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がん治療は4週遅れるごとに死亡率が高まる/BMJ

 がん治療が4週間遅れるだけで、手術、全身療法、放射線療法の適応となる7つのがんで全体の死亡率が上昇する。カナダ・クイーンズ大学のTimothy P. Hanna氏らが、がん治療の遅延と死亡率上昇との関連を定量化する目的で実施したシステマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。がん治療の遅れは転帰に悪影響を及ぼす可能性があるが、その影響の標準推定値はなく、これまでのメタ解析で治療の遅れと死亡/局所管理との関連が示されていたものの、各報告のばらつきが大きくメタ解析に限界があった。著者は、「世界的にがん治療の遅れは医療制度に問題がある。がん治療開始の遅れを最小限にするシステムに焦点を当てた政策が、集団レベルでの生存転帰を改善できるであろう」とまとめている。BMJ誌2020年11月4日号掲載の報告。7種類のがん治療の4週間遅延ごとの全生存期間を評価 研究グループは2000年1月1日~2020年4月10日にMedlineで公表された、7つのがん(膀胱がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、肺がん、子宮頸がん、頭頸部がん)に対する手術、全身療法または放射線療法の根治的、術前および術後適応の研究を解析に組み込んだ。 主要評価項目は、各適応症の4週間遅延ごとの全生存(OS)期間のハザード比(HR)であった。遅延は診断からがんの初回治療まで、または1つの治療の完了から次の治療の開始までで評価した。 主要解析は、主要な予後因子を補正した妥当性の高い研究のみを対象とした。HRは、OSに関する対数線形で推測され、4週間の遅延ごとの影響に換算された。併合効果は、DerSimonian-Laird変量効果モデルを用いて推定した。13の適応症でがん治療の遅延と死亡率上昇に有意な関連 解析には、17の適応症に関する34件の研究が組み込まれた(計127万2,681例)。放射線療法の適応となる5つのがん、または子宮頸がんの手術に関する妥当性の高いデータは確認できなかった。 がん治療の遅延と死亡率上昇との有意な関連性(p<0.05)が、17の適応症のうち13で確認された。 手術に関しては、4週間の遅延ごとの死亡のHRの範囲が1.06~1.08と、がんの種類を問わず一貫していた(例:結腸切除術は1.06[95%信頼区間[CI]:1.01~1.12]、乳がん手術は1.08[95%CI:1.03~1.13])。全身療法の推定値はばらつきがみられた(HRの範囲:1.01~1.28)。放射線療法の推定値は、頭頸部がんの根治的放射線療法のHRが1.09(95%CI:1.05~1.14)、乳房温存手術の術後放射線療法のHRが0.98(95%CI:0.88~1.09)、子宮頸がんの術後放射線療法のHRが1.23(95%CI:1.00~1.50)であった。 合併症または機能状態に関する情報が不足していたため、除外された研究の感度解析でも結果は変わらなかった。

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EGFR陽性肺がんに対するオシメルチニブのアジュバント:ADAURA study【肺がんインタビュー】 第55回

第55回 EGFR陽性肺がんに対するオシメルチニブのアジュバント:ADAURA study出演:国立がん研究センター東病院 呼吸器外科 坪井 正博氏局所進行EGFR変異陽性非小細胞肺がんに対するオシメルチニブのアジュバント第III相ADAURA study。Co-PI坪井正博氏にESMO2020での発表を再現いただいた。Yi-Long Wu, et al. Osimertinib in Resected EGFR-Mutated Non-Small-Cell Lung Cancer.383:1711-1723.

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nabパクリタキセルは既治療のNSCLCの標準治療となるか、ドセタキセルとの比較(J-AXEL)/日本肺癌学会

 九州大学・米嶋 泰忠氏が、既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)におけるドセタキセル単剤に対するnabパクリタキセルの効果と安全性を検証したJ-AXEL試験の結果を第61回日本肺癌学会学術集会にて発表した。J-AXEL試験はわが国の8つの臨床試験グループが参加した無作為比較第III相である。J-AXEL試験でnabパクリタキセルの非劣性が証明された対象:既治療(2レジメン以内)の進行NSCLC患者試験群:nabパクリタキセル(n-PTX)対照群:ドセタキセル(DTX)評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)非劣性検証[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全奏効割合(ORR)、安全性、QOLなど 非小細胞肺がんにおけるドセタキセル単剤に対するnabパクリタキセルの効果と安全性を検証したJ-AXEL試験の主な結果は以下のとおり。・2015年5月〜2018年3月に、503例が登録され、ドセタキセル群(251例)とnabパクリタキセル群(252例)に無作為に割り付けられた。・OS中央値はnabパクリタキセル群16.2ヵ月、ドセタキセル群13.6ヵ月。HRは0.85(95.2%CI:0.68〜1.07、p=0.163)で、許容HR上限の1.25を達成したためドセタキセルに対するnabパクリタキセルの非劣性が証明された。一方、優越性は証明されなかった。・PFS中央値はnabパクリタキセル群4.2ヵ月、ドセタキセル群3.4ヵ月で、nabパクリタキセル群で有意に良好であった(HR:0.76、95%CI:0.63〜0.92、p=0.0042)。・ORRはnabパクリタキセル群29.9%、ドセタキセル群15.4%とnabパクリタキセル群で有意に良好であった(p=0.0002)。・nabパクリタキセル群で有意に多かった有害事象(AE)は末梢神経障害(55.5%対20.1%)、ドセタキセル群で有意に多かったAEは白血球減少(74.4%対90.4%) 最後に、nabパクリタキセルは既治療の進行NSCLCに対する選択肢の1つであることが示されたと米嶋氏は述べた。

