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コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。 株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”の会員で20~69歳、東京・神奈川・千葉・埼玉に在住の300人を対象に実施した。同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2021年2月19日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~69歳)で東京・神奈川・千葉・埼玉在住者アンケート結果の概要・花粉症が「現在ない」と回答した割合は46.3%、花粉症歴が「長い」は26.0%、「中間」は16.0%、「短い」は11.7%・花粉症歴が「長い」と回答した人ほど、医療機関を「毎年、受診している」が多い結果に・花粉症の強さが「軽症」と回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に。「中等症」「重症」と回答した人は、医療機関を「毎年、受診している」が最多に・花粉症の三大症状の「鼻水」「目のかゆみ・痛み・涙」「くしゃみ」は70%以上に・花粉症の症状で「鼻水」を回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に・コロナ禍により、花粉症の症状で病医院の受診を控えるかは、「そう思う」42.9%が「そう思わない」24.8%を上回ったアンケート結果の概要 「花粉症と自覚した時期」について聞いたところ、「現在、花粉症でない」が46.3%で最多であり、次に「長い」(約15年超)が26.0%、「中間」(約5~15年)が16.0%、「短い」(最近~5年以内)が11.7%だった。※以下は「花粉症歴があると回答した161人」の回答 「花粉症の症状」を聞いたところ、「鼻水」、「目のかゆみ・痛み・涙」がともに77.0%で最も多く、次に「くしゃみ」が73.9%、「鼻づまり」が56.5%、「だるい、ボーっとする」が26.1%と多かった。 「花粉症の強さを自身の判断」で聞いたところ、「軽症」が47.2%で最も多く、次に「中等症」が42.2%、「重症」が8.1%だった。 「花粉症対策として病医院の処方箋・市販薬も含め服用・使用している薬」について聞いたところ、「飲み薬(1種類)」が42.9%と最も多く、次に「点眼薬」が32.9%、点鼻薬が21.1%と上位を占めた。その一方で、「薬を服用、使用していない」が29.2%いた。薬に頼らずに我慢する患者の存在もうかがわれた。 「花粉症の理由で病院に受診したことがあるか」を聞いたところ、「1度も受診したことがない」が45.3%で最も多く、「その年の症状により受診」が32.3%、「毎年、受診している」が22.4%だった。花粉症軽度の割合が多いことから医療機関へ受診につながらないことが推定された。 「今シーズン(2021年春季)、花粉症の治療のために病院を受診するか」を聞いたところ、「受診する予定はない」が70.2%と最多で、「受診する予定」が18.0%、「すでに受診した」が11.8%だった。花粉症診療へ消極的な動きが判明した。 「昨今のコロナ禍により病医院へ受診することを控えようと思うか」を聞いたところ、「非常に」「やや」を足し合わせた「そう思う」が42.9%、「どちらともいえない」が32.3%、「あまり思わない」「まったく思わない」を足し合わせた「そう思わない」の24.8%と診療を控える傾向がうかがわれた。 「花粉症で病医院を受診する決め手」を聞いたところ、「病医院で処方される薬の方がドラッグストアなどの市販薬より、効果があるから」が34.2%で最も多く、次に「病医院で処置・治療してもらうと効き目があるから」が26.7%、「病医院を受診することで安心感を得たいから」が19.9%と上位を占めた。受診の決め手となる動機では、医療機関から処方される治療薬への期待がうかがわれた。

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AZ社の新型コロナワクチン、接種間隔は3ヵ月が有益/Lancet

 ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの2回接種は、主要解析の結果、中間解析と一致して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し有効であることが確認された。探索的事後解析では、パンデミックにおける供給不足時にできるだけ早く大多数の住民にワクチンを行き渡らせるための短い接種間隔プログラムより、3ヵ月の接種間隔のほうが2回目接種後の予防効果が改善しており利点があることも示された。英国・オックスフォード大学のMerryn Voysey氏らオックスフォード・ワクチン・グループが、AZD1222ワクチンに関する4つの臨床試験の統合解析結果を報告した。AZD1222ワクチンは、英国の医薬品・医療製品規制庁により標準用量を4~12週間の間隔で2回接種する緊急使用が承認され、英国でのワクチン導入計画では、ハイリスクの人々を対象にただちに初回接種を行い、12週間後に2回目接種を行うことになっていた。Lancet誌オンライン版2021年2月19日号掲載の報告。4試験の統合主要解析と接種間隔別等の探索的事後解析を実施 研究グループは、単盲検無作為化比較試験である英国の第I/II相試験「COV001試験」および第II/III相試験「COV002試験」、ならびにブラジルの第III相試験「COV003試験」と、二重盲検無作為化比較試験である南アフリカの第I/II相試験「COV005試験」について、事前に設定されていた統合解析に主要解析と、探索的事後解析を行った。 試験では、18歳以上の健康成人がChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種群(標準用量として5×1010のウイルス粒子を2回接種)、または対照群(対照ワクチンまたは生理食塩水)に1対1の割合で無作為に割り付けられ、英国の試験では、一部の被験者に、1回目は低用量(ウイルス粒子2.2×1010)、2回目は標準用量を接種した。 主要評価項目は、ウイルス学的に確定された症候性COVID-19で、2回目接種後14日以降に1つ以上の特定症状(37.8度以上の発熱、咳嗽、息切れ、嗅覚消失/味覚消失)を認め、核酸増幅検査(NAAT)陽性と定義した。副次有効性解析には、初回接種後22日以降の発症例を組み込んだ。また、免疫測定法および疑似ウイルス中和抗体価で評価した抗体反応を探索的評価項目とした。 主要解析対象集団は、盲検化された独立評価委員会により判定されたNAAT陽性のCOVID-19患者で、ベースライン時にSARS-CoV-2のN蛋白血清反応陰性かつ2回目接種後に最低14日間追跡調査が行われ、NAATで過去のSARS-CoV-2感染の証拠がないすべての被験者であった。安全性解析対象集団には、最低1回の接種を受けた全被験者が含まれた。ワクチン有効率、全体66.7%、標準用量2回接種(接種間隔12週間以上)81.3% 2020年4月23日~12月6日の期間に4つの試験で2万4,422例が登録され、そのうち1万7,178例が主要解析に組み込まれた(ワクチン接種群8,597例、対照群8,581例)。データカットオフ日は、2020年12月7日であった。 主要評価項目を満たした症候性COVID-19患者は計332例発生した。ワクチン群84例(1.0%)、対照群248例(2.9%)で、ワクチンの有効率は66.7%(95%信頼区間[CI]:57.4~74.0)であった。初回接種後21日以降に、COVID-19による入院はワクチン群では確認されず、対照群で15例認められた。 重篤な有害事象は、ワクチン群0.9%(108/1万2,282例)、対照群1.1%(127/1万1,962例)に確認された。接種と関連がないと思われる死亡が7例(ワクチン群2例、対照群5例)発生し、うち対照群の1例はCOVID-19関連死であった。 探索的解析の結果、標準用量単回接種後、22~90日間におけるワクチンの有効性は76.0%(95%CI:59.3~85.9)であった。モデル解析では、初回接種から最初の3ヵ月間で感染予防効果は減弱しないことが示唆された。また、この期間中の抗体価は維持されており、90日目までの低下は最小限であった(幾何平均比[GMR]:0.66、95%CI:0.59~0.74)。 さらに、標準用量2回接種者において、プライム/ブースト(1回目と2回目)の間隔は、長いほうが短期間の場合より2回目接種後の有効性が高かった(有効率:12週間以上81.3%[95%CI:60.3~91.2]、6週間未満55.1%[95%CI:33.0~69.9])。18~55歳の被験者では、接種間隔が12週間以上の場合、6週間未満と比較して抗体価が2倍以上高いことが示唆された(GMR:2.32、95%CI:2.01~2.68)。

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ファイザーの新型コロナワクチン、イスラエルで高い有効性を実証/NEJM

 PfizerとBioNTechによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン「BNT162b2」の推定有効率は、2回接種後で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対しては92%、症候性COVID-19に対しては94%、重症COVID-19には92%と、いずれも高いことが報告された。イスラエル・Clalit Health ServicesのNoa Dagan氏らが、イスラエル最大のヘルスケア組織(HCO)からのデータを用いて、約60万人のワクチン接種者と非接種の適合対照者について行った試験で明らかにした。COVID-19に対する集団予防接種キャンペーンが世界各地で開始されている中、ワクチンの有効性は非コントロール下で多様な集団におけるさまざまなアウトカムの評価が必要となっている。著者は、「今回の試験結果は、全国的なワクチン集団接種について評価したもので、mRNAワクチンBNT162b2がさまざまなCOVID-19関連アウトカムに対して有効であることを示し、無作為化試験の結果と一致する所見が得られた」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。SARS-CoV-2感染、COVID-19による入院や重症などへの有効性を検証 研究グループは、イスラエル最大のHCO「Clalit Health Services(CHS)」の加入者データを基に、2020年12月20日~2021年2月1日に、BNT162b2の接種者と、人口統計学的・臨床的特徴に基づき適合した非接種対照者を対象とした試験を行った。 アウトカムは、記録されたSARS-CoV-2への感染、症候性COVID-19、COVID-19による入院、重症疾患、死亡だった。各アウトカムについて、Kaplan-Meier推定法を用いて、ワクチンの有効性(1-リスク比)を推算し評価した。推定有効率は年齢群を問わず同等 ワクチン接種群と適合対照群には、それぞれ59万6,618人が包含された。 ワクチン初回接種後14~20日後のワクチン推定有効率は、記録されたSARS-CoV-2への感染が46%(95%信頼区間[CI]:40~51)、症候性COVID-19は57%(50~63)、COVID-19による入院は74%(56~86)、重症疾患は62%(39~80)だった。 ワクチン2回目接種後7日以降の同値は、それぞれ92%(95%CI:88~95)、94%(87~98)、87%(55~100)、92%(75~100)だった。 また、ワクチン初回接種後14~20日後の、COVID-19による死亡に関するワクチン推定有効率は72%(95%CI:19~100)だった。 記録されたSARS-CoV-2への感染と症候性COVID-19について評価した、特定サブ集団における推定有効率は、年齢群を問わず同等だった。ただし、複数の併存疾患者においてはわずかだが有効性が低下する可能性が示された。

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第47回 「発症10日したらもう他人に感染させない」エビデンス明示で、回復患者受け入れは進むか?

