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MET阻害薬capmatinibのMETΔex14変異NSCLCに対する効果(GEOMETRY mono1)/ASCO2019

 METエクソン14スキッピング変異(METΔex14)は非小細胞肺がん(NSCLC)の3~4%にみられ、予後不良かつ標準治療に奏効しにくいとされる。capmatinibは最も強力なMET阻害薬である。第II相多施設マルチコホートGEOMETRY mono1試験の中間解析では、治療ラインにかかわらずMETΔex14変異を有する進行NSCLC患者に深い奏効を示した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表された。・対象:StageIIIB/IVのMETΔex14(MET遺伝子増幅/遺伝子コピー数にかかわらない)NSCLC患者。[コホート4]1~2ラインの治療歴を有する患者(n=69)[コホート5b]治療歴のない患者(n=28)・介入:capmatinib(400mg×2/日)・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立判定委員会(BIRC)評価による全奏効率(ORR)[副次評価項目]BIRCによる奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性 主な結果は以下のとおり。・BIRCによるORRは、コホート4では40.6%(28.9~53.1)、コホート5bでは67.9%(47.6~84.1)であった。・BIRCによるDORは、コホート4では9.72ヵ月(5.55~12.98)、コホート5bでは11.14ヵ月(5.55~NE)であった。・多くの患者(コホート4では82.1%、コホート5bでは68.4%)が投与7週間以内に効果を示した。・脳転移を有した患者13例のうち7例(54%)で奏効を示した。・capmatinibによる全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)発現率は84.4%、Grade3~4の発現率は35.4%であり、頻度の高いものは末梢浮腫、悪心、クレアチニン上昇などであった。・TRAEによる投与量調整は21.9%に、治療中止は11.1%にみられた。

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ペメトレキセド+シスプラチンのNSCLC術後アジュバントにおける可能性(JIPANG)/ASCO2019

 非小細胞肺がん(NCSLC)の術後アジュバントのプラチナベース化学療法においては、どの組み合わせが最も効果的かは明らかではない。静岡県立静岡がんセンターの釼持 広知氏らは、完全切除非扁平上皮NSCLCの術後補助療法において、ペメトレキセド+シスプラチン(CDDP)とビノレルビン(VNR)+CDDPを比較する無作為化第III相JIPANG Studyを実施。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)のOral Sessionにおいて、その結果を発表した。・対象:StageII~IIIAの完全切除非扁平上皮NSCLC患者・試験薬:ペメトレキセド+CDDP 3週ごと4サイクルまで・対照群:VNR+CDDP 3週ごと4サイクルまで・評価項目:[主要評価項目]無再発生存期間(RFS)、目標HRは0.775[副次評価項目]全生存期間(OS)、治療完遂率、毒性ペメトレキセド+CDDPによる非扁平上皮NSCLCの術後補助療法について検討した主な結果は以下のとおり。・2012年3月~2016年8月に812例が登録され、804例がVNR+CDDP群(402例)とペメトレキセド+CDDP群(402例)に無作為に割り付けられた。・RFS中央値はVNR+CDDPが37.3ヵ月、ペメトレキセド+CDDP群が38.9ヵ月。36ヵ月RFSはVNR群50.2%に対しペメトレキセド+CDDP群51.1%で、生存曲線はほぼ同様であった(HR:0.98、95%CI:0.81~1.20、片側p=0.474)。HRは目標に届かず、ペメトレキセド+CDDP群は主要評価項目を達成しなかった。・EGFR遺伝子変異有無別のRFSをみると、EGFR野生型ではVNR+CDDP群39.9ヵ月に対しペメトレキセド+CDDP群65.2ヵ月と、統計学的に有意ではないがペメトレキセド+CDDP群で良好な傾向であった(HR:087)、一方、EGFR変異型ではVNR+CDDP群30.4ヵ月に対しペメトレキセド+CDDP群24.1ヵ月と、統計学的に有意ではないがVNR+CDDP群が良好な傾向であった(HR:1.38)。・OSは未達であるが、24ヵ月OSはVNR+CDDP群91.8%、ペメトレキセド+CDDP群92.5%、36ヵ月OSはVNR+CDDP群83.5%、ペメトレキセド+CDDP群87.2%であった。・治療完遂率(4サイクル)はVNR+CDDP群72.7%、ペメトレキセド+CDDP群87.9%と、ペメトレキセド+CDDP群で有意に良好であった(p<0.001)。・Grade3以上の血液学的毒性発現はVNR+CDDP群89.4%に対し、ペメトレキセド+CDDP群47.4%と、ペメトレキセド+CDDP群で少なかった。 結語として、ペメトレキセド+CDDP群の優越性は証明されなかったが、その効果はVNR+CDDPと同程度であり、安全性プロファイルも良好なことから、今後ペメトレキセド+CDDPが非扁平上皮NSCLCの術後補助療法の選択肢になり得ることを示唆するとしている。発表者静岡県立静岡がんセンター釼持氏との1問1答この試験を行った背景は? ペメトレキセド+CDDPは進行肺がんでは実績のあるレジメンですが、ペメトレキセドは日本においては術後補助療法としての適応はありません。一方、CDDP+VNRは術後補助療法のスタンダードですが、副作用への配慮が必要です。経験も多く、医師として使いやすいペメトレキセド+CDDPを術後補助療法の選択肢に加えられないかと考えました。非扁平上皮NSCLCのアジュバントでペメトレキセド+CDDPを使うメリットは? 血液毒性が軽いということだと思います。結果はネガティブでしたが、今後は適応拡大の可能性について検討していこうと考えています。EGFR変異の有無で両レジメンの効果の違いが出ていますが、どのようにお考えですか? まだ違いがあるとも言えない状態です。なぜ違いが出たのかバックグラウンドが明らかではありません。現在バイオマーカー研究が進行中であり、その結果が待たれます。※ペメトレキセドは当該術後補助療法として効能・効果の適応がなく、保険診療として適用されないのでご注意ください。

