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甲状腺がん治療薬レンバチニブをFDAが承認

 エーザイ株式会社は16日、米国子会社であるエーザイ・インクが、自社創製の新規抗がん剤「Lenvima」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんに係る適応で、米国食品医薬品局( FDA)より承認を取得したことをお知らせします。同剤は優先審査品目に指定されていたが、優先審査終了目標日より約 2ヵ月早い迅速な承認となったという。なお、今回の米国での承認が同剤に関する世界で初めての承認となる。 「Lenvima」は、血管新生や腫瘍増殖に関わるVEGFR、FGFR、RET、KIT、PDGFRなどに対する選択的阻害活性を有する経口投与可能な分子標的治療薬であり、とくに甲状腺がんの増殖、腫瘍血管新生に関与するVEGFR、FGFR およびRETを同時に阻害する。また、本剤は、VEGFR2 とのX線結晶構造解析から、新たな結合様式(タイプV)を有することが確認された最初の薬剤であり、速度論的解析からは、素早く強力なキナーゼ阻害作用を示すことが確認されている。 今回の承認は、392人の進行性放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんの患者を対象とした多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床第III相試験(SELECT試験)の結果に基づいているという。同試験において、「Lenvima」投与群はプラセボ投与群に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間 (progression free survival: PFS)を統計学的に有意に延長した[p<0.001、Lenvima18.3ヵ月 vs プラセボ 3.6ヵ月(中央値)、ハザード比 0.21(99%信頼区間=0.14-0.31)]。また、Lenvimaは、プラセボに対して統計学的に有意に高い奏効率(完全奏効および部分奏効の割合)を示した(p<0.001、Lenvima 64.8% vs プラセボ 1.5%)。とくに、Lenvima投与群では、完全奏効が 1.5%(4例)確認されました(プラセボ投与群では0例)。Lenvima投与群において高頻度(頻度40%以上)に認められた副作用は、高血圧(67.8%)、下痢(59.4%)、疲労・無力症(59.0%)、食欲減退(50.2%)、体重減少(46.4%)、悪心(41.0%)でした。 同剤は、現在、日本、欧州のほか、スイス、韓国、カナダ、シンガポール、ロシア、オーストラリア、ブラジルで承認申請中であり、欧州では迅速審査品目に指定されている。引き続き、世界各国で承認申請を進め、承認取得後には同社が各国での販売を行なう予定。また、同剤に関しては、肝細胞がんを対象としたグローバル臨床第III相試験や腎細胞がん、非小細胞肺がんなど複数のがん腫を対象にした臨床第II相試験が進行中とのこと。詳細はプレスリリース(PDF)へ

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77)ちょっと一口と甘い考えの患者への指導法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者頭ではわかっているんですが、つい甘いものが欲しくなって・・・。医師甘いものというと、饅頭などの和菓子ですか、それともケーキ?患者和菓子です。本当にあずきが大好きで・・・。医師なるほど。このくらいのお饅頭なら食べるのに、どのくらい時間がかかりますか?(小さな饅頭の大きさをOKサインで示して)患者ペロリと2口ですね。医師ハハハ・・・。ゆっくりと食べても、60秒くらいでしょうか。そうすると、1時間くらい散歩してもらわないと、食べたカロリーは消費できないかもしれませんね。患者なるほど。そりゃ、血糖値が上がるわけですね(気づきの言葉)。●ポイント食べたカロリーに相当する運動量を示すことで、間食の食べ過ぎに気づきが生まれます●解説消費カロリー(kcal)=1.05 × メッツ × 時間 × 体重(kg)例)散歩は2.5メッツなので、座っている(1メッツ)に比べ、1.05 × (2.5 - 1.0) メッツ × 1時間 × 55㎏ ≒ 80kcal(小さな饅頭1個分)

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健康的な食事はCOPDリスクも減らす/BMJ

 先行研究で、食事の質を測る新たな代替健康食指数(Alternate Healthy Eating Index 2010:AHEI-2010)が、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患やがんのリスクに関連していることが報告されている。フランス・国立保健医学研究所(Inserm)のRaphaelle Varraso氏らは、米国人男女対象の前向きコホート研究を行い、同指数高値と慢性閉塞性肺疾患(COPD)リスク低下が関連することを明らかにした。AHEI-2010とは、全粒穀物、多価不飽和脂肪酸(PUFA)、ナッツ、長鎖オメガ3脂肪酸の摂取量が高く、赤身/加工肉、精製粉、甘味料入飲料の摂取量が低い食事を反映した健康食指数である。これまでCOPDリスクへの食事スコアの寄与については不明であったが、今回の結果を踏まえて著者は、「COPD予防には、多面的な介入プログラムが重要であることが支持された」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年2月3日号掲載の報告。女性7万3,228例、男性4万7,026例を対象に検討 先行研究では、COPDリスク低下と抗酸化物質摂取の増大、およびCOPDリスク上昇と加工肉摂取増大との関連が明らかになっている。 研究グループは、米国で行われた健康調査「Nurses' Health Study」と「Health Professionals Follow-up Study」の参加者について前向きコホート研究を行った。 被験者は、隔年実施の調査を完了していた、前者参加女性7万3,228例(1984~2000年)、後者参加男性4万7,026例(1986~1998年)で、主要アウトカムは、自己申告によるCOPD発症の新規診断とした。 評価は多変量Cox比例ハザードモデルを用いて行った。モデルは、年齢、身体活動度、BMI、総エネルギー摂取量、喫煙、人種/民族、受診歴、米国内居住地と、女性被験者についてのみ受動喫煙、配偶者の最終学歴、閉経有無について補正を行った。スコアが高い食事ほどCOPD新規診断リスク低下 対象期間中に女性723例、男性167例が、COPDの新規診断を受けたことを報告した。 男女合わせたプール解析の結果、COPD新規診断リスクとAHEI-2010スコア5分位範囲群との、有意な負の相関が明らかになった。5分位の最低位群を参照値とした場合のハザード比(HR)は、第2分位群が0.81、第3分位群が0.98、第4分位群が0.74、そしてスコア最高位の第5分位群は0.67であった(傾向のp<0.001)。 なお男女別にみた場合、逆相関の関連は女性では有意であり(傾向のp<0.001)、男性では有意ではなかったが(傾向のp=0.27)、最も健康的な第5分位の食事は最低位の食事と比べて、男女ともCOPD新規診断リスクを低下することが示されている(同群のHRは女性0.69、男性0.60)。 同様の傾向は、元喫煙者(男女合わせたプール解析の傾向のp<0.002)、現在喫煙者(同p<0.03)の別に分析した結果においても観察された。男女別にみた場合も、同様であった。なお、非喫煙者については、COPD新規診断例が少数であったため分析は行われていない。

