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新型コロナ感染後の抗体、4ヵ月は持続/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染から回復した人は、感染が診断されてから4ヵ月後までは血清中の抗ウイルス抗体が低下しないことが、アイスランド・deCODE GeneticsのDaniel F. Gudbjartsson氏らが行ったアイスランドの住民約3万人を対象とした調査の結果、明らかとなった。また、アイスランドでは、SARS-CoV-2感染による推定死亡リスクは0.3%で、SARS-CoV-2感染患者の44%は定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)による診断を受けていなかったことも示された。NEJM誌オンライン版2020年9月1日号掲載の報告。アイスランドの約3万例について抗体検査を実施 研究グループは、SARS-CoV-2感染に対する液性免疫応答の特性および持続性を明らかにする目的で、アイスランドにおける3万576例の血清中のSARS-CoV-2特異的抗体を、次の6種類の方法で検査した。 (1)ウイルス内部核蛋白(N)に対するpan-Ig(IgM、IgG、IgA)抗体(Roche)、(2)ウイルス表面スパイク蛋白S1サブユニット受容体結合領域(RBD)に対するpan-Ig抗体(Wantai)、(3)抗N IgM抗体および(4)抗N IgG抗体(Eagle BiosciencesのEDI)、(5)抗S1 IgG抗体および(6)抗S1 IgA抗体(Euroimmun)。 2つのpan-Ig抗体検査が両方とも陽性の場合に、血清陽性と定義。qPCR法で感染が確認された1,237例の診断後4ヵ月までに採取された2,102検体について検査した。 なお、SARS-CoV-2に曝露し隔離された人は4,222例、曝露不明は2万3,452例であった。アイスランドのSARS-CoV-2感染率は0.9%、致死率は0.3% qPCR陽性でSARS-CoV-2感染から回復したのは1,797例であった。そのうち血清陽性が確認されたのは、1,107/1,215例(91.1%)であった。 2種類のpan-Ig抗体検査による抗ウイルス抗体力価は、qPCRによる感染診断後2ヵ月の間に増加し、調査期間終了時まで維持されていた。血清陽性率は、隔離された患者では2.3%、曝露不明者では0.3%であった。 アイスランド人の0.9%がSARS-CoV-2に感染し、致死率は0.3%と推定された。アイスランドの全SARS-CoV-2感染者のうち、56%はqPCRで診断されていたが、14%はqPCR検査を受けていない(あるいは検査結果が陰性)隔離者で、30%は隔離もqPCR検査も行われていなかった。

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新型コロナ、マスク着用で手指経由の感染も防げる?

 顔に触れることは一般的な行動であり、とくに手洗い場や消毒薬の不足などで手指衛生を保つすべがない環境では、顔を触る行為が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に影響を及ぼしている可能性がある。そのため、イランではマスクを着用して顔に触れないよう指導がなされており、この状況を踏まえ、イラン・Shiraz University of Medical SciencesのRamin Shiraly氏らが成人1,000例を対象にマスク着用が顔への接触予防に有用なのかについて研究を行った。その結果、マスク着用によって顔の粘膜部分(目、鼻、口)に触れる頻度が低下したことを明らかにした。American Journal of Infection Control誌オンライン版8月12日号掲載の報告。 研究者らは2020年4月22日~5月9日の期間、イラン・シーラーズと南イランの公共エリア(公園、クリニック、銀行、バス停)において、成人1,000人(マスク着用者:568例、非マスク着用者:432例)を対象に15〜30分間の観察を行い、1時間あたりの顔全体や粘膜部分の平均接触数をANOVA(Analysis of variance)で分析した。 主な結果は以下のとおり。・1,000例の観察場所の内訳は、公園(35%)、銀行(37%)、クリニック(26%)、バス停(2%)だった。・全体のうち半数以上(53%)が男性で、年齢構成は若者(44%)、中年(37%)、高齢者(19%)だった。・全体の92%は少なくとも1時間に1回は顔に触れていた。・1時間あたりの接触平均回数±SDは10±6回だった。・非マスク着用者はマスク着用者よりも頻繁に顔に触れており、1時間あたりの接触平均回数±SDは、11±6回 vs.8±5回(p<0.001)だった。・非マスク着用者のマスク着用者に対するオッズ比は1.5(95%信頼区間:1.2~2.0、p<0.001)で、粘膜部分に触れる可能性が高かった。

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アンジェスの新型コロナワクチン、阪大病院での第I/II相試験開始

 9月8日、アンジェスは、新型コロナウイルス感染症向けDNAワクチンについて、大阪大学医学部附属病院で第I/II相試験を開始したと発表した。同社によると、開発は計画通り進んでおり、接種完了後、経過観察を経て、大阪市立大学医学部附属病院および大阪大学医学部附属病院での第I/II相試験成績を総合的に判断する速報結果を2020年第4四半期に公表する予定という。 大阪市立大学医学部附属病院における第I/II相試験(低用量群15 例および高用量群15 例、筋肉内に2週間間隔で2回接種)は、6月末に開始され、8月半ばに接種が完了している。今回の大阪大学医学部附属病院における第I/II相試験では、用量2mgで、10例による2週間間隔での2回接種、10例による4週間間隔での2回接種、10例による2週間間隔での3回接種の計30例を目標としている。試験期間は、1回目の接種から52週間のフォローアップ期間を含み、2021年9月30日までの予定。

