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スタチン投与中の糖尿病例において最低限到達しなければならないLDLコレステロール値は?

糖尿病合併例におけるLDLコレステロール値の管理目標値は120mg/dL未満が推奨されているが、アドヒアランス不良のため、コントロールが不十分な例も少なくはない。フルバスタチンが投与された高コレステロール血症合併糖尿病患者の大規模市販後調査の結果より、心イベント発症抑制のためにはLDLコレステロール値を最低限180mg/dL未満に管理することが重要であることが、東京医科大学 小田原雅人氏より第53回日本糖尿病学会学術集会にて発表された。これはフルバスタチンが投与された高コレステロール血症の長期投与時における心イベント発症率とその危険因子を検討した市販後調査Lochol Event Monitoring(LEM) Studyの糖尿病患者におけるサブ解析より得られた知見。3,000例を超える糖尿病と高コレステロール血症の併発例を3年以上追跡 LEM StudyはHMG-CoA還元酵素阻害薬フルバスタチン(販売名:ローコール)20~60mg/日が投与された高コレステロール血症患者を一次予防群で5年、二次予防群で3年追跡した調査。2000年4月1日から2002年3月31日まで中央登録方式で21,139症例が登録され、その内19,084例が安全性評価対象例とされた。LEM Studyの結果は2009年に開催された第41回日本動脈硬化学会学術集会において発表されているが、今回、糖尿病合併の有無で層別解析した結果が発表された。評価対象例のうち、糖尿病患者は3,325例(17.4%)、非糖尿病患者は15,759例(82.6%)であり、高血圧合併例、心疾患合併例は糖尿病患者群で多かった。糖尿病合併の有無にかかわらず、LDLコレステロール値、総コレステロール値、トリグリセリド値はフルバスタチン投与前より有意に低下した。255例に心イベントが発現し、糖尿病患者群で2.1倍多く発現していた(p

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2型糖尿病でメトホルミン服用患者、ビタミンB12値の管理が強く勧められる

2型糖尿病患者へのメトホルミン長期投与は、ビタミンB12欠乏症のリスクを増大すると、オランダ・Academic Medical Center眼科部門のJolien de Jager氏らが、無作為化プラセボ対照試験を行い明らかにした。「ビタミン12欠乏症は予防可能で、試験の結果は、ビタミンB12値の定期的な測定が強く考慮されなければならないことを示唆するもの」と結論している。BMJ誌2010年5月29日号(オンライン版2010年5月10日号)掲載より。無作為化プラセボ対照試験で、メトホルミン長期投与の提供を検証Jager氏らは、2型糖尿病でインスリン治療を受けている患者で、メトホルミン(商品名:メトグルコ、メルビンほか)長期投与によるビタミンB12欠乏症(150pmol/L未満)、ビタミンB12不足(150~220pmol/L)の発症率の影響と、血中葉酸濃度、血中ホモシステイン濃度について検討を行った。被験者は、オランダの3つの非大学病院外来クリニックから、390例が集められ、メトホルミン850mgを1日3回服用群と、プラセボ服用群に無作為化され、4.3年治療を受けた。主要評価項目は、基線から4、17、30、43、52ヵ月時点の、ビタミンB12、葉酸、ホモシステインの各変化%値とした。4.3年でビタミンB12は19%低下プラセボ群と比べてメトホルミン治療群は、ビタミンB12、葉酸の低下との関連が認められた。平均低下%値は、ビタミンB12が-19%(95%信頼区間:-24~-14、P

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中国成人の糖尿病診断、HbA1c値を用いるなら6.3%が適切

糖尿病診断のHbA1c値について、中国での最適な基準値を特定することを目的とした多段階階層断面疫学調査が行われた。上海糖尿病センターのYuqian Bao氏らが、中国人成人4,886例のデータを解析した。BMJ誌2010年5月29日号(オンライン版2010年5月17日号)掲載より。結果、欧米で診断基準として使用されている6.5%以上よりも6.3%が優れていることが明らかになったという。なお、日本では5月末の第53回日本糖尿病学会で、診断基準「6.5%以上」(JDS値6.1%以上)で統一を図っていくことが発表されている。上海住民4,886例のデータから、HbA1c値の感度、特異度を調査調査は、2007年5月~2008年8月の間に上海市内6地点で集められた、糖尿病歴のない20歳以上中国人4,886例(男性1,828例、女性3,058例、平均年齢49.4歳)を対象に行われた。糖尿病診断は、FPG値の基準(1999年版WHO基準)を用い、一方で測定したHbA1c値の診断検出力のパフォーマンス変化が最も高い閾値を検討した。両者の相関にはピアソン相関分析を用い、ROC曲線検定でHbA1c値の糖尿病診断の感度と特異度を調べた。被験者全員を対象に検討された閾値は、標準値(5.8%以下)を上回った値の四分位範囲で4つの値(標準偏差SD値の各中央値をとって5.9%、6.3%、6.7%、7.1%とした)と、欧米での診断基準6.5%以上について行われた。また、6.0%~6.5%だった被験者を糖尿病ハイリスク群(3,639例)とし、6.0%、6.1%、6.2%、6.3%、6.4%、6.5%の閾値についても検討された。6.3%の特異度が最も高く、感度はFPG値7.0mmol/Lと同等ROC曲線検定から、診断未確定の糖尿病の検出力を示すAUC(ROC曲線下面積)は、HbA1c値単独で0.856(95%信頼区間:0.828~0.883)、空腹時血糖値単独は0.920(同:0.900~0.941)で、いずれからも有意差が認められた(P

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カナダの冠動脈性心疾患死亡率低下、医療の進歩とリスク因子の減少が要因

カナダでは1994年以降、冠動脈性心疾患による死亡率が低下傾向にあるが、その要因として、内科・外科治療の進歩と、総コレステロール値の低下などリスク因子の減少にあることが明らかになったという。カナダSunnybrook Health Sciences CentreのHarindra C. Wijeysundera氏らが、地域住民を対象に行った前向きコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2010年5月12日号で発表した。1994~2005年、冠動脈性心疾患死は35%減少同研究グループは、1994~2005年にかけて、オンタリオ州に住む25~84歳を対象に、試験を行った。急性心筋梗塞や急性冠症候群といった8つの冠動脈性心疾患に対する、エビデンスで裏づけられた治療法と、喫煙や糖尿病といった6つのリスク因子について、それぞれ、冠動脈性心疾患死との関連を分析した。その結果、調査期間中のオンタリオ州の年齢補正後冠動脈性心疾患死亡率は、人口10万人中191人から125人へと、35%減少していた。2005年には、7,585人の冠動脈性心疾患による死亡が削減できたと推定された。死亡率低下要因の43%が治療の進歩、48%がリスク因子の減少同死亡率低下の要因としては、その43%が内科・外科治療の進歩と考えられ、なかでも急性心筋梗塞(8%)、慢性安定冠動脈疾患(17%)、心不全(10%)に対する治療進歩が大きく関与していた。リスク因子の減少傾向も、3,660人の冠動脈性心疾患死を予防または遅らせることができたと推定され、同死亡率低下の要因の48%に関与していた。なかでも、総コレステロール値の低下(23%)、収縮期血圧の低下(20%)の影響が大きかった。一方で、糖尿病罹患率や肥満指数(BMI)の増加は、冠動脈性心疾患死亡率増加の、それぞれ6%と2%に関与していた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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心血管イベント抑制のための費用対効果に優れた戦略は?

