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認知症に対するアロマテラピー、効果はあるか

 アロマテラピーやハンドマッサージが認知症患者にいくつかの利点をもたらすことが報告されている。オーストラリアのChieh-Yu Fu氏らは、長期介護施設で生活する認知症患者における破壊的行動にアロマテラピーやハンドマッサージが有用かを、単盲検比較試験にて検討した。BMC complementary and alternative medicine誌オンライン版2013年7月10日号の報告。 本試験では、介護施設3施設に入所する破壊的行動経験を有する認知症患者67例を、以下の3群に無作為に割り付けた。1群はアロマテラピー(3%ラベンダー油スプレー)+ハンドマッサージ:22例、2群はアロマテラピーのみ:23例、3群はプラセボ群(水スプレー):22例とし、1日2回、6週間実施した。評価には、コーエン・マンスフィールドagitation評価票(CMAI)、ミニメンタルステート検査(MMSE)を使用し、介入前、介入中および介入後に行った。 主な結果は以下のとおり。・アロマセラピー、またはアロマセラピー+ハンドマッサージを受けた認知症患者の攻撃的行動において有意な改善は認められなかった。・今後、抗精神病薬の使用有無を含めた大規模臨床試験が望まれる。関連医療ニュース これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる 認知症患者の約2割にせん妄が発現 認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

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エキスパートに聞く!「認知症診療」Q&A 2013 Part1

CareNet.comでは認知症特集を配信するにあたって、事前に会員の先生方から認知症診療に関する質問を募集しました。その中から、とくに多く寄せられた質問に対し、大阪大学 数井裕光先生にご回答いただきました。2回に分けて掲載します。今回は、認知症とうつの鑑別方法、抗認知症薬の投与開始時期と効果の判定方法、増量のタイミング、コリンエステラーゼ阻害薬にメマンチンを併用する場合のタイミングについての質問です。Part2(Q6~Q10)はこちら1 認知症とうつ病の鑑別方法を教えてください。うつ病は高齢者に多く、患者さんやご家族が物忘れを訴えることもしばしばです。また注意力や集中力の低下のために、認知機能検査の得点が初期の認知症の患者さんと同程度に低下することもあります。このため、認知症とうつ病との鑑別は臨床的に重要です。うつ病と比べて認知症(とくにアルツハイマー病)で認められやすい症状を列挙すると、初発症状が物忘れである(うつ病では気分の落ち込みや意欲低下)記憶検査で自由再生も再認も障害される(たとえば、3単語を用いた記憶検査などで、覚えた単語をヒントなしに患者さんに思い出してもらう想起法を「自由再生」と呼ぶ。一方、答えの単語とそうでない単語をランダムに提示し、あったかなかったかを答えてもらう想起法を「再認」と呼ぶ。うつ病では自由再生は障害されても再認は障害されにくい)物忘れの自覚と深刻味が乏しい(うつ病では過剰に訴えることが多い)見当識障害を伴う(うつ病では見当識は保たれる)うつ病の既往がないなどです。頭部MRIや脳血流検査などの神経画像検査が鑑別に必要な場合もあります。とくに、早発性のアルツハイマー病患者さんでは上記の認知症の特徴が明らかにならず、MRIでも明瞭な萎縮を認めないことがあるので、脳血流検査が必要となることがあります。うつ病と診断していても、抗うつ薬などの治療の効果が乏しかったり、認知障害が進行したりする場合には、専門医への紹介を検討してください。アルツハイマー病患者さんの40~50%に抑うつ気分を認めるともいわれているため、認知症にうつ症状が合併しているかもしれないという視点も重要です。認知症に伴ううつ症状は、悲哀感、罪責感、低い自己評価のような古典的なうつ症状よりも、喜びの欠如、身体的不調感などの非特異的な症状が目立ちやすいという特徴があります。また、認知症患者さんに高頻度に認めるアパシーをうつ症状と混同しないことも重要です。アパシーでは、趣味や家事などの日常の活動や身の回りのことに興味を示さない、意欲が低下するなどの症状を認めますが、悲哀感、罪責感、低い自己評価、喜びの欠如、身体的不調感は認めません。2 抗認知症薬の投与開始時期について教えてください。抗認知症薬を早期から投与したほうがよいのでしょうか? わが国で使用可能な抗認知症薬は、アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬3種類(ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)とNMDA受容体拮抗薬1種類(メマンチン)です。コリンエステラーゼ阻害薬は軽度の状態から使用可能なので、薬の投与開始時期はアルツハイマー病と診断した時ということになります。また、これらの薬剤の主たる効能は、症状の進行抑制なので、アルツハイマー病の診断が確かであれば、早期から投与して、良い状態を少しでも長く維持させることを目指します。実際、早期に治療開始した患者さんのほうが、その後の全般的機能や認知機能の悪化が少ないという報告もあります。最近の研究では、アルツハイマー病患者さんが認知症の段階になった時、あるいはその前段階の軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)の段階でも、脳内のアルツハイマー病の病理過程はかなり進行していることが明らかになっています。したがって、症状が軽くても疾患としてはある程度進行していると考えるべきです。また、コリンエステラーゼ阻害薬にはアルツハイマー病患者さんの海馬や全脳の萎縮の進行を遅延させる効果も報告されており、神経保護作用を有する可能性もあるからです。留意点としては、MCIの基準を満たす患者さんの原因疾患はアルツハイマー病だけでなく、うつ病などもあるため、すべてのMCI患者さんにコリンエステラーゼ阻害薬を投与してよいわけではなく、アルツハイマー病の診断を正確に行うことが前提です。3 抗認知症薬の効果の判定方法について、判定するまでの期間など、具体的に教えてください。効果判定の時期や方法について、わが国でとくに推奨されているものはありません。海外のガイドラインでは6ヵ月後に評価するとされていますが、評価法については明確に記載されていません。逆に認知機能検査に関して、Mini Mental State Examination(MMSE)のような簡易なものでは不十分であると記載されています。しかし実臨床場面では、複数のご家族やデイケアなどのスタッフからの情報とMMSEのような認知機能検査の結果などをもとに効果を判定することになると思います。ご家族が最も期待するのは記憶障害の改善なのですが、ご家族が記憶障害の改善を実感できる患者さんは少ないと思います。どの抗認知症薬においても改善を認めやすい症状は、意欲低下、注意・集中力の障害です。したがって、まず効果の判定には、これら症状の改善の有無を患者さんの周囲の複数の人に確認してもらうのがよいと思います。ご家族に聞くときは、具体的には、「言葉数が増えましたか」「何かをしようとすることが多くなりましたか」「表情が明るくなりましたか」などというように質問しましょう。しかしながら、アルツハイマー病は進行性の疾患なので、大きな変化がないというのも、効果があると考えてよいと思います。実際、前述の海外のガイドラインでは、投与前と同様に投与後も悪化している場合に、他剤への変更を検討するということになっています。ただし投与後に不変であっても、患者さん自身やご家族が、よりよい改善を期待して他剤への変更を希望する場合には変更してよいと思います。4 抗認知症薬の増量のタイミング(症状の目安など)を教えてください。ドネペジルは軽度から重度まで、すべての段階のアルツハイマー病に適応があります。これに対してガランタミン、リバスチグミンは軽度と中等度の患者さんに、メマンチンは、中等度と重度の患者さんに適応を有しています。したがって、保険適用の観点からは、中等度になったらメマンチンを併用し、重度になったらドネペジル10mgに増量、あるいは変更します。軽度認知症レベルとは、銀行などの手続きも含めた財産管理ができない、買い物で必要な物を必要な量だけ買うことができない、パーティーの段取りのような複雑な作業はできないが、家庭内の日常生活には支障が生じていない段階です。中等度認知症レベルとは、時期や場面にあった服を選べない、入浴を時々忘れるなどが生じ、日常生活にある程度の介護が必要な状態です。重度認知症レベルとは、服を着ることができない、入浴に介助が必要、トイレがうまく使えないなど、日常生活に多大な介助が必要な状態です。しかし、アルツハイマー病は緩徐に連続的に進行していく疾患なので、どこからが中等度でどこからが重度かの線引きをすることは困難ですし、境界には幅があります。そこで実臨床場面では、患者さんやご家族から日常生活上の障害に関する情報を聴取し、中等度、重度への移行をおおまかに判断しますが、同時に、患者さんやご家族の進行に対する不安、増量に対する意向なども聞いて、総合的に判断します。たとえば、ご家族が明らかに進行したと感じ、これに対して何とかしてほしいという気持ちが強い場合は、日常生活のごく一部のみで次の段階に移行した可能性がある程度でも、追加や増量を検討します。5 コリンエステラーゼ阻害薬にメマンチンを併用する場合のタイミングと、併用する際の増量や追加の順番を教えてください。アルツハイマー病患者さんにコリンエステラーゼ阻害薬を使用していても、症状が進行し、中等度認知症レベル(Q4参照)に至った時にコリンエステラーゼ阻害薬にメマンチンを併用します。メマンチンの増量は規定に従い、5mgから開始し、1週間ごとに5mgずつ増量していき、20mgの維持量まで持っていきます。しかしわが国での発売後の調査で、めまいや眠気などの副作用を認める例が少なくないことが明らかになりました。そこでこの副作用を防止するために、2~4週間ごとに増量する先生もいらっしゃいます。中等度の段階で初めてアルツハイマー病と診断した患者さんの場合は、コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンのどちらを先に処方するかという選択に迫られます。これまでの研究報告からは、コリンエステラーゼ阻害薬のほうがメマンチンよりも、認知機能に対する効果が大きいようなので、コリンエステラーゼ阻害薬を先に処方するほうがよいでしょう。ただし、患者さんの身体的既往症、合併症、精神行動障害によってはメマンチンを先に投与する場合もあります。しかし単独処方よりも両薬剤を併用することによって進行抑制効果が増すため、基本的には併用処方を目指します。したがって、どちらか一方のみを処方する期間は短いでしょうから、どちらが先かについてはあまり神経質にならなくてもよいと思います。※2012年10月の認知症特集におけるQ&Aも併せてご覧ください。認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part1)認知症のエキスパートドクターが先生方からの質問に回答!(Part2)