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第34回 コロナ禍の意外な恩恵? インフル・喘息大幅減、受診抑制も体調変化なし…

コロナ禍が他疾患の発症抑制に働くこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。大方の人の予想通り、冬の到来を前に新型コロナウイルス感染症の感染者が各地で急増しています。というわけで、この3連休、私は「Go Toトラベル」「Go Toイート」にも乗らず、自宅でのんびりスポーツ観戦をして過ごしました。大相撲の千秋楽の貴景勝と照ノ富士の本割相撲と優勝決定戦を堪能、小倉で行われた競輪祭における郡司 浩平選手(神奈川)のG1初制覇に感動しました。今ひとつだったのは日本シリーズの第1、2戦です。巨人の情けないほどの弱さは、今のセ・リーグ全体の弱さとも言えます。この問題については、また日を改めて。さて、今回は、コロナ禍における他疾患の動向や患者の受療行動の動向に関するニュースです。クラスター発生や医療機関のコロナ患者の受け入れ態勢が逼迫している、といった報道の陰で、コロナ禍がほかの疾患の発症抑制にも働いている、といった報告や報道が散見されるようになってきました。喘息による入院数が劇的に減少11月16日のNHKニュースは、「コロナ拡大以降 “ぜんそく入院患者 大幅減”マスク着用影響か」と題し、今年2月以降、喘息のため入院する患者が例年に比べて大幅に減ったとする調査結果を東京大学大学院医学系研究科の宮脇 敦士助教らのグループが発表した、と報じました。それによると、全国 272 ヵ所の急性期病院における入院診療データを分析した結果、新型コロナウイルス感染症の流行期間(2020年2月24日以降)は、前年までの同時期に比べて、喘息による入院数が劇的に減少(55%減)していた、とのことです。同グループは、新型コロナウイルス感染症の流行期間中の生活様式の変化により、喘息患者が増悪要因に曝される機会が減少し、喘息のコントロールが改善したためと考えられる、としてます。なお、肺がんや気胸など、新型コロナウイルスの影響を受けない呼吸器の病気では大きな変化は見られなかったそうです。同研究は、10月14日付で、米国アレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)の公式機関誌Journal of Allergy and Clinical Immunologyのウェブサイトに掲載1)されています。インフルエンザ、流行期に入らず?季節性インフルエンザについても、その発症は例年より大幅に少ないとの報告が出ています。厚生労働省が11月20日に発表した、 11月9~15 日の1週間のインフルエンザの発生状況(全国およそ5,000ヵ所の定点医療機関から報告があった患者数)は前週から1人減り、わずか計23人でした。インフルエンザは、1医療機関当たりの1週間の患者数が全国で1人を超えると「全国的な流行期」入りとされます。しかし、この時点では0.005人とこの基準を大きく下回っています。まだまだ楽観視はできないものの、今シーズンはインフルエンザの大流行は来ないかもしれません。受診抑制の7割が「体調が悪くなったとは感じない」このように、マスク着用や3密回避といった人々の行動変容が、従来からあった疾患の様相を変える事例は、今後も多く出てくるかもしれません。日本医師会は11月5日に最新の診療所の経営状況を発表しました。その中で、とくに小児科と耳鼻咽喉科で入院外の総件数・点数が大きく落ち込んでおり(小児科で約3割、耳鼻咽喉科で約2割前後)、経営が深刻な状況にあるとの見解を示しています。しかし、小児科と耳鼻咽喉科はそもそも感染症やアレルギー性疾患の患者が多く、単にコロナ禍だけではなく、疾患そのものが減っていることも大きな要因であることも認識する必要があるでしょう。そんな折、11月5日、健康保険組合連合会(健保連)が興味深い調査結果を発表していました。「新型コロナウイルス感染が拡大していた今年4~5月に、持病があって通院を控えた人の7割が『体調が悪くなったとは感じない』と考えていることが、調査結果から明らかになった」というのです。健保連は大企業などがつくる健康保険組合の全国組織です。この調査は、全国の20~70代の男女4,623人を対象に今年9月、オンラインで実施されました。その結果、高血圧症や脂質異常症といった持病をもつ3,500人のうち、865人(24.7%)が通院の頻度を少なくしたり、取りやめたりして受診を抑制していました。そして、受診抑制した人の69.4%が「体調が悪くなったとは感じない」と回答。さらに、10.7%が「体調が少し悪くなったと感じる」、1.5%が「体調がとても悪くなったと感じる」と答えた一方で、「体調が回復した」とする人も7.3%いたとのことです。つまり、「受診控え」で体調悪化する人の増加が懸念されていたにもかかわらず、実際に体調悪化を感じたとの回答は1割に過ぎなかったのです。老人保健施設で元気になった高齢者「できるだけ医療機関を受診して欲しくない(医療費負担を減らしたい)」という思惑のある健保連の調査である、というバイアスはあるものの、これはとても面白い結果です。私は今から約30年前、老人保健施設が創設された頃のエピソードを思い出しました。ご存じのように、老人保健施設は薬剤費が包括化されており、薬を使えば使うほど施設側の持ち出しになる、という制度設計になっています。そのため、当初老人病院から老健施設に転所した高齢者の多くが、病院入院時よりも投与する薬を大幅に減らされました。結果、どうなったか…。認知症が改善したり、むしろ元気になったりする高齢者が続出したのです。今回のコロナ禍は、ひょっとしたら外来診療における過剰診療・過剰投薬を改めて浮き彫りにするかもしれません。コロナ禍における外来患者の受療動向や、診療内容、病態の経緯などについて、専門家による詳細な分析結果を早く知りたいところです。参考1)Abe K , et al. J Allergy Clin Immunol Pract. 2020 Oct 14.[Epub ahead of print]新型コロナ流行時に喘息入院が減少、生活様式の変化が奏功か