全国医学部長病院長会議がコロナ重症症例診療で見解こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。春本番、プロ野球のキャンプも日米で本番を迎えています。春の沖縄キャンプ地巡りが大好きな知人がいて、ある時、スポーツニュースを観ていたらバックネット裏にスカウトのように陣取る姿が映り、驚いたことがあります。今年のキャンプは無観客なので、そういった楽しみや驚きもなく、寂しいものです。そんな中、景気のいい話もあります。2月25日、東北楽天ゴールデンイーグルスは田中将大投手に特化したファンクラブの申し込みを同日開始したところ、10人限定の年会費180万円のコースが14分で完売した、と発表しました。また、1,000人限定の1万8,000円のコースも4時間余りで完売したそうです。楽天ファンでもない私でも1万8,000円なら安い、と思いエントリーしようと考えたくらいです。ことほど左様に私を含めた誰もがスポーツ観戦など外に出かけたくうずうずしている今日このごろですが、首都圏以外の6府県の緊急事態宣言が28日で解除されました。各府県は飲食店への営業時間の短縮要請などを徐々に緩和するとのことですが、暖かさに誘われ、飲み会も増えていきそうです。英国型の変異株は実行再生産数を0.4〜0.7引き上げるとの報告もあります。第4波到来の可能性は割と高いのでは、と思いますが、皆さんいかがでしょう。少々状況が落ち着いてきた中、全国医学部長病院長会議は2月24日、「新型コロナウイルス重症症例診療を担う医療施設に関する見解」を、会長の湯澤 由紀夫氏(藤田医科大学病院 院長)と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わる課題対応委員会委員長の瀬戸 泰之氏(東京大学医学部附属病院 院長)の連名で公表しました。前回、「第46回 第4波を見据えてか!? 厚労省が『大学病院に重症患者を受け入れさせよ』と都道府県に事務連絡」では、大学病院、中でも国立大学病院の動きが鈍い、と書きましたが、全国医学部長病院長会議が自ら、今後の大学病院の役割について対外的に見解を公表したのは大きな意味がある、と言えるでしょう。「今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべき」見解では、「今後、また未曾有の感染症が襲ってくるときに備えるためにも、わが国の緊急時医療体制の構築を再考する絶好の機会ととらえている。このような重症症例診療を行いうる医療体制の構築に相応の時間を要するのは自明であり、平時よりの備えが肝要である」として、今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべきだと訴えました。具体的には、コロナの重症者の治療は「高度かつ統制のとれたチームワークのもと治療を行なわなければならない」として、「重症症例の診療は大学病院、救命救急センターなど、従来より高度な集中治療を行ってきた医療施設が中心的に担うべき」としました。一方で、大学病院や救命救急センターなどでは、「新型コロナウイルス感染症の重症患者への診療」と共に「新型コロナウイルス感染症以外の高度医療」を提供しなければならならず、「通常診療の維持を前提とした新型コロナウィルス重症症例診療に必要な医療体制確保について、実態ニーズを踏まえたものとなるよう検討いただきたい」としています。その上で、「新型コロナウィルス重症治療は これまでにない総合的かつ統合的な加療であり、通常の重症肺炎診療とは異なるものでもあり、施行するにあたり相応の診療報酬が病院運営上必須である」と、報酬上の手当も国に求めました。端的に言えば、「コロナの重症者には通常診療と並行して取り組むが、相応のお手当はお願いします」ということのようです。「後方病床あるなら大学病院も頑張る」私自身がとくに重要だと思ったのは、後半の連携に関するくだりです。見解では、「円滑な重症症例病床運用のためには、重症症例を診る施設がその治療に集中するため、軽快ないしは改善した場合の後方病床確保も重要な課題となる」と指摘、「特に、重症から回復した高齢者が退院基準を満たしても、そのまま自宅退院できることはまれであり、後方病床に移送できなければ重症病床の活用に支障が生じる。医療状況が逼迫している折、そのような医療提供体制の役割分担を推進することは医療効率化のためにも極めて重要」と、回復した患者の受け入れる後方病床の整備を強く求めています。「後方病床を整備してくれるなら、大学病院も頑張るよ」とも読めるのですが、確かに回復した患者の引き受け手がなく、いつまでも大学病院に入院させていては、新規入院を受け入れることができないわけで、その体制をつくっておくことは重要です。ちなみに、見解では、後方病床の確保を“下り”の流れと表現しています。退院基準の見直し案と感染可能期間のエビデンス明示ちょうど第3波が収まり、比較的余裕が出てきた今こそ、それぞれの地域において後方病床の役割を果たす病院をきちんと決めておくべきです。ただ、地域のよっては、「コロナ回復患者引き受けます」と手を挙げる病院はまだまだ多くはないようです。“流れ”づくりの主役となるべきは、日本医師会、四病院団体協議会、全国自治体病院協議会によってつくられた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」だと思うのですが、これについては前回書いたので今回は触れません。実は、先々週にも回復患者引き受けに関連した動きがありました。厚生労働省は2月18日の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田 隆字・国立感染症研究所所長)の第24回会合に対し、新型コロナウイルス感染症の退院基準の見直し案を提示、あわせて発症からの感染可能期間などのエビデンスも提示したのです。退院基準見直し案では、有症状者については人工呼吸器等による治療の有無別に分け、治療を行った場合には発症日から15日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合に退院可能とするが、「発症日から20日間経過するまでの間は、適切な管理を行う」などの条件を付けました。他方、人工呼吸器等治療を行わない場合(軽症・中等症)については現行通り(1.発症日から10日間経過し、かつ症状軽快72時間経過した場合に退院可能とする。2.症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ 2回のPCR検査又は抗原定量検査で陰性を確認できれば、退院可能とする)としました。軽症・中等症は「現行通り」でも大丈夫な理由・エビデンスについては、「軽症・中等症において、感染性のあるウイルス粒子の分離報告は 10 日目以降では稀であり、これら の症例において、症状が消失してからも長期的にウイルス RNA が検出される例からの二次感染を認める報告は現時点では見つからなかった」とし、「退院後のPCR 再陽性例における感染性や、再陽性例からの二次感染を認める報告も現時点では見つからなかった」としています。医療機関だけでなく一般にもアピールすべきでは要するに、「発症日から10日したらもう他人に感染させない」「症状軽快後、PCR陽性が続く場合も他人に感染させない」というわけです。厚労省としては、この見直し案とエビデンスによって、一般病院や介護施設での回復患者の受け入れが進み、重症病床の回転が良くなることを期待しているわけですが、本当に地域でそうした“流れ”が普通に構築されることを期待したいと思います。ところで、なぜこの事実(エビデンス)を、医療機関だけでなく一般にももっと広く、強くアピールしないのでしょう。何かまた、「国民があらぬ誤解する」とでも国は考えているのでしょうか(新型コロナウイルス感染症は発症の数日前から感染力が高まることを、国は昨年の感染拡大当初、国民に知らせるのをためらっていた、と聞いています)。少々、謎です。このエビデンスがしっかり世の中に浸透すれば、それこそ報酬さえ手厚くすれば後方病院は回復患者受け入れに手を挙げるでしょうし、問題となっている職場における理不尽な感染者差別(復職後に陰性証明を要求されたり、在宅勤務を強制されたり人が出ているそうです)なども減ると思うのですが…。

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新型コロナ、医療者の転帰不良リスクはあるか?

 医療従事者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクが高いが、感染後の転帰不良リスクはあるのか。北米の医療者127例を対象として後ろ向き観察コホート研究の結果が発表された。JAMA Network Open誌2021年1月28日号掲載の報告。 2020年4月15日~6月5日までに北米の36施設で確認された、1,992例のCOVID-19成人患者が対象に含まれた。データ解析は2020年9月10日~10月1日に行われ、患者のベースライン時の特性、併存疾患、症状、治療法および転帰に関するデータが収集された。 主要評価項目は人工呼吸器の利用または死亡の複合エンドポイントだった。 主な結果は以下のとおり。・解析されたのは1,790例で、内訳は医療従事者127例と非医療従事者1,663例だった。3:1の傾向スコアマッチングが行われ、122例の医療従事者と366例の非医療従事者がマッチングされた。・女性は医療従事者で71例(58.2%)、非医療従事者で214例(58.5%)、平均年齢(SD)は医療従事者で52(13)歳、非医療従事者で57(17)歳だった。・複合エンドポイントについて、両者の間に有意差はなかった(補正後オッズ比:0.60、95%信頼区間:0.34~1.04)。・医療従事者は集中治療室への入院を必要とする可能性が低く(0.56、0.34~0.92)、7日以上の入院を必要とする可能性も低かった(0.53、0.34~0.83)。・人工呼吸器の利用(0.66、0.37~1.17)、死亡(0.47、0.18~1.27)、昇圧薬の利用(0.68、0.37~1.24)についても、両者の間に有意差はなかった。

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コロナワクチン「コミナティ」添付文書改訂、輸送・保管時の温度管理柔軟に

 2月14日に特例承認されたファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)について、3月1日付で添付文書が改訂された。薬剤の保存方法として、-25~-15℃で最長14日間の保存が可能である旨が追記された。 今回の改訂では、「薬剤調整時の注意」の細目として、新たに「保存方法」についての以下の記載が加わった。《保存方法》本剤は-90~-60℃から-25~-15℃に移し、-25~-15℃で最長14日間保存することができる。なお1回に限り、再度-90~-60℃に戻し保存することができる。いずれの場合も有効期間内に使用すること。 本件内容については、-25~-15℃における安定性試験成績に対する医薬品医療機器総合機構(PMDA)の評価を基に追記された。これによりファイザーは「本剤を輸送および保管する際の柔軟性が増すことが期待される」としている。

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特例承認から3日で接種開始した新型コロナワクチン「コミナティ筋注」【下平博士のDIノート】第69回

