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本邦3剤目のCAR-T療法liso-cel、国内承認/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブとその関連会社セルジーンは、2021年3月22日、CD19を標的とするCAR-T細胞療法リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel、商品名:ブレヤンジ)について、再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫と再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得した。liso-celの全奏効割合(ORR)は日本人集団10例では70.0% 今回のliso-celの承認取得は、再発または難治性のB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした海外第I相臨床試験および再発または難治性のアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第II相臨床試験で得られた有効性および安全性の結果に基づいたもの。 海外第I相試験の主たる有効性評価集団133例における主要評価項目の全奏効割合(ORR)は74.4%(95%CI:66.2~81.6)であり、95%CIの下限が事前に規定された閾値全奏効割合40%を上回った。有効性解析対象集団256例における全奏効割合は72.7%(95%CI:66.8~78.0)であった。また、国際共同II相試験におけるORRは、全体集団34例で58.8%(95%CI:40.7~75.4)であり、閾値40%に対して統計的に有意であった。日本人集団10例では70.0%であった。 海外第I相試験においては、269例中201例(74.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(42.0%)、疲労(17.8%)、好中球減少症(16.4%)、貧血(13.8%)、頭痛(13.4%)、血小板減少症(11.5%)、錯乱状態(11.5%)、振戦(11.2%)、低血圧(10.4%)など。国際共同第II相試験においては、46例(日本人患者10例を含む)中42例(91.3%)に副作用が認められた。主な副作用は好中球減少症(52.2%)、サイトカイン放出症候群(41.3%)、貧血(39.1%)、血小板減少症(39.1%)、発熱(39.1%)、白血球減少症(23.9%)、錯乱状態(15.2%)、疲労(13.0%)、発熱性好中球減少症(13.0%)などであった。 大細胞型B細胞リンパ腫には、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)をはじめとする複数の病型が含まれる。DLBCLは国内のB細胞非ホジキンリンパ腫の30~40%を占めるもっとも発生頻度の高い病型で、60歳代を中心に高齢者に多くみられる。再発または難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に対する標準的な治療法は確立しておらず、新たな治療法の開発が期待されている。濾胞性リンパ腫はB細胞非ホジキンリンパ腫全体の10~20%を占め、一般的に経過が緩徐で、かつ当初は化学療法感受性が良好だが、とくに進行期の患者は再発を繰り返すのが一般的である。また、グレード3Bの濾胞性リンパ腫は通常アグレッシブ(中・高悪性度)リンパ腫として治療されるが、大細胞型B細胞リンパ腫と同様に確立した治療法はない。

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pirtobrutinib(LOXO-305)、既治療のB細胞性悪性腫瘍に有望/Lancet

 共有結合型ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬などによる前治療歴のあるB細胞性悪性腫瘍(慢性リンパ性白血病[CLL]/小リンパ球性リンパ腫[SLL]など)の治療において、非共有結合型BTK阻害薬pirtobrutinib(LOXO-305)は、良好な安全性と耐用性を示し、全奏効率も優れることが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAnthony R. Mato氏らが実施した「BRUIN試験」で確認された。研究の成果は、Lancet誌2021年3月6日号で報告された。共有結合型BTK阻害薬は、B細胞性悪性腫瘍に有効だが、抵抗性や不耐性のため患者は治療を継続できない。pirtobrutinib(LOXO-305)は、この問題の解決を目標に開発が進められており、経口投与が可能で、高選択性の可逆的BTK阻害薬である。pirtobrutinib(LOXO-305)の非盲検第I/II相試験 本研究は、6ヵ国(オーストラリア、フランス、イタリア、ポーランド、英国、米国)の27施設が参加したヒトで最初の(first-in-human)非盲検第I/II相試験であり、2019年3月~2020年9月の期間に患者登録が行われた(Loxo Oncologyの助成による)。 対象は既治療のB細胞性悪性腫瘍の患者であった。第I相試験では、pirtobrutinib(LOXO-305)の7段階(25mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg)の用量が、28日を1サイクルとして1日1回経口投与された。投与は、病勢進行、許容できない毒性、患者の希望で中止となるまで継続された。引き続き、第I相試験の推奨用量を用いて第II相試験が実施された。 主要評価項目は、第I相試験が最大耐用量、第II相試験は全奏効割合(ORR)とした。pirtobrutinib(LOXO-305)最大耐用量に到達せず、ORRは63% 第I相試験203例、第II相試験120例の合計323例(年齢中央値68歳[IQR:62~74])が登録された。CLL/SLLが170例、マントル細胞リンパ腫(MCL)が61例、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)が26例、その他のB細胞性リンパ腫が66例であった。 第I相試験では、pirtobrutinib(LOXO-305)の25~300mgの全用量範囲を通じて線形の用量比例性(最大血漿中濃度、曲線下面積)が認められ、個体間変動は小さかった。用量制限毒性はみられず、最大耐用量には到達しなかった。第II相試験のpirtobrutinib(LOXO-305)推奨用量は200mg/日に設定された。 323例の10%以上で発現した有害事象は、疲労(65例[20%])、下痢(55例[17%])、挫傷(42例[13%])であった。最も頻度の高いGrade3以上の有害事象は、好中球減少(32例[10%])だった。pirtobrutinib(LOXO-305)の曝露量とGrade3以上の治療関連有害事象には関連がなかった。 Grade3の心房細動および粗動は観察されず、Grade3の出血が1例(自転車事故時のくも膜下出血、pirtobrutinibとの関連はないと判定)で認められた。5例(1%)が、治療関連有害事象のため治療を中止した。 CLL/SLL患者(前治療ライン数中央値:3)におけるpirtobrutinib(LOXO-305)のORRは63%(88/139例)(95%信頼区間[CI]:55~71)であった。また、共有結合型BTK阻害薬による前治療歴のあるCLL/SLL患者(前治療ライン数中央値:4)のORRは62%(75/121例)(95%CI:53~71)だった。 CLL/SLL患者のORRは、共有結合型BTK阻害薬抵抗性(67%[53/79例])、同不耐性(52%[22/42例])、BTK C481変異陽性(71%[17/24例])、BTK野生型(66%[43/65例])でほぼ同様であった。また、共有結合型BTK阻害薬による前治療歴のあるMCL患者のORRは52%(27/52例)(95%CI:38~66)だった。 解析の時点で、奏効が得られたCLL、SLL、MCL患者117例のうち8例を除くすべてが、無増悪生存を維持していた。 著者は、「pirtobrutinib(LOXO-305)に固有の特性によるBTK阻害効果は、共有結合型と非共有結合型のBTK阻害薬を逐次的に使用することで、B細胞性悪性腫瘍患者における臨床的有益性をさらに高める可能性がある」としている。

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慢性リンパ性白血病のBTK阻害薬アカラブルチニブ、国内承認/AZ

 アストラゼネカは、慢性リンパ性白血病(CLL)に対する選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬アカラブルチニブ(商品名:カルケンス)の国内承認を受け、3月11日にプレス向けのセミナーを行った。この承認は、再発または難治性CLL患者を対象に、標準化学療法とアカラブルチニブを比較した国際共同第III相試験(ASCEND)において、アカラブルチニブの有効性と安全性が認められたことを受けたものとなる。 CLLは白血病の中で、リンパ系幹細胞が比較的時間をかけてがん化するものを指す。CLLや地域による発症頻度の差が大きく、米国では10万人あたり3.5人だがアジア諸国では少なくなり、日本においては10万人あたり0.2人(いずれも2008年調査)と比較的稀な疾患だ。CLLはB細胞性悪性腫瘍で、アカラブルチニブはB細胞に多く発現するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)を標的とし、腫瘍細胞の生存と増殖を阻害する。 セミナーの中で、公益財団法人がん研究会有明病院 血液腫瘍科の丸山 大氏がCLLの病態と現在の治療法について講演を行った。CLLの治療は、患者の年齢や予後不良因子である染色体欠失や遺伝子変異の有無によって、FCR(フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブ)療法・BR(ベンダムスチン+リツキシマブ)療法等の化学療法と、BCL2阻害薬やBTK阻害薬を使い分ける。近年の治療法の進化や新規薬剤の導入によって、初回・2次治療以降共に標準治療が明確には定まっていない状況だ。 丸山氏は「CLLは長期にわたる治療となることが多く、有効性と共に高い安全性が求められる。臨床現場では、新規薬剤となるアカラブルチニブをはじめ、各薬剤の特性や有害事象を見極めながら、使い分けや切り替えを行う必要があるだろう」と述べた。

