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英語で「それでいいですか?」は?【1分★医療英語】第57回

第57回 英語で「それでいいですか?」は?I’d like to meet you in 2 weeks’ time.Would that be OK with you?(2週間後に再診します。それでいいですか?)Sure, thanks!(もちろんです。ありがとうございます!)《例文1》Would that be OK with you if I take the blood sample again?(再度、採血を行うことになってもよいですか?)《例文2》Are you comfortable for me to start the procedure?(検査を始めても大丈夫ですか?)《解説》許可を得る際の質問方法はいろいろな表現がありますが、もっとも簡単な聞き方は“OK”を使って、“Are you OK with〜?”または“Is that OK with you?”と聞く方法です。また、「上手くいく」という意味の“work”を使って、“Does that work for you?”と聞くこともできます。もう少し丁寧に聞く場合には、“Are you comfortable with〜?”(〜で大丈夫ですか?)、“May I do〜?”(〜してもよいですか?)などの表現があります。そのほか、“Do you mind if I do〜?”という言い方もよく使われます。直訳すると、「私が〜をしたら嫌ですか?」という意味になり、“No”という返事が来た場合には「嫌ではないです(OKです)」という意味になることに注意しましょう。講師紹介

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 実際にPubMed検索式を作ってみる その1【「実践的」臨床研究入門】第26回

前回まで、著者らが出版したコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)のAppendixで公開されている検索式の実例を用いて、PubMedでの検索式構築の概要について解説してきました。今回からは、これまでわれわれがブラッシュアップしてきた、下記のClinical Question (CQ)とResearch Question(RQ)、 PECOに立ち返り(連載第21回参照)、関連研究レビューのための検索式(例)を実際に作ってみたいと思います。CQ:食事療法(低たんぱく食)を遵守すると、非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうかP:非ネフローゼ症候群の慢性腎臓病(CKD)患者E:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の遵守C:食事療法(低たんぱく食 0.5g/kg標準体重/日)の非遵守O:1)末期腎不全(透析導入)、 2)eGFR低下速度の変化P(対象)の構成要素の検索式を作ってみる検索式を作る際には、MeSH(Medical Subject Headings)が有用でした(連載第21回参照)。それではまず、われわれのRQのPの構成概念である慢性腎臓病(chronic kidney disease)のMeSH term(統制語)を調べてみましょう。連載第21回で解説したとおり、PubMedトップページのMeSH Databaseを開き、検索窓に"chronic kidney disease"と入力します。すると、Renal Insufficiency, Chronicが慢性腎臓病のMeSH termに該当することがわかります。"Renal Insufficiency, Chronic"の階層構造(連載第25回参照)をみてみると(リンク参照)、その下位概念に”Kidney Failure, Chronic”を含んでいます。”Kidney Failure, Chronic”は透析や腎移植を必要とする末期腎不全を示すMeSH termであり(リンク参照)、われわれのRQのPである「透析前」の慢性腎臓病にはあてはまりません。したがって、下位のMesH termは含まないように、[mh:noexp]の「タグ」を付け、Renal Insufficiency, Chronic [mh:noexp]とします(連載第24回参照)。検索式では、MeSH termだけでなくテキストワードも併用すると良いのでした(連載第24回参照)。検索式に加えるテキストワードは該当するMesH termの類語(Entry termsとして列記されている)(連載第21回参照)や、連載第3回で紹介したライフサイエンス辞書を活用しましょう。"Renal Insufficiency, Chronic"のEntry terms(リンク参照)をみて、"chronic kidney disease""chronic renal disease"をテキストワードとして追加することにします。ここで、前方一致検索(トランケーション)という便利な機能についても紹介しましょう。上記の"disease"は単数形だけでなく複数形で表されることもあります。このような語尾変化のある単語をまとめて検索したいときには、単語の最後に*(アスタリスク)を付けます。"chronic kidney disease*""chronic renal disease*"ライフサイエンス辞書で慢性腎臓病を検索するとCKDという略語も良く使われているようなので、テキストワードに加えます。また、「透析前」というキーワードをライフサイエンス辞書で調べるとpredialysisというテキストワードがヒットしましたので追加します。"predialysis"は"pre-dialysis"とハイフンをはさんで表記されることも多いので、こちらも検索式に加えましょう。"pre dialysis"とスペースをはさんで表記されることもありますが、PubMedではハイフンはスペースに置き換えても検索されるので、"pre-dialysis"だけでもカバーされます。テキストワードの「タグ」は[tiab]を指定します(連載第23回参照)。したがって、Pの構成要素の検索語を以下のように選定しました。1.Renal Insufficiency, Chronic[mh:noexp]2."chronic kidney disease*"[tiab]3."chronic renal disease*"[tiab]4.CKD[tiab]5.predialysis[tiab]6.pre-dialysis[tiab]最後に、これらの検索語をORでつないでまとめます。7.#1 OR #2 OR #3 OR #4 OR #5 OR #61)Hasegawa T, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2021 Feb 15;2:CD013109.

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SGLT2阻害で腎結石の形成抑制~日本人疫学データ、動物・細胞培養実験より

 阿南 剛氏(東北医科薬科大学医学部泌尿器科学/現:四谷メディカルキューブ 泌尿器科科長)と廣瀬 卓男氏(東北大学医学部内分泌応用医科学/東北医科薬科大学医学部)、菊池 大輔氏(東北医科薬科大学病院薬剤部)らの研究グループは、疫学研究よりナトリウムグルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬は日本の男性糖尿病患者での尿路結石の罹患割合の減少と関連していたことを確認し、動物実験などからSGLT2阻害が腎結石の形成抑制につながることを明らかにした。このことから、SGLT2阻害薬が腎結石に対する有望な治療アプローチになる可能性を示した。本研究はPharmacological Research誌オンライン版10月28日号に掲載された。 糖尿病治療薬として上市されたSGLT2阻害薬には利尿作用と抗炎症作用があり、腎結石を予防する可能性も有している。そこで、研究者らは「大規模な疫学的データ」「動物モデル」「細胞培養実験」の3つを使用して、SGLT2阻害の腎結石に対する可能性を調査した。 研究に用いられた疫学データはメディカル・データ・ビジョン株式会社の保有する医療ビックデータが活用され、2020年1月1日~12月31日までの期間に収集された糖尿病患者データ(約153万例)をSGLT2阻害薬の処方状況などで区分した。また、動物実験ではSDラットの腎臓にシュウ酸カルシウム結石をエチレングリコールで誘発させ、in vitroの細胞培養ではヒト近位尿細管上皮細胞のHK-2(CRL-2190)を用い、腎結石形成に対するSGLT2阻害効果を評価した。 主な結果は以下のとおり。・153万8,198例のうち、男性は90万9,628例、女性は62万8,570例だった。そのうちSGLT2阻害薬を服用していたのは、男性が10万5,433例、女性が5万2,637例だった。・糖尿病患者のうち、男性の尿路結石の有病率はSGLT2阻害薬処方群のほうがSGLT2阻害薬非処方群よりも有意に低く、オッズ比(OR)は0.89(95%信頼区間[CI]:0.86~0.94、p

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SGLT2阻害薬、DM有無問わずCKD進行と心血管死を抑制/Lancet