心血管疾患予防のため、イギリス政府は40~74歳の全成人を対象としたスクリーニング戦略の実施を推奨している。その戦略と、ルーチンデータを用いて心血管リスクを層別化する(Framinghamリスクスコア、Cambridge diabetesリスクスコア、Finnish diabetesリスクスコアを用いる)戦略とでは、潜在するハイリスク患者を特定・治療することに、どれほどの違いがあるのかが検証された。ケンブリッジ・Addenbrooke's病院メタボリックサイエンス研究部MRC疫学部門のParinya Chamnan氏らによるモデルスタディによる。BMJ誌2010年5月8日号(オンライン版2010年4月23日号)掲載より。政府推奨の全成人対象の戦略と、リスクスコアに基づく戦略の予防効果を比較Chamnan氏らは、イギリス、ノーフォークの40~79歳の住民を対象とする前向き試験EPIC-Norfolk(European Prospective Investigation of Cancer-Norfolk)のデータから、モデルスタディを構築した。被験者は、1993~2007年のデータがあり基線で心血管疾患、糖尿病に罹患していなかった40~74歳の男女16,970例。主要転帰は、新規の心血管疾患1例を予防するのに要したスクリーニングの実施件数、また、予防するための治療介入に要した件数、あるいは予防できた可能性があった新規の心血管疾患に対する件数についても検討された。治療効果による相対リスクの低下は、臨床試験のメタ解析の結果およびNational Institute for Health and Clinical Excellenceのガイドラインから推定した。効果は同一、リスクスコア戦略の方がコストを抑えられる追跡期間中の心血管イベント発生は、18万3,586患者・年超のうち、1,362例だった。新規の心血管イベント抑制に関して、政府が推奨する戦略と簡易リスクスコアを段階的に用いたうえで実施する戦略とに違いはなかった。予防できた件数は、政府戦略で26,789例、リスクスコアを用いた戦略で25,134例だった。リスクスコアを用いた場合、スクリーニングの実施必要者数は、母集団の60%で事足りた。50~74歳でみた場合も、両戦略に相違はなかった。Finnish diabetesリスクスコア調査票、身体測定値による層別化は、効果的ではなかった。Chamnan氏は、「全成人を対象とするスクリーニング戦略も、リスクスコアを用いて行う戦略も、予防効果に相違はなかった。またリスクスコアを用いた方がコスト抑制も期待できる」と結論している。

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併用脂質低下療法の心血管イベント抑制効果:ACCORD

心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対するスタチン療法で、併用療法を行っても単独療法と比べて、イベント抑制効果は認められないことが、ACCORD試験から報告された。本論は、3月に行われた米国心臓病学会ACCで発表、NEJM誌2010年4月29日号(オンライン版2010年3月14日号)に掲載された。5,500例を、併用群・単独群に無作為化し4.7年追跡ACCORD(Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes)試験は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者10,251例が参加する、厳格な降圧管理あるいは脂質管理が及ぼす影響を検討するために行われている試験。本論は、厳格な脂質管理の検討(ACCORD lipid trial:ACCORD Lipid)について報告したもので、5,518例が参加した。試験登録は、2001年1月~2005年10月に行われた。被験者は、オープンラベル2×2で無作為に、シンバスタチン(商品名:リポバスなど)+fenofibrateの併用療法群(2,765例)か、シンバスタチン+プラセボの単独療法群(2,753例)に割り付けられ追跡された。主要転帰は、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心血管系死亡の複合。平均追跡期間は、4.7年だった。両群にイベント発生の有意差認められず被験者平均年齢は62歳、女性が31%、37%が心血管イベントの既往があり、約60%が試験登録以前からスタチンを服用していた。結果、主要転帰の年間発生率は、併用群2.2%、単独群2.4%で、有意差は認められなかった(ハザード比:0.92、95%信頼区間:0.79~1.08、P=0.32)。また、副次転帰(主要転帰+うっ血性心不全による入院等、主要な心血管イベント、脳卒中など)も両群で有意差は認められなかった。年間死亡率も、併用群1.5%、単独群1.6%(ハザード比:0.91、95%信頼区間:0.75~1.10、P=0.33)だった。交互作用の可能性はある事前規定のサブグループ解析の結果、脂質低下の強化療法は、男性には有益だが、女性にはかえって有害となるかもしれない結果が示された。主要評価項目について、男性は併用群11.2% vs. 単独群13.3%だったが、女性では同9.1% vs.6.6%と逆転していた(交互作用P=0.01)。また脂質による交互作用の可能性も示され、基線でトリグリセリド値が高く(≧204mg/dL)・HDLコレステロール値が低かった(≦34mg/dL)患者は他のいずれの脂質群とも比べて併用療法が有益であることが示された。研究グループは、「シンバスタチン単独療法と比較して、シンバスタチン+fenofibrateの組合せによる併用療法が、致死的心血管イベント、非致死的心筋梗塞・脳卒中のイベントを抑制することは認められなかった。この結果は、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対し、ルーチンで併用療法を用いることを支持しないものである」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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強化血圧コントロールの心血管イベント抑制効果:ACCORD

心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者に対する降圧療法の目標値を、135~140mmHg未満とする無作為化試験のエビデンスは、まだない。そこで正常収縮期血圧値(120mmHg未満)を目標とする強化血圧コントロール(強化降圧療法)を行ったが、イベント抑制効果は認められなかったことが、ACCORD試験から報告された。本論は、3月に行われた米国心臓病学会ACCで発表、NEJM誌2010年4月29日号(オンライン版2010年3月14日号)に掲載された。4,733例を、血圧目標値120mmHg未満群と140mmHg未満群に無作為化し追跡ACCORD blood pressure trial(ACCORD BP)には、心血管イベントリスクの高い2型糖尿病患者4,733例が参加。収縮期血圧120mmHg未満を目標とする強化降圧療法群(2,362例)か、140mmHg未満を目標とする標準降圧療法群(2,371例)に無作為化され追跡された。主要転帰は、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心血管系死亡の複合。平均追跡期間は、4.7年だった。追跡1年時点の平均収縮期血圧は、それぞれ強化療法群119.3mmHg、標準療法群133.5mmHgだった。120mmHg未満としても、主要心血管イベントの発生率を低下しない主要転帰の年間発生率は、強化療法群1.87%、標準療法群2.09%で、強化療法群のハザード比:0.88(95%信頼区間:0.73~1.06、P=0.20)だった。しかし1年間の全死因死亡率は、強化療法群1.28%、標準療法群1.19%で、強化療法による低下は認められなかった(ハザード比:1.07、95%信頼区間:0.85~1.35、P=0.55)。事前規定の副次転帰である脳卒中の年間発生率は、強化療法群0.32%、標準療法群0.53%だった(ハザード比:0.59、0.39~0.89、P=0.01)。高血圧治療に起因する重篤な有害事象の発生は、強化療法群2,362例中77例(3.3%)、標準療法群2,371例中30例(1.3%)だった(P<0.001)。研究グループは、「120mmHg未満を目標値として強化血圧コントロールを行っても、140mmHg未満を目標とする血圧コントロールと比べて、致死的・非致死的主要心血管イベントの複合転帰の発生率は低下しなかった」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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教授 中村正人先生「カテーテルの歴史とともに30年、最先端治療の場で」