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骨髄増殖性腫瘍の治療戦略に新展開【Oncologyインタビュー】第31回

ドライバー遺伝子の解明などと共に、長年停滞していた骨髄増殖性腫瘍の治療が変わりつつある。当該領域の第一人者である順天堂大学医学部 血液学講座の小松 則夫氏に、最新情報を解説していただいた。予後が長い故にQOLの低下が問題―骨髄増殖性腫瘍とは、どのような疾患なのでしょうか?骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、造血幹細胞の異常で、白血球や赤血球、血小板など、1系統以上の骨髄系成熟細胞の過剰生産を来す疾患群です。代表的なものとして、慢性骨髄性白血病(CML)、真性赤血球増加症(真性多血症)(PV)、本態性血小板血症(ET)、原発性骨髄線維症(PMF)があります。BCR-ABL遺伝子の解明からチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が登場し、CMLの予後は劇的に改善しました。ここでは、CMLを除いたフィラデルフィア染色体陰性MPNの3疾患についてお話ししたいと思います。―MPNの予後について教えていただけますか。MPNの予後ですが、生存期間の中央値はETが約20年、PVが約14年と比較的予後良好ですが、PMFは4年と予後不良です。PV、ETでは長期の経過の中で、一部は急性白血病や骨髄線維症に移行することで予後が悪化しますが、これらの疾患の予後を規定する主な因子は、脳梗塞、心筋梗塞、肺梗塞といった血栓症で、時に致命的となります。一方、血小板が一定数(150万/μL)を超えると逆に出血しやすい状態となります。予後が長い反面、一旦血栓症や出血が起こると、患者さんは長期間その症状に向き合っていくことになり、QOLは著しく低下します。MPN特異的ドライバー遺伝子の発見が治療に結び付く―MPNに共通の遺伝子変異が発見されたとのことですが。画像を拡大するMPNに共通のJAK2 V617Fの他に、CALRやMPLの遺伝子変異が発見されています。JAK2 V617Fは、2005年にET、PV、PMFに共通の遺伝子変異として報告されました。PVの97%、ETおよびPMFの5~6割に発現しています。JAK2はサイトカインシグナル伝達の中心的役割を担うチロシンキナーゼです。JAK2 V617F変異によりJAK2は活性化され、恒常的にシグナルが伝達され腫瘍化が促されます。MPLは、造血因子サイトカインで、トロンボポエチンの受容体です。MPL変異によりMPLは常に活性化し、トロンボポエチンとの結合なしにJAK2シグナルが細胞内へと伝達され、血液細胞の腫瘍化が促進されます。画像を拡大するCALR遺伝子変異はETおよびPMFの2~3割に発現します。CALR(calreticulin)は、タンパク質を折りたたむ分子シャペロンの一種です。われわれの研究で、変異CALR遺伝子により作られる変異型CALRタンパク質はホモ多量体を形成し、あたかもトロンボポエチンのようにMPL(トロンボポエチン受容体)と強く結合し、JAK2シグナルを介して血液細胞の腫瘍化を促進することが明らかになりました。1)2)これら3つの変異は相互排他的に発現しますが、いずれもJAK2シグナルの活性化につながっています。―遺伝子変異の解明と共に治療も変化しているのでしょうか。ごく最近、インターフェロン(以下、IFN)についての研究結果が発表されました。IFNαは1970年代からMPNの治療に用いられていましたが、副作用が強く頻回投与が必要であること、大規模試験でのMPNへの有効性が証明されていないことから使用は限定されていました。しかし、改良したロペグIFNα2bが開発されたことでIFNは大きく見直され始めました。画像を拡大するロペグIFNα2bは単一異性体の長時間作用型ペグ化インターフェロンで、安全性が高い設計となっています。昨年(2020年)、ロペグIFNα2bを標準療法であるヒドロキシカルバミド(以下、HU)と直接比較した、第III相のPROUD-PV試験とその延長試験であるCONTINUATION-PV試験が発表されました3)。この試験は36ヵ月(PROUD-PV:12ヵ月まで、CONTINUATION-PV:36ヵ月まで)追跡されています。主要評価項目の血液学的完全奏効は治療経過と共にIFNα2bがHUを上回り、18ヵ月以降優越性を保っていました。安全性もHUに対して優れていました。さらに重要なことは、JAK2変異量も有意に減少させたことです(36ヵ月JAK2 V617F変異量:ロペグIFNα2b -22.9対HU -3.5、p<0.0001)。従来の薬剤ではここまでJAK2変異量を減らすというデータはありません。ロペグIFNα2bの大きな特徴と言えます。―JAK2変異量が減少するメカニズムは? また、それがどういうことにつながるのでしょうか。理由は明らかになっていませんが、ロペグIFNα2bは、正常細胞はそのままで、JAK2変異細胞を選択的に攻撃している可能性があります。つまり、疾患そのものを治す、治癒まで持っていくことができるかもしれないということです。したがって、これまでの治療は血栓症や出血の予防に主眼を置いてきましたが、今後は治癒を目指すことになると思います。すなわち治療アルゴリズムが大きく変わる可能性があり、将来的にはIFNが治療の中心となることを期待させます。―CALRを標的とした治療法も開発されているとお聞きしますが。CALR遺伝子変異により作られた変異型CALRタンパク質は、細胞内で未熟なMPLと結合した後、細胞表面に移行し活性化することが、われわれの研究で示されました4)。そこで、未成熟なMPLとの結合の阻害、細胞表面におけるMPLの活性化の阻害、あるいは細胞表面の変異型CALRタンパク質を標的として攻撃することで、MPNは治療可能だと考えられます。変異型CALRが細胞外に移行する際、ある酵素で切られますが、われわれは切断部位を特異的に認識して結合する抗体作成に成功しました。この抗体は非常に特異性が高くCALR変異陽性の細胞だけを標的にするため、今後抗体薬として開発されることが期待されます。正確かつ容易なバイオマーカーの開発―診断についても新たな進化がみられているそうですね。われわれの研究で、CREB3L1という遺伝子がMPNのバイオマーカーの役割を果たすことが示されました。CREB3L1は転写因子として機能し、タイプIコラーゲンを標的とするため、骨形成に関与しますが、乳がんの浸潤にも関係していると報告されています。ところで、血小板増加症として受診する患者の9割は反応性、つまり他の原因による血小板増加症です。しかし、この反応性とETなどの腫瘍性の血小板増加症を臨床的に鑑別することは難しいことが多く、治療法が全く異なるため、正確かつ容易な鑑別方法の確立が求められます。われわれはそこで、採取が簡単な血小板に着目し、血小板が腫瘍性に増加するETでバイオマーカーの検索を行いました。具体的にはETと反応性血小板増加症の患者末梢血から血小板を収集し、RNAの発現パターンを解析しました。その結果、ET症例は反応性血球増加症に比べ、CREB3L1が有意に高く発現することを発見しました(p=0.001770)5)。さらに追加解析で、フィラデルフィア染色体陰性MPN、反応性血球増加症のCREB3L1レベルを調査しました。その結果、CREB3L1はETだけでなく、PVやPMFを含めたMPN全般に高レベルに発現していました(p<0.0001)。興味深いことに、CMLでは反応性や健常人と同く陰性でした。このバイオマーカーは感度、特異度ともに100%です。フィラデルフィア染色体陰性MPN全般の画期的な診断バイオマーカーとして、きわめて優れていることがわかりました。―MPN特異的な遺伝子変異のないケースでは本当に腫瘍性なのか鑑別することが難しいと思いますが、このバイオマーカーの効果は?MPN特異的な遺伝子発現がないトリプルネガティブ症例(JAK2 V617F、CALR、MPL変異すべて陰性)においては、腫瘍性か反応性かの鑑別は悩ましいものです。前述の研究では、病理学的に確認されたトリプルネガティブET(20例)においてもCREB3L1を測定しました。その結果、この集団にもCREB3L1陽性例(12例)と陰性例(8例)が存在すること、そして血小板数と白血球数は陽性例で有意に多いことが判明しました。また、大変興味深いことに、陰性例8例のうち2例は、経過と共に血小板数が減少し、骨髄検査で最終的に正常化が確認されました。ここから言えることは、トリプルネガティブETと診断されても、CREB3L1陰性の場合は自然治癒する可能性があるということ、そして、その場合は不用意に抗がん剤を投与せず、経過観察という選択肢もありえるということです。診断と治療の進化で治療アルゴリズムが大きく変わる!?―こういった新たな診断や治療薬の開発で、MPNの治療はどう変わっていくでしょうか。現在のMPNの治療では、高リスク(60歳以上、または血栓症/出血の既往)になり、初めて抗がん剤が開始されます。患者さんからは「せっかく診断がついたのに60歳まで治療を待つのか、血栓症が起きるまでどうして治療できないのか」といった声を聞きます。IFNは、根本的な治療の実現が期待できますが、長期経過と共に他の遺伝子変異が加わって疾患が修飾されると、効果が低下するとの報告もあります。IFNを有効に使用するためにも、診断後すぐにIFN治療を開始することで、かなりの効果が期待できると、個人的には考えています。CREB3L1という新規バイオマーカーによる正確な診断とINFα2bのような新規薬剤の登場で、MPNの治療が大きく変化する可能性がある。ロペグINFα2bの国内臨床試験も行われているという。近い将来、長期間疾患と付き合わなければならないMPNの患者に朗報が届くことを期待したい。1)Araki M, et al. Activation of the thrombopoietin receptor by mutant calreticulin in CALR-mutant myeloproliferative neoplasms. Blood.2016;127:1307-1316.2)Araki M, et al. Homomultimerization of mutant calreticulin is a prerequisite for MPL binding and activation. Leukemia.2019;33:122-131.3)Gisslinger H, et al. Ropeginterferon alfa-2b versus standard therapy for polycythaemia vera (PROUD-PV and CONTINUATION-PV): a randomised, non-inferiority, phase 3 trial and its extension study. Lancet Haematol.2020;7:e196-e208. 4)Masubuchi N, et al. Mutant calreticulin interacts with MPL in the secretion pathway for activation on the cell surface. Leukemia.2020;34:499-509.5)Morishita S, et al.CREB3L1 overexpression as a potential diagnostic marker of Philadelphia chromosome-negative myeloproliferative neoplasms. Cancer Sci.2021;112:884-892

