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脳梗塞と脳出血の発症しやすい季節

 国立病院機構南京都病院の重松 一生氏らは、京都府医師会脳卒中登録に登録された約1万4千例のデータから、虚血性脳卒中と出血性脳卒中の発症比率の季節変動を検討した。その結果、脳卒中の種類により季節変動性が異なり、脳出血/脳梗塞、くも膜下出血/脳梗塞におけるオッズ比は、年齢・性別・危険因子に関係なく、夏で低くそれ以外の季節で高いことが認められた。Acta Neurologica Scandinavica誌2015年12月号に掲載。 著者らは、1999年1月~2009年12月に登録された1万3,788例の脳卒中患者を、発症した季節で4群に分類。脳卒中全体・脳梗塞・脳出血・くも膜下出血について、夏の発症率を基準とし春・秋・冬の発症のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した。また、年齢・性別・危険因子の調整後、脳出血/脳梗塞とくも膜下出血/脳梗塞におけるORの季節変動について、ロジスティック回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・脳梗塞の発症率は、秋のほうが夏より低かった(OR:0.93、0.87~0.98、p=0.013)。・脳出血の発症率は、春(OR:1.36、1.23~1.49、p<0.001)、秋(OR:1.16、1.05~1.28、p=0.004)、冬(OR:1.37、1.25~1.51、p<0.001)において、夏より高かった。・くも膜下出血の発症率は、春(OR:1.51、1.28~1.79、p<0.001)と冬(OR:1.44、1.22~1.70、p<0.001)において、夏より高かった。・脳出血/脳梗塞のORは、春が1.28(1.13~1.45、p<0.001)、秋が1.26(1.11~1.43、p<0.001)、冬が1.35(1.19~1.53、p<0.001)であった。・くも膜下出血/脳梗塞のORは、春が1.46(1.19~1.79、p<0.001)、秋が1.34(1.09~1.66、p=0.007)、冬が1.50(1.22~1.84、p<0.001)であった。

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片頭痛の頻度と強度、血清脂質と有意に相関

 片頭痛は心血管疾患、とくに脂質異常症のリスク増加と関連していることが報告されているが、これまで片頭痛の重症度と血清脂質との関係を調べた研究はなかった。イタリア・G.D'Annunzio UniversityのClaudio Tana氏らは、小規模な後ろ向き研究において、総コレステロールおよびLDL-コレステロール値が、片頭痛の頻度および強度と有意な正の関連があることを明らかにした。また、片頭痛予防薬による治療後に、これら血清脂質値が有意に減少していることを初めて明らかにした。著者は「本研究は予備的研究であり、今後は前向き比較試験によって確認されなければならない」とまとめている。Pain Practice誌2015年9月号(オンライン版2014年7月10日号)の掲載報告。片頭痛発作の頻度および強度とコレステロールには直接的な線形相関 研究グループは、片頭痛患者52例(前兆あり17例、前兆なし36例)を対象に、片頭痛予防薬による3ヵ月間の治療前後の、片頭痛重症度と血清脂質との関連について評価した。 コレステロールと片頭痛の関連についての主な研究結果は以下のとおり。・片頭痛発作が月8回以上の高頻度群(HF群)および強度が数値的評価スケール(NRS)で5以上の重度群(HI群)では、月8回未満の低頻度群(LF群)およびNRSが5未満の軽度群(LI群)と比較して、総コレステロールおよびLDL-コレステロールがいずれも有意に高値であった[総コレステロール:HF群 vs.LF群(p<0.0001)、HI群 vs.LI群(p<0.0001)/LDL-コレステロール:どちらもp<0.0001]。・治療による片頭痛発作の頻度および強度の有意な低下は、総コレステロールおよび LDL-コレステロールの有意な減少と関連していた(p<0.001)。・片頭痛発作の頻度および強度と、血清脂質との間には、直接的な線形相関が認められた(総コレステロールと頻度、総コレステロールと強度、LDL-コレステロールと頻度、およびLDL-コレステロールと強度との相関はいずれもp<0.0001)。・前兆の有無では、評価パラメータに差はなかった。