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小児外傷後てんかんの予防にレベチラセタムは有用

 急性頭部外傷を受けた外傷後てんかんリスクを有する小児へのレベチラセタムについて、安全性および良好な忍容性が確認されたことが、米国・国立小児医療センターのPhillip L. Pearl氏らによる第2相試験の結果、報告された。外傷後てんかんは、重症頭部外傷(TBI)を受けた小児において最大20%で発現することが報告されているという。Epilepsia誌2013年7月22日号の掲載報告。 今回の第2相試験は、6~17歳の小児で、頭蓋内出血、頭蓋骨陥没骨折、穿通性損傷など外傷後てんかんの発症に関するリスク因子、または外傷後発作の発現に関するリスク因子を1つ以上有する者を集めて行われた。被験者には30日間にわたり、レベチラセタム55mg/kg/日を1日2回で投与した。投与は外傷後8時間以内に開始された。治療被験者の目標数は、20例であり、TBI後8~24時間以内に受診しその他の適格基準を満たした20例を観察対象として組み込んだ。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップの期間は2年であった。45例がスクリーニングを受け、20例が治療群に組み込まれた。・TBI後に最も頻度が高かったリスク因子は、即時の発作であった。・レベチラセタムの投与には95%が応じた。死亡例はみられなかった。治療被験者20例のうち、1例が途中で追跡不能となった。・治療被験者で最も頻度の高かった重篤な有害事象は、頭痛、疲労感、傾眠、易刺激性であった。・治療被験者が対照被験者と比較して、感染症、気分変化、問題行動の発生が多いということはみられなかった。・被験者40例のうち、外傷後てんかん(外傷後7日超での発作と定義)を呈したのは1例のみ(2.5%)であった。・今回の試験によって、外傷性脳損傷のリスク集団において、小児外傷後てんかんを予防する研究の実現可能性が示された。・以上の結果を踏まえて著者は、「レベチラセタムは、今回対象としたリスク集団において、安全であり忍容性が良好であった。本研究は、外傷後てんかんリスク集団の予防に関する、前向き試験実現のためのステージを用意するものとなった」とまとめている。関連医療ニュース 抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証 小児てんかん患者、最大の死因は? 抗てんかん薬によりADHD児の行動が改善:山梨大学