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COVID-19の急性呼吸不全、ヒドロコルチゾンは有効か?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で急性呼吸不全を呈した重症患者に対し、低用量ヒドロコルチゾンの投与はプラセボと比較して、21日時点の死亡を含む治療不成功率を有意に低減しなかった。フランス・トゥール大学のPierre-Francois Dequin氏らが、149例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果が発表された。ただし同試験は、別の試験でデキサメタゾンがCOVID-19による死亡率などを減少することを示す結果が出たことを受けて、早期に中止されており、著者は、「主要アウトカムについて、統計的および臨床的に意義のある差異を見いだすための検出力が不足していた可能性がある」と、結果の妥当性について疑義を呈している。JAMA誌オンライン版2020年9月2日号掲載の報告。21日時点での治療不成功率をプラセボと比較 研究グループは、フランスで2020年3月7日~6月1日にかけて、COVID-19による急性呼吸不全でICUでの治療を要した患者を対象に、多施設共同無作為化二重盲検逐次試験(患者50例ごとに中間解析を行う)を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方には低用量ヒドロコルチゾンを14日間(200mg/日を7日間、100mg/日を4日間、50mg/日を3日間)持続点滴静注投与し、もう一方にはプラセボを投与した。最終フォローアップは2020年6月29日だった。 主要アウトカムは、21日時点での治療不成功(死亡、人工呼吸器または高流量酸素療法への継続的依存のいずれかと定義)であった。また、事前に規定した副次アウトカムは、ベースラインで気管挿管のない患者の気管挿管、腹臥位セッション・体外式膜型人工肺(ECMO)・一酸化窒素吸入療法の21日目までの累積実施率、P/F比(PaO2/FiO2、測定:1~7日、14日、21日)、ICU入室中の2次感染発生患者の割合などだった。治療不成功、ヒドロコルチゾン群42%、プラセボ群51% 同試験は、290例登録を意図していたが、データ・安全監視委員会の勧告を受けて、被験者149例(ヒドロコルチゾン群76例、プラセボ群73例)登録後に中止された。登録被験者の平均年齢は62.2歳、女性30.2%、人工呼吸器を要した患者は81.2%だった。148例(99.3%)が試験を完了し、そのうち治療不成功は69例で、死亡はヒドロコルチゾン群11例、プラセボ群20例だった。 21日時点での治療不成功率は、ヒドロコルチゾン群42.1%(32/76例)、プラセボ群50.7%(37/73例)、両群で有意差はなかった(発生率群間差:-8.6%、95.48%信頼区間:-24.9~7.7、p=0.29)。 また、事前に規定した4つの副次アウトカムについても、有意差はみられなかった。試験治療薬に関連した重篤有害事象の発生もなかった。

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第23回 実は病院経営に詳しい菅氏。総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと(前編)

「地方を大切にしたい」と菅官房長官こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。菅 義偉官房長官が自民党の総裁選に出馬することを正式に表明しました。記者会見では自らの叩き上げの人生(秋田の農家に生まれ、農業を継ぎたくなくて集団就職で上京、法政大学の夜間を卒業し、サラリーマンに…)について触れた後、「地方を大切にしたいという気持ちが脈々と流れており、活力ある地方をつくっていきたいとの思いを常に抱きながら政策を実行してきた」と語りました。次いで「私自身、国の基本というのは、自助、共助、公助であると思っております。自分でできることはまず自分でやってみる、そして、地域や自治体が助け合う。その上で、政府が責任をもって対応する」とも述べました。「自助、共助、公助」については菅氏の総裁選のキーワードのようで、9月5日に自身のブログで公表した政策の中でも「自助・共助・公助、そして絆」がスローガンに掲げられています。この記者会見を聞きながら、私は約40年前、仙台の大学に入った時の教養部のクラスオリエンテーションのことを思い出しました(東北新幹線開業前です)。右隣に秋田県の大館鳳鳴高校出身のS君が座っていました。彼が私に何か質問してくるのですが、何を言っているのかまったくわかりません。同じ東北弁でも県によって難易度が大きく異なり、秋田や青森は難しい部類に入ります。S君の話が普通に理解できるようになるのに数ヵ月かかりました(ちなみに私もS君たち東北人から「おめの名古屋弁もわがんね」とからかわれていました)。菅氏は秋田県の内陸、雄勝町(現在の湯沢市)出身とのことです。高校を出て上京(もちろん、東北新幹線も山形新幹線もない時代です)して直後は、おそらくコミュニケーションには相当苦労されたのではないでしょうか。上京後、半世紀を経ての、ほぼ訛りを感じさせない日々の会見は、ある意味、田舎から東京に出てきた東北人の意地を感じさせます。440公立・公的病院リストラリストの大元それはさておき、もし菅政権になったら、医療関係者はまずどんな政策を気にしなければならないでしょうか? 安倍政権の路線を踏襲した、「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る」方針については、「まあそうだろうなあ」と、とくに意外性はありません。では何か。第1に予想できるのは、「地方、都市部含めて、公立・公的病院の再編・統合が今まで以上に強硬かつ急速に進められるのではないか」ということです。なぜならば、菅氏こそが、今、全国各地で進められようとしている公立・公的病院改革の大元とも言える存在だからです。厚労省は昨年9月、急性期病床を持つ公立・公的病院のがん、心疾患などの診療実績を分析。全国と比較してとくに実績が少ないなどの424病院(2020年1月に約440病院に修正)のリストを公表し、全国の病院経営者や自治体の首長に大きな衝撃を与えました。この時、リスト公表とともに、急性期病床の規模縮小やリハビリ病床などへの転換などを含む地域の病院の再編・統合を各地で議論を行うことを要請し、今年9月までに結論を出すよう定めていました。「公立病院改革ガイドライン」を仕切った菅総務大臣このリストラリスト公表に至るきっかけとなったのが、2015年3月に出た「新公立病院改革ガイドライン」(平成27年3月31日 総財準第59号 総務省自治財政局長通知)です。「新」となっているのは、「旧」があるからです。最初の「公立病院改革ガイドライン」(平成19年12月24日 総財経第134号 総務省自治財政局長通知)が出されたのは2007年12月のことでした。2007年の旧ガイドラインは、2007年5月に開かれた経済財政諮問会議で菅総務大臣(第一次安倍内閣で初入閣)が公立病院改革に取り組むことを表明したことをきっかけに策定されました(12月の公表時は増田寛也総務大臣)。背景には医師不足や経営悪化にあえぐ公立病院がありました。なぜ、総務大臣が?と思われる方がいるかもしれませんが、公立病院は地方公共団体が経営する病院事業という位置づけであり、その管轄は厚生労働省ではなく、総務省の自治財政局準公営企業室だからです。「民間にできることは民間に」2007年の「旧ガイドライン」の大きなポイントは、公立病院の役割を「地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療を提供することにある」と定義、「民間にできることは民間に任せろ」としたことです。そのうえで「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態見直し」の3つの柱を提示、病院を開設する地方公共団体に対して改革プランの策定を要請しました。この時は、「アメとムチ」とも言える政策も取られました。とくに、経営主体の統合や病床削減をするケースには、手厚い交付税措置が行われることになったため、苦境に陥っていた公立病院は、病院統合や病床削減を選択していきました。続く2015年の「新ガイドライン」では「旧ガイドライン」によっても進まなかった公立病院改革を、前述の3つの柱を維持しつつ、厚生労働省が主導する「地域医療構想」と連携させながら進めていくために策定されました。菅氏(この時は官房長官)がよく強調する「省庁の垣根を超えた政策」ということもできます。この「新ガイドライン」では、地方公共団体に新たに新公立病院改革プランの策定を求めるとともに、病院の再編・統合に当たっての都道府県の役割・責任の強化も行われています。なお、公立病院の改革プランと地域医療構想調整会議の合意事項との間に齟齬が生じた場合は改革プランの方を修正すること、となっており、地域医療構想の実現が最優先課題とされています。地域医療構想調整会議が各地で進んでいく中、「公立病院だけでなく公的病院も対象に加えろ」という議論の流れとなり、2018年6月には「経済財政運営と改革の基本方針2018」において「公立・公的病院については、地域の民間病院では担うことのできない高度急性期・急性期医療や不採算部門、過疎地等の医療等に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するために再編・統合の議論を進める」と明記されました。そして、1年3ヵ月後の2019年9月に424病院のリスト公表に至ったわけです。ちなみに公的病院とは、日赤・済生会・厚生連が開設する病院や、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人地域医療機能推進機構などの公的法人が開設する病院などのことです。再編・統合についての報告期限は延期にところで、厚生労働省は8月31日、「具体的対応方針の再検証等の期限について」と題する医政局長通知(医政発0831第3号)を各都道府県知事に発出、今年9月末までに結論を出すよう定めていた全国約440の公立・公的病院を対象とする再編・統合について、都道府県から国への報告期限を今年10月以降に延期することを通知しました。新型コロナウイルス感染症の影響で議論が進んでいないことや、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」に「感染症への対応の視点も含めて、質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の整備を進めるため、可能な限り早期に工程の具体化を図る」と、今後の再編・統合を考えるうえで「感染症への対応」を盛り込むことが明記されたことなどが理由と見られます。徹底的に効率化してなんとか生きながらえさせるこうした延期で、ひとまずほっとした病院や自治体も多いと思いますが、新しい総理大臣からどのような指示が飛ぶかが注目されます。菅氏は9月2日、異次元金融緩和に関して聞かれた際に「地方の銀行は将来的に多すぎる。再編も1つの選択肢になる」と語り、9月5日の日本経済新聞のインタビューに対しては、中小企業について「足腰を強くしないと立ちゆかなくなってしまう。中小の再編を必要であればできるような形にしたい」とこちらも統合・再編を促進する考えを述べています。これらは、公立・公的病院改革と全く同じロジックだと言えます。こう見てくると、菅氏が出馬会見で語った「地方を大切にしたいという気持ち」とは、「地方を今までのままで大切にしていく」ことではなく、地方のあらゆるリソースを「徹底的に効率化してなんとか生きながらえさせる」ことだということがわかります。病院経営者や自治体の首長も、そのことはしっかりと頭に入れておいた方がよさそうです。新政権が第2に進めるであろうことですが、今回は長くなり過ぎましたので、来週にもう少し考えてみたいと思います(この項続く)。

