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白血病等へのCD19-CAR改変T細胞療法、有望/Lancet

 再発性・難治性の急性リンパ性白血病、または非ホジキンリンパ腫の患者に対する、CD19をターゲットとするキメラ抗原受容体(CD19-CAR)改変T細胞を投与する治療法について、その実行可能性は90%、最大耐量は1×106個/kgであり、有害事象はすべて可逆的であることが明らかにされた。米国立がん研究所(NCI)のDaniel W Lee氏らが、21例の患者について行った第I相臨床試験の結果で、Lancet誌オンライン版2014年10月13日号で発表した。1~30歳の患者21例について試験 研究グループは、2012年7月2日~2014年6月20日にかけて、1~30歳の、再発性または難治性の急性リンパ性白血病、または非ホジキンリンパ腫の患者21例について試験を行った。全被験者に対し、フルダラビン(商品名:フルダラ)とシクロホスファミド(同:エンドキサン)の投与後、CD19-CAR改変T細胞を投与した。 CD19-CAR改変T細胞は、自己由来T細胞を用いて11日間の工程で作成。1×106個/kg、3×106個/kg、またはそれらでは十分な細胞発現が認められない場合は、すべてのCD19-CAR改良T細胞を投与し、最大耐量を見極めた。 用量増加フェイズの後、最大耐量を投与し追跡を続けた。最大耐量は、1×106個/kg 被験者21例のうち、2例は当初予定した用量のCD19-CAR改変T細胞が得られなかったが、19例が予定用量のCD19-CAR改変T細胞を投与でき、実行可能性は90%であった。 全被験者について、その治療反応性を評価した。最大耐量は、1×106個/kgだった。 最も重篤な有害事象は、グレード4のサイトカイン放出症候群で、3例(14%、95%信頼区間:3.0~36.3%)で発症した。毒性事象についてはすべてが完全に可逆的だった。 最も多くみられたグレード3の非血液学的毒性は、発熱(43%、21例中9例)、低カリウム血症(43%、同9例)、発熱と好中球減少症(38%、同8例)、サイトカイン放出症候群(14%、同3例)だった。

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CTL019、再発・不応性ALLに有効/NEJM

 CD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入したT細胞(CTL019、以前はCART19と呼ばれた)は、再発・不応性の急性リンパ性白血病(ALL)に対し完全寛解率90%、最長で2年の寛解維持をもたらしたとの研究結果が、米国・フィラデルフィア小児病院のShannon L Maude氏らにより、NEJM誌2014年10月16日号で報告された。再発ALLの治療は、積極的なアプローチが可能な場合であっても困難であり、遺伝子操作を加えたT細胞療法は新たな治療戦略とされる。CTL019は、従来治療の限界を克服し、不応例にも寛解導入をもたらす可能性があることが示されている。30例のパイロット試験で有用性を評価 研究グループは、再発・不応性ALLに対するCTL019によるT細胞療法の有効性を評価するパイロット試験を実施した。CTL019は、患者由来のT細胞にレンチウイルス・ベクターを介してCD19を標的とするキメラ抗原受容体を導入した自家T細胞であり、0.76~20.6×106cell/kgが患者に投与された。 2012年4月~2014年2月までに、5~22歳の25例(小児コホート)がフィラデルフィア小児病院で、26~60歳の5例(成人コホート)がペンシルバニア大学病院で治療を受けた。有効性と毒性の評価とともに、血中のCTL019の増殖および残存のモニタリングを行った。 30例のうち、26例が初回~4回目の再発性のB細胞性ALL、3例が原発性不応性のB細胞性ALL、1例はT細胞性ALLであった。年齢中央値は小児コホートが11歳、成人コホートは47歳、女性がそれぞれ11例、1例で、小児コホートのうち18例は同種幹細胞移植後の再発例であった。ブリナツモマブ(T細胞上のCD3に結合するドメインおよびCD19結合ドメインを有する二重特異性抗体)無効例が3例含まれた。サイトカイン放出症候群、脳症は管理可能 完全寛解は27例(90%)で得られた。そのうち2例はブリナツモマブ不応例、15例は幹細胞移植例であった。2~24ヵ月のフォローアップ期間中に19例が寛解を維持し、このうち15例は追加治療を要しなかった。CTL019細胞は生体内で増殖し、奏効例では血液、骨髄、脳脊髄液中に検出された。 6ヵ月無イベント生存率は67%、6ヵ月全生存率は78%であり、これらの患者は寛解が維持されていた。6ヵ月時のCTL019の検出率は68%、無イベントB細胞無形成率は73%であった。B細胞無形成は、機能性CD19標的T細胞の残存に関する薬力学的(PD)指標で、すべての寛解維持例に認められ、CTL019が検出不能となった後も、最長で1年間持続した。 全例にサイトカイン放出症候群が認められたが、ほとんどは自己制御が可能で、高熱や筋肉痛を伴う場合も数日で自然消退した。本症はCTL019関連の主要な毒性作用で、T細胞の活性化および増殖によるサイトカインの上昇に起因する全身性の炎症反応である。重症例は27%で、いずれもCTL019投与前の疾病負担が大きい症例であり、抗インターロイキン-6受容体抗体であるトシリズマブが有効であった。 神経毒性(失語、錯乱、せん妄、幻覚)が13例にみられた。また、高熱発症後の遅発性の脳症が6例に発現したが、自己制御が可能で介入なしで2~3日で回復した。 著者は、「CD19を標的とするキメラ抗原受容体導入T細胞療法は、自家幹細胞移植無効例を含む再発・不応性ALLの治療に有効である」とまとめ、「ある程度のサイトカイン放出症候群の発現は有効性の指標である可能性がある」「ブリナツモマブ不応例で完全寛解が得られたという事実は、CD19標的治療が奏効しない症例にも、CTL019は有効な可能性があることを示唆する」と指摘している。