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副作用に対する概念を変えた、患者さんの震える手【堀美智子のハートに効くラヂオ】第1回

動画解説病院研修時代の印象深いエピソード。抗がん剤のすさまじい吐き気にも耐え、治療を頑張っていた患者さんが、ある日突然「治療をやめたい」と言い始めました。先生の副作用に対する概念を覆したその理由とは?

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オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCの2次治療のOS結果(AURA3最終)/Ann Oncol

 第3世代EGFR-TKIオシメルチニブについて検討した、AURA3試験の最終解析結果が報告された。同試験においてオシメルチニブは、既治療のEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、プラチナ併用化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および奏効率を有意に改善することが示されていた。今回、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのV A Papadimitrakopoulou氏らは、最終的な全生存(OS)期間について解析を行い、オシメルチニブ群とプラチナ+ペメトレキセド群に統計学的な有意差は認められなかったと発表した。ただし、示された結果について著者は、プラチナ+ペメトレキセド群からオシメルチニブ群へのクロスオーバーが高率であったことを反映している可能性があると指摘している。Annals Oncology誌2020年11月号掲載の報告。 AURA3試験の対象は、EGFR-TKIによる1次治療中に病勢進行したEGFR T790M変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC成人患者。被験者は、オシメルチニブ群またはプラチナ+ペメトレキセド群(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド、3週ごと最大6サイクル)に、2対1の割合で無作為に割り付けられ追跡を受けた。 プラチナ+ペメトレキセド群では、盲検化独立中央評価によって病勢進行が確認された場合は、オシメルチニブへのクロスオーバーが許容された。OSおよび安全性が副次評価項目であった。 主な結果は以下のとおり。・279例がオシメルチニブ群、140例がプラチナ+ペメトレキセド群(治療を受けたのは136例)に割り付けられた。・データカットオフ(2019年3月15日)時点での死亡は、オシメルチニブ群188例(67%)、プラチナ+ペメトレキセド群93例(66%)であった。・OS中央値は、オシメルチニブ群26.8ヵ月、プラチナ+ペメトレキセド群22.5ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.87、95%CI:0.67~1.12、p=0.277)。・24ヵ月および36ヵ月の推定生存率(オシメルチニブ群 vs.プラチナ+ペメトレキセド群)は、それぞれ55% vs.43%、37% vs.30%であった。・クロスオーバー調整後のOSのHRは0.54(95%CI:0.18~1.6)であった。・最初の後治療または死亡までの期間は、オシメルチニブ群で有意に延長し、臨床的に意義のある利点が示された(HR:0.21、95%CI:0.16~0.28、p<0.001)。・データカットオフ時点では、プラチナ+ペメトレキセド群の73%(99/136例)がオシメルチニブ群にクロスオーバーしており、そのうち67%(66/99例)が死亡した。・主な治療関連有害事象は、オシメルチニブ群では下痢(32%、Grade3以上は1%)および発疹(32%、Grade3以上は<1%)、プラチナ+ペメトレキセド群では悪心(47%、Grade3以上は3%)であった。

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ニボルマブ+イピリムマブ+2週間化学療法の肺がん1次治療、アジア人の成績は?(CheckMate9LA)/日本肺癌学会