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日本人肺がんのオシメルチニブ1次治療耐性を探る/ASCO2019

 オシメルチニブはEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において重要な選択肢である。しかし、同薬の耐性機構に対する報告は少ない。近畿中央呼吸器センターの田宮 朗裕氏らは、日本人NSCLC患者におけるオシメルチニブ1次治療の耐性機構を明らかにするため前向き観察研究を開始する。試験の概要を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表した。 対象は1次治療としてオシメルチニブ投与を予定している非扁平上皮NSCLC患者で、予定症例数は180例。被験者からはオシメルチニブ投与前に血液、組織サンプルを採取する。血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた超高感度次世代シークエンス(NGS)を、治療前、治療3ヵ月後、12ヵ月後、PD後に実施してオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異を分析する。主要評価項目・オシメルチニブ治療前とPD時のオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異の発現および発現率(ctDNAを用いた超高感度NGSによる)副次評価項目・組織DNAを用いたNGSによるオシメルチニブ耐性遺伝子の発現および発現率(組織サンプルがある場合)・超高感度NGSによるctDNA中のオシメルチニブ耐性関連遺伝子の量を検知する方法の分析・超高感度NGSによる、オシメルチニブ投与3ヵ月後と12ヵ月後の耐性関連遺伝子の発現および発現率・ctDNAを用いた超高感度NGSおよび組織DNAを用いたNGSの感度と特異度・オシメルチニブ治療後3ヵ月、12ヵ月における耐性関連遺伝子の背景、疾患増悪に影響する因子の分析筆頭著者 近畿中央呼吸器センター 田宮 朗裕氏へのインタビューこの試験の背景と概要について教えていただけますか。 オシメルチニブはEGFR変異陽性NSCLCの1次治療のスタンダードですが、その耐性についての知見は少なく、昨年のESMO2018でのFLAURA試験の結果くらいしか報告がないと思います。われわれは、日本国立病院機構の前向き観察研究としてこの研究を開始しました。前向き研究として結果がでるようにサンプルサイズを180例に設定し、本年(2019年)5月から登録を開始しています。 遺伝子解析はEGFR、ALK、BRAFといったメジャーな変異に加え、180のマイナー変異についても行います。また、組織DNAを採取しているケースではctDNAとのconcordanceも検証します。さらに、可能であれば治療後3ヵ月、12ヵ月、PD後のデータから、早期に起こる耐性と後から起こる耐性の違いも調べてみたいと思っています。

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がん患者の偶発的肺塞栓症の再発リスクは?

 画像診断技術の進展により、がん患者に偶発的な所見が見つかる割合は高まっており、その治療に関する検討が各種報告されている。オランダ・アムステルダム大学のNoemie Kraaijpoel氏らは、国際共同前向き観察コホート研究において、偶発的な肺塞栓症を有するがん患者で、抗凝固療法を行った場合の再発リスクについて評価した。その結果、治療を行っても静脈血栓塞栓症の再発リスクが懸念されることが示されたという。リスクは、亜区域枝の肺塞栓症患者と、より中枢部の血栓を有する患者で同等であった。がん患者における偶発的な肺塞栓症は、ルーチンの画像検査で最高5%に発見されるという。しかし、とくに遠位血栓に関して、臨床的な関連や最適な治療法は明らかになっていなかった。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年5月22日号掲載の報告。 研究グループは、がん患者で偶然発見された肺塞栓症について、現在の治療戦略と長期予後を評価する目的で、2012年10月22日~2017年12月31日に国際共同前向き観察コホート研究を行った。対象は、任意抽出された、偶発的な肺塞栓症の診断を受けた活動性のがんを有する成人患者であった。 評価項目は、追跡期間12ヵ月における静脈血栓塞栓症の再発、臨床的に著明な出血および全死因死亡で、中央判定で評価した。 主な結果は以下のとおり。・合計695例の患者が解析に組み込まれた。平均年齢66歳、58%が男性で、大腸がん(21%)が最も多く、次いで肺がん(15%)であった。・抗凝固療法は675例(97%)で開始され、うち600例(89%)は低分子ヘパリンが用いられた。・再発性静脈血栓塞栓症41例(12ヵ月累積発生率:6.0%、95%CI:4.4~8.1)、大出血39例(同:5.7%、4.1~7.7)、死亡283例(同:43%、39~46)の発生が認められた。・再発性静脈血栓塞栓症の12ヵ月発生率は、肺塞栓が中枢部の患者で6.0%に対し、亜区域枝の患者では6.4%で、有意差は認められなかった(部分分布のハザード比:1.1、95%CI:0.37~2.9、p=0.93)。