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てんかん重積状態の薬物療法はエビデンス・フリー・ゾーン

 てんかん重積状態(SE)は、最も重篤なてんかんの様式であり、最もよく発生する精神的緊急症状で、発生頻度は10万人年当たり61件、推定死亡率は20%である。臨床的に強直性間代性けいれんSEは、4つの連続するステージすなわちearly、established、refractory、super-refractoryに分けられる。しかしSEの薬物治療について、とくに後半のステージには、臨床決定の情報となる質の高い対照試験がないことから、“エビデンス・フリー・ゾーン”となっている。オーストリア・パラケルスス医科大学のEugen Trinka氏らは、SEの経過に応じた薬物療法のエビデンスについて包括的ナラティブレビューを行った。その結果、established SEにはフェニトインやフェノバルビタール、refractory、super-refractoryには麻酔薬が広く使用されていることを明らかにした。Drugs誌2015年9月号の掲載報告。 研究グループは、上述の4ステージアプローチに従って展開し、利用可能な文献の科学的エビデンスの強さに応じて、各抗てんかん薬の薬理学的特性と有効性/安全性のデータを提供しているSEの薬物療法に焦点を絞った包括的ナラティブレビューを行った。データソースは、MEDLINEおよび関連研究の参考文献とした。 主な結果は以下のとおり。・early SEでは、ロラゼパム静注またはミダゾラム筋注により約63~73%で有効なコントロールを得ていた。・established SEの治療には、安全性プロファイルは最適ではないものの、フェニトインの静注またはフェノバルビタールの静注が広く使用されていた。また、代替薬としてバルプロ酸、レベチラセタム、ラコサミドなどがあった。・refractoryまたはsuper-refractory SEには、十分な試験が行われていないにもかかわらず麻酔薬が広く使用されていた。また、後半ステージの代替治療に関するデータは限定的であった。・第1選択薬のベンゾジアゼピン系薬投与にもかかわらずestablished SEが持続している場合、バルプロ酸およびレベチラセタムが、フェノバルビタールおよびフェニトインの代替薬として安全かつ有効であることが示された。・いずれにせよ、established、refractory、super-refractory SEに対する抗てんかん薬として最も強く推奨支持するクラスIのデータはなかった。 結果を踏まえ、著者らは「established SEにはフェニトインやフェノバルビタール、refractory、super-refractoryには麻酔薬が広く使用されていることが明らかになったが、推奨治療を支持するエビデンスデータは乏しかった。試験間の方法論的不均一性を是正し、establishedおよびrefractory SEに対する最適な治療に関する情報を臨床医に提供できる、質の高いランダム化対照試験の実施が求められる」と指摘している。関連医療ニュース てんかん再発リスクと初回発作後消失期間 寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか  担当者へのご意見箱はこちら

2244.

認知症に対する回想法、そのメリットは

 台湾大学のHui-Chuan Huang氏らは、認知症高齢者に対する回想法の有用性を明らかにすることを目的にメタ解析を行った。その結果、回想法の実施により認知機能および抑うつ症状の改善が認められ、その効果は地域で居住する患者よりも施設に入所している患者で大きいことを報告した。認知機能障害および抑うつ症状は認知症高齢者に一般的な症状である。過去に実施されたメタ解析は、解析対象とした試験のデータが古く、研究規模も小さかったため、認知機能および抑うつ症状に対する回想法の効果に関して一貫した結果が得られなかった。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2015年9月1日号の掲載報告。 研究グループは、最近の大規模無作為化対照試験(RCT)を含めたメタ解析を実施し、認知症高齢者における認知機能および抑うつ症状に対する回想法の即時効果と長期(6~10ヵ月)効果を検討した。PubMed、Medline、CINAHL、PsycINFO、Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL)、ProQuest、 Google Scholar、中国データベース等の電子データベースを検索し、適格文献を選択した。主要アウトカムは、認知機能および抑うつ症状のスコアとした。認知症高齢者における認知機能と抑うつ症状に対する回想法の効果を検討している合計12件のRCTを解析対象とし、2人のレビュワーが独立してデータを抽出した。解析はすべてランダム効果モデルを用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・認知症高齢者に対する回想法は、認知機能に対し効果量は小さく(g=0.18、95%信頼区間[CI]:0.05~0.30)、抑うつ症状に対しては中等度の効果量(g=-0.49、95%CI:-0.70~-0.28)を示した。・認知機能および抑うつ症状に対する回想法の長期効果は確認されなかった。・Moderator(変数)解析により、施設に入所している認知症高齢者は地域在住の認知症高齢者に比べ、抑うつ症状の改善が大きかった(g=-0.59 vs.-0.16、p=0.003)。・以上のように、回想法は認知症高齢者における認知機能および抑うつ症状の改善に有効であることが確認された・結果は、定期的な回想法の実施が認知症高齢者、とくに施設に入所している認知症患者の認知機能および抑うつ症状改善のためのルーティン・ケアに組み込む必要性を示唆するものであった。関連医療ニュース 重度アルツハイマー病に心理社会的介入は有効か:東北大 認知症患者への精神療法、必要性はどの程度か 認知症への運動療法、効果はあるのか  担当者へのご意見箱はこちら

2245.

カフェインとアスピリンの併用は頭痛の頻度を増加させない

 カフェインとアスピリンの併用は、アスピリン単独または鎮痛薬不使用と比較して頭痛の頻度を増加させないことが、ドイツ・エッセン大学病院のSara H. Schramm氏らによるドイツ・頭痛コンソーシアム研究において示された。カフェインと鎮痛薬の併用は、頭痛慢性化のリスクがあるとして議論の的となっていた。Pain誌2015年9月号の掲載報告。 研究グループは、18~65歳の一般住民が参加したドイツ・頭痛コンソーシアム研究において、カフェイン+アスピリン併用が、アスピリン単独と比較して片頭痛、緊張型頭痛および片頭痛+緊張型頭痛の頻度を増加させるかについて検討した。 ベースライン(2003~2007年:t0)、第1回追跡調査時(1.87±0.39年後:t1)、第2回追跡調査時(3.26±0.60年後:t2)に頭痛と鎮痛薬について調査し、t0で頭痛を有し、t0およびt2においてアスピリン単独、カフェイン+アスピリン服用または鎮痛薬不使用で頭痛頻度がわかっている人について解析した。 線形回帰法にて、頭痛頻度の変化量(Δt2-t0)を95%信頼区間[CI]値とともに推算して評価した。変化量は、性別、年齢、t1時点の鎮痛薬、飲酒、喫煙、BMI、教育レベル、t0時の頭痛頻度で補正を行い、鎮痛薬服用量に応じ、頭痛サブタイプに層別化して算出した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は509例(平均42.0±SD 11.8歳、女性56.0%、)であり、45.2%がアスピリン単独服用者、11.8%がカフェイン+アスピリン服用者、43.0%が鎮痛薬不使用者であった。・アスピリン単独服用者(41.3±10.9歳、女性59.6%)の頭痛頻度は、t0で2.8±3.1日/月、t2で3.6±4.1日/月であった。・カフェイン+アスピリン服用者(46.0±9.8歳、女性73.3%)の頭痛頻度は、t0で4.8±6.1日/ヵ月、t2で5.3±5.1日/ヵ月であった。・鎮痛薬不使用者(41.6±13.1歳、女性47.5%)の頭痛頻度は、t0で3.8±6.2日/月、t2で5.3±6.6日/月であった。・カフェイン+アスピリン服用者群において、アスピリン単独服用者群または鎮痛薬不使用者群と比較して頭痛頻度の増加は認められなかった。・アスピリン単独服用者群と比較したカフェイン+アスピリン服用者群の補正後頭痛頻度変化推定値は、全頭痛:-0.34日/月(95%信頼区間[CI]:-2.50~1.82)、片頭痛:-1.36日/月(95%CI:-4.76~2.03)、緊張型頭痛:-0.57日/月(同:-4.97~3.84)、片頭痛+緊張型頭痛:2.46日/月(同:-5.19~10.10)であった。・鎮痛薬不使用者群と比較したときの同推定値は、全頭痛:-2.24日/月(95%CI:-4.54~0.07)、片頭痛:-3.77日/月(同:-9.22~1.68)、緊張型頭痛:-4.68日/月(同:-9.62~0.27)、片頭痛+緊張型頭痛-3.22日/月(同:-10.16~3.71)であった。