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ESORT研究:疾病負担度に応じた研究投資が必要な時代(解説:折笠 秀樹 氏)-310

 本研究では疾病負担度(Disease burden)と研究投資の関係について、疾病別および国別に調査しています。疾病負担度という聞き慣れない概念が出てきますが、ある疾病で負担になっている程度を示します。それを障害調整生存年数(DALY)で測定しています。 それは生存年数、つまり寿命のことなのですが、障害を持って生存していることを考慮している指標です。たとえば、寿命は80年でも、最後の10年間は障害があったとします。仮に障害を半分で調整すれば5年となり、障害調整生存年数は75年になります。 研究投資については、ランダム化比較試験の件数で測定しています。世界各国で問題になっている疾病の負担度に応じて、それ相応の研究費が投じられているかを調査したものです。結論としては、先進国では疾病負担度に応じて適切な研究費が投じられていることがわかったものの、発展途上国ではそうではなかったのです。 糖尿病の疾病負担度は46.9 [×106 DALY]と高く、研究投資も61試験と高い結果でした。研究投資は妥当だと判断されます。骨粗鬆症、脳卒中なども両指標は強く相関しており、研究投資は適切になされていると思われます。一方、COPDの疾病負担度は76.7(単位省略)と糖尿病より高いものの、研究投資は12試験と低い結果でした。COPDは大変重要な疾病なのに、そのための臨床試験はあまり行われていなかったのです。逆に、女性不妊症の疾病負担度(約0.15)は当然低いわけですが、研究投資として18件もの臨床試験が実施されていました。一方、発展途上国で問題となる乳幼児敗血症という疾病については、疾病負担度は44.2と高いものの、研究投資としての臨床試験はたった1件のみでした。 このように、先進国では疾病負担度に応じた研究投資がなされていましたが、発展途上国では疾病負担度と研究投資にはほとんど関連が見られませんでした。発展途上国で臨床試験を実施することなど無理なわけですから、先進国が発展途上国で問題となっている疾病に対する臨床試験をもっと手がけるべきでしょう。これは、いわゆる医療の格差問題でもあります。先進国は発展途上国に対して技術・財政支援を行っていることは周知のとおりですが、発展途上国の疾病対策となる臨床試験を実施するという支援は少な過ぎます。もっと臨床試験を通しての支援が期待されるところでしょう。 研究資金の配分を考える際に、わが国では死亡率や罹患数をベースにしていたと思います。そうではなく、これからは疾病負担度という指標で見直すことが必要なのではないでしょうか。とりわけ介護が重視される中、障害調整生存年数はその意義を増すことでしょう。

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Twitterの言葉で心疾患死亡リスクを予測

 敵意や慢性ストレスは心疾患の危険因子として知られているが、大規模な研究はコストがかかる。米国・ペンシルベニア大学のJohannes C Eichstaedt氏らは、アテローム硬化性心疾患による年齢調整死亡率についてコミュニティレベルにおける心理的な相関をみるため、Twitter上の言葉を評価した。その結果から、著者らは「ソーシャルメディアを通じてコミュニティの心理的特性を把握することは可能であり、これらの特性はコミュニティレベルでの心血管疾患死亡率の強いマーカーとなる」と結論している。Psychological science誌オンライン版2015年1月20日号に掲載。 主な結果は以下のとおり。・ネガティブな社会関係や離脱(disengagement)、感情(とくに怒り)を反映した言葉は、心疾患死亡率の高さと関連した。一方、ポジティブな感情や心理的なつながりを反映した言葉は、心疾患死亡率の低さと関連した。この関連のほとんどが、収入や教育について調整した後も有意なままであった。・Twitter上の言葉のみによる断面回帰モデルは、一般的な人口統計学的因子、社会経済的因子、健康リスク因子(喫煙・糖尿病・高血圧症・肥満など)を組み合わせたモデルよりも、アテローム硬化性心疾患の死亡率予測の精度が優れていた。

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病院‐地域連携のコツ 糖尿病腎症の透析予防

 2015年2月5日、都内にて「糖尿病腎症の透析予防」をテーマにプレスセミナー(主催:ノボ ノルディスクファーマ株式会社)が開催された。本セミナーでは、糖尿病患者の腎障害が重症化して透析導入となることを防ぐため、病院と地元行政が連携して行っている新たな取り組みが発表された。■1人当たり年間500万円! 経済を圧迫する透析患者の医療費 高齢化が進展する日本において、透析による医療費増が財政圧迫の原因として課題となっている。透析患者の医療費は1人当たり年間500万超、総額約1.4兆円にも上り、とくに高齢化の進む地方自治体では深刻な問題となってきている。 糖尿病腎症は、15年以上にわたって新規透析導入の原因疾患の第1位となっており、現在その約44%を占めている。透析につながる糖尿病腎症の悪化は、患者のQOLの低下だけではなく医療経済への影響が大きいため、厚生労働省による「健康日本21(第2次)」では、「糖尿病腎症による年間新規透析導入患者数の減少」が目標の1つとなっている。■行政と医療機関が連携するための3つのツールとは 上記のような国の政策を受けて、平井 愛山氏(千葉県循環器病センター 理事)は、糖尿病腎症の悪化による透析予防に対して、具体的な3つの対応策を紹介した。(1)「疫病管理MAP」を用いて、透析導入の可能性が高い患者を抽出し、優先的に介入する。(2)「透析予防指導ツール」を用いて、多職種が効率的に患者指導を行う。(3)「透析予防指導ワークフロー」を導入し、地域ぐるみの患者支援を実現する。 平井氏は、「今回の取り組みで、よりハイリスクな患者を優先して治療対象とし、多職種と連携して地域に根付いた質の高い患者指導を実践していくことが可能となった」と述べた。■優先的に治療患者を選定するには 平井氏が発案した「疾病管理MAP(以下、MAP)」は、尿検査(U-Alb、U-pro)と採血(eGFR、HbA1c)という簡便な検査結果を表計算ソフトにまとめることで、糖尿病患者の集団を危険度別に分類できる。この結果、効率的に治療患者を選定することができるという。MAPを用いることで、漏れのない腎症の評価と対象患者への積極的な指導介入が期待され、現在全国19の医療機関が導入している。■看護師・栄養士が連携して行う糖尿病透析予防指導とは 平井氏は、「糖尿病透析予防指導を実践するためには、『絵を用いた視覚的な指導』を『テーマを絞って』『短時間・頻回に』行うことが重要である」と強調した。そのうえで、多職種による協議を重ねて作成した「透析予防指導ツール(以下、指導ツール)」を基に、看護師による血圧・病態などの患者教育や栄養士による食事レシピ指導を紹介した。指導ツールをあらかじめ作成しておくことで、患者の診察の待ち時間などを利用した、短時間で効率的な指導を実践することが可能になるという。■地域連携における地元保健師が果たす役割とは 梅津 順子氏(埼玉県皆野町役場 健康福祉課)は、「透析予防指導ワークフロー(以下、指導ワークフロー)」を用いた医療機関と行政保健師の連携について紹介した。指導ワークフローを用いることで、病院から地域への情報提供をスムーズに行うことができる。地元保健師は指導ワークフローを基に患者宅を訪問し、指導内容の理解状況の確認・再指導やメンタルサポート、病院へのフィードバックをすることもできる。 梅津氏は、「指導ワークフローを基に地元保健師が患者の生活の場に赴くことで、患者の治療を困難とする原因を把握し、医療機関と共有することができた」と述べた。■今後の展望 継続した医療連携を行っていくためには、職域を越え、同じミッションを共有することで地域が一丸となって取り組む必要がある。平井氏は、「日本慢性疾患重症化予防学会」を立ち上げ、この取り組みを広げようとしている。同学会では、一人多病な高齢者の透析導入ハイリスク患者の抽出方法を確立し、透析予防に向け職種を越えた医療と行政の連携・協働を支援していく。 平井氏は、「本学会の取り組みは、特別な道具や薬を使用することなく、専門医がいない医療過疎地域でも糖尿病腎症の透析への悪化予防を期待できるものである」と強調した。

