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NSCLCの術後補助化学療法、適正レジメンは?(TORG 0503)/Lung Cancer

 日本発の、非小細胞肺がん(NSCLC)術後補助化学療法の適正レジメンが示された。完全切除されたStage IB、IIおよびIIIAのNSCLCでは、術後補助化学療法が標準治療であるが、これまで最適な化学療法レジメンは決定されていない。日本医科大学呼吸器内科の久保田馨氏らは、これらの患者において望ましいプラチナベースの第3世代レジメンを選択する「TORG0503試験」を実施した。その結果、ドセタキセル+シスプラチン併用療法とパクリタキセル+カルボプラチン併用療法が、術後補助化学療法として安全に施行できることが示された。結果を踏まえて著者は、「次の臨床試験では、対照としてドセタキセル+シスプラチン併用療法を選択する」と述べている。Lung Cancer誌オンライン版2019年3月号の掲載報告。 研究グループは、完全切除されたStage IB、IIA、IIB、IIIAのNSCLC患者を、ドセタキセル(60mg/m2)+シスプラチン(80mg/m2)併用療法を3サイクル行う群(A群)と、パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC 6)併用療法を3サイクル行う群(B群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は2年無再発生存割合、主な副次評価項目は全生存期間(OS)、有害事象(忍容性、毒性)などとした。 主な結果は以下のとおり。・111例(A群58例、B群53例)が無作為に割り付けられた。両群の患者背景は類似していた。・3サイクルの化学療法を完遂した患者の割合は、A群で93%(54/58例)、B群で92%(49/53例)であった。・両群で治療に関連した死亡は認められなかった。・2年無再発生存割合は、A群で74.5%(95%信頼区間[CI]:68.6~80.4)、B群で72.0%(95%CI:65.7~78.3)であった。・また、5年無再発生存割合はA群で61.6%、B群で46.0%であった。・2および5年OSは、A群で89.7%および73.9%、B群で86.9%および67.5%であった。

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FDA諮問委員会、ラムシルマブのEGFR変異陽性肺がん1次治療を支持/イーライリリー

 イーライリリー・アンド・カンパニーは、2020年2月26日、米国食品医薬品局(FDA)抗腫瘍薬諮問委員会(ODAC)が、第III相試験(RELAY試験)の結果に基づいたEGFR遺伝子変異陽性を有する未治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたラムシルマブ+エルロチニブ併用療法の有効性と安全性を検討し、バランスが取れたリスク・ベネフィットが示されたことを支持する投票数が不支持を上回ったこと(支持:6、不支持:5)を発表。 ODACは、FDAで審査中のラムシルマブの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)に基づき、第III相RELAY試験から得られた安全性および有効性データを審査した。RELAY試験で、ラムシルマブ+エルロチニブ併用療法は、プラセボ+エルロチニブ療法と比較して、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長した。また、同試験で認められた安全性プロファイルは、ラムシルマブやエルロチニブに関してこれまで得られている安全性プロファイルと一貫していた。プラセボと比較してラムシルマブ群で 5%以上高く発現し、5%以上の発現割合で認められたGrade3以上の有害事象は、高血圧、ざ瘡様皮膚炎(ざ瘡様発疹)、および下痢であった。 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん患者の1次治療におけるラムシルマブ+エルロチニブ併用療法は欧州委員会(EC)では2020年1月に承認されている。また、国内でも承認事項一部変更承認申請を行っている。

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局所進行NSCLCに対する化学放射線療法とペムブロリズマブの同時併用/JAMA Oncol

 化学放射線療法後のPD-L1阻害薬による地固め療法は、Stage III非小細胞肺がん(NSCLC)の全生存率と無増悪生存率(PFS)を改善する。一方、化学放射線療法開始時のPD-L1阻害薬導入についての評価は明らかではない。そこで、NSCLCの根治的化学放射線療法とPD-1阻害薬ペムブロリズマブの同時併用の安全性と忍容性を決定する目的で前向き多施設非無作為化比較第I相試験が行われた。・対象:局所進行切除不能StageIII NSCLC(ECOG PS0~1)21例・介入: ペンブロリズマブを化学放射線併用療法(カルボプラチン+パクリタキセル毎週投与+放射線60Gy[2Gy/回])と併用。[コホート1]化学放射線療法後2〜6週からペンブロリズマブ 200mg 3週間ごと。[コホート2]化学放射線療法の29日目からペムブロリズマブ 100mg 3週間ごと。[コホート3]化学放射線療法の29日目からペンブロリズマブ 200mg 3週間ごと。[コホート4]化学放射線療法の1日目からペムブロリズマブ 100mg 3週間ごと。[コホート5]化学放射線療法の1日目からペンブロリズマブ 200mg 3週間ごと。・評価項目:[主要評価項目]化学放射線療法との併用によるPD-1阻害薬の安全性と忍容性[副次評価項目]PFS、肺炎発症割合など。 主な結果 は以下のとおり。・対象患者21例の年齢中央値は69.5歳であった。・コホート5の安全性拡大コホートでGrade5の肺炎が1例発現した。・Grade3以上の免疫関連有害事象が4例の患者で発生した(18%)。・ペンブロリズマブを1回以上投与した患者(21例)のPFS中央値は18.7ヵ月。6ヵ月PFS率は81.0%、12ヵ月PFS率は69.7%であった。・ペンブロリズマブを2回以上投与した患者(19例)のPFS中央値は21.0ヵ月であった。 これらの結果から筆者らは、StageIII NSCLCに対するPD-1阻害薬と化学放射線療法の併用療法は忍容性があり、PFSも有望であることから、さらなる研究が必要であると述べている。