 SGLT2阻害薬は、心血管リスクの高い2型糖尿病患者のみならず慢性腎臓病または心不全を有する患者においても、糖尿病の状態、原発性腎疾患または腎機能にかかわらず、腎臓病進行および急性腎障害のリスクを低下させることが、英国・オックスフォード大学のNatalie Staplin氏らSGLT2 inhibitor Meta-Analysis Cardio-Renal Trialists' Consortium(SMART-C)による解析の結果、報告された。Lancet誌2022年11月19日号掲載の報告。大規模二重盲検プラセボ対照試験15試験の約9万例についてメタ解析 研究グループは、MEDLINEおよびEmbaseを用い、2022年9月5日までに発表されたSGLT2阻害薬の臨床試験(SGLT1/2阻害薬の併用を含む、年齢18歳以上の成人を対象とした二重盲検プラセボ対照試験[クロスオーバー試験は除く]、各群500例以上、試験期間6ヵ月以上)を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。 2人の研究者が独立して、各試験の要約データを査読付き論文から抽出するか、または結果が公表されていない試験については治験責任医師よりデータの提供を受け、コクランバイアスリスクツール(バージョン2)を用いてバイアスリスクを評価した。また、逆分散重み付けによるメタ解析を行い、治療効果を推定した。 主な有効性の評価項目は、腎臓病進行(無作為化時からの推定糸球体濾過量[eGFR]50%以上の持続的低下、持続的なeGFR低値、末期腎不全、または腎不全による死亡)、急性腎障害、ならびに心血管死または心不全による入院の複合であった。その他の評価項目は、心血管死および非心血管死、主な安全性評価項目はケトアシドーシスおよび下肢切断とした。 文献検索の結果、15試験が特定され、このうち追跡期間が6ヵ月未満の2試験(inTandem3、DARE-19)を除外した13試験(DECLARE-TIMI 58、CANVAS Program、VERTIS CV、EMPA-REG OUTCOME、DAPA-HF、EMPEROR- REDUCED、EMPEROR- PRESERVED、DELIVER、SOLOIST-WHF、CREDENCE、SCORED、DAPA-CKD、EMPA-KIDNEY)が解析対象となった。無作為化を受けた患者は計9万413例で、このうち糖尿病の状態が不明であった4例を除く9万409例(糖尿病患者7万4,804例[82.7%]、非糖尿病患者1万5,605例[17.3%]、各試験のベースラインの平均eGFRの範囲37~85mL/min/1.73m2)が解析に組み込まれた。対プラセボで腎臓病進行リスクを37%低下、心血管死リスクを14%低下 SGLT2阻害薬はプラセボと比較して、腎臓病進行リスクを37%低下させた(相対リスク[RR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.58~0.69)。その低下の程度は、糖尿病患者(RR:0.62)と非糖尿病患者(0.69)でほぼ同じであった。慢性腎臓病を有する患者を対象とした4件の試験(CREDENCE、SCORED、DAPA-CKD、EMPA-KIDNEY)では、原発性腎疾患の診断にかかわらず腎臓病進行リスクのRRは類似していた。 また、SGLT2阻害薬はプラセボと比較して、急性腎障害のリスクを23%(RR:0.77、95%CI:0.70~0.84)、心血管死または心不全による入院のリスクを23%(0.77、0.74~0.81)低下させ、いずれも糖尿病の有無にかかわらず同様の効果がみられた。 SGLT2阻害薬は、心血管死リスクも低下させたが(RR:0.86、95%CI:0.81~0.92)、非心血管死リスクの有意な低下は認められなかった(0.94、0.88~1.02)。これら死亡の評価項目に関するRRは、糖尿病患者と非糖尿病患者で類似していた。 すべての評価項目において、各試験のベースラインの平均eGFRに関係なく、結果はほぼ同様であった。絶対効果の推定に基づくと、SGLT2阻害薬の絶対利益は、ケトアシドーシスや切断の重篤な危険性を上回った。

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Pharmacoequity―SGLT2阻害薬/GLP-1受容体作動薬は公正に処方されているか?-(解説:住谷哲氏)

 筆者は本論文で初めてpharmacoequityという用語を知った。「処方の公正性」とでも訳せばよいのだろうか。平等equalityと公正equityとの違いもなかなか難しいが、この用語の生みの親であるDr. Utibe R. Essienは、Ensuring that all individuals, regardless of race, ethnicity, socioeconomic status, or availability of resources, have access to the highest quality medications required to manage their health is “pharmacoequity”. と述べている1)。その意味するところを簡単に言えば、エビデンスに基づいた治療薬を必要とするすべての患者に公正に処方することを担保するのがpharmacoequityである、となる。 Essienが最初に報告したのは、心房細動患者に対するDOACをはじめとする抗凝固薬の処方率が人種race/民族ethnicityで異なり、白人に比較してアジア人と黒人で有意に低かった、とするものである2)。この研究も本論文と同じく対象患者は退役軍人保健局(Veterans Health Administration)の加入者であり、これが両論文のポイントであるが、すべての加入者に薬剤が無料または低価格で提供されるため、薬価によるバイアスがほとんどない。本論文は同様のアプローチで、心房細動患者に対する抗凝固薬の代わりに、2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬/GLP-1受容体作動薬の処方率を検討した研究である。その結果は、抗凝固薬の場合と同様に、SGLT2阻害薬/GLP-1受容体作動薬の処方率は白人に比較して黒人で有意に低率であった。 人種/民族が、なぜ抗凝固薬またはSGLT2阻害薬/GLP-1受容体作動薬の処方率と関連していたのかは、両研究では明らかになっていない。しかし心房細動患者に対する抗凝固薬の処方だけではなく、本論文によって2型糖尿病患者に対するSGLT2阻害薬/GLP-1受容体作動薬の処方にも人種/民族が影響していることが明らかとなった。したがって、他のエビデンスに基づいた治療薬の処方においても同様の状況にある可能性は十分にある。EBMの実践が人種/民族によって影響される状況は公正とは言えないだろう。多民族国家ではないわが国ではこのあたりの状況に敏感ではないが、医療における公正性equity in medicine をいま一度よく考える契機となる報告である。

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エンパグリフロジン、疾患リスク進行のCKDに有用/NEJM

 疾患リスクが進行した幅広い慢性腎臓病の患者において、エンパグリフロジンはプラセボと比較し、リスクの進行や心血管系による死亡の低減に結び付くことが示された。英国・オックスフォード大学のWilliam G. Herrington氏らが、広範囲の疾患進行リスクを有する慢性腎臓病患者を対象に行ったプラセボ対照無作為化比較試験「EMPA-KIDNEY試験」の結果を報告した。NEJM誌オンライン版2022年11月4日号掲載の報告。対プラセボで、腎臓病進行と心血管死の複合アウトカムを評価 EMPA-KIDNEY試験では、推算糸球体濾過量(eGFR)が20mL/分/1.73m2~45mL/分/1.73m2未満、またはeGFR 45mL/分/1.73m2~90mL/分/1.73m2未満で尿中アルブミン/クレアチニン比(ACR)が200(mg/g・CRE)以上の慢性腎臓病患者を対象とした。 研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはエンパグリフロジン(10mg 1日1回)を、もう一方にはプラセボを投与した。 主要アウトカムは、腎臓病の進行(末期腎不全、eGFRが持続的に10mL/分/1.73m2未満、eGFRがベースラインから40%以上持続的に低下、腎臓病による死亡)または心血管系による死亡の複合アウトカムだった。入院リスクもエンパグリフロジン群が有意に低率 合計6,609例が無作為化を受けた。追跡期間中央値2.0年の間に、主要アウトカムの発生は、エンパグリフロジン群3,304例中432例(13.1%)、プラセボ群3,305例中558例(16.9%)だった(ハザード比[HR]:0.72、95%信頼区間[CI]:0.64~0.82、p<0.001)。 この結果は、糖尿病の有無にかかわらず、またeGFR値によるサブグループ別でも一貫していた。 原因を問わない入院の発生率も、エンパグリフロジン群がプラセボ群より低率だった(HR:0.86、95%CI:0.78~0.95、p=0.003)。一方で、心不全による入院または心血管系による死亡の複合アウトカム発生率(エンパグリフロジン群4.0%、プラセボ群4.6%)、および全死因死亡の発生率(4.5%、5.1%)は両群間で有意差はみられなかった。 重篤な有害イベントの発現頻度は、両群で同程度だった。

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末期腎不全患者の手術、透析からの日数が死亡リスクに影響/JAMA