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「腫瘍内科専門医」は新専門医制度で何が変わる?/日本臨床腫瘍学会

 日本臨床腫瘍学会の専門医制度は、新専門医制度の中で主に内科を基本領域とする「サブスペシャルティ領域専門医」として日本専門医機構より認定された。名称は「腫瘍内科専門医」とされ、今秋・遅くとも来春からの研修開始を目指して最終調整が進められている。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)ではこの新専門医制度についてシンポジウムが開催された。本稿では、その概要について解説した田村 研治氏(島根大学医学部附属病院先端がん治療センター)の講演内容を紹介する。「腫瘍内科専門医」への名称変更に紆余曲折 2018年、日本専門医機構は「がん薬物療法専門医」を新専門医制度における「サブスペシャリティ領域専門医」として承認した。しかし2019年に厚生労働省・医道審議会医師分科会・医師研修部会が発足し、同新制度の問題点を指摘。サブスペシャリティ領域の承認基準や整備指針に不十分な点があるのではないかということで、見直しが図られた。 その結果、最終的に「がん薬物療法専門医」は「腫瘍内科専門医」に名称が変更され、内科のサブスペシャリティ領域の1つとして承認された。腫瘍内科と呼吸器内科で異なるサブスぺ領域の類型とは? サブスペシャリティ領域は、研修実施の時期や考え方に応じて以下の3類型が設けられている。1)連動研修を行い得る領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修中に、いくつかの症例について連動して研修可能(消化器内科、呼吸器内科、血液内科など)2)連動研修を行わない領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修後に開始(腫瘍内科、アレルギー、感染症など)3)少なくとも1つのサブスペシャリティ領域を修得した後に研修を行う領域:(消化器内科→肝臓内科、消化器内視鏡など) このうち、腫瘍内科は2)連動研修を行わない領域に位置づけられ、3年間の基本領域研修中にがんの症例を経験したとしても、研修経験は共有できない。また、複数のサブスペシャリティ領域の同時登録はできないため、例えば連動研修として呼吸器内科の研修を開始していた場合に、同時期に腫瘍内科での研修を開始することはできない。 しかし、サブスペシャリティ領域どうしの症例のオーバーラップは可能であり、田村氏は「例えば呼吸器内科領域で肺がんの症例を診ていて、2つめのサブスぺ領域として腫瘍内科を選択した場合には、双方の学会の同意のもと、腫瘍内科での症例としても認められることとなっている」と説明した。また、新専門医制度は5年をめどに制度が見直されることとされており、「将来的には、腫瘍内科についても連動研修が可能となるよう目指して体制の整備含め動いていきたい」と展望を示した。腫瘍内科専門医は日本内科学会を基本領域とする 旧専門医制度での「がん薬物療法専門医」取得にあたっては、内科のほか外科、産婦人科、泌尿器科など14学会の専門医資格を基本資格としている。しかし、新専門医制度では、「腫瘍内科専門医」は日本内科学会を基本領域とする。この背景には、新制度では多くのサブスペシャリティ領域専門医の取得が実質的に難しいこと(原則として2領域)、「がん薬物療法専門医」取得者の基本領域は86%を日本内科学会が占めることがある。ただし、日本外科学会を基本領域としている医師も10%ほどおり、田村氏は「とくに乳がん領域で多く、今後日本外科学会については基本領域としての追加を検討していきたい」と話した。 なお、この変更は旧専門医制度「がん薬物療法専門医」取得者の更新には影響せず、例えば皮膚科を基本領域として「がん薬物療法専門医」を取得している医師の資格は失われない。腫瘍内科専門医が2024年度頃に誕生の見通し 新専門医制度における内科専門研修1期生は、2018年から3年間の基本領域プログラムを受けており、本来であれば、2021年4月から腫瘍内科等のサブスペシャリティ領域の研修がスタート予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症等の影響で遅れが出ており、基本領域の試験は2021年7月4日に予定されている。「腫瘍内科専門医のモデルカリキュラムは9月頃にはホームページ上で公開予定となっており、J-OSLERの開始も遅くとも来春までには整えたい」と田村氏は説明した。なお、2021年4月からの症例については、さかのぼって実績に含めることができる。 今後数年は旧制度と新制度が並行する形となるが、2024年度頃におそらく最初の腫瘍内科専門医が誕生し、その後最終的には、旧制度は終了する予定との見通しを同氏は示した。参加者からは、「外科などの内科以外を基本領域とするがん薬物療法専門医は腫瘍内科専門医へ移行可能か?」という質問が寄せられた。同氏は、旧制度のがん薬物療法専門医は順次更新が行われるので、新専門医制度による影響は受けないことを説明。名称については今後更新の際に「がん薬物療法専門医」→「腫瘍内科専門医」と変更される可能性はあるが、資格としては変わらず更新が可能とした。

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高リスク初回再発B-ALL小児の地固め療法、ブリナツモマブが有望/JAMA

