275人(93.2%)に上った。そのうち、同種の薬を医師から処方してもらったことがなく、不正に入手していた人は、122人(44.4%)だった。また、調査対象者の279人(94.6%)で、故意に間違った投与法で薬を使用していたり、違法薬を使用するなど、薬物乱用の兆候が見られた。さらに234人(79.3%)が複数種の薬物を使用していた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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オピオイド依存症の治療には、ブプレノルフィンとナロキソンの長期投与が短期より有効

オピオイド依存症の治療には、ブプレノルフィンとナロキソンの12週にわたる長期投与のほうが、短期投与よりも効果的のようだ。米Pennsylvania大学のGeorge E. Woody氏らが、15~21歳のオピオイド依存症の152人について調べ、明らかにしたもので、JAMA誌2008年11月5日号で公表された。投与後4、8週目の尿中オピオイド検出率、長期投与群が有意に低率同氏らは、被験者を2グループに分け、一群にはブプレノルフィンを1日最大24mgまで、ナロキソンと一緒に9週間にわたって投与し、12週間までに徐々に量を減らし投与を中止した(長期投与群)。もう一方の群には、ブプレノルフィンを1日最大14mgまで、ナロキソンと一緒に投与し、14日目までに徐々に量を減らして中止した(短期投与群)。両群に対して、個人とグループのコンサルテーションが毎週行われ、4週目、8週目、12週目に、それぞれ尿中のオピオイドの有無が調べられた。その結果、4週目に尿中オピオイドが検出された割合は、短期投与群が59人と61%(95%信頼区間:47~75%)だったのに対し、長期投与群では58人と26%(同:14~38%)にとどまった。8週目の同割合も、短期投与群が53人と54%(同:38~70%)だったのに対し、長期投与群は52人と23%(同:11~35%)だった。12週目については両群に有意差はなく、同割合は短期投与群が53人と51%だったのに対し、長期投与群では49人と43%だった。治験終了後のオピオイド使用も長期投与群が低率短期投与群では、12週目に治療を継続していたのは20.5%だったが、長期投与群ではその割合は70%と高かった。そして12週間中、オピオイドの使用や注射剤の使用は、長期投与群で短期投与群より有意に少なく、治療離脱が進んでいることがうかがえた。また、治験を始めてから6ヵ月、9ヵ月、12ヵ月後にそれぞれ、尿中オピオイド濃度の検出割合を調べたところ、長期投与群のほうが低率である傾向が見られた。ただしその割合は両群ともに低くはなく、短期投与群で平均72%、長期投与群では同48%であった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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オピオイド誘発性便秘にmethylnaltrexoneは有効

モルヒネなどオピオイド鎮痛薬の治療は癌など進行疾患の疼痛緩和に有効な半面、患者を苦しめる副作用として便秘を伴う。本論は、そうしたオピオイド誘発性便秘を改善するために開発されたmethylnaltrexoneの、第III相試験の報告。皮下投与の安全性と効果を検証した米国サンディエゴ・ホスピス・緩和医療研究所のJay Thomas氏らは、「methylnaltrexoneは速やかに排便を誘発し、オピオイドの鎮痛作用への影響もないようだ」としている。NEJM誌2008年5月29日号より。末期患者133例を対象にプラセボ対照試験methylnaltrexoneは末梢のμオピオイド受容体拮抗剤で、血液脳関門を通過しにくいため、中枢神経でのオピオイドの鎮痛効果に影響しないとされている。試験では、オピオイドを2週以上投与されてオピオイド誘発性便秘となり、安定用量オピオイドと応急的な緩下薬服用を3日以上続けても便通のない末期患者133例を、2週間にわたり1日おきにmethylnaltrexone(0.15mg/kg)皮下投与またはプラセボを投与するよう無作為に割り付けた。共通主要転帰は、試験薬の第1回服用後4時間以内の便通(排便)と、初回服用から4回のうち2回以上で4時間以内に便通があったこととした。この段階を完了した患者は、その後3ヵ月の非盲検延長試験に進んだ。初回投与で4時間以内に48%が便通再開第1回服用後4時間以内に便通があったのは、methylnaltrexone群の48%に対してプラセボ群では15%だった。また最初の4回の服用のうち2回以上で、4時間以内に応急的な緩下薬なしで便通があったのは、methylnaltrexone群の52%に対してプラセボ群は8%だった(両群間比較のP