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クローン病〔CD : Crohn’s disease〕

1 疾患概要■ 概念・定義クローン病(Crohn’s disease: CD)は消化管の慢性肉芽腫性炎症性疾患であり、発症原因は不明であるが、免疫異常などの関与が考えられる。小腸、大腸を中心に浮腫や潰瘍を認め、腸管狭窄や瘻孔など特徴的な病態を生じる。■ 疫学主として若年者(10代後半~30代前半)に好発する。年々増加傾向にあり、わが国のCDの有病率は最近15年間で約4倍に増加、患者数4万人以上と推測され、日本では1.8:1.0の比率で男性に多い。現在も増加していると考えられる。■ 病因原因はいまだ不明であるが、遺伝的素因と食事などの環境因子の両者が関与し、消化管局所の免疫学的異常により、慢性の肉芽腫性炎症が持続する多因子疾患である。喫煙が増悪因子とされている。ほかに長鎖脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、精製糖質の過剰摂取などが増悪因子として想定されている。■ 症状主症状は腹痛(70%)、下痢(80%)、体重減少・発熱(40~70%)である。肛門病変はCD患者の半数以上にみられ、先行する場合も多い(36~81%)。検査値の異常として、炎症所見(白血球数、CRP、血小板数、赤沈)の上昇、低栄養(血清総蛋白、アルブミン、総コレステロール値の低下)、貧血を示す。■ 分類正しい治療を考える上で、病変部位、疾患パターン、活動度・重症度の把握が重要である。病変部位は小腸型、小腸大腸型、大腸型の3つに大きく分類される。日本では小腸型20%、小腸大腸型50%、大腸型30%とされている。疾患パターンとして炎症型、狭窄型、瘻孔形成型の3通りに分類することが国際的に提唱されている。さらに疾患活動性として、症状が軽微もしくは消失する寛解期と、症状のある活動期に分けられる。重症度を客観的に評価するために、CD活動指数CDAI(表1)、IOIBDなどがあるが、日常診療に適した重症度分類は現在のところまだないため、患者の自覚症状、臨床所見、検査所見から総合的に評価する。画像を拡大する■ 予後CDは再燃、寛解を繰り返し慢性に経過する疾患である。病初期は消化管の炎症が中心であるが、徐々に狭窄型・瘻孔型へ移行し、手術が必要となる症例が多い。2000年に提唱されたCDの分類法であるモントリオール分類(表2)では発症時年齢、罹患範囲、病気の性質により分類されている。病型や病態は罹患期間により比率が変化し、Cosnes氏らは診断時に炎症型が85%であっても、20年後には88%が狭窄型から瘻孔型へ移行すると報告している 。累積手術率は発症後経過年数とともに上昇し、生涯手術率は80%以上になるという報告もある。海外での累積手術率は10年で34~71%である。わが国の累積手術率も、10年で70.8%、初回手術後の5年再手術率は16~43%、10年で26~67%と報告されている。とくに瘻孔型では手術率、術後再発率とも高くなっている。死亡率に関しては、Caravanらのメタ解析によるとCDの標準化死亡率は1.5(1.3~1.7)と算出されている。死亡率は過去30年で減少傾向にあるが、CDの死亡率比は一般住民よりやや高いとの報告がある。わが国では、やや高いとする報告と変わらないとする報告があり、死亡因子としては肝胆道疾患、消化管がん、肺がんが挙げられている。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 診断基準厚生労働省の診断基準(表3)に沿って診断を行う。2018年に改訂した診断基準(案) ではCDAI(Crohn’s disease activitiy index)や合併症、炎症所見、治療反応に基づくECCO(European Crohn’s and colitis organisation )(表4)の分類に準じた重症度分類(軽症、中等症、重症)が記載されている。画像を拡大する■ 診断の実際若年者に、主症状である腹痛(70%)、下痢(80%)、体重減少・発熱(40~70%)が続いた場合CDを念頭に置く。肛門病変はCD患者の半数以上にみられ、先行する場合も多い(36~81%)。血液検査にて炎症所見、低栄養、貧血がみられたら、CDを疑い終末回腸を含めた下部消化管内視鏡検査および生検を行う。診断基準に含まれる特徴的な所見および生検組織にて、非乾酪性類上皮肉芽腫が検出されれば診断が確定できる。病変の範囲、治療方針決定のためにも、上部消化管内視鏡検査、小腸X線造影検査を行うべきである。CDと鑑別を要する疾患として、腸結核、腸型ベーチェット病、単純性潰瘍、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)潰瘍、感染性腸炎、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎などがあるため、服薬歴の確認・便培養・ツベルクリン反応およびクォンティフェロン(QFT)、病理組織検査を確認する。診断のフローチャートを図に示す。画像を拡大する1)画像検査所見(1)下部消化管内視鏡検査、小腸バルーン内視鏡検査検査前に、問診やX線にて強い狭窄症状がないか確認する。60~80%の患者では大腸と終末回腸が罹患する。病変は非連続性または区域性に分布し、偏側性で介在部はほぼ正常である。活動性病変として、縦走潰瘍と敷石像が特徴的な所見である。小病変としてはアフタや不整形潰瘍が認められる。(2)上部消化管内視鏡検査胃では、胃体上部小弯側の竹の節状外観、前庭部のたこいぼびらん・不整形潰瘍が認められる。十二指腸では、球部と下行脚に好発し、多発アフタ、不整形潰瘍、ノッチ様陥凹、結節状隆起が認められる。(3)消化管造影検査(X線検査)病変の大きさや分布、狭窄の程度、瘻孔の有無について簡単に検査ができる。所見の特徴は、縦走潰瘍、敷石像、非連続性病変、瘻孔、非対称性狭窄(偏側性変形)、裂孔、および多発するアフタがある。(4)その他近年、機器の性能向上および撮影技法の開発により、超音波検査、CT、MRIにより腸管自体を詳細に描出することが可能となった。小腸病変の診断に、経口造影剤で腸管内を満たし、造影CT検査を行うCT enterography(CTE)や、MRI撮影を行うMR enterography(MRE)が欧米では広く用いられており、わが国の一部の医療施設でも用いられている。撮影法の工夫により大腸も同時に評価ができるMR enterocolonography(MREC)も一部の施設では行われており、検査が標準化されれば、繰り返し行う場合も侵襲が少なく、内視鏡が到達できない腸管の評価にも有用と考えられる。2)病理検査所見CDには病理診断上、絶対的な基準となるものがなく、種々の所見を組み合わせて診断する。生検診断をするにあたっては、その有無を多数の生検標本で連続切片を作成し検討する。組織学的所見として重要なものは(1)全層性炎症像、(2)非乾酪性類上皮肉芽腫の検出、(3)裂溝、(4)潰瘍である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)CDは発症原因が不明であり、経過中に寛解と再燃を繰り返すことが多い。CDの根治的治療法は現時点ではないため、治療の目標は病勢をコントロールし、炎症を繰り返すことによる患者のQOL低下を予防することにある。そのため薬物療法、栄養療法、外科療法を組み合わせて症状を抑えるとともに、栄養状態を維持し、炎症の再燃や術後の再発を予防することが重要である。■ 内科治療(主に薬物治療として)活動期の治療と寛解期の治療に大別される。活動期CDの治療方針は、疾患の重症度、病変範囲、合併症の有無、患者の社会的背景を考慮して決定する。初発のCDでは、診断および病変範囲、重症度の確定と疾患に関する教育や総合的指導のため、専門医にコンサルトすることが望ましい。また、ステロイド依存や免疫調節薬の投与経験がない場合においても、生物学的製剤の投与に関しては専門医にコンサルトすべきである。わが国における平成30年度 CD治療指針、および各治療法の位置づけ(表5)を示す。画像を拡大する1)5-ASA製剤CDに適応があるのはメサラジン(商品名:ペンタサ)、サラゾスルファピリジン(同:サラゾピリン)の経口薬である。治療指針においては軽症~中等症の活動期の治療、寛解維持療法、術後再発予防のための治療薬として推奨されている。CDの寛解導入効果および寛解維持効果は限定的であるが有害性は低い。腸の病変部に直接作用し炎症を抑えるため、製剤の選択には薬剤の放出機序に注意して病変範囲によって決める必要がある。