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抗精神病薬でけいれん発作リスクが増大する疾患は

 スイス・バーゼル大学のMarlene Bloechliger氏らは、統合失調症、情動障害、認知症患者における抗精神病薬の使用と初回けいれん発作発生との関連を検討した。その結果、情動障害患者では、中~高力価第1世代抗精神病薬の使用は抗精神病薬非服用に比べけいれん発作のリスクを2.5倍に増加したが、その他の抗精神病薬使用とけいれん発作との関連は認められなかった。また認知症患者では、アミスルプリド、アリピプラゾール、リスペリドン、スルピリドを除く抗精神病薬で、その使用がけいれん発作リスクを増大させる所見が示されたことを報告した。CNS Drugs誌2015年7月号の掲載報告。 研究グループは、1998~2013年のUK-based Clinical Practice Research Datalinkデータベースを用いて、コホート内症例対照分析法による追跡研究を実施した。統合失調症、情動障害、認知症患者を特定し、けいれん発作誘発可能性が示唆されている4種の抗精神病薬――(1)オランザピンまたはクエチアピン、(2)アミスルプリド、アリピプラゾ-ル、リスペリドンまたはスルピリド、(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬(クロルプロマジン、ズクロペンチキソール、フルペンチキソール、ペリシアジン、プロマジン、チオリダジン)、(4)中~高力価の第1世代抗精神病薬(ハロペリドール、プロクロルペラジン、トリフロペラジン)を服用している患者、および抗精神病薬を非服用患者における、けいれん発作の発生頻度を推定した。交絡調整のため、情動障害または認知症患者におけるけいれん発作のオッズ比を、抗精神病薬の使用と使用時期で層別化し、独立して推測した。 主な結果は以下のとおり。・コホートの総患者数は6万121例であった。・それらのけいれん発作頻度は、1万人年当たり、(1)オランザピンまたはクエチアピン使用者で32.6(95%信頼区間[CI]:22.6~42.6)、(2)アミスルプリド、アリピプラゾール、リスペリドンまたはスルピリド使用者で24.1(同:13.2~34.9)、(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬使用者で49.4(同:27.7~71.0)、(4)中~高力価の第1世代抗精神病薬使用者で59.1(同:40.1~78.2)、そして抗精神病薬非服用患者では11.7(同:10.0~13.4)であった。・認知症患者は、抗精神病薬使用の有無にかかわらず、情動障害患者と比べ初回けいれん発作の発生頻度が有意に高かった。・情動障害患者では、非服用者と比べ(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬使用が、けいれん発作のリスク増加と関連したが(調整オッズ比:2.51、95%CI:1.51~4.18)、他の抗精神病薬の使用との関連は認められなかった。・認知症患者においては、非服用者と比べ(1)オランザピンまたはクエチアピンの使用(調整オッズ比:2.37、95%CI:1.35~4.15)、(3)低~中力価の第1世代抗精神病薬の使用(同:3.08、1.34~7.08)、(4)中~高力価の第1世代抗精神病薬の使用(同:2.24、1.05~4.81)は、けいれん発作のリスク増加と関連したが、(2)アミスルプリド、アリピプラゾール、リスペリドンまたはスルピリドの使用との関連は示されなかった(同:0.92、0.48~1.75)。・統合失調症患者における抗精神病薬の使用に関しては、対象数が少なく検討できなかった。関連医療ニュース 抗精神病薬の適応外処方、年代別の傾向を調査 せん妄患者への抗精神病薬、その安全性は 認知症への抗精神病薬、用量依存的に死亡リスクが増加  担当者へのご意見箱はこちら

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事例72 リザトリプタン安息香酸塩(商品名:マクサルトRPD)錠10mgの査定【斬らレセプト】