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心房細動患者PCI後の抗凝固療法と 抗血栓療法併用の現状と問題点

※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。PCI後のステントでは血小板を主体とする動脈血栓、心房細動による血栓塞栓症では静脈血栓をケアする。では心房細動合併患者のPCI後はどうすべきか?永年にわたり議論を呼ぶこの話題について、本年9月の欧州心臓病学会(ESC2014)での発表内容を含め最新の情報を北里大学 循環器内科学 教授 阿古 潤哉氏がレビューする。 チャプター(順次公開)1.Af患者PCI後の血栓症2.Triple therapyは必要か?3.ワルファリンはどこまで効かせる?4.NOACは?5.BMS vs DES?6.1年後はOACのみか、OAC+APTか?

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未来を担う医療系学生(18)

山下 優花さん九州大学大学院医学系学府 医療経営管理学専攻 1年希望進路:血液内科「これから」の日本の医療に本当に必要とされる人財になれるよう、自分の道を信じて学び続けたい。コメントAIDS関連のボランティアをしていたので、就職は血液内科に進みたいです。その先は、病院経営に携わる方向に行けたらいいなと思っています。元々親戚が電気屋さんを経営しているのを身近に感じていたり、起業者のセミナーに参加してみて、医療系にも経済感覚の発想を取り入れられたら、もっと医療現場もよくなっていくのかなって思っています。自分の道を信じて、医療業界と地元・九州の発展に貢献できる人財になれるように学び続けたいです!撮影:江上嘉郁

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血栓症の病態と抗血栓薬の基礎

※タイトルを選ぶとお好きなチャプターからご覧いただけます。新たな抗血小板薬および抗凝固薬が続々と登場している近年。これらを有効に活用するためには、血栓症の病態とそれに対応する薬剤のメカニズムを把握する必要がある。今回は止血のメカニズムから抗血栓薬の基本までを血液のスペシャリスト北里大学 医学部 血液内科学 宮崎浩二氏が解説する。チャプター(順次公開)1.止血のメカニズム2.病的血栓症3.動・静脈血栓のちがい4.抗血栓薬の基本覚えておくと便利な抗血栓薬(PDF) :宮崎浩二氏監修

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「腰痛」に潜む多発性骨髄腫

 多発性骨髄腫(MM)は血液悪性腫瘍(形質細胞性腫瘍)の1つであり、悪性リンパ腫や白血病に次いで患者数の多い疾患である。MMは高齢者に多くみられる疾患で代表的な症状の1つに「腰痛」がある。しかし、腰痛を患っている高齢者は多いため、見逃されていることもあるという。 2014年8月27日(水)、JPタワーホール&カンファレンス(東京都千代田区)にてセルジーン株式会社主催「第4回ヘマトロジー勉強会」が開催され、「腰痛から始まる血液悪性腫瘍~多発性骨髄腫を知っていますか?~」と題し、国立国際医療研究センター 血液内科診療科長の萩原 將太郎氏が講演を行った。 MMは、B細胞の最終分化形態である形質細胞ががん化することによって発症する。がん化した形質細胞は、造血を抑制することで貧血を引き起こし、骨芽細胞に対して造骨を抑制し破骨細胞に対して溶骨を促進することで、骨病変(病的骨折・高度の骨粗鬆症など)を引き起こす。また、がん化した形質細胞が産生するM蛋白が心臓、腎、神経などにアミロイド蛋白として沈着することで、アミロイドーシスを引き起こす。このように、MMは多彩な臓器障害を来す複雑な疾患である。 MMのうち治療対象となる症候性MMは、形質細胞とM蛋白の存在だけではなく、臓器障害(腎機能障害、貧血、骨病変など)を呈する状態を指す。治療方針としては、それぞれの患者さんの年齢や合併症などを考慮の上、化学療法あるいは分子標的薬を含む寛解導入療法に引き続く造血幹細胞移植、もしくは移植は行わず、化学療法/分子標的薬のみを選択する。近年、治療法の進歩により、MMの予後は改善傾向にある。治療の方向性は、非特異的な化学療法剤から特異的な分子標的薬へと変化し、現在もさまざまな薬剤の開発が進んでいる。MMの骨病変により圧迫骨折している場合には、椎体形成術が奏効する場合も多く、疼痛の軽減などQOLの改善に有用な方法である。 2025年には、高齢者が最も多くなるといわれており、MMの患者数は今後も増えることが予想されている。日常診療の中で、慢性的で原因のわからない「腰痛」を訴える高齢患者さんを診た場合には、MMの可能性も考慮し、血液検査を行うことが勧められる。