特例承認から3日で接種開始した新型コロナワクチン「コミナティ筋注」今回は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)ワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注、製造販売元:ファイザー)」を紹介します。本剤は、わが国で初めて承認されたCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対するワクチンであり、2回の筋肉内注射で発症を予防することが期待されています。<効能・効果>本剤は、SARS-CoV-2による感染症の予防の適応で、2021年2月14日に特例承認されました。なお、本剤の予防効果の持続期間は確立していません。本剤(コミナティ筋注[1価:起源株])に加えて、2022年1月にコミナティ筋注5~11歳用、2022年9月にコミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)、2022年10月にコミナティ筋注6ヵ月~4歳用およびコミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)が承認されています。<用法・用量>日局生理食塩液1.8mLにて希釈し、1回0.3mLを合計2回、通常3週間の間隔で筋肉内に接種します。3回目・4回目接種による追加免疫の場合、前回の接種から少なくとも3ヵ月経過した後1回0.3mLを筋肉内に接種します。副反応が現れることがあるので、接種後は一定時間観察を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行います。本剤の初回接種時にショック、アナフィラキシーが認められた被接種者に対しては、本剤2回目の接種を行わないこととされています。<薬剤調製時の注意>※抜粋本剤は-90~-60℃から-25~-15℃に移し、-25~-15℃で最長14日間保存できます。なお1回に限り、再度-90~-60℃に戻し保存することができます。冷蔵庫(2~8℃)で解凍する場合は、2~8℃で1ヵ月間保存することができます。希釈後の液は2~30℃で保存し、希釈後6時間以内に使用します。<安全性>海外第I/II/III相試験(C4591001試験)の第II/III相パート(プラセボ対照無作為化多施設共同試験)において、本剤接種群(2回接種後)の安全性評価対象3,758例で報告された主な副反応は、注射部位疼痛2,730例(72.6%)、疲労2,086例(55.5%)、頭痛1,732例(46.1%)、筋肉痛1,260例(33.5%)などでした。また、Grade3以上の有害事象が2%を超えたものは、疲労143例(3.8%)と頭痛76例(2.0%)でした。<患者さんへの指導例>1.ワクチンを接種することで新型コロナウイルスに対する免疫ができ、新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。2.本剤の接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。3.医師による問診、検温および診察の結果から、接種できるかどうかが判断されます。発熱している人などは、本剤の接種を受けることができません。4.合計2回を3週間の間隔で筋肉内に接種します。1回目の接種から3週間を超えた場合は、できる限り速やかに本剤の2回目の接種を受けてください。5.本剤の接種直後または接種後に、心因性反応を含む血管迷走神経反射として、失神が現れることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機し、帰宅後もすぐに医師と連絡をとれるようにしておいてください。6.接種後は健康状態に留意し、接種部位の異常や体調の変化、高熱、痙攣など普段と違う症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。<Shimo's eyes>本剤は、わが国で初めて承認された新型コロナウイルス感染症の発症予防を目的とするワクチンであり、有効成分はSARS-CoV-2のスパイクタンパク質をコードするmRNA(トジナメラン)です。海外C4591001試験における新型コロナウイルス感染症発症予防効果および本剤2回目接種後2ヵ月時点の安全性のデータに基づいて、米国では2020年12月11日に緊急使用許可(EUA:Emergency Use Authorization)が出され、欧州では同月21日に条件付き販売承認がされています。2021年2月時点ですでに世界70ヵ国以上で接種が行われており、わが国でもようやく医療従事者など向けの優先接種が始まりました。なお、優先接種対象となる医療従事者には薬局薬剤師も含まれることが通知されています。プラセボ群と比較した本剤の発症予防効果は、前述の試験によると95%と報告されており、1回目の接種12日目以降から発症者が少なくなっています。また、試験後に発症し、重症化した10例のうち1例が本剤群、9例がプラセボ群であり、本剤を投与することで重症化を防ぐことができる可能性もあります。効果の持続期間や毎年の接種が必要かどうかについてはまだ十分な見解が得られていません。副反応で最も懸念されるのはアナフィラキシーなどのアレルギー反応です。アナフィラキシーは全身の複数臓器に症状が現れるものであり、アナフィラキシーショックはそのうち血圧低下や意識障害を伴い、場合によっては生命を脅かす危険な状態に至るものです。アナフィラキシーは、迅速かつ適切に対応すれば命に関わることはほとんどないと考えられるので、患者さんが用語を混同して過度に恐れている場合はきちんと説明しましょう。なお、接種後にアナフィラキシーが生じた人の多くは、過去に食品や薬、その他の種類のワクチン、蜂の刺傷などによるアレルギー反応やアナフィラキシーの既往歴がありました。本剤は添加物としてポリエチレングリコール(PEG)を含有しているため、PEGやポリソルベートに重度な過敏症の既往がある人は禁忌となっています。しばしばアレルギー源となる鶏卵やゼラチン(安定剤)、チメロサール(防腐剤)、ラテックス(容器)は使用されていません。わが国の治験は、日本人160例を対象に行われ、海外と同様に免疫を獲得しています。副反応の報告も海外データとの差はなく、重篤なものはありませんでした。しかし、本剤は特例承認されたものであり、製造販売後も引き続き情報を収集する必要があります。有害事象が認められた際は、必要に応じて予防接種法に基づく副反応疑い報告制度を利用しましょう。※2021年5月・11月、2022年4月・10月に添付文書改訂により修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 コミナティ筋注2)ファイザー新型コロナウイルスワクチン医療従事者専用サイト3)コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)(コミナティ筋注)の使用に当たっての留意事項について(厚労省)

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第49回 米国FDAの大忙しの週末~ネアンデルタール人から授かったCOVID-19防御

米国FDAはこの週末大忙しだったに違いなく、25日木曜日にはPfizer/BioNTechの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症(COVID-19)予防ワクチン接種施設を増やしうる保管方法を許可し、25日と翌日26日には稀な病気2つの新薬と運動選手の脳を守る首輪を承認し、27日土曜日には大方の予想通りJohnson & Johnson(J&J)のCOVID-19ワクチンを取り急ぎ許可しました。25日に報告された興味深い研究成果、ネアンデルタール人から授かったと思しきCOVID-19防御因子の発見も併せて紹介します。COVID-19ワクチンをいっそう推進溶解前の冷凍状態のPfizerワクチンの保管温度はこれまで超低温の零下80~60℃とされてきましたが、より一般的な冷凍庫の温度である零下25~15℃で最大2週間保管することが許可されました1,2)。また、零下25~15℃での保管後に一回のみ零下80~60℃に戻すことが可能です。超低温冷凍庫をわざわざ購入する負担が減ってワクチンを扱える場所が増えるだろうとFDAの審査部門(Center for Biologics Evaluation and Research)長Peter Marks氏は言っています1)。Pfizerワクチンと違って受け取り後に冷凍不要のJ&JのCOVID-19ワクチンは26日金曜日の諮問委員会での満場一致の賛成の翌日27日土曜日に18歳以上の成人への使用が早々と取り急ぎ認可されました3)。J&Jのワクチンバイアルの針刺し前の保管温度は2~8℃であり、冷凍してはならず、最大12時間は9~25℃で保管可能です4)。J&Jは接種1回のそのワクチン2,000万人超への投与分を今月末までに出荷できる見込みです5)。また、今年前半には米国人口の約3分の1相当の1億人への投与分が出荷される予定です。稀な病気の新薬FDAは25日に稀な病気・デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療薬Amondys 45(casimersen)、翌日26日には世界での診断数150人未満の超稀な病気・モリブデン補因子欠損症(MoCD)A型の治療薬Nulibry(fosdenopterin)を承認しました。Amondys 45は筋肉細胞に必要なタンパク質ジストロフィンをエクソン45スキッピングという作用機序を介して増やします。その作用が通用する変異を有するDMD患者への同剤使用が承認されました6)。DMD患者のおよそ8%がその変異を有します。MoCD A型は男児3,600人あたりおよそ1人に生じるDMDよりさらに稀で、世界で確認されている患者数は150人未満です。Nulibry(fosdenopterin)はFDAが承認した初のMoCD A型治療薬となりました7)。10万人あたり0.24~0.29人の発生率と推定されるMoCD A型患者は遺伝子変異のせいでcPMP(環状ピラノプテリン一リン酸)という分子が作れません7,8)。Nulibry はcPMPを供給することで尿中の神経毒Sスルホシステインを減らします。Nulibryの生存改善効果が13人への投与で示されています。それらの患者の84%は3年間生存し、非投与群18人のその割合は55%でした。MoCD A型の患者数は診断数より多いらしく、米国と欧州(EU)で毎年22~26人が診断されないままと推定されています9)。運動選手の脳を守る”首輪”運動選手の頭部の衝撃から脳を守る首輪Q-Collarは26日に米国FDAに承認されました10)。頭部が衝撃を受けると頭蓋内で脳が揺れて神経が捻れたり切れたりして脳が傷みます。首にはめたQ-Collarは頸静脈を圧迫することで頭蓋内の血液量を増やして脳をより固定させ、衝撃を受けてもグラグラと揺れないようにします。米国の13歳以上のフットボールチーム員284人が参加した試験などでQ-Collarの効果や安全性が示されています。その試験でQ-Collarを使用した139人の脳のMRI写真を調べたところおよそ8割(77%)107人の神経信号伝達領域(白質)は無事でした。一方、非使用群145人では逆にほとんどの73%(106/145人)に有意な変化が認められ、Q-Collarの脳保護効果が示唆されました。Q-Collar使用に伴う有意な有害事象は認められませんでした。ネアンデルタール人から授かったらしいCOVID-19防御COVID-19患者最大1万4,134人と対照群最大128万人を調べたところ、RNAウイルスに対する自然免疫の一部を担うオリゴアデニル酸シンセターゼ(OAS)の一つ・OAS1の血中量が多いこととCOVID-19になり難いことやたとえCOVID-19になっても入院、人工呼吸器使用、死に至り難いことが示されました11,12)。さらに504人の経過を調べたところ血漿OAS1量が多いことは後にCOVID-19になり難いことやCOVID-19による入院や重病に至り難いことと関連しました。OAS1はいくつかの種類(アイソフォーム)があります。興味深いことに、数万年前にネアンデルタール人と交わったときに受け継いだp46というアイソフォームがどうやらCOVID-19防御作用を担うと示唆されました。幸いなことにOAS1を増やす前臨床段階の化合物13)が存在するのでそれらを最適化してCOVID-19への効果を臨床試験で調べうると著者は言っています。参考1)Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Allows More Flexible Storage, Transportation Conditions for Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine / PRNewswire2)EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) OF THE PFIZER-BIONTECH COVID-19 VACCINE TO PREVENT CORONAVIRUS DISEASE 2019 (COVID-19) / FDA3)FDA Issues Emergency Use Authorization for Third COVID-19 Vaccine / PRNewswire4)EMERGENCY USE AUTHORIZATION (EUA) OF THE JANSSEN COVID-19 VACCINE TO PREVENT CORONAVIRUS DISEASE 2019 (COVID-19) / FDA5)Johnson & Johnson COVID-19 Vaccine Authorized by U.S. FDA For Emergency Use / PRNewswire6)FDA Approves Targeted Treatment for Rare Duchenne Muscular Dystrophy Mutation / PRNewswire7)FDA Approves First Treatment for Molybdenum Cofactor Deficiency Type A / PRNewswire8)Nulibry PRESCRIBING INFORMATION9)BridgeBio Pharma and Affiliate Origin Biosciences Announce FDA Approval of NULIBRYTM (fosdenopterin), the First and Only Approved Therapy to Reduce the Risk of Mortality in Patients with MoCD Type A / GLOBE NEWSWIRE10)FDA Authorizes Marketing of Novel Device to Help Protect Athletes' Brains During Head Impacts / PRNewswire11)Zhou S,et al.Nat Med. 2021 Feb 25. [Epub ahead of print]12)Discovery: Neanderthal-derived protein may reduce the severity of COVID-19 / EurekAlert13)Wood ER, et al. J Biol Chem. 2015 Aug 7;290:19681-96.

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「COVID-19ワクチンに関する提言」、日本での安全性データ等追加/日本感染症学会