 血液透析を受けている末期腎不全患者において、術前最後の血液透析から手術までの間隔が1日に比べて、2日および3日と長くなるほど術後90日死亡リスクが高まり、とくに手術当日に血液透析を実施していない場合に有意に高まることが、米国・スタンフォード大学のVikram Fielding-Singh氏らが行った、米国メディケア受給者を対象とした後ろ向きコホート研究の結果、示された。血液透析治療中の末期腎不全患者において、待機的手術前の適切な血液透析の時期は不明であった。ただし、今回の結果について著者は、「絶対リスクの差の程度は小さく、残余交絡の影響の可能性もある」と述べている。JAMA誌2022年11月8日号掲載の報告。血液透析~手術間隔(1日・2日・3日)、手術当日の血液透析有無の術後死亡を評価 研究グループは、末期腎不全のために血液透析を受けているすべての患者の全国登録であるUnited States Renal Data Systemを用い、血液透析治療中の末期腎不全患者で2011年1月1日~2018年9月30日の期間に外科手術(眼内注射、デブリードマン等の小手術を含む)を受けたメディケア受給者を特定し、2018年12月31日まで追跡調査した。 主要評価項目は術後90日死亡率で、手術と術前最後の血液透析との間隔が1日、2日、3日間で比較するとともに、手術当日の血液透析の有無でも評価した。血液透析から手術までの間隔と術後90日死亡率との関連性は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。 解析対象は34万6,828例(年齢中央値65歳[四分位範囲[IQR]:56~73]、女性49万5,126例[43.1%])、手術件数114万7,846件であった。血液透析から手術までの期間が長いほど、術後90日死亡リスクが高い 114万7,846件の手術のうち、術前最後の血液透析と手術との間隔が1日間は75万163件(65.4%)、2日間が28万5,939件(24.9%)、3日間が11万1,744件(9.7%)であった。また、19万3,277件(16.8%)では、手術当日に血液透析が実施されていた。 90日死亡は、3万4,944件(3.0%)の術後に発生した。術前最後の血液透析から手術までの間隔が長いほど90日死亡リスクは高く、日数依存の有意な関連性が認められた。2日vs.1日(絶対リスク4.7% vs.4.2%、絶対リスク差0.6%[95%信頼区間[CI]:0.4~0.8])の補正後ハザード比(aHR)は1.14(95%CI:1.10~1.18)だが、3日vs.1日(5.2% vs.4.2%、1.0%[0.8~1.2])のaHRは1.25(1.19~1.31)であり、また3日vs.2日(5.2% vs.4.7%、0.4%[0.2~0.6])のaHRは1.09(1.04~1.13)であった。 手術当日の血液透析の実施は、実施なしと比較して死亡リスクの有意な低下と関連していることが認められた。手術当日の血液透析ありvs.なしは、絶対リスク4.0% vs.4.5%、絶対リスク差は-0.5%(95%CI:-0.7~-0.3)で、aHRは0.88(95%CI:0.84~0.91)であった。 血液透析から手術までの間隔と手術当日の血液透析との相互作用について解析した結果、手術当日の血液透析実施は、術前の血液透析から手術までの間隔の延長に関連するリスクを有意に低下させることが示された(相互作用のp<0.001)。

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重症CKDのRAS阻害薬中止で、腎機能は改善するか/NEJM

 レニン-アンジオテンシン系(RAS)阻害薬(ACE阻害薬、ARB)は、軽症~中等症の慢性腎臓病(CKD)の進行を抑制するが、重症CKD患者ではRAS阻害薬を中止すると、推算糸球体濾過量(eGFR)が上昇し、その低下が遅延する可能性が示唆されている。英国・Hull University Teaching Hospitals NHS TrustのSunil Bhandari氏らは、「STOP ACEi試験」において、重症の進行性CKD(ステージ4/5)患者では、RAS阻害薬の投与を中止しても、継続した患者と比較して3年後のeGFR低下に関して臨床的に重要な変化はなく、死亡率も同程度であることを示した。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2022年11月3日号に掲載された。英国の重症CKD患者対象の無作為化試験 STOP ACEi試験は、重症の進行性CKD患者におけるRAS阻害薬の中止が、eGFRを上昇させるか、あるいは安定化させるかの検証を目的とする非盲検無作為化試験であり、英国の37施設で参加者の登録が行われた(英国国立健康研究所[NIHR]と英国医学研究会議[MRC]の助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、ステージ4/5のCKD(体表面積補正eGFR<30mL/分/1.73m2)で、透析および腎移植を受けておらず、過去2年間にeGFRが2mL/分/1.73m2以上低下し、ACE阻害薬またはARBの投与を6ヵ月以上受けている患者であった。被験者は、RAS阻害薬の投与を中止する群または投与を継続する群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは3年後のeGFRで、腎代替療法開始後のeGFRは除外された。副次アウトカムは、末期腎不全(ESKD)および腎代替療法の複合、腎代替療法(ESKD患者を含む)およびeGFRの50%以上低下の複合、死亡などであった。生活の質や運動能にも有意差はない 411例(年齢中央値63歳、男性68%)が登録され、投与中止群に206例、投与継続群に205例が割り付けられた。ベースラインのeGFR中央値は18mL/分/1.73m2、29%がeGFR<15mL/分/1.73m2、尿蛋白中央値は115mg/mmolであった。また、糖尿病(1型、2型)が37%、糖尿病性腎症が21%含まれた。58%が3剤以上の降圧薬、65%がスタチンの投与を受けていた。 3年の時点で、最小二乗平均(±SE)eGFRの値は、中止群が12.6±0.7mL/分/1.73m2、継続群は13.3±0.6mL/分/1.73m2であり、両群間に有意な差は認められなかった(群間差:-0.7、95%信頼区間[CI]:-2.5~1.0、p=0.42)。また、事前に規定されたサブグループで、アウトカムの異質性は観察されなかった。 3年時のESKDおよび腎代替療法の複合(中止群62%[128/206例]vs.継続群56%[115/205例]、ハザード比[HR]:1.28[95%CI:0.99~1.65])、腎代替療法(ESKD患者を含む)およびeGFRの50%以上低下の複合(68%[140/206例]vs.63%[127/202例]、相対リスク[RR]:1.07[95%CI:0.94~1.22])、死亡(10%[20/206例]vs.11%[22/205例]、HR:0.85[95%CI:0.46~1.57])について、両群間に有意差はなかった。また、生活の質(KDQOL-36)や運動能(6分間歩行距離)にも有意差はなかった。 重篤な有害事象(52% vs.49%)および心血管イベント(108件vs.88件)の頻度は、両群で同程度であった。 著者は、「これらの知見は、進行性CKD患者では、RAS阻害薬の投与中止により腎機能、生活の質、運動能が改善するとの仮説を支持しない」とまとめ、「本試験は、RAS阻害薬の中止が心血管イベントや死亡に及ぼす影響の評価に十分な検出力はなかったが、腎機能に関して中止による利益はないことが明らかになった。そのため心血管系の安全性を検討するための、より大規模な無作為化試験を行う理論的根拠はほとんどないと考えられる」としている。

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「糖尿病」の名称変更、医師の6割が反対/医師1,000人アンケート

