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本邦初のIFNフリー・リバビリンフリー・パンジェノタイプのDAA療法の登場(解説:中村 郁夫 氏)-765

 本論文は、重度の腎機能低下HCV症例に対するグレカプレビル・ピブレンタスビル併用療法の治療効果および安全性に関する多施設・オープンラベルで行われた研究結果の報告である。ステージ4および5の腎機能障害例(遺伝子型 1、2、3、4、5、6型)に対し12週間の治療を行った結果、SVR率98%と高い効果を示した。 本邦において、重度腎機能低下例に投与可能なDAA製剤は、従来、アスナプレビル・ダクラタスビル療法、および、エルバスビル・グラゾプレビル療法の2種であった。しかし、アスナプレビル・ダクラタスビル療法は、治療期間が24週間と長期であり、また、エルバスビル・グラゾプレビル療法では、腎機能低下例に関しては、米国のデータのみが示されるにとどまっていた。 一方、グレカプレビル・ピブレンタスビル療法の本邦における治験では、重度腎機能低下例(透析症例を含む)が含まれているうえに、治療期間が8~12週間と、従来のDAA製剤と比較して短縮された(また、添付文書において、腎移植例に用いられる免疫抑制薬のタクロリムスが、併用注意薬に含まれていない)。 さらに、従来のDAA併用療法は、1種類の遺伝子型のHCVに対するものであったが、本治療は、いわゆる「パンジェノミック」:複数のHCV遺伝子型に効果のある治療法であり、その点からも興味深い研究である。 このグレカプレビル・ピブレンタスビルの合剤は、本邦初の「IFNフリー・リバビリンフリー・パンジェノタイプ」のDAA製剤として、2017年の11月下旬にマヴィレットの商品名で薬価収載される予定である。ただし、併用禁忌薬として、アトルバスタチンが含まれている点には注意が必要である。本邦におけるHCVに対するDAA治療は、いよいよ最終段階を迎えたと考えられる。

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Dr.徳田のすぐできるフィジカル超実技

第1回 全身のフィジカル 第2回 呼吸器のフィジカル‐1 第3回 呼吸器のフィジカル‐2 第4回 心臓のフィジカル‐1 第5回 心臓のフィジカル‐2 第6回 腹部のフィジカル 医療テクノロジーの進化に伴い軽視されがちなフィジカル診察。しかし、診療上の重要な情報を、近代的モダリティよりも早く確実に与えてくれることも少なくありません。しかも、フィジカルのスキルは簡単なトレーニングで身に付けることが可能です。番組ではフィジカルの達人 徳田安春氏が、実技を交え基本的なテクニックを6回にわたり伝授。達人の技を体感しつつ、日常診療に活用できるフィジカルスキルを会得してください。第1回 全身のフィジカル フィジカル診察は全身外観の観察からスタートします。外観のアラームサインから脱水のフィジカル診断まで、医師の視覚、聴覚、触覚、嗅覚を使い患者さんの状態を評価します。ヒポクラテス顔貌、ツルゴール反応、Capiiiary refile time、触診による血圧測定など全身のフィジカルの基本知識をDr.徳田自ら実技を交え紹介します。第2回 呼吸器のフィジカル‐1 第2回は呼吸器のフィジカル。視診、触診、打診から声音振盪におる胸水の診断まで、呼吸器フィジカルの基本手技ををDr.徳田自ら実技を交え紹介します。第3回 呼吸器のフィジカル‐2 第3回は呼吸副雑音。難しい呼吸音の聴き分けも、Dr.徳田の“音まね”でなるほど納得です。クラックルに始まり、ウィーズ、ロンカイ、ストライダーまで、それぞれの聴診音の特徴をわかりやすく実演。対応する病態も合わせてDr.徳田が紹介します。フィジカルマスターの“匠”を感じてください。第4回 心臓のフィジカル‐1 第4回は心臓のフィジカル。苦手な過剰心音の聴き分けも“疑似音”で解決心尖拍動の触診、心音の聴診といった基本から、過剰心音を判別するフィルタリングアウトのテクニックまで、Dr.徳田が“疑似音”を駆使してわかりやすく実演。対応する病態も合わせて紹介します。フィジカルマスターの“匠”を感じてください。第5回 心臓のフィジカル‐2 第5回は心臓のフィジカル心雑音編。難解な心雑音の聴き分けも“疑似音”で解決大動脈弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症などの収縮期雑音、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症をはじめとする拡張期雑音もDr.徳田が“疑似音”を駆使してわかりやすく実演。各病態の特徴も要点をシンプルに解説します。さらに、頸静脈三角を使った静脈圧測定の手技も追加解説。フィジカルマスターの“匠”を感じてください。第6回 腹部のフィジカル 第6回は腹部のフィジカル。達人の“音”で肝臓が見える。腹部の視診、腸管の聴診、肝臓・脾臓の打診、そして腹水の身体診察まで、Dr.徳田が実技を使って解説します。とくに、肺から肝臓そして腸管と変化する゛達人の打診音“は圧巻です。フィジカルマスターの“匠”を感じてください。

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重度CKDのHCV感染患者、グレカプレビル+ピブレンタスビルが有益/NEJM

 C型肝炎ウイルス(HCV)に感染しステージ4または5の慢性腎臓病(CKD)を有する患者に対し、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬グレカプレビル+NS5A阻害薬ピブレンタスビル(商品名:マヴィレット配合錠)の12週間投与により、98%と高いウイルス学的著効(SVR)が得られることが示された。ニュージーランド・オークランド市立病院のEdward Gane氏らが、患者104例を対象に行った第III相多施設共同非盲検試験の結果で、NEJM誌2017年10月12日号で発表した。1日グレカプレビル300mg+ピブレンタスビル120mgを12週間投与 研究グループは、HCV遺伝型1、2、3、4、5、6型のいずれかに感染し、肝硬変の有無を問わず代償性肝疾患を有し、重度腎機能障害または透析依存、あるいは両状態が認められる成人患者104例を対象に試験を行った。 被験者に対し、グレカプレビル(100mg)+ピブレンタスビル(40mg)の配合薬を1日3錠、12週間投与し、その有効性と安全性を評価した。 被験者は、ステージ4または5のCKDを有し、HCV感染に対する治療歴がない、またはインターフェロン、ペグインターフェロン、リバビリン、ソホスブビルのいずれかまたは併用による治療歴があった。 主要エンドポイントは、治療終了後12週時点のSVR率だった。104例中102例で治療後12週時点のSVR達成 被験者のHCV遺伝型1、2、3、4、5、6型への感染率は、それぞれ52%、16%、11%、19%、2%、2%だった。 主要エンドポイントのSVRが認められたのは、104例中102例(98%、95%信頼区間[CI]:95~100)だった。治療中にウイルス学的失敗を来した患者、治療終了後にウイルス学的再発を来した患者はいなかった。 有害事象のうち、被験者の10%以上で報告されたのは、かゆみ、倦怠感、悪心だった。重篤な有害事象の発現は24%。また、4例が有害事象のため試験治療を早期に中止したが、そのうち3例ではSVRが得られていた。

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GLP-1受容体作動薬は心イベントのみならず、腎イベントも抑制する(解説:吉岡成人 氏)-735