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アリスミアのツボ Q21

Q21アブレーションか、はたまた抗不整脈薬か?患者に任せましょう。ただし、ときどきは背中を押してあげることも……。病院内での経験が言葉を強くする……心房細動に対する抗不整脈薬の限界を知り、それよりずっとカテーテルアブレーションが有効であることを、病院内で毎日経験していると、心房細動をみたら「カテーテルアブレーションを行えば治りますよ。どうですか?」と患者にいいたくなります。これはこれで、私も一医師としてよく納得できます。患者の立場に立てば……しかし、私の外来には、そのようなつもりで話した医師の意図とはうらはらに、「どうしてもカテーテルアブレーションを行わなければならないのでしょうか?」といって納得できない患者がたびたび訪れてきます。話をよく聞いてみると、医師はそれほど強くカテーテルアブレーションを勧めていないのですが、患者にはそう伝わってしまったようです。医師として話す立場と、患者として聞く立場では、同じ言葉であっても異なるように聞こえてしまうようです。患者に任せる……「いつでもその気になったらしてあげますよ」私自身は、こんなとき「ゆっくり考えましょう。いつでもその気になったらできるのですから。これはがんの根治手術などとは違うので焦って決める必要はありません」ということをまず理解してもらうようにしています。そして、抗不整脈薬ではいずれ効果がなくなること、カテーテルアブレーションは現時点ではQOLを向上させる治療であること(生命予後向上効果は十分に示されていないこと)、慢性化して1 年以内であれば発作性心房細動と同等の治療効果が望めること……そんなことを伝えます。そして、2、3回の外来で時間をおいても、ずっと逡巡しているようならそっと背中を押してあげることもあります。

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76)気をつけたいSGLT2阻害薬の有害事象を説明する【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師この新しい薬(SGLT2阻害薬)の副作用として、尿路感染症になるリスクが高まることが、報告されています。患者それは心配です。どうしたらいいですか?医師いくつかのポイントがあります。まずは、身体を清潔にしてください。ほとんどの尿路感染は、腸内細菌が尿道の先から入っていきますので・・・。患者なるほど。医師夜中にトイレにいく回数が多くなるのが心配で、水分をあまりとらない人がいます。患者それ、私です。医師尿がたくさんでると、細菌を洗い流します。水分は日中は大目に、夕方から控えられるといいですね。患者なるほど、わかりました。●ポイント尿路感染症を予防する項目を、わかりやすく説明できるといいですね●資料尿路感染症にかからないための10ヵ条1.下着を毎日、取り換える2.トイレを我慢しない3.水分は日中は多めに、夕方から控える4.適度な運動をする5.アルコールは控えめに6.陰部を清潔に保つ(排便時は前から後ろにふく)7.下半身を冷やさない8.疲れを残さない9.身体の抵抗力をつける10.うがい・手洗いをする

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抗精神病薬の有害事象との関連因子は

 抗精神病薬は統合失調症およびその他の精神障害に広く処方されているが、一方で有害事象およびアドヒアランスへのネガティブな影響が共通して認められる。しかしこれまで、有害事象の発現率やマネジメントに注目した検討はほとんど行われていなかった。英国・エディンバラ大学のSu Ling Young氏らは、抗精神病薬の有害事象の発現率およびマネジメントについて系統的レビューを行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2014年12月16日号の掲載報告。 研究グループは本検討で、抗精神病薬の9種の臨床的に重要な有害事象の発現率とマネジメントについてレビューした。9種は、錐体外路症状、鎮静作用、体重増加、2型糖尿病、高プロラクチン血症、メタボリックシンドローム、脂質異常症、性機能障害、心血管への影響であった。事前に検索基準を特定し、3つのデータベースの検索と引用・参考文献の手動検索でシステマティックレビューを行った。2人の研究者が要約または全文をレビュー後、包含基準について合意を得た。包含した論文の質的評価は、事前に同意確認した基準を用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・合計53試験が、包含基準を満たした。・有害事象の発現頻度の増大は、抗精神病薬の多剤投与と関連していた。・投与期間の長さは、有害事象の重症化(例:BMI値が高値)と関連していた。・クロザピンは、3試験におけるその他抗精神病薬との比較において、代謝障害との関連がより強かった。・オランザピンは、3試験で体重増加と最も関連していた。・高プロラクチン血症は、男性よりも女性で一般的であった。・性機能障害は男性が50%に対し女性は25~50%であった。・臨床ガイドラインの推奨にもかかわらず、脂質および血糖値のベースラインでの検査率は低率であった。・7試験で有害事象のマネジメント戦略が述べられていたが、その有効性について調べていたのは2試験のみであった。そのうち1試験は、非投薬の集団療法により体重の有意な減少を、もう1試験はスタチン療法により脂質異常の有意な減少を認めた。・総括すると、抗精神病薬の有害事象は多様でしばしばみられる。しかし、系統的評価は多くない。・有害事象マネジメントに関する科学的研究を、さらに行う必要性がある。関連医療ニュース 最新、抗精神病薬の体重増加リスクランキング 抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか  担当者へのご意見箱はこちら