 2021年2月よりわが国でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が始まった。これを受けて、日本感染症学会(理事長:東邦大学医学部教授 舘田 一博氏)は、2月26日に「COVID-19ワクチンに関する提言」(第2版)を同学会のホームぺージで発表、公開した。 第1版は2020年12月28日に発表され、ワクチンの開発状況、作用機序、有効性、安全性、国内での接種の方向性、接種での注意点などが提言されていた。今回は、第1版に新しい知見を加え、とくにワクチンの有効性(変異株も含む)、ワクチンの安全性などに大幅に加筆があり、筋肉内注射に関する注意点の項目が新しく追加された。【ワクチンの有効性】・COVID-19ワクチンの有効性の追加 ファイザーの臨床試験:55歳以下で95.6%、56歳以上で93.7%、65歳以上で94.7%の有効率。しかし、75歳以上では対象者数が十分でなく評価できていない。 モデルナの臨床試験:65歳未満で95.6%、65歳以上で86.4%の有効率。それ以上の年齢層では評価されていない。 アストラゼネカの臨床試験:接種群における70歳以上の割合は5.1%にすぎず評価不十分。 いずれのワクチンも、75歳を超える高齢者での有効性については今後の検討課題であり、接種群で基礎疾患のある人の割合は、ファイザーの臨床試験で20.9%、モデルナで27.2%、アストラゼネカで24.7%と比較的多く含まれているものの、それぞれの基礎疾患ごとの有効性の評価は十分ではなく、今後検討が必要としている。【「変異株」とワクチンの効果】 提言では「SARS-CoV-2の変異速度は24.7塩基変異/ゲノム/年とされており、2週間に約1回変異が起き、その変異によってウイルスのタンパク質を構成するアミノ酸に変化が起こることがある」とされ、「とくにスパイクタンパク質のACE2との結合部位近くのアミノ酸配列に変化が起きると、SARS-CoV-2の感染性(伝播性)やワクチンで誘導される抗体の中和作用に影響が出る」と述べている。 また、イギリス変異株について、「感染力(伝播力)が36%から75%上昇すると推定されているものの、ファイザーのワクチンで誘導される抗体による中和作用には若干の減少がみられるが、ワクチンの有効性には大きな影響はない」としている。 一方、南アフリカおよびブラジルの変異株は、「COVID-19回復期抗体の中和作用から回避する変異であることが報告され、ワクチンの有効性に影響が出ることが懸念されている」としている。【ワクチンの安全性】・海外の臨床試験における有害事象 海外の臨床試験では、「活動に支障が出る中等度以上の疼痛が、1回目接種後の約30%、2回目接種後の約15%に、日常生活を妨げる重度の疼痛が、1回目で0.7%、2回目で0.9%報告された」と紹介している。また、「この接種後の疼痛は接種数時間後から翌日にかけてみられるもので、1~2日間ほどで軽快。注射の際の痛みは軽微と思われる」と推定している。そして、海外での高齢者や基礎疾患を有する者への接種では、「現在のところ死亡につながるなどの重篤な有害事象は問題になっておらず、COVID-19に罹患して重症化するリスクに比べるとワクチンの副反応のリスクは小さいと考えられる」と考えを示している。・わが国での臨床試験における有害事象 ファイザーのCOVID-19ワクチン「コミナティ筋注」では、海外での臨床試験の結果と比べ、「局所の疼痛、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛はほぼ同等、悪寒の頻度がやや高くなっている。発熱は、37.5℃以上対象(国内定義/海外定義は38℃以上)で1回目が10%、2回目が16%と高い頻度だったが、発熱者のほぼ半数を37.5~37.9℃の発熱が占めているため、その割合は海外の結果と大きな違いはなかった」としている。・mRNAワクチンによるアナフィラキシー 1回目接種直後のアナフィラキシーの報告について、米国での当初の調査では、「100万接種あたりのアナフィラキシーの頻度が、ファイザーのワクチンで11.1、モデルナのワクチンで2.5と、すべてのワクチンでの1.31に比べて高くなっている。両ワクチンのアナフィラキシーに関する報告をまとめると、女性が94.5%を占め、アナフィラキシーの既往をもつ者の割合は38.7%、接種後15分以内に77.4%、30分以内に87.1%が発症している。その症状は、ほとんどが皮膚症状と呼吸器症状を伴うもので、アナフィラキシーショックを疑わせる血圧低下は1例のみだった。なお、その後の米国の調査で、アナフィラキシーの頻度は両ワクチン合わせて100万接種あたり4.5」と報告している。【国内での接種の方向性】 優先接種対象者として(1)医療従事者などへの接種、(2)65歳以上の高齢者、(3)高齢者以外で基礎疾患を有する者、および高齢者施設など(障害者施設などを含む)の従事者の順番で接種を進める予定と追記するとともに、妊婦については、「『妊婦および胎児・出生時への安全性』が確認されていないため、現時点では優先接種対象者には含まれていない。国内外の臨床試験において『妊婦などへの安全性』が一定の水準で確認された時点で再検討すべきと考えている」と方向性を示している。【筋肉内注射に関する注意点】・接種部位と接種方法 接種部位は上腕外側三角筋中央部で、成人では肩峰から約5cm(3横指)下にあたる。標準的には22~25G、長さ25mmの注射針で、皮膚面に90℃の角度で注射。なお「COVID-19ワクチンの臨床試験ではすべて三角筋外側中央部に接種されており、その他の部位への接種の有効性については検証されていないとし、臀部への接種は、坐骨神経損傷の可能性があることと皮下脂肪のために筋肉内に針が届かない懸念もあることから推奨されていない」としている。 そのほか「逆流を確認は不要」、「接種する腕は、利き手ではない側に接種することが望ましい」、「接種後は注射部位を揉む必要はない」などの具体的な接種方法が示されている。・接種時の感染対策 接種時の感染対策として「接種者は、マスクを着用するとともに、被接種者ごとに接種前後の消毒用アルコールによる手指衛生が必要」とし、「手袋を着用する場合は被接種者ごとに交換が必要であり、手袋着用前と脱いだ後に手指消毒が必須」としている。・接種後の発熱・疼痛に対する対応 接種後の発熱や疼痛に対し「アセトアミノフェンや非ステロイド性解熱鎮痛薬を使用することは可能。ただし、発熱・疼痛の出現する前にあらかじめ内服しておくことは望ましくない」としている。その理由として「解熱鎮痛薬の投与が免疫原性に影響を与える可能性があるため」と説明している。 提言では、ワクチンの有効性と安全性を評価したうえで、ワクチン接種を望む一方で、「ワクチン接種を受けることで安全が保証されるわけではなく、接種しても一部の人の発症、無症状病原体保有者として人に感染を広げる可能性があること」についても注意をうながし、COVID-19の蔓延状況が改善するまでは、マスク、手洗いなどの基本的な感染対策の維持を推奨している。

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第44回 新型コロナワクチンの副反応疑い報告は3例、いずれも軽症

<先週の動き>1.新型コロナワクチンの副反応疑い報告は3例、いずれも軽症2.高齢者のワクチン供給は6月末まで、一般向けは7月以降か3.新型コロナ変異株の国内監視体制を強化へ4.育休促進に「男性版産休」が新設、早ければ2022年10月から5.薬事承認されていない研究用抗原検査キットに注意/日本医師会1.新型コロナワクチンの副反応疑い報告は3例、いずれも軽症医療従事者へ先行接種が開始されている新型コロナウイルスワクチンの副反応について、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会が2月26日に開催され、接種した人のうち、0.014%に当たる3例に副反応が疑われる症状が発生したことが確認された。報告された副反応疑い事例はじんましんなどの軽症であり、当初懸念されていたアナフィラキシーなどは生じていない。厚労省は今後も専門家による検討部会を定期的に開催して、ワクチンの安全性について確認を行っていく予定。(参考)第52回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第12回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(厚労省)資料 新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等について(同)新型コロナワクチンの接種実績(同)2.高齢者のワクチン供給は6月末まで、一般向けは7月以降か河野 太郎規制改革相は26日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの供給目途が立ったとして、65才以上の高齢者向けのワクチン接種について、6月末までに全国の自治体に配送を完了する見通しを発表した。医療従事者や高齢者以外の一般向けについては7月以降となる見込み。27日にオンラインで開催された全国知事会新型コロナ対策本部の会合において、各自治体から国に対して、いつまでに国民の何割の接種を目指すのかを早期に明らかにした上で、ワクチンの種類や量、供給時期、副反応などの情報を含め、より具体的に供給スケジュールや配分量などについて速やかに示すことを求める「今後の新型コロナウイルス感染症対策についての緊急提言」が出されている。(参考)高齢者向けワクチン 6月末までに全国に配送の見通し 河野大臣(NHK)今後の新型コロナウイルス感染症対策についての緊急提言(全国知事会)3.新型コロナ変異株の国内監視体制を強化へ厚労省と文科省は、各都道府県や国立大学に対して、新型コロナウイルスの変異株について、地域で連携してPCRなどの検査体制を整備するよう求める通知を2月19日に発出した。イギリスや各国では昨年12月から新型コロナウイルスの変異株による感染者の急激な増加が報告されており、わが国でも昨年12月28日にイギリスや南アフリカから帰国した渡航者から新型コロナウイルスの変異株が検出されている。国内での変異株感染例は検疫所での検出例を含め、2月25日時点で202人に上っている。3月から全国の地方衛生研究所において、新型コロナウイルスの変異株を短時間で検出するPCR検査を実施する体制を整備し、監視を強化する予定。(参考)変異ウイルス監視体制強化 3月から全国で短時間検査実施へ(NHK)大学等と自治体が連携した地域における検査体制の整備等について(事務連絡 令和3年2月19日)(厚労省)新型コロナウイルス感染症(変異株)の患者の発生について(同)4.育休促進に「男性版産休」が新設、早ければ2022年10月から政府は26日に男性が妻の出産直後に育児休業を2週間取得できる育児休業制度「出生時育休」の導入を含む、育児・介護休業法などの改正案を閣議決定した。1月27日に開催された労働政策審議会雇用環境・均等分科会で提出された「男性の育児休業取得促進策等について」の建議の中で、少子化対策の一環として、男性の育児休業取得や育児参画を促進する取り組みを推進するために、男性版産休が提案されていた。この中で、従業員1,001人以上の大企業には男性の育児休業および育児目的休暇の取得率の公表義務付けも検討されている。なお、男性の育休取得期間は、賃金の67%と通常の育休と同率が支給されることが明らかになっている。(参考)資料 男性の育児休業取得促進策等について(建議)(厚労省)出生時育休、来年10月にも 改正案を閣議決定(時事通信)5.薬事承認されていない研究用抗原検査キットに注意/日本医師会日本医師会は2月26日に開催された定例記者会見で、インターネットやドラッグストアなどで薬事承認されていない研究用の抗原検査キットが販売されており、購入者がこれにより感染の判断ができると誤認する可能性があり、きわめて大きな問題と憂慮するとともに、日本医師会の見解を発表した。(1)医療に供する、薬事承認された体外診断薬を販売するものに対しては、医療機関以外へ販売しないよう、厚生労働省による指導を徹底すべき(2)感染症法の適用範囲については、薬事承認の有無を問わず、感染症に関連した検査用製品の販売まで適用対象を拡大すべき(3)こうした法的な対応が取られるまでの間は、感染症法第16条の2の理念を踏まえ、感染症に係る研究資材を製造販売している企業は、販売先および販売数を厚労省に対して報告を行う(4)こうした製品を現に使用している者は、症状の有無、使用した結果にかかわらず医療機関に相談する厚労省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部も2月25日に、都道府県や保健所設置市などに対して、薬機法に基づく承認を受けておらず、製品の性能が確認されたものでない研究用抗原検査キットは、消費者の自己判断により、新型コロナウイルス感染症の罹患の有無を調べる目的で使用すべきでないこと、発熱などの症状がある人で、新型コロナウイルス感染症の罹患が疑われる場合には、受診相談センターまたは医療機関に相談することを求める事務連絡を通知した。(参考)感染症法にかかる検査キットの販売について(日本医師会)新型コロナウイルス感染症の研究用抗原検査キットに係る留意事項について(周知依頼)(厚労省)

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死亡例の約2割がCOVID-19、アフリカ・ザンビアの首都調査/BMJ