名だたる方のカテーテル手術を手がけていることでも有名。日本心血管インターベンション治療学会理事など学会の委員を多数兼務。心臓カテーテルに関する著作は多く、循環器医の中では初めてに近い「末梢血管インターベンションのノウハウをまとめたハンドブック」を作成。現在、東邦大学医療センター大橋病院で心臓血管カテーテルセンター長を務める。カテーテルの世界は進歩早く魅力的東邦大学医療センター大橋病院の外来数は、他病院から紹介などを含め1日あたり約50人ですね。生活スタイル、食生活の変化などから日本人の私たちの体も変化してきていて、患者数はますます増加傾向にあります。自分が大学病院に入った時には心臓にカテーテルを用いた治療がこれからという時でした。まだそれほどカテーテルが主流でなかった時から、ともに約30年を歩んできました。多くの患者さんのための手術をしてきました。10年サイクルで新方式が開発されるカテーテル治療の世界では、最先端治療により、より良好な成績で患者さんの負担の少ない手術が行われるようになりました。最新の冠動脈カテーテルインターベンションを行っています。東邦大学医療センター大橋病院では、年約1,400件の心臓血管カテーテル、うち400件の心血管治療を行っています。冠動脈以外には、経皮的僧帽弁交連切開術(PTMC)、経皮的中隔焼灼術(PTSMA)、腎動脈、下肢の動脈などのカテーテル治療を行っています。カテーテルの世界はものすごいスピードで進化しており、それは魅力的な世界です。私がこの世界に入った時とは比べ物にならないくらい、多種の病気に対応しており治療自体が違っています。しかし、カテーテルだけの知識だけでは専門域を極めることができません。循環器は体の隅々にまで影響する病気を発症するため、体の細部にわたる知識と専門治療医との連携が患者さんのために必要です。糖尿病とカテーテルの進化の中で60年代まで少なかった糖尿病の患者さんは、現在1000万人以上いると言われ、予備軍を含むと相当数な人数に上りますね。食生活の欧米化、自動車の普及による運動不足など、現代化の波は糖尿病患者を急増させています。虚血性心疾患の患者さんの半分ぐらいまでが糖尿病で、その場合には再狭窄が多く起こることがわかっています。糖尿病対策を早く推し進めていかなければならないでしょう。糖尿病に関しては、まだまだ大きな課題があります。カテーテルはここ約30年で、様々な患者さんに対応するために大きく進化しました。その30年とともに私も歩んできたわけです。この医療に入った時にはここまで進化・進歩するとは思ってもみませんでした。治療に関して、治療方針、患者さんの選択が広がってもきました。しかし、ここで忘れてはならないのが、患者さんの気持ちです。治療ばかりでなく患者さんのためにはどの選択がよいのか。カテーテルの進化により、最先端治療の現場では治療優先になりがちなので注意が必要ですね。あくまでも患者さんのための治療であることを忘れないことです。地域医療、他診療科との連携カテーテル手術の専門域だけでは私たちのこの医療は成立しません。患者さんは全国から来院します。当院以外の病院からの紹介などでカテーテル入院治療をした後、患者さんは今までの生活に戻ってくわけです。その後の治療は、自宅に戻った後も続きます。また、私たちのセンターへ地域医療からの紹介も多く、そういった意味でも地域医療との連携は必須です。また、患者さんの急増とともにカテーテルの進化・進歩してきているわけですが、それに伴い治療、薬剤なども進歩しており、知識を蓄える必要があり、他診療科との連携も重要となります。ここでは今まで自分が学んだものが全てではなく、患者さんのための選択肢を考えていかなくてはいけないわけです。治療知識を蓄えておけば、様々な病気への対応が遅れることなく治療できるようになるでしょう。カテーテル治療の場合、時間との戦い、タイミングが全てとなるケースが多いので連携と判断能力を養うことがポイントとなります。国内各地でカテーテル研修をする日々私の勤務する東邦大学医療センター大橋病院は都内にあり、多数の患者さんが来院するためカテーテル手術の件数も多く症例数は国内でも数多いと思います。これは都心の病院だからでしょう。地域によっては人口密度の関係から、数多い症例の確立が難しい時がありますね。カテーテル治療は知識のみならず経験が必要になります。このため、アプローチの方法なども含めて後輩の方々に伝授したいと考え、各地で研修をしています。研修は、1、豚を使用し実際に治療を行う2、コンピューターシミュレーションをつかうの2種類を主に行っています。何人かの先生と一緒になってカテーテル治療のトレーニングコースを作り、若い先生へ技術を年に数回ほど指導しています。このシミュレーションをするのとしないのでは、随分と技術に違いが出てきます。そしてディスカッションをしつつ理論を展開していく場を作っています。また若い人たちが非常に熱心で、こちらもそういう姿勢を見ていると研修を続けていこうという気持ちにさせられますね。普段治療を行っていて「自分の治療が正しいかどうか」これが一番気になるところだと思いますが、この研修を通じて症例を持ち寄る検討会をしています。治療が正しかったのかどうか、他にも治療方法があったのかなどアプローチ方法を考える理論の展開をしています。学会で発表されるような症例はベストなものを扱う発表の場であり、うまくいかなかった症例がなく、振り返ることがありません。様々な症例でアプローチ方法を探り次回へ活かしていってもらいたいです。アプローチ方法を検討しあい症例を多く集める、これは実際の診療に役立っていると思います。情報を共有して、国内のカテーテル治療の現状アップにつなげていけらと考えます。このような研修は、疑問を持ちつつ地域で医療を展開している人たちにとって得難い機会でもあると私は思います。多くの知識とコミュニケーション能力循環器は体全体の病気に関係しているので、体全体の多岐にわたる知識が必要ですね。それに伴い専門治療医との連携、これが重要になってくるわけです。そして、糖尿病患者さんの急増問題。これは糖尿病専門医だけではなくメタボ関係と並び社会全体の問題です。メタボな患者さんの循環器診察をして糖尿病を防がねばなりません。循環器医でも患者さん減少に取り組まなくてはならないと思います。患者さん、専門治療医、地域医、術後の管理などその後の治療などを含めると多くの医療従事者、患者さんが繋がっていることがわかります。患者さんの情報をお互いにやりとり、その連携が患者さんの術後の生活を支えていきます。コミュニケーション能力は大切、能力を養っておくべきです。ここにはカテーテル治療専門域だけでは対応は難しいですね。専門域だけで診察するのではなく、患者さん「人」を見るということをした方がよいでしょう。カテーテル治療は先端治療なので病巣以外を見逃しがちになりますが、患者さんにとって何がベストな治療であるかを考えなくてはいけません。また、数週間入院している患者さんを診察するとき、私は一週間に一度はカテーテル治療部分の病巣を忘れ全身を診察しています。その病気の別の顔、他への影響、あるいは他の病気が隠れているかもしれないというような気づきがあるかもしれません。同じ治療を施しても、助かる助からないの差が出てきてしまうのはその時のタイミングが大きくものをいうということを肝に銘じておくことも重要です。それは患者さんの命を左右することにもなりかねないからです。患者さんがどこまで治療を望んでいるのか、患者さんのお気持ちを最優先とした治療を心がけることが一番だと考えますね。質問と回答を公開中!