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血圧変動が大きい高齢者は認知機能が不良/BMJ

 心血管疾患リスクを持つ高齢者では、平均血圧とは無関係に、診察室血圧の変動が大きい集団で認知機能が不良であることが、オランダ・ライデン大学医療センターのBehnam Sabayan氏らが実施したPROSPER試験で示された。血圧変動は心血管イベントの独立のリスク因子とされる。また、診察室血圧の変動が大きいほど、無症候性および臨床的に明らかな脳血管障害のリスクが高くなることが知られている。BMJ誌オンライン版2013年7月30日号掲載の報告。欧州の3施設で行われた前向きコホート試験 PROSPER試験は、高齢者における診察室血圧の変動と認知機能の関連の評価を目的とする前向きコホート試験。 アイルランド、スコットランド、オランダの3施設から、心血管疾患リスクを有する高齢者(>70歳)が登録された。血圧は3ヵ月ごとに測定し、血圧変動は試験期間中の測定値の標準偏差(SD)と定義した。 血圧変動の大きさを三分位法で3つの集団(大、中、小)に分け、認知機能に関する4項目(選択的注意、処理速度、即時記憶、遅延記憶)の評価を行った。また、オランダの参加者(553例)ではMRIを用いて脳の体積、微小出血、梗塞、白質病変を測定した。すべての認知機能評価項目が有意に不良 5,461例が登録され、ベースラインの平均年齢は75.3歳、女性が51.7%で、既往歴は高血圧が62.2%、糖尿病が10.5%、脳卒中/TIAが11.1%、心筋梗塞が13.1%、血管疾患が44.0%であり、喫煙者は26.2%であった。平均フォローアップ期間は3.2年で、この期間中の平均血圧測定回数は12.7回、平均血圧は153.1/82.5mmHgであった。 収縮期血圧の変動大(16.3~64.4mmHg)、中(12.3~16.2mmHg)、小(0.7~12.2mmHg)、拡張期血圧の変動大(8.6~33.1mmHg)、中(6.6~8.5mmHg)、小(0~6.5mmHg)の群にそれぞれ1,820例、1,821例、1,820例ずつが登録された。 平均血圧や心血管リスク因子で調整後、収縮期血圧の変動が大きい集団では認知機能の評価項目がすべて有意に不良であることが示された(選択的注意:p<0.001、処理速度:p<0.001、即時記憶:p<0.001、遅延記憶:p=0.001)。拡張期血圧の変動が大きい集団でも同様の結果が得られた(選択的注意:p<0.001、処理速度:p<0.001、即時記憶:p<0.001、遅延記憶:p=0.001)。 収縮期血圧および拡張期血圧の変動が大きい集団では、海馬体積の減少(いずれもp=0.01)、皮質の梗塞(いずれもp=0.02)との関連が認められ、拡張期血圧の変動が大きい集団では脳の微小出血(p=0.01)との関連が確認された。 著者は、「認知機能障害の発症機序として、脳の微小出血、皮質梗塞、海馬体積の減少が関与している可能性がある。今後は介入試験を行って、血圧変動の抑制により認知機能障害のリスクが低下するかを検証する必要がある」と指摘している。

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これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる

 米国・カリフォルニア大学のMichael S. Rafii氏は、アルツハイマー病(AD)治療のアップデートを目的に文献レビューを行った。その結果、米国食品医薬品局(FDA)によるAD治療の新薬承認は2003年のNMDA受容体拮抗薬以降は行われておらず、近年の疾患修飾を狙った開発薬はいずれも有効性を示すことができなかったこと、その失敗を踏まえて現在はAD発症メカニズムに着目した新薬開発が積極的に進められていることを報告した。Reviews on Recent Clinical Trials誌オンライン版2013年7月17日号の掲載報告。 ADは世界的な認知症の主因であり、臨床的特徴として進行性の認知障害および神経精神病学的障害が認められる。Rafii氏は、AD治療に関する文献レビューを行い、AD治療薬の開発および最近の動向について次のように報告した。・ADの病理学的特徴は、細胞外のアミロイドプラークの蓄積、ニューロン内神経原線維変化であり、広範な神経変性を伴う。前脳基底部におけるコリン作動性ニューロンの喪失などが認められ、コリン作動性の神経伝達の低下や記憶障害に結びつくことが明らかとなっている(Bartus et al, 1982; Whitehouse et al, 1982)。・そこで現在、AD型認知症の症状に対しては、コリン作動性ニューロンの喪失をターゲットにしたアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChEI)による治療が行われている(Birks J, 2006)。しかしAChEI治療は、一時的に症状を緩和するだけで、疾患の進行を遅らせたり改善したりはしない。承認されているAChEIとしては、ドネペジル(商品名:アリセプトほか)、リバスチグミン(同:イクセロン、 リバスタッチ)、ガランタミン(同:レミニール)がある。・また、過剰なグルタミン酸作動性神経伝達(ニューロンの興奮毒性として示される)も、ADの病理に関与しているのではないかと仮定された。・そこで開発されたのが、低親和性の非競合的電位依存性NMDA受容体拮抗薬メマンチン(同:メマリー)である(Chen HV, 1992)。メマンチンは中等度~重度のAD治療薬として承認された。・しかし、米国FDAは、2003年にこのメマンチンをAD治療薬として承認して以降、新薬の承認をしていない。唯一の承認は、2011年のドネペジルの高用量の経口剤(23mg錠)と、2012年のリバスチグミンの経皮パッチ剤(13.3mg)であった。・近年、疾患修正を狙った多くの新薬候補が、大規模無作為化対照試験に臨んだが、AD治療における有効性を示すことはできなかった。・ADの原因究明については、いまだ熱心に研究されているが、その領域はAD早期診断および早期治療に向かっている。そこはまた、これまで数多くの臨床試験失敗の主な原因とも考えられている領域である。・現在、積極的な開発が進められている新たなAD治療薬およびそのメインとする機序として、次の4つがある。すなわち、(1)Aβ産生の減少(とくにセクレターゼ抑制)を狙ったもの、(2)Aβプラークの沈着を抑制または断絶しその負荷を減じることを狙ったもの、(3)積極的あるいは受動的な免疫療法でAβのクリアランス促進を狙ったもの、そして(4)タウ蛋白のリン酸化または線維化を阻止することを狙ったものである。・本レビューにおいて、上記の“カテゴリー”に属するそれぞれの臨床試験および前臨床試験から、最新の知見が検討されていること、またこれらの“カテゴリー”は「その他の治療薬」として括られていることが伺えた。このカテゴリーには、単一の作用機序としてはまとめられないが、アルツハイマー病の基礎病理に合理的な介入であることを示す治療が含まれていた。関連医療ニュース 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か? アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか? たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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てんかん患者の若年性死亡リスクは11倍/Lancet