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献血ドナーのHEV感染率は予想以上/Lancet

 英国の献血ドナー中の遺伝子3型E型肝炎ウイルス(HEV)感染者の割合は0.04%と、予想以上に高率で存在することが明らかになった。また、そうした感染者の献血を受けたレシピエントのうち、同ウイルスへの感染は4割以上で検出されたという。英国National Health Service Blood and TransplantのPatricia E Hewitt氏らが、同国で行われた献血後ろ向きに調査を行い報告した。Lancet誌オンライン版2014年7月28日号掲載の報告より。HEV RNAについてスクリーニング、レシピエントも追跡調査 研究グループは、2012年10月~2013年9月に、英国南東部で行われた22万5,000件の献血について、後ろ向きにHEV RNAのスクリーニングを行った。 HEV RNAの検出については、血清学的、ゲノムによる系統学的な分析を行った。同献血のレシピエントも特定し、献血による同ウイルス感染のアウトカムについて調査した。HEV感染ドナー、71%が献血時に血清学的陰性 その結果、79例のドナーで遺伝子3型HEVのウイルス血症が検出され、HEV RNAの有病率は、2,848件中1件(0.04%)相当であることが示された。なお、同ウイルス血症を持つドナーのうち56例(71%)が、献血時には血清学的陰性だった。 79例のドナーから129個の血液製剤がつくられ、そのうち62個が60例への輸血に使われていた。同輸血のレシピエント43例について調べたところ、18例(42%)で同感染が認められた。 研究グループは、献血ドナーのHEV RNA罹患率は予想より高かったとまとめている。また、2,848件中1件という有病率から推定すると、試験を行った年に英国内で発生した急性HEV感染の発生件数は8~10万件に上るとしている。

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SCIDの造血細胞移植にあらゆるドナーの可能性/NEJM

 重症複合免疫不全症(SCID)が、感染症の発現前に同定された幼児では、HLA適合同胞以外のドナーからの造血細胞移植であっても良好な生存率が期待できることが、米国・ボストン小児病院のSung-Yun Pai氏ら原発性免疫不全症治療コンソーシアム(PIDTC)の調査で示された。PIDTCは、SCIDおよび他の原発性免疫不全症の小児に対する造血細胞移植の成績の解析を目的に組織された。とくに出生時にSCIDと診断された小児において、より安全で有効な根治療法をデザインするためには、良好な移植のアウトカムに関連する因子の同定が求められる。NEJM誌2014年7月31日号掲載の報告。10年間、240例の患者データを後ろ向きに解析 PIDTCは、2000年1月1日~2009年12月31日までの10年間に、北米の25施設で造血細胞移植を受けたSCIDの患児240例のデータを後ろ向きに収集し、レビューを行った。対象は、T細胞数<300/mm3、T細胞のマイトジェンに対する反応がなく、同種造血細胞移植を受けた患児であった。 移植関連データとして、移植時年齢、感染症の有無、前処置レジメン、ドナーのタイプ、HLA適合度、移植細胞のソース、T細胞の除去法、移植片対宿主病(GVHD)の予防法を記録した。また、免疫再構築関連データとして、移植後100日、6ヵ月、1年、2年、5年、10年時のCD3陽性T細胞、CD19陽性またはCD20陽性B細胞、CD3陰性/CD56陽性またはCD16陽性/CD56陽性NK細胞の数などを抽出した。 移植時年齢が生後3.5ヵ月以下の患児は68例(28%)、3.5ヵ月以上は172例(72%)で、男児が173例(72%)であった。CD3陽性T細胞数中央値は20/mm3(0~9,708/mm3)であり、感染症歴ありは171例(71%)で、そのうち106例(62%)で移植時に活動性の感染症を認めた。5年生存率:3.5ヵ月以下で94%、3.5ヵ月以上/感染症ありで49% HLA適合同胞ドナーからの移植を受けた患児は、HLAの一致する血縁者以外のドナー(代替ドナー)から移植を受けた患児に比べ、5年生存率、免疫グロブリン補充が不要の率、CD3陽性T細胞やIgAの回復率が良好であった。 その一方で、ドナーのタイプにかかわらず生存率が良好なサブグループとして、1)生後3.5ヵ月以下で移植を受けた患児[5年生存率:94%]、2)生後3.5ヵ月以上で移植前に感染症を認めなかった患児[同:91%]、3)移植時には感染症が解消していた患児[同:83%]が挙げられた。生後3.5ヵ月以上で移植時に活動性の感染症がみられた患児の5年生存率は49%だった。 HLA適合同胞ドナーがなく、移植時に活動性の感染症がみられる場合は、前処置なしでハプロタイプ一致T細胞除去グラフトの移植が行われた患児の生存率が最も高かった。 生存患児では、強度減弱前処置または骨髄破壊的前処置により、CD3陽性T細胞数が1,000/mm3以上となる率、免疫グロブリン補充が不要の率、IgAの回復率が改善した。一方、これらの前処置は、CD4陽性T細胞の回復や、フィトヘマグルチニン誘導性T細胞増殖の回復には有意な影響を及ぼさなかった。 RAG1、RAG2、DCLRE1C遺伝子の変異を有する患児は、IL2RG遺伝子変異陽性患児に比べCD3陽性T細胞の回復が不良であった(単変量解析、p<0.001)。このような遺伝学的サブタイプの違いによる生存への影響は認められなかった。 著者は、「感染症の発現前にSCIDが同定された患児では、HLA適合同胞以外のドナーからの移植でも良好な生存率が達成された。無症状であれば、グラフトのソースを問わず良好な生存率が期待できる」と結論している。