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教授 中村正人先生の答え

循環器内科での後期研修について初期研修1年目の者です。循環器内科に興味を持ち始めたのですが、循環器内科といっても幅が広く、心臓血管カテーテル以外にも多くの専門領域があると思います。大橋病院ではどのような体制で診療や研究を行うのでしょうか?入局してくるレジデントは、ある程度専門領域を決めて来るのでしょうか?少し場違いな質問ですが御教授願います。ご指摘のごとく、循環器の診療はカテーテル検査のみでなく、心臓超音波、心臓CT、核医学など画像評価、不整脈、心不全、リハビリテーションなど幅広い知識、経験が必要です。このため我々の診療科では初年度1年間は、画像診断、不整脈、心臓血管カテーテルをローテーションで勉強するシステムを構築しています。その間は、当該領域専門の医師の指導下で関係する検査、関係する疾患の診療を行います。その後に、自分の専門領域を決定します。従って、最初から自分の専門を決めてこられる人は多くありません。ローテーションで回っている間に興味を覚えさらに勉強したいと思った領域を選択する人が多いと言えます。大学では、主として自分の専門領域の診療、研究を行いますが、大学からの出張先ではオールラウンドな診療を行うこととなります。なお、近年自分の専門領域と他科との関わりの中での研究の必要性も高まっています。なお、我々の診療科は循環器として勉強を始める前に消火器科、腎臓内科、呼吸器科を研修するシステムを採用しています。他診療科との連携について先生のコメントの中に「他診療科との連携も重要となります。」とありますが、最近ではどのような科との連携が増えてきたのでしょうか?また、先生が他診療科との連携において最も重視されていること、ご苦労などございましたら教えて下さい。今日、診療はどんどん専門に特化していく方向ですが、複雑化、重症化すればするほど、また長期成績を見据えた治療を考えれば考えるほど他科の先生との連携は避けられなくなってきます。緊急で冠動脈バイパス術をお願いすることはほとんど皆無となりましたが、大動脈弁疾患、大動脈疾患の合併が増加、心臓血管外科の先生との連携は必須です。冠動脈インターベンションの40%以上は糖尿病症例です。糖尿病における冠動脈インターベンションの成績改善には糖尿病の管理は不可欠です。また、数%は透析症例であり、造影剤を用いる検査であるため、造影剤腎症の問題は避けて通ることはできません。今日、アテローム血栓症の概念が提唱されるようになりました。冠動脈と同様な病変は脳血管、頸動脈、腎動脈、下肢動脈と全身に及び、冠動脈の管理のみでは不十分であると考えられています。冠動脈インターベンションの経験はこれら動脈病変の治療において非常に有益です。しかし、頸動脈の治療においては脳外科の先生との連携が重要ですし、下肢閉塞性動脈硬化症の治療において、とくに重症虚血肢の症例では創傷治癒の診療をお願いする形成外科の先生、foot careチームとの連携が必須となります。たとえ、下肢の血流を再開のみでは本病態の改善が得られないからです。TASCにおいても多診療科の連携の重要性が述べられています。しかし、大学病院など大きな病院ではこれら診療科が縦割であり、横の連携が機能しにくい傾向があると指摘されています。専門化の弊害といえます。幸い、当院ではその垣根が低く、多くの先生に協力を得ながら診療を行っています。研修について記事拝見しました。研修で全国を回っていらっしゃることを初めて知りました。研修の内容をもう少し詳しくお聞きしたいです。(研修日程や内容、参加者数、参加者層、講師の先生のことなど。)また、先生の研修に参加することは可能でしょうか?このような機会はあまりないかと思いますので是非教えて頂きたいと思っております。年2回春と秋に土、日曜日の2日間行っています。場所は、郡山、神奈川、神戸、宮崎の4か所を持ち回りで行っています。井上直人先生、村松俊哉先生、横井宏佳先生、私の4名で実施しています。当初4名で実施しましたが、2回目以降は各地域の近隣の経験豊かな先生方に講師として協力していただき実施しています。これまでに7回行われ、次回は神戸で10月に実施予定です。対象は初心者の先生方。これから冠動脈形成術を始める、始めたばかりの先生方であり、基本的、標準的な実技をトレーニングしようとするものです。開催地区近隣の先生の参加が多いのが実情ですが、全国から参加可能です。参加者は20‐30名程度で4つのグループに分かれていただき、ローテーションで動物を用いたカテーテルのトレーニング(ガイドワイヤーの曲げ方、挿入、ステントの留置、バルーンの挿入、抜去、IVUSの操作)。コンピューターによるシィミレーション、モデルを用いたロータブレーターの手技などのトレーニングが行われます。実技を中心とした研修ですが、講義による座学も行われます。また、夜には困った、悩んだ症例をもちよりみなで議論、親交を深めております。アドバンスコースは年2回、土曜日の一日コースで及川先生、矢島先生、小川先生、濱崎先生と東京の先生に協力していただき、動物モデルで実施しています。10名前後の少数の研修で、人数の関係もあり東京限定で実施しています。これら研修は非常に体力を要し疲労しますが、若い先生の情熱を感じ、昔の自分達を思い出し、終了するたびにやめられないと企画者一同実感しております。薬剤溶出ステントの副作用について以前、薬剤溶出ステントの副作用について話題になったかと思いますが、現在はどのようになっているのでしょうか?欧米に比べると日本の副作用発生率は少ないとの発表もあったようですが、最前線にいらっしゃる先生のお考えをお聞きしたいです。宜しくお願いします。本邦でも、この種のステントが登場して5年を経過しました。この間、多くの成績が報告され、薬剤溶出ステントは揺るぎないものとなっています。しかし、現在のステントの問題点も指摘され、さらなる改善が望まれています。このデバイスの最大の利点は再狭窄を著しく軽減させたことにあります。ステントにても克服できなかった再狭窄の問題が解決に向け大きく前進しました。糖尿病、小血管など従来のステントで成績に限界があった病変、病態におけるインパクトが最大です。一方、従来のステントでは経験しないような留置後1年以降に生じるステント血栓症が新たな問題として浮かび上がりました。このため、チエノピリジン系の抗血小板薬、アスピリンの2剤の抗血小板薬を長期に服薬することが推奨されています。一方、これら薬剤による出血性リスクの懸念もあり、長期服薬の是非が問われています。この合併症の原因は依然として不詳ですが、解決すべく新たなデバイス開発がなされています。薬剤溶出ステントはステント、コーティング、薬剤の3者で構成されていますが、コーティング、最終的にはステントが溶けてなくなるようなデバイスもすでに臨床で試みられています。先生が指摘されたように、上記の合併症は幸いなことに諸外国に比し本邦では極めて低率であることが報告されています。この理由も定かではありません。幾つかの要因が指摘されています。人種差による血小板機能の差異、薬剤コンプライアンスの差異、血管内超音波を用いた治療手技の差異などです。実臨床では個々の症例で原因は異なっているものと考えられ、本邦の成績が良いのは複合的な作用の結果であろうと推測されます。いずれにしても、デバイスは有効性、安全性の両面が重要であり、このテーマは永遠に追求されていくものと思われます。カテーテルを極めるには?医大に通っています。心臓を悪くして亡くなった者がいるので、心臓血管カテーテルに大変興味があります。先生のように、カテーテルを極めるには、どのような進路や経験を積めば良いのでしょうか?心臓血管カテーテルは急速な進歩であり、これは我々の予想を大きく上回るものでした。まさに、成熟期を迎えたと言えます。幸いなことにこれら進歩を眼のあたりにしながら今日まで診療をすることができました。これらかの先生は今日の診療が当たりまえの位置からスタートするわけですから大変であろうと思います。まず、実技に入る前に清書を読むことをお勧めします。歴史を知ることは、今日の問題点が何故あるのか、どのような模索がされてきたかを理解することにつながります。広い視野が重要で、今後非常に参考になるでしょう。絶対的なルールはありませんが、次に大切なポイントはカテーテル検査を好きになることです。この領域は経験がものをいうことは否めませんから一歩、一歩、着実に前進するしかありません。手技は感覚的な要素も含まれるため、見て盗むといった古典的な手法が依然として必要になります。助手、または聴講者としてみているときも、つねに何故?その理論的背景は、自分ならどうするといった心構えが重要と思います。漠然と時間が過ぎていくのではなく、一例一例が重要です。その意味で色々なオプション、引きだしをもつことができるか、それを実践できるかが重要です。良い上司、環境は重要でしょうが、入ってみないと現状はわからないものです。多くの施設を訪問し、多くの先生の意見を聞いてみるのがよいと思います。その中で何か感じるものがあれば、あとは自分の努力で前進は可能です。昔より、勉強する機会、環境は非常に増えたと思います。狭心症患者に「カテーテル治療」と「バイパス手術」の選択について説明する時の注意点私はクリニックに勤めている医師ですが、近隣に住む、狭心症で大学病院にかかっている方から「カテーテル治療」と「バイパス手術」の選択について相談を受けました。患者の状態によって違うとは思いますが、せめて一般的なメリット、デメリット、再発率などを説明してあげたいと思っております。教科書通りの説明は本を読めばできるのですが、先生の御経験に基づいた注意点やポイントなどありましたら教えて頂ければと思います。両治療の差異は侵襲性と再血行再建の必要性にあります。両者に生命予後の点では差がないことが示されています。冠動脈形成術は、侵襲性が低く1-2時間で手技が終了、2-3日で退院可能です。死亡リスクは1%未満で、社会復帰も早期に可能です。最大のアキレス腱は再狭窄がある一定の頻度で生じることです。しかし、この問題も薬剤溶出ステントが登場して著しく軽減、数%となっています。このため、薬剤溶出ステントが汎用されていますが、この種のステントで治療した場合ステント血栓症を防止するためアスピリン、チエノピリジン系抗血小板薬2剤長期服薬が必須です。服薬アドヒアランスが低い患者さんには不向きと言えます。また、冠動脈形成術は局所の治療であるため、治療部位以外のイベントは回避困難であり、厳格なリスク管理が重要です。一方、冠動脈バイパス術は全身麻酔を要し、初期の侵襲性は高く、死亡リスクは1-3%、脳卒中、開胸に伴う合併症、麻酔に伴いトラブルなどのリスクが若干あります。一回で治療を完結できる可能性が高く、グラフトされた末梢での心血管事故防止効果も期待できます。初期に開存が得られ長期的な開存が期待できます(グラフトの種類により差異がある)。他に両治療戦略を選択する重要なポイントに病変形態、合併疾患の有無があります。病変形態が冠動脈インターベンション治療に向いているか否かの判断が極めて重要です。この事実は最近の臨床試験でも示されています。また、腎機能障害があれば複数回のカテーテル治療は腎機能を悪化させるリスクとなります。高齢者では合併症のリスクが高く、最も重要な病変のみ治療を行い薬物で補完することも戦略となります。穿刺部合併症心臓カテーテル検査を始めて3年目なのですが、穿刺部合併症を最近数例件しました。具体的には浅腸骨回旋動脈の穿孔や、血腫、仮性動脈、動静脈瘻を経験しました。 こういった合併症を防ぐために、普段どういったところに注意されていますか? Femoral Punctureでは穿刺部位は透視で大腿骨頭の位置を確認して刺していますが、シースを挿入する前のワイヤー操作はやはりほとんど透視しながらやった方が良いのでしょうか?仮性動脈瘤はlower punctureで合併しやすく、逆にhigher punctureは腹腔穿刺になるため大腿動脈穿刺において穿刺部位は極めて重要です。これは比較的狭い範囲です。先生が実施しているように透視で大腿骨頭の位置を確認することは重要です。当院では全例実施しています。今後も必ず実施してください。大腿骨頭の下縁以下、上縁以上は避けることになります。穿刺はsingle wall punctureが良いとされています。すなわち、血管の後壁を突き抜けないように動脈の前壁のみを穿刺する手法です。当院では外筒のないアルゴンニードルを使用しています。なお、この穿刺針とラジフォーカスは相性が悪く、スプリングワイヤーを用います。その後穿刺針にガイドワイヤーを挿入します。透視を見ながらの挿入は行っておりませんが、ゆっくり挿入し、抵抗を感じた場合必ず透視で確認を行います。この際にラジフィーカスを用いないのは、迷入しても気づきにくいからです。透視で迷入が確認された場合、検査後造影にて確認を行えば確実です。上記の理由でラジフォーカスを用いる場合は透視下で挿入する方が安全でしょう。静脈は動脈の内側に伴走していますが、血管の蛇行などで上下に重なっていることもあります。止血手技も重要です。Learning curveがあり、ある程度の経験が必要です。とくに高度肥満の人、高齢者、大動脈弁閉鎖不全症など脈圧が高い人は要注意です。皮膚の穿刺点と血管の穿刺点は高さが異なること、拍動を感じながら圧迫することなどが重要であり、single wall punctureが望ましく, lower punctureは止血困難な要因となります。どこに問題があったか、自問してみましょう。しかし、実際には動脈穿刺に伴う合併症はある一定の頻度で合併し得るものです。合併症は早期に見つけること、そのためには疑うことが肝要です。PCIにおけるステントの選択に関してPCIにおけるステントの選択ですが、私は、3mm以上の血管に対してはエンデバースプリント、2mm代の小血管に対してはCypher select、AMIに関してはDriver stentという選択をしております。ザイエンスが登場し、遠隔期の成績の良さはよくわかるのですが、メリットである通過性に関してもエンデバースプリントでことたりますし、ザイエンスのデリバリーバルーンのドッグボーン、コンプライアンスが良すぎるバルーン、ウイギング現象を考えるといまいちザイエンスの使い勝手が悪い気がします。中村先生は、ステント選択に関して何かいいポイントはありませんか?ぜひ教えてください。ステントの成績に関する報告は多数ありますが。これらの報告を実臨床にどのように生かすかが個々の医師に託された仕事であろうと思います。比較試験は限られた対象における検討であり、レジストリーデータは実臨床に近い対象になりますが、バイアスのかかった対象であり、近年はやりのマッチングを行っても比較試験と同等の意味をもたせるには限界があります。最近の臨床試験における各デバイスの差異は数%以内のものであり、基本的に大きな差異はないと言えるでしょう。薬剤の臨床試験と極めて類似して来ました。従って、どのステントを選ぶかは、そのステントの何を生かそうとして選択したかという点に尽きます。抗血小板薬長期服薬困難であるか、ステントのプラットフームが重要な病変であるか、通過性が重要な病変であるかなど個々に適したものを選択すればよいと思います。大切な点は、適切な拡張術で良好なステント拡張を得ることです。この点で、使いなれたステントを用いると予想された結果が得られやすいということは言えるでしょう。さてザイエンスです。ご指摘のごとくコンプライアンスが高く、留意が必要です。特に2.5mmはコンプライアンスが高く、サイズを間違えないことが重要です。また、taper vesselでは近位に合わせたサイズを選択すると危険です。この点先生の意見に賛成です。私は高圧をかけず、低圧で長時間拡張後にステント内を高圧拡張行うようにしています。ステントの特徴はむしろマウントされているバルーンの性能とステントの相性によって決定されるといって過言でありません。従って各ステントにあった拡張を行うことが重要です。それは個々の先生の流儀と相性があるかもしれません。以上のごとく、病変、病態にあったステントを選択し、そのステントにあった拡張術(edge損傷なくステント面積を得る)を行うのが良いと考えています。予後50歳男性心筋梗塞発症15時間後に心カテ施行。1枝は凝固が強く、完全閉塞だが微小な側副血行あり。ヘパリン治療にて24時間経過、バイタルは安定、軽度左室肥大あり。今後の予後予測は?外科適応の指標などあればご教示下さい。ポイントは50歳と若年、1枝病変完全閉塞の2点にあります。本例の梗塞部位は不明ですが、初回梗塞の1枝病変で血行動態が安定しており、高齢でない点から予後は良好、機械的合併症発生のリスクは低いものと予想されます。本例は15時間経過した梗塞例で、側副路の発達が不良な完全閉塞であったとのことから、壊死はすでに完成しているものと推測され、このためこの時点で再灌流による心筋救済のメリットは小さいものと推測されます。結果としての梗塞サイズ、残存心機能が予後を規定します。再灌流が得られていないので梗塞後のリモデリング防止が重要となります。さて、慢性期に1枝完全閉塞であった場合の血行再建の適応は残存虚血の有無、病変部位によって決定されます。虚血がない、または小さい場合は薬物で管理。虚血が残存する場合、バイパス術、PCIなどの血行再建が必要になります。両者の別は病変形態、部位によって決定されます。冠動脈バイパス術は本例が主幹部、LADの近位部にあり、病変形態がPCIに不向きな場合に考慮されます。なお、急性期に完全閉塞であっても自然に再疎通し開存していることが少なくありません。従って、退院前に再造影することをおすすめします。教授 中村正人先生「カテーテルの歴史とともに30年、最先端治療の場で」