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グリベンクラミド、妊娠糖尿病には注意/BMJ

 妊娠糖尿病の短期的治療について、グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニールほか)はインスリンおよびメトホルミン両剤よりも明らかに劣性であり、一方、メトホルミン(+必要に応じてインスリン)がインスリンよりもわずかだが良好であることが示された。スペイン・Mutua de Terrassa大学病院のMontserrat Balsells氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「グリベンクラミドは、メトホルミンやインスリンが使用できるのなら妊娠糖尿病治療には用いるべきでない」と提言している。BMJ誌オンライン版2015年1月21日号掲載の報告より。メタ解析でグリベンクラミドとインスリン、メトホルミンを比較 妊娠糖尿病治療で使用される経口薬が増えており、ガイドラインでも使用を認めているが、安全性に関する情報は限定的である。先行研究では、経口薬に焦点を当てた無作為化試験のメタ解析が複数発表されているが、グリベンクラミドvs. インスリン、メトホルミンvs. インスリン、メトホルミンvs. グリベンクラミドなど総合的な検討は行われていなかった。 研究グループは、それらの比較が行われていた無作為化試験での短期的アウトカムを要約することを目的に、システマティックレビューとメタ解析を行った。 試験適格としたのは、全文を公表しており、薬物療法を必要とした妊娠糖尿病の女性を対象としている、グリベンクラミドvs. インスリン、メトホルミンvs. インスリン、メトホルミンvs. グリベンクラミドを比較検討しているすべての無作為化試験とした。 検索は、2014年5月20日時点でMEDLINE、CENTRAL、Embaseを介して行った。 主要評価項目は、主要アウトカム14(母体6[妊娠末期のHbA1c値、重症低血糖、子癇前症、体重増加など]、胎児8[出産児の在胎月齢、未熟児出産、出生時体重など])、副次アウトカム16(母体5、胎児11)とした。グリベンクラミドはインスリン、メトホルミンより劣性 検索により、15論文、被験者2,509例を解析に組み込んだ。 グリベンクラミドvs. インスリンの主要アウトカムについて、出生時体重(平均差109g、95%信頼区間[CI]:35.9~181g、p=0.003)、巨大児(リスク比:2.62、95%CI:1.35~5.08、p=0.004)、新生児低血糖(同:2.04、1.30~3.20、p=0.002)について有意な差がみられた。 メトホルミンvs. インスリンでは、母体の体重増加(平均差:-1.14kg、95%CI:-2.22~-0.06、p=0.04)、出産児の在胎月齢(同:-0.16週、-0.30~-0.02、p=0.03)、未熟児出産(リスク比:1.50、95%CI:1.04~2.16、p=0.03)で有意差が認められ、新生児低血糖についても差がある傾向が認められた(同:0.78、0.60~1.01、p=0.06)。 メトホルミンvs. グリベンクラミドでは、母体の体重増加(平均差:-2.06kg、95%CI:-3.98~-0.14、p=0.04)、出生時体重(同:-209g、-314~-104、p<0.001)、巨大児(リスク比:0.33、95%CI:0.13~0.81、p=0.02)、在胎不当過大児(同:0.44、0.21~0.92、p=0.03)で有意差が認められた。 副次アウトカムについては、メトホルミンvs. インスリンでは4つがメトホルミンで良好であり、メトホルミンvs. グリベンクラミドではメトホルミンで不良であったのは1つであった。治療不成功は、グリベンクラミドと比べてメトホルミンで高率だった。

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Vol. 3 No. 1 血糖をコントロールすることは、本当に心血管イベント抑制につながるのか? ~ DPP-4阻害薬の大規模臨床試験の結果を踏まえて~