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ペムブロリズマブのNSCLC5年生存、未治療患者で23%(KEYNOTE-001)/ASCO2019

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)において、カリフォルニア大学のEdward B. Gron氏が、ペムブロリズマブ単剤治療のマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-001における進行非小細胞肺がん(NSCLC)の5年長期追跡結果を発表した。NSCLCでは未治療および既治療の550例(未治療101例、既治療449例)が対象となっている。 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ時100例が生存していた。・60例(未治療患者14例、既治療患者46例)が2年以上ペムブロリズマブの治療を受けていた。・全奏効率は未治療患者41.6%、既治療患者22.9%であった。・奏効持続期間は未治療患者16.8ヵ月、既治療患者38.9ヵ月であった。・5年全生存率(OS)は未治療患者23.2%、既治療患者15.5%であった。・TPS50%以上の5年OSは未治療患者29.6%、既治療患者25.0%であった。・TPS1~49%の5年OSは未治療患者15.7%、既治療患者12.6%であった。・治療関連有害事象(TRAE)発現率は71%、Grade3~5のTRAEは13%、免疫関連有害事象の発現率は17%であった。新たな安全性プロファイルはみられなかった。■参考KEYNOTE-001(Clinical Trials.gov)

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エルロチニブ+ラムシルマブ、EGFR陽性NSCLCの新オプションに?(RELAY)/ASCO2019

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、EGFR-TKIエルロチニブと抗VEGF-R2抗体ラムシルマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を大きく延長した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、第III相RELAY試験の中間解析結果を、近畿大学の中川 和彦氏が発表した。 エルロチニブを含む第1~第2世代TKIによる治療後、30~60%でT790M変異が発現する。第3世代TKIのオシメルチニブはT790M変異に対して有効だが、1次治療でオシメルチニブを投与した場合、その後の治療選択肢は限られる。 RELAY試験は、活性型EGFR変異(Exon19delまたはExon21 L858R)を有し、CNS転移のない、未治療の進行NSCLC患者を対象とした第III相国際共同二重盲検無作為化試験。登録患者はラムシルマブ(10mg/kg、2週ごと投与)+エルロチニブ(150mg/日)群と、プラセボ+エルロチニブ(150mg/日)群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。また、患者は性別、地域(東アジア vs.その他)、EGFR変異ステータス(Ex19del vs.L858R)、EGFR変異検査法(Therascreen/Cobas vs.その他)で層別化された。 主要評価項目は治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効持続期間(DoR)、PFS2(無作為化から2度目の病勢進行あるいは全死因死亡のいずれかの発生までの期間)、全生存期間(OS)、血漿T790M変異、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・13ヵ国100施設から449例が登録され、ラムシルマブ併用群に224例、プラセボ群に225例が割り付けられた。女性は両群で63%、アジア人は両群で77%、年齢中央値は65歳/64歳、Ex19delは55%/54%であった。・データベースロックは2019年2月14日、追跡期間中央値は20.7ヵ月。・主要評価項目であるPFS中央値は、併用群が19.4ヵ月、プラセボ群で12.4ヵ月と、併用群で有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.591、95%信頼区間[CI]:0.461~0.760、p<0.0001)。・EGFR変異のステータス別でも、併用群でPFS中央値を有意に延長していた:Ex19delを有する患者で19.6ヵ月 vs. 12.5ヵ月(HR:0.651、95%CI:0.469~0.903)、L858Rを有する患者で19.4ヵ月 vs. 11.2ヵ月(HR:0.618、95%CI:0.437~0.874)。・ORRは76.3% vs.74.7%と差がみられなかったが、DoR中央値は18.0ヵ月 vs.11.1ヵ月と、併用群で有意に延長した(HR:0.619、95%CI:0.477~0.805、p=0.0003)。・PFS2中央値は両群ともに未到達、併用群で有意に延長した(HR:0.690、95%CI:0.490~0.972、p=0.0325)。・中間解析時点でのOS中央値は両群ともに未到達、HR:0.832、95%CI:0.532~1.303、p=0.4209となっている。・ベースライン時にT790M変異陽性の患者はいなかったが、病勢進行30日後の測定では、併用群43%、プラセボ群47%で発現しており、両群に差はみられなかった(p=0.849)。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は併用群で72%、プラセボ群で54%の患者に発現した。しかし、TRAEによる治療中止は併用群が13%、プラセボ群が11%と同等であった。・併用群では高血圧(45% vs.12%)が多く発現したが、Grade4の症例はなかった。また、ALT(43% vs.31%)、AST(42% vs.26%)、出血性イベント(55% vs.26%)も併用群で多い傾向がみられたが、多くがGrade1~2であった。