 てんかん患者の若年性死亡リスクは、そうでない人に比べ、11倍超に増大することが明らかになった。外因性の死亡は15.8%で、そのうち75.2%において、うつ病など精神疾患の共存症が認められた。英国・オックスフォード大学ウォーンフォード病院のSeena Fazel氏らが、約7万人のてんかん患者について調べた検討で明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2013年7月19日号で発表した。追跡期間中のてんかん患者死亡率は8.8%、年齢中央値は34.5歳 研究グループは、スウェーデンで1954~2009年に生まれ、てんかんの診断を受けた6万9,995人について、若年死亡リスクとその原因を調べた。一般集団から年齢と性別をマッチングした対照群(66万869人)と、てんかんの診断を受けていない兄弟姉妹(8万1,396人)とを、それぞれ比較した。 その結果、追跡期間中に死亡したてんかん患者は6,155人(8.8%)で、死亡時の年齢中央値は34.5歳(四分位範囲[IQR]:21.0~44.0)だった。非交通事故死5.5倍、自殺3.7倍 てんかん患者の若年死亡リスクは極めて高く、一般集団の対照群に対する補正オッズ比は11.1(95%信頼区間[CI]:10.6~11.6)、てんかんの診断を受けていない兄弟姉妹に対する同オッズ比は11.4(同:10.4~12.5)だった。 てんかん患者の死亡例のうち、15.8%(972人)は外因性のもので、非交通事故による死亡について、対照群に対する同オッズ比は5.5(95%CI:4.7~6.5)、自殺の同オッズ比は3.7(同:3.3~4.2)だった。 なかでも、外因性の理由で死亡した人のうち、精神疾患の共存症が認められたのは75.2%と高く、うつ病のある人の死亡の同オッズ比は13.0(95%CI:10.3~16.6)、薬物依存の人では22.4(同:18.3~27.3)と高かった。 著者は、「てんかん患者の治療において、外因性による若年死亡率を低下させることが、優先すべき課題である。精神疾患の共存は、この課題において重要である。そのような死亡を阻止するための医療サービスや公衆衛生の介入能力について再考が必要である」とまとめている。

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最も評価しているコリンエステラーゼ阻害薬は?

抗認知症薬(効能・効果は「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」)であるコリンエステラーゼ阻害薬は、1999年11月にドネペジル(商品名:アリセプト)、2011年3月にガランタミン(同:レミニール)、同年7月にリバスチグミン(同:イクセロン、リバスタッチ)が登場し、これらの3剤が使用できるようになってから約2年が経ちました。この2年における臨床経験から、現在、これらの3剤がどのように評価されているのか、ケアネット会員の内科・精神科の先生方に尋ねました。対象ケアネット会員の医師(内科・精神科)368名方法インターネット調査実施期間2013年6月13日~20日Q1過去1年間で、認知症患者さんに対してコリンエステラーゼ阻害薬を処方したことがありますか?Q2コリンエステラーゼ阻害薬のうち、最も高く評価している薬剤はどれですか?Q3Q2で選んだ理由について、当てはまるものをすべてお選びください。2013年6月ケアネット調べ

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てんかんと診断されることは怖くない

2013年7月4日、東京都港区において小児てんかんをテーマにしたプレスセミナー(共催:大塚製薬・UCBジャパン)が開催された。そこで行われた、岩崎 俊之氏(北里大学医学部小児科学講師)による講演「てんかん治療と家庭生活・学校生活への影響」についてレポートする。岩崎氏は、日常的に小児てんかん患児を診ており、てんかん患児が安全で快適な日常生活を過ごすためには、てんかんについて正しい知識を持つことが重要である、と訴えた。小児において、てんかんは約100人に1人の割合でみられる決して珍しくない疾患である1)。痙攣や意識消失などの発作が主な症状である。小児てんかんの治療には、抗てんかん薬による薬物治療と並んで、家庭と医療機関、そして教育現場がともに連携することが、非常に重要である。セミナーでは、それを物語るひとつの事例が紹介された。症例:7歳の男児。抗てんかん薬を内服していたが、発熱時に全身性の強直間代性痙攣が出現するため、解熱の坐剤を併用していた。幼稚園までは、男児の発熱時に職員が坐剤を挿肛する対応ができたため、治療による発作の抑制が可能であった。しかし、小学校では、教師による医療行為が法的に許可されていないため、男児の発熱時に坐剤投与ができずにいた。この問題について家族は、主治医・教育委員会職員・校長・担任および養護教諭との話し合いを重ね、緊急時の医療行為の必要性について訴えた。ついには、市の教育委員会が現場の小学校と連携して、特例として男児の発熱時の坐剤使用を認めた。この動きにより、小児てんかんに限らず、必要不可欠な場合には医療行為が可能になるよう検討が進められている。これは、家族が積極的に働きかけを行ったことによって、問題が明らかになった典型的な事例である。現在、保健師助産師看護師法第4章第31条により、保育所・幼稚園と特別支援学校では、主治医からの指示があれば医療行為を行うことができるが、小学校の教師にはこの法律が適用されない。このような状況では、関係者全員が話し合い協力することで、ケースごとに解決策を見出すほかなく、ときには、主治医と学校関係者が直接話すことも重要であると岩崎氏は語る。てんかんは、てんかん発作を主症状とする大脳の慢性疾患であるため、罹患すると完治は難しいと考えられてきたが、小児てんかんについては、適切な時期に適正な治療を行うことで、発作抑制が可能である。薬剤によってコントロールされれば、ほとんどの学校行事に参加可能であり、海外旅行も不可能ではないという。しかし、てんかんの症状は、痙攣に限ったものではない。家族は日ごろから、子供の性格の変化(怒りっぽくなったなど)や成績の悪化、同じ動作を繰り返すなどのサインを見逃さないことが重要である。小児てんかんと診断されても薬剤によるコントロールが可能となった今、てんかんの症状や治療に対する誤解を少しでも減らし、各々が正しい理解を持って、てんかん患児と接することが必要なのではないだろうか。出典:1) Murray CJL, et al. Global Comparative Assessment in the Health Sector: Disease Burden. Expenditures, and Intervention Packages. Geneva. World Health Organization. 1994.(ケアネット 岸田有希子)