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糖尿病性腎症への高用量ビタミンB投与、尿細管濾過率低下、血管イベントリスクも増加

高用量ビタミンBを投与した糖尿病性腎症患者群は、非投与群に比べ、3年後の尿細管濾過率の低下幅が増大、血管イベントリスクも増加することが明らかになった。カナダ・西オンタリオ大学腎臓病部門のAndrew A. House氏らが、200人超を対象に行った試験の結果報告したもので、JAMA誌2010年4月28日号で発表した。糖尿病性腎症238人を無作為化、36ヵ月後に放射性核種を用い尿細管濾過率変化を測定同氏らは、2001年5月~2007年7月にかけて、カナダ国内5ヵ所の大学付属メディカルセンターで、合わせて238人の糖尿病性腎症が認められる1型および2型糖尿病患者について、無作為化プラセボ対照二重盲検試験「DIVINe」(Diabetic Intervention with Vitamins to Improve Nephropathy)を行った。研究グループは被験者を2群に分け、一方には葉酸(2.5mg/日)、ビタミンB6(25mg/日)、ビタミンB12(1mg/日)を、もう一方の群にはプラセボを投与した。第1エンドポイントは、試験開始時点と36ヵ月後の放射性核種を用いて測定した尿細管濾過率の変化だった。濾過率減少幅はビタミンB群で大、血管イベントリスクはビタミンB群が2倍追跡期間の平均値は31.9(標準偏差:14.4)ヵ月だった。36ヵ月後の放射性核種による尿細管濾過率の試験開始時点に比べた減少幅は、ビタミンB群では平均16.5(標準偏差:1.7)mL/min/1.73m2で、プラセボ群の平均10.7(標準偏差:1.7)mL/min/1.73m2に比べ有意に大きかった(格差平均:-5.8、95%信頼区間:-10.6~-1.1、p=0.02)。心筋梗塞、脳卒中、血管再生術、総死亡を合わせた統合イベント発生率は、ビタミンB群がプラセボ群の約2倍だった(ハザード比:2.0、95%信頼区間:1.0~4.0、p=0.04)。36ヵ月後の血漿総ホモシステイン値は、ビタミンB群の方が平均2.2(標準偏差:0.4)μmol/Lで、プラセボ群の平均2.6(標準偏差:0.4)μmol/Lより低かった(格差平均:-4.8、95%信頼区間:-6.1~-3.7、p<0.001)。なお透析実施率については、両群で有意差はなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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注射針がより短く、細く 極小インスリン用注射針「BD マイクロファインプラス 32G x 4mm Thin Wall」発売

日本ベクトン・ディッキンソン株式会社は、糖尿病患者の自己注射による治療をより快適なものとするために、極小のペン型注入器用注射針、「BD マイクロファインプラス 32G x 4mm Thin Wall」を5月10日に発売した。「BD マイクロファインプラス 32G x 4mm Thin Wall」は、2010年4月現在、針の長さが日本国内既存のペン型注入器用注射針の中で最も短い。針基から針先までの長さはわずか4mmで、ストレート形状の32ゲージ(0.23mm)だ。同社の従来品との比較調査では、さらに痛みが少なく、より快適であった、という結果が得られたという。この注射針は、インスリン注射で望ましいとされる、皮下への効果的なインスリン投与を実現し、臨床的に問題とされる筋肉内注射のリスクを低減する。詳細はプレスリリースへhttp://www.bdj.co.jp/press/2010510.html

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新規糖尿病治療薬リラグルチドとシタグリプチン、血糖降下作用はどちらが優れるか?