 高リスクの初回再発B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児の治療において、同種造血幹細胞移植前のブリナツモマブの1サイクル投与は、標準的な多剤併用強化化学療法による地固め療法と比較して、無イベント生存割合が有意に優れ、安全性も良好であることが、イタリア・ローマ・ラ・サピエンツァ大学のFranco Locatelli氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2021年3月2日号に掲載された。ブリナツモマブは、CD3/CD19を標的とする二重特異性T細胞誘導(BiTE)分子であり、T細胞を動員してCD19発現B細胞を溶解する。再発・難治性B-ALLの小児を対象とする第I/II相試験で、ブリナツモマブは抗白血病活性が示され、分子レベルでの抵抗性を有するB-ALLの成人および小児において、微小残存病変の高い完全寛解率を誘導したと報告されている。13ヵ国47施設の非盲検無作為化第III相試験 本研究は、高リスクの初回再発B-ALL小児の治療において、同種造血幹細胞移植前に残存白血病負担を軽減することで、移植後の転帰の改善を目指すアプローチにおけるブリナツモマブの有効性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、13ヵ国47施設が参加し、2015年11月~2019年7月の期間に患者登録が行われた(Amgenの助成による)。 対象は、生後28日~18歳未満の小児で、フィラデルフィア染色体陰性の高リスク初回再発B-ALLであり、M1 marrow(骨髄の芽球が<5%)またはM2 marrow(骨髄の芽球が≧5~<25%)の患者であった。 被験者は、3回目の地固め療法として、ブリナツモマブ(15μg/m2/日、4週間、持続静注)を1サイクル投与する群または化学療法を施行する群に無作為に割り付けられた。ブリナツモマブ群では、第1日のブリナツモマブ投与前にデキサメタゾン(5mg/m2)が投与された。 主要エンドポイントは無イベント生存割合とした。イベントは、再発、死亡、2次性悪性腫瘍、完全寛解導入の失敗と定義された。重要な副次エンドポイントは全生存(OS)割合であり、他の副次エンドポイントには微小残存病変の寛解(芽球<10-4)や有害事象が含まれた。死亡・再発のリスクが低く、微小残存病変の寛解割合が高い 108例(年齢中央値5.0歳[IQR:4.0~10.5]、女子51.9%、M1 marrow 97.2%)が無作為化の対象となり、ブリナツモマブ群に54例、化学療法群に54例が割り付けられた。事前に規定された中止規則に従い、ブリナツモマブの有益性により患者登録は早期中止となった。 フォローアップ期間中央値22.4ヵ月(IQR:8.1~34.2)の時点で、主要エンドポイントのイベントはブリナツモマブ群が31%(17/54例)、化学療法群は57%(31/54例)で発生し、無イベント生存割合はそれぞれ69%(37/54例)および43%(23/54例)であり、有意な差が認められた(ハザード比[HR]:0.33、95%信頼区間[CI]:0.18~0.61、log-rank検定のp<0.001)。すべてのサブグループで、HRはブリナツモマブ群が良好であった。 死亡は、ブリナツモマブ群で8例(14.8%)、化学療法群で16例(29.6%)発生した。OS割合のHRは0.43(95%CI:0.18~1.01)であった。また、再発は、ブリナツモマブ群が24.1%(13/54例)、化学療法群は53.7%(29/54例)で認められた。再発の累積発生の層別HRは0.24(0.13~0.46)だった。 第2完全寛解期の同種造血幹細胞移植は、ブリナツモマブ群で48例(88.9%)、化学療法群で38例(70.4%)に施行された。移植関連死は、それぞれ4例(8%)および4例(11%)で発生し、再発/病勢進行による死亡は3例(6%)および8例(21%)でみられた。 微小残存病変の寛解割合は、ブリナツモマブ群が90%(44/49例)と、化学療法群の54%(26/48例)に比べて高かった(群間差:35.6%、95%CI:15.6~52.5)。 致死的有害事象の報告はなかった。重篤な有害事象の発生は、ブリナツモマブ群が24.1%、化学療法群は43.1%、Grade3以上の有害事象の発生は、それぞれ57.4%および82.4%で認められた。ブリナツモマブ群で頻度の高いGrade3以上の有害事象は、血小板減少(18.5%)、口内炎(18.5%)、好中球減少(16.7%)、貧血(14.8%)であった。投与中止の原因となった有害事象は、ブリナツモマブ群で2例報告された。 著者は、「この患者集団において、移植前のブリナツモマブ投与は従来の化学療法よりも有効性が高く、有益な地固め療法となる可能性がある」としている。

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DPP-4阻害薬は新たな免疫抑制薬となり得るか?(解説:住谷哲氏)-1362

 筆者は内分泌代謝疾患を専門としているので、骨髄破壊的同種骨髄幹細胞移植(allo-HSCT)に伴う急性移植片体宿主病(GVHD)に関する知識は少ない。したがって本論文の結果の重要性を評価するのは適任ではないが、36例を対象とした第II相非ランダム化試験でNEJMに掲載されたことから、その結果が臨床的に大きなインパクトを有することは理解できる。 シタグリプチンをはじめとしたDPP-4阻害薬の適応は全世界的に2型糖尿病のみである。したがって本試験はdrug repositioning(drug repurposingとも呼ばれる)の1つと考えられる。ペプチド分解酵素であるDPP-4はT細胞表面に発現するCD26と同一分子であり、インクレチンであるGLP-1は生体内に多数存在するDPP-4の基質の1つに過ぎない。CD26はT細胞活性化における共刺激分子costimulatory moleculeである。動物実験でCD26の発現低下によりGVHDの抑制が可能であることが知られており、それに基づいて著者らは今回の試験を計画した。免疫抑制薬であるタクロリムスとシロリムスの併用に加えて、移植前日から移植後14日にわたってシタグリプチン1,200mg/日を投与した。その結果は、主要評価項目である移植後100日までのGrade II~IVのGVHDの発生率は5%であり、これまで報告されている発生率26~47%と比較して大きく低下していた。しかし本試験はいわばproof of conceptの段階であり、その有効性は今後実施される第III相ランダム化比較試験の結果を待つ必要がある。 血糖降下薬の観点から、本試験の結果をどう考えればよいだろうか? 1つは1,200mg(血糖降下薬としての最大投与量の12倍)2週間投与しても低血糖の発症はなかったと記載があることから、シタグリプチン(おそらく他のDPP-4阻害薬も)が単剤で低血糖を発症するリスクはほとんどないこと再確認されたことだろう。しかし筆者が重要と考えるのは、投与量の問題もあるが、DPP-4阻害薬に免疫抑制作用のあることが示された点である。DPP-4阻害薬の投与が水疱性類天疱瘡の発症と関連することが報告されているが、RS3PE、関節リウマチ、SLEなどの自己免疫疾患が増加するかについては種々の報告があり一定しない。一方で、台湾のナショナルデータベースを用いた研究ではDPP-4阻害薬の投与により自己免疫疾患の発症頻度がむしろ低下することが報告されている1)。2型糖尿病の病態、さらに合併症とされる動脈硬化性心血管病、がん、認知症、心不全の発症にも慢性炎症が関与していることが次第に明らかになりつつある。遠くない将来に、糖尿病治療における免疫抑制薬としてDPP-4阻害薬が注目される日が来るかもしれない。

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ブリナツモマブは、1~30歳の初回再発B-ALLの無病生存を改善するか/JAMA

 高または中リスクの初回再発B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の小児・青年・若年成人の再寛解導入療法後の治療において、ブリナツモマブ投与後の造血幹細胞移植(HSCT)と、化学療法施行後のHSCTでは、無病生存割合に関して統計学的に有意な差はないことが、米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のPatrick A. Brown氏らChildren's Oncology Group(COG)が行った「AALL1331試験」で示された。試験の早期中止による検出力不足の可能性があるため、結果の解釈には限界があるという。研究の詳細は、JAMA誌2021年3月2日号で報告された。小児・青年・若年成人B-ALLの初回再発に対する標準的な化学療法は、とくに早期再発(高リスク)または再導入化学療法後の残存病変の晩期再発(中リスク)の患者において、重度の毒性、その後の再発、および死亡の発生率が高いとされる。ブリナツモマブは、CD3/CD19を標的とする二重特異性T細胞誘導(BiTE)抗体で、再発・難治性B-ALLに有効であり、良好な毒性プロファイルを有すると報告されている。4ヵ国155施設の無作為化第III相試験 研究グループは、高/中リスクの初回再発B-ALLの小児・青年・若年成人の地固め療法において、強化化学療法をブリナツモマブで代替することで生存率が改善するかの検証を目的に、無作為化第III相試験を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]/国立がん研究所[NCI]などの助成を受けた)。 2014年12月~2019年9月の期間に、米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの155施設で患者登録が行われ、フォローアップは2020年9月30日まで実施された。 対象は、年齢1~30歳の初回再発B-ALL患者であり、ダウン症候群、フィラデルフィア染色体陽性ALL、HSCTやブリナツモマブ治療の施行歴のある患者は除外された。 全例が、4週間の再導入化学療法を受けた後、ブリナツモマブ(15μg/m2/日、28日)を1週の休薬期間を置いて2サイクル投与する群または多剤併用化学療法を2サイクル(1サイクルは4週)施行する群に無作為に割り付けられた。引き続き、HSCTが施行された。 主要エンドポイントは無病生存割合、副次エンドポイントは全生存割合とした。統計学的有意差の閾値は、片側検定のp値が<0.025と設定された。2年全生存やMRD陰性化、HSCT施行の割合は良好 最終解析には208例(年齢中央値9歳、女性97例[47%])が含まれ、このうち105例がブリナツモマブ群、103例は化学療法群であった。118例(57%)が試験薬の投与を完遂した。中間解析時に、予測されていた131件のイベントのうち実際に発生したのは80件(61%)で、有効性または無益性の中止規則を満たさなかったが、安全性・データ監視委員会の勧告により無作為化が中止された。 フォローアップ期間中央値2.9年の時点で、2年無病生存割合はブリナツモマブ群が54.4%、化学療法群は39.0%と、両群間に有意な差は認められなかった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.47~1.03、片側検定のp=0.03)。 2年全生存割合は、ブリナツモマブ群が71.3%と、化学療法群の58.4%に比べ有意に良好であった(死亡のHR:0.62、95%CI:0.39~0.98、片側検定のp=0.02)。 探索的エンドポイントである微小残存病変(MRD)の陰性例の割合は、無作為化の時点で両群間に差はなかった(ブリナツモマブ群26例[25%]vs.化学療法群31例[30%]、群間差:-5%、95%CI:-17~7、p=0.39)。これに対し、1サイクル施行後(79例[75%]vs.33例[32%]、43%、31~55、p<0.001)および2サイクル施行後(69例[66%]vs.33例[32%]、34%、21~46、p<0.001)のMRD陰性例の割合はいずれも、ブリナツモマブ群で有意に良好であった。 HSCTは、ブリナツモマブ群は74例(70%)で実施され、化学療法群の44例(43%)に比し施行割合が高かった(群間差:27%、95%CI:15~41、p<0.001)。 とくに注目すべき重篤な有害事象として、ブリナツモマブ群では感染症が15%、発熱性好中球減少が5%、敗血症が2%に、化学療法群では感染症が65%、発熱性好中球減少が58%、敗血症が27%、口腔粘膜炎が28%にみられた。 著者は、「この試験の解釈については、早期中止による主要エンドポイントの検出力不足の可能性があるため限界がある」とまとめ、「安全性・データ監視委員会の中止勧告の理由は、『両群間の臨床的均衡(clinical equipoise)の喪失』であった」としている。