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認知症患者の約2割にせん妄が発現

 神戸大学大学院医学研究科精神医学分野の長谷川典子氏らは、外来の認知症患者におけるせん妄の発現状況について検討した。その結果、認知症患者の約2割にせん妄が認められ、その発現は認知症のタイプにより異なること、またCVD併発例で多くみられることを報告した。International Psychogeriatrics誌オンライン版2013年7月22日号の掲載報告。 せん妄と認知症は深く関連するが、認知症に重なるこの変性意識状態を検討した包括的な疫学研究はほとんどない。今回、認知症外来患者におけるせん妄の頻度、認知症タイプ別の発現状況、神経変性疾患による認知症患者の脳血管疾患(CVD)との関連について検討した。2010年4月~2011年9月において、精神病院のメモリークリニックを受診した外来患者261例(連続症例)を対象とした。全患者について、臨床検査、CT検査、Mini-Mental State Examination(MMSE)、Neuropsychiatric Inventory(NPI)、Physical Self-Maintenance Scale(PSMS)、およびDelirium Rating Scale-Revised-98スコアを評価した。せん妄の診断はDSM-Ⅳ-TRにより行い、CVDはCTにより検出した。 主な結果は以下のとおり。・認知症患者206例のうち、せん妄は40例(19.4%)に認められた。・認知症タイプ別のせん妄の発現状況は、アルツハイマー病が14.7%、血管性認知症で34.4%、レビー小体型認知症が31.8%で、前頭側頭葉変性型では認められなかった。・せん妄は、認知症とCVD併発例に多くみられた。・NPI総スコアおよび興奮のサブスケールスコアは、せん妄を伴う認知症患者のほうが、せん妄を伴わない認知症患者に比べ有意に高かった。・PSMSスコアは、せん妄を伴う患者のほうが、せん妄を伴わない患者に比べ有意に低かった。・以上より、認知症のタイプによってせん妄の頻度はさまざまであること、せん妄はADL(日常生活動作)を低下させ、認知症の行動・心理症状を悪化させること、神経変性疾患による認知症患者におけるCVD併発と関連することが示された。関連医療ニュース 高齢者のせん妄に対する抗精神病薬のリスクは? せん妄はレビー小体型認知症のサイン?! たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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BPSDだけではない!認知症の生活障害にどう対応する?

最近では、一般人向けの新聞記事でも目にするなど、「BPSD(認知症の行動・心理症状)」の概念が広まりつつあり、BPSDに対する介護者の大変さはよく知られてきている。それに加え認知症の介護では、食事、排尿・排便、更衣、入浴など基本的な日常生活ができなくなる「生活障害」への対応も、介護者にとっては大きな負担となる。その対応について、筑波大学臨床医学系精神医学 教授 朝田 隆氏が「認知症の生活障害とその対応」と題して、第109回日本精神神経学会学術総会(2013年5月23日~25日)にて講演した。その内容を紹介する。認知症介護者がつらい原因は「希望がない」「BPSD」「生活障害への対応」わが国では、殺人・殺人未遂事件件数は昭和50年代のピーク時(約3,000件)に比べ、2009年には約3分の1に減少しているが、子が加害者で親が被害者であった事件件数は1985年から2009年の間に約3倍に増えている。その陰には、介護殺人、とくに認知症の介護殺人の存在があることが報告されている。また、そこまで極端ではなくとも、認知症の介護者はうつ症状・うつ病になりやすく、この頻度は少なくとも一般人口比で3倍以上ということが報告されている。認知症介護者がつらい要因として、根本治療薬がなく希望がないこと、BPSDのつらさ、生活障害への対応のつらさが挙げられる。生活障害とは?生活障害とは、いわゆる基本的な日常生活を構成する行動の障害であり、認知症のごく初期では、電話、買い物、料理、キャッシングなどができなくなることが特徴的である。朝田氏が、若年性認知症患者の家族の方々に、認知症に気付いたきっかけを聞いたところ、多くは記憶障害であったが、食事のときに片手だけしか使わずボロボロこぼすようになるというものがあった。認知症が進行するとともに、服の着方・脱ぎ方がわからなくなる、布団がきちんと敷けなくなる、敷き布団の下にもぐって寝る、回すという動作ができずドアを開けることができない、便座と自分の位置関係がわからず逆向きに座るなどの障害が日常化してゆく。この生活障害は、その行為が時にできなくなることに始まり、認知症が進行するに伴って成功確率が低下する。当初はできないことで苛立つが、イライラは次第に消えおとなしくなる。さらに、できないことが自覚できなくなるため、介護者に言われると立腹し、そのうちできなくて当然、やってもらって当然になる。BPSDと生活障害は似ているが、生活障害のほうがBPSDより技術的な対応が必要である。また、BPSDは連続性がなく突然発現するが、生活障害には日々現れる症状のため介護者の苛立ちがたまるという特徴がある。生活障害に対する基本の対応は?それでは、生活障害にどのように対応すればよいのだろうか。朝田氏は、一連の行為を一つひとつの動作に分解して、それらの順序立てを考えるのがわかりやすいと言う。たとえば、歯磨きという行為は、洗面所の前に立つ、歯ブラシを取る、ペーストチューブを取る、チューブの蓋を開ける、歯ブラシにペーストを付ける、チューブの蓋を閉める、チューブを元の場所に戻す、などの動作が連続的に順序よくなされて完成する。認知症患者の行動を観察すると、動作の順番を間違ったり、歯ブラシやペーストチューブを認識できなかったりすることが歯磨き行為をできない原因となっていることがわかる。その他の行為、たとえば排泄や食事も一連の動作に分けることによって、失敗のパターンと手助けすべきところが見えてくる。これらの生活障害に対して、基本となる対応は「仕切り直し」である。介護者が焦らず間を置くことで、当事者は混乱と苛立ちを忘れる。学問的にも「場所と時が変わればできてしまう、失行とはそんなもの」とされている。仕切り直しの例として、朝田氏は、施設の送迎車の座席に正しく座れなかった患者が、一度自動車を降りて再度乗車させると正しく座れた例を紹介した。また、動作の流れの手助けをして成功した例として、上着をうまく脱ぐことができない患者に、背後にまわって肩甲骨のあたりを少し引っ張るとそれが反射となり脱ぐことができた例を挙げた。「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」朝田氏は、山本五十六の語録「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」が認知症介護にも通じており、認知症患者の家族に伝えるべき言葉だという。実践的には、全部をしてあげるのではなく当事者の能力を最大限に活かすこと、また、流れの乱れが基本にあるためリズムに乗せることが大事であり、端緒がどこかをしっかり見ることが重要であると述べた。脳科学としての生活行為の研究にも挑戦本講演で朝田氏は、認知症ケアの知恵集めのほか、認知症専門医や神経心理学・認知リハビリの専門家、脳機能評価に精通した研究者と連携し、脳磁図(磁気で見た脳波)で行為時の脳の働きをモニターするなど、脳科学として生活行為の研究にも挑戦し始めていることを紹介した。