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COVID-19に対するスタチンの影響~メタ解析

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床経過に対するスタチンの影響については、相反する報告・見解が示されている。炎症反応の進行や肺損傷に対し保護的な役割を果たすというものと、逆に重症化やサイトカインストームに寄与しうるというものである。マレーシア・International Medical UniversityのChia Siang Kow氏らは、COVID-19の臨床転帰に対するスタチンの影響に関する4報の後ろ向き研究結果を用いてメタ解析を行った。American Journal of Cardiology誌オンライン版2020年8月12日号のCORRESPONDENCEへの報告より。スタチン使用者で新型コロナによる死亡または重症化のリスクが大幅に減少 2020年7月27日までに、スタチン使用者と非使用者との間でCOVID-19の重症度および/または死亡のリスクを評価した研究について、PubMed、Google Scholar、およびmedRxivデータベースを検索・抽出した。観察研究の質は、Newcastle-Ottawa Scale13を用いて評価された。 新型コロナに対するスタチンの影響を解析した主な結果は以下のとおり。・計8,990例のCOVID-19患者を対象とした4つの研究(中国2報、米国、イタリア)が抽出された。・プール解析の結果、スタチン非使用者と比較して、スタチン使用者では死亡または重症化のリスクが大幅に減少した(プール解析でのハザード比:0.70、95%信頼区間:0.53~0.94)。 著者らは、本解析において、COVID-19患者におけるスタチン使用による有害性は示唆されなかったとし、中強度から高強度のスタチン療法が新型コロナに効果的である可能性が示されたとしている。そのうえで、無作為化比較試験による評価が必要としている。

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オンライン服薬指導の実態 初診で麻薬のNG処方も【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第53回

2月末に発出された事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」により、いわゆるオンライン服薬指導が可能になってから半年が経過しました。4月には特例措置で初診でのオンライン診療が可能になるなど目まぐるしい変化がある日々でしたが、先日、4~6月のオンライン診療および服薬指導に関する運用実績が報告されました。厚生労働省は8月6日、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえたオンライン診療・服薬指導に関する特例措置について、現在の運用実績を「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」に報告した。5~6月のオンライン服薬指導の件数は6万8,849件で、全体の0.51%となり、最大処方日数は22~30日が3万580件で最多となった。診療では、初診から麻薬、向精神薬を処方したケースが見られたものの、現在の感染状況を考慮し、特例措置を継続することを決めた。(2020年8月17日付 薬事日報)報告を見てみますと、オンライン診療の受診者の年齢は0~10歳が全体の約30%と最も多く、50歳以下が大多数を占めています。一方、61~70歳が約4%、71~80歳が約3%という結果でした。慢性疾患の症状が安定していて、感染リスクが高い高齢者ほど利用してほしいシステムですが、「オンライン」というものはやはり高齢者にはハードルが高いものなのだと実感しました。さらに、電話・情報通信機器による服薬指導の実施割合については、全処方箋枚数のうち、5月は0.61%、6月は0.37%で、その98%が過去にもその薬局を利用している患者さんでした。悩みのタネであった薬剤の配送方法については、配送業者を利用したケースが90%近くを占めていました。薬局の立地にもよりますが、薬剤師や薬局スタッフによる手渡しのリスクや手間を考えると、思い切って配送業者を利用するほうが感染リスクも抑えられて合理的だという判断なのでしょう。特例措置は当面継続特例措置では、初診において「麻薬および向精神薬の処方をしてはならない」と明記されていますが、麻薬および向精神薬が処方されている事例が18件報告されています。安全管理が必要な抗がん薬、免疫抑制薬などのいわゆる「ハイリスク薬」の処方については、診療録などにより当該患者の基礎疾患の情報を把握することが条件となっていましたが、これらの情報の把握ができないにもかかわらず処方されていたケースも確認されています。4月10日付事務連絡において、「原則として3か月ごとに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況や、本事務連絡による医療機関および薬局における対応の実用性と実効性確保の観点、医療安全等の観点から改善のために検証を行うこととする」とあり、上記のような特例措置の要件を順守しない処方については指導を行うよう都道府県に依頼したとあります。オンライン診療・服薬指導の特例措置は当面このまま継続されるようですが、3ヵ月後の11月ごろにまた継続するかどうかの判断が行われるはずですので、医療機関への受診を敬遠する患者さんであっても安心・安全に治療できるように体制を整えたいものです。