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日本の血液由来MRSAの感受性動向

 北里大学の花木 秀明氏らは、2008年1月~2011年5月の3年間にわたり、全国の病院から集めた血液由来のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)830株について薬剤感受性調査を実施した。その結果、血液由来のMRSAにバンコマイシン軽度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)が蔓延していること、バンコマイシンへテロ耐性黄色ブドウ球菌(hVISA)とβラクタム薬誘導性バンコマイシン耐性MRSA(BIVR)の2つの表現型を示す株の割合が高いことが認められた。Journal of infection and chemotherapy誌オンライン版2014年7月22日号に掲載。 薬剤感受性は、CLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute:臨床検査標準協会)の推奨基準により判定した。 主な結果は以下のとおり。・MRSA株の99%以上が、テイコプラニン、リネゾリド、スルファメトキサゾール/トリメトプリム、バンコマイシンに対して感受性を示し、97%以上がダプトマイシン、アルベカシンおよびリファンピシンに感受性を示した。・MRSA株の大部分が、ミノサイクリン、メロペネム、イミペネム、クリンダマイシン、シプロフロキサシン、セフォキシチン、オキサシリンに耐性を示した(それぞれの耐性率:56.6%、72.9%、73.7%、78.7%、89.0%、99.5%、99.9%)。・MRSA株のうち72株はバンコマイシンに対する感受性が低下していた。このなかには、8株(0.96%)のVISA、54株(6.51%)のhVISA、55株(5.63%)のBIVRが含まれる。・54株のhVISAと55株のBIVRのうち、45株(それぞれ、83.3%、81.8%)がhVISAとBIVR両方の表現型を示した。

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敗血症のアルブミン、死亡抑制に差なし/BMJ

 成人敗血症に対する体液補充や蘇生輸液におけるアルブミン製剤の使用は、クリスタロイド溶液やコロイド溶液に比べて全死因死亡を改善しないことが、英国インペリアル・カレッジ・ヘルスケアNHSトラスト、ハマースミス病院のAmit Patel氏らの検討で示された。イギリス国立医療技術評価機構(NICE)やSurviving Sepsis Campaignのガイドラインは、主に2011年のメタ解析や2004年のSAFE試験の結果に基づき、成人敗血症の体液補充や蘇生輸液へのアルブミン製剤の使用を推奨している。一方、これらの試験の質は十分に高いとは言えず、その後に行われた試験の結果も相反するものだという。BMJ誌オンライン版2014年7月22日号掲載の報告。アルブミン製剤の有用性をメタ解析と逐次解析で評価 研究グループは、敗血症患者に対する体液補充や蘇生輸液におけるアルブミン製剤の有効性と安全性を評価するために、関連する無作為化臨床試験の論文を系統的にレビューし、メタ解析と逐次解析(trial sequential analysis)を行った。 データの収集には、医学関連データベースや学会プロシーディングスのほか、参考文献リストを検索し、必要に応じて著者に連絡を取った。対象は、成人敗血症患者に対する救急治療や集中治療において体液補充や蘇生輸液にアルブミン製剤が使用され、対照(クリスタロイド溶液、コロイド溶液)との比較を行った前向き無作為化試験であり、敗血症の重症度は問わず(ベースライン時の低アルブミン血症の有無を確認)、全死因死亡のデータが提示されているものとした。 2名の研究者が別個に論文を精査し、バイアスのリスク、試験方法、患者、介入法、比較の方法、アウトカムのデータを抽出した。ランダム効果モデルを用いて全死因死亡の相対リスクを算出した。主要評価項目はフォローアップ終了時の全死因死亡であった。「中等度」のエビデンスレベルで「相対リスクに差なし」 16の臨床試験(18論文)に登録された敗血症、重症敗血症、敗血症性ショックで救急治療または集中治療を受けた4,190例が解析の対象となった。年齢中央値60.8歳の患者に対し、70.0g/日(中央値)のアルブミン製剤が3日間(中央値)投与されていた。アルブミン製剤の総投与量中央値は175gであった。クリスタロイド溶液は0.9%生理食塩水や乳酸リンゲルが、コロイド溶液は主にヒドロキシエチルスターチ(HES)が使用された。 アルブミン製剤群と対照群の間には、死亡の相対リスクの差を認めず(相対リスク[RR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.87~1.01、p=0.11、I2=0%)、「アルブミン製剤に相対的なベネフィットはない」との見解が支持された(エビデンスの質は、GRADE[Grading of Recommendations, Assessment, Development and Evaluation]基準で「中等度(moderate)」の判定)。 アルブミン製剤の死亡の相対リスクは、クリスタロイド溶液(RR:0.93、95%CI:0.86~1.01、p=0.07、I2=0%)およびコロイド溶液(同:1.04、0.79~1.38、p=0.76、I2=0%)と比べても有意な差はなかった。エビデンスの質は、クリスタロイド溶液との比較は「高い(high)」、コロイド溶液との比較は「たいへん低い(very low)」と判定された。 バイアスのリスクが高い試験を除外したうえで、事前に規定されたサブグループ解析を行ったが、「死亡に関するベネフィットはない」との知見に変化はなかった。 著者は、「成人敗血症に対するアルブミン製剤による体液補充や蘇生輸液は全死因死亡の抑制に有効ではない」とまとめ、「アルブミン製剤は安全に使用でき、有害性の徴候は検出されなかったが、本試験で得られた知見は現行のガイドラインの推奨を支持しない」としている。