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認知症高齢者5人に1人が抗コリン薬を使用

 認知症を有する人に対する抗コリン薬の使用は、認知機能に悪影響を及ぼす。しかし、米国のコミュニティベースにおける認知症高齢者の抗コリン薬治療の頻度やその使用に関連する因子については、これまでほとんど検討されていなかった。米国・ヒューストン大学のSneha D. Sura氏らは、認知症高齢者における抗コリン薬の使用状況と使用に関連する因子を明らかにすることを目的に、米国民の非入院患者の代表的な集団であるMedical Expenditure Panel Surveys (MEPS)の2005~2009年のデータをレトロスペクティブに解析した。その結果、認知症高齢者の5人に1人が抗コリン薬を使用しており、その使用に気分障害、尿失禁および居住地域が関連していることを報告した。Drugs & Aging誌オンライン版2013年7月24日号の掲載報告。 地域在住の65歳以上の認知症患者を対象に、研究期間中の抗コリン薬の毎年の使用頻度、抗コリン薬使用に関連する因子について評価した。Anticholinergic Drug Scale(ADS)を用いて抗コリン薬を特定し、臨床的に意味のある抗コリン薬の使用(ADSレベル2または3)と関連する予測因子を明らかにするため、Anderson Behavioral Modelの概念的枠組みの範囲で多重ロジスティック回帰解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・MEPSの研究期間中、認知症高齢者は年間で合計156万人(95%信頼区間[CI]:134~173万人)いることが認められた。・認知症高齢者の約23.3 %(95%CI:19.2~27.5)が、臨床的に意味のある抗コリン薬の使用(ADSレベル2または3)を行っていた。・抗コリン薬の使用を必要とする因子の中でも、気分障害(オッズ比[OR]:2.19、95%CI:1.19~4.06)と尿失禁(同:6.58、2.84~15.29)に対して、より抗コリン薬を使用する傾向がみられた。・より高用量の抗コリン薬を使用する確率は、北東地域に在住している患者に比べ西部地域に在住している患者のほうが有意に低かった(OR:0.41、95%CI:0.17~0.95)。・以上より、認知症高齢者の5人に1人が臨床的に意味のある抗コリン薬の使用を行っていることが明らかになった。また、気分障害、尿失禁および居住地域が抗コリン薬の使用と有意に関連していることが示された。・この結果を踏まえて、著者は「臨床的に意味のある抗コリン薬に焦点を当て、薬物使用の質改善に向け一丸となった努力が求められる」と提言している。関連医療ニュース 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 統合失調症治療にベンゾ併用は有用なのか? ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性

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アルツハイマー情報サイト公開 米ADEARの日本語版

 臨床研究情報センターは1日、アルツハイマー病に関する正しい知識の普及およびその理解の推進を図ることを目的に、『アルツハイマー病情報サイト』(http://adinfo.tri-kobe.org/)を公開した。 同サイトでは、米国国立加齢研究所アルツハイマー病啓発・情報センター(Alzheimer's Disease Education and Referral Center:ADEAR)が配信する、アルツハイマー病に関する最新かつ包括的な情報の日本語版を公開している。なお、翻訳にあたっては、東京大学岩坪 威 教授の指導のもとで監訳・監修を受けているという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.tri-kobe.org/news/pdf/20130801_PressRelease.pdf

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抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証

 レベチラセタム(商品名:イーケプラ)の日本人小児への投与量について、1回10~30mg/kg・1日2回が、日本人成人に推奨されている投与量である1回500~1500mg・1日2回に相当することを、ベルギー・UCB Pharma社のNathalie Toublanc氏らが解析を行い報告した。レベチラセタムは、成人および小児(生後1ヵ月以上)のさまざまなタイプのてんかん症状に有効な第2世代の抗てんかん薬。これまで、日本人小児への推奨投与量は検討されていなかった。Drug Metabolism and Pharmacokinetics誌オンライン版2013年7月23日号の掲載報告。レベチラセタムの各集団薬物動態モデルを開発 本検討は、日本人小児へのレベチラセタムの推奨投与量を明らかにすることを目的とした。そのために、日本人小児と成人および北米小児におけるレベチラセタムの各集団薬物動態モデルを開発した。日本人成人と小児の臨床試験データから、レベチラセタムの血漿中濃度-時間のデータを入手し、シミュレーションモデルを用いた非線形混合効果モデルを用いて比較を行った。さらに北米小児モデルとの外的妥当性の検討も行った。 主な結果は以下のとおり。・日本人小児73例(4~8歳、12歳、12~16歳の各年齢群20例以上)、同成人186例(84%が20~50歳)のデータを入手した。データを十分に検証な薬物動態モデルが開発できた。・小児のシミュレーションモデルにおける曝露指標の判定は、成人における範囲内のもので確定できることが示された。・北米小児モデルとの外的妥当性の検討結果も良好であった。・集団薬物モデルの統合解析の結果、データを良好に解析することができ、異なる集団でのレベチラセタムの薬物動態の類似性を確認することができた。・結果、レベチラセタムの日本人小児への投与量において、1回10~30mg/kg・1日2回が、日本人成人に推奨されている投与量の1回500~1500mg・1日2回の曝露と同等であることが確認された。■関連記事難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は?小児てんかん患者、最大の死因は?抗精神病薬の等価換算は正しく行われているのか

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semagacestat、AD患者の認知機能を改善せず/NEJM