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第24回 COVID-19下水検査の本領発揮?/紫色光の制限で代謝活性が上がる可能性

COVID-19下水検査の本領発揮?糞便と共に排出された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRNAを下水から検出することを米国・アリゾナ大学は感染の早期発見の取り組みの一つとしており、先月8月末の同大学の発表によるとその試みは確かに有効なようです1,2)。先月、学生が入居してから数日後の同大学の寮の下水にSARS-CoV-2ウイルスRNAが含まれており、その寮の世話人と入居学生311人がすぐに検査されました。入居学生は入居前の検査で全員が感染していないことを確認済みでしたが、再検査の結果2人がウイルスを有しており、すぐに隔離されました。下水検査がなければ感染が検出される前にだいぶ広まっていたに違いなく、「もしその2人が発症するまで寮で過ごしていたらどれほどの人に感染が広まっていたか」と同大学再開の取り組みを指揮しているRichard Carmona医師は言っています。脳も光を感じる?~紫色光の制限で代謝活性が上がる可能性私達がものを見ることができるのは光を検出する網膜タンパク質・オプシンのおかげです。光を浴びてオプシンは神経細胞膜のイオンの往来を変え、最終的に視神経を活性化します3)。光を受け止めるのは網膜だけではありません。光が生み出す明暗周期は人の行動や生理を決定付けており、睡眠-覚醒周期を形作り、体温やエネルギー代謝の24時間変動を生み出します。去年10月に米国・オハイオ州シンシナティ小児病院(Cincinnati Children's Hospital)の研究者Richard Lang氏等が率いるチームはいくつかあるオプシンタンパク質の1つ・オプシン5(OPN5)が見ることとは程遠い組織・皮膚に存在し、マウス皮膚の周期的活動を明暗周期に同調させる働きを担うことを明らかにしました4,5)。眼以外のオプシンタンパク質が哺乳類の24時間周期を直接制御していることを示したのはその研究が初めてです。Lang氏等のチームによるOPN5の研究はさらに進展し、先週水曜日9月2日にNature誌に掲載された新たな研究の結果、マウス脳の視床下部視索前野(POA)という領域で発現するOPN5が紫色の光に応じて活性化して褐色脂肪組織(BAT)による発熱を減らす働きがあると判明しました6,7)。OPN5発現細胞があるPOAは脳の奥深くに存在しますが、紫色光は頭蓋を貫通してPOAまで到達することができます。脳からBATへと通じる交感神経系が分泌した神経伝達物質・ノルアドレナリンを受容してBATは熱を生み出し、紫色光でOPN5が活性化した神経はそのBAT活性化神経路を阻害するように働いて熱生成を減らします。ゆえにOPN5の遺伝子を欠くマウスはBATが活発で体温が高く、エネルギーをより消費し、体脂肪やコレステロールが少なく、寒さに強いという特徴を示しました。紫色光は頭蓋を貫通してOPN5発現POA神経まで届く事が確認されていますが、OPN5発現神経を直接活性化するかどうかはまだ分かっていません。また、マウスと同様にサルの視床下部にOPN5が存在することは分かっていますが、自然光がその領域まで達するのかどうかは分かっていません。今後の研究でそれが判明すれば人に役立つ応用技術の開発が大きく前進しそうです。これまでの研究によると、食べるのを明るい時間帯(日中)に限る日中限定食で糖尿病前駆患者のインスリンの効き具合い(感受性)が改善することが明らかになっています3)。インスリン感受性が改善すれば完全な糖尿病に至り難くなります。今回マウスで見つかった仕組みが人にも備わるなら、紫色光を制限してBATを活性化することで日中限定食の代謝改善を増強できるかもしれません。日中限定食と同様に、BATを活性化するβアゴニストは人のインスリン感受性を高め、血糖値を下げ、代謝を底上げします。βアゴニストの効果が紫色光を排除すると向上することが今回の研究で確認されており、紫色光の制限でβアゴニストの代謝改善効果の向上も期待できそうです。生き物は紫色光以外の光も代謝調節に利用しています。Lang氏等のチームが今年1月に発表したマウス研究によると糖や脂肪酸を燃やすBATとは対照的にエネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞ではオプシン3(OPN3)が発現しており、OPN3は紫色光ではなく青色光に反応して脂肪分解を促し、白色脂肪細胞から血中へ脂肪酸を放出させます8,9)。そしてOPN3はなんとBATでも発現しており、BATのOPN3は青色光ではなく赤色光に反応して糖の取り込みを増やし、POAのOPN5とは逆にBATでの熱生成を促します10)。普段の生活で何気なく浴びている色とりどりの光は脳や脂肪組織などに作用し、糖などのエネルギーの蓄えを調節する熱生成を加減する働きを担うようです。参考1)The University of Arizona says it caught a dorm’s covid-19 outbreak before it started. Its secret weapon: Poop / The Washington Post2)Poop tests stop COVID-19 outbreak at University of Arizona / Science3)Light-activated neurons deep in the brain control body heat / Nature4)Skin Keeps Time Independent of the Brain5)Buhr ED,et al. Curr Biol. 2019 Oct 21;29:3478-3487.6)Cincinnati Children's: This is Your Brain…on Sunlight / PRNewswire7)Zhang KX, et al. Nature. 2020 Sep 2. [Epub ahead of print]8)Nayak G,et al. Cell Rep. 2020 Jan 21;30:672-686.9)Fat Cells Can Sense Sunlight. Not Getting Enough Can Disrupt Metabolism10)Sato M, et al. PLoS Biol. 2020 Feb 10;18:e3000630.