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重症鎌状赤血球症のミニ移植の効果/JAMA

 重症鎌状赤血球症への骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植(HSCT)は、生着率が87%に上ることが、米国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)のMatthew M. Hsieh氏らによる検討の結果、判明した。HSCTは、小児の重症鎌状赤血球症では治療効果が認められていた。しかし、成人患者については有効性、安全性が確立されていなかった。JAMA誌2014年7月2日号掲載の報告より。30例を対象に骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植、1年後のアウトカムを評価 研究グループは、2004年7月16日~2013年10月25日にかけて、16~65歳の重症鎌状赤血球症の患者30例を対象に、ヒト白血球抗原(HLA)適合の兄弟姉妹によるHSCTを行った。被験者の中には、サラセミアが認められる患者もいた。 主要評価項目は、移植1年後の鎌状赤血球症患者のドナー型ヘモグロビンへの完全変換と、サラセミア患者の輸血非依存性だった。 副次評価項目は、ドナーの白血球キメラ現象の程度、急性・慢性移植片対宿主病発生率、鎌状赤血球‐サラセミア病の無病生存率などだった。患者15例が免疫反応抑制剤の服用を中止 被験者30例のうち1例は再発後の頭蓋内出血で死亡した。残る29例の生存期間中央値は3.4年(1~8.6年)だった。 2013年10月時点で、急性・慢性移植片対宿主病を有さず長期安定的ドナー生着が認められたのは26例(87%)だった。骨髄キメラ率は86%(95%信頼区間[CI]:70~100%)だった。 ドナーT細胞平均値は48%(95%CI:34~62%)で、移植を受けた患者の15例で安定的ドナーのキメラ現象が続き、移植片対宿主病もなく、免疫反応抑制剤の服用を中止した。 また、年平均入院率についても、移植前年が3.23(95%CI:1.83~4.63)だったのに対し、移植後1年目が0.63(同:0.26~1.01)、2年目は0.19(同:0~0.45)、3年目は0.11(同:0.04~0.19)だった。 なお、重度有害事象の発生は38件だった。疼痛や関連処置、感染症、腹部事象、シロリムス関連の毒性作用などが報告されている。