坂口 一彦 氏神戸大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌内科はじめに国際糖尿病連合のDiabetes Atlas第6版(2013年)1)によれば、世界の糖尿病患者数は3億8,200万人と推定され、そのうちの1億3,800万人が日本を含む西太平洋地区に存在するとされている。世界で糖尿病が理由で亡くなっている人が6秒に1人存在することになり、経済的損失は5,480億ドルにも達するとされている。患者数の増加は2035年には5億9,200万人に達すると予測され、人類にとっての脅威という表現も決して誇張ではない。糖尿病患者は心血管イベントを発生しやすい高リスク集団であることは以前より報告が多く、本邦においても1996年から国内の専門施設に通院する糖尿病患者2,033名を登録して開始されたJapan Diabetes Complications Study(JDCS)の9年次報告2)では、虚血性心疾患の発症率が9.6人/年(男性11.2人/年、女性7.9人/年)と著明に上昇し、脳血管疾患の7.6人/年(男性8.5人/年、女性6.6人/年)を上回っている。それでは、糖尿病患者の血糖をコントロールすることで心血管イベントの抑制につながるのだろうか?糖尿病は何のために治療するのか?という根源的な問題ともいえるこの点について、本稿ではこれまでのエビデンスに基づいて述べる。厳格な血糖コントロールとは何を意味するか?糖尿病の合併症のうち、網膜症・腎症・神経障害など細小血管合併症の発症は、平均血糖の上昇を意味するHbA1cとの間に強い関係があり、さらに1990年代〜2000年に行われたDCCT3)やUKPDS4)などの介入試験において、HbA1cを低下させることで発症・進展阻止が得られることが明らかとなった(図1)。一方で、虚血性心疾患に代表される大血管合併症の発症は、糖尿病患者の血圧や脂質への介入により抑制されることが確認できたが、HbA1cの低下と心血管イベント発症抑制との関連については、それら初期の介入試験では有意な関係を認めることができなかった。2000年代に入りACCORD5)、ADVANCE6)、VADT7)という3つの大規模臨床試験が相次いで発表された。いずれもHbA1cを十分に下げても主要心血管イベントの抑制効果を認めることができず、ACCORD試験に至ってはむしろ強化療法群で死亡率が上昇したという結果で多くの議論を呼ぶこととなった。図1 大規模臨床試験が明らかにした厳格な血糖コントロールがもたらすもの画像を拡大するこれらの試験が私たちに教えたことは、(1)HbA1cの低下は血糖の正常化と同義語ではない、すなわち低血糖を伴わず、血糖変動の小さい日々の血糖状態の結果としての質のよいHbA1cの改善が求められること、(2)年齢、罹病期間、合併症など背景要因を考慮せず一律な治療目標を設定することには問題があること、(3)罹病期間が長い患者に対する治療には限界があり、特に短期間での急速なHbA1cの低下は好ましくないこと、また治療開始の時期がその後の合併症や生命予後に大きく関わることから、糖尿病の発症早期からの治療介入が好ましいこと、などである。その結果、糖尿病の診療は下記のように変化が起きつつある。(1)低血糖の際に交感神経の活性化や凝固系亢進、炎症マーカーの亢進などを介して不整脈や虚血を誘発することが考えられ、低血糖に関する注意が従来以上に強調されることとなった。最近、経口糖尿病治療薬としてDPP-4阻害薬が登場し、現在本邦でも広く使用されているが、これは単独使用では低血糖を起こすことが基本的にはないためと思われる。(2)ADA/ EASDのガイドラインに患者中心アプローチの必要性があらためて記載され、患者ごとの治療目標を設定することが推奨されるようになった8)。(3)その後、厳格な血糖管理の影響は、特に大血管合併症や生命予後に関しては年余を経てからmetabolic memory効果9)やlegacy effect10)が現れることが初期の介入試験の延長試験の結果から明らかとなり、やはり早期からの治療介入の重要性が強調されることとなった。食後高血糖への介入の意義HbA1cがまだ上昇していない境界型のレベルから動脈硬化が進行し、心血管イベントを起こしやすいことはよく知られている。DECODE試験やDECODA試験、本邦におけるFunagata試験が示したことは、経口ブドウ糖負荷試験の空腹時血糖よりも負荷後2時間の血糖値のほうが総死亡や心血管イベントの発症とよく相関するという結果であった。食後高血糖が動脈硬化を促進するメカニズムとして、臍帯血管内皮細胞を正常糖濃度、持続的高濃度、24時間ごとに正常濃度・高濃度を繰り返すという3条件で培養した際、血糖変動を繰り返した細胞で最も多くのアポトーシスを認めたというin vitroの報告や、2型糖尿病患者における血糖変動指標であるMAGEと尿中の酸化ストレスマーカーが相関することなどから、食後高血糖は酸化ストレスや血管内皮障害を介し、大血管合併症につながりうると推測されている。国際糖尿病連合が発行している『食後血糖値の管理に関するガイドライン』では「食後高血糖は有害で、対策を講じる必要がある」とされている。それでは、食後高血糖に介入した臨床試験は期待どおりの結果であったであろうか?STOP-NIDDM試験(Study to prevent Non-Insulin-Dependent Diabetes Mellitus)11)IGT患者1,429名に対して、α-グルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースで介入することで2型糖尿病の発症を予防することができるかどうかを1次エンドポイントにしたRCTである。試験期間は3.3年であった。その結果、糖尿病発症は有意に予防でき(ハザード比0.75、p=0.0015)、さらに2次エンドポイントの1つとして検証された心血管イベントの発症も有意に抑制されることが報告された(ハザード比0.51、p=0.03)。しかしアカルボース群は脱落者が比較的多く、得られた結果も1次エンドポイントではないことに注意したい。NAVIGATOR試験(The Nateglinide and Valsartan in Impaired Glucose Tolerance Outcome Research)12)IGT患者9,306名を対象として、血糖介入にはグリニド薬であるナテグリニドを、血圧介入にはARBであるバルサルタンを用いて、2×2のfactorialデザインで実施されたRCTである。1次エンドポイントは糖尿病の発症と心血管イベントの発症で、観察期間の中央値は5年間であった。結果としてナテグリニド群はプラセボ群に比し、糖尿病の発症(プラセボに対するハザード比1.07、p=0.05)、心血管イベントの発症(プラセボに対するハザード比0.94、p=0.43)といずれも予防効果を証明できなかった。本試験ではナテグリニド群において低血糖を増加させていたことや、投薬量が不足していた可能性などの問題が指摘されている。HEART2D試験(Hyperglycemia and Its Effect After Acute Myocardial Infarction on Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus)13)急性心筋梗塞後21日以内の2型糖尿病患者1,115名を対象に、超速効型インスリンを1日3回毎食前に使用して食後血糖を低下させた治療群と、基礎インスリンを使用して空腹時血糖を低下させた治療群を比較したRCTである。平均963日のフォローアップで、同様にHbA1cが低下し、日内の血糖パターンにも変化がついたにもかかわらず、主要心血管イベントの発症には両群で有意差がつかなかった。このように、食後の高血糖が有害であるということを示唆するデータやそれを裏づける基礎的データはあるものの、血糖変動を厳格に管理することで本当に糖尿病患者の心血管イベントが減るのかということに関しては、未だ明らかではないことがわかる。DPP-4阻害薬を使用した大規模臨床試験インクレチン関連薬の登場は、糖尿病治療にパラダイムシフトを起こしたとまでいわれ、低血糖や体重増加が少ないというメリットがあるうえに、日内の血糖変動も小さく、真の意味で厳格な血糖コントロールを目指せる薬剤と期待され広く臨床使用されるようになった。加えてインクレチン関連薬には、血糖コントロール改善効果以外に、臓器保護効果やβ細胞の保護効果を示唆するデータが培養細胞や動物実験において出されつつある。最近、DPP-4阻害薬を用い、心血管イベントを1次エンドポイントとした2つのRCTが発表されたので、次にこれらの試験について述べる。試験が行われた背景ロシグリタゾンは本邦では未発売のPPAR-γ活性化薬の1つである。血糖降下作用に加え、抗炎症作用・臓器保護作用などの報告が多く、大血管イベント抑制効果も期待されていたが、2007年にそれまでの臨床試験の結果を解析すると、逆に急性心筋梗塞が対照群に比べて1.43倍、心血管死亡が1.64倍増加しているという衝撃的な報告がなされた14)。2008年、アメリカ食品医薬品局(FDA)はこれらの報告を受け、新規の糖尿病治療薬については心血管イベントリスクの安全性を証明することを義務づけた。ここで述べる2つのRCTは、このFDAの要請に応えるべく行われた。したがって、プラセボ薬に比し、心血管イベントの発生が非劣性であることを1次エンドポイントとしてデザインされたRCTであり、実薬による介入が対照群に比し優れているかどうかを検証するこれまで述べてきた他の試験とは性質が異なる。EXAMINE試験(Examination of Cardiovascular Outcome with Alogliptin)15)(表1)急性冠動脈症候群を発症した2型糖尿病患者5,380名を、アログリプチン群とプラセボ群に無作為に割り付け、観察期間中央値18か月として、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の発症リスクを比較したものである。結果として、プラセボに対する非劣性は証明されたが(プラセボに対するハザード比0.96、p<0.001 for noninferiority)、優越性は証明されなかった。表1 EXAMINE試験とSAVOR-TIMI 53試験の概略画像を拡大するSAVOR-TIMI53試験(Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus)16)(表1)心血管イベントの既往またはリスクを有する2型糖尿病患者16,492名を無作為にサキサグリプチン群とプラセボ群に割り付け、観察期間を中央値2.1年、主要評価項目を心血管死、心筋梗塞、脳卒中発症の複合エンドポイントとして比較したものである。結果として、プラセボに対する非劣性は証明されたが(プラセボに対するハザード比0.89、p<0.001 for noninferiority)、優越性は証明されなかった(p=0.99 for superiority)。本試験の対象は高リスクで罹病期間の長い中高年者であり、ACCORD試験の対象者に似ていることと介入期間の短さを考えると、介入終了時点でイベント発生の抑制効果が認められないことにそれほどの違和感はない。加えてACCORD試験ほど急速にHbA1cは下がっていない(むしろ介入終了時のプラセボとのHbA1cの差は全区間を通じて有意であったとはいえ、介入終了時点で7.7% vs. 7.9%と極めて小さな差であった)、主要評価項目のイベントを増やすことがなかったという意味では所定の結果は得られたといえる。しかし、解析の中で次の点が明らかになった。単剤で使用される限り低血糖のリスクは少ないDPP-4阻害薬であるが、併用薬を含む本試験においてはサキサグリプチン群のほうが有意に低血糖が多かった。また2次複合エンドポイント(1次複合エンドポイントの項目に加えて狭心症・心不全・血行再建術による入院を含めたもの)も両群で有意差はつかなかったが、その中の1項目である心不全による入院は、サキサグリプチン群がプラセボ群に比してハザード比1.19(p=0.007)と有意に増える結果となった。おわりにこのように、現時点では既述のように発症から比較的早い段階から介入することで、後年の心血管イベントや死亡を減らせることは証明されているものの、発症から年余を経た糖尿病患者に対する介入試験で、1次エンドポイントとしての心血管イベントを抑制することを証明した臨床試験は存在しない。DPP-4阻害薬を用いた2つの臨床試験は、優越性の証明が主目的ではなかったものの、心不全による入院の増加の可能性を示唆するものであった(IDF2013では、EXAMINE試験において心不全は増加傾向で、SAVOR-TIMI53試験とEXAMINE試験の2つの試験のメタ解析の結果でも有意に心不全が増えると報告された)。今後、DPP-4阻害薬を用いた大規模臨床試験の結果が明らかにされる予定であり(表2)、この点も興味が持たれる。表2 DPP-4阻害薬は糖尿病患者の予後を変えることができるか?現在進行中の心血管イベントを1次エンドポイントとした大規模臨床試験画像を拡大する文献1)http://www.idf.org/diabetesatlas2)曽根博仁. JDCS 平成21年度総括研究報告書.3)The DCCT Research Group. The effect of intensive treatment of diabetes on the development and progression of long-term complications in insulin-dependent diabetes mellitus. N Engl J Med 1993; 329: 977-986.4)Stratton IM et al. Association of glycaemia with macrovascular and microvascular complications of type 2 diabetes (UKPDS 35): prospective observational study. BMJ 2000; 321: 405-412.5)ACCORD Study Group. Effects of intensive glucose lowering in type 2 diabetes. N Engl J Med 2008; 358: 2545-2559.6)ADVANCE Collaborative Group. Intensive blood glucose control and vascular outcomes in patients with type 2 diabetes. N Engl J Med 2008; 358: 2560-2572.7)VADT Investigators. Glucose control and vascular complications in veterans with type 2 diabetes. N Engl J Med 2009; 360: 129-139.8)Inzucchi SE et al. Management of hyperglycemia in type 2 diabetes: A patient-centered approach. Diabetes Care 2012; 35: 1364-1379.9)DCCT/EDIC Study Research Group. Intensive diabetes treatment and cardiovascular disease in patients with type 1 diabetes. N Engl J Med 2005; 353: 2643-2653.10)Holman RR et al. 10-year follow-up of intensive glucose control in type 2 diabetes. N Engl J Med 2008; 359: 1577-1589.11)STOP-NIDDM Trail Research Group. Acarbose for prevention of type2 diabetes mellitus: the STOPNIDDM randomized trial. Lancet 2002; 359: 2072-2077.12)The NAVIGATOR Study Group. Effect of nateglinide on the incidence of diabetes and cardiovascular events. N Engl J Med 2010; 362: 1463-1476.13)Raz I et al. Effects of prandial versus fasting glycemia on cardiovascular outcomes in type 2 diabetes: the HEART2D trial. Diabetes Care 2009; 32: 381-386.14)Nissen SE and Wolski K. Effect of rosiglitazone on the risk of myocardial infarction and death from cardiovascular causes. N Engl J Med 2007; 356: 2457-2471.15)White WB et al. Alogliptin after acute coronary syndrome in patients with type 2 diabetes. N Engl J Med 2013; 369: 1327-1335.16)Scirica BM et al. Saxagliptin and cardiovascular outcomes in patients with type 2 diabetes mellitus. N Engl J Med 2013; 369: 1317-1326.