 これまで、病名とその患者の関係性を考えたことはあるだろうか? 近年、糖尿病患者が社会的にスティグマ(偏見)を持たれていることを受け、日本糖尿病協会のアドボカシー活動の1つとして、医療現場の言葉の見直しが検討されている。そのなかに、『糖尿病』という疾患名も含まれており、将来、疾患名が変更されるかもしれない。そこで、ケアネットは会員医師1,028人に対し、緊急のアンケート調査を実施した。糖尿病の名称変更は年齢問わず、半数以上が“反対” Q1「『糖尿病』の名称変更について、賛成ですか?反対ですか?」対し、賛成は37%、反対は63%であった。年齢による差はとくに見られず、理由は以下のとおり。<賛成>・糖尿病自体が病態を的確に示した言葉ではないから(20代、臨床研修医)・若年発症の1型糖尿病患者、とくに女性患者で自身の疾患名についてコンプレックスを抱いている例が多いため(30代、糖尿病・内分泌内科)・心血管イベントを想起させるような名前にしたほうがいいと思うから(40代、リハビリテーション科)・SGLT2阻害薬の普及で、ますますオシッコの甘い感が強調されているので(50代、放射線科)<反対>・尿という言葉が持つ負のイメージへの懸念が、名称変更のデメリットを上回ると思えない(30代、小児科)・理由の1つに挙げられた「住宅ローンや生命保険に入れない」というのは名称変更で解決できる問題ではない。一般に浸透しているし、名称そのものが悪印象なわけではないと思う(40代、循環器内科/心臓血管外科)・患者に振り回されるのもどうかと思う。そんなこと言いだしたらキリがないんじゃないでしょうか。新しい病名にもよるけれど(50代、眼科)・すでに広く認知されている。名前を変えることで、有病者の受診行動が変わるとは思えない(60代、腎臓内科) などが挙げられた。賛成意見では「患者が望むなら」という患者視点でのコメントが多く、一方で反対意見には「名称変更が偏見払拭にならないのでは」という指摘が多かった。病気の名称変更問題、“尿”がダメなら“臭”もダメでは… Q3で糖尿病以外に名称変更が望まれる疾患を尋ねたところ、『重症筋無力症』『悪性貧血』などが挙げられた。これらの病名に共通するのが、重症、悪性というマイナスイメージの表現が付いている点で、これにより患者の不安が強まったという経験をしたと複数名が答えていた。同様に「『〇〇奇形』も負のレッテルを貼られている印象がある」との回答が寄せられた。このほか、「病名の文字が不快と感じるのであれば、腋臭症も変更に値するのではないか。“尿”が負のイメージであるとするのであれば“臭”がより負のイメージが強い」という意見もあった。 糖尿病の名称変更問題は“患者だけ”“医療者だけ”の問題ではないことは周知の事実である。今回のアンケートでは反対意見が多かったものの、患者の病名によるスティグマを軽視しているのではなく、病名を変えるさまざまなリスクに基づき意見していることが明らかになった。 また、患者1,087人を対象とした日本糖尿病協会のアンケート調査「糖尿病の病名に関するアンケート」の結果も、単純に名称変更を訴えるものではなく、病名変更を願ったり、偏見や誤解に悩んだりしている患者がいることを医療者に理解して欲しいという思いが込められている。 医師と患者のアンケート調査1)2)から双方の意見が出揃った今、お互いの意見を尊重し議論が進んでいくことを願う。1)回答者:全医師の0.3%(令和2年12月31日現在の全国の届出「医師」は33万9,623人)2)回答者:糖尿病有病者の0.01%(糖尿病が強く疑われる者[糖尿病有病者]は約1,000万人:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果より)糖尿病の名称変更についてのアンケート詳細を公開中『「糖尿病」の名称変更、医師は賛成?反対?』<アンケート概要>目的:日本糖尿病協会が「糖尿病」の名称変更を検討する方針を示したことを受け、医師の意見を調査した。対象:ケアネット会員医師1,028人調査日:2022年11月10日方法:インターネット

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第123回 全国の出産費用を公表へ、妊婦の選択を支援/社会保障審議会

<先週の動き>1.全国の出産費用を公表へ、妊婦の選択を支援/社会保障審議会2.コロナワクチン接種で女性死亡、アナフィラキシーか? 県医師会が調査へ/愛知3.かかりつけ医は手上げ制へ、全世代型社会保障構築会議4.腎臓内科医が一斉退職へ、教授選考がきっかけか/島根大5.接触確認アプリ「COCOA」17日から機能停止へ/デジタル庁6.医薬品の迅速・安定供給の実現に向け財政措置を/中医協1.全国の出産費用を公表へ、妊婦の選択を支援/社会保障審議会11月11日に厚生労働省が開催した社会保障審議会において、全国の分娩医療機関での出産にかかる費用を公表することが了承された。正常分娩は、自由診療であり、価格が自由となっているため、ホームページで施設ごとに一覧できるようにし、妊婦が医療機関を選びやすくする。厚生労働省は、医療機関ごとに平均在院日数、分娩費の平均額など公表する。また、分娩費を支援する出産育児一時金の財源について、75歳以上の後期高齢者が新たに7%負担する仕組みを提案し、次回の保険料改定に合わせて2024年4月から導入する方針となった。(参考)病院ごとの出産費用を公表へ 妊婦の経済的負担軽減狙う 厚労省(毎日新聞)出産費や室料差額など公表へ、医療機関ごとに 社保審・部会が了承(CB news)75歳以上、7%分負担=出産育児一時金の財源に-厚労省(時事通信)高齢者にも「出産育児一時金」への応分負担求める! 「全国医療機関の出産費用・室料差額」を公表し妊婦の選択支援?社保審・医療保険部会(Gem Med)2.コロナワクチン接種で女性死亡、アナフィラキシーか? 県医師会が調査へ/愛知愛知県愛西市で11月5日に2価の新型コロナワクチンの接種直後に容体が急変し、死亡した事件をめぐって、愛知県医師会の医療安全対策委員会で、アナフィラキシーの有無を含め、対応について調査に乗り出すことになった。厚生労働省の第88回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会などでも検討を行っているが、遺族からは発生当初の初期対応をめぐって疑問の声が上がっている。(参考)「アナフィラキシーか」愛知県医師会が調査へ ワクチン接種後に死亡(朝日新聞)コロナワクチン接種で女性死亡 愛知県医師会が対応検証(日経新聞)ワクチン接種直後に容体急変 女性死亡 愛知県医師会が検証へ(NHK)新型コロナワクチン(コミナティRTU筋注[2価:起源株/オミクロン株BA.4-5])接種後に死亡として報告された事例の一覧[令和4年10月5日以降の報告分](厚労省)3.かかりつけ医は手上げ制へ、全世代型社会保障構築会議11月11日に開催された全世代型社会保障構築会議において、いわゆる「かかりつけ医機能」や勤労者皆保険制度について議論を行った。この中で、かかりつけ医制度について、事前の登録を義務化せずに、患者や医療機関側にそれぞれ判断を委ねる「手上げ方式」を提案した。政府は年内のとりまとめを目指しており、議論をさらに深めていく方針。一方、健康保険組合連合会(健保連)は11月8日、人口減少とさらなる高齢化により保険財政と医療資源が限界をむかえ、医療の最適化は必須であるとし、かかりつけ医師を認定する仕組みや任意の登録制度の創設を提言しており、今後、さらに議題を進め、医療の質の向上や医療機関との役割分担を明確にする狙い。(参考)第8回 全世代型社会保障構築会議(厚労省)「かかりつけ医」患者1人に複数で対応 政府有識者会議が方向性示す(朝日新聞)「かかりつけ医機能」手上げ方式検討へ 患者が選択、全世代型社会保障構築会議(CB news)かかりつけ医「登録制を」 健保連提言 実績ある医師認定(日経新聞)「かかりつけ医」の制度・環境の整備について[議論の整理](健保連)4.腎臓内科医が一斉退職へ、教授選考がきっかけか/島根大島根大学の医学部附属病院で、腎臓内科所属の医師7人が年度末までに退職する意向であることが文春オンラインで報道された。島根大学の腎臓内科の教授選は、2回の公募を行い、合計3回実施されたが、結果として落選した診療教授が退任することに合わせて、所属する腎臓専門医6人のうち2人が退職し、残りの医師も退職を検討していると報道されている。今後の島根県の腎臓医療や地域医療に影響が出る可能性があるため、関心を呼んでいる。(参考)島根大で腎臓内科医が一斉退職へ 島根の腎臓医療が崩壊危機(文春オンライン)5.接触確認アプリ「COCOA」17日から機能停止へ/デジタル庁デジタル庁は、新型コロナウイルスの陽性者との接触確認アプリの「COCOA」のサーバを11月17日から徐々に機能停止を行なっていくと発表した。これは今年9月末から全数届出が見直されたのに伴い、陽性登録が可能な人が限られるため、機能停止が決まった。今後、ユーザー全員に、11月17日より機能停止版(バージョン3.0.0)の配信を開始する。利用中のユーザーは、COCOAのアップデートを行った後に、機能停止の手続きをすることになる。(参考)接触確認アプリ「COCOA」17日から停止 “利用者は機能削除を”(NHK)COCOA、終了へのアップデートを17日に開始。必ず更新し、停止手続き後に削除を(PC Watch)コロナ接触確認アプリCOCOAの機能を停止 - 厚労省が発表、感染対策へのITツール活用で調査も(CB news)6.医薬品の迅速・安定供給の実現に向け財政措置を/中医協厚生労働省は11月9日に中央社会保険医療協議会(中医協)の薬価専門部会を開き、「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会」での検討状況について報告を受けた。後発品のメーカーによる製造工程の問題をきっかけに生じた、医薬品の欠品問題により、医薬品の安定供給が困難となっており、さらに物価高騰や為替変動の影響もあり、早期の解決に向けて短期的に財政措置の検討が必要であると報告した。また、医薬品市場の将来予測では、先進10ヵ国中、わが国だけがマイナスまたは横ばいの成長であり、薬剤費の総額を伸ばして、革新的な医薬品の開発に対する投資を促すためにも、経済成長率以上の伸びは確保するべきではないかといった意見も出ている。今後、23年度改定にこれらの内容を盛り込むよう求める意見を含め検討を重ね、来年4月を目途にとりまとめを行う予定。(参考)中医協薬価専門部会 医薬品の安定供給は「短期的」な財政措置検討へ23年度改定の論点に(ミクスオンライン)令和5年度薬価改定について(有識者検討会における議論の状況について)(厚労省)第5回 医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会(同)