 アフリカでは、南アフリカ共和国を除き、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染範囲や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響についてほとんど知られていない。米国・ボストン大学公衆衛生大学院のLawrence Mwananyanda氏らは、ザンビア共和国のルサカ市でCOVID-19の死亡への影響についてサーベイランス研究を行った。その結果、予想に反して、同市の約3.5ヵ月間の死者の約2割がCOVID-19で、COVID-19が確認された死亡例の年齢中央値は48歳、66%が20~59歳であることなどが明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2021年2月17日号に掲載された。アフリカは、COVID-19のデータがないため、COVID-19はアフリカを飛び越えて伝播し、影響はほとんどないとの言説が広く醸成されている。これは、「エビデンスはない」が、「非存在のエビデンス」として広範な誤解を招く好例とも考えられている。アフリカの都市部での系統的死後サーベイランス研究 研究グループは、アフリカの都市部におけるCOVID-19の死亡への影響を直接的に評価する目的で、プロスペクティブな系統的死後サーベイランス研究を行った(Bill & Melinda Gates財団の助成による)。 対象は、ザンビアで最大規模の3次病院であるルサカ市のUniversity Teaching Hospital(UTH、他施設からの紹介を含め市の80%以上の死亡を登録)の死体安置所で、死後48時間以内に登録された全年齢層の死亡例であった。 死後の鼻咽頭拭い液を用いて、定量逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法でSARS-CoV-2の検査を行った。死亡例は、COVID-19の状況、死亡場所(施設[UTH] vs.市中[UTH以外でのすべての死亡で、他施設からUTHへの紹介を含む])、年齢、性別、リスク因子としての基礎疾患で層別化された。 2020年6月15日~9月30日の期間に死亡した372例が試験に登録された。PCR検査の結果は364例(97.8%)で得られ、施設が96例(26.4%)、市中が268例(73.6%)であった。患者がまれではなく、検査が少ないから過少報告に SARS-CoV-2は、PCR法の推奨サイクル閾値(CT値)である<40サイクルによる測定では15.9%(58/364例)で検出された。CT値を40~45サイクルに拡張すると、さらに12例でSARS-CoV-2が同定され、死亡例の陽性率は19.2%(70/364例)となった。このうち69%(48/70例)が男性だった。 SARS-CoV-2陽性死亡例の死亡時年齢中央値は48歳(IQR:36~72)で、このうち市中死の患者は47歳(34~72)、施設死の患者は55歳(38~73)だった。COVID-19が確認された死亡例の割合は年齢が高くなるに従って上昇したが、76%(53例)は60歳未満であり、このうち46例(66%)は20~59歳だった。 COVID-19が確認された死亡例の多くは市中死(73%[51/70例])であり、このうち死亡前にSARS-CoV-2の検査を受けた患者はいなかった。施設死(27%[19/70例])では、死亡前にSARS-CoV-2検査を受けていたのは6例のみだった。 COVID-19が確認された死亡例の症状に関するデータは70例中52例で得られ、このうち44例(63%)でCOVID-19に典型的な症状(咳、発熱、息切れ)が認められたが、死亡前にSARS-CoV-2検査を受けていたのは5例のみだった。 19歳未満では、7例(10%)でCOVID-19が確認され、このうち死亡前に検査を受けたのは1例のみであった。年齢別の内訳は、1歳未満が3例で、3歳、13歳、16歳が1例ずつ(いずれも市中死)であり、1歳の1例のみが施設死だった。 COVID-19死亡例で最も頻度の高い合併症は、結核(22例[31%])、高血圧(19例[27%])、HIV/AIDS(16例[23%])、アルコール乱用(12例[17%])、糖尿病(9例[13%])であった。 著者は、「COVID-19が確認された死亡例のほとんどは、検査能力のない市中死であったが、施設死であっても、COVID-19の典型的な症状を呈しているにもかかわらず、死亡前に検査を受けた患者はほとんどいなかった。したがって、COVID-19患者がまれだったためではなく、検査がまれにしか行われなかったことが原因で、COVID-19の報告が過少であったと考えられる」とまとめ、「これらのデータが一般化可能であるとすると、アフリカにおけるCOVID-19の影響はかなり過小評価されていることになる」と指摘している。

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化膿性汗腺炎〔HS:Hidradenitis suppurativa〕

1 疾患概要■ 定義化膿性汗腺炎(Hidradenitis suppurativa:HS)は臀部、腋窩、外陰部、乳房下部などに有痛性の皮下結節、穿掘性の皮下瘻孔、瘢痕を形成する慢性の炎症を繰り返す慢性炎症性再発性の毛包の消耗性皮膚疾患で難治性疾患である。アポクリン腺が豊富に存在する部位に好発する。Acne inversa (反転型ざ瘡)とも呼ばれている。集簇性ざ瘡、膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎とともに毛包閉塞性疾患の1型と考えられている。従来からの臀部慢性膿皮症は化膿性汗腺炎に含まれる。■ 疫学発症頻度は報告者によってさまざまであるが、欧米では0.1~4%で平均約1%程度と考えられている。わが国では大規模調査が行われていないので、明らかではないが、日本皮膚科学会研修施設を対象とした調査で100例1)、300例2)の報告がある。性差については欧米からの報告では男女比が1:3で女性に多く3)、わが国では男女比が3:1で男性に多い1,2)。好発年齢は20~30歳代に発症し、平均年齢は海外で36.8歳、わが国では40.1歳である1)。発症から正しい診断に至るまでの罹病期間は約7年である1,2)。好発部位は臀部、外陰部、腋窩に多い。男性では肛囲、臀部に多く、女性では腋窩、外陰部に多い1,2)。■ 病因明らかな病因は不明であるが、遺伝、毛包の閉塞、嚢腫形成などの病変に炎症が加わって起こる再発性の慢性の自己免疫性炎症性疾患である。遺伝的因子について、海外では家族性の場合が多く、約30~40%に家族歴があるが3,4)、わが国では2~3%と海外に比べて、非常に低い1,2,4)。家族性HSの場合、γ-セクレターゼの欠損が関連していると考えられている3,4)。TNFα、IL-1β、IFN-γ、IL-12、IL-23、IL-36などのTh1細胞とIL-17を産生するTh17細胞が化膿性汗腺炎の病変部で発現し、これらのサイトカインが重要な役割を演じていることが明らかになってきている3,4)。二次的に細菌感染を合併することもある。悪化因子として喫煙、肥満、耐糖能異常、内分泌因子、感染、機械的刺激などが関連している1,2,3,4)。合併する疾患として、毛包閉塞性疾患である集簇性ざ瘡、膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎、毛巣洞がある1,4)。併存疾患として糖尿病、壊疽性膿皮症、自己炎症症候群、クローン病、外痔瘻、有棘細胞がんがある4)。■ 症状多くは単発性の疼痛を伴う深在性の皮下結節で始まる。皮下結節は増大、多発して、血性の排膿がみられる。皮疹は黒色面皰がかなり高率にみられる。排膿後は皮下瘻孔を形成し、慢性に再発、寛解を繰り返す。隣接する瘻孔は皮下で交通し、穿掘性の皮下瘻孔を形成し,瘻孔の開口部より滲出液、血性膿、粥状物質などを排出し、悪臭を伴う(図1)。排膿後は皮下瘻孔を形成し、慢性に再発、寛解を繰り返す。瘻孔が破裂し、真皮に角層などの異物が流出すると肉芽形成が起こり、肥厚性瘢痕、ケロイドを形成する(図1)。重症では蜂巣炎から敗血症を合併することもある。生活のQOLが著しく低下し、疼痛、うつ、性生活、Dermatology Life Quality Index(DLQI)も低下する。図1 化膿性汗腺炎の臨床所見画像を拡大する腋窩に皮下瘻孔、肥厚性瘢痕がみとめられる■ 分類重症度分類として、Hurleyのステージ分類が重症度の病期分類として最も用いられて3期に分類される。第I期 単発、あるいは多発する皮下膿瘍形成。皮下瘻孔、瘢痕はなし。第II期再発性の皮下膿瘍、皮下瘻孔、瘢痕。 単発あるいは多発性の孤立した複数の病巣。第III期広範なびまん性の交通した皮下瘻孔と皮下膿瘍。とされている。その他、修正Sartorius分類が用いられている。Sartoriusらは(1)罹患している解剖学的部位、(2)病巣の数とスコア、(3)2つの顕著な病巣間の最長距離、(4)すべての病巣は正常の皮膚から明確に離れているか否かという4項目について点数化する方法をHSの重症度として提唱している4)。治療の重症度スコアの評価指標として国際的HS重症度スコアリングシステム(IHS4)とHiSCR(Hidradenitis Suppurativa Clinical Response)がある。IHS4(International Hidradenitis Suppurativa Severity Score System)3)は炎症性結節、膿瘍、瘻孔・瘻管の数で評価される。中等度から重症の症例の鑑別、早期発見を可能にする。また、HiSCRと組み合わせて使いやすい。HiSCRは化膿性汗腺炎の薬物治療に対する“反応性”を数値化して指標で治療前後での12部位の炎症性結節、膿瘍、排膿性瘻孔の総数を比較する。HiSCRが達成されていれば、症状の進行が抑えられていると判定する。治療前の炎症性結節、膿瘍の合計が50%以上減少し、さらに膿瘍、排膿性瘻孔がそれぞれ増加していなければ、HiSCR達成となる。PGA(Physician Global Assessment)(医師総合評価)は薬物療法の臨床試験での効果判定に最も広く用いられている。■ 予後化膿性汗腺炎は慢性に経過し、治療に抵抗する疾患である。まれに有棘細胞がんを合併することもある。頻度は0.5~4.6%で男性に多く、臀部、会陰部の発症が多いとされている4)。化膿性汗腺炎の発症から平均25年を要するとされている4)。2 診断 (検査・鑑別診断を含む)■ 確定診断化膿性汗腺炎の確定診断には以下の3項目を満たす必要がある。1)皮膚深層に生じる有痛性結節、膿瘍、瘻孔、および瘢痕などの典型的皮疹がみとめられる。2)複数の解剖学的部位に1個以上の皮疹がみとめられる。好発部位は腋窩、鼠径、会陰、臀部、乳房下部と乳房間の間擦部である。3)慢性に経過し、再発を繰り返す。再発は半年に2回以上が目安である。病理組織所見病初期は毛包漏斗部の角化異常より角栓形成がみられる。その後、好中球を主体として毛包周囲の炎症性細胞浸潤が起きる。毛包漏斗部の皮下瘻孔は次第に深部に進展し、皮膚面と平行に走り、隣接する皮下瘻孔と交通し、穿掘性の皮下瘻孔を形成する(図2)。炎症細胞浸潤が広範囲に及び、瘻孔壁が破裂すると、角質、細菌などの内容物が真皮に漏出して、異物肉芽腫が形成される。ときに遷延性の皮下瘻孔より有棘細胞がんが生じることがあるので、注意を要する。図2 化膿性汗腺炎の病理組織学的所見画像を拡大する一部、上皮をともなう皮下瘻孔がみとめられる(文献5より引用)。■ 鑑別診断表皮嚢腫:通常、単発で皮下瘻孔を形成しない。せつ:毛包性の膿疱がみられ、周囲の発赤、腫脹をともなう。よう:毛包性の多発性の膿疱がみられ、巨大な発赤をともなう結節を呈する。蜂巣炎、皮下膿瘍:発赤、腫脹、熱感、圧痛、皮下硬結をともなう。毛巣洞: 臀裂部正中に好発し、皮下瘻孔がみられる。皮下血腫:斑状出血をみとめ、穿刺にて凝固塊の排出をみとめる。クローン病による皮膚症状:肛門周囲に皮膚潰瘍をみとめ、皮下瘻孔を形成し、肛門との交通があることがある。■ 問診で聞くべきこと家族歴、喫煙、肥満、糖尿病の有無。■ 必要な検査とその所見採血(赤血球数、白血球数、白血球の分画、CRP、血沈、ASOなど)、尿検査を行う。蜂巣炎の合併の有無に必要である。 皮膚生検  有棘細胞がんの有無の確認に重要である。細菌検査  好気、嫌気培養も行う。蜂巣炎を合併している場合、細菌の感受性を検査して、抗菌剤の投与を行う。超音波エコー病巣の罹患範囲を把握し、手術範囲の確定に有用である。3 治療病初期には外用、内服の薬物療法が試みられる。局所的に再発を繰り返す場合は外科的治療の適応となる。病変部が広範囲に及ぶ場合には薬物療法の単独、あるいは外科的療法との併用が適している。薬物療法としては抗菌剤、レチノイド、生物学的製剤があるが、わが国において生物学的製剤で化膿性汗腺炎に保険適用があるのはアダリムマブだけである4)。■ 具体的な治療法抗菌剤の内服、外用、あるいは外科的治療と併用される。抗菌剤の外用は軽症の場合に有効であることがある。クリンダマイシン、フシジンレオ酸が用いられている4)。抗菌剤の内服は細菌培養で好気性菌と嫌気性菌が検出される場合が多いのでセフェム系、ペネム系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系抗薗剤が用いられる。ステロイド局所注射:一時的な急性期の炎症を抑えるのに有効である。デ・ルーフィング(天蓋除去):皮下瘻孔の屋根を取り除くことも有効である。局所の切開、排膿、生理食塩水による洗浄、タンポンガーゼによるドレナージも一時的に有効な処置である。 生物学的製剤としてアダリムマブが有効である。適応として既存の治療が無効なHurley stageII、IIIが対象となる。外科的治療:外科的治療は特に重症例に強く推奨される治療法である。病巣の範囲を正確に把握し,切除範囲を決めることが 重要である。CO2レーザーによる治癒も軽症~中等症に対して有効である。広範囲切除はHurleyの第III期が適応となる。切除範囲は病変部だけの限局した切除は十分でなく、周囲の皮膚を含めた広範囲な切除が必要である。有棘細胞がんが合併した場合は外科的切除が最優先される。■ その他の補助療法1)対症療法疼痛に対して、消炎鎮痛剤などの投与を行う。重複感染の管理を行う。生活指導:喫煙者は悪化因子である喫煙をやめる。肥満については減量、糖尿病があれば、原疾患の治療を行う。深在性の皮下瘻孔があり、入浴で悪化する場合、入浴を避け、シャワーにする。2)その他、治療の詳細については文献(4)を参照されたい。4 今後の展望今後、治験中の薬剤としてインフリキシマブ、IL-17阻害薬, IL-23阻害薬などがある。5 主たる診療科皮膚科、形成外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)皮膚の遺伝関連性希少 難治性疾患群の網羅的研究班1)Kurokawa I, et al. J Dermatol. 2015;42:747-749. 2)Hayama K, et al. J Dermatol. 2020;47:743-748.3)Zouboulis CC, et al. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2015;29:619-644.4)葉山惟大、ほか. 日皮会誌.2021;131;1-28.5)Plewig G, et al. Plewig and Kligman’s Acne and TRosacea. Springer.2019;pp.473.公開履歴初回2021年2月26日