 γセクレターゼ阻害薬semagacestatは、アルツハイマー型認知症(AD)患者の認知機能を改善せず、皮膚がんなどのリスクを増大させる可能性があることが、米国・ベイラー医科大学のRachelle S Doody氏らの検討で示された。この結果を受けて試験は早期中止となった。論文はNEJM誌2013年7月25日号に掲載された。ADの原因物質とされるアミロイドβ(Aβ)蛋白は、アミロイド前駆体蛋白(APP)からβセクレターゼおよびγセクレターゼにより切断されて産生される。semagacestatはγセクレターゼを阻害する低分子化合物である。2種類の用量をプラセボ対照試験で評価 研究グループは、AD治療におけるsemagacestatの2種類の用量の有用性をプラセボと比較する二重盲検無作為化試験を実施した。 対象は、55歳以上、うつ症状のみられない軽度~中等度のAD患者とした。参加者はsemagacestat 100mg/日、140mg/日またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、ベースラインから76週までのADAS-cogおよびADCS-ADLの変化とした。ADAS-cogはAD患者の認知機能の評価スケール(0~70点)で、スコアが大きいほど認知機能障害が重度であることを示す。ADCS-ADLはAD患者の日常生活動作(ADL)の評価スケール(0~78点)で、スコアが大きいほどADLは良好である。高用量で有効性が低く、有害事象の頻度が高い傾向 1,534例が登録され、プラセボ群に501例、100mg群に506例、140mg群には527例が割り付けられた。全体の平均年齢は73.2歳、男性が47%で、約82%がコリンエステラーゼ阻害薬を、33%がメマンチン(商品名:メマリー)を、29%がその両方を使用していた。 データ安全性監視委員会の勧告に基づき試験は完了前に中止された。治療を完遂したのは463例(プラセボ群189例、100mg群153例、140mg群121例)であった。最も大きな治療中止の理由は試験の中止であったが、有害事象による治療中止がsemagacestat群で有意に多かった(p<0.001)。 76週後の認知機能は3群すべてで増悪した。すなわち、ADAS-cogスコアがプラセボ群で6.4、100mg群で7.5(p=0.15、プラセボ群との比較)、140mg群では7.8(p=0.07、同)上昇した。 ADLも全群で低下した。ADCS-ADLスコアがプラセボ群で9.0、100mg群で10.5(p=0.14、プラセボ群との比較)、140mg群では12.6(p<0.001、同)減少した。 52週の時点で、プラセボ群は体重が増加した(0.4kg)のに対し、semagacestat群はいずれも減少し(100mg群:-1.6kg、140mg群:-1.6kg)、有意な差が認められた(p<0.001)。また、皮膚がん(非メラノーマ性)や感染症の頻度がsemagacestat群で高かった。 semagacestatによる検査値異常として、リンパ球、T細胞、免疫グロブリン、アルブミン、総蛋白量、尿酸の低下が認められ、好酸球、単球、コレステロールが上昇した。また、尿pHの上昇もみられた。 著者は、「semagacestatは軽度~中等度AD患者にベネフィットをもたらさないことが示された。高用量のほうが有効性が低く、有害事象の頻度が高い傾向がみられた」とまとめ、「有害事象はAPP以外の蛋白への作用によると考えられるが、臨床的な増悪がγセクレターゼの阻害やAβの低下によるものかは不明」としている。

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高齢者の認知症リスクに世代間格差/Lancet

 英国3地域で、1989~1994年と2008~2011年の認知症有病率を同一の方法で調べ、そのデータを基に同有病率の予測値を割り出したところ、最近の高齢者のほうが以前の高齢者に比べて認知症リスクが低いことが示された。英国・ケンブリッジ大学のFiona E Matthews氏らが行ったコホート研究の結果、報告された。認知症の有病率は世界的に関心が高く、将来のケア体制整備のためにも、同年齢の人がどれぐらい認知症になるかの推計が必要だが、英国においてはそのエビデンスは10年以上更新されていなかったという。そこで、1989年に始まった英国での認知機能と加齢についてのオリジナル研究「MRC CFAS」を基に、20年後に同一地域・同一方法で認知症有病率を調べ、同有病率に変化があったかを調べた。Lancet誌オンライン版2013年7月16日号掲載の報告より。英国3地域で20年間の認知症有病率を調査 MRC CFAS(Medical Research Council Cognitive Function and Ageing Study)は、1989~1994年にかけて、英国6地域で65歳以上を対象に認知症の有病率を予測したコホート研究だった(CFAS I)。研究グループは、そのうちケンブリッジシャー、ニューカッスル、ノッティンガムの3つの地域について、2008~2011年に同一方法で認知症有病率の予測値を調べ、両者の比較を行った(CFAS II)。 いずれのCFASでも、被験者のスクリーニングを行ったうえで診断アセスメントを実施し、得られたデータを基に有病率の予測と比較を行った。最近コホートの有病率予測、古いコホートより1.8ポイント低下 CFAS Iの対象者は9,602人、そのうち回答のあった被験者は7,635人で、実際に診断アセスメントを受けたのは1,457人だった。CFAS IIは1万4,242人を対象に調査を行い、そのうち回答があり調査可能だった被験者は7,796人だった。 CFAS Iを基に2011年標準化人口に対して算出した65歳以上の年齢・性特異的認知症有病率の予測値は、8.3%(88万4,000人)だった。一方、CFAS IIを基にした同有病率の予測値は6.5%(67万人)で、1.8ポイント低かった(CFAS II予測値のCFAS I予測値に対するオッズ比:0.7、同:0.6~0.9、p=0.003)。 感度分析の結果、被験者の回答率にかかわらず、同様の結果が得られることが示された。 研究グループは、「本研究において、認知症有病率にはコホートの影響が認められるというさらなるエビデンスが示された。20世紀生まれの高齢者については、よりあとに生まれた人のほうが、より早くに生まれた人よりも認知症リスクが低いことが示された」と結論している。

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てんかん合併アルツハイマー病患者、より若年で認知機能が低下

 米国・カリフォルニア大学のKeith A.Vossel氏らは、健忘型軽度認知機能障害(aMCI)患者またはアルツハイマー病(AD)における、てんかん合併の影響について検討を行った。その結果、てんかんを有する場合はてんかんのない患者に比べ、より若年で認知機能低下が発症することを報告した。著者は結果を踏まえて、「そのような患者を注意深く選別して治療することで、臨床経過を改善できる可能性がある」と結論している。JAMA Neurology誌2013年7月号の掲載報告。 ADに関連するてんかん性活動は、患者に有害な影響を及ぼすことや、認識されないまま未治療の状況になりやすいこと、また、その他の疾患を起こす病態プロセスを反映する可能性があることなどから関心が高まっている。実地臨床で役立つAD関連発作とてんかん波形様活動の主な特徴を報告するとともに、ADとトランスジェニック動物モデルでみられる同様の現象について着目する。研究グループは、てんかんまたは無症候性てんかん波形様活動を認めるaMCI患者または早期AD患者の、臨床的特徴と治療アウトカムを明らかにすることを目的に、後ろ向き観察研究を行った。カリフォルニア大学記念エイジングセンターにおいて、2007~2012年にaMCI+てんかん(12例)、AD+てんかん(35例)、AD+無症候性てんかん波形様活動(7例)の計54例を対象とした。臨床人口動態データ、脳波(EEG)、抗てんかん薬の効果を評価した。 主な結果は以下のとおり。・てんかんを有するaMCI患者は、てんかんのないaMCI患者に比べ、6.8歳早く認知機能低下症状がみられた(64.3 vs 71.1歳、p=0.02)。・てんかんを有するAD患者は、てんかんのないAD患者に比べ、5.5歳早く認知機能低下がみられた(64.8 vs 70.3歳、p=0.001)。また、無症候性てんかん波形様活動を認めるAD患者も、認知機能低下が早く始まっていた(58.9歳)。・aMCIおよびAD患者における発作発現のタイミングは不均一で(p<0.001)、認知機能低下発現時期に近いところに集中していた。・てんかんの大半は複雑部分発作で(47%)、半分以上は非痙攣性てんかん重積状態であった(55%)。・発作間欠期および無症候性てんかん波形様活動の検出には、通常の脳波よりも連続または延長脳波モニタリングが、より有効であった。・てんかんは主に片側性で、側頭葉てんかんであった。・一般に処方されている抗てんかん薬のうち、ラモトリギンとレベチラセタムは、フェニトインに比べ治療アウトカムが良好であった。・以上のように、aMCIまたはADに関連するてんかんの主な臨床的特徴として、若年で認知機能低下がみられる、早期に発作を認める、片側性側頭葉てんかんが多い、一時的な認知機能障害、ラモトリギンとレベチラセタムは良好な発作コントロールと忍容性を示すことなどがわかった。関連医療ニュース アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方 難治性の部分発作を有する日本人てんかん患者へのLEV追加の有用性は? てんかん患者、脳内ネットワークの一端が明らかに