2)ステロイド(GS)5-ASA製剤無効例、全身症状を有する中等症以上の症例で寛解導入に有効である。関節症状、皮膚症状、眼症状などの腸管外合併症を有する場合や、発熱、CRP高値などの全身症状が著明な場合は、最初からステロイドを使用する。寛解維持効果はないため、副作用の面からも長期投与は避けるべきである。ステロイド依存となった場合は、少量の免疫調節薬(アザチオプリン〔AZA〕、6-メルカプトプリン〔6-MP〕)を併用し、ステロイドからの離脱を図る。軽症あるいは中等症例の回盲部病変の寛解導入には、全身性副作用を軽減し局所に作用するブデソニド(同:ゼンタコート)9mg/日の投与が有効である。3)免疫調節薬(AZA、6-MPなど)免疫調節薬として、AZA(同:イムラン、アザニン)、6-MP(同:ロイケリン)が主なものであり、AZAのみ保険適用となっている。AZAと6-MPは寛解導入、寛解維持に有効であり、ステロイド減量効果を有する。欧米の使用量はAZA 2.0~3.0mg/kg/日、6-MP 50mg/日または1.5mg/kg/日であるが、日本人は代謝酵素の問題から用量依存性の副作用が生じやすく、欧米より少量のAZA(50~100mg/日)、6-MP(20~50mg/日)が投与されることが多い。チオプリン製剤の副作用の中で、服用開始後早期に発現する重度の急性白血球減少と全脱毛がNUDT15遺伝子多型と関連することが明らかとされている。2019年2月よりNUDT15遺伝子多型検査が保険適用となっており、初回チオプリン製剤治療前には本検査を施行し、表6に従ってチオプリン製剤の適応を判断することが推奨される。AZA/6-MPの効果発現は緩徐で2~3ヵ月かかることが多いが、長期に安定した効果が期待できる。適応としてステロイド減量効果、難治例の寛解維持目的、瘻孔病変、術後再燃予防、抗TNF-α抗体製剤を使用する際の相乗効果があげられる。画像を拡大する4)抗体製剤(1)抗TNF-α抗体製剤わが国ではインフリキシマブ(同:レミケード)、アダリムマブ(同:ヒュミラ)が保険適用となっている。抗TNF-α抗体製剤は、CDの寛解導入、寛解維持に有効で外瘻閉鎖維持効果を有する。適応として、中等症~重症のステロイド・栄養療法が無効な症例、重症例で膿瘍や狭窄がない治療抵抗例、抗TNF-α抗体製剤で寛解導入された症例の寛解維持療法、膿瘍がコントロールされた肛門病変が挙げられる。早期に免疫調節薬と併用での導入が治療成績がよいとの報告があるが、副作用と医療費の問題もあり、全例導入は避けるべきである。早期導入を進める症例として、肛門病変を有する症例、穿孔型の症例、若年発症が挙げられる。(2)抗IL12/23p40抗体製剤2017年5月より中等症から重症の寛解導入および維持療法としてウステキヌマブ (同:ステラーラ)が使用可能となっている。導入時のみ点滴静注(体重あたり、55kg以下260㎎、55kgを超えて85kg以下390㎎、85kgを超える場合520㎎)、その後は12週間隔の皮下注射もしくは活動性が高い場合は8週間隔の皮下注射であり、投与間隔が長くてもよいという特徴がある。また、安全性が高いことも特徴である。腸管ダメージの進行があまりない炎症期の症例に有効との報告がある。肛門病変への効果については、まだ統一見解は得られていない。(3)抗α4β7インテグリン抗体製剤2018年11月より中等症から重症の寛解導入および維持療法としてベドリズマブ (同:エンタイビオ)が使用可能となっている。インフリキシマブ同様0週、2週、6週で投与後維持療法として8週間隔の点滴静注 (30分/回)を行う。抗TNF-α抗体製剤failure症例よりもnaive症例で寛解導入および維持効果を示した報告が多い。日本での長期効果の報告に関してはまだ症例数も少なく、今後のデータ集積が必要である。5)栄養療法活動期には腸管の安静を図りつつ、栄養状態を改善するために、低脂肪・低残渣・低刺激・高蛋白・高カロリー食を基本とする。糖質・脂質の多い食事は危険因子とされている。「クローン病診療ガイドライン(2011年)」では、栄養療法はステロイドとともに主として中等症以上が適応となり 、痔瘻や狭窄などの腸管合併症には無効である。1日30kcal/kg以上の成分栄養療法の継続が再発防止に有効であるが、長期にわたる成分栄養療法の継続はアドヒアランスの問題から困難であることも少なくない。総摂取カロリーの半分を成分栄養剤で摂取すれば、寛解維持に有効であることが示されており、1日900kcal以上を摂取するhalf EDが目標となっている。6)抗菌薬メトロニダゾール、シプロフロキサシンなどの抗菌薬は中等度~重症の活動期の治療薬として、肛門部病変の治療薬として有効性が示されている。病変部位別の比較では小腸病変より大腸病変に対して有効性が高いとされる。7)顆粒球・単球吸着療法(granulocyte/monocyte apheresis: GMA)2010年より大腸病変のあるCDに対しGMAが適応拡大となった。GMAは単独治療の適応はなく、既存治療の有効性が乏しい場合に併用療法として考慮すべきである。施行回数は週1回×5回を1クールとして、最大2クールまで施行する。8)内視鏡的バルーン拡張術(endoscopic balloon dilatation: EBD)CDは、経過中に高い確率で外科手術を要する疾患であり、手術適応の半数以上は腸管狭窄である。EBDは手術回避の目的として行われる内視鏡的治療であり、治療指針にも取り上げられている。適応としては、腸閉塞症状を伴う比較的短く(3cm以下)屈曲が少ない良性狭窄で、深い潰瘍や瘻孔を伴わないものである。適応外としては、細径内視鏡が通過する程度の狭窄、強度に屈曲した狭窄、長い狭窄、瘻孔合併例、炎症や潰瘍が合併している狭窄である。■ 外科的治療CDの外科的治療は内科的治療で改善しない病変のみに対して行い、QOLの改善が目的である。腸管病変に対する手術では、原則として切除をなるべく小範囲とし、小腸病変に対しては可能な症例では狭窄形成術を行い、腸管はなるべく温存する。5年再手術率16~43%、10年で32~76%と高く、可能な症例では腹腔鏡下手術が有効である。緊急手術、穿孔、広範囲膿瘍形成、複数回の開腹手術既往、腸管外多臓器への複雑な瘻孔などは開腹手術が選択される。厚生労働省研究班治療指針によるCDの手術適応は表7の通りである。完全な腸閉塞、穿孔、大量出血、中毒性巨大結腸症は緊急に手術を行う。狭窄病変については、活動性病変は内科治療、線維性狭窄で口側拡張の著しいもの、短い範囲に多発するもの、狭窄の範囲が長いもの、瘻孔を伴うもの、狭窄症状を繰り返すものは手術適応となる。肛門病変は、難治性で再発を繰り返す痔瘻・膿瘍が外科的治療の対象となる。治療として、痔瘻根治術、シートン法ドレナージ、人工肛門造設(一時的)、直腸切断術が選択される。治療の目標は症状の軽減と肛門機能の保持となる。画像を拡大する4 今後の展望現在、各種免疫を ターゲットとした治験が行われており、進行中の治験を以下に示す。グセルクマブ(商品名:トレムフィア):抗IL-23p19抗体(点滴静注および皮下注射製剤)Upadacitinib:JAK1阻害薬(経口)E6011:抗フラクタルカイン抗体(静注)Filgotinib:JAK1阻害薬(経口)BMS-986165:TYK2阻害療法(経口)5 主たる診療科消化器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療・研究に関するサイト難病情報センター CD(一般利用者と医療従事者向けの情報)東京医科歯科大学消化器内科 「潰瘍性大腸炎・クローン病先端治療センター」(一般利用者向けの情報)JIMRO IBD情報(一般利用者と医療従事者向けの情報)患者会に関するサイトIBDネットワーク(IBD患者と家族向け)1)日比紀文 監修.クローン病 新しい診断と治療.診断と治療社; 2011.2)難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班プロジェクト研究グループ 日本消化器病学会クローン病診療ガイドライン作成委員会・評価委員会.クローン病診療ガイドライン: 2011.3)NPO法人日本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編.潰瘍性大腸炎の診療ガイド. 第2版.文光堂; 2011.4)日比紀文.炎症性腸疾患.医学書院; 2010.5)渡辺守.IBD(炎症性腸疾患を究める). メジカルビュー; 2011.公開履歴初回2013年04月11日更新2020年03月09日