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11月3日 ホルモンの日【今日は何の日?】

【11月3日 ホルモンの日】イラスト・いわみせいじ氏〔由来〕ホルモンや内分泌疾患に関する正しい知識を社会に広め、早期診断・治療につなげることを目的にアドレナリンを発見した高峰譲吉博士の誕生日にちなみ日本内分泌学会が制定。関連コンテンツDr. 坂根のすぐ使える患者指導画集 Part1第128回 承認済のホルモン薬でダウン症候群患者の認知機能が改善【バイオの火曜日】手引き改訂で診断基準に変化、テストステロン補充療法/日本メンズヘルス医学会5年間のビタミンD補給により自己免疫疾患のリスク低減/BMJ潜在性甲状腺機能低下症併発の急性心筋梗塞患者、ホルモン療法は有効か/JAMA

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その5【「実践的」臨床研究入門】第25回

前回、筆者らが出版したコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)のP(対象)の構成要素の検索式の実例を用いて、その構造を解説しました。今回は引き続き、このコクランSR論文1)のI(介入)を示す検索式と検索式全体の完成形の実際例について解説します(連載第24回参照)。Iの構成要素をORでつないでまとめる下記は、この論文のIである「アルドステロン受容体拮抗薬」の構成要素の検索式です。14.Mineralocorticoid Receptor Antagonists[mh]15.Diuretics, Potassium Sparing[mh:noexp]16.spironolactone[tiab]17.eplerenone[tiab]18.canrenone[tiab]19.#14 OR #15 OR #16 OR #17 OR #18#14は「アルドステロン受容体拮抗薬」のMeSH term (統制語)である”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”です(連載第22回参照)。「アルドステロン受容体拮抗薬」は降圧薬の一種でK保持性利尿薬に分類される薬剤です。”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”というMeSH termの階層構造をみてみると、下記およびリンクのとおりとなります。●Diuretics, Potassium Sparing○Epithelial Sodium Channel Blockers○Mineralocorticoid Receptor Antagonists#15では”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”の上位概念である”Diuretics, Potassium Sparing”(K保持性利尿薬)を[mh: noexp]の「タグ」で指定しています。”Diuretics, Potassium Sparing”の下位概念のうち"Epithelial Sodium Channel Blockers"という違う薬剤クラスは除外した検索式になっています(連載第22回参照)。その結果、”Mineralocorticoid Receptor Antagonists”で拾えない”Diuretics, Potassium Sparing”をカバーしています。#16-18では、MeSH termで拾えない可能性のある「アルドステロン受容体拮抗薬」に含まれる薬剤固有名詞を、「タグ」でTitle/Abstractを指定したうえでテキストワードを列記し、検索式を補完しています(連載第23回、第24回参照)。#19で#14から#19を”OR”でつなぎ、Iの構成要素の検索式が出来上がります。最後にPとIの構成要素をANDでつなぐPとIそれぞれの構成要素は、MeSH termやテキストワードで示される類似した語句同士なので重なりは大きいのですが、”OR”でつなげて、できるだけ検索漏れがないようにします。高校の数学で習ったはずの「ベン図」で表すと、下の図のようなイメージです。「ベン図」とは、ある概念で表されるグループ(集合)の関係性を視覚的に表した図でした。PとIの構成要素の検索式がそれぞれ完成したら、最終的にはPとIの「集合」の重なり部分を求めます。こちらも「ベン図」で示すと下図のようになります。Pの構成要素の検索式のまとめである#13(下記、連載第24回参照)と13. #1 OR #2 OR #3 OR #4 OR #5 OR #6 OR #7 OR #8 OR #9 OR #10 OR #11 OR #12Iの構成要素をまとめた検索式#19を、#20(下記)のように”AND”でつなぐことで検索式が完成します。20. #13 AND #191)Hasegawa T, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2021 Feb 15;2:CD013109.

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英語で「代わりに診てくれませんか?」は?【1分★医療英語】第51回

第51回 英語で「代わりに診てくれませんか?」は?Could you please cover my patients this weekend?(今週末、私の患者さんを代わりに診てくれませんか?)Sure, I can deal with it.(もちろん、引き受けますよ)《例文1》I’m going to explain the test result on behalf of Dr. Green.(グリーン先生の代わりに検査結果を説明します)《例文2》You can take paracetamol instead of ibuprofen.(イブプロフェンの代わりにパラセタモールを内服しても構いません)《解説》日本語の「代わりに~する」に当たる表現は英語では複数あり、それぞれ少しずつニュアンスが異なります。日本語でも仕事などを「カバーする」という言い方はよく使われますが、英語でも同様に、“cover”は「代わりに」引き受けるといった意味があります。「何かの代わりに」もしくは「自分の代わりに」という意味をより強めたい場合には、“instead of〜”または“on behalf of”や“on one’s behalf”といった表現が使われます。また、“instead of〜”では、痛み止めとしてのパラセタモールかイブプロフェンかといった「代わったものも同等である」という印象をもたらすのに対し、“on behalf of”または“on one’s behalf”では、「元の何かに代わって“代表して”対応する」といったニュアンスが加わります。たとえば、“I cannot attend the conference, so my colleague will give a presentation on my behalf”(私は学会に参加できないので、私の同僚が代わりにプレゼンを行います)といった使い方をします。講師紹介

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第119回 健康保険証を2024年度の秋に廃止へ/厚労省