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コーチングで多職種のチーム医療が高まった

「仁愛の精神のもとに、皆さまと共に考える医療をめざします」を病院理念に掲げ、神奈川県県央地域約34万人の急性期医療を担う海老名総合病院。病院長の内山喜一郎氏が就任後に行った、経営面でのバランスト・スコアカードの導入、その仕組みを支えるスタッフ間のコミュニケーション強化のためのコーチング導入など、さまざまな改革が功を奏し、安定した病院運営を行っている。今回は、コミュニケーションの活性化に向けてコーチングを導入したことで、病院がどのように変化したか、導入・推進の立役者である内山喜一郎氏、恩田美紀氏(看護副部長)に話を聞いた。■病院長就任時に与えられた課題達成のために--海老名総合病院の特色や抱えている課題についてお聞かせください内山氏当院は、海老名市を中心に県央約34万人の生命を守る急性期の総合病院です。2次救急ですが、心臓血管外科・循環器科・脳神経外科は3次救急まで対応できるのが特色です。100名を超える医師を中心に、総勢950名のスタッフの「総合力」で日々の診療に取り組んでいます。この「総合力」こそが、質の高い医療に必要とされる「チームの力」と考えています。私が、病院長就任時に与えられた課題が「全国レベルで名の通った病院にする」というものでした。2010年には今後の病院経営の核となる中長期(5ヵ年)計画を作り、「経営の可視化」と「人材育成」を最重要課題に据えました。経営については、戦略実行ツールとしてバランスト・スコアカード(BSC)*を導入しました。*バランスト・スコアカード組織のビジョンと戦略を、財務・顧客・業務プロセス・学習と成長の4つ視点から具体 的なアクションへと変換して計画・管理し、戦略の立案、支援を行う経営ツールもう1つの課題である人材育成では、研修医を含めた全職種参加型の新入職員研修を毎年実施し、平成25年には法人本部と共同で、次世代を担う若手リーダー研修を開始しました。--導入のきっかけについてお聞かせください内山氏当院の血液内科は、東海大学医学部血液腫瘍内科から医師の派遣をしていただいています。その関係で教授の安藤潔氏に以前「コーチング」のことを教えていただいたことがあります。BSCを進めていくと、コミュニケーションの重要性がわかってきました。しかし、2011年に院内の職員満足度調査をしたところ、結果が芳しくなく、スタッフ間、特に上司・部下間のコミュニケーション問題が顕在化してきました。その時に安藤氏から聞いていた「コーチング」が頭に浮かんだのが、導入へとつながります。最初は、「まずは私自身が変わろう」と思い、自費でコーチングを1年間受けました。自分自身で体験した結果、コミュニケーションを円滑にし、患者さんやスタッフの満足度を高めるためには、コーチングは有効な手段だと思い、院内会議で提案し、了承後に病院全体でプロジェクトとして導入することになりました。■本当の自分をさらけ出す勇気--コーチング・トレーニング導入への準備や導入中の変化についてお聞かせください内山氏はじめに、病院の理念や「あしたの幸せをあなたと創る」という価値観をもとに、コーチングを院内プロジェクトとして進めるにあたり、病院側の主軸メンバー(事務局)とコーチ・エィのスタッフとで、何時間もかけてゴール設定について議論しました。そして、病院としてのゴールを、「職種の垣根を越えて、誰とでも安心して話せる、お互いに認め合って、職員と患者さんの幸せのために進んでいく病院」と定めました。前述の当院の「理念」の中には、「皆さまと共に」という言葉があります。これは、「チーム医療」を込めた思いであり、患者さんもチームに入ってもらうという思想があります。そのため、チーム医療で障害となる壁を作らないために院長就任時に「呼称変更」を実施し、当院では全員「さん」づけで呼ぶようにしています。恩田氏コーチング・トレーニングでは、職種の垣根を越えて、ステークホルダー(トレーニング参加中に、自分でコーチする人)を5人選ぶ必要があります。当院では、職種連携やチーム医療の質を高めるという目的があったので、自分と業務上接点のある人が選定基準となり、部署内から3人、部署外から2人選びました。この5人のステークホルダーとの対話の中で、初めて耳にする他部署(他職種)の事情や目標、課題意識が多くあり、「何て今まで自分は他部署を知らないでいたのか」と気付き、視野を広く持つことを心がけるようになりました。また、トレーニングの過程において、さまざまなタイミングや場所で、いろいろな人と話をすることで、対話の風土ができていきました。私自身も質問とフィードバックの対話を通じて、個々の人に注目し、関心を寄せるようになりました。逆にステークホルダーからのフィードバックでは、自分がどんな風に見られているのか、何を期待されているのかを知るのが楽しみでした。内山氏最初にコーチングを受ける際に少し抵抗があったのが、「360度フィードバック」でした。ステークホルダーからもフィードバックがあるということで、自分が周りからどう見られているのかを目の当たりにするのは、本当はちょっと複雑な気分でした。ですが、周りの人とは、落語にでてくる八五郎(八っつあん)と熊五郎(くまさん)のように、お互い底のところで相手を思いやる関係ができているからこそできる、遠慮のない言い合いが院内でもできたらいいなと思い、踏み切りました。今だから言えることは、先に素のままの自分を出してしまった方が、後で気持ちが楽ということです。ただ一歩踏み出すまでは、勇気が必要でした。■コーチングは専門の垣根を越えた共通言語を作る--コーチング導入後の効果や取組みについて、お聞かせください内山氏コーチングを学んだ職員はまだまだ多いとは言えませんが、導入の効果としては、院内のコミュニケーションが良くなり、スタッフの満足度が上がったのはもちろん、日常会話でもコーチングに関する話が増えるようになりました。例えば、部下のタイプを4つに分類する作業がありますが、これが面白くて結構当たっているので話題になったり、新しい取り組みとしては、『コーチングタイムズ』(年3回発行)という職員向けの広報誌を制作し、スタッフ全員に興味を持ってもらえるように、配布したりしました。また、コーチング・ミーティングをイベント化したり、慰労会も増えたような気がします。大きな成果としては、コーチングが院内に浸透していくことで、その評価が高まり、法人グループ全体に導入へ向けて裾野が拡がっていることでしょうか。もともと病院の戦略目標を達成するためのツールとしてBSCを導入し、業務改善に伴うアクションプランを可視化することはできていました。しかし、根底を流れるコミュニケーションが円滑でない限り、アクションプランの可視化はできても、中身が上手く回りません。そこで、コーチングが必要でした。円滑なコミュニケーションは、BSCを実働・加速させ、それが最終的には理念浸透と収益向上に繋がると感じています。BSCと業務改善とコーチングは、当院の経営の3本の柱とも言えるでしょう。--今後の展望や抱負についてお聞かせください恩田氏病院にはいろいろな専門職がいて、患者さんに医療を提供するのですが、コーチングのトレーニングを受けたリーダーが多くいれば、職種や部門の壁を越えて共有できる意識やマネジメントが多くなり、共通言語を用いたコミュニケーションがとれるようになります。そうすると、各部署のリーダー間のコミュニケーションもとりやすくなり、部下への接し方にも共通項ができて、チーム医療がよりよく進んでいくと思います。今後も部署や職種の壁を越えて、周りの人たちと対話する文化を作りながら、自分の変化も相手の変化も楽しく受け入れて、病院全体を変えていきたいと思います。内山氏個人的にコーチングを受けていてよかったことは、頭の中の混沌とした思考が具体的になり、整理できるようになったことです。また、リーダーは常に孤独ですから、思考が行き詰ったら自分のコーチに相談できることが素晴らしいと思います。これからもBSCとコーチングで実績を出し、これを法人グループ全体に展開していけたらと考えています。グル―プ各施設は所在地が離れていても、同じ意識や共通言語でつながっているということは、これからのマネジメントでは必要なことだと思います。病院の利用者の声も、以前よりも病院が「よくなった」というものが多くなりました。将来的には、コーチングを管理職のキャリアパスの中に取り入れたいと思っています。●病院概要名称社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院病院長内山喜一郎診療科目27科5センター病床数469床  入院基本料看護基準 7対1職員数950名その他地域医療支援病院取得、日本医療機能評価機構認定病院インデックスページへ戻る