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COVID-19診療の手引きの第3版を公開/厚生労働省

 9月4日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版」を公開した。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、随時最新の内容に更新されている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き第3版の改訂箇所 今回の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第3版の改訂では、日本小児科学会の協力を得て臨床像の更新を図ったほか、薬物療法では、最近有効性が確立したレムデシビルとデキサメタゾンの使用など中等症患者のマネジメントを修正した。 診療の手引き検討委員会では「依然COVID-19はパンデミックの状況にあるとしつつ、患者の発生にはいまだに地域差が大きい」と指摘。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引きが「これまでと同様に活用され、患者の予後改善と流行制圧の一助となることに期待する」としている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き目次 第3版1 病原体・疫学 病原体/伝播様式/国内発生状況2 臨床像 臨床像/画像所見/重症化のリスク因子など3 症例定義・診断・届出 症例定義/病原体診断/血清診断/届出4 重症度分類とマネジメント 重症度分類/軽症/中等症/重症5 薬物療法 日本国内で承認されている医薬品/日本国内で入手できる薬剤の適応外使用6 院内感染対策 個人防護具/非常事態におけるN95マスクの例外的取扱い/非常事態におけるサー ジカルマスク、長袖ガウンなどの例外的取扱いなど7 退院基準・解除基準 退院基準/宿泊療養等の解除基準/生活指導

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今冬の発熱患者への対応はどうするか/厚生労働省

 厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部は、9月4日に全国の保健所設置市衛生主管部などにあて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下における季節インフルエンザ流行対策に関し「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」の通知を発出した。 COVID-19とインフルエンザは、症状について臨床的に鑑別することが困難であることが指摘され、とくに発熱患者への対策では地域の医療体制の構築が待たれていた。 今回、厚生労働省では「医療提供体制整備」に関し、発熱患者などの相談または診療・検査可能な医療機関として指定される医療機関については都道府県から厚生労働省へ報告を行うとし、「検査体制の整備」に関し、次のインフルエンザ流行を見据えた検査需要、検査体制、検査(分析)能力などを都道府県毎に計画をするとしている。さらに、発熱患者などの診療または検査可能な医療機関として指定される医療機関に対する個人防護具(PPE)の配布支援を実施する必要があることから、都道府県ごとの必要物資数などにつき、都道府県から厚生労働省へ報告を明記している。詳細は、今後連絡する予定。体制整備は都道府県ごとに実施 インフルエンザ流行に備えた体制整備は、都道府県が主体となって推進し、達成することを基本とし、都道府県は、本通知による次のインフルエンザ流行に備えた体制整備を進め、10月中を目処に体制整備を完了すること。体制整備を進めるに当たっては、新型コロナウイルス感染症対策を協議する協議会などを定期的に開催し、関係者と協議することとしている。発熱患者を地域でどのように診るか 体制整備の方向性として、発熱患者の相談・受診について地域のかかりつけ医の役割に期待が示されている。また、従来COVID-19疑いの発熱患者などからのアプローチを担ってきた「帰国者・接触者相談センター」が、都道府県ごとに「受診・相談センター(仮称)」へと変更され、発熱などの症状のある患者から相談があった場合、最寄りの適切な医療機関の案内や必要に応じて受診調整を行うことが記載されている。そして、発熱患者などを診察する体制をさらに整備していくため、電話・オンライン診療によって発熱患者などを診療する体制も検討することとされている。なお、医療機関においては、院内感染防止のため、患者が医療機関と受診時間や受診方法などを事前に調整した上で、受診することが重要とされ、そのため都道府県などや医療機関は、発熱などを伴う患者の受診の際は事前に電話予約の上で受診することを徹底するよう、広く住民に周知することとしている。 医療機関が行う感染対策としては、駐車場で患者が自家用車などに乗ったままの状態やプレハブや簡易テントを設置しての診療や検査の実施が提案されている。また、こうした対応ができない場合は、時間指定での発熱など疑い患者の診察(その場合、地域の診療所などと時間帯を分担することが望ましい)、輪番制による曜日単位などで患者の診察をする医療機関を設定することなどが提案されている。 これらの他にも新しい生活様式下での三密の回避やインフルエンザのワクチン接種の励行も明記されている。

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第22回 希望者は全員無料へ 政府検討の新型コロナワクチン接種体制

<先週の動き>1.希望者は全員無料へ 政府検討の新型コロナワクチン接種体制2.季節性インフルエンザ、疑い例をかかりつけ医で診療できる体制作りへ3.新型コロナウイルス感染拡大による病床稼働率低下の実態4.厚生労働事務次官に旧・厚生省出身の樽見 英樹氏が就任5.新型コロナによる診療報酬上の臨時的対応で、病院の実績要件など緩和1.希望者は全員無料へ 政府検討の新型コロナワクチン接種体制現在、国内外で研究が進められている新型コロナウイルスワクチンだが、内閣府は8日、7,000億円超の予備支出について閣議決定した。ワクチン購入費として充てる見込み。ワクチンの優先接種については、1)新型コロナ患者に直接対応する医療従事者、2)重症化リスクの高い65歳以上の高齢者および基礎疾患がある人を接種順位上位に位置付けている。ゆくゆくは希望者全員に無料で接種できるようにする案を検討。実施主体は市町村で、費用は全額国が負担する方針。また、重篤な副反応による健康被害などが生じた場合、健康被害救済を目的とした新たな立法措置を検討している。(参考)新型コロナウイルス感染症対策分科会(第8回)議事次第(内閣府)コロナワクチン、希望者全員無料に 政府検討(日本経済新聞)2.季節性インフルエンザ、疑い例をかかりつけ医で診療できる体制作りへ厚生労働省は4日、都道府県に対して事務連絡「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」を発出した。季節性インフルエンザは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との鑑別が困難であり、インフルエンザ流行時期に備えた体制整備を行う必要がある。各都道府県に対して、発熱患者などが帰国者・接触者相談センターを介することなく、かかりつけ医などの身近な医療機関に相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる体制について、10月中を目途に整備することを求めている。(参考)次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について(厚労省)3.新型コロナウイルス感染拡大による病床稼働率低下の実態厚労省は4日に今年度5月分の病院報告を発表した。報告によると、2020年3月から5月にかけて、病院の1日平均外来患者数並びに1日平均在院患者数が減少し続けていた。一般病床、介護病床をはじめ、感染病床を除くすべての病床で平均在院日数が延長していることが明らかとなった。(参考)病院報告(令和2年5月分概数)結果の概要(厚労省)4.厚生労働事務次官に旧・厚生省出身の樽見 英樹氏が就任厚労省は4日、鈴木 俊彦事務次官の退任と後任人事を発表した。新しく厚生労働事務次官に就任するのは樽見 英樹新型コロナウイルス感染症対策推進室長。今回の次官人事により、4代続けて旧・厚生省出身の官僚が就任することとなった。樽見氏の後任には吉田 学氏が就任する。通常の定期異動時期は7月であり、9月に厚労省の次官人事がずれ込んだのは新型コロナウイルス感染拡大のためで、ようやく発令となったと考えられる。(参考)厚労次官に樽見氏(時事通信)5.新型コロナによる診療報酬上の臨時的対応で、病院の実績要件など緩和厚労省は8月31日付けで、事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)」を都道府県などに発出した。今回の新型コロナウイルス感染拡大によって、診療実績などの要件が満たせなくなった場合について、新たな解釈を発表。COVID-19患者などを受け入れた医療機関では、平均在院日数、重症度、医療・看護必要度、在宅復帰率および医療区分2または3の患者割合などについて、当該要件を満たさなくなった場合においても、ただちに施設基準の変更届出を行わなくてもよいなど、現場の声を反映したもの。加算要件に必要な研修会についても、実施予定を示すことで、新型コロナの影響により開催されなかったとしても、届出は可能であるとしている。(参考)新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その26)(厚労省)