<先週の動き>1.健康保険証を2024年度の秋に廃止へ、丁寧な対応を求める声も/厚労省2.新型コロナ・インフル同時流行に向けタスクフォース立ち上げ/厚労省3.自治体による公立病院への財政補助の見直しを/財務省4.2024年度からの医療費適正化計画の見直しに着手/厚労省5.複数の医師の退職で腎移植が不可能に/京都府立医大6.第8次医療計画で、在宅医療でのリハビリや栄養指導との連携強化を/厚労省1.健康保険証を2024年度の秋に廃止へ、丁寧な対応を求める声も/厚労省河野太郎デジタル大臣が10月13日の記者会見において、再来年の秋までに健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードと一体化すると発表した。総務省によると、マイナンバーカードの申請枚数は7,072万枚余り(10月11日時点)で、申請率は56.2%となっている。岸田内閣では、今年6月に閣議決定した「骨太の方針」で、保険証の原則廃止を目指すとしていたが、廃止の期限を24年秋と明示し、事実上の義務化に踏み込んだ形。政府は、マイナ保険証によって利用者が個人向けの専用サイト「マイナポータル」で診療履歴や薬の使用歴などが確認できるようになるほか、確定申告の医療費控除が簡単になるなどメリットを訴え、普及を高めるよう働きかけている。(参考)マイナ・保険証一体化 デジタル化遅れに危機感(毎日新聞)河野デジタル相 健康保険証を24年秋に廃止 国民や医療従事者の理解得られるよう取り組む(ミクスオンライン)埼玉で「地域医療」崩壊の恐れ? 「マイナ保険証の資格確認」に開業医ら反対、廃業検討も…何が起きている(埼玉新聞)オンライン資格確認等システム参加「義務化の撤回」を求める(埼玉保険医新聞)2.新型コロナ・インフル同時流行に向けタスクフォース立ち上げ/厚労省厚生労働省は、今年の冬に新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に向け、関係する団体・学会と国や地方の行政機関と連携しながら取り組むため、「新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース」を立ち上げ、第1回会合を10月14日に開催した。これに先立ち、10月13日の新型コロナウイルス感染症対策分科会の後に開催された記者会見で、尾身茂会長は「『第8波』は第7波以上の高い波になる」として、「感染拡大時の対策のあり方について早急に議論をすべき」との見解を示しており、これに応える形で開催された。タスクフォースでは、同時感染が生じた場合、ピーク時には発熱患者の合計が1日75万人が想定されるとし、重症化リスクの高い人を優先し、低リスクの人は症状が軽ければ「すぐの受診」は避けて自宅で検査キットを活用するなど検討している。(参考)第1回新型コロナ・インフル同時流行対策タスクフォース(厚労省)第19回 新型コロナウイルス感染症対策分科会(内閣府)加藤厚労相、新型コロナ・インフル同時流行対策を発表…オンライン診療の活用呼びかけ(読売新聞)「コロナ第8波、第7波以上に」 尾身氏、議論呼びかけ(毎日新聞)3.自治体による公立病院への財政補助の見直しを/財務省財務省は、財政制度等審議会の財政制度分科会を10月13日に開催した。この中で、政府が、新型コロナウイルス感染対策で、政府から地方自治体にさまざまな形で補助金が交付されており、このため地方自治体の財政はプライマリーバランスの黒字が続いている。このため、コロナ対策の補助金の支給で、公立病院の経営状況について、公立病院全体の経常損益はコロナ前の2019年度は984億円の赤字が、翌年度には黒字に転換し、2021年度に3,296億円の黒字となったことを指摘した。参加した委員からは、これ以上の国の財政悪化を防ぐためにも、地方における社会保障費の抑制や地方自治体の公立病院への財政の繰り出しを求めた。政府は公立病院の経営改善を求めており、多額の補助金によって、公立病院の経営改革が阻害されることがあってはならないとし、経営強化プランを踏まえた取組を着実に進めていく必要があると指摘した。(参考)財務省、公立病院への繰り出しを疑問視 黒字転換したのに同水準を維持(CB news)地方財政(財務省 財政制度分科会)地方財政 参考資料(財務省 財政制度分科会)4. 2024年度からの医療費適正化計画の見直しに着手/厚労省厚生労働省は、10月13日に社会保障審議会医療保険部会を開催した。この中で医療費適正化計画の見直しに関する論点を提案した。医療費適正化計画は医療費の抑制や医療の効率的な提供の推進を目的に、2008年度から開始されており、2024年度から新たに第4期が開始されることになっている。この中で、現行の第3期医療費適正化計画の目標に対する進捗状況では、最終年度の2023年に80%が目標とされていた後発医薬品の使用促進は2020年度に79.6%とほぼ達成されていたものの、目標値が70%であった特定健診の実施率は53.4%と伸び悩んでいた。厚生労働省は、第4期医療費適正化計画に向けた論点として、新たに取り組むべき目標として、2025年には団塊の世代が全員後期高齢者となることを背景に、複合的なニーズを有する高齢者への医療・介護の効果的・効率的な提供と医療資源の効果的・効率的な活用を挙げた。(参考)医療費適正化計画に高齢者保健事業・介護予防を 厚労省が医療保険部会に論点提案(CB news)医療費適正化計画の見直しについて(社会保障審議会医療保険部会)5.複数の医師の退職で腎移植が不可能に/京都府立医大京都府立医大病院で、腎臓移植手術を行なっていた医師6名のうち5名が退職したため、今年の春以降、移植が行えなくなっていることが明らかとなった。京都府内では腎臓移植手術のシェアの9割以上を占めており、国内有数の施設であった。退職した医師らは移植外科に所属しており、転職や留学などのため相次いで退職。今年5月には診療科のトップの准教授も退職したため、医師は残り1人となり、移植手術が実施不可能になった。大学側は「できるだけ早期に手術を再開できるよう努力したい」としている。(参考)「腎臓移植」手術数は府内トップの病院だが…医師5人退職、手術できない事態に(読売新聞)腎臓の移植手術担う医師5人が相次ぎ退職、手術できず 京都府立医科大病院(京都新聞)6.第8次医療計画で、在宅医療でのリハビリや栄養指導との連携強化を/厚労省厚生労働省は第8次医療計画の策定に向けて、在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループを10月14日に開催した。この中で、在宅医療の現場で、救急医療機関と消防機関など、地域でのネットワーク作りが十分ではなく、情報共有が難しい状況であることや、緊急時に、即座に入院が可能な病院が必要とされ、在宅療養後方支援病院のほか、在宅療養支援病院が役割を担っているケースもあるので、後方支援機能を検討することになった。このほか、在宅医療の提供体制に、訪問リハビリテーションや訪問栄養食事指導を加えることとし、これらの職種を含め、多職種の連携を加えることを了承した。(参考)次期指針での在宅医療提供体制、訪問リハなど項目追加 厚労省WG了承、次回取りまとめへ(CB news)第7回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ 資料(厚生労働省)

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免疫抑制患者、ブースター接種50日以降に入院・死亡リスク増/JAMA

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のデルタ変異株とオミクロン変異株が優勢であった時期に、ワクチンの初回および追加接種を受けた集団では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因する肺炎による入院や死亡の発生率が低く、複数回接種により重症COVID-19関連疾患の予防効果がもたらされた可能性があることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJ. Daniel Kelly氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年9月26日号で報告された。米国の後ろ向きコホート研究 研究グループは、米国の退役軍人健康管理局で治療を受けた経験のある集団を対象に、ワクチンの初回接種と追加接種後における重症COVID-19関連疾患の発生の評価を目的に、後ろ向きコホート研究を行った(米国退役軍人省などの助成を受けた)。 試験期間は2021年7月1日~2022年5月30日で、参加者はワクチン(BNT162b2[ファイザー製]、mRNA-1273[モデルナ製]、Ad26.COV2.S[ヤンセン製])の初回接種と追加接種を受けた。 161万719例が解析に含まれた。このうち男性が147万8,476例(91.8%)、女性は13万2,243例(8.2%)で、全体の年齢中央値は71歳(四分位範囲[IQR]:61~76)、110万280例(68.4%)が65歳以上で、113万3,785例(70.4%)は高リスクの併存疾患を有しており、15万8,684例(9.9%)は免疫抑制の状態であった。また、146万7,879例(91.1%)は、初回と追加で同じmRNAワクチンの接種を受けていた。免疫抑制状態の患者では経時的な効果が確認できず 24週の追跡期間中に、161万719例中2万138例でワクチン突破型(追加接種後に検査で確定された症候性COVID-19の診断と定義)のCOVID-19(125.0件[95%信頼区間[CI]:123.3~126.8]/1万人)が発現した。また、1,435例でCOVID-19に起因する肺炎による入院または死亡(8.9件[8.5~9.4]/1万人)が、541例で重症COVID-19肺炎による入院または死亡(3.4件[3.1~3.7]/1万人)が認められた。 高リスク集団におけるCOVID-19肺炎による入院または死亡の発生率は、65歳以上では1.9件(95%CI:1.4~2.6)/1万人であり、高リスクの併存疾患を有する集団では6.7件(6.2~7.2)/1万人、免疫抑制状態の集団では39.6件(36.6~42.9)/1万人であった。 COVID-19肺炎による入院または死亡の集団のサブグループ解析では、追加接種後24週までに、ワクチン接種の5つの組み合わせ(BNT162b2の3回接種、mRNA-1273の3回接種、Ad26.COV2.Sの2回接種、異なるmRNAワクチンの接種、Ad26.COV2.SとmRNAワクチンの接種)で、経時的な累積発生率に差はみられず、全般に発生率は低かった。 高リスク集団の経時的な解析では、免疫抑制状態の患者は免疫抑制のない患者と比較して、追加接種後51~100日(1~50日との比較でp=0.004)および101~150日(同p<0.001)のCOVID-19肺炎による入院または死亡のリスクが有意に高かった。この傾向は、BNT162b2の3回接種(追加接種後51~100日:p=0.02、同101~150日:p=0.002)およびmRNA-1273の3回接種(p=0.22、p=0.006)を受けた患者でも認められた。一方、65歳以上や高リスク併存疾患を有する集団では、このような傾向はみられず有効性が保持されていた。 著者は、「この研究は、デルタ変異株およびオミクロン変異株(BA.1、BA.2、BA.2.12.1)を含むSARS-CoV-2が米国で優勢であった時期に行われており、ワクチンの追加接種は、ウイルスが進化しても引き続きCOVID-19による重症疾患に対する予防効果をもたらしたことが示唆される」としている。