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新規経口薬、移植後サイトメガロウイルス感染症の予防効果を確認(解説:吉田 敦 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(217)より-

サイトメガロウイルス(CMV)感染症の治療薬には、これまでガンシクロビル(GCV)やバルガンシクロビル、ホスカルネット、シドホビルが用いられてきたが、血球減少や腎障害、電解質異常といった副作用が高率に生じるうえ、しばしば耐性ウイルスが出現し、治療上困難に直面することが多かった。 予防投与の場合も同様で、たとえば造血幹細胞移植の際にGCVによる予防投与を行うとCMV感染症のリスクは減少するが、副作用としての好中球減少によって細菌感染症、真菌感染症が増加する。さらに移植後100日以降の遅発性CMV感染症も増加するという。 今回、新規に開発されたレテルモビル(AIC246)が同種造血幹細胞移植患者において有意にCMV感染症の発生を抑制したことが、第II相試験の結果、示された。最高用量240mg/日で最も大きな効果が認められ、安全性についても忍容可能であったという。新たな抗ウイルス薬が求められてきた中で、将来有望な薬剤として期待される。NEJM誌2014年5月8日号掲載の報告。レテルモビル60、120、240mg/日の12週投与の有効性と安全性を検討 レテルモビルはCMV DNAの開裂とパッケージ化に関与するターミナーゼサブユニットに作用する経口抗CMV薬である。ヒトには同様の標的酵素が存在しない利点を持ち、さらに従来の抗CMV薬とは作用機序が異なるため、すでに耐性ウイルスが生じてしまった場合にも有効である。 第II相試験では、レテルモビル60、120、240mg/日の12週投与の有効性と安全性について、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験にて評価が行われた。被験者は2010年3月~2011年10月に19施設(ドイツ9、米国10)で基準*を満たした131例であり、各用量投与群およびプラセボ群に無作為に割り付けられた。開始5日以内にpp65アンチゲネミアないし血中CMV DNAが検出されなかった例において、移植のday 1から開始された。毎週CMV抗原またはDNA検査を行うとともに、CMV diseaseの発症と副作用の有無をday 92までチェックした。 主要エンドポイントは、薬剤投与中の予防の失敗(原因を問わない。CMV抗原やDNAの2回連続での検出を含む)であり、その頻度と予防失敗までの時間が割り出された。*骨髄移植後にCMVに対する治療が行われた者、T細胞除去移植を受けた者、コントロールできていない感染症を有する者、グレード2以上のGVHDを発症している者は除外した。240mg/日群で最も抑制、安全性プロファイルはプラセボ群と類似 各群における全要因による予防失敗率は、投与量が増すにつれて少なくなっており、プラセボ群では64%、レテルモビル60mg/日群では48%(p=0.32)、120mg/日群では32%(対プラセボp=0.01)、240mg/日群では29%(同p=0.007)であった。ウイルス学的な予防失敗率も同様の結果であり、またKaplan-Meier分析の結果、予防失敗までの期間については240mg/日群でプラセボ群と比し有意な差が認められた(p=0.002)。 一方、安全性プロファイルは、いずれもプラセボ群と類似しており、血液毒性や腎毒性の徴候は認められなかった。 今回の第II相試験で、240mg/日のレテルモビルは効果、安全性の両方で良好な成績を収めた。研究の限界として、検討期間内にCMV diseaseを発症した患者がいなかったこと、ならびに遅発性CMV感染症の予防に関する情報が得られなかったことが挙げられるが、移植後早期の予防には有力な薬剤といえそうである。開発中の他の薬剤とともに、臨床への導入の道筋が開けることに期待したい。