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がん治療、臨床的に意味のあるQOL改善のエビデンスはほとんど提示なし/JAMA Netw Open

 カナダ・Sunnybrook Research InstituteのVanessa Arciero氏らがシステマティックレビューを行い、がん治療においてQOLの重要性が認識されているにもかかわらず、QOLの改善を示唆するエビデンスが公表されていないことを明らかにした。緩和治療を受けるがん患者にとって、QOLは生存と並び治療意思決定の重要な側面であるが、規制当局はQOL改善のエビデンスがなくても生存期間延長または抗腫瘍効果だけに基づいて承認することがある。著者は、「統計学的な改善に関するエビデンスがある適応症のうち、臨床的に意味のあるQOL改善を示したものはほとんどなかった」と述べている。JAMA Network Open誌2021年2月1日号掲載の報告。 研究グループは、近年承認されたがん治療が臨床的に意味のあるQOL改善効果を示すかどうかを調査する目的で、2006年1月~2017年12月に米国食品医薬品局(FDA)ならびに欧州医薬品庁(EMA)の承認を得たがん治療の適応症と、それを裏付ける臨床試験(2019年10月までに特定できたQOLに関する公表論文)を特定し、公表されたQOLに関するエビデンスについて評価した。 QOLに関するエビデンスとは、米国臨床腫瘍学会Value Framework(ASCO-VF)バージョン2.0および欧州臨床腫瘍学会Magnitude of Clinical Benefit Scale(ESMO-MCBS)バージョン1.1のQOL bonus criteriaに従ったQOLの有益性、および臨床的に意義のある最小変化量を超えた臨床的に意味のあるQOL改善とした。 QOLのエビデンスと承認年との関連を、ロジスティック回帰モデルを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・調査期間に承認されたがん治療の適応症は、FDAで214(血液学的腫瘍77[36%])、EMAで170(同52[31%])であった ・カットオフ日までにQOLに関するエビデンスが公開されていたのは、FDA承認適応症40%、EMA承認適応症58%であった。・ASCO-VFおよびESMO-MCBSのQOL bonus criteriaを満たしていたのは、FDA承認適応症ではそれぞれ13%および17%、EMA承認適応症では21%および24%であった。・臨床的に意義のある最小変化量を超えた臨床的に意味のあるQOL改善が認められたのは、FDA承認適応症では6%、EMA承認適応症では11%であった。・EMAでは経年的に承認時におけるQOLに関するエビデンスの公開が増加したが(オッズ比[OR]:1.13、p=0.03)、FDAでは増加はみられなかった(OR:1.10、p=0.12)。・QOL bonus の増加や臨床的に意味のあるQOL改善について、経年的な増大は認められなかった。

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多発性骨髄腫へのide-celのCAR-T細胞療法、奏効率70%超/NEJM

 3種のクラスの薬剤による前治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫の治療において、イデカブタジェン ビクルユーセル(ide-cel、bb2121)は高い全奏効割合をもたらし、微小残存病変(MRD)の陰性化の割合も良好であるが、多くの患者でGrade3/4の血液毒性やサイトカイン放出症候群などの有害事象が発現することが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のNikhil C. Munshi氏らが実施した「KarMMa試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年2月25日号に掲載された。3種の主要クラスの骨髄腫治療薬(免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体製剤)による治療を行っても、病勢が進行した多発性骨髄腫患者では、標準治療が確立されておらず、完全奏効(CR)はまれで、無増悪生存(PFS)期間中央値は3~4ヵ月、全生存(OS)期間中央値は8~9ヵ月と転帰は不良である。ide-celは、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であり、再発・難治性多発性骨髄腫の第I相試験で有望な有効性が報告されている。3つの用量の単群第II相試験 研究グループは、再発・難治性多発性骨髄腫患者における3つの用量のide-celの有効性と安全性を評価する目的で、単群第II相試験を行った(bluebird bioとCelgeneの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上で、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体製剤を含む少なくとも3レジメンの治療を受け、最終レジメンの最終投与から60日以内に再発した多発性骨髄腫の患者であった。 被験者は、3つのCAR陽性T細胞の目標用量(150×106、300×106、450×106)のうち1つの投与を受け、少なくとも24ヵ月の経過観察が行われた。 主要エンドポイントは、全奏効(部分奏効[PR]以上)とした。重要な副次エンドポイントは、CR以上(CRおよび厳格なCR[sCR])であった。全奏効割合は73%、MRD陰性化割合は26% 2017年12月~2018年11月の期間に140例が登録され、白血球アフェレーシスを受けた。このうち128例がide-celの投与を受けた。150×106群が4例、300×106群が70例、450×106群は54例であった。全体の年齢中央値は61歳(範囲:33~78)、男性が76例(59%)で、診断からの経過期間中央値は6年(範囲:1~18)、前治療レジメン数中央値は6レジメン(範囲:3~16)だった。 フォローアップ期間中央値13.3ヵ月の時点で、73%(94/128例)でPR以上の奏効が得られ、このうち33%(42例)がCR以上で、最良部分奏効(VGPR)以上は52%(67例)であった。用量別の内訳は、全奏効割合は150×106群が50%(2/4例)、300×106群が69%(48/70例)、450×106群は81%(44/54例)であり、CR以上の割合はそれぞれ25%(1/4例)、29%(20/70例)、39%(21/54例)だった。 MRD陰性(有核細胞<10-5個)は128例中33例で得られ、陰性化の割合は26%であり、PR以上の42例では79%(33例)で陰性化が達成された。また、初回奏効までの期間中央値は1.0ヵ月(範囲:0.5~8.8)、CR以上達成までの期間中央値は2.8ヵ月(1.0~11.8)で、全体の奏効期間中央値は10.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:9.0~11.3)、450×106群では11.3ヵ月(10.3~11.4)であった。 全体のPFS期間中央値は8.8ヵ月(95%CI:5.6~11.6)であり、450×106群では12.1ヵ月(8.8~12.3)、CR以上では20.2ヵ月であった。また、OS期間中央値は19.4ヵ月(18.2~評価不能)で、1年OS率は78%だった。 頻度の高い毒性として、好中球減少が117例(91%)、貧血が89例(70%)、血小板減少が81例(63%)認められ、このうちGrade3/4はそれぞれ114例(89%)、77例(60%)、67例(52%)であった。サイトカイン放出症候群は107例(84%)で報告され、このうち7例(5%)でGrade3/4のイベントがみられた。神経毒性は23例(18%)で発現し、4例(3%)はGrade3であったが、Grade3を超える神経毒性はなかった。 また、細胞動態解析では、CAR陽性T細胞は、投与後6ヵ月の時点で49例中29例(59%)で、12ヵ月時には11例中4例(36%)で確認された。 著者は、「これらの知見は、CAR陽性T細胞の目標用量範囲150×106~450×106におけるide-celの実質的な抗腫瘍活性を支持するものであり、450×106は他の用量に比べ有効性がわずかに高かった」としている。