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教育研修プログラムとして高く評価(解説:野間重孝氏)

 現在ヨード造影剤を用いた検査・治療手技は日常診療で欠かすことのできない存在となっている。その際問題になるのが造影剤による急性腎障害(CIN)であり、ヨード造影剤投与後72時間以内に血清クレアチニン値が前値より0.5mg/dL以上、または前値より25%以上上昇した場合と定義される。CINは院内発症の急性腎障害(AKI)の10~13%に及ぶと考えられ、多くのAKIが不可逆的であるのと同様にCINもその多くが不可逆的であり、その後の治療の大きな障壁となる。検査・治療に当たる医師は最大限の注意を払うことが求められ、裏付けとなる十分な知識・経験と技術が求められるところとなる。 本研究は非緊急冠動脈造影や経皮的冠動脈インターベンションを施行する心臓専門医に対して教育、造影剤投与量および血行力学的に誘導された輸液目標に対するコンピュータによる臨床的意志決定支援、監査とフィードバックを行い、介入前後の成績を比較検討したものである。この一連の報告は、研究というより教育・研修プログラムの効果判定とその報告と考えるべきで、その意味から今回の試みは成功だったと評価されると考えられる。 一連のプログラムの実施と評価にStepped Wedge Cluster Randomized Trial方式を用いたことは的を射ているといえる。この方法にはあまりなじみのない方が多いのではないかと思うので解説させていただくと、地域や施設などの1つのまとまり(この場合はある医師の集団)をクラスターとして、介入時期をランダム化し、介入時期をずらして全クラスターで介入を実施する試験デザインをいう。この方法では介入前後の比較はできるが非介入群vs.介入群の無作為比較はできないため、一般的な比較対照試験というより一種のコホート研究と考えるのが適当である。本試験で重要な点は患者を対象とした無作為試験を行うことなく、参加した全医師が指導プログラムを受講し、受講の効果に対する評価を受けたことである。こうした評価方法は私たちも何か重要な研修プログラムを組んで実施する場合、大いに参考にすべき事例だと考えられよう。 繰り返しになることを恐れずに述べると、本研究をCIN発症予防法の検証と捉える読み方は適当ではない。CINに対しては予防が重要であるが、さまざまな臨床研究が行われているものの、現時点での有効な予防法は、造影剤使用量を最小限にすることと、適切な輸液のみだからである。有効な治療薬は見いだされておらず、緊急の透析も効果がないことが知られている。そうした状況の中、検査・治療前の患者のリスクと病態の把握、造影剤使用時に中止すべき薬剤に対する注意などが重要であることは言うまでもない。 このような講習を受けて検査・治療に当たるアンジオグラファーは何を考えるだろうか。輸液量はチームの計画の問題であるが(パスで決められている場合が多い)、造影剤の使用量は一に掛かって施行医の技量と判断能力に掛かっていることに気付くはずである。それが実際の数字として目の前に提示されるのである。必ず新たな向上心が醸成されるはずである。こうしたプログラムに基づいて自覚を新たにした若手医師たちが育ってくれるとするならば、こんなに頼もしいことはない。本研究を教育・研修プログラムとその報告として高く評価するものである。

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 1次情報源の活用 PubMed検索 その4【「実践的」臨床研究入門】第24回

下記は、連載第22回でも提示した、われわれのコクラン・システマティックレビュー(SR:systematic review)論文1)のクリニカル・クエスチョン(CQ)とリサーチ・クエスチョン(RQ)のP(対象)とI(介入)です。CQ:アルドステロン受容体拮抗薬は維持透析患者の予後を改善するかP:維持透析患者I:アルドステロン受容体拮抗薬今回からは、このコクランSR論文1)の検索式の具体例を読み解きながら、実際の検索式の構造について解説します。Pの構成要素をORでつないでまとめる検索式はPとI(もしくはE)で構成すると説明しました(連載第22回参照)。実際の検索式ではPとI(もしくはE)の構成要素に分けて、論理演算子(ANDやOR)でつなぎます。PやI(もしくはE)、それぞれの構成要素は、MeSH(Medical Subject Headings)やテキストワードで表される類似した語句を"OR"でつなげて、できるだけ検索漏れが少なくなるようにするのです。それでは、われわれのコクランSR論文1)の実際の検索式をみてみましょう(参照 Appendix 1. Electronic search strategies)。データベースごと(CENTRAL、MEDLINE、EMBASE)の検索式が公開されています。これらの検索データの違いについては連載第17回をご参照ください。ここでは、実際の文献検索の参考になるように、MEDLINEの検索式をPubMed用に変換した検索式を用いて解説します。以下は、Pの構成要素に該当する部分の検索式です。1.Renal Replacement Therapy[mh:noexp]2.Renal Dialysis[mh:noexp]3.Peritoneal Dialysis[mh]4.CAPD[tiab] OR CCPD[tiab] OR APD[tiab]5.Hemodiafiltration[mh]6.Hemodialysis, home[mh]7.dialysis[tiab]8.hemodialysis[tiab] OR haemodialysis[tiab]9.hemofiltration[tiab] OR haemofiltration[tiab]10.hemodiafiltration[tiab] OR haemodiafiltration[tiab]11.end-stage-kidney[tiab] OR end-stage-renal[tiab] OR endstage-kidney[tiab] OR endstage-renal[tiab]12.ESKD[tiab] OR ESKF[tiab] OR ESRD[tiab] OR ESRF[tiab]13.#1 OR #2 OR #3 OR #4 OR #5 OR #6 OR #7 OR #8 OR #9 OR #10 OR #11 OR #12まず、#1-3ではPの構成要素の概念である「透析」に関連するMeSH term (統制語)がリストアップされ、「タグ」でもMeSHが検索項目として指定されています(連載第23回参照)。#3のタグは[mh]、#1、 2のタグは[mh: noexp]ですが、そのMeSH term に付随する下位のMeSH termも含むか含まないか、という指定の違いになります。たとえば、#1の"Renal Replacement Therapy"というMeSH termの階層構造は下記およびリンクのようになっています。○Renal Replacement Therapy■Continuous Renal Replacement Therapy■Hemofiltration■Hemoperfusion■Hybrid Renal Replacement Therapy■Intermittent Renal Replacement Therapy■Kidney Transplantation■Renal Dialysis●Hemodiafiltration●Hemodialysis, Home●Peritoneal DialysisこのコクランSR論文1)のPの構成要素の概念は「透析」のなかでも慢性期に行う「維持透析」です。したがって、"Renal Replacement Therapy"のひとつ下の階層に位置するMeSH termのうち、急性期に行う"Continuous Renal Replacement Therapy"や、特殊な血液浄化療法である"Hemoperfusion"、”Hybrid Renal Replacement Therapy"、”Intermittent Renal Replacement Therapy”、また"Kidney Transplantation"は、Pの構成要素に該当しません。そのため、Renal Replacement Therapy[mh:noexp]として、これらの下位のMeSH termは含まない検索式にしているのです。"Renal Dialysis”以下の「維持透析」の概念に含まれるMesh Termは#2、 3、 5、 6で個別に指定して補完しています。また、#4、 7、 8-10ではMeSHで拾えない同義語・関連語をテキストワードで記述し、「タグ」でTitle/Abstractを指定して検索式に組み込んでいます(連載第23回参照)。Pである維持透析患者は末期腎不全患者という表現もされます。#11では「フレーズ検索」を使用することにより、これらのテキストワードが「タグ」で指定したTitle/Abstractに含まれる論文を検索しています。「フレーズ検索」とはハイフンでつないだ単語が指定した順序で出現するフレーズを検索する機能です。ハイフンを使わずに、フレーズを””(ダブルクォーテーション)で囲んでも「フレーズ検索」になります。#12は、”ESKD”や”ESKF”などの末期腎不全を示す略語をカバーしています。最後に、#13で#1から#12までをORでつなぐことにより、Pの構成要素の検索式が出来上がります。1)Hasegawa T,et al. Cochrane Database Syst Rev. 2021 Feb 15;2:CD013109.