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5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」【下平博士のDIノート】第26回

5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」今回は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)「ダコミチニブ水和物(商品名:ビジンプロ錠15mg/45mg)」を紹介します。本剤は、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(HER)2および4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。<効能・効果>本剤は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月1日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはダコミチニブとして1日1回45mgを経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量し、副作用が現れた場合には、添付文書に記載されている基準を考慮して休薬、減量または中止します。本剤とCYP2D6基質の薬剤(デキストロメトルファンなど)を併用すると併用薬の血中濃度が上昇する恐れがあり、また、PPIなどの胃内pHを上昇させる薬剤を併用すると本剤の血中濃度が低下して有効性が減弱する可能性があるため、それぞれ併用注意となっています。<副作用>化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC患者を対象とした非盲検無作為化国際共同第III相試験において、本剤が投与された227例(日本人患者40例を含む)中220例(96.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、下痢193例(85.0%)、爪囲炎140例(61.7%)、口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍など)135例(59.5%)、ざ瘡様皮膚炎111例(48.9%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹など82例(36.1%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として間質性肺疾患(2.2%)、重度の下痢(8.4%)、重度の皮膚障害(31.7%)、肝機能障害(28.6%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、EGFRというタンパク質などの働きを抑えることで、がん細胞の増殖を抑えます。2.空咳、発熱など風邪のような症状が現れ、息切れや息苦しさを感じた場合には使用を中止し、すぐに受診してください。3.飲み始めに下痢が生じることが多いので、下痢止め薬が処方されている場合は持ち歩くようにしてください。脱水予防のため、水、白湯、お茶、スポーツドリンクなどでこまめに水分を補給しましょう。4.バランスのよい食事を心掛け、調理をする際は消化をよくするように工夫してください。乳製品、繊維質や脂質が多い食品、香辛料やコーヒー、アルコールなどの刺激物はなるべく控えましょう。5.薬を飲み続けていると、爪周囲や口腔内の赤み、腫れ、痛みなどが生じることがあります。患部は清潔に保ち、日常生活に支障がある場合はご相談ください。6.吹き出物や発疹などの皮膚症状が生じることがあります。症状の予防や軽減のため、低刺激の保湿剤によるスキンケアをこまめに行い、外出時は紫外線対策をしましょう。<Shimo's eyes>NSCLCは肺がん症例の約85%とされており、日本人のNSCLC患者の30~40%にEGFR遺伝子変異があるといわれています。本剤は、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)、エルロチニブ(同:タルセバ)、アファチニブ(同:ジオトリフ)、オシメルチニブ(同:タグリッソ)に続く、国内で5剤目のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)です。優先審査品目に指定され、申請から7ヵ月での承認となりました。本剤は、EGFRやHER2、HER4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することにより、EGFR遺伝子変異陽性のがん細胞の増殖を抑制すると考えられています。本剤で治療を行うためには、既存のEGFR-TKIと同様にEGFR遺伝子変異検査を実施する必要があります。臨床試験では副作用が高頻度で認められたため、患者さんには事前に発現率が高い副作用の好発時期を知らせておくことが重要です。個人差はありますが、投与を開始してから副作用が発現するまでの時期として、下痢は2ヵ月程度(中央値6日)、ざ瘡などの皮膚障害は4ヵ月程度(中央値9日)、口内炎や爪囲炎は6ヵ月間程度(それぞれの中央値9日、29日)が目安となります。投与初期から発現する可能性が高いので、それぞれの副作用への対策法も伝えるように心掛けましょう。NSCLCは分子標的薬の登場により着実に予後が改善しています。治療選択肢となる分子標的薬も増えたため、それぞれの薬剤の副作用プロファイルや用法を確認し、患者さんが安心して治療に専念できるように積極的にフォローしましょう。

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新型タバコ時代!電子タバコと加熱式タバコは何が違う?(1)【新型タバコの基礎知識】第1回