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ICIがすごく効いたら、やめてよいか?再投与は有効か?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第12回

第12回 ICIがすごく効いたら、やめてよいか?再投与は有効か?1)Warner AB, et al. Long-Term Outcomes and Responses to Retreatment in Patients With Melanoma Treated With PD-1 Blockade. J Clin Oncol. 2020 Feb 13. [Epub ahead of print]われわれは免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の登場によって、従来では考えられない長期生存を経験するようになっている。なかには腫瘍が消失するような症例もあるが、そのような場合にICIは中止可能か、についてはまだまだ情報が少ない。今回、悪性黒色腫において完全奏効(CR)例に対するICIの中止、また再発後の再投与に関して検討した論文を紹介する。試験デザインメモリアル・スローン・ケタリングにおける後方視的研究。2009~18年に抗PD-1抗体単剤を投与された1,325例のうち、途中中止された396例が対象。観察期間中央値は21.1ヵ月。患者背景使用されたのは85%がペムブロリズマブ、残りがニボルマブ。約半数はイピリムマブの治療歴あり。抗PD-1抗体単剤の投与期間中央値は4.8ヵ月・回数中央値は8回。投与中止となった最大の理由は病勢増悪(PD)で約50%。毒性による中止は22%であった。中止症例のうち、CR例の詳細途中中止された396例のうち102例(25.8%)でCRが得られた。CR例の中止理由は「CRと考えたから」が約70%、毒性が24%。途中中止されたCR例の無治療生存期間・全生存期間はいずれも中央値に達しなかった。3年時点での無治療生存割合は72%。この研究は後方視的研究であり、CRは担当医判断である。しかし、これらを(1)放射線科医によって厳密にRECIST CRとされたもの、(2)そうでないもの(RECIST CRではないが担当医判断がCR)、(3)再生検によって病理学的にCRと判断されたものに分けても、無再発期間に有意な差を認めなかった。CRと相関する臨床背景については、病期M1bや組織型、TMB high、LDH上昇が挙げられている。中止かつCR例のうち、再発した症例観察期間中に23例(23%)が再発。一方でCRを1年間維持できた症例では80%以上で2年間以上のCRが維持されていた。CRに至るまでの治療期間と再発率には相関なし。再発後のICI再投与78例が再発後にICIの再投与を受けた。この解析はICI中止までの治療効果を問わず行われている点に注意(37例は最良効果がPDにもかかわらず、再投与されている)。奏効率(ORR)は抗PD-1抗体単剤で15%(34例中5例)であった。抗PD-1抗体+イピリムマブで25%(44例中11例)であった。単剤再投与で奏効した5例のうち、3例は初回ICIの最良効果がPD、2例は毒性により初回ICIが中止されていた。初回CRとなった10例で、再投与後に奏効が得られたものはわずかに2例であった。また、初回と再投与の効果には相関がなかったとされている。再投与期間の中央値はわずかに1.6ヵ月、2年生存割合は37.6%であった。解説本研究の強み・興味深い点CR例に限定した中止後の解析という点。CRとなっても4人に1人は再発している。再投与の有効性はそれほど高くない。また、初回投与と再投与の有効性は必ずしも相関していない。だからといって、実臨床で初回ICIがPDであった場合に再投与するのは勇気がいる気がするが…。本研究の欠点単施設による後方視的研究であること。CR症例のうち、どのような症例で無再発率が高いのか、臨床背景やバイオマーカーの検討はなされていない。その他ICI治療におけるRECISTの判断基準が厳しすぎる可能性を指摘している。

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ALK肺がんへのbrigatinib、FDAは1次治療の優先審査指定、CHMPは肯定的見解/武田

 武田薬品工業は、brigatinibについて、2020年2月23日、米国食品医薬品局(FDA)がALK陽性転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対するファーストライン治療薬としての適応追加申請を優先審査指定したこと、同3月3日、欧州医薬品評価委員会(CHMP)がALK陽性進行性NSCLC患者に対する単剤療法としての承認を推奨する肯定的見解を示したことを発表した。 FDAへのファーストライン治療適応追加申請もCHMP の肯定的見解も、ALK阻害薬未治療のALK陽性局所進行あるいは転移のあるNSCLC患者を対象にbrigatinibとクリゾチニブを比較評価する臨床第III相ALTA-1L試験の結果に基づいている。ALTA-1L試験において、brigatinibは盲検化独立審査委員会(BRIC)の評価による無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を示し、主要評価項目を達成した。

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レンバチニブ+ペムブロリズマブ、進行固形がんの成績/JCO

 新しいがん治療薬として期待される免疫チェックポイント阻害薬について、その活性を増強する研究報告が示された。米国・オレゴン健康科学大学のMatthew H. Taylor氏らは、血管新生阻害による血管内皮増殖因子を介した免疫抑制の調節が、免疫チェックポイント阻害薬の活性を増強する可能性が示唆されていることから、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法の第Ib/II相試験を実施。腎細胞がん、子宮内膜がんおよびその他の進行固形がん患者を対象とした同併用療法が、有望な抗腫瘍活性と管理可能な安全性プロファイルを示したことを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年1月21日号掲載の報告。 研究グループは、第Ib相試験としてレンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法の最大耐用量(MTD)を決定した後、第II相試験を実施した。試験適格対象は、転移のある腎細胞がん、子宮内膜がん、頭頸部扁平上皮がん、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、尿路上皮がん患者であった。 主要評価項目は、第II相試験における投与24週時の客観的奏効率(ORR)であった。 主な結果は以下のとおり。・全体で137例(第Ib相試験13例、第II相試験124例)の患者が登録された。・用量制限毒性(DLT)として、Grade3の関節痛およびGrade3の疲労の2つが、第Ib相試験の初回投与量で報告され、その後の用量漸増コホートではDLTは認められなかったことから、第II相試験におけるレンバチニブの推奨用量は20mg/日に決定された。・第II相試験での投与24週時のORRは、腎細胞がん63%(19/30例、95%信頼区間[CI]:43.9~80.1%)、子宮内膜がん52%(12/23例、30.6~73.2%)、悪性黒色腫48%(10/21例、25.7~70.2%)、頭頸部扁平上皮がん36%(8/22例、17.2~59.3%)、非小細胞肺がん33%(7/21例、14.6~57.0%)、尿路上皮がん25%(5/20例、8.7~49.1%)であった。・主な治療関連有害事象は、疲労(58%)、下痢(52%)、高血圧(47%)および甲状腺機能低下症(42%)であった。