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FDA、再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の新CAR-T療法lisocabtagene maraleucelを承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年2月5日、米国食品医薬品局(FDA)が、原発性中枢神経系リンパ腫を除く、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(インドレントリンパ腫に起因するものを含む)、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、およびグレード3B濾胞性リンパ腫を含む、2種類以上の全身療法による治療歴を有する再発または難治性(R/R)の大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の成人患者の治療薬として、CD19を標的とするCAR-T細胞療法のliso-cel(lisocabtagene maraleucel、海外商品名:Breyanji)を承認したと発表。 liso-celは、あらかじめ定められた成分と4-1BB共刺激ドメインを有するCD19を標的とするCAR T細胞療法。3次治療以降のLBCLリンパ腫を対象とした最大のピボタル試験であるTRANSCEND NHL 001試験において、73%の奏効割合率および54%の完全奏効(CR)割合を示した。

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事例020 フェリチン定量検査の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説本事例では、「D007 26 フェリチン定量検査」が、 B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)として査定となりました。査定理由には、縦覧点検とあり、連絡文には「疑いで連月のフェリチン定量の請求は保険診療上過剰となります。御留意下さい」と記載がありました。審査機関では、コンピュータによる縦覧点検にて連月実施にチェックをかけているようです。確認したところ、前月にも来院歴があり、フェリチン定量検査が実施されていました。フェリチン定量検査の留意事項には算定制限の記述は見当たりません。医師に尋ねると「多くの場合は、診断と治療中止の判断時に必須であり、経過が安定している場合にはあまり必要がない」と、連絡文を示唆される内容を話されました。とはいえ、必要があって行われた検査です。算定要件に違反していない限り、自主査定することはありません。医師には、疑い病名にてフェリチン定量を連月に実施した場合には、査定対象となることを伝えました。また、レセプトチェックシステムによるアラートも活用して、医学的に必要性を認めて実施された場合には、あらかじめに検査値を含めて医学的必要性を連絡いただき、レセプトにコメントとして反映をさせています。ただし、審査機関では総合的に判断されるため、査定となることも多くあるので注意が必要です。

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新型コロナ感染症に対する回復期血漿療法は有効か?(解説:山口佳寿博氏)-1353

 新型コロナに対する治療の一環として自然感染から回復した患者血漿を投与する療法が試みられている。これと同様の治療法はS蛋白の種々なる領域に対するMonoclonal抗体治療である(本誌論評-1326参照)。しかしながら、Monoclonal抗体製剤は高価であり世界のすべての地域で簡単に施行できる方法ではなく、費用対効果の面から安価な回復期血漿療法(一種のPolyclonal抗体療法)が多くの国で試みられている。 患者の回復期に得られた血漿を新たな患者に輸血する方法はエボラ出血熱、SARS、MERS、鳥インフルエンザなど種々の感染症において施行されてきた。新型コロナにあっても、ニューヨーク州Andrew Cuomo知事は回復期血漿を新たな感染者に投与することを表明した(2020年3月24日)。これを受け、米国FDAは回復期血漿の緊急使用を承認した。米国における動向を受け本邦の厚生労働省も回復期血漿投与を保険適用外治療として承認した。 非盲検化観察研究では回復期血漿投与を有効とする報告が多いが(Shen C, et al. JAMA. 2020;323:1582-1589.、Liu STH, et al. Nat Med. 2020;26:1708-1713. )、RCTによる検討結果は本法の臨床的効果を必ずしも肯定するものではなかった。インド39施設におけるRCT(PLACID trial、中等症の患者が対象、対照群:229人、血漿投与群:235人、輸血:ランダム化時と24時間後の2回に分けて200mLずつ投与)では、輸血後7日以内のウイルス陰性化率は血漿投与群で有意に高く臨床所見も改善することが示された(Agarwal A, et al. BMJ 2020;371:m3939.)。しかしながら、経過観察中の中和抗体価、種々の炎症マーカー(LDH、CRP、D-dimer、Ferritin)、28日以内の重症化率、死亡率は両群間で有意差を認めず、回復期血漿投与の臨床的効果は非常に限られたものであることが示唆された。アルゼンチンの12施設で施行されたRCT(PlasmAr trial、肺炎を認めた中等症患者が対象、対照群:105人、血漿投与群:228人、輸血:IgG抗体価が800倍以上のものを500mL、症状発現後8日以内)では、血中のウイルスに対するIgG抗体価は輸血後2日目において血漿投与群で有意に高値であったものの、それ以降では対照群との間で有意差を認めなかった(Simonovich VA, et al. N Engl J Med. 2020 Nov 24. [Epub ahead of print])。輸血30日後の臨床所見、死亡率は両群で差がなく、血漿投与の臨床的に意義ある効果は確認されなかった。一方、PlasmAr trialと同様にアルゼンチンで施行された入院高齢者を対象とした別のRCT(75歳以上、あるいは、65~74歳で危険因子としての併存症を少なくとも1つ有する高齢者を対象、対照群:80人、血漿投与群:80人、輸血:症状発現より3日以内)では、回復期血漿投与が呼吸不全への進展(SpO2:93%以下 or RR:30/min以上)を阻止したと報告された。しかしながら、Life-threating state(ARDS、MOF、死亡など)への進行は、対照群と血漿投与群で有意差を認めなかった。以上のように、回復期血漿治療を有効とも無効ともいえない状況が続いていたが、各試験における解析対象者数が少なかったことが回復期血漿治療に関する是非の判断を困難にした要因の一つであった。 以上の問題を解決するため、2021年1月13日、米国Mayo Clinic主導で施行された多数例(PCR確定、18歳以上の入院患者3,082人)を対象とした観察研究の結果が報告された(Joyner MJ, et al. N Engl J Med. 2021 Jan 13. [Epub ahead of print])。この観察研究では、S蛋白に対する特異的IgG抗体価がウイルスに対する中和抗体価と比例するものと仮定し、輸血したIgG抗体価をもとにLow titer群(n=561)、Middle titer群(n=2,006)、High titer群(n=515)の3群に分類してS蛋白を標的としたPolyclonal IgG抗体の効果が解析された。重要な知見として、輸血後30日以内の死亡率は、Low titer群に比べHigh titer群で有意に低く、その効果は機械呼吸を導入されていなかった比較的重症度の低い症例で顕著であったことが示された。さらに、早期に輸血した対象(診断後3日以内)の生命予後は、遅く輸血した対象(診断後4日以上)に比べて有意によかった。Mayo Clinicの治験結果は、回復期血漿治療はできる限り早く感染初期の比較的軽症の時点で導入すべきもので、かつ、S蛋白に対するIgG抗体価が高い血漿を輸血すべきであることを示唆している。Mayo Clinicの試験結果は、回復期血漿治療の本質が生体内ウイルス量の制御であることを考えると十分に納得いくものであり、回復期血漿治療の臨床的有効性を確実に示したものと評価できる。 回復期血漿治療において今後注意しなければならない問題は、ウイルスの変貌(遺伝子変異)である。武漢原株に始まり、2020年春から秋ごろまではD614G変異株(S蛋白の614部位のアミノ酸がアスパラギン酸[D]からグリシン[G]に置換)が世界に流布するウイルスの主体を占めていた。それ故、現状の回復期血漿はD614G変異株のS蛋白に対するPolyclonal抗体を保有する血漿だと考えなければならない。2020年12月以降、英国、南アフリカ、ブラジルにおいてD614G株からさらに変異したN501Y変異株(S蛋白の501部位がアスパラギン[N]からチロシン[Y]に変異)が世界の多くの地域で検出されるようになった(Kirby T. Lancet Respir Med. 2021;9:e20-e21.)。N501Y株に関する正式名称は、英国株:B.1.1.7、南アフリカ株:B.1.351、ブラジル株:P.1である。これら3種類のN501Y変異株は互いに独立したウイルスであり、各地域でD614G株から独自に進化を遂げたものである。これら3種類のN501Y変異株にあって、南アフリカ株、ブラジル株のS蛋白における変異は相同性が高く、“免疫回避変異”を有することが判明している(Ho D, et al. Res Sq. 2021 Jan 29. [Epub ahead of print])。すなわち、南アフリカ株、ブラジル株に対しては、D614G株に罹患した人から集積した回復期血漿のウイルス予防効果が低く、今後は、流行しているウイルス株に対応した血漿を集積していく必要がある。この点は、種々のMonoclonal抗体製剤、現行のワクチンに関しても同様に成立する内容であり、ウイルス制御を目的とする各治療分野にあって新たな変異株を標的とした治療法の確立を目指す必要がある。 2020年の夏、オランダ、デンマークのミンク農場で人からミンクへの感染、ミンクから人への逆感染が発生した(214例)。コロナはほぼすべての哺乳動物に感染し(Lam SD, et al. Sci Rep. 2020;10:16471.)、他の哺乳動物から人へ逆感染する場合には予測できない遺伝子変異を有している可能性がある。それ故、人類の中でのウイルス変異に加え他の哺乳動物内での変異についても細心の注意を払う必要があることを付け加えておきたい。