第1回 新型タバコ時代!電子タバコと加熱式タバコは何が違う?(1)Key Points新型タバコとは、加熱式タバコと電子タバコのことを指す。加熱式タバコと電子タバコは別物だが、患者さんや一般の人は、加熱式タバコも電子タバコだと思っていることが多い。世界的には電子タバコはe-cigaretteであり、タバコではないものとして扱われる。英語論文を読む場合には要注意。タバコを吸うことは、肺がん、胃がん、大腸がんなどの多くのがん、心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患、COPDや糖尿病に加え、関節リウマチ、不妊や勃起不全など非常に多くの病態と関連することがわかっています。そしてタバコといえば、これまでずっとライターやマッチで火をつけて使う、紙巻タバコでした。本連載では、加熱式タバコと電子タバコを合わせて、新型タバコと呼びます。加熱式タバコは、海外ではheated tobacco productsと呼ばれ、日本語では加熱式タバコとなります。加熱式タバコという呼び名よりも、商品名であるアイコスやプルーム・テック、グローと言ったほうが伝わりやすいかもしれません。2014年にタバコ会社フィリップモリス・インターナショナルは世界に先駆けて、日本でアイコスの販売を開始しました。日本たばこ産業(JT)およびブリティッシュ・アメリカン・タバコは2016年からプルーム・テックおよびグローをそれぞれ販売開始しました。電子タバコは英語ではelectronic cigarettes(e-cigarettes)またはvapor(ベイパー)と呼ばれます。日本では、e-cigarettesに対する訳語として電子タバコという“タバコ”という表現を含む言葉が一般に使用されており、文字通り「電子タバコ」はタバコの一種だと考えている日本人が多いようです。私も日本の多くの人々と同様に、電子タバコはタバコの一種として扱えばよいのではないかと考えていますが、世界的にはその解釈は簡単には受け入れられないものと言えるでしょう(図)。画像を拡大する電子タバコの英語の名称(e-cigarettes)には、タバコ(tobacco)という文字は含まれていません。世界的には、英国などでは紙巻タバコに替えて電子タバコを使用することをハームリダクション*になるとして推奨している現状があるのです。いわゆるタバコは悪いものであるが、電子タバコ(e-cigarettes)は悪いものではなく、電子タバコ(e-cigarettes)はいわゆるタバコ製品ではない、とタバコ研究業界の権威者が主張しているのです。そのため、たとえば論文で電子タバコ(e-cigarettes)をタバコ製品として記述すると、「電子タバコはタバコではない」という指摘を受けることとなります。本連載では、加熱式タバコと電子タバコを合わせて新型タバコと呼びますが、世界的な英語論文ではこのようには定義されていません。新型タバコに関する英語論文や海外からの情報を読む場合には、ご注意ください。第2回では、「加熱式タバコと電子タバコの構造」についてお伝えします。*ハームリダクション:大きな害のある行動をそれよりも小さな害の行動に置き換えることで、害を完全にはなくせないが、少なくさせるという考え方。タバコ問題の場合、どうしてもタバコを止められない人に対して、代わりにニコチン入り電子タバコを吸ってもらえば、有害物質への曝露を減らせるのではないかという戦略。電子タバコがハームリダクションになるのかどうか、世界的に、専門家の間でも意見が割れている。

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パクリタキセル、薬物動態ガイド下投与で有害事象減少

 がん化学療法の有害事象の抑制に朗報となる知見が寄せられた。中国・同済大学上海肺科病院のJie Zhang氏らは、進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するカルボプラチン・パクリタキセル併用療法時のパクリタキセルの投与量について、体表面積に基づいた量と個別の薬物動態ガイド下での量を比較する、前向き無作為化臨床試験を行った。その結果、薬物動態ガイド下でのパクリタキセル投与は治療効果に悪影響を及ぼすことなくGrade4の血液毒性およびGrade2の神経障害を有意に低下させることが認められたという。British Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2019年5月11日号掲載の報告。 研究グループは、1次化学療法を受けるStage IIIB/IVのNSCLC患者319例を登録し、3週ごとのカルボプラチン・パクリタキセル併用療法を実施。1サイクル目をパクリタキセル175mg/m2で実施後、体表面積に基づいた量を投与する群(BSA群)と、血漿中パクリタキセル濃度が0.05μmol/Lを超える時間(PTXTc>0.05)が26~31時間になるよう薬物動態ガイド下で投与する群(PK群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、Grade4の血液毒性、副次評価項目は神経障害、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)である。 主な結果は以下のとおり。・2サイクル以上の化学療法を完了した患者は275例(86%)であった(BSA群140例、PK群135例)。・1サイクル目におけるパクリタキセルの曝露(PTXTc>0.05)は平均37時間(範囲18~57時間)であった。・2~4サイクルの間、PK群はBSA群と比較しパクリタキセルの平均投与量(128 mg/m2 vs.161mg/m2、p<0.0001)および平均曝露(29時間 vs.35時間、p<0.0001)が有意に低かった。・PK群はBSA群と比較し、Grade4の血液毒性(15% vs.24%、p=0.004)、Grade4の好中球減少症(15% vs.23%、p=0.009)、およびGrade2の神経障害(8% vs.21%、p=0.005)の発現率が有意に低かった。・PK群とBSA群で、ORR(32% vs.26%、p=0.28)およびOS(21.0ヵ月vs.24.0ヵ月、p=0.815)は同程度であった。・PFSはPK群でわずかに改善した(4.67ヵ月vs.4.17ヵ月、p=0.026)。

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リキッドバイオプシーの次なる展開は?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第7回