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COVID-19での嗅覚・味覚障害、アジア人と白人で3倍の差:メタ解析

 新型コロナウイルス陽性例ではかなりの割合で嗅覚・味覚障害が認められる。しかし、発現率は報告によって大きく異なり、その理由は不明である。米国・ネバダ大学リノ校のChristopher S. von Bartheld氏らは、系統的レビューとメタ解析を実施し、嗅覚・味覚障害の有病率について統合解析を行ったところ、白人がアジア人の3倍高いことがわかった。ACS Chemical Neuroscience誌オンライン版2020年9月1日号に掲載。COVID-19の嗅覚・味覚障害の有病率は白人54.8%、アジア人17.7% 著者らは、米国国立衛生研究所のCOVID-19ポートフォリオを検索し、COVID-19患者の嗅覚・味覚障害の有病率を報告した研究を調査した。3万8,198例を含む104件の研究を適格と判断し、系統的レビューとメタ解析を行った結果、推定ランダム有病率は、嗅覚障害が43.0%、味覚障害が44.6%、全体で47.4%であった。 また、年齢、性別、疾患重症度、人種による嗅覚・味覚障害の有病率への影響を調べたところ、高齢者、男性、重症者(入院患者)で有病率が低かった。人種による差が最も大きく、白人(54.8%)がアジア人(17.7%)の3倍であった。 著者らは、ウイルス変異株(D614G)では感染力が異なる可能性のほか、宿主側ではウイルス結合侵入蛋白の人種別の変異株が嗅上皮および味蕾へのウイルス侵入を促進する可能性を挙げ、「どちらもCOVID-19パンデミックにおけるウイルス感染力、診断、管理に大きな影響を与える」としている。

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高リスク喘息児、ビタミンD3補充は有益か/JAMA

 喘息を有するビタミンD値が低い小児において、ビタミンD3補充はプラセボと比較して重度の喘息増悪発生までの期間を有意に改善しないことが、米国・ピッツバーグ小児病院のErick Forno氏らによる無作為化二重盲検プラセボ対照試験「VDKA試験」の結果、示された。重度の喘息増悪は、重大な病的状態を引き起こし大幅なコスト増を招く。これまで、ビタミンD3補充が小児の重度の喘息増悪を低減するかは明らかになっていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「所見は、今回の試験対象患児集団については、重度の喘息増悪の予防療法としてのビタミンD3補充を支持しないものだった」とまとめている。JAMA誌2020年8月25日号掲載の報告。血中ビタミンD値30ng/mLの喘息児を対象にプラセボ対照無作為化試験 VDKA(Vitamin D to Prevent Severe Asthma Exacerbations)試験は、6~16歳で低用量吸入コルチコステロイドを服用し、血漿中25-ヒドロキシビタミンD値が30ng/mL未満の、高リスクの喘息患児を対象とした。 米国7医療センターで参加者を募り、48週間のビタミンD3(4,000 IU/日)またはプラセボを受ける群に無作為に割り付け追跡評価した。なお、フルチカゾンプロピオン酸の服用は、176μg/日(6~11歳)、または220μg/日(12~16歳)にて継続された。 主要アウトカムは、重度の喘息増悪発生までの期間であった。副次アウトカムは、ウイルス誘発性重度増悪発生までの期間、吸入コルチコステロイドの服用量が試験期間中に半減した参加者の割合、試験期間中のフルチカゾン累積服用量などであった。 参加者の登録は2016年2月に開始。参加者数は400例を目標としたが、早期に無益性が明らかになり試験は2019年3月に中止となった。フォローアップの終了は2019年9月であった。重度増悪の頻度、発生までの期間ともにプラセボと有意差なし 合計192例(平均年齢9.8歳、女児77例[40%])がビタミンD3群(96例)またはプラセボ群(96例)に無作為に割り付けられ、そのうち180例(93.8%)が試験を完遂した。 ビタミンD3群は36例(37.5%)、プラセボ群は33例(34.4%)が、1回以上の重度増悪を呈した。プラセボ群と比較してビタミンD3群の、重度増悪までの期間は有意に改善しなかった。増悪までの平均期間は、ビタミンD3群240日、プラセボ群253日であった(平均群間差:-13.1日[95%信頼区間[CI]:-42.6~16.4]、補正後ハザード比[HR]:1.13[95%CI:0.69~1.85]、p=0.63)。 同様に、ビタミンD3群はプラセボ群と比較して、ウイルス誘発性重度増悪発生までの期間、試験期間中に吸入コルチコステロイドの服用量が減じた参加者の割合、またはフルチカゾン累積服用量についても、有意な改善は認められなかった。 重篤な有害事象の発生も両群で類似していた(ビタミンD3群11例、プラセボ群9例)。

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新型コロナワクチンAZD1222、日本での第I/II相臨床試験を開始/アストラゼネカ

 9月4日、アストラゼネカは、新型コロナウイルスワクチンAZD1222の日本国内における第I/II相臨床試験を開始したことを発表した。国内の複数の施設で18歳以上の被験者約250名を対象に実施し、日本人に接種した際の安全性と有効性を評価していく。 AZD1222は、アストラゼネカと英オックスフォード大学と共に開発を進めており、世界各国で治験を行っている。現在、南アフリカで第I/II相試験、英国で第II/III相試験、ブラジル・米国で第III相試験を実施している。