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90歳代高齢者の認知機能とADL、10年前世代と比べて有意に良好/Lancet

 90歳代高齢者の身体機能と認知機能について、出生年が10年離れている2つのコホート(1905年生まれと1915年生まれ)を比較した結果、後に生まれた年代コホート(1915年生まれ)のほうが日常生活動作(ADL)スコアも認知機能テストの結果も、有意に良好であったことが示された。南デンマーク大学のKaare Christensen氏らがデンマーク人を対象としたコホート研究の結果、報告した。Lancet誌オンライン版2013年7月10日号掲載の報告より。1915年生まれと1905年生まれを比較 高所得国では、100歳代まで生存する人々の割合が急速に増大している。たとえば米国でも90歳代以上人口は、1980年は72万人だったが、2010年には150万人に倍増しているという。このような長寿の傾向の下、超高齢者が虚弱や身体的不自由な状態で生存しているという懸念が広がっているが、65~85歳コホートを対象とした研究で、若い年代ほど健康に老いていく可能性があることが示唆された。そこで研究グループは、90歳代で出生年が10年離れている2つのコホートを対象に、同様の傾向が認められるかを検討した。 第1コホートは1905年生まれの2,262例で93歳時に評価を、第2コホートは1915年生まれの1,584例で95歳時に評価が行われた。被験者の適格性について、居住タイプは問わなかった。 両コホートの生存についての評価は、同一のデザインとツールを用いて行われ、有効回答率は63%とほぼ同一だった。 認知機能評価はMMSE評価や5つの認知機能テストの複合結果により行われ、年齢変化による感度を調べた。身体機能評価は、ADLスコアと運動テスト(握力、いすからの立ち上がり、歩行速度)で評価した。1915年生まれの90歳代高齢者のほうが、MMSE最高スコアの獲得割合が10ポイント高い 93歳まで生存する可能性は、1915年生まれのほうが1905年生まれより28%高かった(6.50%対5.06%)。また、95歳まで生存する可能性も1915年生まれのほうが32%高かった(3.93%対2.98%)。 MMSE評価のスコアは、1915年生まれのほうが有意に良好だった[22.8(SD 5.6)対21.4(同6.0)、p<0.0001]。最高スコア(28~30ポイント)を獲得した被験者の割合は大幅に有意に高率だった(23%対13%、p<0.0001)。 同様に、認知機能テスト複合のスコアも有意に良好だった[0.49(SD 3.6)対0.01(同3.6)、p=0.0003]。 運動テストの結果には一貫した差異は認められなかった。しかし、1915年生まれのほうがADLスコアは有意に良好だった[2.0(SD 0.8)対1.8(同0.7)、p<0.0001]。

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せん妄や認知症の高齢者、専門病棟への入院で患者の精神状態や家族満足度は改善/BMJ

 せん妄や認知症の高齢者は、精神的ケアの専門家と医療者が連携する専門病棟に入院することで、通常の老人病棟への入院に比べ、患者の精神状態や家族介護者の満足度が改善することが報告された。一方で、自宅への一時帰宅日数や死亡率などについては改善は認められなかった。英国・ノッティンガム大学のSarah E Goldberg氏らが行った、無作為化比較試験「NIHR TEAM」の結果で、BMJ誌2013年7月2日号で発表した。専門病棟と老人病棟で、3ヵ月以内の在宅滞在日数を比較 研究グループは本検討で、認知症高齢者に対する総合病院での最適な急性期治療モデルを開発し評価することを目的とした。 65歳以上で“意識の混乱”が診断され入院をした600例の高齢者を対象に無作為化試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方は、せん妄や認知症の患者への最適治療を目的にした専門病棟へ、もう一方は通常の急性期老人病棟への、それぞれの入院が割り付けられた。 専門病棟は、内科的および精神的ケア専門家との連携を特徴とし、せん妄や認知症のスタッフトレーニング強化や、患者中心の認知症ケア(チーム医療、環境調整、せん妄予防、家族ケアなど)が行われた。 主要評価項目は、入院割り付け後90日時点までの自宅で過ごした日数とした。副次アウトカムは、客観的に第三者が確認した患者の経験(家族介護者による病院ケアの満足度)だった。評価にあたり、割り付け情報は可能な限りブラインド化された。患者の精神状態や家族介護者の満足度は改善したが、在宅滞在日数などは同程度 結果、入院後90日時点までの在宅滞在日数の中央値は、専門病棟群51日、対照群45日と、両群で有意差はなかった(両群格差の95%信頼区間:-12~24、p=0.3)。当初の入院日数中央値についても、それぞれ11日だった。死亡率もそれぞれ22%と25%、再入院率も32%と35%、介護施設への入所率も20%と28%と、いずれも両群で有意差はなかった。 自宅に戻った患者は、専門病棟群は中央値70.5日を対照群は同71.0日を過ごしていた。 一方、肯定的な気分で周囲への関心を示した時間を有したのは、専門病棟群の患者が79%と、対照群の68%と比べ有意に多く(p=0.03)、感情的・精神的ニーズに見合ったスタッフとのやり取りも多かった(p<0.001)。 また、家族介護者の満足度も、専門病棟群のほうが対照群に比べ、有意に高く(p=0.004)、重大な不満は少なかった(p=0.05)。 著者は、「健康状態やサービス利用については十分なベネフィットは認められなかったが、せん妄や認知症の専門的なケアは、患者の経験や介護者の満足度を改善した」と述べ、「患者の経験や介護者の満足度は、高齢患者が豊かな終末期を迎えられるかを図る適切な方法といえるだろう」と結論している。

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