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造血器腫瘍遺伝子パネル検査を開発/大塚製薬・イルミナ

 大塚製薬と次世代シークエンサーの世界トップ企業であるIllumina,Inc.(以下、イルミナ社)は、造血器腫瘍を対象とするがん遺伝子パネル検査を体外診断用検査キットとして開発および商業化する契約を締結したと発表。 今回の契約締結により、大塚製薬は、同社が国内主要施設と共同研究を進めている日本で初めての造血器腫瘍を対象としたがん遺伝子パネル検査を、イルミナ社の医療機NextSeq 550Dxシステムで使用できる体外診断用検査キットとして開発する。本契約により、日本国内のほぼ全ての造血器腫瘍を対象とした「診断」、「治療法選択」、「予後予測」が加速されることが期待される。 ここ数年、固形がんを対象にした遺伝子パネル検査が医療機器として承認および保険適用されているが、血液がんを対象としたものはない。

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アカラブルチニブ、慢性リンパ性白血病でイブルチニブに対する非劣性示す/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2021年1月25日、第III相ELEVATE-RR試験の肯定的な結果概要に基づき、選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬アカラブルチニブ(商品名:カルケンス)が、治療歴を有する高リスク慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)のイブルチニブに対する非劣性を示したことを発表した。 ELEVATE-RR試験は、欧米において最も一般的な種類の白血病であるCLLの成人患者を対象に、2種類のBTK阻害薬を比較する初めての第III相試験である。同試験では、安全性に関する重要な副次評価項目も達成しており、アカラブルチニブは、イブルチニブと比較して心房細動の発現率が統計的に有意に低いことが示された。さらに階層的検定を行ったところ、Grade3以上の感染症およびリヒター形質転換に差は認められなかった。その一方で、全生存期間に関して数値的に良好な傾向が認められた。 本試験のデータは、今後の医学学会で公表するとともに、欧米の保健当局に対しても提出する予定。

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希少がんのオンライン・セカンドオピニオンを開設/国立がん研究センター

 新型コロナウイルス感染症流行に収束の目処が立たない中、患者の受診控えが続いている。国立がん研究センター中央病院は、オンラインでのセカンドオピニオン外来をスタートすることを発表した。2021年2月15日(月)13時より予約を開始する。 利用者としては、原則として、希少がんなど専門医が限られる種類のがん患者を想定し、細かく分類したうえでそれぞれの専門医が対応する。同院が民間会社と共同開発した検査画像の閲覧ができるオンライン診察システムサービスを用い、PC、スマホ、タブレット等を使って受診する。感染リスクを考えて受診を控えていた患者や、地方在住者に利用を促す。(オンライン・セカンドオピニオンの対象患者)【治療開始前】・診断が正しいかどうか不安な方・がん治療が妊娠や出産に与える影響や対応方法等について知りたい方・主治医からの治療方針を確認したい方・複数の選択肢があるために当院の見解を知りたい方・主治医から診断や治療方針の決定が難しいと言われた方【治療中】・研究的な治療の相談(ゲノム検査結果を踏まえた治療など) 従来の対面でのセカンドオピニオンも引き続き行っており、「主治医から提示された治療が希望に合わず、当院で他の治療法がないかを知りたい」「転院を相談したい」という場合は対面を利用するよう推奨している。 患者本人からの相談を原則とし、家族からの相談は本人の同意書が必要。国外在住者の受診は不可となっている。完全予約制で時間は60分以内、料金は自費診療となり49,940円(税込、病理診断実施の場合は55,440円)。がん診療を中心に、オンラインでのセカンドオピニオンの開設は広がっており、がん研有明病院や亀田総合病院でも既に導入されている。申し込み・詳細は下記よりオンライン・セカンドオピニオン/国立がん研究センター中央病院

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バーチャル開催のJSMO2021、注目演題を発表/日本臨床腫瘍学会

 2021年2月18日(木)~21日(日)、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)が完全バーチャル形式で開催される。これに先立ち、プレスセミナーが開催され、今回のJSMO2021の取り組みや注目演題等が発表された。JSMO2021のテーマは「Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology」 この中で、会長を務める西尾 和人氏(近畿大学医学部ゲノム生物学教室 教授)が学会の概要を説明。昨年夏にいち早く完全バーチャル形式での開催を決めたJSMO2021は、例年より長めの日程となり、海外演者も数多く登壇予定だ。「朝は7時から夜は23時まで多くの演題を用意し、勤務のある方でも参加しやすくした」(西尾氏)。 JSMO2021のテーマは「Evolving Treatment Paradigms for Precision Oncology」で、2019年にがん遺伝子パネル検査が保険収載となってから1年半あまりで、がんの臨床現場を大きく変えたゲノム医療についてリアルワールドデータやアジア各国のとの協働研究の結果が報告される。また、15の学術部会による教育シンポジウムや患者支援企画、国際学会としてASCO(米国腫瘍学会)やESMO(欧州腫瘍学会)とのジョイントセミナーや少人数で各国の腫瘍内科医とディスカッションする「Meet the Experts」も多数設けられた。その他の注力テーマとしては「COVID-19流行下におけるがん診療」と、リキッドバイオプシーや人工知能(AI)の臨床応用といった「新しいテクノロジーにおけるがん医療の変革」が設定され、いずれも複数のセッションが予定されている。 続けて、中川 和彦氏(近畿大学医学部内科学教室 教授)が、JSMO2021における900題にのぼる一般演題の中で、とくに注目される3つのPresidential Sessionについて、詳細を解説した。Presidential Session 12月19日(金) 14:00~15:55 「免疫チェックポイント阻害剤の治療開発」1)進行食道がんに対するペムブロリズマブ+化学療法 KEYNOTE-590:原 浩樹氏(埼玉県立がんセンター)2)MSI-high/dMMR の転移のある大腸がんに対するペムブロリズマブvs.化学療法KEYNOTE-177:吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院)3)進行非扁平上皮非小細胞肺がんに対するニボルマブ+プラチナ化学療法+ベバシズマブ 日本人サブ解析:樋田 豊明氏(愛知県がんセンター)4)肺肉腫に対する2つの抗PD-1抗体(ニボルマブとペムブロリズマブ):板橋 耕太氏(国立がん研究センター中央病院)5)R/R AML患者におけるAMG330:Farhad Ravandi氏(米MDアンダーソンがんセンター)Presidential Session 22月20日(土) 15:30~15:35 「分子標的治療と殺細胞性抗がん剤治療」1)術後ハイリスク頭頸部がんに対する化学療法 :田原 信氏(国立がん研究センター東病院)2)EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対するベバシズマブ+エルロチニブ OSとctDNA解析:福原 達朗氏(宮城県立がんセンター)3)HER2陽性進行乳がんへのペルツズマブ再投与:遠山 竜也氏(名古屋市立大学)4)再発または転移のある子宮頸がんに対するtisotumab:Robert L. Coleman氏(米国立がん研究所)5)進行大腸がんにおけるAMG510:久保木 恭利氏(国立がん研究センター東病院)Presidential Session 32月21日(日) 14:50~16:50 「ゲノム医療と希少がん」1)進行胃がんにおけるctDNAによる遺伝子異常 SCRUM-Japan MONSTAR SCREEN:舛石 俊樹氏(愛知県がんセンター)2)泌尿生殖器がんにおけるctDNAによるゲノム解析:野々村 祝夫氏(大阪大学)3)日本におけるがんゲノム医療における初期エキスパートパネルのパフォーマンス:角南 久仁子氏(国立がん研究センター中央病院)4)原発不明がんに対するNGSを用いた遺伝子発現解析と遺伝子変異による原発巣推定に基づくSite-Specific Treatment:新井 誠人氏(千葉大学)5)小児がん患者における抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐予防としてのパロノセトロン:古賀 友紀氏(九州大学) 19~21日には、その日に発表された演題の中から、とくに注目すべきものを識者が解説する「Highlight of the Day」(1時間)も予定されている。◆第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)ライブ配信:2021年2月18日(木)~21日(日)オンデマンド配信:2021年3月1日(月)~31日(水)