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神経症傾向だと認知症リスクが高い

 パーソナリティ特性は認知症リスクと関連している。しかし、認知機能の推移との関連はほとんどわかっていない。イタリア・ボローニャ大学のMartina Luchetti氏らは、高齢者における主要なパーソナリティ特性と認知機能ならびにその低下との関連性を検討し、既報のメタアナリシスを行った。その結果、パーソナリティは高齢者における認知機能低下と関連しており、これはすでに確立している臨床因子やライフスタイル因子に匹敵することが明らかになった。The journals of gerontology. Series B, Psychological sciences and social sciences誌オンライン版2015年1月12日号の掲載報告。 著者らは、大規模全国サンプル(1万3,987例)の4年間のフォローアップから、パーソナリティ特性、客観的・主観的記憶、認知状態についての情報を収集した。各パーソナリティ特性について、パーソナリティと認知機能の変化を検討するため、5つの前向き研究からメタアナリシスを行った。 主な結果は以下のとおり。・神経症傾向(neuroticism)の高さは、すべての認知機能の低いパフォーマンスおよび記憶力低下と関連していた。一方で、統制性(conscientiousness)や開放性(openness)が高い高齢者は、同時記憶のパフォーマンスがより高く、継時的な記憶力低下がより少なかった。 ・すべての特性は、主観的記憶と関連していた。・統制性の高さと外向性(extraversion)の低さは、高い認知状態および認知機能低下の少なさと関連していた。・わずかではあるものの、これらの関連性は、高血圧、糖尿病、精神疾患の治療歴、肥満、喫煙、運動不足よりも概して大きかった。・本検討により、神経症傾向および統制性パーソナリティと認知機能低下との関連性が裏付けられた。【関連コンテンツ】 認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較 抗コリン薬は高齢者の認知機能に悪影響 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標

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アナフィラキシー 症例クイズ(1)

3回目のセフェム系抗菌薬静注後に熱感を訴えた糖尿病の女性症例161歳・女性経過3日前に家族でスキーに行ったが途中で疲れてしまい、本人は山小屋で家族が滑り終わるのを待ってホテルに戻った。翌日の夜から微熱があり、当日は38.5℃の発熱と頭痛があるため受診。既往歴高血圧、糖尿病服用薬剤イミダプリル(商品名:タナトリル)5mg、グリメピリド(同:アマリール)1mg