メトホルミン単独では血糖値が十分にコントロールされない2型糖尿病患者において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬リラグルチド(商品名:ビクトーザ)は、ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬シタグリプチン(同:ジャヌビア、グラクティブ)に比べ糖化ヘモグロビン(HbA1c)の低下作用が優れることが、アメリカVermont大学医学部のRichard E Pratley氏らが実施した無作為化試験で示された。近年、2型糖尿病ではインクレチン系をターゲットとした治療が重要とされ、主なインクレチンホルモンとしてGLP-1とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)が挙げられる。GLP-1受容体作動薬がGLP-1の薬理活性を増強するのに対し、DPP-4阻害薬は内因性のGLP-1とGIPの濃度を上昇させるという。Lancet誌2010年4月24日号掲載の報告。13ヵ国158施設が参加したオープンラベル無作為化試験研究グループは、メトホルミン単独では適切な血糖値が達成されない2型糖尿病患者を対象に、メトホルミンの補助療法としてのリラグルチドとシタグリプチンの効果および安全性を評価するオープンラベル無作為化試験を行った。2008年6月~2009年6月までに、ヨーロッパ11ヵ国、アメリカ、カナダの158施設から、メトホルミン≧1,500mg/日を3ヵ月以上投与してもHbA1c 7.5~10.0%と十分な血糖コントロールが得られない18~80歳の2型糖尿病患者665例が登録された。これらの患者が、リラグルチド1.2mg/日を皮下投与する群(225例)、同1.8mg/日を皮下投与する群(221例)あるいはシタグリプチン100mg/日を経口投与する群(219例)に無作為に割り付けられ、26週間の治療が行われた。主要評価項目はベースラインから26週までのHbA1cの変化とし、両薬剤の有効性の非劣性解析とともに優位性解析を行った。リラグルチド群でHbA1cが有意に低下、低血糖リスクは最小限リラグルチド群のうち7例(1.2mg群4例、1.8mg群3例)が実際には治療を受けなかったため解析から除外された。ベースライン時の平均HbA1cはリラグルチド1.2mg群が8.4%、1.8mg群が8.4%、シタグリプチン群が8.5%であり、全体では8.5%であった。優位性解析では、ベースラインからのHbA1cの低下はシタグリプチン群が0.9%であったのに対し、リラグルチド1.2mg群は1.24%、1.8mg群は1.50%であった。リラグルチド1.2mg群とシタグリプチン群の差は0.34%(p<0.0001)、1.8mg群とシタグリプチン群の差は0.60%(p<0.0001)であり、いずれもリラグルチド群が有意に優れた。2つのリラグルチド群間にも有意差を認めた(p<0.0013)。吐き気が、シタグリプチン群の5%(10例)に比べリラグルチド1.2mg群は21%(46例)、1.8mg群は27%(59例)と多くみられた。いずれの群でも、軽度の低血糖が約5%の患者に認められた。著者は、「リラグルチドはシタグリプチンに比べHbA1cの低下作用が優れ、低血糖のリスクも最小限で良好な耐用性を示した」と結論し、「これらの知見により、リラグルチドはメトホルミンとの併用において有効なGLP-1受容体作動薬として使用できる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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心血管リスクを有する耐糖能異常患者への速効型インスリン分泌促進薬:NAVIGATOR研究

経口糖尿病薬の1つ、速効型インスリン分泌促進薬ナテグリニド(商品名:スターシス、ファスティック)について、心血管疾患あるいは心血管リスクを有する耐糖能異常患者の糖尿病発症や心血管イベントを抑制しないとの報告が、NAVIGATOR研究グループによって発表された。同種の研究はこれまで行われておらず、本報告は追跡期間約5年、9,300名余を対象とした2×2二重盲検無作為化臨床試験により明らかにされた。NEJM誌2010年4月22日号(オンライン版2010年3月14日号)掲載より。9,306例をプラセボとの比較で中央値5.0年追跡NAVIGATOR(Nateglinide and Valsartan in Impaired Glucose Tolerance Outcomes Research)研究グループは、耐糖能異常と心血管疾患または心血管リスク因子を有する9,306例を対象に、2×2二重盲検無作為化臨床試験を行った。被験者は全員、生活習慣改善プログラムを受ける一方、ナテグリニド(最大60mgを1日3回)かプラセボ投与を受け、さらにそれぞれバルサルタン(商品名:ディオバン)またはプラセボの併用投与を受け、糖尿病の発症について、中央値5.0年追跡された。生存については中央値6.5年追跡された。解析ではナテグリニドの効果について、糖尿病の発症、中核の心血管転帰(心血管死,非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全による入院の複合)、広範な心血管転帰(中核の複合心血管転帰の各要素、不安定狭心症による入院、動脈血行再建の複合)の3つの共通主要転帰の発生を評価した。糖尿病発症、心血管転帰発生に有意な低下認められず多重検定補正後、ナテグリニド群(4,645例)はプラセボ群(4,661例)と比べて、3つの共通主要転帰の発生を、いずれも有意に低下しなかった。糖尿病の累積発症率は、ナテグリニド群36%、プラセボ群34%(ハザード比:1.07、95%信頼区間:1.00~1.15、P=0.05)、中核の複合心血管転帰の発生率は7.9%、8.3%(同:0.94、:0.82~1.09、P=0.43)、広範な複合心血管転帰の発生率は14.2%、15.2%(同:0.93、0.83~1.03、P=0.16)だった。一方で、ナテグリニド群では低血糖リスクの増加がみられた。(医療ライター:武藤まき)

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壊死性膵炎患者、低侵襲ステップアップアプローチで標準法よりも転帰改善

壊死性膵炎の患者に対し、低侵襲のステップアップアプローチを行うことで、従来の標準治療とされる開腹膵壊死部摘除術よりも、転帰が改善したことが報告された。ユトレヒト大学病院Hjalmar C. van Santvoort氏らオランダ国内7つの大学病院、12の教育病院が参加したオランダ膵炎研究グループによる多施設共同研究による。NEJM誌2010年4月22日号掲載より。無作為化試験で標準法と比較ステップアップアプローチとは、経皮的ドレナージを行った後、必要に応じて低侵襲の後腹膜膵壊死部摘除術を行うというもの。試験は、壊死組織感染の疑い・確認された壊死性膵炎患者88例を無作為に、開腹膵壊死部摘除術を第一に受ける群と、ステップアップアプローチを第一に受ける群に割り付け行われた。主要エンドポイントは、重大な合併症(多臓器不全・多発性全身性合併症の新規の発症、内臓穿孔・腸管皮膚瘻、出血)と死亡の複合だった。低侵襲ステップアップアプローチ群のリスク比0.57主要エンドポイント発生は、開腹膵壊死部摘除術群45例中31例(69%)、ステップアップアプローチ群43例中17例(40%)で、ステップアップアプローチ群の開腹膵壊死部摘除術群に対するリスク比は0.57(95%信頼区間:0.38~0.87、P=0.006)と、転帰が大きく改善することが示された。なお、ステップアップアプローチ群では、35%が経皮的ドレナージのみの施行だった。多臓器不全の新規発症頻度は、ステップアップアプローチ群は12%で、開腹膵壊死部摘除術群40%と比べてより低かった(P=0.002)。死亡率については両群で有意差は認められなかった(19%対16%、P=0.70)。その他、ステップアップアプローチ群の方が、腹壁瘢痕ヘルニアの発生率(7% 対 24%、P=0.03)、糖尿病の新規発症率(16%対38%、P=0.02)が低かった。(医療ライター:武藤まき)

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高血圧診断・管理には日中自由行動下血圧

軽度高血圧の診断に24時間自由行動下血圧が基準値とされているが、その治療や、あるいは中等度~重度の高血圧診断には用いられていない。オーストラリアのベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のGeoffrey A Head氏らは、高血圧の診断と治療のための、年齢・性別24時間自由行動下血圧基準値作成を、診察室血圧値と検討しながら試みた。BMJ誌2010年4月17日号(オンライン版2010年4月14日号)掲載の報告。8,529件分の24時間自由行動下血圧測定データを照合Head氏らは、オーストラリア6州、11の医療センターから、熟練スタッフにより測定された24時間自由行動下血圧のデータを有する8,529件分のデータを照合し、診察室血圧との比較検討が行われた。診察室血圧の評価では、被験者のうち医師測定データを有する1,593件分との比較検討も行われた。被験者8,529例は、4626例(54%)は女性、平均年齢56歳(SD:15)、BMIは28.9(同5.5)、診察室血圧(収縮期/拡張期)142/82mmHg(同19/12)だった。医師測定の診察室血圧は高すぎて、診断・管理指標として不適当熟練スタッフ測定の診察室血圧の平均血圧は、日中(7~23時)自由行動下血圧より6/3mmHg高く、また24時間自由行動下血圧より10/5mmHg高かった。一方で、医師測定の診察室血圧よりは9/7mmHg低かった。熟練スタッフ測定の日中自由行動下血圧は、診察室血圧の基準値140/90mmHgより4/3mmHg低くⅠ度(軽度)高血圧の基準値を下回り、正常血圧上限値130/80mmHgよりも2/2mmHg低く、蛋白尿を伴う場合の降圧目標値125/75mmHg値より1/1mmHg低かった。また自由行動下血圧は、男性よりも女性の方が1/2mmHg低く、若い人より65歳以上の高齢の人の方が3/1mmHg低かった。Head氏は「我々が行った試験の結果、日中自由行動下血圧の方が診察室血圧より有意に低かった。医師測定の診察室血圧は、その他熟練スタッフ測定の同値と比べて、かなり高値で、基準値として採用するのはふさわしくなかった」と述べ、「これら結果は、高血圧の診断や管理には、日中自由行動下血圧を用いることが適切であることを示すものである」と結論している。