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ニボルマブ+イピリムマブへの2週間の限定化学療法の追加治療を評価する第III相非盲検無作為化試験CheckMate9LA試験。そのアジア人サググループの解析が、第61回日本肺癌学会学術集会において埼玉県がんセンターの酒井 洋氏より発表された。・対象:未治療のStage IVまたは再発NSCLC患者(PS 0~1)・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価のPFS、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 主な結果は以下のとおり。・アジア人のOS中央値はNIVO+IPI+Chemo群未達に対しChemo群13.3ヵ月であった(HR:0.33)。・BICR評価のPFSはNIVO+IPI+Chemo群8.4ヵ月に対しChemo群5.4ヵ月であった(HR:0.47、1年PFSは35%対12%)。・BICR評価のORRはNIVO+IPI+Chemo群57%に対しChemo群23%であった。・奏効期間はNIVO+IPI+Chemo群7.0ヵ月に対しChemo群4.4ヵ月であった。・アジア人集団の全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)はNIVO+IPI+Chemo群100%、Chemo群97%、Grade3〜4のTRAEはそれぞれ57%と60%であった。・免疫関連有害事象は全集団に比べアジア人で多くみられたが、その大半はGrade1〜2であった。

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PALB2病的変異を有する遺伝性乳がん、日本での臨床的特徴は/日本癌治療学会

 PALB2はBRCA2と相互作用するDNA修復に関連する分子で、PALB2遺伝子変異は乳がん、卵巣がんのリスクを増加させ、すい臓がんとの関連も指摘される。PALB2生殖細胞系列病的遺伝子変異(pathogenic or likely-pathogenic germline variant: PGV)を有する女性の70歳までの乳がんリスクは約35~50%、生涯の乳がんリスクは約5~8倍とされるが1)、その臨床的特徴に関する知見は限られる。樋上 明音氏(京都大学乳腺外科)らは、日本人乳がん患者約2,000例を調査し、PALB2 PGV症例の頻度と臨床的特徴について、第58回日本癌治療学会学術集会(10月22~24日)で報告した。PALB2に病的変異を有する乳がんの頻度は他国より低い傾向 対象は、2011年4月~2016年10月に京都大学医学部附属病院および関連施設で同意取得した1,995例。末梢血DNAを用いて乳がん関連11遺伝子についてターゲットシークエンスを行った先行研究2)のデータを元にPALB2に病的変異を認めた症例について乳がんの状況、診断時年齢、他がんの既往・家族歴等の臨床情報を後方視的に調査した。  PALB2に病的変異を認めた症例について調査した主な結果は以下のとおり。・1,995例のうち9例にPALB2遺伝子に病的変異を認めた(0.45%)。・診断時の年齢中央値は49歳(42~73歳)。サブタイプはLuminal typeが5例(55.6%)、Luminal HER2 typeが1例(11.1%)、TNBCが2例(22.2%)、DCISが1例(11.1%)であった。・第3度以内の悪性腫瘍の家族歴を有する症例は4例(44.4%)。乳がん・卵巣がんの家族歴があったのは1例で、2人の姉が乳がん、もう1人の姉に境界悪性卵巣腫瘍、母に子宮がんを認めた。膵臓がんの家族歴は1例であり、その症例では大腸がんの家族歴も認めた。その他の症例では肝細胞がん、肺がん、胃がん、大腸がんの家族歴があった。・9例のうち4例、3バリアントはClinVarでは未報告のものであった。・非保有者との間で、サブタイプの割合に差はみられなかった。・BRCA1/2PGV症例と比較して、PALB2PGV症例では若年発症者が少なく、乳がん・卵巣がんの家族歴を有する割合が少ない傾向がみられた。・9例についてCanRisk(家族歴、生活習慣や遺伝子変異、マンモグラフィ密度などによる乳がんまたは卵巣がんの発症リスクの計算モデル)3)を用いたリスク評価を行ったところ、BRCA1/2 遺伝子変異を有する可能性が5%以上(NCCNガイドラインにおける遺伝学的検査の評価対象基準)となったのは2例のみ(22.2%)であった。 樋上氏は、日本の先行研究4)においてPALB2遺伝子病的変異を有する乳がん患者の頻度が0.40%と本結果と同程度であったことに触れ、他国における結果(ポーランド:0.93%5)、中国:0.67~0.92%6,7))と比較し低い傾向を指摘。未報告のバリアントがみられたことも踏まえ、バリアントの地域差がある可能性について言及した。 また、NCCNガイドラインにおける遺伝的検査の評価対象基準8)を今回の9症例で検討したところ、4例は該当しなかった。同氏は「BRCA1/2と比較して発症年齢が高く、乳がん・卵巣がんの家族歴が少ないため、散発性乳がんに近く、ハイリスク症例の拾い上げが難しい」とし、パネル検査の増加に伴う診断症例の増加や、PALB2 PGV症例に対するPARP阻害薬適応についての研究が進む中、拾い上げ基準やサーベイランスの最適化が重要と考察している。■参考文献・参考サイトはこちら1)Yang X,et al. J Clin Oncol. 2020 Mar 1;38:674-685.2)Inagaki-Kawata Y, et al. Commun Biol 3:578, 2020.3)CanRisk Web Tool4)Momozawa Y, et al. Nat Commun. 2018 Oct 4;9:4083.5)Cybulski C, et al. Lancet Oncol. 2015 Jun;16:638-44.6)Zhou J, et al. Cancer. 2020 Jul 15;126:3202-3208.7)Wu Y, et al. Breast Cancer Res Treat. 2020 Feb;179:605-614.8)NCCN Guidelines for Detection, Prevention, & Risk Reduction「Genetic/Familial High-Risk Assessment: Breast and Ovarian Version 1.2021」