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平成20年4月1日から「がん性疼痛緩和指導管理料(100点)」が算定可能に

平成20年度診療報酬改定で、がん性疼痛の緩和を目的に医療用麻薬オピオイド鎮痛薬)を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛治療法に従って、計画的な治療管理と療養上必要な指導を継続的に行い、麻薬を処方することに対して「がん性疼痛緩和指導管理料(100点)」が算定できるようになった。保医発第0305001号(平成20年3月5日付)の「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」で通知された(下欄参照)。WHO方式がん性疼痛治療法とは、世界標準のがん性疼痛治療のガイドライン。1986年、「がんの痛みからの解放(Cancer Pain Relief)」においてWHOが推奨する治療法が公表され、その後、疼痛治療の進歩や新知見が取り入れられ、1996年に第2版(改訂版)が刊行された。本治療法は、70~90%のがん患者で痛みを消失させる鎮痛薬の使用法であり、その有効性が実証され、次の5点に要約される。 1.経口的に(by mouth)  鎮痛薬は、できる限り経口投与とすべきである。2.時刻を決めて規則正しく(by the clock)  痛みが持続性であるときには、時刻を決めて規則正しく投与する。  頓用方式の投与を行ってはならない。 3.除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)  鎮痛薬を除痛ラダーにしたがって順次選択していく。4.患者ごとの個別的な量で(for the individual)  鎮痛薬の適切な投与量とは、治療対象となった痛みが消える量である。5.そのうえで細かい配慮を(attention to detail)  患者にとって最良の鎮痛が得られ、副作用が最小となるように  治療を進めるには、治療による患者の痛みの変化を監視し  続けていくことが大切である。 (世界保健機関編. 武田文和訳. がんの痛みからの解放-WHO方式がんの疼痛治療法-.第2版. 金原出版株式会社; p.16-41.)今後は、WHO方式がん性疼痛治療法の5原則に従ってオピオイド鎮痛薬を投与し、副作用等を含めて計画的に治療を行うことで、管理料の算定が可能となる。 【参考】「診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について」保医発第0305001号B001 特定疾患治療管理料22 がん性疼痛緩和指導管理料(1) がん性疼痛緩和指導管理料は、医師ががん性疼痛の症状緩和を目的として麻薬を投与しているがん患者に対して、WHO方式のがん性疼痛の治療法(がんの痛みからの解放-WHO方式がんの疼痛治療法-第2版)に従って、副作用対策等を含めた計画的な治療管理を継続して行い、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤に関する指導を行い、当該薬剤を処方した日に算定する。なお、当該指導には、当該薬剤の効果及び副作用に関する説明、疼痛時に追加する臨時の薬剤の使用方法に関する説明を含めるものであること。(2) がん性疼痛緩和指導管理料を算定する場合は、麻薬の処方前の疼痛の程度(疼痛の強さ、部位、性状、頻度等)、麻薬の処方後の効果判定、副作用の有無、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載する。

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がん性疼痛の緩和の普及に向けてコンソーシアムを設立

4月2日、塩野義、ヤンセンファーマ、テルモ、帝国製薬の4社は、がんで起きる痛みの緩和治療を普及するため、「がん性疼痛緩和推進コンソーシアム」を設立したと発表した。行政やがんセンター、学会などと協力しながら、患者が医師に痛みを適切に伝えるためのポイントや、医療用麻薬の有効性などを医療機関や消費者に広く伝えていく。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/080402.pdf

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麻薬メトカチノン常用者に特徴的なパーキンソン様症候群はマンガンの作用