 2017年に公表された米国糖尿病学会のガイドラインでは、心血管疾患のハイリスク患者に対するGLP-1受容体作動薬の使用が推奨されている。その根拠となっている臨床試験がLEADER試験(Liraglutide Effect and Action in Diabetes: Evaluation of Cardiovascular Outcome Results)であり、リラグルチドによって2型糖尿病患者の心血管イベント(心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死的脳卒中)がわずかではあるが、統計学的に有意差をもって抑制される(ハザード比:0.87、95%信頼区間:0.87~0.97)ことが示されている。今回の報告は、LEADER試験の副次評価項目としての腎アウトカムについて分析したものである。 持続性顕性アルブミン尿の新規発症、血清クレアチニン値の持続的倍化、末期腎不全、腎疾患による死亡の4項目を腎アウトカムとして評価し、推定糸球体濾過量(eGFR)、アルブミン尿の推移についても検討を加えている。 9,340例の2型糖尿病を対象とした二重盲検プラセボ対照比較試験で、追跡期間の中央値は3.84年である。腎アウトカムの発生はプラセボ群7.2%(4,672例中337例、19.0/1,000人年)、リラグルチド群5.7%(4,668例中268例、15.0/1,000人年)であり、リラグルチド群で有意な減少を認めた(ハザード比:0.78、95%信頼区間:0.67~0.92、p=0.003)。腎アウトカムの4項目の中で有意に減少しているのは持続性顕性アルブミン尿の新規発症であり(4.6% vs.3.4%、ハザード比:0.74、95%信頼区間:0.60~0.91、p=0.004)、その他のアウトカムでは差がなかった。さらに層別解析ではeGFRが60mL/min/1.73m2以上の群、すでに微量アルブミン尿、顕性アルブミン尿が認められる群でのハザード比の有意な低下が確認されている。 一方で、SGLT2阻害薬による大規模臨床試験であるEMPA-REGアウトカム試験やCANVAS試験で認められたeGFRの低下を防ぐことを示すことはできなかった。おそらく、SGLT2阻害薬の腎保護効果が腎血行動態やケトン体などによる複合的なものであるのに対し、リラグルチドの腎保護効果はアルブミン尿の排泄減少が主体であり、酸化ストレスや、糸球体における炎症の軽減によるものなのかもしれない。 日本において広く使用されているDPP-4阻害薬ではアルブミン尿の減少などの腎保護作用は臨床的に確認されておらず、GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の差異を示す1つの臨床データとも受け止めることができる。

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SPYRAL HTN-OFF MED研究:腎除神経は降圧効果を有するか?(解説:冨山博史 氏)-733

 SPYRAL HTN-OFF MEDは、軽症・中等症高血圧症例80例を対象に腎除神経の降圧効果の有意性を検証した研究である。結果は、腎除神経群では治療3ヵ月後の外来収縮期血圧が10mmHg、24時間収縮期血圧が5.5mmHg低下した。一方、対照群(Sham手技)では外来収縮期血圧2.3mmHg、24時間収縮期血圧0.5mmHgの低下であり、両群間に有意差を確認した。ゆえに、本研究では腎除神経が有意な降圧作用を有すると結論している。 さて、SPYRAL HTN-OFF MED研究の筆頭著者はペンシルベニア大学のTownsend教授である。Townsend教授は腎除神経の有意な降圧作用を確認できなかったSYMPLICITY HTN-3 研究メンバーの一員であり1)、SPYRAL HTN-OFF MED論文の序論で、腎除神経の降圧作用の有意性が確認できなかった問題点として以下を述べている。 1. SYMPLICITY HTN-3 研究では腎除神経群の降圧薬服薬アドヒアランスが  不良であった。 2. SYMPLICITY HTN-3 研究では腎除神経の手技が不十分であった。 3. 収縮期高血圧症例は腎除神経の効果が小さいことが知られているが、  SYMPLICITY HTN-3 研究ではそうした症例が研究に含まれていた。  さらに、Townsend教授が述べた以外の問題点として、 4. これまで腎除神経の降圧効果を検討した研究では治療効果評価は外来血圧で実施  されたことが多く、家庭血圧や24時間測定血圧での評価が十分でない。 5. 除神経手技による腎除神経の確実性が検証されていない。などの問題が指摘されていた。 こうした観点からSPYRAL HTN-OFF MED研究を吟味すると: 1. 服薬アドヒアランスの問題:本研究は軽症・中等症高血圧症例(20~80歳)で、  研究開始前に3~4週の降圧薬休止期間を設け、腎除神経・Sham手技(腎血管造影  と検査台での20分の安静)実施後3ヵ月後の血圧評価まで降圧薬を服用しなかった  症例を対象としている。 2. 腎除神経の手技:SPYRAL HTN-OFF MED研究では腎除神経手技は、腎除神経手技  の十分な経験を有する術者が実施した。また、SYMPLICITY HTN-3 研究では除神経  電極は1個であったが、SPYRAL HTN-OFF MED研究では4個の電極を有する  カテーテル(Spyral)を使用した。さらに、これまでの研究では焼灼手技は腎動脈  本幹でのみ実施されていた。しかし、最近の研究で腎交感神経は腎動脈本幹末梢や  分枝後に腎動脈内膜側に移動し走行することが確認されており、こうした部位での  焼灼が有用とされている。SPYRAL HTN-OFF MED研究では本幹末梢と分枝腎動脈  の焼灼を複数回実施している。 3. 収縮期高血圧の問題:SPYRAL HTN-OFF MED研究では組み入れ基準で外来拡張期  血圧が90mmHg以上の症例を登録しており、収縮期高血圧は除外されている。 4. 治療効果の評価:いくつもの高血圧診療ガイドラインに記載されているごとく、  降圧治療の効果評価には外来血圧でなく、家庭血圧/24時間測定血圧が有用である。  SPYRAL HTN-OFF MED研究では24時間測定血圧で効果を評価し、対照群に比べて  収縮期血圧5mmHg/拡張期血圧4.4mmHgの有意な低下を示した。 5. 腎除神経の確実性の検証:腎除神経の確実性を評価する方法は確立していないが、  腎神経刺激による血圧反応評価が有用な方法として注目されている2)。  しかし、SPYRAL HTN-OFF MED研究では、こうした検証は実施されていない。SPYRAL HTN-OFF MED研究の臨床的意義 本研究は、腎除神経の降圧効果についてこれまで指摘された問題点をおおむね明らかにし、腎除神経治療法の有意な降圧効果を示した。しかし、降圧は治療後3ヵ月の評価であり、慢性効果の検証ではない。さらに腎除神経にて血圧は正常血圧域までは低下していない。これらの結果は、腎除神経は降圧効果を有するが、降圧薬治療の効果を凌駕するほど顕著な降圧作用は示さないことが推察された。ゆえに、侵襲性や必要な治療手技技術を考慮すると軽症・中等症高血圧の第1選択治療法としては適さないと考える。

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腎デナベーション、降圧薬非服用の高血圧を改善するか/Lancet