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ニボルマブ・イピリムマブ併用NSCLC1次治療、日本人の結果(CheckMate-227)/日本肺癌学会

 第61回日本肺癌学会学術集会においてがん研有明病院の西尾 誠人氏が非小細胞肺がん(NCSLC)1次治療CheckMate-227試験Part1の3年フォローアップデータから、ニボルマブ・イピリムマブ併用の日本人サブセットの分析結果を発表した。ニボルマブ+イピリムマブ療法を日本人においても支持する結果・対象:未治療のPD-L1発現1%以上(Part1a)および1%未満(Part1b)のStageIVまたは再発NSCLCの初回治療患者(PS 0~1、組織型問わず)・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ群     ニボルマブ単剤群(TPS1%以上)     ニボルマブ+化学療法群(TPS1%未満)・対照群:化学療法(組織型により選択)単独群・評価項目:[複合主要評価項目]高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法単独群の無増悪生存期間(PFS)、PD-L1発現(≧1%)患者におけるニボルマブ+イピリムマブ群対化学療法単独群の全生存期間(OS)[副次評価項目]高TMB(≧13/メガベース)かつPD-L1発現(TPS1%以上)患者におけるニボルマブ単剤群対化学療法単独群のPFS、高TMB(≧10/メガベース)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法単独群のOS、PD-L1なしまたは低発現(TPS1%未満)患者におけるニボルマブ+化学療法群対化学療法単独のPFS、そのほか奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性など NCSLC1次治療試験でニボルマブ・イピリムマブ併用の日本人を分析した主な結果は以下のとおり。・日本人PD-L1≧1%集団のOS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群未達に対し化学療法単独群は28.9ヵ月(HR:0.77、3年OS率は56%対45%)であった。この集団のニボルマブ+イピリムマブ群の日本人OSはグローバル(17.1ヵ月)に比べて良好であった。・日本人全集団のOS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群48.8ヵ月に対し化学療法単独群は24.9ヵ月(HR:0.63、3年OS率は56%対36%)であった。この集団のニボルマブ+イピリムマブ群の日本人OSはグローバル(17.1ヵ月)、アジア人(36.2ヵ月)に比べて良好であった。・日本人PD-L1≧1%集団のPFS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群19.4ヵ月に対し化学療法単独群6.7ヵ月((HR:0.64、3年PFS率は33%対14%)であった。この集団のニボルマブ+イピリムマブ群の日本人PFSはアジア人(11.0ヵ月)に比べても良好であった。・日本人全集団のPFS中央値はニボルマブ+イピリムマブ群11.1ヵ月に対し化学療法単独群5.6ヵ月(HR:0.65、3年PFF率は25%対9%)であった。この集団のニボルマブ+イピリムマブ群の日本人PFSはアジア人(8.5ヵ月)に比べても良好であった。・日本人PD-L1≧1%集団のORRはニボルマブ+イピリムマブ群は63%に対し化学療法単独群40%であった。この集団のニボルマブ+イピリムマブ群の日本人ORRはグローバル(36%)、アジア人(56%)に比べて良好であった。・日本人全集団のORRはニボルマブ+イピリムマブ群53%に対し化学療法単独群36%であった。ニボルマブ+イピリムマブ群の日本人ORRはグローバル(33%)、アジア人(48%)に比べて良好であった。・ニボルマブ+イピリムマブ群の治療関連有害事象(TRAE)の全Gradeの発現は日本人96%、グローバル77%、アジア人87%、Grade3〜4のTRAEは日本人54%、グローバル33%、アジア人40%と、日本人で高い傾向にあった。今回の解析結果はグローバル、アジア人と同様、日本人においても進行NSCLCの1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブ療法を支持するものだとしている。

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がん診療病院でのCOVID-19クラスター、その教訓は/日本癌治療学会