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HPVワクチン啓発 産婦人科・小児科・行動科学の力を合わせて

 子宮頸がん等の原因となるヒトパピローマウイルスへの感染を防ぐHPVワクチンの有用性・安全性は医療者の間では既知の事実だ。諸外国では高い割合で接種されているが、日本は積極的接種勧奨が中止されたまま、接種率は1%と危機的な状況にある。この現状を変えるために医師たちが立ち上げたのが「一般社団法人 みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト」だ。 8月25日に行われた設立説明会で、産婦人科、小児科、そして行動科学の観点からのこの状況を変えるための課題と団体の取り組みが共有された。 代表の稲葉可奈子氏は産婦人科医。子宮頸がんによって女性たちのライフプランが狭まってしまう現実を数多く見てきた。女性個人の人生、そして少子化の点からもHPVワクチンはなくてはならないという強い想いをもってこの団体を立ち上げた。 大きな課題は、接種年齢層に対するリーチが難しいことだ。HPVワクチンは予防接種法に基づく定期接種のワクチンで、12~16歳の女子を対象としている。 産婦人科では、これらの年齢層に関わる機会は少ない。そのため、小児科と連携し、かかりつけの小児科医からのアプローチが必須と考えている。 小児科医の今西洋介氏によると、HPVワクチンについては必要性を認識しているが、その詳細について説明をする自信がない小児科医は多いという。小児科にかかる児童の親に接するため産婦人科よりも説明機会には恵まれるが、大半の予防接種は10歳以下で実施するため、対象年齢が10歳以上のワクチンの啓発は小児科でも頭を悩ませるところだ。 医療機関に訪れる患者への情報提供だけではワクチンの普及は難しい。そこで、団体には行動科学の専門家も参画している。 たとえ有益な情報であったとしても科学的根拠を伝えるだけでは人の行動は変わらない。 一宮恵氏によると、人の行動を変えるためのポイントは、理解度・関心度に応じた情報提供だ。そこで、団体では、ワクチンを知らない層、接種を検討している層、接種したいと考えている層、そのそれぞれに適した情報提供を行い、HPVワクチンの認知度の向上を目指す。 団体の参画メンバー10人は完全非営利、無償で活動を行っている。そのため30日からクラウドファンディングを実施。達成金額ごとに、小児科での説明用パンフレット作成、ソーシャルメディア配信用の動画作成や電車内広告の実施などを計画している。

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ACE阻害薬とARBがCOVID-19重症化を防ぐ可能性/横浜市立大学

 新型コロナウイルスは、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体を介して細胞に侵入することが明らかになっており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とレニン-アンジオテンシン系(RAS)との関連が注目されている。ACE阻害薬またはARBの服用とCOVID-19患者の重症度を解析 今回、横浜市立大学附属 市民総合医療センター 心臓血管センターの松澤 泰志氏らの研究グループが、COVID-19罹患前からのACE阻害薬またはARBの服用と重症度との関係について、多施設共同後ろ向きコホート研究(Kanagawa RASI COVID-19 研究)を行った。Hypertension Research誌オンライン版2020年8月21日号での報告。 本研究では、2020年2月1日~5月1日の期間、神奈川県内の6医療機関(横浜市立大学附属市民総合医療センター、神奈川県立循環器呼吸器病センター、藤沢市民病院、神奈川県立足柄上病院、横須賀市立市民病院、横浜市立大学附属病院)に入院したCOVID-19患者151例を対象に、病態に影響を与える背景や要因の解析が行われた。 追跡調査の最終日は2020年5月20日で、すべてのデータは医療記録から遡及的に収集された。高血圧症およびほかの既往歴の情報は、通院歴、入院時の投薬、およびほかの医療機関からの提供内容に基づいている。ACE阻害薬/ARBがCOVID-19患者の意識障害を減らす可能性 COVID-19罹患前からのACE阻害薬またはARBの服用と重症度との関係について研究した主な結果は以下のとおり。・平均年齢は60±19歳で、患者の59.6%が男性だった。151例のうち、39例(25.8%)が高血圧症、31例(20.5%)が糖尿病、22例(14.6%)にACE阻害薬またはARBが処方されていた(ACE阻害薬:3例[2.0%]、ARB:19例[12.6%])。・151例中、14例(9.3%)の院内死があり、14例(9.3%)で人工呼吸、58例(38.4%)で酸素療法が必要だった。入院時、肺炎に関連する意識障害は14例(9.3%)、収縮期血圧<90mmHgに関連する意識障害は3例(2.0%)で観察され、少なくとも13例において、新型コロナウイルス感染が原因とされた。22例(14.6%)がICUに入院した。・患者全体を対象とした単変量解析では、65歳以上(オッズ比[OR]:6.65、95%信頼区間[CI]:3.18~14.76、p<0.001)、心血管疾患既往(OR:5.25、95%CI:1.16~36.71、p=0.031)、糖尿病(OR:3.92、95%CI:1.74~9.27、p<0.001)、高血圧症(OR:3.16、95%CI:1.50~6.82、p=0.002)が、酸素療法以上の治療を要する重症肺炎と関連していた。・多変量解析では、高齢(65歳以上)が重症肺炎と関連する独立した要因だった(OR:5.82、95%CI:2.51~14.30、p<0.001)。・高血圧症患者を対象とした解析の結果、ACE阻害薬またはARBをCOVID-19罹患前から服用している患者では、服用していなかった患者よりも、主要評価項目の複合アウトカム(院内死亡、ECMO使用、人工呼吸器使用、ICU入室)における頻度が少ない傾向だった(14.3%vs.27.8%、p=0.30)。また、副次評価項目については、COVID-19に関連する意識障害が有意に少なかった(4.8%vs.27.8%、p=0.047)。 著者は「われわれの知る限りでは、これがわが国で初めてCOVID-19患者の臨床アウトカムを検討した研究だ。今回、炎症に対するRAS阻害薬の保護効果が、ACE阻害薬/ARBの使用と意識障害の発生減少を関連させる1つのメカニズムである可能性が明らかになった」と記している。

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COVID-19流行下、3次医療機関でのがん患者の入院は安全か/JCO