 診察室収縮期血圧が150~180mmHgで降圧薬を服用していない患者に対する腎デナベーションは、収縮期・拡張期血圧を5~10mmHg程度低下させる可能性があることが示された。米国・ペンシルベニア大学のRaymond R. Townsend氏らが、80例の患者を対象に行った概念実証試験「SPYRAL HTN-OFF MED」の結果で、Lancet誌オンライン版2017年8月25日号で発表した。これまでに行われた腎デナベーションの無作為化試験では、一貫した降圧効果が示されていない。本検討では、降圧薬を服用していない場合の腎デナベーションの効果を明らかにすることが目的だった。米国、欧州、日本などの21ヵ所で試験を実施 SPYRAL HTN-OFF MED試験では、米国、欧州、日本、オーストラリアの21ヵ所の医療機関を通じて、降圧薬を未服用または服用を中断した患者を対象に、無作為化シャム(擬似的処置)対照単盲検試験を行った。被験者は、診察室収縮期血圧が150mmHg以上180mmHg未満、診察室拡張期血圧が90mmHg以上、24時間自由行動下の収縮期血圧が140mmHg以上170mmHg未満を適格とした。 研究グループは、被験者に対し腎血管撮影を行った後、無作為に2群に分け、一方には腎デナベーションを、もう一方にはシャム処置を行った。 主要エンドポイントは、3ヵ月後の血圧値変化だった。3ヵ月後に診察室収縮期血圧は10.0mmHg低下 2015年6月25日~2017年1月30日に被験者のスクリーニングを行い、80例を無作為化し、腎デナベーション(38例)またはシャム処置(42例)を行った。 3ヵ月後の診察室・24時間自由行動下の血圧は、腎デナベーション群ではいずれも有意に低下した。減少幅は、24時間自由行動下・収縮期血圧が-5.5mmHg(95%信頼区間[CI]:-9.1~-2.0、p=0.0031)、24時間自由行動下・拡張期血圧が-4.8mmHg(同:-7.0~-2.6、p<0.0001)、診察室収縮期血圧が-10.0mmHg(同:-15.1~-4.9、p=0.0004)、診察室拡張期血圧が-5.3mmHg(同:-7.8~-2.7、p=0.0002)だった。 一方、シャム処置のコントロール群では、診察室・24時間自由行動下の血圧はいずれも有意な低下は認められなかった。変化幅は、24時間自由行動下・収縮期血圧が-0.5mmHg(p=0.7644)、24時間自由行動下・拡張期血圧が-0.4mmHg(p=0.6448)、診察室収縮期血圧が-2.3mmHg(p=0.2381)、診察室拡張期血圧が-0.3mmHg(p=0.8052)と、いずれも有意差はなかった。 ベースラインから3ヵ月時点までの血圧低下幅の群間差は、24時間自由行動下・診療室血圧ともに腎デナベーションで大きかった。24時間自由行動下・収縮期血圧の同群間差は-5.0mmHg(p=0.0414)、24時間自由行動下・拡張期血圧は-4.4mmHg(p=0.0024)、診察室収縮期血圧は-7.7mmHg(p=0.0155)、診察室拡張期血圧が-4.9mmHg(p=0.0077)だった。 なお、両群ともに重大な有害イベントは認められなかった。

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認知障害にシスタチンCと微量アルブミン尿が関連

 認知障害は健康に影響する重要な要素であり、早期診断が重要である。今回、久留米大学の福本 義弘氏らの研究グループが、比較的若年の集団において、認知機能が血清シスタチンCおよび微量アルブミン尿と有意に逆相関することを初めて証明した。Atherosclerosis誌オンライン版2017年8月26日号に掲載。 本研究の被験者は、2009年に田主丸(福岡県久留米市)で健康診断を受けた1,943人(男性774人、女性1,169人、平均年齢65.8歳)。被験者の認知機能はmini-mental state examination(MMSE)を用いて評価し、血清シスタチンCはラテックス免疫比朧法を用いて測定した。また、微量アルブミン尿は随時尿で測定した。MMSEスコアとシスタチンCまたは微量アルブミン尿との関係は、多変量線形回帰分析を用いて評価した。すべての統計分析はSASシステムを用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・血清シスタチンCと微量アルブミン尿をそれぞれ対数変換した平均値は、0.95(範囲:0.41~7.11)mg/L、10.7(範囲:1.1~2,600)mg/g・Crであった。・MMSEスコアの平均は27.7±2.5であった。・年齢および性別を調整した多変量線形回帰分析では、MMSEは収縮期血圧(p=0.024、逆相関)、シスタチンC(p=0.046、逆相関)、微量アルブミン尿(p=0.019、逆相関)と有意に関連を示したが、推算糸球体濾過量(eGFR)との関連は有意ではなかった(p=0.197)。・段階的重回帰分析では、年齢、脳卒中歴、収縮期血圧、血清シスタチンCが独立してMMSEスコアと関連していた。

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厳格降圧はCKD患者の死亡リスクを下げるのか~メタ解析

 高血圧患者における試験では、厳格な降圧が心血管疾患死や全死亡のリスクを低下させる一方、慢性腎臓病(CKD)の発症や進行のリスクを高める可能性が示唆されている。これまで、一般的なCKD患者において厳格な降圧が死亡におけるベネフィットと関連するのかどうか不明である。今回、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRakesh Malhotra氏らが無作為化試験(RCT)の体系的レビューとメタ解析を行った結果、高血圧とCKD(ステージ3~5)の併存患者において、厳格な降圧が低強度の降圧より死亡リスクが低かった。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。 本研究では、1950年1月1日~2016年6月1日において、定義された2つの血圧目標を比較した試験(降圧治療vs.プラセボまたは無治療、もしくは、厳格降圧vs.低強度降圧)で、18歳以上のステージ3~5(eGFR<60mL/分/1.73m2)のCKD患者が登録されたRCT、もしくはCKDのサブグループが記載されたRCTを、Ovid MEDLINE、Cochrane Library、EMBASE、PubMed、Science Citation Index、Google Scholar、clinicaltrials.govの電子データベースを用いて抽出した。2人の研究者が独立して試験の質を評価し、各試験の介入期間でのCKD患者の特徴と死亡を抽出した。CKD群での結果が公表されていなかった場合はCKDサブセットのデータを研究者に依頼した。主要アウトカムは治療期間中の全死亡率とした。 主な結果は以下のとおり。・選択基準に潜在的に合致する30のRCTを特定した。・CKDサブセットにおける死亡データは18試験で抽出され、1万5,924例のCKD患者のうち1,293例が死亡していた。・ベースラインの平均収縮期血圧は、厳格降圧および低強度降圧の両群で148(SD:16)mmHgであった。・平均収縮期血圧は、厳格降圧群では16mmHg低下し132mmHgに、低強度降圧群では8mmHg低下し140mmHgになった。・厳格降圧群の全死亡リスクは低強度降圧群より低く(オッズ比:0.86、95%CI:0.76~0.97、p=0.01)、この結果は有意な異質性がなく、複数のサブグループにわたって一貫していた。

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2型糖尿病へのリラグルチド、腎アウトカムも改善/NEJM

 2型糖尿病で心血管疾患ハイリスクの患者に対し、標準治療に加えリラグルチド(商品名:ビクトーザ)を投与することで、腎アウトカムは改善することが示された。リラグルチド投与群の持続性顕性アルブミン尿の新規発症率は、約4分の3に減少した。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲンのJohannes F.E.Mann氏らが、リラグルチドによる全死因死亡率の低下、心血管・細小血管アウトカムの改善効果を示した「LEADER」試験の、事前に規定した副次評価項目の腎アウトカムについて分析した結果で、NEJM誌2017年8月31日号で発表した。持続性顕性アルブミン尿、末期腎不全などの複合アウトカムを評価 研究グループは、2型糖尿病で心血管疾患リスクが高い患者9,340例を無作為に2群に分け、標準治療に加え、一方にはリラグルチド(当初1週間0.6mg/日、その後1.2mg~1.8mg/日まで増量)を、もう一方にはプラセボを投与した。 事前に規定した副次評価項目の腎アウトカムは、持続性顕性アルブミン尿の新たな発症、血清クレアチニン値持続的倍増、末期腎不全、腎疾患による死亡の複合だった。腎アウトカムのリスクについては、intention-to-treatアプローチでのtime-to-event解析で確定した。また、推定糸球体濾過量(eGFR)とアルブミン尿の変化についても評価した。腎アウトカム発生は2割超減少 追跡期間中央値3.84年における腎アウトカムの発生は、プラセボ群4,672例中337例に対し、リラグルチド群は4,668例中268例と有意に減少した(ハザード比[HR]:0.78、95%信頼区間[CI]:0.67~0.92、p=0.003)。これは主に、リラグルチド群で持続性顕性アルブミン尿の新規発症が低率だったことによるもので、プラセボ群215例に対しリラグルチド群は161例と、リラグルチド群の発症頻度はプラセボ群の約4分の3だった(HR:0.74、95%CI:0.60~0.91、p=0.004)。 腎有害事象の発現頻度は両群で同程度だった(プラセボ群16.5/1,000患者年、リラグルチド群は15.1/1,000患者年)。急性腎障害は、それぞれ6.2/1,000患者年、7.1/1,000患者年だった。