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capmatinib、METΔex14変異非小細胞肺がんのFDAブレークスルーセラピーに/ノバルティス

 ノバルティスは、2020年2月11日、米国食品医薬品局(FDA)がcapmatinib(INC280)の新薬承認申請(NDA)に対する優先審査を受理し、これを許可したと発表した。capmatinibは、METex14変異を有する局所進行または転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の未治療患者および治療歴のある患者の治療薬として審査が行われているMET阻害薬である。 現在、METex14変異を有する進行NSCLCを標的として承認された治療法はない。NSCLCは肺がん症例の約85%を占めている。METex14変異は、新たに進行NSCLCと確定診断された患者の3~4%に認められ、発がんドライバー遺伝子として認識されている。ノバルティスとFoundation Medicine社の取り組みの一環として、腫瘍組織とリキッドバイオプシーの両方を対象とするcapmatinibのコンパニオン診断の開発が進められている。これらはFoundationOne CDxとFoundation Medicine社のリキッドバイオプシープラットフォームの次のバージョンに組み込まれる予定であり、現在、FDAによる審査が行われている。  capmatinibの承認申請は、GEOMETRY mono-1の第II相試験から得られた結果に基づいて行われた。RECIST v1.1に準拠した盲検下独立判定委員会(BIRC)の評価に基づく全奏効率は、未治療の患者で67.9%(95%信頼区間[CI]:47.6~84.1)、治療歴のある患者で40.6%(95%CI:28.9~53.1)であった。また、奏効期間の中央値は未治療の患者で11.14ヵ月(95%CI:5.55~NE)、治療歴のある患者で9.72ヵ月(95%CI:5.55~12.98)であり、capmatinibがすべての患者において持続的な奏効を示した。すべてのコホート(n=334)において多くみられた治療関連有害事象(AE)は、末梢浮腫(42%)、悪心(33%)、クレアチニン増加(20%)、嘔吐(19%)、倦怠感(14%)、食欲減退(13%)、下痢(11%)であった。

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がん患者のCOVID-19~非がん患者と比べて/Lancet Oncol

 中国およびその他の地域では、SARS-CoV-2による重症急性呼吸器症候群が発生している。がん患者は化学療法や手術などの抗がん治療によって引き起こされる全身性の免疫抑制により、易感染状態であることが多い。そのため、SARS-CoV-2についても感染リスクが高く、さらに感染後も予後不良の可能性がある。 中国の国立呼吸器疾患臨床研究センターと国家衛生健康委員会が協力し、中国全土でCOVID-19症例を観察する前向きコホートを構築した。2020年1月31日のデータカットオフの時点で、31の地方行政区域から2,007例の症例を収集。記録不十分な417例を除外し、1,590例のCOVID-19症例を分析している。Lancet Oncology誌2020年3月1日号では、その中から、がん患者について分析している。・COVID-19患者1,590例のうち18例(1%、95%CI:0.61~1.65)にがんの既往があり、これは285.83/100,000人(0.29%、2015年がん疫学統計)という中国人全体のがんの発生率よりも高かった。・COVID-19を合併した18例のがん患者内訳をみると、最も頻度が高いのは肺がん(5例、28%)であった。・重症イベント(ICU入院、要侵襲的換気または死亡)は、がん患者では39%(18例中7例)に観察されたが、非がん患者では8%(1,572例中124例)で、がん患者で有意に重症イベントのリスクが高かった(p=0.0003)。・重症イベントはさらに、1ヵ月以内に化学療法または外科手術を受けた患者では75%(4例中3例)、受けていない患者では43%(14例中6例)と、化学療法または外科手術を受けた患者でリスクが高かった。・重症イベントまでの時間を評価すると、がん患者では中央値13日、非がん患者では43日で、がん患者のほうが急速に悪化することが明らかになった(年齢調整後HR:3.56、95%CI:1.65~7.69、p<0.0001)。

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EGFR変異陽性肺がんにはTKI単独療法だけでよいのか「NEJ009試験」【肺がんインタビュー】 第41回

第41回 EGFR変異陽性肺がんにはTKI単独療法だけでよいのか「NEJ009試験」EGFR変異陽性非小細胞肺がん1次治療における、ゲフィチニブ単剤とゲフィチニブ+プラチナ併用化学療法を比較した第III相試験「NEJ009試験」の結果がJournal of Clinical Oncology誌で発表された。試験統括医師である東北大学大学院の井上 彰氏に聞いた。EGFR-TKI単剤を上回る治療効果―試験実施の背景について教えていただけますか。われわれは約10年前に、ゲフィチニブ単剤とプラチナ併用化学療法を比較するNEJ002試験を実施しました。その結果、ゲフィチニブの有用性が示され、EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)には、ゲフィチニブなどのEGFR-TKI単剤が標準治療となりました。とはいえ、TKI単剤で病勢が抑えられるわけではなく、その後に化学療法を使うことになります。しかし、NEJ002試験の後解析で、ゲフィチニブ治療の後、3分の1くらいの患者さんが標準化学療法を受けられていないことが明らかになりました。その患者さんたちに、しっかりTKIとプラチナ併用化学療法を使うことができれば、さらに生存成績が改善できるのではないか。では、どうすればTKIとプラチナ併用化学療法をすべて受けられるか、それを検討するためにNEJ005試験を行いました。この試験では、ゲフィチニブとプラチナ併用化学療法を同時に用いる方法と、交互に用いる方法を比較しました。その結果、同時療法は交互療法より手間がかからずに実施でき、さらに安全性は交互療法と同程度、有効性の面では、むしろ同時療法のほうが良好である可能性が示されました。そこで、この同時療法と標準治療となったゲフィチニブ単剤とを比較することとなりました。それがこのNEJ009試験を実施した背景です。―NEJ009試験の概要と主な結果について教えていただけますか。NEJ009試験では、EGFR変異陽性NSCLC初回治療において、ゲフィチニブ+プラチナ併用化学療法という3剤併用群とゲフィチニブ単剤群を比較しました。エンドポイントは、まず無増悪生存期間(PFS)、そして最終的に全生存期間(OS)をみていくデザインで始めました。対象患者は46施設から345例が登録されています。結果、初回治療のPFSはゲフィチニブ単剤群で11.9ヵ月、ゲフィチニブ+化学療法併用群では20.9ヵ月(ハザード比[HR]:0.490、p<0.001)と、併用群で有意に延長しました。また、奏効率も84%対67%(p<0.001)と、併用群で10%ほど上乗せできています。また、Waterfallプロットで腫瘍縮小率を見ると、効果が深い(deep response)ことがわかります。このようにNEJ009レジメンの初回治療としての能力は、かなり高いことが示されました。また、それが50.9ヵ月対38.8ヵ月(HR:0.722、p=0.021)というOS中央値に反映されたと考えています。この50ヵ月を超える併用群のOSは、肺がんでは今まではあり得なかったような成績です。有害事象については、それぞれの薬剤で既知のものであり、肺がん治療に慣れている先生方であれば、十分対処できるものでした。EGFR変異陽性NSCLCの選択肢の幅を広げる―この試験結果が臨床に与えるインパクトはどのようなものでしょうか。今ではEGFR変異NSCLCの初回治療では多くの方がオシメルチニブを使うでしょう。しかし、どの患者さんでもそれでよいのか。たとえば、体力があって、効果の高い治療を受けたいと希望している患者さんにも、オシメルチニブ一辺倒でよいのかは疑問です。最近の研究成績を見ていると、EGFR-TKI単剤での初回治療の限界が見えてきたのかもしれないと思います。元気で、高い治療効果を望む患者さんには、TKIに化学療法を上乗せするという選択肢を、少なくとも提示しなければいけないと思います。―NEJ009試験はこれで最終報告となりますか。NEJ009と同様のレジメンは、インドの臨床試験でも有効性が示されています。このことからも、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療におけるEGFR-TKIと化学療法の併用の成績については、ある程度結論が付いたと思います。長期追跡データや付随データは出ると考えられますが、NEJ009本体の発表はこれで完了です。―読者の方々にメッセージをお願いします。肺がんでは今、多くの薬剤が開発され、一昔前に比べ、治療しがいのある状態になったと思います。その中で、EGFR変異陽性NSCLCの患者さんに対しては、従来のEGFR-TKI単独に加え、さらに高い効果が得られる可能性のある併用レジメンが、新たな選択肢として、エビデンスを持って現れました。この治療に耐えられる全身状態と本人の要望がある場合には、選択肢として積極的に勧めてよいと考えています。参考Hosomi Y, et al. J Clin Oncol. 2020 Jan 10;38:115-123.