解説事例は、片頭痛と確定診断された女性患者に対して、効果のあったリザトリプタン安息香酸塩(マクサルトRPD®)錠10mgを内服投与したところ、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)にて査定となったものである。同薬の効能・効果は、確定診断がついている片頭痛であり、用法・用量には、通常、成人にはリザトリプタン安息香酸塩として1回10mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。効果が不十分な場合には、1日の総投与量を20mg以内として追加投与することができるとある。さらに、使用上の注意には、「片頭痛の頭痛発現時に限り使用し、予防的に投与しない」ことなどが記載されている。頭痛の発現時に臨時的に服用させる薬なのである。したがって、「内服投与は算定要件に合致しない」と判断され、屯服への減額査定になったものである。新薬の採用時などには、用法・用量の誤用が生じやすいので、細心の注意を払われて算定いただきたい。

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脳卒中後の予防的抗菌薬投与、肺炎を抑制せず/Lancet

 脳卒中ユニットで治療中の嚥下障害がある脳卒中後患者について、予防的抗菌薬投与を行っても肺炎発症は抑制されず、同治療は推奨できないとする見解を、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLalit Kalra氏らがクラスター無作為化試験の結果、報告した。脳卒中後肺炎は、死亡の増大および機能的アウトカムの不良と関連している。研究グループは、予防的抗菌薬の有効性を調べるため今回の検討を行ったが、アルゴリズムに基づく発症率の補正後オッズ比は1.21であるなど、肺炎の発症に有意な差は認められなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月3日号掲載の報告。7日間の抗菌薬投与+通常ケア vs.通常ケアで検討 検討は、英国内48の脳卒中ユニットで、UK National Stroke Auditに認定・包含された18歳以上の新規脳卒中後嚥下障害患者を募って実施された。試験は、前向き非盲検、エンドポイントを盲検化して行われた。対象者について、抗菌薬投与が禁忌、嚥下障害が発症前に既往または感染症が認められる、もしくは14日間の生存が見込めない患者は除外した。 被験者は発症48時間以内にユニット単位で、7日間の抗菌薬投与+通常ケアを行う群、または通常ケアのみを行う(対照)群に、コンピュータで無作為に割り付けられた。割り付けは、入院件数の層別化および専門的ケアを評価するため最小化にて行われた。また、被験者、評価および解析スタッフは、割り付けユニットについて知らされなかった。 主要アウトカムは、当初14日間における脳卒中後肺炎の発生で、intention-to-treat集団にて、階層的アルゴリズムと医師の診断の両者の診断基準に基づく評価を行った。また、安全性についてもintention-to-treat解析を行った。アルゴリズム定義および医師の診断に基づく発生率とも、両群間で有意差みられず 2008年4月21日~2014年5月17日に、48ヵ所の脳卒中ユニット(患者は全ユニット総計1,224例)を2つの治療群(各群24ヵ所)に無作為に割り付けた。無作為化後14日間を待たずに、11ユニットと患者7例が試験中止となった。intention-to-treat解析には残る37ユニット1,217例の患者が組み込まれた(抗菌薬群615例、対照群602例)。 結果、予防的抗菌薬投与は、アルゴリズム定義の脳卒中後肺炎の発生に影響を及ぼさなかった。発生率は、抗菌薬群13%(71/564例) vs.対照群10%(52/524例)で、周辺補正後オッズ比(OR)1.21(95%信頼区間[CI]:0.71~2.08、p=0.489)、クラス内相関係数(ICC)0.06(95%CI:0.02~0.17)であった。なお、アルゴリズム定義の脳卒中後肺炎は、データ損失のため129例(10%)の患者について確認できなかった。 医師の診断に基づく脳卒中後肺炎の発生状況についても、両群間の差は認められなかった。同発生率は、16%(101/615例) vs.15%(91/602例)で、補正後OR:1.01(95%CI:0.61~1.68、p=0.957)、ICC:0.08(95%CI:0.03~0.21)であった。 有害事象は、感染症とは無関係の脳卒中後肺炎(主に尿路感染症)の頻度が最も高かったが、同発生頻度は抗菌薬群のほうが有意に低率であった(4%[22/615例] vs.7%[45/602例]、OR:0.55[95%CI:0.32~0.92]、p=0.02)。 クロストリジウム・ディフィシル感染症の発生は、抗菌薬群2例(1%未満)、対照群4例(1%未満)であった。また、MRSAコロニー形成の発生は、抗菌薬群11例(2%)、対照群14例(2%)であった。

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レビー小体型とアルツハイマー型を見分ける、PETイメージング

 レビー小体型認知症(DLB)とアルツハイマー型認知症(AD)の鑑別診断において、PETイメージングによる脳内のアセチルコリンエステラーゼ(AChE)活性を測定する方法が有用である可能性が示された。国立研究開発法人放射線医学総合研究所分子イメージング研究センターの島田 斉氏らが検討を行った結果、AD患者と比較してDLB患者では一貫して顕著な脳内コリン作動性障害がみられたという。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2015年8月17日号の掲載報告。 研究グループは、脳AChE活性測定の診断能を調べるため、DLB患者とAD患者で、[11C]MP4A PETイメージング法を用いた検討を行った。DLB患者14例とAD患者25例、および年齢で適合した健常対照(HC)18例を対象とし、全被験者にMP4A PETスキャンを行い、脳内局所のAChE活性を測定した。スキャン画像の解剖学的標準化を行い、k3値、AChE活性指数を、ボクセルごとに非線形二乗法分析によって推算した。関心領域(Volumes of interest:VOI)は、正面、側頭、頭頂、後頭皮質および前方と後方の帯状束回(ACGとPCG)で、パラメトリックk3イメージで同定した。そしてVOIごとに、k3値によるADとDLBの鑑別診断能を、ROC曲線下面積(AUC)で評価した。ボクセルベースの統計学的分析も行った。 主な結果は以下のとおり。・皮質AChE活性の平均値は、AD患者(HCとの比較で-8.2%)およびDLB患者(-27.8%)ともにHCより有意に低かった(それぞれp<0.05、p<0.001)。・また、AD患者とDLB患者との間に、皮質平均AChE活性の有意な差が認められた(p<0.001)。・ACG以外の同定VOIのすべての局所において、脳AChE活性の測定により、DLBとADを区別することが可能だった。とくにPCGにおける診断能が最も有意であった(AUC=0.989、95%CI:0.965~1.000)。関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 うつ病と双極性障害を見分けるポイントは 統合失調症と統合失調感情障害、鑑別のポイント  担当者へのご意見箱はこちら