第7回 リキッドバイオプシーの次なる展開は?1)Rothwell DG, et al. Utility of ctDNA to support patient selection for early phase clinical trials: the TARGET study. Nat Med. 2019;25:738-743.その他、参考文献としてLeighl NB, et al. Clinical Utility of Comprehensive Cell-free DNA Analysis to Identify Genomic Biomarkers in Patients with Newly Diagnosed Metastatic Non-small Cell Lung Cancer. Clin Cancer Res. 2019 Apr 15. [Epub ahead of print]Akamatsu H, et al. Clinical significance of monitoring EGFR mutation in plasma using multiplexed digital PCR in EGFR mutated patients treated with afatinib (West Japan Oncology Group 8114LTR study). Lung Cancer. 2019;131:128-133.Lin CC, et al. Outcomes in patients with non-small-cell lung cancer and acquired Thr790Met mutation treated with osimertinib: a genomic study. Lancet Respir Med. 2018;6:107-116.Blakely CM, et al. Evolution and clinical impact of co-occurring genetic alterations in advanced-stage EGFR-mutant lung cancers. Nat Genet. 2017;49:1693-1704.Chae YK, et al. Detection of Minimal Residual Disease Using ctDNA in Lung Cancer: Current Evidence and Future Directions. J Thorac Oncol. 2019;14:16-24.Bettegowda C, et al. Detection of circulating tumor DNA in early- and late-stage human malignancies. Sci Transl Med. 2014;19;6:224ra24.肺がん領域ではEGFR-TKI耐性例におけるT790M変異検出目的で広く浸透したリキッドバイオプシー。最近では毎月のように論文発表がなされているが、今後どのような方向性が検討されているのか。最近の研究を基に解説する。1)について英国での前向き研究。2つのパートからなり、今回はリキッドバイオプシーの忍容性を組織診断と比較したパートA部分(100例)が報告された。他の検討項目として、cell-free DNA(以下、cfDNA)解析結果の信頼性、結果報告までの日数、臨床応用の可能性、費用が挙げられている。対象は進行期悪性腫瘍で、患者数の多い順に大腸がん、乳がん、非小細胞肺がん、原発不明がんとなっている(これらの合計が67例)。過去の化学療法歴の中央値は2であった。がん関連遺伝子641個を収載したパネルを用い、cfDNA検体の解析成功率は99%、組織検体の成功率は95%であった(late lineの患者が多く含まれていることもあり、組織検体の採取時期がやや古い:2/3の患者で1年以上前、36%の患者で3年以上前)。結果報告までの日数中央値は、cfDNAで33日(範囲20~80日)、組織検体で30日と、かなり遅い印象である。組織検体と血液検体の一致率(変異陰性例も含む)は74.5%。約2割では組織で検出された変異が血液では確認できなかった。何らかの変異が確認されたのは41例。乳がん、原発不明がん、小細胞肺がんでは80%以上の症例で変異陽性とされたが、まったく変異が陰性のがん腫もあり、がん種による陽性率の差が示唆されている。変異陽性例では対応する阻害剤の第I相試験に参加可能であったが、確認された41例のうち参加者は11例にとどまった(17例では施設で該当治験がなかったことが不参加の理由)。11例の奏効率は36%。非小細胞肺がん患者では13例中9例(69%)で何らかの変異が検出され、4例がEGFR阻害剤、1例がMEK阻害剤を投与された。解説多くのドライバー変異が同定され、それぞれに対応する分子標的薬がすでに保険承認されている肺がんと異なり、他がん腫ではバイオマーカーの同定、薬剤開発に苦労しているものもある。そのような状況において、低侵襲に広範囲な変異を確認できるリキッドバイオプシーの実用可能性を示したのが本論文である。ただし現場ではHER2/HER3変異陽性例に対するneratinibのバスケット試験(Hyman DM. Nature. 2018.)のように、cfDNAの結果のみでも参加可能な試験が増えており、診断精度という観点ではそれほど新規性が高いわけではない。ただし肺がんにおいてもオシメルチニブやALK阻害剤の多彩な耐性機序などが昨今明らかになっており、リキッドバイオプシーを用いた臨床研究の実現可能性や介入の対象などはより多くの議論が交わされていくと思われる。臨床への応用という観点で、本論文における1ヵ月という結果報告までの時間(turn-around time:TAT)はとても厳しいと思われるが、Guardant360を用いたLeighlらの最近の報告(Leighl NB. Clin Cancer Res. 2019.)では導入が進むにつれTATが短縮し、最終的な中央値は9日とされている。「近い将来、どのような対象について介入が必要か」であるが、昨今注目されている話題の1つは慢性骨髄性白血病(CML)など血液腫瘍で実地応用されている治療早期のmolecular responseが長期予後を予測するという知見であり、肺がんでも国内外を問わず、すでに多数の報告が出そろっている(Akamatsu H, Lung Cancer. 2019.、Lin CC, Lancet Respir Med. 2018.)。また早期症例も含め、リキッドバイオプシーを用いた再発予測が画像より早期に可能ではないか、という指摘も多くなされており(Blakely CM, Nat Genet. 2017.)、これらに対する介入が検討されている(ChaeYK, J Thorac Oncol. 2018.)。一方で、cfDNAの陽性率が進行期においても腫瘍量に比例することはかなり前から示されており(Bettegowda C, Sci Transl Med. 2014.)、本研究でも2割では組織検体でのみ変異が検出されていることに注意は必要である。リキッドバイオプシーは測定・結果返却のシステムさえ整えば、(費用は別として)臨床でのハードルが高くないため、今後はより多数例の大規模な解析が報告されると思われる。本論文の後半で示されているが、彼らはそうした情報をwebで共有する計画を進めており(eTARGET)、将来的にこうしたデータベースを基にした研究・臨床への応用が準備されているようである。適切なバイオマーカーを有する患者に対する分子標的薬の効果の高さは皆が認めるところであり、本邦でも早急にこのような試みが検討されるべきであろう。