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75)1分間でできるゲームで認知症のチェック【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、物忘れが多くて、認知症が心配で・・・。 医師それは心配ですね。確かに糖尿病の人は、健康な人と比べると、認知症に2倍くらいなりやすいですからね。 患者えっ、そんなになりやすいんですか!? 医師それでは、認知症になっていないかどうか、簡単なゲームをやってみましょう。 患者えっ!どんなゲームですか?難しいのは嫌ですよ。 医師そんなに難しくはありませんよ。1分間に動物の名前がいくついえるかという簡単なゲームです。ただし、干支を順番にいうのは禁止ですよ。それでは、スタート(ストップウォッチを押す)。 患者えっと、イヌ、ネコ、ウマ、ゾウ・・・(考えながら順に動物の名前をいう)。 医師はい、1分です。18個、いえましたね。優秀です。14個以上いえれば一安心です。 患者ちょっと緊張しました。時々、こうやって頭を使わないとだめですね。●ポイント1分間ゲームを楽しく行うことで、簡単な認知症のスクリーニングできます 1) Ohara T, et al. Neurology. 2011; 77: 1126-1134. 2) Hanyu H, et al. J Am Geriatr Soc. 2009; 57: 1130-1131. *カットオフ値13で、アルツハイマー病がスクリーニングできる(感度91%、特異度81%)

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心血管疾患予防の地域介入40年、その効果は?/JAMA

 40年間にわたる地域への心血管疾患予防プログラムの継続的な介入により、継続しなかった地域と比較して、同期間の入院率および死亡率が低下したことが報告された。米国・フランクリン記念病院(メイン州)のN. Burgess Record氏らによる同州低所得地域フランクリン郡への介入継続観察研究の結果、示された。総合的な心血管リスク減少プログラムは、とくに地方の低所得地域では10年以上行われている例がほとんどなく、罹患率や死亡率へのリスク因子の改善効果が不明であった。今回の結果を踏まえて著者は、「同様のプログラム効果が他の米国地域(とくに過疎の地方で)、また世界的に普遍的に認められるのかについて、さらなる検討が必要だ」とまとめている。JAMA誌2015年1月13日号掲載の報告より。過疎の低所得地域への継続的なプログラム介入効果を観察研究 研究はメイン州フランクリン郡で1970年に開始され、同郡の住民2万2,444例を対象に40年間にわたる心血管疾患予防プログラムの効果を、他のメイン州15郡(以下、メイン州)の平均データと比較した。 ベースライン値は1960~1970年のデータから算出した。また、1970年時点の主な人口動態データは、平均人口密度がメイン州31.3人/m2、フランクリン郡11.7人/m2、住民年齢中央値は29.1歳と26.8歳、収入中央値は8,217ドルと7,993ドルで、住民の99%が白人であった。 プログラムは、健康システム(インフラ整備、医療アクセス、質)、リスク因子(高血圧、コレステロール、糖尿病)、健康行動(喫煙、食事、身体活動)をキーエレメントに、各項目をターゲットとしたものが複数の自治体および地方病院、医師の後援の下で順次、導入実施されていた。 主要評価項目は、中央値でみた人口動態状況、高血圧および脂質異常症の発見と治療およびコントロール状況、喫煙をやめた人の割合、所得中央値補正後の1994~2006年の入院率、所得および年齢補正後の1970~2010年の死亡率であった。健康指標は改善、入院率、死亡率は他の地域平均と比べ有意に低下 2010年時点で、平均人口密度はメイン州43.1人/m2、フランクリン郡18.1人/m2、住民年齢中央値は40.7歳と43.4歳、収入中央値は4万6,541ドルと3万9,628ドルであった。白人住民の割合は95.2%と97.2%であった。 結果、フランクリン郡では40年間で順次、心血管疾患リスク因子をターゲットとしたプログラムが導入されたことで、健康指標は改善されていた。高血圧がコントロールされていた人(プログラム導入1974年)は、1975年18.3%から1978年43.0%へと24.7%増大し、コレステロール上昇がコントロールされていた人(導入1986年)は、1986年0.4%から2010年は28.9%と28.5%増大していた。 禁煙率(1988年導入)は、48.5%(1994~95年)から69.5%(1996~2000年)に改善し、州平均(58%から61%に改善)の改善よりも有意に良好であった(観察値-期待値[O-E]:11.3%、95%信頼区間[CI]:5.5~17.7%、p<0.001)。なお、2000年以降は、メイン州の禁煙率が上昇し両者間の差はなくなっている。 フランクリン郡1人当たりの入院件数は、1994~2006年の評価期間において期待値よりも少なかった(退院O-E:-17件/住民1,000人、95%CI:-20.1~-13.9、p<0.001)。 補正後死亡率は、フランクリン郡は唯一同州で一貫して予測値よりも少なく、1970~1989年の死亡O-Eは-60.4件/10万(p<0.001)、1990~2010年の同-41.6件/10万(p=0.005)であった。

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小児アトピー性皮膚炎、肥満や高血圧と関連?

 アトピー性皮膚炎(AD)は全身性肥満と関連していることがこれまでに報告されているが、米国・ノースウェスタン大学のJonathan I. Silverberg氏らが行ったケースコントロール研究の結果、小児において中等度~重度のADは中心性肥満および収縮期血圧上昇と関連している可能性があることが明らかとなった。JAMA Dermatology誌オンライン版2014年12月23日号の掲載報告。 研究グループは、小児AD患者において中心性肥満および高血圧が増加しているかどうかを確認する目的で、2009年4月1日~2012年12月31日に米国の複数の施設において中等度~重度の小児AD患者132例(年齢4~17歳)および健康小児143例を登録し、解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・中等度~重度のADは、性・年齢別BMIの97パーセンタイル値以上(ロジスティック回帰分析でのオッズ比[OR]:2.64、95%信頼区間[CI]:1.15~6.06)、国際肥満タスクフォース(IOTF)の肥満カットオフ値(同:2.38、1.06~5.34)、腹囲85パーセンタイル値以上(3.92、1.50~10.26)、および胴囲/身長比0.5以上(2.22、1.10~4.50)との関連が認められた。・人口統計学、BMIパーセンタイル、腹囲パーセンタイル、およびプレドニゾンまたはシクロスポリンの使用歴で調整した多変量モデルにおいて、ADは性・年齢別血圧の高位パーセンタイルと関連した(収縮期血圧のOR:2.94、95%CI:1.04~8.36/拡張期血圧のOR:3.68、95%CI:1.19~11.37)。とくに収縮期圧は90パーセンタイル値以上との関連が認められた(OR:2.06、95%CI:1.09~3.90)。・ADは、ヒスパニック系/ラテン系アメリカ人(一般化線形モデル;β:0.23、95%CI:0.04~0.43)およびアジア人(同:0.16、0.03~0.30)において収縮期高血圧と関連していた。・重度~非常に重度のADは、収縮期血圧の90パーセンタイル値以上と関連していた(補正後OR:3.14、95%CI:1.13~8.70)。・ADは、高血圧症(補正後OR:1.88、95%CI:1.14~3.10)および2型糖尿病(同:1.64、1.02~2.68)の家族歴と関連していたが、肥満または脂質異常症の家族歴とは関連がなかった。