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Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)

第1回 がん総論 第2回 肺がん 第3回 乳がん 第4回 胃がん 第5回 大腸がん 第6回 副作用&合併症マネジメント がん化学療法が一般的な治療となり、一般内科でもがん患者を診る機会が多くなりました。この番組では、がん種ごとに、基本的知識、ステージ、主な治療法、化学療法とその副作用をコンパクトに解説。上下巻11種のがんのうち、上巻では4つのがんと、がん医療用語などをまとめた総論、副作用&合併症マネジメントを収録。すべての医療者が自信を持ってがん患者と向き合えるための知識を、腫瘍内科 大山優先生がレクチャーします!第1回 がん総論 「2人に1人はがんになる」時代。すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義「がんレク!」第1回はその基本中の基本である「がん総論」。がん治療で使用される用語や指標、治療方法とその進め方をコンパクトに解説。さらに、注目を集める免疫療法をはじめ、医療のプロとして今必ず知っておくべきがんにまつわる知識をまとめました。第2回 肺がん 第2回は男性のがん死因1位であり、一般内科医でも遭遇する機会の多い肺がんのレクチャーです。肺がんの予後を劇的に改善した分子標的薬や、ニボルマブが注目を集める免疫チェックポイント阻害薬など、一般内科医でもこれだけは知っておきたい知識がこの番組を見るだけで得られます。肺がんの基本的知識、治療薬、副作用をコンパクトに解説します。第3回 乳がん 今回は女性が最も多く罹患する乳がんについて解説します。患者数が多いため、一般内科医でも診る機会が多いがんの1つです。サブタイプ分類による個別化医療が進んでいることも乳がんの特徴です。ホルモン感受性の有無、HER2の発現状況、増殖のしやすさなどによって選択されるそれぞれの治療法をコンパクトにレクチャーします。期待されるホルモン療法と分子標的薬は是非チェックしてください。第4回 胃がん罹患率が大腸がんに次ぎ第2位の胃がん。内視鏡検査で早期発見されることも多く、外科的切除による治癒率も比較的高いがんです。また、化学療法にも感受性で、さらにHER陽性にはベバシズマブなど分子標的薬による治療が有効です。また免疫チェックポイント阻害薬も開発中であり、さらなる個別化医療が期待されています!一方、胃切除後の合併症等には注意が必要です。がん患者の治療中・治療後のフォローを解説します。第5回 大腸がん 罹患率第1位の大腸がん。一般内科でも診る機会の多い大腸がんは、化学療法感受性で、分子標的薬による治療、サブタイプによる個別化治療も進んでいるがんです。抗がん剤はどのように選択されるのか、患者の全身状態やがんの性質によって処方が異なる、がん化学療法の基本的な考え方をお教えします。第6回 副作用&合併症マネジメント 外来による抗がん剤治療が普及し、一般内科でも抗がん剤を使用中の患者に遭遇する機会が増えました。すなわち、抗がん剤には必発であるさまざまな副作用を、一般内科医も診なければならないということです。第6回では典型的副作用の発現時期や、それらの治療、がんの合併症について解説します。がん患者の容態悪化、Oncologic Emergencyは経過観察ができません。それらに対応できるよう、この機会にぜひ勉強してください。

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網膜動脈閉塞症、民族性や心血管・腎疾患との関連は?

 これまでアジアにおける、網膜動脈閉塞症に関する住民ベースのデータは限られていたが、シンガポール・国立眼科センターのNing Cheung氏らによるシンガポール眼疾患疫学研究において、中国人、インド人およびマレー人の計約1万人中、網膜動脈閉塞症の有病率は約1%、インド人で有病率が最も高く、従来から指摘されている心血管リスク因子、脳卒中のほか、慢性腎臓病との関連が明らかとなった。網膜動脈閉塞症の存在は、脳のみならず腎臓での血管の塞栓性イベントおよび損傷の徴候である可能性を示唆する結果であり、著者は「これらが長期的な研究で確認されれば、網膜動脈閉塞症を有する患者では心血管および腎臓の評価が必要となるだろう」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年8月24日号掲載の報告。 本研究には、シンガポールのさまざまな地域に住んでいる40~80歳の、中国人、マレー人およびインド人合計1万33例が参加し、2004~11年にデータが収集され、2016年11月~2017年2月に解析が行われた。 網膜動脈閉塞症は両眼の網膜写真で確認し、2010年のシンガポール成人人口を用いて年齢調整有病率を算出するとともに、全身と眼の診察、問診ならびに臨床検査にてリスク因子を評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、1万33例中grade分類可能な網膜写真のデータがあった9,978例(99.5%)である。このうち、5,057例(50.7%)が女性、3,375例(33.8%)がインド人であった。・網膜動脈閉塞症は、88例(0.9%)に認められた。・年齢調整有病率は、全体では0.75%(95%信頼区間[CI]:0.60~0.95)で、民族別ではインド人(0.98%)が最も高く、次いで中国人(0.73%)、マレー人(0.44%)の順であった(p=0.03)。・多変量解析の結果、網膜動脈閉塞症と関連する因子は、加齢(5歳増加当たりのオッズ比[OR]:1.22、95%CI:1.05~1.41)、インド人(マレー人に対するOR:3.58、95%CI:1.95~6.60)、高血圧症(OR:1.95、95%CI:1.03~3.70)、慢性腎臓病(OR:2.05、95%CI:1.15~3.64)、クレアチニン濃度(1SD増加当たりOR:1.13、95%CI:1.05~1.21)、糸球体濾過量(1SD増加当たりOR:0.67、95%CI:0.51~0.86)、脳卒中既往(OR:3.45、95%CI:1.70~6.99)であった。