2251.

てんかん再発リスクと初回発作後消失期間

 近年てんかんの定義は見直され、1回の非誘発性発作が生じ、その後10年間の発作再発率が60%以上の場合とされた。この定義は、4年時点の95%信頼区間(CI)の下限値を用いて予測した、2回目の非誘発性発作後に起こる3回目の再発リスクに基づいたもので、初回発作の高い再発率(発作消失期間の延長に伴い急激に低下)は考慮されていない。オーストラリア・ロイヤル・パース病院のNicholas Lawn氏らは、てんかん初回発作後の発作消失期間が、再発に及ぼす影響について検討した。その結果、発作消失期間が12週以下と短い場合は、てんかんの新定義に該当する患者が認められず、初回発作後の発作消失期間が、再発リスクに関連している可能性を示唆した。Epilepsia誌2015年9月号の掲載報告。 研究グループは、初回発作後の長期アウトカム、発作消失期間が発作再発の可能性に及ぼす影響、てんかん新定義の妥当性を検討した。2000~2011年に病院で確認された1回の非誘発性発作を認めた成人798例について、前向きに解析した。発作再発の可能性を発作消失期間、病因、脳派(EEG)、神経画像所見により解析した。 主な結果は以下のとおり。・10年時点における発作再発の可能性は、EEGあるいは神経画像所見上でてんかん型異常を認める患者の60%以上に認められ、これはてんかんの新定義に見合ったものであった。・しかし、再発リスクは高い時間依存性を示し、発作消失期間が短い(12週以下)場合、てんかんの新定義を満たした患者群はなかった。・2回目の発作を起こした407例のうち、4年時点で3回目の発作を起こす可能性は68%(95%CI:63~73%)、10年時点における可能性は85%(同:79~91%)であった。・発作消失期間が短い場合に、てんかん新定義を満たす患者がいなかったことから、初回発作後の発作消失期間が再発リスクに大きく影響すると考えられた。・データから得た10年時点での3回目発作リスクに基づいて閾値を設定したところ、初回発作を起こした患者の中にてんかん既往例はみられなかった。これらのデータは、初回発作後のてんかんを定義するうえで有用である可能性がある。関連医療ニュース 寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか 日本人難治性てんかん、レベチラセタムは有用か 気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加  担当者へのご意見箱はこちら

2252.

たこつぼ心筋症、9割が女性、6割で神経・精神障害/NEJM

 たこつぼ心筋症の患者は、その9割弱が女性で、神経・精神障害の有病率は約6割と急性冠症候群(ACS)に比べ有意に高率であることが明らかになった。スイス・チューリッヒ大学病院のC. Templin氏らが、欧州・米国の協同によるたこつぼ患者レジストリからの患者1,750例と、急性冠症候群のマッチング患者について行った試験の結果、判明した。たこつぼ心筋症の経過やアウトカムについては十分に解明されていなかった。NEJM誌2015年9月3日号掲載の報告より。欧米レジストリ1,750例とACS患者を適合比較 研究グループは、欧州・米国26ヵ所の医療機関コンソーシアム「国際たこつぼレジストリ」から、たこつぼ心筋症の患者と、年齢や性別をマッチングした急性冠症候群患者について比較し、その臨床的特徴やアウトカムを分析した。 たこつぼ心筋症患者1,750例のうち、89.8%が女性で、平均年齢は66.8歳だった。トリガーは身体的ストレス36%、感情的ストレス28% たこつぼ心筋症の要因(トリガー)としては、身体的ストレスが36.0%と、感情的ストレスの27.7%より高率だった。一方、28.5%で明らかなトリガーが認められなかった。 また、たこつぼ心筋症の患者は、神経障害や精神障害の有病率が55.8%と、ACS患者の同25.7%と比べ、有意に高率だった(p<0.001)。さらに、たこつぼ心筋症患者の平均左室駆出率は40.7%(標準偏差:11.2)と、ACS患者の51.5%(同:12.3)に比べ、有意に低率だった(p<0.001)。 ショックや死亡といった重度院内合併症の発生率は、両群で同等だった(p=0.93)。院内合併症の独立予測因子としては、入院時の身体的トリガー、急性神経・精神疾患、トロポニン値上昇、左室駆出率低下が挙げられた。 なお、たこつぼ心筋症患者の長期追跡期間内の、主要有害心・脳血管イベントの発生率は9.9%/患者年であり、全死因死亡率は5.6%/患者年だった。 結果について著者は、「急性心不全症候群の罹患率、死亡率が相当なものであることを示すものだ」と述べている。

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てんかんの妊婦、流産や帝王切開のリスク増大/Lancet