東ヨーロッパとロシアでは、違法合成麻薬メトカチノン(エフェドロン、ロシアでは通称cat等で知られる)の静注常用者に特徴的な錐体外路症候群が観察されている。ラトビアにあるリガ・ストラディン大学のAinars Stepens氏らのグループは、平均(±SD)6.7(±5.1)年にわたってメトカチノンを常用、錐体外路症状を呈していたラトビア成人23例について調査を行った。対象者が用いていたメトカチノンは、エフェドリンまたは偽エフェドリンの過マンガン酸カリウム酸化作用を用いて、家内製造されたものだった。NEJM誌2008年3月6日号より。常用4~5年で全例が歩行障害、高率で発声不全を発症対象全員がC型肝炎ウイルス陽性で、さらに20例はヒト免疫不全ウイルス(HIV)が陽性だった。聞き取り調査によって神経症状(歩行障害20例と発声不全3例)が最初に発症したのは、メトカチノン使用開始から平均5.8±4.5年。神経学的評価を行ったところ、23例全例で歩行障害と後ろ向き歩行困難を呈し、11例は毎日転倒、そのうち1例は車椅子を使用していた。21例は歩行障害に加えて発声不全があり、そのうち1例は口がきけなかった。認知機能の低下が報告された例はなかった。神経障害に溶液中のマンガンが関与と結論MRI検査では、現在もメトカチノンを常用している全10例に、T1強調画像で淡蒼球、黒質、無名質に対称性の高信号域が認められた。元常用者13例(最後に使用して2~6年経過)では、信号変化のレベルはより小さかった。全血マンガン濃度(正常値<209nmol/L)は、現在もメトカチノンを常用している者は平均831nmol/L(範囲201~2,102)、元常用者が平均346nmol/L(範囲114~727)だった。なおメトカチノン使用を中止した後も神経障害は回復しなかった。これらから研究グループは、メトカチノン溶液中のマンガンが持続的な神経障害を引き起こしているのではないかと結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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【トピック】クローン犬、1匹1600万円で商業化

世界初のクローン犬を誕生させることに成功したソウル大と提携する韓国のバイオ関連企業が、米国の女性から死んだ介助犬の複製依頼を受け、世界で初めてクローン犬の契約を締結したと発表した。契約額は15万ドル(約1600万円)。今後、介助犬や麻薬犬、あるいは癌を発見する犬などでの活用、さらにはペット犬をめぐる「クローンビジネス」の加速化が予想される一方、倫理面の批判があり、議論をよびそうだ。

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神経因性疼痛に対する弱オピオイドと合成カンナビノイドの鎮痛効果

 カンナビノイドは何世紀にもわたり鎮痛薬として用いられてきたが、これを支持するエビデンスは少なく、向精神薬は副作用のため慢性疼痛患者では治療量を使用できないことが多い。それゆえ、神経因性疼痛は治療選択肢が少なく治療が困難である。ロイヤルビクトリア病院疼痛管理部(ニューカッスル、イギリス)のB. Frank氏らは、慢性神経因性疼痛患者においては弱オピオイドであるジヒドロコデインが、合成カンナビノイドであるナビロンよりも鎮痛効果が優れることを明らかにした。BMJ誌2008年1月26日号(オンライン版1月8日付)掲載の報告。VASスコアを疼痛の指標としたクロスオーバー試験 本研究は、慢性神経因性疼痛患者を対象にジヒドロコデインとナビロンの鎮痛効果および副作用を比較する二重盲検無作為化クロスオーバー試験。2001年7月~2002年11月の間にイギリスの3施設の外来を受診した23~84歳の96例が登録され、ジヒドロコデイン→ナビロン群に48例、ナビロン→ジヒドロコデイン群に48例が割り付けられた。 2週間のwash out期間を挟んでそれぞれ6週間の治療を行った。各治療期間の最後の2週間に最大1日用量がジヒドロコデイン240mg、ナビロン2mgとなるよう投与量を漸増した。 疼痛の指標として各治療期間の最後の2週間に視覚アナログスケール(VAS)を測定し、その平均スコアの差を主要評価項目とした。副作用の測定には質問票を用いた。鎮痛効果はジヒドロコデインが優れるが、十分とはいえない ベースラインにおける0~100mmスケールの平均VASスコアは69.6mm(29.4~95.2mm)であった。73例が評価可能であり、64例がper protocol解析の対象となった。疼痛評価期間の平均VASスコアは、評価可能例ではジヒドロコデインよりもナビロンが6.0mm(95%信頼区間:1.4~10.5、p=0.01)長く、per protocol解析では5.6mm(同:0.8~10.3、p=0.023)長かった。副作用の頻度はナビロンのほうが高かった。 Frank氏は、「神経因性疼痛に対する鎮痛効果は、ジヒドロコデインがナビロンよりも優れていた。副作用もジヒドロコデインで少なかったが、両薬剤とも重篤な有害事象はみられなかった」と結論したうえで、「両薬剤の鎮痛効果の差は小さく、ジヒドロコデインの効果も十分とはいえない」と指摘している。