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IV期NSCLCに対するEGFR-TKIと放射線療法の併用

 EGFR変異を有するIV期の非小細胞肺がん(NSCLC)における1次治療として、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と胸部放射線療法を組み合わせた有効性と安全性が、前向き研究により検討された。 今回、中国・Xinqiao Hospitalがん研究所のLinPeng Zheng氏らが行った研究結果は、The oncologist誌オンライン版2019年4月30日号に掲載された。末期NSCLCにおける1次治療としてのEGFR-TKIと胸部放射線療法の併用は、原発性肺病変の長期管理を可能にするかもしれない。EGFR-TKIと胸部放射線療法の併用による客観的奏効率は50% 本試験は、当該施設において2015年1月~2018年3月までに401例の患者がスクリーニングされ、そこから抽出された10例の患者(男女各5例)を対象に行われた単群第II相臨床試験。 各患者は、EGFR-TKI療法の開始から2週間以内にEGFR-TKI(エルロチニブ150mg/日またはゲフィチニブ250mg/日)と胸部放射線療法(54~60Gy/27~30F/5.5~6週間)を受け、疾患の進行または治療継続が困難な有害事象のいずれかが現れるまで治療が続けられた。 IV期のNSCLC治療におけるEGFR-TKIと胸部放射線療法の併用を評価した主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は55歳(40〜75歳)、追跡期間の中央値は19.8ヵ月(5.8〜34ヵ月)だった。・1年間の無増悪生存率は57.1%、PFS中央値は13ヵ月、照射病変の進行までの期間中央値は20.5ヵ月だった。・客観的奏効率は50%であり、疾病コントロール率は100%だった。・Grade3以上の有害事象は、放射線肺臓炎(20%)および発疹(10%)だった。そのうち1例が肺炎の治療を拒否した後死亡したが、他の患者たちの肺臓炎は良好に管理され、再発しなかった。

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肺がん 海外学会レポート

ASCO、ESMOの重要トピックを紹介ASCOESMOASCO2019現地シカゴからオンサイトレビュー06/05 ASCO2019現地速報 肺がん(2)06/04 ASCO2019現地速報 肺がん(1)2018現地シカゴからオンサイトレビュー06/04 ASCO2018現地速報 肺がん(1)06/04 ASCO2018現地速報 肺がん(2)会員聴講レポート06/13 ASCO2018肺がん会員聴講レポートESMO2019現地バルセロナからオンサイトレビュー10/02 ESMO2019レポート現地速報 肺がん2018現地ミュンヘンからオンサイトレビュー10/24 ESMO2018レポート現地速報 肺がん会員聴講レポート11/26 ESMO2018レポート 肺がん

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IV期NSCLCにおける放射線治療と免疫CP阻害薬の相乗効果

 切除不能な局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する化学放射線同時療法の維持治療にデュルバルマブが適応になるなど、放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬との組み合わせは相乗効果をもたらすとされる。しかし、IV期NSCLCにおける放射線治療の意義を明確に示した報告は少ない。埼玉医科大学国際医療センターの山口央氏らは、放射線療法(RT)の治療歴がその後のニボルマブ(抗PD-1抗体)の治療効果や予後に影響を与えるかを後方視的に解析した。Thoracic Cancer誌2019年4月号の掲載報告。 2016年2月~2017年12月に既治療の進行NSCLC患者124例にニボルマブが投与された。この研究では、それらの患者をニボルマブ開始前に何らかの放射線治療歴のある群(RT群)と放射線治療歴のない群(非RT群)に分け比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・124例中RT群は66例(53%)で、脳以外への照射が52例(42%)、胸部への照射は40例(32%)であった。・ニボルマブ治療期間の中央値は4サイクルであった。・ニボルマブ治療全体(124例)の客観的奏効率(ORR)は28.0%、病勢コントロール率(DCR)は58.4%であった。・RT群のORRは36.4%、非RT群は19%で、RT群で有意に高かった。・ニボルマブの治療効果はとくに脳以外に照射歴のある非腺がん患者(59例)および扁平上皮がん患者(38例)で高く、非腺がんのORRは48.3%、DCRは87.1%、扁平上皮がんのORRは52.6%、DCRは84.2%であった。・多変量解析では放射線治療歴と喫煙歴が無増悪生存期間(PFS)の独立した予後因子であった。・脳以外に照射歴のある非腺がん患者(59例)を対象とした予後解析ではRT群は非RT群に比べPFSと全生存期間が有意に延長していた。 RTはニボルマブ治療との相乗効果を示し、進行NSCLC患者のORR、PFSを改善することが確認された。RT治療歴は、ニボルマブの治療効果に関する予後良好因子の1つ考えられる。