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rosiglitazoneの安全性に好意的な研究者と製薬会社との関係

2型糖尿病治療薬rosiglitazone(国内未承認)の安全性について好意的な見解を表明している研究者は、そうでない研究者に比べ製薬会社と金銭的な利益相反を有する傾向が強いことが、アメリカMayo Clinic内科学のAmy T Wang氏らの調査で明らかとなった。最近の透明性の向上を求める声にうながされて、利益相反の開示に関する指針のさらなる厳格化と、いっそうの普及が進められている。過去10年間に実施された様々な試験において、利益相反と製薬会社を支持する結論の関連が示されているという。BMJ誌2010年4月10日号(オンライン版2010年3月18日号)掲載の報告。2つの基準論文に触れた文献を3つに分類し、利益相反の有無との関連を解析研究グループは、糖尿病患者におけるrosiglitazone投与と心筋梗塞の発症リスクの増大について、著者の金銭的な利益相反とその見解の関連性を検討した。2009年4月10日に、Web of ScienceおよびScopusを用い、2つの基準論文を引用あるいはこれに言及している文献を抽出した。2つの基準論文とは、NissenとWolskiが糖尿病患者におけるrosiglitazoneと心筋梗塞イベントの関連について初めて行ったメタ解析(N Engl J Med 2007; 356: 2457-71)およびこのメタ解析の結果に応えるかたちで発表されたRECORD試験の中間報告(N Engl J Med 2007; 357: 28-38)である。対象文献は「rosiglitazone」「心筋梗塞リスク」に触れていることとし、ガイドライン、メタ解析、レビュー、臨床試験、論文に関するレター、解説、エディトリアルが含まれた。個々の文献について、著者の金銭的な利益相反に関する情報を集めた。2名の評価者が別個に、利益相反の有無を知らされない状況下で個々の論文を「好意的(rosiglitazoneは心筋梗塞リスクを増大させない)」「中立的」「非好意的」のいずれかに分類した。予想外に低い情報開示率、好意的見解と金銭的利益相反に強固な関連性が202の文献が抽出され、そのうち利益相反の記述があったのは108(53%)文献に過ぎず、著者に利益相反を認めたのは90(45%)文献であった。rosiglitazoneと心筋梗塞リスクの関連に「好意的」であった著者は、「非好意的」な著者に比べ、全般に血糖降下薬の製造会社との間に金銭的な利益相反を有する傾向が強く(関連強度率比:3.38、95%信頼区間:2.26~5.06)、特にrosiglitazoneの製造会社とはその傾向が強固であった(同:4.29、同:2.63~7.02)。同様に、「rosiglitazone使用の推奨」と金銭的な利益相反にも強い関連を認めた(同:3.36、同:1.94~5.83)。このような関連性は、著者よりもむしろ文献を解析対象とした場合に強かった(関連強度率比:4.69、95%信頼区間:2.84~7.72)。さらに、意見論文(同:6.29、同:2.15~18.38)や主にrosiglitazoneに関する論議に焦点を当てた文献(同:6.50、同:2.56~16.53)に限定した場合、およびアメリカ食品医薬品局(FDA)によるrosiglitazoneの安全性に関する警告の発表の前(同:3.43、同:0.99~11.82)、発表後(同:4.95、同:2.87~8.53)でも、一貫してこのような関連が強くみられた。著者は、「金銭的な利益相反の情報開示率は予想外に低く、著者がrosiglitazone論議について表明した方向性と、彼らの製薬会社との金銭的な利益相反には明確かつ強力な関連性が認められた」と結論し、「これらの知見は、糖尿病患者に対するrosiglitazoneの心臓リスクに関する見解と、著者の金銭的利益相反の因果関係を必ずしも示すものではないが、科学的な業績を信頼に足るものするためには、情報開示手続きをさらに変更する必要性があることを浮き彫りにしている」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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医師の肥満患者に対する外来医療の質、対非肥満患者に劣らず

医師の肥満患者に対する外来医療サービスの質は、非肥満患者に対するものと比べて劣らない、との米国で行われた調査結果が、JAMA誌2010年4月7日号で報告されている。これまでの研究結果では、医師は、肥満患者に対して否定的な態度で接するとの報告がされていた。米国ペンシルベニア大学のVirginia W. Chang氏らが、約7万人の患者データを分析した結果による。ワクチン接種やがん検診など、8項目の実施率について調査同研究グループは、米国高齢者向け公的医療保険「メディケア」受給者3万6,122人に関する1994~2006年の調査結果と、退役軍人に対する医療保険(VHA)の受給者3万3,550人に関する2003~2004年に行われた調査結果を分析した。医療サービスの質の指標としたのは、糖尿病患者に対する眼の検診、HbA1c値の検査、脂質スクリーニングや、対象者への肺炎球菌ワクチン接種、インフルエンザワクチンの接種、マンモグラフィーによる乳がん検診、大腸がん検診、子宮頸がん検診の実施について。分析結果については、社会人口統計因子、健康状態、臨床的複雑さや診察頻度に関して、補正を行った。糖尿病患者へのHbA1c値検査など、肥満患者の実施率が非肥満患者を上回る項目もその結果、肥満患者が非肥満患者に比べ、適切な医療サービスを受けていないとするエビデンスは認められなかったという。逆に、肥満患者の方が、非肥満患者よりも実施率がやや高い項目がみられた。糖尿病患者に対する脂質スクリーニングの実施率は、肥満患者が72%に対し非肥満患者は65%(オッズ比:1.37、95%信頼区間:1.09~1.73)。HbA1c値の検査実施率も、肥満患者が74%に対し、非肥満患者は62%だった(オッズ比:1.73、同:1.41~2.11)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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DPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」今月にも薬価収載へ(1)

 2010年1月20日、国内で2成分目となるDPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」が承認された。ここでは、4月13日にアーバンネット大手町ビル(東京都千代田区)にて開催されたエクア記者説明会「これからの2型糖尿病治療の選択~低血糖・体重増加を助長しない、血糖コントロールをめざして~」(演者:東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 教授 門脇 孝氏)<ノバルティス ファーマ株式会社主催>について報告する。多くの患者が現在服用している薬剤の改善を望んでいる 門脇氏の説明会に先立ち、ノバルティス ファーマ株式会社の青野氏は、自社で行ったインターネット調査から、糖尿病患者の約6割が、現在服用している経口血糖降下薬に対してなんらかの不満を持っており、9割以上が薬剤の改善を希望し、具体的には「良好な血糖コントロールができる」薬剤を望んでいることを発表した。また、「半数以上が実際に低血糖を経験していないにもかかわらず、糖尿病患者の2人に1人が『低血糖が怖いと思っている』ことを報告し、「多くの2型糖尿病患者がアンメットメディカルニーズ(満たされていない治療上の要望)を感じている」と述べた。日本人2型糖尿病はインスリン分泌が不良 わが国の糖尿病患者は激増しており、その原因として考えられるのが、近年の食生活の変化や運動不足である。日本人は、元々インスリン分泌能が低く、欧米型の生活習慣を続けることにより、内臓脂肪が蓄積し、インスリン抵抗性が増大し、容易に糖尿病を発症する。実際に、欧米人はBMI30以上の肥満で糖尿病を発症することが多いが、日本人では、小太り程度で発症することが多い。門脇氏は、日本人は欧米人より内臓脂肪を溜めやすいこと、そして最近解明されてきた遺伝子レベルでの日本人の発症機構について紹介し、「治療を始めるにあたり、まず病態をきちんと把握することが重要である。日本人は欧米人と異なり、インスリン分泌が不良であることを考える必要がある」と述べた。糖尿病と診断された時点で膵β細胞の機能は半分以下に 糖尿病では、発症した時点ですでに膵β細胞の機能は50%以下になっている。門脇氏は、これまで使われてきたどの経口血糖降下薬でも、その進行は食い止めることができないことを明らかにしたADOPT試験やUKPDS試験などの結果を報告し、今後は膵β細胞を守り、できる限り機能を温存させ、機能低下の進行を遅らせる治療が重要になると述べた。早期から、低血糖を起こさずに厳格な血糖コントロールを UKPDS80で早期治療による「Legacy Effect(遺産効果)」が示されたこと、UKPDS、ACCORD、VADTなど、5つの大規模試験のメタ解析でも、厳格な血糖コントロールにより、心血管イベントリスクの減少が示されたことを報告し、門脇氏は「大血管障害の発症・進展を阻止するためには、やはり早期から厳格な血糖コントロールを行うべき」と強調した。そして、強化療法群による死亡率増加のために中止されたACCORD試験に対して、その原因として低血糖が考えられると考察した上で、「できるだけ低血糖を起こさずに、早期から厳格に血糖コントロールすることが重要」と述べた。DPP-4阻害薬は単独で低血糖を起こさず、体重に影響を与えない 食物を摂取すると、消化管からインクレチンというホルモンが分泌される。インクレチンには、主にGIPとGLP-1があり、GLP-1が、膵β細胞のGLP-1受容体に結合して、インスリンを分泌させる働きを持つ。しかしGLP-1は、DPP-4という酵素により不活性化されてしまうため、このGLP-1の不活性化を阻害するために作られたのがDPP-4阻害薬である。DPP-4阻害薬を投与するとGLP-1が増加し、インスリン分泌が促進されるが、GLP-1の分泌は、血中のグルコース濃度に依存するため、DPP-4阻害薬を単独で投与した場合、低血糖を起こしにくい。また、GLP-1は食欲抑制作用や胃の内容物の排出を遅らせる作用があることから、DPP-4阻害薬を投与しても、体重に影響を与えないといわれている。 引き続き、医療ニュース「DPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」今月にも薬価収載へ(2)」をご覧ください。