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ニボルマブ・化学療法併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年2月27日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対するプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法による用法及び用量の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、化学療法未治療のStage4または再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した多施設国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験CheckMate-227のPart1およびPart2の結果に基づいている。

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オシメルチニブ耐性:メカニズムから頻度、期待される治療まで【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第11回

第11回 オシメルチニブ耐性:メカニズムから頻度、期待される治療まで1)Leonetti A, Sharma S, Minari R, et al. Resistance Mechanisms to Osimertinib in EGFR-mutated Non-Small Cell Lung Cancer. Br J Cancer. 2019;121:725-737.2)G.R.Oxnard, J.C.-H.Yang, H Yu, et al. TATTON: A multi-arm, phase Ib trial of osimertinib combined with selumetinib, savolitinib or durvalumab in EGFR-mutant lung cancer. Ann of Oncol. In press.FLAURA試験の結果、EGFR変異陽性例に対する初回治療はオシメルチニブというコンセンサスが得られたものの、日本ではサブセットに関する賛否両論もある。一方、今後の治療戦略を考えるうえで、オシメルチニブの多彩な耐性機序を整理しておくことは非常に重要であり、今回British Journal of Cancer誌によくまとまったレビューが掲載されているので紹介したい(論文1 Fig 1は必見)。本稿では耐性機序をOn-target / Off-target /組織型の転化に分け、頻度は初回治療・既治療(T790M陽性)に基づいて記載した。末尾にそれぞれに関する治療戦略も付記しているが、多くの治療が前臨床・治験レベルであることはご了解いただきたい。1. On-target(EGFR遺伝子)の獲得耐性頻度 初回治療 7%(FLAURA)   既治療 21%(AURA3)いずれにおいてもC797X変異が最多であり、それ以外にもL792X、G796X、L718Qなどが報告されている。L792Xは他のEGFR変異と併存することが多く、逆にL718QはC797Xとは独立して生じるようで、これらが今後の薬剤選択にどのように影響するのかは現時点で不明。FLAURAでは、T790Mの出現は認められていない。T790M陽性例では、治療期間が短い一因として、耐性時にT790M変異が消失している例が挙げられ、こうした症例ではKRAS変異(最近注目のG12Cではない)やMET遺伝子増幅など他の耐性機序を生じている症例が多かった。2. Off-target(EGFR遺伝子以外)の獲得耐性Off-targetによる耐性は、初回治療としてオシメルチニブを用いた場合に多くなる傾向があり、EGFR変異は保持されたままであることが多い。これは腫瘍のheterogeneityを反映しているのでは、と考察されている。機序は多種多様だが、報告されている中ではMET遺伝子増幅が最多。頻度 初回治療 15%(FLAURA)   既治療 19%(AURA3)またMET遺伝子の近傍に位置するCDK6やBRAFなどの遺伝子増幅を同時に認める症例があるとのこと(Le X, et al. Clin Cancer Res. 2018;24:6195-6203.PMID: 30228210)。近年いくつかの薬剤の有効性が示されているMET exon14 skippingも症例報告レベルではあるが報告されている(Schoenfeld AJ, et al. ASCO 2019. abst 9028.)。ほかにはHER2遺伝子増幅(FLAURA 2%、AURA3 5%)、NRAS変異、KRAS G12S変異、BRAF V600E変異(同3%、3%)、PIK3CA変異(4%、4%)、cyclin D1などcell cycle関連の変異(同12%、10%)、融合遺伝子変異(FGFR・RET/NTRK1・ROS1・BRAFなど3~10%、初回投与では少ない?)などがそれぞれ報告されている。3. 組織型の転化小細胞肺がんへの転化が4~15%でみられ、これらの症例では治療前からRB1やTP53の不活性化が確認されている。最近では扁平上皮がんへの転化も報告されている(治療ラインにかかわらず7%前後、Schoenfeld AJ, et al. ASCO 2019. abst 9028.)。4. 有効な治療方針は?耐性例ではとくに、空間的・時間的な不均一性が問題になることが指摘されている(現時点で何か解決策があるわけではないが)。つまり1ヵ所の再生検のみでは全体を十分に把握できていない可能性がある。一方で上記の頻度は解析材料(組織生検か、リキッドバイオプシーか)にも左右されうることには注意が必要。耐性時点でのT790M変異消失は予後不良とする報告がある(Oxnard GR, et al. JAMA Oncol. 2018;4:1527-1534.)。耐性機序が多彩であることを踏まえてNEJ009レジメンに倣った化学療法の併用について前臨床での報告がなされている(La Monica S, et al. J Exp Clin Cancer Res. 2019;38:222.)。C797S変異:前臨床の段階だが第4世代EGFR-TKI(EAI045)やアロステリック阻害薬(JBJ-04-125-02)の開発が進行中(To C, et al. Cancer Discov. 2019;9:926-943.)。MET遺伝子増幅/変異に対してはクリゾチニブをはじめとしたc-MET阻害薬の併用やcabozantinibの有効性が少数ながら報告されている(Kang J, et al. J Thorac Oncol. 2018;13: e49-e53.)。HER2遺伝子増幅例に対しては前臨床でオシメルチニブとT-DM1の併用が有望とされている(La Monica S, et al. J Exp Clin Cancer Res. 2017;36:174.)。その他BRAF阻害薬、AXL阻害薬、ベバシズマブ、Bcl-2阻害薬、mTORC阻害薬、CDK4/6阻害薬など多くの薬剤が検討中であるが、総じて臨床データは乏しい。最近ではTATTON試験においてc-MET阻害薬savolitinibやMEK阻害薬selumetinibとの併用が報告された。安全性は確認されたものの、対象が雑多なこともあり有効性について目立った成果は示せていない(Oxnard GR, et al. Ann Oncol. 2020 Jan 24. [Epub ahead of print])。特殊な治療として、本論文の末尾にはCRISPRを用いた‘molecular surgeon’についても紹介されていた(Tang H, et al. EMBO Mol Med. 2016;8:83-85.)。