 てんかんを持つ妊婦は、てんかんのない妊婦に比べ、自然流産リスクは約1.5倍、分娩誘発は約1.7倍、帝王切開は約1.4倍に増大するなど、妊娠合併症や新生児合併症リスクが増加することが明らかにされた。アルゼンチン・Centro Rosarino de Estudios PerinatalesのLuz Viale氏らが、てんかんを持つ妊婦を対象に行った38件の観察試験のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。Lancet誌オンライン版2015年8月25日号掲載の報告。1990年1月~2015年1月発表の観察試験についてレビュー 研究グループは、MEDLINE、Embase、Cochrane、AMED、CINAHLのデータベースを基に、1990年1月~2015年1月に発表された、てんかんを持つ妊婦を対象に行った観察試験で、妊娠合併症や新生児合併症リスクについて評価を行ったものについて、システマティックレビューとメタ解析を行った。論文言語、試験地域は問わず、また時期(出産前、分娩時、出産後)を問わず出産に伴う合併症リスクを評価。Newcastle-Ottawaスケールを用いて、試験の方法論的な質、コホートの選択・比較でのリスクバイアス、アウトカムなどを評価した。 先天性奇形を除き、妊娠合併症や致死的合併症のリスクについて、てんかんのない妊婦と比較した。また抗てんかん薬を服用するてんかん女性についてサブグループ解析も行った。ランダム効果メタ解析法を用いてオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出し評価した。分娩前出血は約1.5倍、出産後出血は1.3倍、妊娠高血圧症は1.4倍に 7,050件の試験のうち、38試験(被験者妊婦合計283万7,325例)について分析を行った。 結果、てんかんを持つ妊婦は、てんかんのない妊婦に比べ、自然流産リスクは1.54倍だった(OR:1.54、95%CI:1.02~2.32、I2=67%)。同様に、分娩前出血(同:1.49、1.01~2.20、I2=37%)、出産後出血(同:1.29、1.13~1.49、I2=41%)、妊娠高血圧症(同:1.37、1.21~1.55、I2=23%)、分娩誘発(同:1.67、1.31~2.11、I2=64%)、帝王切開(同:1.40、1.23~1.58、I2=66%)、37週未満の早産(同:1.16、1.01~1.34、I2=64%)、胎児成長遅滞(同:1.26、1.20~1.33、I2=1%)のいずれも、てんかんを持つ妊婦は、てんかんのない妊婦に比べ、リスクが高かった。 なお、34週未満の早産や妊娠糖尿病、胎児死亡・死産などのリスクは、てんかんを持つ妊婦で増加しなかった。 また、てんかんを持つ妊婦における抗てんかん薬曝露と母体・胎児のアウトカムの関連については11試験(93万4,443例)で検討されていた。曝露群のほうが分娩後出血、分娩誘発のオッズ比は有意に高かったが、帝王切開、分娩前出血、自然流産、37週未満の早産、またあらゆる高血圧症との関連は認められなかった。また、曝露の有無での胎児死亡・死産との有意な関連は認められなかった。 著者は、「妊婦において、てんかん、抗てんかん薬曝露と有害転帰との間には、わずかだが重大な関連がある。てんかんを持つ女性へのカウンセリング時には、このリスクの増大を、頭の隅に置いて向き合わなくてはならない」と述べている。

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高齢者の認知機能に運動は影響しない?/JAMA

 ほとんど体を動かさない高齢者(sedentary older adults)を対象に、24ヵ月にわたる適度な運動プログラム介入 vs.健康教育プログラム介入を比較した結果、総合/特定領域認知機能の改善について有意な差はみられなかったことが示された。Kaycee M. Sink氏らが1,635例を対象に行った無作為化試験LIFEの結果、報告した。JAMA誌2015年8月25日号掲載の報告より。70~89歳高齢者1,635例を対象に24ヵ月間の介入効果を比較 LIFE(Lifestyle Interventions and Independence for Elders)試験は、2010年2月~2011年12月に米国内8施設で、1,635例を登録して行われた。被験者は、70~89歳の椅子に座っていることの多い生活を送る高齢者で、運動機能障害のリスクを有している(Short Physical Performance Batteryスコア[12ポイント]が9ポイント以下)が、400m歩行(15分以内)は可能であった。 被験者は、体系化した適度な身体活動(ウオーキング、筋肉トレーニング、柔軟体操など)プログラムの介入、もしくは健康教育(研修会と上肢ストレッチ)プログラムの介入を受けた。 LIFE試験では、認知機能のアウトカムは副次アウトカムとして規定され、Wechsler Adult Intelligence Scale(スコア範囲:0~133、高スコアほど機能良好を示す)のDigit Symbol Coding(DSC)タスクサブセット、および修正Hopkins Verbal Learning Test(HVLT-R、12単語リストの想起タスク)による評価が、被験者1,476例(90.3%)で行われた。また、3次アウトカムとして、24ヵ月時点の総合認知機能および実行認知機能、軽度認知障害(MCI)または認知症の発生などが含まれた。認知機能の改善、両群で差はみられず 24ヵ月時点で、DSCタスク/HVLT-Rスコア(施設、性別、ベースライン値で補正)について、群間差はみられなかった。 平均DSCタスクスコアは、運動介入群46.26ポイント vs.健康教育介入群46.28ポイント(平均差:-0.01ポイント、95%信頼区間[CI]:-0.80~0.77ポイント、p=0.97)であった。 平均HVLT-R遅延想起スコア(単語数)は、運動介入群7.22単語 vs.健康教育介入群7.25単語(同:-0.03単語、-0.29~0.24単語、p=0.84)であった。 その他のあらゆる認知機能評価および複合評価についても、差はみられなかった。 運動介入群で80歳以上の被験者(307例)、ベースラインの活動体力がより脆弱であった被験者(328例)は、健康教育介入群と比較した実行認知機能複合スコアの変化が有意に良好であった(両群間比較の相互作用p=0.01)。 MCIまたは認知症が認められたのは、運動介入群98例(13.2%)、健康教育介入群91例(12.1%)であった(オッズ比:1.08、95%CI:0.80~1.46)。