 市中感染が広がる状況下では、感染者が院内に入り込む可能性や病院内感染発生のリスクが常にある。リスクをいかに減らし、万が一予期せぬ感染者が発覚した場合にどのような対応が必要か、がん診療をどのように維持していけばよいのか。第58回日本癌治療学会学術集会(10月22~24日)で、「COVID-19蔓延期の癌治療―体験と教訓―」と題した会長企画シンポジウムが開かれ、がん診療を担う病院での今春からの経験、実施している対策が相互に共有された。本稿では、加藤 秀則氏(北海道がんセンター)、佐藤 悠城氏(神戸市立医療センター中央市民病院)による発表内容を中心に紹介する。北海道がんセンターでクラスターが発生した原因 北海道がんセンターでは、4月13日に消化器内科病棟で看護師1名と患者1名が発熱、翌日には同病棟勤務の看護師2名も発熱した。当時院内ではPCR検査が実施できなかったため、保健所を通じPCR検査を実施したところ、16日に4名で新型コロナウイルス陽性を確認。これを契機に、同病棟および隣接する泌尿器科(同フロア)の患者、勤務する看護師、医師らの間で集団感染が発生した。厚生労働省クラスター班による調査・指導等を経て、5月16日に看護師1名の感染が確認されたのを最後に、6月13日の終息宣言に至った。 北海道がんセンターの加藤氏は、クラスターが発生してしまった原因として下記を挙げている:・病院の収益を確保するため、病床稼働率を上げなければならず病棟は密な状態であった・がん患者はさまざまな病態で熱発していることも多く、最初からコロナ肺炎を疑わない症例も多い・がん患者はPSの悪いことも多く、看護師が密着せざるを得ない看護も多い・築40年程度経過した病院で全体にスペースも狭く、空調も悪く、陰圧室もない・PCR検査は市の保健所でしか実施できず、疑い症例を自由に、迅速に行える状況ではなかった 北海道がんセンターのクラスターの端緒となったと考えられる患者は感染発覚前に、消化器内科から泌尿器科の病室に移っており、その隣室患者および看護した看護師へと伝播していった。加藤氏は、「進行がんで看護必要度の高い患者さんが多く、主に看護師を通して伝播したと考えられる」と話した。感染者の中には清掃やリネン、放射線技師といった病棟横断的に業務を行う者も含まれており、院内感染防止の観点から注意が必要な部分と振り返った。 また、消化器内科病棟勤務で感染した看護師19名のうち、1回目のPCR検査で陽性となったのは13名。2回目が5名で、症状だけが続き4回目ではじめて陽性となった者も1名いたという。加藤氏は、PCR検査の感度、タイミングの問題も考えていかなければいけないと話した。北海道がんセンターでの感染対策の改善点 北海道がんセンターでは、外来・病棟それぞれにおいて、下記を中心とした感染対策の改善を行っている。[外来での改善点]・待合室の3密対策・入口を1ヵ所にしてサーモグラフィチェック・発熱者の隔離部屋を用意・採血室、外来化学療法室の増設・過密回避、外来診察室の医師と患者の間にスクリーンの設置・各受付にスクリーンの設置・CTなどの検査機器、X線照射装置、胃カメラ、ベッドなどは毎回消毒・電カル、キーボード、マウスのアルコールペーパーでの消毒など職員の衛生意識改善[病棟での改善点]・定期入院はすべて事前にPCRと肺CT検査を行い陰性者のみ入院・PCRは自院の装置、検査会社との契約により件数拡充・臨時入院は個室隔離し、PCR結果が出るまではPPE対応・病室は過密対策で稼働を50%にコントロール・看護師休憩室の増設・面会の全面禁止 また、復帰した医療者のメンタルケアの重要性を感じたと加藤氏。感染症から回復して復帰しても、精神的に回復するまでには時間を要したという。「プライバシー保護にも配慮が必要であるし、回復には時間がかかる。専門の心理療法士に依頼し、病院全体を挙げてのケアの必要性を感じた」と話した。神戸市立医療センター中央市民病院の院内感染の原因 神戸市立医療センター中央市民病院は、地域がん診療拠点病院であるとともに第一種感染症指定医療機関で、神戸市でCOVID-19が初発した3月上旬より、約200例のCOVID-19患者を受け入れている。うち、7例が院内感染によるもの。佐藤氏は、院内感染発生の原因として、1)COVID-19患者の在院日数の長さ、2)ゾーニングの問題、3)強い感染力を挙げて考察した。 1)については、酸素投与を要した患者における在院日数の中央値は31日、ICU在室日数の中央値は9日と長く、病床がひっ迫していた状況があった。2)10床の感染症病床(陰圧個室)を有し、専門看護師が感染者の看護に従事していたが、ナースステーションと休憩室は一般病床を担当する看護師と共通で、ここで医療従事者間での感染が起こったと推測される。3)同院での院内感染の伝播において重要な役割を果たしたと考えられる患者は、透析患者で当初感染が疑われておらず、せん妄があったことなどからナースステーションでの大声での発話などがあり、PCRでは高ウイルス量が検出されるなどの因子が重なって、複数の医療従事者の感染につながったことが推測される。多いCOVID-19疑似症、対策はあるのか 神戸市立医療センター中央市民病院では、ビニールシートによる職員の保護等ゾーニングの徹底や、全例PCRを実施する入院前検査のほか、COVID-19合同診療チームを立ち上げて対策にあたっている。重症例はICUで一括管理できるものの、軽症~中等症例はICUを出た後各科の持ち回りになるため、1人の医師が感染者と非感染者の診療を行うことに対するリスクを減らすため、このチームが立ち上げられた。全科から選抜、各科業務を完全に外れ、2週間勤務後1週間の自宅待機を経て復帰する。 2月はじめから院内感染により病院が機能停止した4月中旬までの約2ヵ月半で、救急外来と感染症外来を受診したCOVID-19疑似症患者は286例に及ぶ。そこで同院では、感染拡大期には感染疑い病棟を設置。PCR検査が陰性であっても、類似症状や胸部異常影がある患者についてはいったん同病棟に収容し、担当医も分ける形をとるようにした。感染対策解除基準のフローを作り、どうしても臨床的な疑いが解除できない患者においては何度でもPCR検査を行い、それまで感染症対応を解除しないという方法をとっている。「今後のがん診療では、COVID-19疑似症の対応は必須になるのではないかと考えている」と佐藤氏。胸部CTにおいて、一見器質化肺炎が疑われた患者でCOVID-19陽性であった例や、末梢側のすりガラス影がみられる患者で薬剤性肺障害であった例など、いくつか自験例を示して解説した。 自院の症例約100例でCOVID-19と薬剤性肺障害の背景因子を後ろ向きに比較した結果では、COVID-19症例では陰影のある肺葉数が多いという傾向はみられたものの、大きな臨床所見の差はみられなかった。呼吸器内科医としては、今後これらの鑑別をしっかり行っていかなければならないと話し、またCOVID-19後遺症として罹患後に間質陰影を呈した肺がん症例での治療再開の判断の難しさにも触れ、後遺症に関してもエビデンスの蓄積が待たれるとした。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、悪性胸膜中皮腫に国内申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年10月27日、抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法について、切除不能な進 行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。 今回の承認申請は、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法をプラチナ製剤を含む標準治療の化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-743試験)の中間解析の結果に基づいている。 本解析において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を達成した。また、本試験で認められたニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、本併用療法でこれ までに認められているものと一貫していた。