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ペグフィルグラスチムの自動投与デバイス国内臨床試験開始/協和キリン

 協和キリンは、ペグフィルグラスチム(商品名:ジーラスタ)の自動投与デバイスに関する国内臨床試験を本年2月19日に開始した。 ペグフィルグラスチムは持続型G-CSF製剤。がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とし2014年より日本にて販売している製品で、がん化学療法を行った翌日以降に医療機関にて投与が行われる。 ペグフィルグラスチムが翌日に自動投与される仕組みを搭載した同デバイスをがん化学療法と同日に使用することにより、ペグフィルグラスチム投与のための通院が不要となり、患者の通院負担、さらには医療従事者の負担の軽減にもつながることを期待している。 同試験は、第I相多施設共同非対照非盲検試験で、対象はがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制。主要評価項目は安全性で、予定被験者数は30例である。第I相臨床試験の位置づけだが、本臨床試験のデータを使用し厚生労働省へ製造販売承認申請を行う予定だという。

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エヌトレクチニブ、ROS1肺がんに国内承認/中外

 中外製薬は、2020年2月21日、エヌトレクチニブ(商品名: ロズリートレク)に関し、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の適応拡大の承認を厚生労働省より取得したと発表。 エヌトレクチニブは、ROS1およびTRKファミリーを選択的に阻害するチロシンキナーゼ阻害薬で、「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」の効能効果にて2019年6月18日に承認を取得し、同年9月4日に発売している。 今回の承認は、主にオープンラベル多施設国際共同第II相臨床試験(STARTRK-2試験)の成績に基づいている。 なお、エヌトレクチニブの「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の適応判定は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルによって行う。FoundationOne CDxがんゲノムプロファイルのコンパニオン診断機能の追加については、2019年12月25日に厚生労働省より承認を取得している。

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医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法(2)【新型タバコの基礎知識】第16回

第16回 医師団体・政治家・行政担当者のための新型タバコに対処する方法(2)Key Pointsタバコ対策が不十分な日本では、電子タバコによるハーム・リダクションを検討する前に、紙巻タバコへの規制を強化すべき通常、商品から規制値を超えるホルムアルデヒドが検出されると、その商品は回収されることとなるが、タバコは回収されない特別扱い新型タバコも含めた「タバコの煙」全てを有害物質だと判定し、タバコ対策を進めていくことが必要今回は、まず(加熱式タバコではない)電子タバコに対する規制方策について紹介します。次に、現実社会におけるタバコや新型タバコの扱いについて検討し、新型タバコも含めたタバコの有害性についてどういう捉え方ができるのか、国際がん研究機関(IARC)の判断をみていき、新型タバコへの対処方法について考えてみたいと思います。※加熱式タバコと電子タバコの違いについては、第1回および第2回を参照ください(加熱式タバコを含まない)電子タバコに対する規制は今どうなっている?新型タバコといっても、加熱式タバコではない、電子タバコの規制については国際的に一致した見解が得られていないのが現状です。英国政府は電子タバコを医薬品として承認して、ハーム・リダクションの手段として積極的に活用する方針であるのに対して、米国では若年者における電子タバコの蔓延による悪影響が考慮され、規制が強化されてきています。こうした背景には、各国におけるタバコ対策の進捗状況の違いがあります。英国には、国際的にトップランナーとしてタバコ対策を進めてきた実績があります。タバコ1箱当たりのタバコ税が約900円と高く設定されており、飲食店やホテル等のサービス産業も含め、屋内を全面禁煙化することが罰則付きで法律により定められています。英国ではタバコ対策はかなり進められているが、それでもまだタバコを吸っている人に対してどうするか、という文脈で、電子タバコの禁煙効果に期待が集まっているわけです。しかし、電子タバコに禁煙させる効果があるとは証明されていません。また、電子タバコにも有害性がないわけではありません(第10回記事参照)。分かっていないことも多いのです。そのため、米国など多くの国で電子タバコへの規制強化が検討されています。タバコ対策が十分に進んでいない国であればあるほど、電子タバコがタバコ対策や社会に悪影響を与える可能性があると考えられます。英国と比べて、日本のタバコ対策はかなり不十分といえるでしょう。日本では、電子タバコによるハーム・リダクションを検討する前に、まず本丸である紙巻タバコへの規制を強化することが重要です。日本ではタバコは安すぎるし、屋内禁煙は徹底できておらず、脱タバコ・メディアキャンペーンはほぼ実施されていないのです。この現状では、ハーム・リダクションとして新型タバコを導入することよりも、これらのタバコ対策を進めることが優先されるものと考えられます。他の商品とタバコとで異なるアルデヒド検出への対応タバコからは5,000種類以上の化学物質、70種類以上の発がん性物質が放出されており、中でもタバコの煙から多量に検出されるホルムアルデヒドは、発がん性などのタバコの有害性を形づくる主要な有害物質の一つです。通常、商品から規制値を超えるホルムアルデヒドが検出されると、その商品は回収されることとなります(図)。規制値を下回るレベルであったとしても発生原因が調査され、健康被害に配慮した厳格な対応が取られ、回収されているのです。しかし、タバコの場合には、これとは全く異なった対応となっています。すべてのタバコ製品から規制値をはるかに上回るレベルのホルムアルデヒドが検出されており、日本だけでも年間10万人以上がタバコが原因で死亡しており、非常に多くの重篤な健康被害が発生していると分かっているものの、タバコは回収とはならないのです。画像を拡大するそれはなぜか。タバコだから、です。たばこ事業法などの法律の下、タバコは通常の商品ではなく、タバコとして扱われます。本来であれば(在るべき姿としては)、タバコは有害性が実証された段階で禁止されていてしかるべきものです。しかし、タバコの有害性が実証された1950~60年代には、タバコ利権が巨大過ぎて、タバコを禁止できませんでした。その後、世界のタバコ使用を減らすことができていればタバコ利権が弱まり、タバコを禁止する方向へと話を進められたかもしれません。しかし、現実には世界のタバコ消費量は近年拡大しており、タバコ産業の利権は1950~60年代当時よりもはるかに巨大なものとなっているのです。「タバコの煙」自体が有害物質と認定されているこのように歪められたタバコへの対応を改善してタバコのない社会を目指すために、次に示す考え方は参考にできるのではないでしょうか。国際がん研究機関(IARC)は、科学的根拠に基づき、「タバコの煙」自体を有害物質(発がん性物質)だと判定しています。この判定の根拠となったデータは、現実社会における人々の記録です。人々が「タバコの煙」を吸ったかどうか記録され、その人が追跡され、がんにかかったかどうかが調べられてきたのです。そのようなデータを沢山集め、科学的根拠に基づいて「タバコの煙には発がん性がある」と判定したのです。実は、これまでの50年以上にわたるタバコのリスク研究全部をもってしても、紙巻タバコの有害性の全容は分かっていません。途中のメカニズムには不明な点もありますが、タバコの煙を吸うと、肺がん、心筋梗塞や脳卒中などの病気になってしまうと分かっているのです。ここで重要な予防の観点は、途中のメカニズムがどうであろうと、とにかくタバコの煙を吸うのを防ぐことができれば、病気を防げるということです。人々をがんなどの病気から守るためにも、われわれは人々を「タバコの煙」からできるだけ遠ざけなければなりません。具体的には、禁煙支援を実施したり、受動喫煙を防止するために屋内を禁煙にしたり、学生にタバコの害を教えたり、社会的にタバコは許容できるものではないとの規範を広めたり、タバコを規制する法律を作ったりしていかなければならないのです。「タバコの煙」自体を有害物質だと判定し、タバコの害についての認識を共有したことが、世界的なタバコ対策の発展へとつながっているのです。新型タバコにはまだ長期間の記録がありません。新型タバコの研究は難しく、新型タバコによって病気になるリスクはしばらく解明されないかもしれません。しかし、第5回でみたように、新型タバコからは明らかに有害物質が出ています。新型タバコからも「タバコの煙(もしくはエアロゾル)」が出ているのです。その「タバコの煙(エアロゾル)」自体を、由来がどのタバコだろうとも、規制の対象であるとすべきだと考えられます。新型タバコに対してどのように規制していけばいいのか、これから最良の対応方法を模索していかなければならないと思います。第17回は、「禁煙をし続けるために本当に必要なこと(1)」です。