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慢性期CMLの無治療寛解をめざす:first line DADI試験【Oncologyインタビュー】第28回

BCR–ABL TKIの出現で慢性期のCML(慢性骨髄性白血病)の治療成績は向上した。しかし、再発予防のため、TKIは生涯服用しなければならないと言われてきた。そのような中、慢性期CML 1次治療における第2世代TKIダサチニブの中止試験が行われ、Lancet Haematology誌で発表された。また、どのような患者がTKを中止できるのか、後ろ向き研究がMolecular Cancer Therapeutics誌で発表された。この2つの研究について佐賀大学の嬉野博志氏に聞いた。CML患者に恩恵もたらすTKI…“やめどき”が今後の研究課題―first line DADI試験を実施した背景について教えていただけますか。イマチニブをはじめとするTKIの出現で、慢性期CMLの治療成績は向上しました。一方、再発防止のためTKIは生涯服用し続けなければいけない、というのが通説でした。しかし、臨床現場では服用をやめざるを得ないケースもあります。そのような中、2010年、Lancet Oncology誌に第1世代TKIイマチニブのSTIM(Stop IMatinib)試験が発表されました。結果は、イマチニブで深い分子遺伝学的寛解(以下、DMR:deep molecular response)を2年間維持している患者では、1年後も38%がDMRを維持し続けたというものでした1)。その後も慢性期CMLにおけるTKIの中止を検討する、いわゆる「STOP試験」が行われるようになりました。2015年には、私ども佐賀大学が中心となり、イマチニブ不応・不耐用患者の2次治療にダサチニブを用いた、世界初の第2世代TKIのSTOP試験であるDADI(DAsatinib DIscontinuation) 試験を行いました。この試験ではダサチニブのDMR維持期間は1年間としました。イマチニブでは2年でしたが、抗腫瘍活性が高いことからダサチニブでは1年短縮したのです。DADI試験の結果、12ヵ月時点で48%、36ヵ月で44%の無治療寛解(以下、TFR:treatment free remission)が示されました2)。DADI試験の良好な結果を受け、ダサチニブを初回治療から用いたらイマチニブ以上に中止人数を増やせるのではないか、という仮説のもと、ダサチニブの1次治療のSTOP試験「first line DADI trial」を実施しました。ダサチニブDMRの維持期間はDADI試験と同様1年間です。first line DADI試験の概要日本の23施設による多施設単群第II相試験対象: ダサチニブの治療(24ヵ月以上)により、DMRを1年間維持している慢性期のCML症例。ECOG PS0〜2主要評価項目:上記患者におけるダサチニブ中止後6ヵ月時の分子学的無再発生存(TFR)主な結果2013年9月20日〜2016年7月12日に、ダサチニブの治療を24ヵ月以上行いDMRとなった 68例が登録され、1年間の強化治療相に割り当てられた。10例が除外され58例が評価対象となった。ダサチニブ投与中止後6ヵ月のTFRを達成した患者は55.2%(58例中32例)であった(追跡期間23.3ヵ月)。ダサチニブの投与期間中央値は40.4ヵ月であった。ダサチニブの主な有害事象は貧血(21%)。Grade3の好中球減少は4%、1%でGrade4のリンパ球減少が発現した。第2世代TKIではさらに早い薬剤離脱が可能か―この結果についてどう評価されますか。まず、薬剤中止までのDMRの維持期間を、第1世代TKIの2年から第2世代TKIダサチニブでは1年に短縮できることが示されました。また、6ヵ月のTFR達成患者の割合は55%でしたが、その後3年程度観察しても脱落した患者はいません。この服用期間で起こらなければ、そのあとの再発の可能性はかなり低いことも示唆されます。ダサチニブの3年強の服用で、薬がやめられる患者が一定数いることが明らかになったということは、以前のCMLの予後を考えると、すばらしい成果だと思います。TKI離脱はどのような患者で達成されるのか―TFRはどのような患者でもたらされるか、更なる研究も行っているそうですね。われわれの以前の研究で、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(以下、KIR:Killer Immunoglobrin-like Receptor)およびHLA多型が慢性期CML患者のDMR達成と関係することが示唆されていました。そこでわれわれは、TKIを中止できた慢性期CML患者におけるTFRとKIRおよびHLAの多型との関係を調べるため、佐賀大学での慢性期CML患者を後ろ向きに解析しました。―結果はどのようなものでしたか。佐賀大学を受診した慢性期CML患者76例が登録されました。76例のうち33例がTKIを中止でき、そのうち1年後にTFRを達成した患者は21例(63.6%)でした。多変量解析の結果、男性(HR:0.157、p=0.003)、HLA-02:01、11:01、24:02(HR:6.386、p=0.006)がTFRと関係していることが明らかになりました。DMR達成症例ではNK細胞の高い活性が示されたものの、TFRの達成とKIRの相関はないため、NK細胞の関連は認められませんでした。一方、日本人に頻度の高いHLA多型が相関することから、TFRの達成にはT細胞免疫の関連が示唆されました。これらの結果から、NK細胞はDMRの達成に関与し、T細胞免疫はTFRの達成に関与することも推測することも可能ですが、今後、より大規模な研究が必要だと思います。発表論文Kimura S, el.al. Treatment-free remission after first-line dasatinib discontinuation in patients with chronic myeloid leukemia (first-line DADI trial): a single-arm, multicenter, phase 2 trial. Lancet Haematol. 2020 Mar 7.[Epub ahead of print]Ureshino H,et al. HLA Polymorphisms Are Associated with Treatment-Free Remission Following Discontinuation of Tyrosine Kinase Inhibitors in Chronic Myeloid Leukemia. Mol Cancer Ther. 2021;20;142-149.出典1)Mahon FX, et al. Lancet Oncol. 2010 Nov 11.2)Imagawa J, et al. Lancet Haematol. 2015 Dec 2.

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「がん診療と新型コロナウイルス感染症」、患者向けQ&Aを改訂/日本臨床腫瘍学会

 2021年1月25日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「がん診療と新型コロナウイルス感染症 がん患者さん向けQ&A」の改訂3版を公開した。これは3学会合同連携委員会の新型コロナウイルス(COVID-19)対策ワーキンググループがまとめたもので、「がん患者は新型コロナウイルスに感染しやすいのか」「検査はどこまですべきなのか」「現在の治療を延期したほうがよいのか」といった、多くのがん患者が抱える疑問に答える内容となっている。今回は各種文献やガイドラインのアップデートを反映した改訂となる。 ASCO(米国臨床腫瘍学会)やESMO(欧州臨床腫瘍学会)が提唱する基本治療方針へのリンクや、「血液がん」「肺がん」「乳がん」といったがん種別に分けたうえで細かく治療方針を解説する項目もあり、がん治療中の患者にとって必要な情報が網羅的にまとまっている。

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CLL治療薬にアカラブルチニブ承認取得/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬であるアカラブルチニブ(商品名:カルケンス)について、2021年1月22日に「再発または難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を効能・効果として、厚生労働省より承認を取得したと発表した。 慢性リンパ性白血病(CLL)は、骨髄中の造血幹細胞が過剰に異常なリンパ球となり起こる。これらの異常細胞は、感染症に対する防御力が低いことが知られ、異常細胞数が増えるにしたがい、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性がある。BTKを介するB細胞受容体のシグナル伝達は、CLLの基本的な増殖経路の1つとされる。本症は、欧米では最も患者数が多い白血病となるが、わが国および東アジアではまれな疾患とみなされ、白血病と診断された患者の1~2%を占める程度となっている。 アカラブルチニブは、BTKに共有結合することでその阻害作用を発揮する。B細胞内においてBTKシグナル伝達は、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られている。 今回の厚生労働省による承認は、国内第I相試験および国際共同第III相試験(ASCEND試験)の中間解析の良好な結果に基づいている。 本試験は、再発または難治性CLL患者を対象に、アカラブルチニブの有効性を検討した無作為化多施設非盲検国際共同第III相試験。この試験では、310例の患者を2群に無作為割付け(1:1)し、1群目の患者には、アカラブルチニブ単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで100mgを1日2回投与)を実施した。 中間解析では、アカラブルチニブ単剤療法群は、リツキシマブと治験担当医師の選択によるidelalisibまたはベンダムスチンの併用療法群と比較し、無増悪生存期間(PFS)において統計的に有意で臨床的意義のある改善が示された。アカラブルチニブは、病勢進行または死亡のリスクを69%減少させた(ハザード比:0.31、95%信頼区間:0.20-0.49、p

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