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進行NSCLC1次治療における新規抗CTLA-4抗体quavonlimabとペムブロリズマブの併用(MK-1308-001)/MSD

 Merck社は、2020年10月16日、進行NSCLC患者の1次治療において、同社の新規抗CTLA-4抗体quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法が良好な抗腫瘍活性と許容可能な安全性プロファイルが認めたと発表。この試験結果は、北米肺癌学会議(NACLC)において報告された(Poster #TS01.02)。 同試験は、進行NSCLC患者の初回治療として、quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法を評価したヒトに対する初めての非盲検多群第I/II相試験。用量確認フェーズでは、quavonlimab(25mgまたは75mg)を3週間ごとまたは6週間ごととペムブロリズマブ(200mgを3週間ごと、最大35サイクル)を併用投与した。この試験の主要評価項目は安全性と忍容性で、副次・探索的評価項目は盲検下独立判定機関(BICR)が判定したORRのほか、PFS、OS、DORなど。PD-L1発現に基づく効果は、TPS(tumor proportion score)を連続変数として後ろ向きに評価した。 quavonlimabとペムブロリズマブの併用療法では想定外の有害事象はなく許容可能な安全性プロファイルが示され、良好な抗腫瘍活性が認められた。全Gradeの有害事象は98%、治療関連有害事象は85%に発現した。Grade3以上の治療関連有害事象は36%に認められた。頻度の高い(10%超)治療関連有害事象は、ALT上昇(8%)、肺臓炎(8%)、AST上昇(6%)であった。 この試験の結果では、フォローアップ期間中央値16.9ヵ月において、ORR、PFS、OS、DORなど副次・探索的評価項目全体でquavonlimabとペムブロリズマブの併用療法の効果が認められた。また、反応はPD-L1発現にかかわらず認められた(片側p=0.015)。これらの安全性と有効性のデータに基づき、第II相試験におけるquavonlimabのペムブロリズマブと併用の推奨用量は、25mg 6週間ごととしている。

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NSCLCに対するペムブロリズマブ・化学療法併用の最長追跡データ(KEYNOTE-021)/MSD

 Merck社は、2020年10月16日、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者においてペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価したKEYNOTE-021試験(コホートG)の長期追跡の結果、PD−L1の発現にかかわらず、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法による1次治は、化学療法単独と比較して、客観的奏効率の改善、無増悪生存期間の改善が認められたと発表。この試験結果は、北米肺癌学会議(NACLC)において報告された(Featured Poster #OFP01.02)。NSCLC患者の1次治療における抗PD-1/L1抗体と化学療法の併用療法を評価した最長のフォローアップデータとなる。 マルチコホート多施設共同非盲検第I/II相KEYNOTE-021試験のコホートGでは、進行非扁平上皮NSCLC患者の初回治療におけるペムブロリズマブと化学療法の併用療法(n=60)と化学療法のみ(n=63)を比較した。全生存期間(OS)中央値はペムブロリズマブと化学療法併用34.5ヵ月、化学療法のみ21.1ヵ月、3年生存率は化学療法のみ患者では37%だったのに対し、ペムブロリズマブと化学療法併用患者では50%であった(HR=0.71、95% CI:0.45~1.12)。このOSの改善は、70%(n=43/61)の患者が後に化学療法から抗PD-1/L1抗体治療にクロスオーバーしたにもかかわらず認められた。ORRはペムブロリズマブと化学療法の併用では58%、化学療法のみでは33%であった。PFS中央値は、ペムブロリズマブと化学療法併用24.5ヵ月、化学療法のみ9.9ヵ月であった(HR=0.54、95% CI:0.35~0.83)。奏効期間(DoR)中央値はペムブロリズマブと化学療法の併用では36.3ヵ月、化学療法のみでは22.8ヵ月であった。また、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法に関し、長期的なフォローアップにおいて新たな安全性シグナルは認められなかった。