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DPP-4阻害薬「エクア(一般名:ビルダグリプチン)」今月にも薬価収載へ(2)

エクアは24時間にわたって90%以上のDPP-4阻害作用を発揮する 2010年1月2日、エクア(一般名:ビルダグリプチン)が承認された。エクアは、食事・運動療法、あるいは食事・運動療法に加え、SU薬を処方しても血糖コントロール不良な2型糖尿病患者に対して、50mgを1日2回、朝夕に処方する。 すでに使用されている他のDPP-4阻害薬は1日1回投与であるが、門脇氏は、エクアは1日2回投与により、24時間以上にわたってDPP-4の活性を阻害していることを示し、それにより、安定してGLP-1の増加を維持していることを報告した。そして、エクア単独投与により、HbA1c値を1.2%改善し(プラセボとの比較)、食後血糖値も有意に改善したと報告した上で、エクアは1日2回投与により、90%以上のDPP-4阻害率を維持した結果、優れた血糖コントロールが得られていると述べた。また、1日1回のDPP-4 阻害薬と比較した臨床試験の成績から、エクアにおいて、食後2時間血糖値およびHbA1c値が低下していたことを報告した。 そして実際には、食事・運動療法を行っても目標値が達成できない場合の第一選択薬になるが、HbA1cが7.5~8.0%を超える患者では、単独投与では難しいため、他剤との併用が必要になると述べた。 また、門脇氏はラットを使った動物実験において、エクアが膵β細胞量を増加させたことを報告し、まだ臨床での成績はないが、エクアを投与することにより、膵β細胞の機能を改善させ、糖尿病の進行を阻止する可能性があると述べた。そして、将来的には、膵β細胞の機能を改善する可能性があるインクレチン関連薬は、発症前の前段階の人に対して、糖尿病発症予防の手段となり得るかを検討する余地があると述べた。SU薬との併用には十分注意を エクアはSU薬との併用が可能となるが、門脇氏は、すでにわが国で使用されているDPP-4阻害薬とSU薬の併用で重症低血糖が10例以上起こっていることを報告し、SU薬と併用する際には、低血糖の発現に十分注意する必要があると述べた。国内で報告されている重症低血糖例については、高用量のSU薬が処方されており、そのほとんどが65歳以上の高齢者であった。併用開始後2~4日後の早い時期に起こり、中には昏睡に至った例も報告されているが、すでに全例回復している。門脇氏は、「SU薬と併用する場合は、低血糖に注意する。生理的機能が低下しており、低血糖症状に気付きにくい高齢者の場合は特に注意する。使用しているSU薬を減量してから併用する(例えばアマリールであれば、2mg/日以下)」と強調した。なお、SU薬とDPP-4阻害薬併用における低血糖については、すでに門脇氏を含む数人の糖尿病専門医により検討が行われており、糖尿病協会および日本医師会を通じてrecommendation/勧告を出しているという。 昨年末から今年初めにかけて、待ち望まれていた全く新しい作用機序の経口血糖降下薬DPP-4阻害薬、そしてGLP-1受容体作動薬がわが国で発売された。エクアが16日付で薬価収載されれば、これで国内2成分目のDPP-4阻害薬となる。 これまでの糖尿病治療薬では、血糖低下作用が強いほど低血糖が発現しやすく、また体重も増加するという課題があった。そのため、DPP-4阻害薬などのインクレチン関連薬は、「(単独投与で)低血糖を起こさず、体重に影響を与えずに、血糖値を下げる」薬剤であることから、発売前から、非常に多くの期待が寄せられていた。また、本記者説明会でも門脇氏が述べているように、インスリン分泌が不良である日本人2型糖尿病ではより効果が得られることから、今後多くの患者に使用されるようになれば、これまでの海外での使用経験の報告では得られなかったより高い有効性の報告も期待できるだろう。 しかし一方で、わが国で多くの患者に使用されているSU薬との併用において、低血糖の発現が報告されている。長期にわたる安全性についても、現在のところ、まだ報告されているものはないが、海外での使用もまだ数年であるため、今後注意していく必要がある。 本説明会の最後に、門脇氏は、「1例1例大事に、安全性に対処しながら育てていきたい」と述べて、説明会を終えた。糖尿病では、個々の患者ごとに病態が異なり、治療法が異なるといっても過言でない。今後、その1例1例が臨床経験として蓄積されていくことで、その薬剤の有意義な使い方が確立されていくと考えられる。

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中国の糖尿病有病率9.7%・9,240万人

急速にライフスタイルが変化した中国では、糖尿病の蔓延が懸念されている。中国・北京にある中日友好病院のWenying Yang氏らは、糖尿病有病率を推定するため、2007年6月~2008年5月に、全国調査を行った。結果、糖尿病有病率は9.7%・9,240万人、糖尿病前症有病率は15.5%・1億4820万人に上ることが明らかになった。NEJM誌2010年3月25日号掲載より。糖尿病前症有病率は15.5%・1億4,820万人調査は、中国14の州・自治区から、20歳以上の46,239人を抽出したサンプル調査の手法で行われた。被験者は、前夜絶食後、経口ブドウ糖負荷試験を受け、空腹時血糖値、2時間後血糖値測定によって、糖尿病あるいは糖尿病前症(すなわち空腹時血糖値異常または耐糖能異常)を診断された。以前に糖尿病と診断されたことがあるかどうかは、自己報告に基づいて確認した。結果、トータルの糖尿病有病率(以前に糖尿病と診断された人も含む)は9.7%(男性 10.6%、女性8.8%)、糖尿病前症15.5%(男性16.1%、女性14.9%)だった。これは、糖尿病成人は推定9,240万人(男性5,020万人、女性4,220万人)、糖尿病前症成人は推定1億4,820万人(男性7,610万人、女性7,210万人)に上ることを示す。年齢、体重に比例して有病率増大、地方よりも都市部で糖尿病有病率は、年齢とともに増加していること(「20~39歳」3.2%、「40~59歳」11.5%、「60歳以上」20.4%)、体重の多い人ほど有病率が高いこと(BMIが「18.5未満」4.5%、「18.5~24.9」7.6%、「25.0~29.9」12.8%、「30.0以上」18.5%)が明らかになった。また、地方よりも都市部の住民の方が高く(11.4%対8.2%)、耐糖能異常(糖尿病前症)の有病率の方が空腹時血糖値異常(糖尿病)より高かった(男性11.0%対3.2%、女性10.9%対2.2%)。以上からYang氏は、「中国ではすでに糖尿病は重大な国民的な健康問題である。糖尿病の予防および治療戦略が必要だ」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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