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第12回 糖尿病合併症対策のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第12回】糖尿病合併症対策のキホン―眼科、腎機能、神経障害などの非専門領域の検査は、どのくらいの頻度でどこまで行うべきでしょうか。また専門医を紹介すべきタイミングと連携のコツを教えてください。 糖尿病網膜症の発症・進展抑制、早期治療のために、眼科医との連携は重要です。初診時に、眼科に行ったことがあるかを確認し、行ったことがなければ、眼科医に紹介します。1度眼科を受診すると、眼科医のほうでその後の定期検診を指示してくれますが、こちらでも、定期的に眼科を受診するように指導します。とくに問題がなければ半年に1回、網膜症がある場合は、重症度に応じた受診間隔でよいでしょう。「糖尿病治療ガイド2016-2017」(日本糖尿病学会編・著)では、眼科医への定期的診察の目安として、病期ごとに「正常(網膜症なし):1回/6~12ヵ月」「単純網膜症:1回/3~6ヵ月」「増殖前網膜症:1回/1~2ヵ月」「増殖網膜症:1回/2週間~1ヵ月」としています1)。 糖尿病腎症は、慢性透析療法の原疾患の第1位で2)、透析療法を受けている糖尿病患者さんの生命予後は非糖尿病の透析患者さんよりも不良で、心血管疾患や感染症リスクも高く重症化しやすいため3)、腎症についても、早期発見、進展抑制が求められます。腎症は、糸球体濾過量(GFR、推算糸球体濾過量:eGFRで代用)と尿中アルブミン排泄量あるいは尿蛋白排泄量によって評価できます。eGFRは、血清クレアチニン(Cr)を用いて「eGFR(mL/分/1.73m2)=194×Cr-1.094×年齢(歳)-0.287(女性の場合は、この値に×0.739)」で換算できるので、受診時に一般的な腎機能検査として、尿蛋白排泄量およびCr、BUNの検査は必ず行います。また、尿中アルブミン量を3~6ヵ月に一度測定し、アルブミン/クレアチニン比(ACR:Albumin Creatinine Ratio)を算出することで、尿蛋白が出現する前に腎臓の変化を発見することができます。網膜症のない場合、正常アルブミン尿であっても、eGFR<60mL/分/1.73m2の場合は、他の腎臓病との鑑別のために、また遅くとも尿中アルブミン排泄量が300mg/gクレアチニンを超えたら、専門医に紹介し、以降、定期的に腎臓専門医を受診してもらうようにします。 一般的には、糖尿病の三大合併症は神経障害→網膜症→腎症の順に進行し、神経障害は最も早く現れます。神経障害は、血糖コントロールの悪化とともに起こることが多いですが、糖尿病と診断される前、境界型の段階から存在するため、しばしば糖尿病診断の糸口になることもあります。神経障害の症状は非常に多岐にわたるため、糖尿病以外の原因による神経障害との鑑別が重要になります。足の末梢神経障害について、症状が著しく左右非対称であったり、筋萎縮や運動神経障害が強い場合は、神経内科に紹介します。 外来で注意したい糖尿病の合併症の1つに、指や爪の白癬症(水虫)や変形、胼胝(べんち、たこ)、足潰瘍・足壊疽などの「足病変」があります。神経障害および血流障害、易感染性が足潰瘍・足壊疽の主な原因になりますが、それ以外に、網膜症による視力低下で、身の回りを清潔にすることがおろそかになる、足にできた傷に気付かない、足に合わない靴を履いているなどが間接的な原因になり、足病変を悪化させることがあります。足潰瘍はひどくなると足壊疽になり、切断に至ることもあるため、まず予防をきちんとすること、できてしまった場合は、できるだけ早期に診断し対処します。予防のためには、患者さんに、毎日足を観察して異常があれば連絡するように伝えます。また、医療従事者側でも、診察の際に足を診察し、早期診断に努めるようにします。―糖尿病性神経障害の基本的な診断法と治療法について教えてください。 神経障害には、広範囲に左右対称性にみられる「多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)」と「単神経障害」があり、多くみられるのは多発神経障害です。 両足の感覚障害(両足のしびれや疼痛、また、足の裏に薄紙が貼りついたような感覚や砂利の上を歩いているような感覚になる知覚異常など)や穿刺痛、電撃痛、灼熱痛といった自発痛(ジンジン、ビリビリ、チリチリなど)、触覚・温痛覚の低下・欠如といった自覚症状、両側アキレス腱反射、両足の振動覚および触覚のうち、複数の異常があれば、多発神経障害の可能性があります。自覚症状については、かなりひどくならないと患者さんから訴えてくることはないため、注意が必要です。 多発神経障害の予防・治療のために、まずは良好な血糖コントロールを維持することが重要です。ただし、長期間の血糖不良例では、急激な血糖低下により、神経障害が悪化する可能性があります(治療後神経障害)。神経障害の自覚症状を改善する薬剤として、アルドース還元酵素阻害薬「エパルレスタット(商品名:キネダック)」があり、神経機能の悪化の抑制が報告されています4)。また、自発痛に対しては、Ca2+チャネルのα2δリガンド「プレガバリン(商品名:リリカ)」やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)「デュロキセチン(商品名:サインバルタ)」、抗不整脈薬「メキシレチン(商品名:メキシチール)」、抗けいれん薬「カルバマゼピン(商品名:テグレトール)」、三環系抗うつ薬などが単独、もしくは併用で使用できます。―高齢者ではどこまで合併症対策をすべきでしょうか? 高齢であっても、高血糖は糖尿病合併症の危険因子になるため、非高齢者同様、合併症の発症・進展を見据えた血糖コントロールは重要です。 しかし、高齢者の合併症は、非高齢者とは異なる特徴があります。高齢者でとくに問題になるのは認知機能の低下で、高齢患者さんでは、高血糖による認知症の発症リスクが高くなることが報告されています5,6)。また、高齢者では、高血糖によるうつ症状の発症・再発が多くなることも報告されています7)。そのほか、歯周病が増悪しやすいこと、急性合併症のうち、糖尿病ケトアシドーシスは若年者が多いのに対し、高齢者では高血糖高浸透圧症候群が多いなど1)、高齢者と非高齢者では留意すべき合併症が異なることを念頭に置く必要があります。 また、高齢者の合併症対策を考えるうえで、最も大切なのは血糖コントロールの考え方です。高齢者では、身体機能や認知機能、生理機能の低下や多くの併発症の可能性があり、個人差が非常に大きいことから、非高齢者とは異なる観点で、個別化した血糖コントロール目標および治療を検討することが求められます。高齢糖尿病は、若・壮年に発症し高齢化した患者さんと、高齢になって発症した患者さんで分けて考えます。とくに、高齢発症の糖尿病患者さんでは、生活スタイルや家族構成、身体的・精神的機能を考慮した治療戦略、さらには合併症対策を立てたほうがよいでしょう。また、高齢者では、年齢によっては余命を考慮し、できるだけQOLを損なうことなく、望ましい治療を選択することも重要です。 高齢者については、「糖尿病治療ガイド2016-2017」で初めて「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」が掲げられました(詳細は、第1回 食事療法・運動療法のキホン-高齢者にも、厳密な食事管理・運動を行ってもらうべきでしょうか。をご参照ください)1)。1)日本糖尿病学会編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017. 文光堂;2016.2)一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会. 図説 わが国の慢性透析療法の現況. 2015年12月31日現在.3)羽田 勝計、門脇 孝、荒木 栄一編. 糖尿病最新の治療2016-2018. 南江堂;2016.4)Hotta N, et al. Diabet Med. 2012;29:1529-1533.5)Yaffe K, et al. Arch Neurol. 2012;69:1170-1175.6)Crane PK, et al. N Engl J Med. 2013;369:540-548.7)Maraldi C, et al. Arch Intern Med. 2007;167:1137-1144.