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第61回日本肺癌学会学術集会 会長インタビュー【肺がんインタビュー】 第54回

第54回 第61回日本肺癌学会学術集会 会長インタビュー出演:岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 教授 木浦 勝行氏2020年11月12日より第61回日本肺癌学会学術集会がハイブリッド形式で開催される。集会の主題は「肺癌撲滅を目指して2020」である。 会長の岡山大学病院 呼吸器・アレルギー内科 教授 木浦 勝行氏に集会の趣旨と見どころについて聞いた。参考第61回日本肺癌学会学術集会ホームページ

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非G-CSF小分子plinabulinの好中球減少症予防効果/JAMA Oncol

 抗がん作用と好中球減少症予防作用を併せ持つ新しい非顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)小分子plinabulinについて、第II相試験の結果が明らかにされた。米国・スタンフォードがん研究所のDouglas W. Blayney氏らが、ドセタキセルの好中球減少症の予防効果を、非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に行った無作為化非盲検試験で、plinabulinはペグフィルグラスチムと同等の好中球減少症予防効果が得られたという。JAMA Oncology誌オンライン版2020年9月24日号掲載の報告。 試験は、米国、中国、ロシアおよびウクライナのがん治療センター19施設で行われた。試験期間は2017年4月~2018年3月で、2019年8月~2020年2月に解析を行った。 対象は、プラチナ併用化学療法後に進行したNSCLC患者55例で、plinabulin(5、10、20mg/m2)群、またはペグフィルグラスチム(6mg)群に無作為に割り付けられた。1サイクルを21日として、全例1日目にドセタキセル75mg/m2を投与し、plinabulinは1日目、ペグフィルグラスチムは2日目に投与し、4サイクル施行した。 主要評価項目は、化学療法第1サイクル中の重度好中球減少症発現日数であった。 主な結果は以下のとおり。・解析対象症例55例の患者背景は、平均年齢は61.3±10.2歳で、38例(69.1%)が男性であった。・plinabulin群では、用量依存的にあらゆるGradeの好中球減少症の発現率が減少した。・重度好中球減少症が発現した平均日数は、plinabulin 20mg/m2群が0.36±0.93日、ペグフィルグラスチム群が0.15±0.38日であり、両群に有意差は認められず(p=0.76)、安全性シグナルは検出されなかった。・第III相試験では、plinabulinの投与量を40mgの固定用量(20mg/m2に相当)とし、重度好中球減少症発現日数の非劣性を主要評価項目、骨痛の軽減、血小板減少の抑制ならびにQOLの維持を副次評価項目として、ペグフィルグラスチム6mgと比較検証する。

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アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601【肺がんインタビュー】 第53回

第53回 アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601出演:仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏EGFR変異陽性肺がんにおける低用量アファチニブの第II相NJLCG1601試験の結果がOncologist誌20202年6月19日号に発表された。筆頭著者の仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏に、試験実施にいたる背景や試験結果について聞いた。Atsushi Nakamura,et al. Phase II Study of Low-Dose Afatinib Maintenance Treatment Among Patients with EGFR-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer: North Japan Lung Cancer Study Group Trial 1601 (NJLCG1601) Oncologist. 2020 Jun 19. [Epub ahead of print]

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オシメルチニブのEGFR変異肺がん術後補助療法、FDAの優先審査対象に/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2020年10月21日、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)の医薬品承認事項変更申請(sNDA)が受理され、治癒目的の腫瘍完全切除後の早期(Stage1B、2、3A)EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法として、米国で優先審査品目に指定されたことを発表した。 今回のsNDAは、オシメルチニブが、主要評価項目であるStage2および3AのEGFR変異NSCLCにおけるDFS、ならびに副次評価項目の1つである全症例(Stage1B~3A)におけるDFSの統計学的に有意で臨床的に意義のある延長を示した第III相ADAURA試験のデータに基づいている。 2020年4月、独立データモニタリング委員会は、オシメルチニブが顕著な有効性を示したとして、ADAURA試験の非盲検化を予定より2年早めることを勧告した。なお、被験者は試験を継続中であり、現在も盲検は維持されている。ADAURA試験のデータは、2020年5月の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)のプレナリーセッションで発表され、The New England Journal of Medicine誌に掲載された。

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悪性胸膜中皮腫へのIO併用承認、オシメルチニブの肺がんアジュバント【侍オンコロジスト奮闘記】第101回

第101回:悪性胸膜中皮腫へのIO併用承認、オシメルチニブの肺がんアジュバント参考FDA approves nivolumab and ipilimumab for unresectable malignant pleural mesotheliomaEGFR変異肺がんへのオシメルチニブのアジュバント、CNS含む再発を有意に減少(ADAURA)/ESMO2020

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