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IV期NSCLCにおける放射線療法とICIの相乗効果:筆頭著者 山口央氏に聞く 【肺がんインタビュー】 第25回

第25回 IV期NSCLCにおける放射線療法とICIの相乗効果:筆頭著者 山口央氏に聞く お詫び:当コンテンツの表題の一部に誤植がございました。ご迷惑をかけ申し訳ございませんでした。出演:埼玉医科大総合医療センター 呼吸器内科 山口 央氏放射線療法の治療歴が免疫CP阻害薬の治療効果や予後に影響を与えるかを、 IV期非小細胞肺がん(NSCLC)で後方視的に解析した結果が発表された。筆頭著者の埼玉医科大学国際医療センターの山口央氏に研究の背景などについて聞いた。Yamaguchi O, et al.Radiotherapy is an independent prognostic marker of favorable prognosis in non-small cell lung cancer patients after treatment with the immune checkpoint inhibitor, nivolumab. . Thorac Cancer. 2019;10:992-1000.記事本文はこちら

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がん生存率に降圧薬が影響するか

 降圧薬のがん生存率に対する影響について結論は出ていない。米国ヴァンダービルト大学医療センターのYong Cui氏らは、主な降圧薬と乳がん、大腸がん、肺がんおよび胃がんの全生存(OS)・がん特異的生存(DSS)との関連について、潜在的な交絡因子を包括的に調整し、時間依存Cox回帰モデルにより検討した。その結果、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、β遮断薬、Ca拮抗薬が、消化器がんの生存を改善する可能性が示唆された。American Journal of Epidemiology誌オンライン版2019年5月7日号に掲載。 本研究の対象は、中国の上海で実施されたShanghai Women's Health Study(1996~2000)およびShanghai Men's Health Study(2002~2006)の参加者で、2,891例の乳がん、大腸がん、肺がん、胃がんの患者が含まれた。降圧薬の使用は電子カルテから調べた。 主な結果は以下のとおり。・がん診断後の追跡期間中央値3.4年(四分位範囲:1.0~6.3)において、アンジオテンシンII受容体拮抗薬を使用していた大腸がん患者(OSの調整HR:0.62、95%CI:0.44~0.86、DSSの調整HR:0.61、95%CI:0.43~0.87)および胃がん患者(OSの調整HR:0.62、95%CI:0.41~0.94、DSSの調整HR:0.63、95%CI:0.41~0.98)、β遮断薬を使用していた大腸がん患者(OSの調整HR:0.50、95%CI:0.35~0.72、DSSの調整HR:0.50、95%CI:0.34~0.73)でアウトカムが改善した。・さらに、Ca拮抗薬(DSSの調整HR:0.67、95%CI:0.47~0.97)および利尿薬(OSの調整HR:0.66、95%CI:0.45~0.96、DSSの調整HR:0.57、95%CI:0.38~0.85)を使用していた胃がん患者においてもアウトカムが改善した。

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内容充実!『がん免疫療法ガイドライン』の第2版が発刊

 2019年3月29日、日本臨床腫瘍学会が編集した『がん免疫療法ガイドライン第2版』が発刊。2016年に初版が発行されてから2年。非常にスピーディな改定が行われた。今回の改定では、この間に明らかとなった各疾患での治療エビデンスや副作用管理などが集約化された。解説内が細分化され読みやすく 本ガイドラインの構成についての大幅なリニューアルはないが、各項の解説が「発症の頻度」、「臨床症状と診断」、「治療方針」に細分化されたことで、実臨床に役立てやすくなっている。 免疫チェックポイント療法の副作用については、“心筋炎を含む心血管障害”が追加。また、これまで甲状腺や副腎などの副作用は、 機能障害として大きなくくりで記載されていたが、それぞれ甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症へと記述が変更されている。これに伴い、「発症の頻度」に市販後調査の報告が追加され、副作用出現時の管理方法などが充実した。同様に記述が変更した下垂体機能低下症の項には、CTCAE Grade評価の追加。これまで投与中止となっていた重症例は、Grade3、4に区分され、投与可否についても“投与休止”へと変更されている。このように、細かい変更点があるため、第2版の副作用管理について熟読されることをお薦めする。 各がん種別エビデンスについては、初版発刊時には推奨される免疫療法がなかった「胃がん」「大腸がん」「小児腫瘍」などへの推奨が加わった。肺がんは、悪性胸膜中皮腫の記載が盛り込まれたことから、「胸部悪性腫瘍」の項に収められた。そのほか、「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構の欠損(dMMR)を有する切除不能・転移性の固形癌」の章が追加されている。 ガイドライン作成委員長の中西 洋一氏(九州大学大学院胸部疾患研究施設教授)は、本ガイドラインの冒頭で、「非がん領域の専門家の力も借り、徐々に集積してきた知見も織り込んで、しっかりとした内容に仕上がっている」と述べている。

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