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第46回 新型コロナの緊急事態宣言、感染拡大の二の舞を踏まないための最適な解除時期は?

今年1月7日、新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言が首都圏の1都3県にて発令されてから7週間が経過しようとしている。1月13日には宣言対象地域を栃木県、愛知県、岐阜県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県の2府5県に拡大。当初2月7日としていた期限は、栃木県を除き3月7日まで延長された。ただ、政府は延長当初から状況が改善された都府県に関しては、専門家の意見を聴取したうえで、3月7日を待たずに前倒しで宣言を解除する方針を明示。解除目安として昨年8月、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が提言した「今後想定される感染状況と対策について」で示された感染状況の分類、ステージI~IVのうちステージIIIになることとの方針も明らかにした。そして、ここにきて政府は関西3府県、中京2県について月内で宣言を解除する腹積もりがあるらしい。この記事が公開された頃には、たぶん5府県は宣言が解除されているのだろうと予想する。ちなみに前述の感染状況のステージとは、ステージIが「感染散発段階」、ステージIIが「感染漸増段階」、ステージIIIが「感染急増段階」、ステージIVが「感染爆発段階」のように分類され(カギカッコ内表記は分科会発表資料の趣旨を要約)、ステージIIIとステージIVは数値基準がある。ステージIIIは(1)入院者・重症者それぞれの病床使用率が20%以上、(2)10万人当たりの療養者数15人以上、(3)PCR陽性者率10%以上、(4)10万人当たりの新規感染報告数が1週間で15人以上、(5)直近1週間の新規感染者数が先週1週間の新規感染者数比で1倍以上、(6)新規感染者に占める感染経路不明率50%以上、となっている。ステージIVは、ステージIIIの(3)、(5)、(6)はそのままで、(1)が50%以上、(2)が25人以上、(4)が25人以上となった場合である。2月24日現在、関西3府県と中京2県の6指標はすべてステージIII以下である。具体的に説明すると、岐阜県は入院者の病床使用率が22%、愛知県は入院者病床使用率が30%で重症者病床使用率が25%、京都府は入院者病床使用率が30%で10万人当たりの療養者数16人、大阪府は入院者病床使用率が35%で重症者病床使用率が38%、兵庫県は入院者病床使用率が40%で重症者病床使用率が41%だ。これらがステージIIIに該当している以外は各項目ともステージII以下の水準である。確かに数字だけを見ればステージIII以下。ただ、改めて言うとステージIIIとは「感染急増段階」、あくまで一時的に最悪の状態を回避できているに過ぎない。ちょっとでも油断すれば、あるいは何かボタンを一つ押し間違えば一気にステージIVに達しかねないレベルである。たとえば、1日の感染者(PCR陽性者)報告で考えると、大阪府の場合、ステージIIIは189人、ステージIVが314人となる。大阪府の過去の数字に照らし合わせると、ちょうど昨年11月第1週がステージIIIに達したくらいだったが、11月第3週半ばにはステージIV水準になる。この間、要したのはわずか半月弱である。その後はスポットで感染者報告が減ることはあってもほぼステージIV水準を維持し続け、ステージIII水準に戻るのは1月第4週である。途中で緊急事態宣言という「劇薬」を使って、ざっと2ヵ月強かかっている。整理すると、わずか半月で起きた感染拡大を鎮火させるのに、半ば強制じみた措置を援用して2ヵ月以上かかったのだ。ちなみに現状の大阪府の1日当たりの新規感染者報告はすでに100人を切っているが、昨年この水準だったのは10月下旬である。そこから考えてもステージIV相当になるのに3週間である。しかも現状の大阪府の入院者、重症者の病床使用率はステージIIIの水準である。ここで感染者が増加に転じれば、感染者発生から重症者発生までの1週間強のタイムラグを考慮しても、最短で1ヵ月程度で病床使用率は再びステージIV水準に達してしまうだろう。すでに菅首相は高齢者のワクチン接種を4月12日には開始する旨を発表している。大阪府を例にとれば、いま宣言解除をすれば、下手をすると高齢者がワクチン接種のために出歩かなければならなくなる時期に感染爆発を招く恐れがある。その意味では、大阪府では1日の感染者報告数が50人前後、すべての指標がステージII水準になるぐらいが宣言解除時期としてより適切ということになるのではないだろうか?また、すべての指標がステージII段階とすれば、現時点で宣言解除の可能性が生まれ始めているのは、今の状態をあと1~2週間維持できれば、すべての指標がステージII入りすると推定できる愛知県、岐阜県ぐらいとなる。経済への影響を懸念する声があるのはもちろん承知しているが、現在の状況は1回目の緊急事態宣言発令時とは比較にならないほど感染が拡大している。1回目当時は最後まで緊急事態宣言が解除できずに残った5都道県のうち北海道と神奈川県は、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言を受けて策定した緊急事態宣言解除の数値基準を満たさなかったにもかかわらず、あれこれと理屈をつけて解除に踏み切った。結局その後2ヵ月足らずで第2波に突入し、それが収まるか収まらないかという綱引きが続くなかで、泥縄的に第3波入りし、今に至っている。もちろん緊急事態宣言が解除されたからと言って、自治体が飲食店の時短営業要請などを一気に緩和するわけではないことは百も承知している。しかし、宣言解除という事態が一般に与える心理的な効果、敢えて言えば気の緩みは小さくないものだと考えている。緊急事態宣言の解除が一部に見え始めている今だからこそ、情報を発信する側も気が抜けないと感じている。

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新型コロナ、消化管内視鏡検査で飛沫からの感染リスクは?

 消化管内視鏡検査(GIE)は、早期発見と多くの疾患の治療に有用である一方で、医療スタッフが患者の分泌物の飛沫によって感染するリスクがあり、COVID-19パンデミック下においては危険度の高い処置と考えられている。本研究は、横浜市立大学病院の研究チームが、検査を実施する医療スタッフが曝露する可能性のある唾液および消化液により、SARS-CoV-2陽性となる割合を検証した。Digestive endoscopy誌オンライン版2021年2月6日号に掲載。 本研究では、2020年6月1日~7月31日に横浜市立大学病院でGIEを受けたすべての患者が登録された。全員から3mL の唾液と共に、上部消化管内視鏡の場合は胃液10mLを、下部消化管内視鏡の場合は腸液10mLを採取した。主要評価項目は、唾液および胃腸液中のSARS-CoV-2陽性率で、SARS-CoV-2の血清抗体価や患者の背景情報についても併せて解析した。 主な結果は以下のとおり。・調査期間中、計783例の唾液および消化液(上部消化管内視鏡:560、下部消化管内視鏡:223)を採取、分析した。・唾液サンプルに対するRT-PCRは、いずれもSARS-CoV-2陽性を示さなかった。・消化液サンプルの2.0%(16/783例、上部消化管内視鏡:13/560例、下部消化管内視鏡:3/223例)において、SARS-CoV-2陽性反応を示した。・RT-PCR陽性症例と陰性症例との間において、年齢、性別、内視鏡検査の目的、投薬、抗体検査陽性率については、いずれも有意差が見られなかった。・血清抗体検査においては、被験者の3.9%がCOVID-19抗体を有していたが、消化液のRT-PCRとの間に関連は見出されなかった。 これらの結果について、研究チームは「唾液中に検出可能なウイルスを持たない患者においても、消化管にSARS-CoV-2が存在するケースが確認された。内視鏡検査の医療スタッフは、処置を行う際に感染を認識する必要がある」と指摘。ただし、ウイルスが消化液中でどのくらいの時間留まり、感染性を保つかについてはデータが限られており、消化管におけるSARS-CoV-2の特徴や臨床的重要性を明らかにするにはさらなる研究が必要としている。