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SGLT2阻害薬とGLP1受容体作動薬の処方率、人種・民族間で格差/JAMA

 2019~20年の米国における2型糖尿病患者へのSGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬の処方率は低く、白人や非ヒスパニック/ラテン系と比較して、とくに他の人種やヒスパニック/ラテン系の患者で処方のオッズ比が有意に低いことを、米国・カリフォルニア大学のJulio A. Lamprea-Montealegre氏らが、米国退役軍人保健局(VHA)の大規模コホートデータ「Corporate Data Warehouse:CDW」を用いた横断研究の結果、報告した。2型糖尿病に対する新しい治療薬は、心血管疾患や慢性腎臓病の進行リスクを低減することができるが、これらの薬剤が人種・民族にかかわらず公平に処方されているかどうかは、十分な評価がなされていなかった。著者は、「これらの処方率の差の背景にある要因や、臨床転帰の差との関連性を明らかにするために、さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA誌2022年9月6日号掲載の報告。2型DM患者約120万例について2019~20年の処方率を人種・民族別に検討 研究グループは、成人2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬の処方における人種・民族による差異を調査する目的で、CDWのデータを用い、2019年1月1日~2020年12月31日の期間にプライマリケア診療所を2回以上受診した2型糖尿病成人患者を対象に解析した。 医療給付申請時またはVHA施設の受診時に質問票で確認した、自己申請に基づく人種・民族別に、研究期間中のSGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬の処方(あらゆる有効処方箋)率を評価した。なお、SGLT2阻害薬はertugliflozin、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、GLP-1受容体作動薬はセマグルチド、リラグルチド、albiglutide、デュラグルチドを評価対象とした。 解析対象は、119万7,914例(平均年齢68歳、男性96%、アメリカ先住民/アラスカ先住民1%、アジア人/ハワイ先住民/他の太平洋諸島民2%、黒人/アフリカ系アメリカ人20%、白人71%、ヒスパニック/ラテン系7%)であった。処方率は全体で8~10%、白人以外の人種、とりわけヒスパニック/ラテン系で低い 全対象における処方率は、SGLT2阻害薬10.7%、GLP-1受容体作動薬7.7%。人種・民族別ではそれぞれ、アメリカ先住民/アラスカ先住民で11%、8.4%、アジア人/ハワイ先住民/他の太平洋諸島民11.8%、8.0%、黒人/アフリカ系アメリカ人8.8%、6.1%、白人11.3%、8.2%であった。また、ヒスパニック/ラテン系では11%、7.1%、非ヒスパニック/ラテン系では10.7%、7.8%であった。 患者およびシステムレベルの因子を調整後のSGLT2阻害薬およびGLP-1受容体作動薬の処方率は、白人と比較して、他のすべての人種で有意に低かった。白人との比較で処方オッズが最も低かったのは黒人であった(SGLT2阻害薬の補正後オッズ比[OR]:0.72[95%信頼区間[CI]:0.71~0.74]、GLP-1受容体作動薬の補正後OR:0.64[95%CI:0.63~0.66])。 また、ヒスパニック/ラテン系の患者は、非ヒスパニック/ラテン系の患者と比較して、処方オッズが有意に低かった(SGLT2阻害薬の補正後OR:0.90[95%CI:0.88~0.93]、GLP-1受容体作動薬の補正後OR:0.88[95%CI:0.85~0.91])。

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冠動脈造影/PCI時、コンピュータ支援で急性腎障害軽減/JAMA

 非緊急冠動脈造影や経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行する心臓専門医に対し、教育プログラムや造影剤投与量などに関するコンピュータによる監査とフィードバックを伴う臨床意思決定支援の介入を行うことで、これら介入のない場合と比べて施術を受けた患者が急性腎障害(AKI)を発症する可能性は低く、時間調整後絶対リスクは2.3%低下した。また、造影剤の過剰投与について同リスクの低下は12.0%だった。カナダ・カルガリー大学のMatthew T. James氏らが、心臓専門医34人とその患者を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果で、JAMA誌2022年9月6日号で発表した。AKIは、冠動脈造影やPCIでは一般的な合併症で、高コストおよび有害長期アウトカムと関連する。今回の結果について著者は、「こうした介入が今回の試験以外の環境下でも有効性を示すかどうか、さらなる検討が必要である」と述べている。患者7,106人を対象にクラスター無作為化試験 研究グループは、カナダ・アルバータ州の心臓カテーテル検査室3ヵ所で侵襲的治療を行う心臓専門医全員を対象に、ステップウェッジ・クラスター無作為化試験を行った。無作為化の開始日は、2018年1月~2019年9月の間。適格患者は、非緊急冠動脈造影またはPCI、もしくはその両方を施行し、透析は行っておらず、AKIリスクが5%超と予測される18歳以上だった。34人の医師が選択基準を満たした患者7,106人に対して7,820件の処置を行った。被験者のフォローアップ終了は2020年11月だった。 介入期間中、心臓専門医は、教育支援プログラム、造影剤投与量や血行力学ガイド下静脈内輸液の目標値に関するコンピュータによる臨床意思決定支援、および監査・フィードバックを受けた。介入期間前(対照期間)は、心臓専門医は通常ケアを提供し、介入は受けなかった。 主要アウトカムはAKIの発生とした。副次アウトカムは12項目で、造影剤投与量、静脈内輸液量、および主要有害心血管・腎イベントなどだった。解析は、時間調整モデルを用いて行われた。AKI発生率、介入群7.2%、対照群8.6% 心臓専門医34人は診療グループや医療センターにより8集団に分けられた。このうち、介入群には医師31人、患者4,032人、4,327件の処置が含まれた(患者の平均年齢:70.3歳[SD 10.7]、女性32.0%)。対照群は医師34人、患者3,251人、3,493件の処置が含まれた(70.2歳[SD 10.8]、33.0%)。 AKI発生率は、介入期間中7.2%(4,327件中310イベント)、対照期間中8.6%(3,493件中299イベント)だった(群間差:-2.3%[95%信頼区間[CI]:-0.6~-4.1、オッズ比[OR]:0.72[95%CI:0.56~0.93]、p=0.01)。 12項目の副次アウトカムのうち、8項目は両群で有意差がみられなかった。造影剤投与量が過剰だった処置の割合は、対照期間中51.7%から介入期間中は38.1%に減少した(群間差:-12.0%[95%CI:-14.4~-9.4]、OR:0.77[95%CI:0.65~0.90]、p=0.002)。静脈内輸液投与が不十分だった処置の割合も、対照期間中の75.1%から介入期間中は60.8%に低下した(群間差:-15.8%[95%CI:-19.7~-12.0]、OR:0.68[95%CI:0.53~0.87]、p=0.002)。 主要有害心血管・腎臓イベントも、両群で有意差はなかった。

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