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オピオイド鎮痛薬の処方増大と処方格差の実態

1990年代後半に全米で推進された質改善の動きによって起きたことの一つに、オピオイド鎮痛薬の処方増が挙げられている。しかしそれに関して、救急部門において疼痛治療のためのオピオイド処方が増えたのか、またオピオイド処方をめぐる人種・民族間の格差に関する状況は明らかにされていなかった。そこでカリフォルニア大学疫学・バイオ統計学部のMark J. Pletcher氏らが調査を実施。JAMA誌2008年1月2日号で報告した。13年間のNHAMCSの記録を対象に調査は、National Hospital Ambulatory Medical Care Survey(NHAMCS)の13年間(1993~2005年)の記録から、救急部門受診の理由が疼痛治療関連だったもの、および診断コードを参照抽出して行われた。検証されたのは、救急部門におけるオピオイド処方件数は増えたのか、白人患者は他の人種・民族集団よりオピオイドを処方されている傾向は見受けられるか、および2000年以降、人種・民族間の処方格差は縮小しているかについて。白人患者の有意性は変わらず検証された期間の、救急部門への疼痛治療関連の受診は42%(156,729/374,891)。オピオイド処方は、1993年は23%だったが、2005年には37%に増えており(傾向のP

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糖尿病性神経障害による疼痛に、経口三環系抗うつ薬と従来の抗けいれん薬が有効

糖尿病性神経障害は糖尿病の主な合併症であり、一般に神経障害性の疼痛を伴う。厳格な血糖値のコントロールにより糖尿病性神経障害の進行が遅くなることが示されており、現在のガイドラインでは疼痛の治療には抗うつ薬および新世代の薬剤(SSRI、SSNI)を含む抗けいれん薬の使用が推奨されている。 香港・キリスト教総合病院看護部のMan-chun Wong氏らは、糖尿病性神経障害による疼痛の治療効果に関する体系的なレビューを行い、BMJ誌6月11日付オンライン版、7月14日付本誌において報告した。選出したプラセボ対照無作為化試験のデータを体系的に解析Wong氏らは、いくつかのキーワードに基づいてMedlineなど4つのデータベースから二重盲検無作為化試験の論文を抽出した。さらに、糖尿病性神経障害による疼痛を有する成人を対象とした局所適用製剤および経口薬に関するプラセボ対照無作為化試験を選出した。主要評価項目は疼痛の50%の減少(中等度改善)とし、副次評価項目は疼痛の30%の減少および有害事象による投与中止とした。それぞれの疼痛緩和効果および投与中止のオッズ比を算出した。選出された25編の論文で使用されていた薬剤は、抗けいれん薬(1,270例)、抗うつ薬(94例)、オピオイド(329例)、イオンチャンネル遮断薬(173例)、N-methyl-D-aspartate(NMDA)拮抗薬(14例)、duloxetine(805例)、カプサイシン(277例)、二硝酸イソソルビドスプレー(22例)であった。新世代薬剤は50%疼痛緩和のオッズ比が低い、治療アルゴリズムを提唱50%疼痛緩和のオッズ比は、従来の抗けいれん薬が5.33(95%信頼区間1.77-16.02)、新世代の抗けいれん薬が3.25(同2.27-4.66)、三環系抗うつ薬が22.24(同5.83-84.75)であった。有害事象に関連した投与中止のオッズ比は、それぞれ1.51(同0.33-6.96)、2.98(同1.75-5.07)、2.32(同0.59-9.69)であった。以上の結果から、短期的な疼痛の緩和には、経口三環系抗うつ薬と従来の抗けいれん薬による治療のほうが新世代の抗けいれん薬よりも優れることが示された。Wong氏は、「これらの薬剤の長期的効果は明らかにされていない。今後は、オピオイド、NMDA拮抗薬、イオンチャンネル遮断薬などのさらなる検討が必要」とした上で、これまでの知見に基づいて糖尿病性神経障害による疼痛の治療アルゴリズムを提唱している。(菅野 守:医学ライター)

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