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ゴーシェ病初の経口薬「サデルガ」登場

 9月1日、ジェンザイム・ジャパン株式会社はゴーシェ病経口治療薬「サデルガカプセル100mg」(一般名:エリグルスタット酒石酸塩、以下サデルガ)を発売した。 サデルガはゴーシェ病に対する日本で初めての経口治療薬である。ゴーシェ病の原因である糖脂質(グルコシルセラミド)の合成を抑制することで、ゴーシェ病の症状である貧血、血小板減少症、肝脾腫、骨症状などの改善が期待できる。 なお、本剤は主に薬物代謝酵素チトクローム P450 2D6(以下、CYP2D6)で代謝される。CYP2D6遺伝子には多型が存在し、遺伝子型ごとにサデルガの用法・用量が異なる。そのため、本剤投与前にCYP2D6の遺伝子型を確認する必要がある点に注意すべきである。ジェンザイム・ジャパンのプレスリリースはこちら。関連医療ニュースゴーシェ病初の経口薬 サデルガ製造販売承認

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LIFE試験:運動をしても認知機能にほとんど影響なし(そろそろ視点を変えよう)(解説:岡村 毅 氏)-406

 ネガティブなデータの報告であるが、きわめて価値の高い論文である。その内容は、運動介入が高齢者(70代、80代)の方の縦断的な認知機能に影響を与えなかったというものである。本研究は強い説得力を持っている。なぜなら、818例対817例という大規模な研究であり、2年という長期にわたって介入をしており、さらに基本属性に加え健康関連要因(疾患や、アポリポ蛋白まで含めて)の調整をしているからだ。 一方で、非常にかすかなポジティブデータも提示された。80代に限れば、あるいはもともとの運動機能が低い群に限れば、「遂行機能」には効果があったというのである。遂行機能とは、状況を理解して適切な行動をする機能のことである(しばしば料理が例に挙げられる)。遂行機能の保たれた方とは、極端に言えば「しっかりした人」と見えるであろう。遂行機能は物忘れの有無とは別物であり、物忘れがまったくなくても遂行機能が障害されていれば心配な老人であるし、物忘れがあろうとも遂行機能が保たれていればしっかりして見える。 認知症の人に日常的に接している専門家等から見れば、本研究の主要な結果は、当然のものであろう。○○をすれば認知症にならない、というような話は、まさに話半分と思うべきだ。というのは、さまざまな条件で研究を行えばポジティブなデータもネガティブなデータも出てくるのであろうが、(1)良い結果しか学術的に報告されにくい、(2)良い結果の報告しか報道されない、ということから明らかなのは、私たちは昔から見たいものを見て、聞きたいことを聞く、という傾向があるということだ。 だからと言って、何をやっても無駄だと悲観する必要はない。認知機能と、自分に与えられた時間の中で自分自身の人生をよりよく生きることは、別の次元の話であるからだ。ナラティブな話を1つしよう。外来で「先生、妻の認知症の進行を予防したいので一緒に散歩をするようにしたら、結構楽しいんですよ」という方がおられた。奥様の物忘れは進行していったが、自宅で楽しく暮らしておられる。もちろん、こういう方々は、(1)明るい性格で周囲から助けてもらいやすい、(2)(新たに習慣化しているくらいだから)適応力が高く、その時々の認知機能等の制約の下での適切な対応ができている、という方々なのであろう。現象としては「運動をして良かった」わけだ。スタディで運動をさせられているのと、自らの意志で運動をしているのは意味がまったく異なるのだ。 ○○をすれば認知症にならない、というような面白いお話は、大規模研究が徐々に出そろいつつある現代においてはそろそろやめて、高齢者の貧困(経済的なものにとどまらず関係性なども含めた)などの今そこにある危機にも注目しなければならない。