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IgA腎症のステロイド治療に対する警鐘(解説:木村健二郎氏)-721

 IgA腎症に関する診療ガイドラインでは、尿蛋白≧1g/日かつCKDステージG1~2の腎機能が維持されているIgA腎症では、短期間高用量経口ステロイド療法とステロイドパルス療法のいずれも推奨グレードBで推奨されている1,2)。しかし、尿蛋白0.5~1.0g/日のIgA腎症でのステロイド療法に関しては十分なエビデンスはなく、エキスパートの意見として推奨されている(推奨グレードC1)にすぎない。糸球体ろ過量(GFR)60未満のCKDステージ3~5のIgA腎症に関しては、十分なエビデンスはない。 本研究で対象となったIgA腎症患者は尿蛋白≧1g/日であるが、GFR<50ml/min/1.73m2が両群に約40%含まれていた。本研究では経口メチルプレドニゾロン治療は腎予後を改善したが、重篤な有害事象、とくに感染症が有意に多かったため、その有用性に関しては明確な結論を出すに至っていない。 従来、IgA腎症の治療におけるステロイドの有効性は示されてきており、ガイドラインにも記載されてきた。しかし、われわれはステロイドによる感染症発症がその有用性を相殺する可能性を常に考えながら治療に当たらなければならない、という初心を思い出させた点で本研究は重要である。今後、本研究結果は、本邦におけるガイドラインの記載に影響を与えることになると思われる。

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IgA腎症への経口ステロイドで感染症リスク増/JAMA

 IgA腎症で蛋白尿1g/日以上の患者において、経口メチルプレドニゾロンの服用は重篤有害事象のリスクを、とくに感染症のリスクを増大することが、国際多施設共同無作為化試験「TESTING」の結果、示された。筆頭著者の中国・北京大学第一病院のJicheng Lv氏らは、「結果は潜在的な腎ベネフィットと合致しているが、試験が早期終了となったため、治療ベネフィットについて最終的な結論を示すことはできない」としている。ガイドラインでは、IgA腎症および持続性蛋白尿を認める患者に対しコルチコステロイドの使用を推奨しているが、その影響は明らかになっていなかった。JAMA誌2017年8月1日号掲載の報告。有効性、安全性についてプラセボ対照無作為化試験 TESTING(Therapeutic Evaluation of Steroids in IgA Nephropathy Global)試験は、オーストラリア・シドニー大学の研究部門(The George Institute for Global Health)がコーディネートしたマネジメント委員会監督の下で、中国、オーストラリア、インド、カナダ、マレーシアの最高100施設で実行するようデザインされた。研究者主導、二重盲検プラセボ対照で、血圧コントロールやレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬投与など適切な支持療法を受けるIgA患者における、経口メチルプレドニゾロン服用の腎アウトカムへの重大リスクを検討した。 適格患者(蛋白尿1g/日以上、eGFR値20~120mL/分/1.73m2、RAS阻害薬で血圧をコントロール)を、経口メチルプレドニゾロン(0.6~0.8mg/kg/日;最大用量48mg/日)または適合プラセボを受ける群に1対1の割合で無作為に割り付け、2ヵ月間投与。その後4~6ヵ月をかけて漸減し離脱に至った。 主要アウトカムは、末期腎不全、腎不全による死亡、またはeGFR値40%低下の複合とした。また、事前に規定した安全性アウトカムは、重症感染症、糖尿病の新規発症、消化管出血、骨折/骨壊死、心血管イベントの発生であった。ステロイド投与群で重症感染症が過剰に発生、試験は中止に 試験は、必要サンプルサイズ750例、主要アウトカム発生335例、平均追跡期間は5年と推算され開始されたが、262例が無作為化を受け、追跡期間中央値2.1年時点で、重篤有害事象の発生が過剰に認められたため中止となった。 262例(メチルプレドニゾロン群136例、プラセボ群126例)は、平均年齢38.6歳(SD 11.1)、女性96例(37%)、eGFR値59.4mL/分/1.73m2、蛋白尿2.40g/日であった。 報告された重篤有害事象は24例で、メチルプレドニゾロン群で20例(14.7%)が報告された。プラセボ群は4例(3.2%)で(p=0.001、リスク差:11.5%[95%信頼区間[CI]:4.8~18.2])、メチルプレドニゾロン群の有意な増大は、重症感染症の過剰な発生(11例[8.1%、2例は死亡]vs.0例)によるものであった(リスク差:8.1%[95%CI:3.5~13.9]、p<0.001)。 主要複合腎アウトカムの発生は、メチルプレドニゾロン群では8例(5.9%)であったのに対し、プラセボ群では20例(15.9%)報告された(ハザード比:0.37[95%CI:0.17~0.85]、リスク差:10.0%[95%CI:2.5~17.9]、p=0.02)。

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遺伝性血管性浮腫の発作予防、遺伝子組換え製剤は有用か/Lancet

 全身に浮腫を繰り返す遺伝性血管性浮腫の発作予防に対する遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬(Ruconest)の有効性と安全性を評価した、第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験の結果が発表された。米国・カリフォルニア大学のMarc A. Riedl氏らによる検討で、週2回(至適)または週1回の静脈内投与で臨床的に意味のある有意な発作頻度の減少が認められ、忍容性は良好であった。遺伝性血管性浮腫の発作は、C1インヒビター機能の低下によって生じる。血漿由来C1エステラーゼ阻害薬(Cinryze)の点滴静注は、遺伝性血管性浮腫の発作を抑止することが確認されているが、遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の発作予防効果については、これまで厳密に検討されていなかった。Lancet誌オンライン版2017年7月25日号掲載の報告。週2回、週1回またはプラセボ投与中の発作回数を評価 試験は、カナダ、チェコ共和国、イスラエル、イタリア、マケドニア、ルーマニア、セルビア、米国の10施設で行われた。13歳以上、機能的C1インヒビター濃度が正常値の50%未満、遺伝性血管性浮腫の発作歴が試験開始前の少なくとも3ヵ月間に月4回以上あった患者が登録された。 研究グループは被験者を6つの治療シーケンスのうち1つを受けるよう、1対1対1対1対1対1の割合で無作為に割り付けた。各治療シーケンスでは、「遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬(50 IU/kg、最大4,200 IU)の静脈内投与を週2回」「同投与を週1回とプラセボ投与を週1回」「プラセボ投与を週2回」の治療を、1週間のウォッシュアウトを挟んでクロスオーバーして、それぞれ4週間ずつ行った。患者、研究者、患者ケアに関わった試験関係者の全員が試験期間中、割り付け群についてマスキングされた。 主要有効性エンドポイントは、各4週間の治療期間中に観察された遺伝性血管性浮腫の発作回数で(発作症状は毎日記録)、intention-to-treat集団で評価した。安全性は、試験薬を少なくとも1回静脈内投与された全患者について評価した。発作回数、週2回投与群2.7回、プラセボ群は7.2回 2014年12月29日~2016年5月3日に35例が登録され、32例(91%)が無作為化を受けた(intention-to-treat集団)。試験を完遂したのは26例(81%)であった。 4週間の治療期間中の遺伝性血管性浮腫発作の平均回数は、プラセボ群(7.2回[SD 3.6])と比較して、遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の週2回投与群(2.7回[2.4])、同週1回投与群(4.4回[3.2])は有意な減少が認められた。プラセボ群との平均差は2回投与群が-4.4回(p<0.0001)、1回投与群は-2.8回(p=0.0004)であった。 有害事象は、週2回投与群は29例中10例(34%)で、週1回投与群は29例中13例(45%)で、またプラセボ群は28例中8例(29%)で報告された。最も頻度の高い有害事象は、頭痛(週2回投与群)と鼻咽頭炎(週1回投与群)であった。遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の治療に関連があると考えられた有害事象は2例(疲労および頭痛:7%)であったが、いずれも追加治療なしで回復した。血栓性または血栓塞栓症イベント、全身性のアレルギー反応(アナフィラキシーを含む)、中和抗体の発現は報告されなかった。 なお、遺伝子組換えヒトC1エステラーゼ阻害薬の血漿中半減期は3時間で、血漿由来C1エステラーゼ阻害薬の8分の1以下と短い。この薬物動態プロファイルも踏まえて著者は、「今回の試験結果で、C1インヒビター補充療法の効果はC1インヒビターの血漿トラフ濃度と直接的関与はない可能性が示唆された」と述べている。