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中等~重症COVID-19に高用量ビタミンD3単回投与は有益か?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者において、高用量のビタミンD3単回投与はプラセボと比較し、在院日数を有意に減少させることはないことが示された。ブラジル・サンパウロ大学医学部のIgor H. Murai氏らが、ブラジル・サンパウロの2施設で実施した無作為化二重盲検比較試験の結果を報告した。COVID-19に対するビタミンD3補給の有効性はこれまで不明であったが、結果を受けて著者は、「中等症~重症COVID-19患者の治療として高用量ビタミンD3の使用は支持されないことが示された」と述べている。JAMA誌オンライン版2021年2月17日号掲載の報告。中等症~重症のCOVID-19入院患者でビタミンD3の有効性をプラセボと比較 研究グループは、2020年6月2日~8月27日の期間に中等症~重症COVID-19入院患者240例を登録し、ビタミンD3投与群(20万IU単回経口投与)(120例)またはプラセボ群(120例)に無作為に割り付け、2020年10月7日まで追跡した。 主要評価項目は在院日数(無作為化から退院までの期間と定義)、事前に設定した副次評価項目は在院死亡、集中治療室(ICU)への入室、人工呼吸器を必要とした患者の割合および人工呼吸器装着期間、血清25-ヒドロキシビタミンD値、総カルシウム濃度、クレアチニン、C反応性蛋白(CRP)などであった。両群で在院日数に有意差なし 無作為化された患者240例のうち、237例が主要解析に組み込まれた。解析対象患者の平均(±SD)年齢は56.2±14.4歳、女性が104例(43.9%)、ベースラインの平均(±SD)25-ヒドロキシビタミンD値は20.9±9.2ng/mLであった。 在院日数は中央値で、ビタミンD3群7.0日(四分位範囲[IQR]:4.0~10.0日)、プラセボ群7.0日(IQR:5.0~13.0日)で、両群間で差はなかった(log-rank検定p=0.59、退院の補正前ハザード比:1.07[95%信頼区間[CI]:0.82~1.39]、p=0.62)。 また、ビタミンD3群とプラセボ群との間で、在院死亡率(7.6% vs.5.1%、群間差:2.5%[95%CI:-4.1~9.2]、p=0.43)、ICU入室率(16.0% vs.21.2%、群間差:-5.2%[95%CI:-15.1~4.7]、p=0.30)、人工呼吸器装着率(7.6% vs.14.4%、群間差:-6.8%[95%CI:-15.1~1.2]、p=0.09)で有意差は確認されなかった。血清25-ヒドロキシビタミンD値は、ビタミンD3群においてプラセボ群より有意に増加した(44.4ng/mL vs.19.8ng/mL、群間差:24.1ng/mL[95%CI:19.5~28.7]、p<0.001)。 有害事象は確認されなかったが、介入と関連した嘔吐がみられた。

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COVID-19ワクチンの今と筋注手技のコツ/日本プライマリ・ケア連合学会

 今月より医療者を対象に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が開始された。開始されたワクチンは、ファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)であるが、今後別の種類のワクチンの承認追加も予定されている。 実際、これらワクチンの効果や安全性はどの程度わかっているのであろう。また、現状接種は、筋肉注射による接種であるがインフルエンザの予防接種などで広く行われている皮下注射とどう異なり、接種の際に注意すべきポイントはあるのだろうか。 今後、高齢者や基礎疾患を持つ一般人への接種も始まる中で、日本プライマリ・ケア連合学会(理事長:草場 鉄周)は、2月22日に同連合学会のホームページ上で2つのコンテンツを公開した(コンテンツは予防医療健康増進委員会 感染症プロジェクトチームが監修)。 1つは、2月17日にオンライン講演で行われたものを録画した『新型コロナウイルスワクチンについて いまわかっていること、まだわからないこと』であり、COVID-19ワクチンについて次の内容がレクチャーされている。概要1. ウイルスと免疫のしくみ2. 新型コロナワクチンのしくみ3. 新型コロナワクチンの効果4. 新型コロナワクチンの副反応5. 新型コロナワクチンの具体的な接種法6. 新型コロナワクチンについてまだわからないこと7. 新型コロナワクチンについての不安やデマ8. 新型コロナワクチンみんなで気を付けること質疑応答 全体で約2時間にわたる講演であるが、臨床に携わる医療者からの質疑応答には長時間を割き、丁寧かつコンパクトに説明を行っている。 また、もう1つは『新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ』の動画である。動画では、注射針の選定からシリンジの長さ別の注射のポイント、接種部位の指定、接種時の注意点などが約8分の動画でまとめられている。 いずれの動画も視聴のうえ、今後のワクチン接種時の参考にしていただきたい。【追記】 筋肉注射の解説動画については、公開後のさまざまな意見などを踏まえ、3月15日に「2021年3月版」として新たな接種部位の紹介と接種肢位の注意点などの情報を更新し、公開している。

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COVID-19入院患者への早期予防的抗凝固療法、30日死亡率を低下/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者において、早期予防的抗凝固療法は非投与と比較して、重大出血のイベントリスクを増大することなく30日死亡率を有意に低下することが示された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のChristopher T. Rentsch氏らが、4,297例の入院患者を対象に行った観察コホート試験の結果で、BMJ誌2021年2月11日号で発表した。COVID-19患者の死亡原因の一部として、静脈血栓塞栓症および動脈血栓症が報告されている。抗凝固療法は、血栓形成を予防し、抗ウイルス性および潜在的な抗炎症性作用も有し、COVID-19患者に有効であることが期待されている。今回の結果を踏まえて著者は、「今回の所見は、COVID-19入院患者の初期治療として、予防的抗凝固療法の実施を推奨するガイドラインを支持する、強力なリアルワールドのエビデンスを提供するものである」と述べている。抗凝固療法歴のない4,297例を対象に観察コホート試験 研究グループは、米国退役軍人省が運営する全米医療システムに加入し、2020年3月1日~7月31日に、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染が確認された入院患者で、抗凝固療法歴のない4,297例について観察コホート試験を行った。早期予防的抗凝固療法の実施と、死亡率との関連を検証した。 主要アウトカムは、30日死亡率だった。副次アウトカムは、入院死亡率、抗凝固療法の実施(血栓塞栓症など臨床的増悪の代用アウトカム)、輸血を要する出血だった。予防的抗凝固療法で輸血を要する出血リスクは増大せず 4,297例のCOVID-19入院患者のうち、入院後24時間以内に予防的抗凝固療法を行ったのは3,627例(84.4%)だった。そのうち99%超の3,600例が、ヘパリンまたはエノキサパリンの皮下投与を受けた。 入院後30日以内の死亡は622例で、うち予防的抗凝固療法群の死亡は513例だった。 inverse probability of treatment weighted解析にて、入院30日時点の累積死亡率は、予防的抗凝固療法群14.3%(95%信頼区間[CI]:13.1~15.5)、非予防的抗凝固療法群18.7%(95%CI:15.1~22.9)で、予防的抗凝固療法群の30日死亡率に関するハザード比(HR)は0.73(95%CI:0.66~0.81)と27%のリスク低下が認められた。同様の関連性が、入院患者の死亡率と予防的抗凝固療法の実施についても認められた。 一方で、予防的抗凝固療法による輸血を要する出血リスク増大は認められなかった(HR:0.87、95%CI:0.71~1.05)。 量的バイアス分析では、同試験結果は計測されない交絡因子に対してロバストであることが示された(30日死亡率に関するe値の95%CI下限値は1.77)。感度解析でも結果は維持された。

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第46回 第4波を見据えてか!? 厚労省が「大学病院に重症患者を受け入れさせよ」と都道府県に事務連絡

大学病院や基幹病院は、重症患者受け入れをこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。まだ2月ですが、すっかり春めいてきました。この土日は暖かさに誘われ、街にも結構な人が出ていたようです。私自身は先週、所用があって宮城と岩手に出かけました。2月13日の地震で東北新幹線が止まっており、どうしたものかと困っていたのですが、知人から「常磐線は去年から通っているよ」と言われ、高速バスは止めて「特急ひたち」で4時間40分かけて仙台入りしました。JR常磐線は東日本大震災と東京電力の福島第一原発事故の影響を受け、昨年まで福島県の富岡駅~浪江駅間で不通になっていました。かつての不通区間を車窓から眺めたのですが、とくに双葉~浪江間は人の気配がほとんどなく、震災で崩壊したと思われる家屋がまだ数多く残っていました。10年経ったとは思えない風景が続き、言葉を失くしました。さて、今回は改めて新型コロナウイルス感染症患者の受け入れ体制について考えてみたいと思います。厚生労働省は2月16日、「新型コロナウイルス感染症の医療提供体制の整備に向けた一層の取組の推進について」と題する事務連絡を各都道府県等に発出しました。コロナ患者の受け入れについて、高度な医療を提供できる大学病院や地域の基幹病院が重症患者を、都道府県から指定を受けた「重点医療機関」は中等症患者を受け入れるなど、病院の役割分担を進めるよう、都道府県等に要請しました。とくに医療の需給が多い大都市圏を抱える都道府県では、公立・公的といった地域の中核病院の役割が重要で、こうした病院には必須の医療機能以外を他院と分担した上で新型コロナ対応を強化する、などの検討を求めました。一方、新型コロナの患者に応じていなかった回復期や療養型の病院も、中等症患者への対応を検討するよう要請しました。「大学病院を名指し」の背景第3波が落ちつき、病床に比較的余裕が出てきた今になっての事務連絡は遅過ぎる気もしますが、おそらく来るであろう「第4波」を想定してのことと考えれば納得できます。今回の事務連絡で注目されるのは、大学病院が重症患者を受け入れるよう都道府県等に要請している点です。その背景には、大学病院によって重症者の受け入れ患者数に大きな差があることなどが、マスコミや政治家などからの指摘があるようです。少し古くなりますが、2月9日の日本経済新聞朝刊は、「国立大の重症病床、コロナ活用半ば」という見出しで、国立大学病院が高度な技術を持つにもかかわらずコロナ重症患者の受け入れに活用されていない、という実態を報じています。同記事によれば、全国の重症者病床(ICU・ER・HCUの合計)は1万7,000床で、うち21%にあたる3,620床がコロナ患者用に確保されていたとのことです。これに対し、同紙の調査に回答した20の国立大学病院の重症者病床は計763床、コロナ患者用は131床と17%に留まっていました。同紙は回答のあった20病院のコロナ重症患者向け病床数も報じていますが、いろいろと話題となった旭川医大はわずか2床。緊急事態宣言下の府県の国立大としては京大が3床、患者数が最多の東京では東大が8床でした(東京医科歯科大は16床)。機敏に動く国立大病院もコロナ以外の高度医療への対応の必要性から、コロナ重症患者向け病床を抑える、という理屈はわかりますが、病床数が数床というのは気になります。国立大学病院は文部科学省管轄です。ただ、文科省から「病床を確保せよ」という命令が下されることはなく、基本的に都道府県の調整本部から依頼・要請があって対応することになります。数床しか確保していない大学病院は、何らかの理由をつけて、重症病床の確保を避けてきたとも考えられます。今回の事務連絡を機に、病床確保がスムーズに進むようになることを期待します。ちなみに、仙台にいる友人から聞いた話では、東北大学病院の場合、コロナ重症病床は5床ですが、東北大学診療所を院外に新設してドライブスルー方式のPCR検査外来に取り組んだり、軽症者等宿泊療養施設となったホテルへの医療支援(24時間オンコール対応)にも取り組んだりしているそうです。さらに東北大の医師が県の調整本部に入り、病床確保や入院調整なども担当しているとのこと。地方の国立大学病院は、各県にとっては最大規模かつ最高レベルの医療インフラと言えます。このコロナ禍の中、「うちは高度医療だから」とお高くとまらず、真に地域に役に立つ医療サービスの提供を行ってもらいたいものです。中身なし、医療関係団体の具体的方策ところで、1月に「第41回 コロナ対応病床増、感染症法改正か医療法改正か…。そこ結構大事では?」で書いた、医療関係団体の対策会議はどうなったのでしょう。日本医師会が中心となり、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)と全国自治体病院協議会と共に立ち上げた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」は2月3日、「新型コロナウイルス感染症患者の病床確保等に向けた具体的方策」を取りまとめています。それによれば、「都道府県医師会、都道府県病院団体及び支部が連携して協議会を立ち上げ、都道府県行政との間で緊密な連携を取り」、受け入れ病床の確保策として、「協議会もしくは地域医療構想調整会議等にて都道府県調整本部等と連携し、受入病床の確保を行う」とのことです。大々的に対策会議を開いたにも関わらず、具体的方策の中身はあるようでない、というのが私の感想です。地域レベルでは病床確保がどうにもならなかったので中央の皆で検討したはずなのに、結局また各地域に丸投げする格好だからです。都道府県医師会新型コロナウイルス感染症担当理事連絡協議会において、猪口 雄二副会長はこの具体的方策について「日本医師会としても支援していくので、地域の事情に応じた対応をお願いしたい」と述べたとのことです。この「具体的方策」で果たして地域の医療機関が「よし、当院も」と動くでしょうか。西日本のある県では100近い民間病院がある中、コロナの軽中等症者を受け入れているのはわずか数院、という話もあります。感染者数が減少に転じ、民間病院へのバッシングも収まったことで、コロナ病床確保のための議論も中途半端ながらとりあえず終了と考えたのだとしたら、とても残念です。今の状況のまま、もし第4波が到来したら、次のバッシングはさらに厳しいものになるでしょう。