 オーストリア・ウィーンの3次医療機関で、COVID-19に対する政府や施設の感染対策実施後に、入院中のがん患者のSARS-CoV-2感染率を調査したところ、一般集団と同様であり、また、がん以外の患者よりも低かったことが報告された。今回の結果から、人口全体および施設の厳格な感染対策が実施された場合には、大規模な3次医療機関において積極的ながん治療や通院が実現可能で安全であることが示唆された。Medical University of ViennaのAnna S. Berghoff氏らによる報告が、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2020年8月14日号に掲載された。 本研究の対象は、2020年3月21日~5月4日、当院で定期的に鼻腔または咽頭スワブを用いたRT-PCRによりSARS-CoV-2 RNAを検査していたがん患者。このコホートでの結果を、代表的な全国ランダムサンプル研究のコホート(対照コホート1)および当院のがん以外の患者のコホート(対照コホート2)のSARS-CoV-2の感染率と比較した。 主な結果は以下のとおり。・連続した1,016例のがん患者に1,688回のSARS-CoV-2検査を実施した。1,016例中270例(26.6%)がネオアジュバントまたはアジュバント治療を受け、560例(55.1%)が緩和療法を受けていた。・1,016例中53例(5.2%)がCOVID-19の疑われる症状を自己申告し、4例(0.4%)でSARS-CoV-2が検出された。SARS-CoV-2陽性の4例とも当科での検査時には無症状で、2人は症候性COVID-19から回復した患者であった。また4例中3例で、陽性判定から14〜56日後に陰性となった。・がんコホートの対照コホート1に対するSARS-CoV-2感染の推定オッズ比は1.013(95%CI:0.209〜4.272、p=1)、対照コホート2のがんコホートに対する推定オッズ比は18.333(95%CI:6.056〜74.157)であった。 著者らは「無症状のウイルス保有者を発見し、ウイルス蔓延を回避するために、がん患者の定期的なSARS-CoV-2検査が勧められる」としている。

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レムデシビル、中等度COVID-19への効果は?/JAMA

 中等度の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、5日間のレムデシビル投与は標準的治療に比べ、11日目の臨床状態の改善が統計学的に有意であることが示された。10日間投与は標準的治療に比べ、同改善について統計学的な有意差は認められなかったという。ドイツ・ミュンヘン工科大学Rechts der Isar大学病院のChristoph D. Spinner氏らが、596例の入院患者を対象に行った国際共同無作為化試験で明らかにした。レムデシビルは、重症COVID-19患者を対象としたプラセボ対照試験で、臨床的ベネフィットがあることが示されているが、中等度の患者への効果は不明であった。なお、5日間投与で有意差が示された結果について著者は、「示された有意差の臨床的意義については不確実である」と述べている。JAMA誌オンライン版2020年8月21日号掲載の報告。レムデシビル5日、10日投与の有効性を標準的治療と比較 研究グループは、レムデシビル5日間または10日間投与の投与開始後11日時点の臨床状態について、標準的治療と比較する非盲検無作為化試験を行った。 2020年3月15日~4月18日に、米国、欧州、アジアの105病院で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染による中等度のCOVID-19肺炎を発症した入院患者を登録した。中等度COVID-19肺炎の定義は、X線所見による肺浸潤と室内気動脈血酸素飽和度94%超とした。 被験者を1対1対1の割合で無作為に3群に分け、レムデシビル(初回200mg/日、翌日から100mg/日)10日間静脈投与(197例)、同5日間静脈投与(199例)、標準的治療(200例)を、それぞれ実施した。 主要エンドポイントは、11日目の臨床状態で、7ポイント順序尺度(死亡[カテゴリー1]~退院[カテゴリー7])で評価した。レムデシビル群と標準的治療群の差については、比例オッズモデルを用いてオッズ比(OR)を求めた。 最終フォローアップは2020年5月20日であった。レムデシビル10日投与群は標準的治療群と有意差なし、5日群で有意差 無作為化を受けた596例のうち、584例が試験を開始し、レムデシビル投与または標準的治療を受けた(年齢中央値57歳[四分位範囲:46~66]、女性227例[39%]、心血管疾患56%、高血圧症42%、糖尿病40%)。試験を完了したのは533例(91%)だった。レムデシビル5日群の投与期間中央値は5日、10日群は6日だった。 11日目の臨床状態は、レムデシビル5日群が標準的治療群に比べ良好で、7ポイント順序尺度で評価したORは1.65(95%信頼区間[CI]:1.09~2.48、p=0.02)だった。 一方で、レムデシビル10日群については、11日目の臨床状態は、標準的治療群と有意差は認められなかった(Wilcoxon rank sum検定のp=0.18)。 なお、28日目までに報告された死亡は、レムデシビル5日群2例(1%)、レムデシビル10日群3例(2%)、標準的治療群4例(2%)だった。また、レムデシビル治療群では標準的治療群と比べて、悪心(レムデシビル群10%vs.標準的治療群3%)、低カリウム血症(6% vs.2%)、頭痛(5% vs.3%)の発生頻度が高かった。

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新型コロナワクチンの国内第I相試験を開始/J&J

 ジョンソン・エンド・ジョンソンは2020年9月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスSARS-CoV-2に対するワクチン候補「Ad26.COV2.S」を用いた国内第I相臨床試験の開始について発表した。 本試験は、20~55歳までの健康な成人および65歳以上の高齢者の計250名を対象とし、「Ad26.COV2.S」の接種による安全性、反応原性、免疫原性の評価を行う。 この「Ad26.COV2.S」によるサル対象の前臨床試験は米国で行われており、一回の接種で中和抗体を含む強力な免疫反応を誘発し、接種後に感染防御することが明らかにされている。この良好なデータに基づき、7月から米国とベルギーにて第I/IIa相試験を実施しており、9月には第III相試験へと移行する予定。また、オランダ、スペイン、ドイツでの第IIa相試験も予定されている。「Ad26.COV2.S」について SARS-CoV-2のワクチン候補である「Ad26.COV2.S」は、アデノウイルスの血清型26(Ad26)を使用した組換体ベクターワクチン。同社のAdVac(R)技術(新規ワクチン候補の迅速な開発と最適なワクチン候補の大量生産を可能にする)を活用し、非増殖型アデノウイルス26をベクターとして、SARS-CoV-2に特徴的なスパイクタンパク質の遺伝子情報を組み込み、接種後に体内の免疫系を刺激してSARS-CoV-2に対する抗体を作り出す。この技術は、欧州で承認されたエボラウイルスワクチン、さらに開発中のジカウイルス、RSウイルス、およびHIVの各ワクチン候補における臨床試験でも使用され、これまで9万例以上に投与した実績を有している。

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