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低線量CT検査により肺がん死亡率は低下する(解説:西村光世氏)-1190

本試験は、低線量CTによるスクリーニング検査によって、高リスク群の肺がんの死亡率の影響をみる大規模無作為化比較試験の結果である。2000年より2015年12月31日まで最低10年以上の経過をみた。年齢中央値は58歳で(50~74歳)、男性1万3,195例、女性2,594例が登録され、1年、3年、5.5年にCTを受けるスクリーニング群とコントロール群に無作為に分けられた。結果として、肺がん発症率はスクリーニング群で5.58件/1,000人年、コントロール群では4.91件/1,000人年で、スクリーニング群ではIAおよびIBの患者は58.6%であったが、コントロール群ではそれぞれ14.2%と13.5%であり、III/IV期が70%であった。死亡率はそれぞれ2.50件/1,000人年、3.30件/1,000人年であった。10年時点で男性では累積生存率比は0.76で女性は0.67であった。以上より、著者らはCTスクリーニングを推奨している。本試験に先立ち2011年に、米国よりNLSTの約5万3,000例のハイリスク患者においてCT検診で20%の死亡率が減少するとの有用性の結果が報告されていたが、それ以外の大規模試験での肺がん全死亡率の低下を示す有用性の報告はなかった。この試験の結果は、CT検診を進める根拠となりうる重要な論文と考えられる。ただし著者らもコメントしているが、女性については人数が少なかったので今後の検討が必要である。本邦において検診のシステムは比較的充実しているが高齢者では受診率が低く、低線量CT検診を導入するに当たり、被ばく、費用および要精密検査率の増加等の不利益もあるので、CT検診の適応症例には十分な検討が必要である。

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肺がんEGFR変異の検出、凍結生検でより高く/Lung Cancer

 生検技術が、EGFR変異陽性の検出に影響するという検討結果が示された。ドイツ・エバーハルト・カール大学のMaik Haentschel氏らは、単一施設でのレトロスペクティブ研究を行い、気管支鏡下凍結生検によって得られた組織におけるEGFR変異の検出率を、ほかの標準的な組織標本採取法技と比較した。その結果、気管支鏡下凍結生検は、ほかの組織採取法と比較し、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるEGFR変異の検出率が高いことが示されたという。EGFR変異陽性の検出は、NSCLCの個別化治療にとってきわめて重要となっているが、これまで生検の手技が、EGFR変異の検出率にどのように影響を及ぼすかは不明であった。著者は、「今回の結果は、進行NSCLC患者の個別治療を最適化するのに役立つと思われる。ただし後ろ向きの解析であるため、最終的な評価には前向き研究が必要である」とまとめている。Lung Cancer誌オンライン版2020年1月号掲載の報告。 研究グループは、2008年3月~2014年7月に組織学的にNSCLCと診断されEGFR変異の有無が既知の414例について後ろ向きに解析した。 気管支鏡下凍結生検により得られた腫瘍組織標本群(125例)と、ほかの手法で得られた腫瘍組織標本群(298例)のEGFR変異検出率を比較した。主な結果は以下のとおり。・気管支鏡下凍結生検組織では、125例中27例(21.6%)で29のEGFR変異が検出された。・一方、非凍結生検法(気管支鏡鉗子生検、穿刺吸引、画像ガイド下経胸壁および外科的手技)で得られた生検組織では、298例中40例(13.8%)で42のEGFR変異が検出された。検出率は、凍結生検組織が非凍結生検組織よりも有意に高率であった(p<0.05)。・凍結生検は、鉗子生検と比較して中枢型腫瘍におけるEGFR変異の検出率が高く(19.6% vs.6.5%、p<0.05)、末梢型腫瘍についてもわずかだが高い傾向が認められた(33.3% vs.26.9%)。

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SCRUM-Japan第三期プロジェクト、FoundationOne Liquidの利用契約/中外・FMI

 ファウンデーションメディシン社(FMI)および中外製薬は、国立がん研究センターと、国内最大規模の産学連携全国がんゲノムスクリーニングプロジェクト「SCRUM-Japan」の第三期プロジェクトにおいて、リキッドバイオプシー検査FoundationOne Liquidの利用に関する契約を締結したと発表。国内およびアジアを対象とした幅広い地域で、医療機関と連携しゲノムスクリーニングを行うことで、革新的なバイオマーカーを用いたがん治療における個別化医療の高度化の促進を目指す。 SCRUM-Japan第一期および第二期プロジェクトでは、1万人以上の患者の臨床・ゲノムデータが登録され、本データを用いた臨床試験をもとに、5つの新薬および6種類の体外診断薬の薬事承認を取得するなどの成果が得られている。SCRUM-Japan第三期プロジェクトでは、(1)アジアの医療機関が一体となり、希少頻度の遺伝子変異を持つ肺がん患者をスクリーニングして、新薬開発につなげることを目的とした「LC-SCRUM-Asia」、(2)研究対象を、広範な固形がん患者さんへと拡大した「MONSTAR-SCREEN」の2つのプロジェクトが進行しており、FMIと中外製薬は、これら2つのプロジェクトに参加する国内の医療機関へFoundationOne Liquidを提供するとしている。

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