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治療薬の開発が進むアミロイドーシスの最新知見

 第3回日本アミロイドーシス研究会学術集会(大会長:安東 由喜雄氏[熊本大学大学院 生命科学研究部 神経内科学分野 教授])が、8月21日、東京都内にて開催された。今回は約60題に上る演題発表のほか、シンポジウム、特別講演が行われた。多様な症候を示すアミロイドーシス モーニングセミナーでは、山下 太郎 氏(熊本大学医学部附属病院 神経内科 アミロイドーシス診療体制構築事業 特任教授)が、「アミロイドーシスの早期診断と早期治療の重要性」と題し、レクチャーを行った。 セミナーでは、「本症は約60年前に発見されて以来、今日まで診断法と治療法の研究がされてきた」と疾患の歴史からひも解くとともに、主に家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)にフォーカスをあて解説が行われた。 アミロイドーシスは、特異なタンパクであるアミロイドがさまざまな臓器の細胞外に沈着することで、機能障害を引き起こす疾患群である。現在31種類のアミロイド前駆タンパク質が確認され、沈着する種々のタンパク質に応じて分類がされている(その1つにFAPに関連するトランスサイレチン〔TTR〕がある)。これら原因タンパクにより病型が異なり、病型により治療法も変わるために、確実な診断が重要となる。しかし、一般に全身性アミロイドーシスでは、多臓器に障害がみられ、多彩な症候を示すために、確定診断まで難渋される。 初発症状としては、全身倦怠感などの非特異的症状のほか、末梢神経障害による手足のしびれ、自律神経障害による起立性低血圧、消化管アミロイドーシスによる吐気、下痢、巨舌、心アミロイドーシスによる心肥大や不整脈、腎障害によるタンパク尿、浮腫、皮下出血などがみられる。 検査では、抗TTR抗体を用いた免疫染色などの組織診断、血清診断、遺伝子診断などが鑑別診断のため行われる。確定診断には、病理学的な検査が不可欠であり、組織の生検部位として障害臓器はもとより、消化管粘膜や腹壁脂肪での生検診断も可能である。また、近年では、レーザーマイクロダイセクションと液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析など検査機器の進歩により、沈着タンパクの同定が可能となってきた。現在、熊本大学や信州大学などの施設で病型診断が行われている。その他の所見として、心胸郭比の拡大、心エコーによる心筋肥厚や輝度上昇、BNP、NT-proBNPの上昇も参考となる。 本症では、早期診断による、迅速な治療が患者の生命予後を左右するので、専門医や専門医療機関への紹介をお願いしたい。開発が待たれる内科的治療 現在、アミロイドーシスの治療ではFAPで肝移植や内科的治療、ALアミロイドーシスに対する自家末梢血幹細胞移植、AAアミロイドーシスに対する生物学的製剤などが行われている。 とくにFAPでは、TTRが肝臓で産生されることから早期の患者には肝移植が行われている。確かに肝移植後の生命予後は改善され、病期の進行も抑制される一方で、移植後でも症候が残ること、一部の患者では症候の悪化があること、移植ドナーの不足の問題など多くの課題が残されている。こうしたこともあり、内科的治療が模索され、2013年からは、アミロイド形成に関わるTTR四量体を安定化させるタファミジス(商品名:ビンダケル)が保険適用となり、FAPの肝移植が困難な患者や移植抵抗性の患者に対し、使用されている。そして、病期の進行を抑制する有効な治療薬となっている。 その他にも、siRNAやASOによる肝臓でのTTR発現抑制を目的とした核酸医薬医療は、世界規模の臨床試験がスタートしており、治療への効果が期待されているほか、免疫療法として、沈着したアミロイドに対する治療の研究も現在進められている。 次回第4回学術集会は、2016年8月19日に山田 正仁 会長(金沢大学大学院 教授)のもと都内において開催される予定である。参考サイト日本アミロイドーシス研究会 熊本大学 アミロイドーシス診療体制構築事業ホームページ ケアネットの関連コンテンツ希少疾病ライブラリ 家族性アミロイドポリニューロパチー家族性アミロイドポリニューロパチー 早期診断のコツ画像を拡大する

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抗認知症薬の脳萎縮予防効果を確認:藤田保健衛生大

 これまで抗認知症薬が軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー病患者の脳萎縮を予防するという決定的なエビデンスはなかったが、藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らによる無作為化プラセボ対照試験のメタ解析の結果、抗認知症薬はプラセボに比べ優れた脳萎縮予防効果を発揮することが示唆された。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年7月19日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、Cochrane LibraryおよびPsycINFOを用い、2015年5月16日までに発表されたMCIまたはアルツハイマー病患者を対象とする抗認知症薬の二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験の論文を検索した。主要評価項目はMRI測定による年換算された全脳容積変化率(%TBV/年)、海馬容積変化率(%HV/年)および脳室容積変化率(%VV/年)で、標準化平均差(SMD)および95%信頼区間(CI)を算出した。 結果は以下のとおり。・メタ解析に組み込まれたのは、MCI を対象とした試験4件(1,327例)、アルツハイマー病3件(381例)の、計7件(1,708例)の無作為化プラセボ対照臨床試験であった。・抗認知症薬の内訳は、ドネペジル3件(MCI 2件、アルツハイマー病1件)、ガランタミン1件(MCI)、メマンチン2件(アルツハイマー病)、リバスチグミン1件(MCI)であった。・統合解析の結果、抗認知症薬はプラセボと比較して、有意に全脳容積の減少が少なく(%TBV/年のSMD=-0.21、95%CI:-0.37~-0.04、p=0.01、4試験、624例)、脳室容積の増加が少なかったが(%VV/年のSMD=-0.79、95%CI:-1.40~-0.19、p=0.01、3試験、851例)、海馬容積の変化(%HV/年)について有意差は認められなかった。・個々の抗認知症薬については、プラセボと比較してドネペジルで有意な脳萎縮予防効果が認められた(全脳容積変化率 %TBV/年のSMD=-0.43、95%CI:-0.74~-0.12、p=0.007、1試験、164例;脳室容積 %VV/年のSMD=-0.51、95%CI:-0.73~-0.29、p<0.00001、2試験、338例)。・リバスチグミンも脳室容積の変化に関してはプラセボより優れていた(%VV/年のSMD=-1.33、95%CI:-1.52~-1.14、p<0.00001)。関連医療ニュース レビー小体型認知症、認知機能と脳萎縮の関連:大阪市立大学 抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学 統合失調症、脳容積とIQの関連  担当者へのご意見箱はこちら

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