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尿酸値と関連するアウトカムは?/BMJ

 これまでに200件超の検討(システマティックレビュー、メタ解析、メンデル無作為化試験)で、尿酸値と136個のヘルスアウトカムの関連が報告されていたが、尿酸値との明確な関連のエビデンスが存在するのは、痛風と腎結石だけだという。英国・エディンバラ大学のXue Li氏らが明らかにしたもので、「可能な限りのエビデンスを入手したが、高尿酸血症に関連した臨床での現行の推奨変更を支持するものはなかった」とまとめている。BMJ誌2017年6月7日号で発表した。観察研究、無作為化試験、メンデル無作為化試験のエビデンスを精査 これまでに観察研究では同関連について、心血管および代謝性疾患のリスク増大や神経系の疾患リスクの低下などが示唆されているが、確証はない。また、尿酸値降下の臨床試験で、キサンチンオキシダーゼの阻害が血圧を降下し腎機能を改善することが示唆され、尿酸値が全身性炎症に関係するキサンチンオキシダーゼ活性などの因子の簡易なマーカーとなり得るか、議論が続いていた。 研究グループは、尿酸値と多様なヘルスアウトカムの関連について、観察研究、無作為化試験およびメンデル無作為化試験からのエビデンスを複合レビューする検討を行った。Medline、Embase、Cochrane Database of Systematic Reviewsおよび参考文献のスクリーニングから該当文献を検索。適格基準論文は、尿酸値とヘルスアウトカムの関連を調べたシステマティックレビュー&メタ解析の報告、尿酸値降下治療に関連してヘルスアウトカムを調査した無作為化試験のメタ解析の報告、尿酸値とヘルスアウトカムの因果関係を探索したメンデル無作為化試験の報告とした。痛風と腎結石以外の関連エビデンスは示されず 検索の結果、観察研究論文57本(システマティックレビュー15件、メタ解析144件)、無作為化試験のメタ解析論文8本、メンデル無作為化試験36本が適格基準を満たした。 全体で、136の特色あるヘルスアウトカムが報告されていた。 観察研究のメタ解析で報告されたアウトカム76個(心血管13、糖尿病関連9、腎障害7、認知障害11、がん6、全死因・特異的死亡22、その他8)のうち、16個がp<10-6であった。無作為化試験のメタ解析で報告されたアウトカム20個(腎障害10、内皮機能2、死亡4、その他4)では、8個がp<0.001であった。メンデル無作為化試験の報告アウトカム56個(身体計測変数9、心血管15、代謝異常5、腎障害6、認知障害5、代謝産物11、全死因・特異的死亡3、その他2)では、4個がp<0.01であった。 概して試験間の不均一性の差が大きく(観察研究のメタ解析80%、無作為化試験のメタ解析は45%)、観察研究のメタ解析42件(55%)と無作為化試験のメタ解析7件(35%)のエビデンスは、試験効果が小さくまたはバイアスが過剰に有意であった。 観察研究のメタ解析からの関連性(5つの関連:尿酸値高値と心不全、高血圧、血糖障害または糖尿病、慢性腎臓病[CKD]、冠動脈性心疾患死のリスクの増大)については、非常に示唆的であるとの理由で、根拠に乏しいものと分類された。 無作為化試験のアウトカムでは1個のみ(尿酸値降下治療で腎結石の再発リスクが低下)がp<0.001を示し、95%予測区間にゼロ値を含まず、大きな不均一性およびバイアスもみられなかった。 またメンデル無作為化試験のアウトカムでも1個のみ(尿酸値高値は痛風リスクを増大)で、確たるエビデンスがみられた。 メタ解析の所見を比較した検討において、高血圧とCKDは、観察研究のメタ解析ではエビデンスがあることが示された。無作為化試験のメタ解析では、いずれも不完全もしくは代替アウトカムでエビデンスがあることが示されたが、メンデル無作為化試験については統計的に有意なエビデンスは示されなかった。

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長門流 認定内科医試験BINGO!総合内科専門医試験エッセンシャル Vol.1

第1回 膠原病/アレルギー 第2回 感染症 第3回 呼吸器 第4回 腎臓 認定内科医試験に向けた全3巻の実践講座の第1巻です。重要ワードは「頻出」。長年試験問題を分析し続けている長門先生が、実際の試験問題に近い予想問題を作成し、頻出ポイントをテンポよく解説します。もちろん最新のガイドラインのアップデートにも対応。各科目で試験に問われやすいポイントを押さえていますので、認定内科医試験はもちろん、総合内科専門医試験を受ける先生方も確実に得点アップにつながります。年々難しくなっているといわれる内科系試験。このDVDでぜひ合格を勝ち取ってください。第1回 膠原病/アレルギー 膠原病/アレルギーは、アップデートが頻繁な分野ですが、それを一つひとつキャッチアップするのは大変です。基本的なところを逃さないように得点していきましょう。頻出の問題やガイドラインのアップデートなど、しっかりと確認してください。第2回 感染症 感染症領域は、時事的な問題や感染対策、感染予防に関する問題がよく出題される傾向があります。代表的な感染症に加え、新興再興感染症、感染対策についても、しっかり押さえておいてください。第3回 呼吸器 呼吸器の領域では、X線やCTなどの画像から、診断・解答させる問題が増えています。そのほか、日本呼吸器学会の市中肺炎重症度分類(A-DROP)についてや、結核病巣の病理組織像など、頻出問題をよく確認しておきましょう。第4回 腎臓 腎臓の領域は、ネフローゼ症候群に関しての問題が多いので、細かいところまできちんと確認しておきましょう。また、「薬剤性腎障害診療ガイドライン2016」や「急性腎障害のためのKDIGO診療ガイドライン」は要チェックです。