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第48回 コーヒーは血中脂質を増やす/イスラエル医療従事者のCOVID-19発症がワクチンで85%減少

コーヒーは血中脂質を増やす~飲むならカフェストールが抜ける濾過コーヒーが賢明重要な慢性疾患や怪我の要因を見つけることを主な目的1)とする観察試験UK Biobankの被験者36万2,571人の解析でコーヒーと血中コレステロール濃度上昇の関連が改めて示されました2,3)。コーヒーをより飲んでいる人ほど総コレステロール、それに悪名高いLDLコレステロール(LDL-C)やアポリポタンパク質B(apoB)の血中濃度がより高いという結果が得られており、コーヒーの飲みすぎを長く続けると脂質に障ってやがては心血管疾患を生じやすくする恐れがあると示唆されました。コーヒーを飲むこととコレステロール上昇の関連はノルウェーの街トロムソの住人を調べたおよそ40年前の試験(Tromso Heart Study)ですでに示されています。被験者はコーヒーといえば挽いたコーヒー豆を水で煮てその上澄みを濾過せずに飲むのを主とし、UK Biobankの試験と同様にコーヒーをより多く飲んでいる人ほど血清の総コレステロールやトリグリセリド値がより高めでした4)。それから7年後の1990年には冒頭のUK Biobank試験の著者の懸念を裏付ける中年男女およそ4万人の追跡調査結果がBMJ誌に掲載されています。Tromso Heart Studyと同様にノルウェーでの試験であり、非濾過コーヒーがしばしば飲まれていた同国でのコーヒー摂取と冠動脈心疾患による死亡の関連が示されました5)。非濾過コーヒーにはコレステロールを上げるコーヒー豆成分カフェストール(cafestol)が多く含まれます。たとえば豆の粗挽きを10分以上煮出すか熱湯で煎じた上澄みの非濾過コーヒーには紙フィルター濾過コーヒーに比べて30倍多く含まれます6)。コーヒー豆のカフェストールが血清コレステロールを上げることを発見した1994年の研究報告の引用文献によると、ノルウェーの隣国フィンランドでは非濾過から濾過コーヒーへの嗜好の変化が血清コレステロール低下に一役買い、7%の心血管疾患減少をもたらしました7,8)。上述のNEJM報告の筆頭著者Dag Thelle氏が率いたごく最近の試験9)でもどうやら非濾過コーヒーの飲み過ぎは心臓に悪そうなことが示唆されています。Thelle氏等のその新たな試験ではノルウェーの20~79歳の約51万人のデータを使ってコーヒーと心血管疾患や死亡率等との関連への抽出方法の影響が調べられました。その結果、コーヒー全般と死亡や心血管疾患を生じやすくなることの関連は認められませんでしたが、コーヒーを飲む人のうち1日に濾過コーヒーを1~4杯飲む人は死亡率が最も低く、非濾過コーヒーを1日に9杯以上飲む人は逆に死亡率が最も高くなっていました。ペーパーフィルター濾過コーヒーでもコレステロールが上昇しうることが示されている10)ので過信は禁物ですが、血中脂質にできるだけ障らないようにするにはコレステロール上昇成分カフェストールが抜ける濾過コーヒーを適度に飲むのが賢明なようです2)。イスラエルでPfizerワクチン1回目接種後15~28日間のCOVID-19発症が85%減ったPfizer(ファイザー)/BioNTech(ビオンテック)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンBNT162b2の接種が進むイスラエルの医療従事者およそ9,000人(9,109人)を調べたところ、その1回目接種後15~28日のCOVID-19発症は非接種に比べて85%少なくて済みました11,12)。接種から1~14日のCOVID-19発症も47%少なく、非接種のおよそ半分で済みました。PCR検査でのSARS-CoV-2検出率も非接種群に比べて低下しました。1回目接種から1~14日には30%、15~28日には75%低下しています。1回目接種からすぐにCOVID-19が減った今回の結果を受けて著者はワクチンや人手不足の国では2回目接種を遅らせてもよさそうだと示唆しています11)。参考1)Batty GD,et al. BMJ. 2020 Feb 12;368:m131. 2)Deja brew? Another shot for lovers of coffee / EurekAlert3)Zhou A, et al. Clin Nutr. 2021 Jan 11:S0261-5614,00014-5. [Epub ahead of print]4)Thelle DS, et al. N Engl J Med. 1983 Jun 16;308(24):1454-7.5)Tverdal A, et al. BMJ. 1990 Mar 3;300:566-9.6)Urgert R, et al. J R Soc Med. 1996 Nov;89:618-23.7)Weusten-Van der Wouw MP, et al.J. Lipid Res. 1994. 35: 721-733.8)Salonen JT, et al.Prev Med. 1987 Sep;16:647-58.9)Tverdal A, et al. Eur J Prev Cardiol. 2020 Dec;27:1986-1993. 10)Correa TA, et al. Nutrition. 2013 Jul-Aug;29:977-81.11)Amit S,Lancet. February 18, 2021. [Epub ahead of print]12)Study finds first COVID vaccine dose lowers disease risk 30% to 85% / University of Minnesota

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第43回 麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?

<先週の動き>1.麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?2.発症から15日など、新型コロナ重症者の退院基準を新設/厚労省3.4月から非医療機関を対象に看護師の日雇い派遣が可能に4.高齢者へのワクチン接種開始、予定よりやや遅れる見込み5.コロナ禍での医師の働き方改革の進捗を報告/日医1.麻酔科元教授が逮捕された三重大、4年前の死亡事故も隠蔽か?三重大学医学部付属病院において、2017年に麻酔科医が4件の手術をかけ持ちする「並列麻酔」を行い、手術中に患者1人が死亡する医療事故が発生していたことが発覚した。並列麻酔は、医療事故のリスクが高まることなどを理由に、日本麻酔科学会が原則的に禁止している。同院の医療事故調査委員会は、並列麻酔が患者の死亡につながった遠因である可能性を言及し、今年に入ってから並列麻酔は一切行っていないとしているが、2020年までは20%前後の手術で並列麻酔が行われていたことを明らかにしている。三重大学では、臨床麻酔部の元教授らが、不正な診療報酬請求による詐欺の疑いで逮捕され、昨年から麻酔科医の退職が相次いでおり、人手の足りない手術を他病院で実施するなどで対応している。今後、再発防止策を立案するとともに、信用回復と人員確保が最優先となるだろう。(参考)【三重】三重大「並列麻酔」約1〜2割で(NHK)資格医学部附属病院における不正事案について(三重大学)2.発症から15日など、新型コロナ重症者の退院基準を新設/厚労省厚生労働省は、18日に開催された専門家会議で、新型コロナウイルスの重症者について、軽症者らとは別の退院基準を設けることを決定した。これは、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)が必要な重症者は、他人に感染させる期間が長いと考えられるため。これまでの退院基準は、重症度にかかわらず、発症後10日間が経過し、かつ症状が軽快しており、72時間以上経過した者についてはPCR検査を実施せずに退院が可能であったが、今後は重症者に限って、発症から15日が必要だとした。近く、都道府県に通知する見込み。政府は、退院基準を満たした高齢の入院患者を介護施設が受け入れた場合、1日当たり5,000円相当の介護報酬を最大30日間加算することを決めている。全国老人保健施設協会によると、都内では36施設が、新型コロナ退院患者の受け入れ態勢をすでに整えているという。(参考)コロナ重症者の退院基準 発症から15日に 厚労省(朝日新聞)コロナ 退院基準満たした高齢患者 受け入れ施設に介護報酬加算(NHK)3.4月から非医療機関を対象に看護師の日雇い派遣が可能に厚労省は、非医療機関(老人ホームや介護施設、保育所など社会福祉施設)において、看護師らが日雇いで働けるように政令改正を決めた。これは新型コロナ流行に伴い、介護施設や障害者施設での看護師ニーズが高まる中、現状では原則禁止されている看護師らの日雇い派遣についての規制を緩和し、今年の4月以降認める方向で検討している。介護施設では、看護師の人員確保などの課題に直面しており、規制緩和によって、子育てや介護のため常勤していない「潜在看護師」の短時間労働が可能となる。なお、新型コロナウイルスワクチン接種などについては、医療行為であり、医療機関への派遣についても今回の改正対象とはならない。表:保健師・助産師・看護師・准看護師と労働者派遣の法規制(2021年2月21日時点の改正見込み)画像を拡大する(参考)看護師の日雇い派遣4月以降容認へ 厚生労働省(NHK)看護師、介護施設に日雇い派遣可能に 4月から(日本経済新聞)4.高齢者へのワクチン接種開始、予定よりやや遅れる見込み21日にNHK報道番組に出演した河野 太郎規制改革担当相は、高齢者への新型コロナウイルスのワクチン接種開始について、4月はワクチンの輸入量が比較的限られるため、接種への実施が一部後ろ倒しになることを明らかにし、今週中には新たな接種計画をまとめると発表した。また同氏は、新型コロナウイルスワクチン接種について、当初は370万人程度と推計していた医療従事者が、100万人程度増えるとの見通しを明らかにしており、3月から開始される医療従事者の2回目の接種と並行して高齢者向けの接種が開始する見込みであることも併せて言及している。(参考)高齢者ら接種「週内に大枠」 企業にワクチン休暇要請も 河野氏(時事通信)ワクチン接種、遅れる可能性 河野氏言及、供給が限定的(朝日新聞)ワクチン医療従事者接種「100万人くらい増加」 河野氏 高齢者、4月開始は変更なし(日経新聞)5.コロナ禍での医師の働き方改革の進捗を報告/日医日本医師会は、17日に開催された定例記者会見で、医師の働き方改革の進捗について、松本 吉郎常任理事が報告した。医師の働き方改革については、昨年12月に厚労省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」が中間取りまとめを行い、今年2月に医療法等の改正法案が閣議決定され、2024年度からの医師の働き方の新制度施行からの制度の開始に向けた準備が進んでいる。今回、現場からの質問や意見の多い、(1)医療機関がおこなうべきこと、(2)2024年度からの医師の働き方の新制度施行、(3)2024年度の新制度施行に向けて取り組むこと、(4)コロナ禍と医師の働き方、(5)宿日直の許可、(6)医師の副業・兼業の取り扱い、(7)大学病院における働き方、(8)医師の働き方制度理解といった8項目についてそれぞれ説明を行った。今後、さらに医師の働き方改革を進める上でのポイントが記されており、2024年度を前に大学病院をはじめ医療機関が取り組む課題は大きいと考えられる。(参考)医師の働き方改革の進捗状況について(日医)資料 医師の働き方改革の推進に関する検討会 中間とりまとめ(厚労省)

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