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イブルチニブ、治療抵抗性のメカニズムが明らかに/NEJM

 慢性リンパ性白血病(CLL)への有効性が認められているブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イブルチニブ(国内未承認)について、米国・オハイオ州立大学のJennifer A. Woyach氏らにより治療抵抗性のメカニズムが明らかにされた。再発患者の血液検体を用いた遺伝子解析の結果、イブルチニブ結合が起きるシステイン残基に突然変異がみられる頻度が高かったという。NEJM誌オンライン版2014年5月28日号掲載の報告より。再発患者の血液検体をゲノム解析 研究グループは、イブルチニブ治療抵抗性を呈した6例の再発CLL患者の血液検体を用いて、ベースライン時と再発時点で全ゲノムエキソーム配列決定を行った。また、同定した変異の機能分析も行い、さらに、リンパ球増加が認められた9例の患者の血液検体について、トレントシーケンスを行い治療抵抗性変異の同定を行った。イブルチニブ結合部位での突然変異を同定 結果、5例の患者で、イブルチニブ結合部位のBTKでシステインからセリンへの変異が起きていることを同定した。また、2例の患者のPLCγ2では、3つの異なる変異が起きていた。 機能分析では、BTKのC481S変異がイブルチニブの可逆的な阻害をもたらすタンパク質に帰着することが示された。また、PLCγ2におけるR665WとL845Fの突然変異が、自律的B細胞受容体活性に結びついている可能性も示唆されたという。 これらの変異は、イブルチニブ治療を受けリンパ球増加が認められた患者ではまったく認められなかった。 以上の所見を踏まえて著者は、「所見は、BTKのすぐ下流にPLCγ2の2種の突然変異があることを示すもので、CLLにおけるイブルチニブ活性作用におけるB細胞受容体経路の重要性を強調するものである」とまとめている。

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HIV-1感染患者にイソニアジド予防投与は有効/Lancet

 抗レトロウイルス療法を受けているHIV-1感染患者へのイソニアジド(商品名:イスコチンほか)投与は、結核1次予防に有効であることが、南アフリカ共和国・ケープタウン大学のMolebogeng X Rangaka氏らが行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告された。結果を踏まえて著者は、「発生リスクの高い地域では、抗レトロウイルス療法を受けている患者全員に、イソニアジド接種を推奨すべきである」と提言している。Lancet誌オンライン版2014年5月14日号掲載の報告より。抗レトロウイルス治療患者を対象に無作為化二重盲検プラセボ対照試験 本検討は、抗レトロウイルス療法を受けている18歳以上のHIV-1感染患者について、結核リスクに対するイソニアジド予防投与の効果を評価することが目的だった。 試験は、南アフリカのカエリチャで行われた。被験者を1対1の割合でイソニアジド予防投与を12ヵ月間受ける群またはプラセボ投与群に無作為に割り付けて検討した。被験者および担当医、薬局スタッフは、試験割り付けについて知らされなかった。またスクリーニング時点で、喀痰検査で判明した結核例は除外された。 主要エンドポイントは、結核の発症(確定、疑い、不確定例含む)で、試験薬投与前に試験参加を中止した被験者、ベースライン時の喀痰検査で結核が示唆された被験者を除外した修正intention-to-treatにて分析を行った。イソニアジド群のハザード比は0.63 2008年1月31日~2011年9月31日に、1,329例が無作為化を受け(イソニアジド群662例、プラセボ群667例)、3,227人年が追跡と分析を受けた。 記録された結核発症例は95例であった。そのうちイソニアジド群は37例で、発生率は2.3/100人年(95%信頼区間[CI]:1.6~3.1)、プラセボ群は58例で同3.6/100人年(同:2.8~4.7)で、イソニアジド群のハザード比(HR)は0.63(95%CI:0.41~0.94)だった。 一方、グレード3または4のALT値上昇のため試験薬投与を中断したのは、イソニアジド群19/662例、プラセボ群10/667例だった(リスク比1.9、95%CI:0.90~4.09)。 イソニアジド予防投与の効果について、ツベルクリン反応検査あるいはインターフェロンγ放出アッセイ(IGRA)が陽性であった患者に限定されるというエビデンスは認められなかった。すなわち、結果が陰性であった患者の補正後HRは、ツベルクリン反応検査0.43(95%CI:0.21~0.86)、IGRA 0.43(同:0.20~0.96)であり、陽性患者についてはそれぞれ0.86(同:0.37~2.00)、0.55(同:0.26~1.24)だった。 以上の結果を踏まえて著者は、「さらなる予測試験や有益性を予測する多変量アルゴリズム抜きで、イソニアジド予防投与は、中等度~高度の発生地域で抗レトロウイルス療法を受けているすべての患者に、ツベルクリン反応テストやIGRAの陽性・陰性の有無にかかわらず推奨されるべきである」とまとめている。

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