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腎疾患治療に格差、130ヵ国調査で明らかに/JAMA

 カナダ・アルバータ大学のAminu K. Bello氏らが、世界130ヵ国を対象に腎疾患への対応能力などについて調べた結果、地域間および地域内で、サービスや人的資源について顕著なばらつきが認められることが判明した。本研究は、「腎疾患は世界中で医療・公衆衛生上の重大な課題になっているが、ケアに関して入手できる情報は限定的である」として行われたが、結果を踏まえて著者は、「今回の調査の結果が、現在の各国の腎疾患治療の現状を正確に反映しているものならば、その質的改善に努めるよう知らしめるのに有用なものとなるだろう」と述べている。JAMA誌オンライン版2017年4月21日号掲載の報告。ISN加盟130ヵ国にアンケート調査 研究グループは、現在の腎疾患治療提供に関する準備(readiness)、キャパシティ、能力(competence)について、各国および各地域の情報を集めるアンケート調査を行った。国際腎臓学会(ISN)を通じて、国および地域の腎臓病学のリーダーと特定された、ISN加盟130ヵ国の主要ステークホルダー(国の腎臓学会リーダー、方針の策定者、患者団体代表)に対し2016年5月~9月に実施した。 主要評価項目は、腎疾患治療についての国のキャパシティおよびレスポンスの中心エリアとした。透析・移植設備や、ガイドライン整備などで顕著な格差 回答があったのは、130ヵ国のうち125ヵ国(96%)、個人の回答率は289/337人(85.8%、回答者中央値は2[四分位範囲:1~3])で、これは世界人口73億人のうち推定で93%(68億人)の回答率を示すものであった。 結果、世界各国のサービス供給に関する準備、キャパシティ、レスポンスや、資金、従事者、情報提供システム、およびリーダーシップやガバナンスは大きなばらつきがあることが認められた。 全体で、血液透析設備があるのは119ヵ国(95%)、腹膜透析設備は95ヵ国(76%)、腎移植設備は94ヵ国(75%)であった。対照的にアフリカ各国では、血液透析設備があるのは33ヵ国(94%)、腹膜透析設備は16ヵ国(45%)、腎移植設備は12ヵ国(34%)にあるという状況であった。 慢性腎臓病(CKD)のプライマリケアにおけるモニタリングで、血清クレアチニンとともに推定糸球体濾過量(eGFR)および尿蛋白測定報告が入手できたのは、それぞれわずか21ヵ国(18%)、9ヵ国(8%)であった。 血液透析、腹膜透析、移植医療について、公的資金が投じられ制限なく治療が受けられるのは、それぞれ50ヵ国(42%)、48ヵ国(51%)、46ヵ国(49%)であった。腎臓専門医の数にもばらつきがみられ、アフリカ、中東、南アジア、オセアニア、東南アジア(OSEA)地域で少なかった(100万当たり10人未満)。 健康情報システム(腎登録)の利用は限定的で、とくに急性腎障害(8ヵ国[7%])、非透析CKD(9ヵ国[8%])で顕著だった。また各国の急性腎障害およびCKDのガイドラインについて、利用可能と報告したのは、それぞれ52ヵ国(45%)、62ヵ国(52%)であった。 とりわけ開発途上国では、臨床研究に取り組む能力が相対的に低いことが認められた。

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ジェットコースターは尿路結石に有効である【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第89回

ジェットコースターは尿路結石に有効である いらすとやより使用 尿路結石といえば、尿管に結石ができるイタイイタイ疾患をイメージします。定義としては、尿路の結石なので腎臓から膀胱まですべての結石を指します。尿路結石の治療として、ジェットコースターがあることをご存じでしょうか。え、あれって都市伝説でしょ?とお思いの方、チッチッチ。ちゃんと医学論文があるのですよ。 Mitchell MA, et al.Validation of a Functional Pyelocalyceal Renal Model for the Evaluation of Renal Calculi Passage While Riding a Roller Coaster.J Am Osteopath Assoc. 2016 Oct 1;116:647-652.研究者らがこんなくだらな…、いや、面白い研究テーマを選んだきっかけは、とある腎結石患者から「ディズニーワールドのビッグサンダー・マウンテンに乗ったら腎結石が出た」という話を聞いたためだそうです。今はやりの3Dプリンターで腎臓モデル(図)を作り、中に大きさ4mm3以上の石を3つ配置しました。それを尿で満たして密封した装置をバッグに詰め込み、ディズニーワールドに行ったそうです。研究費でディズニーワールドを楽しんだんでしょうか、うらやましい。(図)Copyright © J Am Osteopath Assoc, 2016実験の結果、先頭車両よりも後部車両に乗るほうが結石の排出が良好だったそうです(16.67% vs.63.89%)。また、結石が腎上部にある場合に限ると、ほぼ100%排出できたそうです。夢の治療法、というわけではなさそうで、要は結石が集合管まで到達しなければ排出されないため、事前の結石の位置を把握しておくことが重要になりそうです。ちなみに私は絶叫マシンが大の苦手なので、結石ができてもジェットコースターには乗れません。

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腎保護効果は見せかけだった~RA系阻害薬は『万能の妙薬』ではない~(解説:石上 友章 氏)-669

 CKD診療のゴールは、腎保護と心血管保護の両立にある。CKD合併高血圧は、降圧による心血管イベントの抑制と、腎機能の低下の抑制を、同時に満たすことで、最善・最良の医療を提供したことになる。RA系阻害薬は、CKD合併高血圧の治療においても、ファーストラインの選択肢として位置付けられている。RA系阻害薬には、特異的な腎保護作用があると信じられていたことから、糖尿病性腎症の発症や進展にはより好ましい選択肢であるとされてきた。一方で、CKD合併高血圧症にRA系阻害薬を使用すると、血清クレアチニンが一過性に上昇することが知られており、本邦のガイドラインでは、以下のような一文が付け足してある。 『RA系阻害薬は全身血圧を降下させるとともに、輸出細動脈を拡張させて糸球体高血圧/糸球体過剰ろ過を是正するため、GFRが低下する場合がある。しかし、この低下は腎組織障害の進展を示すものではなく、投与を中止すればGFRが元の値に戻ることからも機能的変化である。』(JSH2014, p71) 図は、この考えの根拠となるアンジオテンシンIIと、尿細管・平滑筋細胞・輸入輸出細動脈との間の、量-反応関係を示している。アンジオテンシンIIは、選択的に輸出細動脈を収縮させる。いわば、糸球体の蛇口の栓の開け閉めを制御しており、クレアチニンが上昇しGFRが低下する現象は、薬剤効果であり、軽度であれば無害であるとされてきた。糖尿病合併高血圧では、Hyperfiltration説(Brenner, 1996)に基づいた解釈により、RA系阻害薬は糸球体高血圧を解消することから、腎保護効果を期待され、第一選択薬として排他的な地位を築いている。 しかしながら、こうした考えはエキスパート(専門家)の"期待"にとどまっているのが実情で、十分なエビデンスによる支持があるわけではなかった。 RA系阻害薬の腎保護効果について、その限界を示唆した臨床試験として、ONTARGET試験・TRANSCEND試験があげられる[1, 2]。本試験は、ARB臨床試験史上、最大規模のランダム化比較試験であり、エビデンスレベルはきわめて高い。その結果は、或る意味衝撃的であった。ONTARGET試験では、ACE阻害薬とARBとの併用で、有意に33%の腎機能障害を増加させていた。TRANSCEND試験に至っては、腎機能正常群を対象にしたサブ解析で、実薬使用群での、腎機能障害の相対リスクが2.70~3.06であったことが判明した。他にも、RA系阻害薬の腎保護効果に疑問を投げかける臨床試験は、複数認められる。  eGFRの変化は、アルブミン尿・タンパク尿の変化よりも、心血管イベント予測が鋭敏である[3]。Schmidtらの解析による報告[4]は、RA系阻害薬による”軽微”とされていた腎障害が、腎保護効果はおろか、心血管イベントの抑制にも効果がなかったことを証明した。ガイドラインは、過去の研究成果を積み上げた仮説にすぎない。クリニカル・クェスチョンは有限とはいえ、無数にある。あらゆる選択肢の結果を保証するものではない。専門家の推論や、学術的COIに抵触するような期待に溢れた、あいまいな推奨を断言するような記述は、どこまで許容されるのか。この10年あまりの間、糖尿病合併高血圧や、CKD合併高血圧にRA系阻害薬がどれだけ使用されたのか。そのアウトカムの現実を明らかにした本論文の意義は、学術的な価値だけにとどまらず、診療ガイドラインの限界を示しているともいえる。 1)ONTARGET Investigators, et al. N Engl J Med. 2008;358:1547-1559.2)Mann JF, et al. Ann Intern Med. 2009; 151: 1-10.3)Coresh J, et al. JAMA. 2014; 311: 2518-2531.4)Schmidt M. BMJ. 2017;356:j791.

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