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高血糖の苦い記憶-DCCT/EDIC 30年の成果-(解説:住谷 哲 氏)-305

 1993年に発表されたDCCTは、厳格な血糖管理を目指した強化療法が1型糖尿病患者の細小血管合併症を減少させることを初めて明らかにした。本論文はその後の観察研究であるEDICからの報告であり、早期の6.5年間の厳格な血糖管理が治療開始27年後の総死亡を減少させることが明らかとなった。 診断後早期からの厳格な血糖管理が、20年後の2型糖尿病患者の総死亡を減少させることはすでにUKPDS801)で報告されているが、本報告により、1型糖尿病患者においても同様に総死亡を減少させることが明らかとなった。1,492人中107人が観察期間中に死亡したが、その死因は心血管疾患が22.4%で最も多く、次いでがんが19.6%であった。したがって1型糖尿病患者においても、2型糖尿病患者と同様にこれらに対する有効な介入が患者の予後を改善するために重要であることが示唆される。さらに、観察期間中の平均HbA1cが総死亡と有意な相関を示し、昏睡や痙攣を伴う重症低血糖と総死亡との間にも有意な相関が認められた。当然ながら重症低血糖は強化療法群において増加していた。 高血糖は病型を問わず糖尿病の主病態である。本論文でのDCCT/EDICの結果と、2型糖尿病におけるUKPDSおよびACCORD/ADVANCE/VADTの3つのメガトライアルから得られた知見を総合すると、どのようなメッセージが得られるだろうか? 第一は高血糖に対する早期介入の重要性である。UKPDSではlegacy effect、DCCT/EDICではmetabolic memoryと呼ばれているが、診断後数年間の血糖管理状態が、その後数十年にわたる患者の予後に影響することを意味している。しかし、これらの強化療法がもたらすベネフィットを享受するには長期間を必要とするらしく、本論文のDCCT/EDICコホートにおいては試験開始15年後に初めて強化療法群と従来療法群との間の死亡率に差が生じてきている。 第二は多因子介入、または包括的心血管リスク減少の重要性である。2型糖尿病における包括的心血管リスク減少の重要性は、現在では常識である。本論文で明らかにされたように、1型糖尿病においても心血管疾患による死亡が最も多く、包括的心血管リスク減少は必須であろう。スタチン投与は1型糖尿病においても、2型糖尿病と同様に心血管リスクを減少させることが報告されている2)。1型糖尿病の発症年齢を考慮すると、より早期(40歳未満)からのスタチン投与が有益と思われるが、現時点ではエビデンスが存在しない。 最後は治療に伴う低血糖の問題である。DCCT、UKPDS、ACCORD/ADVANCE/VADTのすべてにおいて、強化療法群で重症低血糖は有意に増加し、経過中に重症低血糖を生じた患者の死亡率は有意に増加している。しかし、強化療法群の総死亡は従来療法群に比してDCCT/EDIC、UKPDSでは減少し、ADVANCE/VADTでは同等であり、ACCORDでは増加した。さらに疫学的研究ではあるが、DCCT/EDIC、UKPDSにおいては観察期間中の平均HbA1cと総死亡との間に負の相関、つまりHbA1cは低ければ低いほど総死亡が減少することが報告された。各試験の結果から推察すると、年齢が若く、罹病期間の短い患者であれば、低血糖による不利益が相殺されるように考えられるが悩ましいところである。結局のところ、可能な限り低血糖を回避して良好な血糖管理を目指すしかない。 欧米にはフラミンガム研究をはじめ数十年にわたる前向きコホート研究が多くある。本論文のDCCT/EDICも試験開始約30年後のコホート追跡率が99.2%であり、従来療法群の死亡数が50人に達した時点で解析を開始することが試験開始時に定められていた。わが国においても同様に、質の高い前向きコホート研究がなされることが期待される。

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74)一番確実な投資先は、「健康」です【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、医療費が気になって・・・。 医師確かに、そうですよね。 患者何とか安くなりませんか? 医師もちろん、ジェネリックなどにすれば少し薬代が安くなるかもしれません。それよりも、もっといい方法がありますよ! 患者それはどんな方法ですか? 医師例えば、ある研究(Kumamoto study)では、医療費についてみた場合、最初の4年間は今までのやり方の方が若干安かったのですが、5年目を境に逆転し、どんどん差がついていき、10年後にはかなり差(年間1,300ドル)があったそうですよ。 患者なるほど。今、ケチっていると、合併症を起こしてよくないんですね。健康に投資することが大切なんですね。 医師そうですね。薬代や合併症の治療代が高くならないためにも、無料の運動療法を試してみましょう。 患者はい、わかりました。●ポイント日々の生活だけでなく、将来の健康へ投資することの大切さを上手に説明 1) Wake N, et al. Diabetes Res Clin Pract. 2000; 48: 201-210.

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アリスミアのツボ Q20

Q20高血圧を有する心房細動患者での抗凝固療法はどう開始したらよいですか?まずは血圧管理から……。血圧管理が終わってから抗凝固療法を開始する心房細動と高血圧は蜜月いまや心房細動患者数はうなぎのぼりだと思いますが、そのほとんどに高血圧が合併しています。多くの疫学研究をみると、心房細動患者の80~90%に高血圧を合併しているというところでしょうか。つまり、ほとんどの場合、高血圧治療と心房細動治療を両者同時に行うということになりそうです。2つのことを同時に行えればよいが……では、この2つの治療をどの順序で行うべきでしょうか。両者同時に、あるいは個別に? 心不全に対するβ遮断薬とRAS抑制薬、どちらから始めるべきかという議論は決着をみることなく、できれば両者同時に、不可能なら個別に考えてという落ち着きどころがみえてきました。しかし今回の抗凝固療法と降圧、心房細動治療と高血圧治療には実はれっきとした順番があるのです。まずは高血圧治療から高血圧が残存している状態で、抗凝固療法が行われると、致命的な大出血を生じやすいことが知られているからです。心房細動で血圧が高い……これは脳梗塞のリスクが高いことを意味しているので、即座に抗凝固療法を開始したくなります。でもそこは思い留まって、まずできるだけ早急に血圧の是正を開始し、血圧が正常化するまでは抗凝固療法を開始しないという心構えを持つ必要があります。血圧が是正される前に脳梗塞になったらどうする? の逆質問もあります。医療自身によるharmはできるだけ少なくというのが私の方針です。

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