サイト内検索|page:998

検索結果 合計:36088件 表示位置:19941 - 19960

19941.

プライマリケアでの抗菌薬処方、推奨期間を超過/BMJ

 英国では、プライマリケアで治療されるほとんどの一般感染症に対し、抗菌薬の多くがガイドラインで推奨された期間を超えて処方されていたことが、英国公衆衛生庁(PHE)のKoen B. Pouwels氏らによる横断研究の結果、明らかとなった。プライマリケアにおける抗菌薬の使用削減戦略は、主に治療開始の決定に焦点が当てられており、抗菌薬の過剰な使用に、どの程度治療期間が寄与しているかは不明であった。著者は、「抗菌薬曝露の大幅な削減は、処方期間をガイドラインどおりにすることで達成できる」とまとめている。BMJ誌2019年2月27日号掲載の報告。13適応症に対する抗菌薬の実際の処方期間とガイドラインの推奨期間を比較 研究グループは、英国プライマリケアの大規模データベース(The Health Improvement Network:THIN)を用い、2013~15年にプライマリケアで13の適応症(急性副鼻腔炎、急性咽頭炎、急性咳嗽/気管支炎、肺炎、慢性閉塞性肺疾患の急性増悪、急性中耳炎、急性膀胱炎、急性前立腺炎、腎盂腎炎、蜂窩織炎、膿痂疹、猩紅熱、胃腸炎)のうち、いずれか1つに対して抗菌薬が処方された93万1,015件の診察を特定し、解析した。 主要評価項目は、ガイドラインの推奨期間よりも長く抗菌薬が処方された患者の割合と、各適応症に対する推奨期間を超えた合計処方日数であった。呼吸器感染症では80%以上がガイドラインの推奨期間超え 抗菌薬が処方された主な理由は、急性咳嗽/気管支炎(38万6,972件、41.6%)、急性咽頭炎(23万9,231件、25.7%)、急性中耳炎(8万3,054件、8.9%)、急性副鼻腔炎(7万6,683件、8.2%)であった。 上気道感染症と急性咳嗽/気管支炎への抗菌薬処方が、全体の3分の2以上を占めており、これらの治療の80%以上がガイドラインの推奨期間を超えていた。一方で、注目すべき例外としては、急性副鼻腔炎の治療で9.6%(95%CI:9.4~9.9%)のみが推奨期間の7日を超えており、急性咽頭炎については2.1%(95%CI:2.0~2.1%)のみが同10日を超えていた(最新の推奨期間は5日間)。女性の急性膀胱炎に対する抗菌薬の処方では、半分以上が推奨期間よりも長く処方されていた(54.6%、95%CI:54.1~55.0%)。 大半の非呼吸器感染症では、推奨期間を超えて抗菌薬が処方された割合は低値であった。抗菌薬を処方した診察93万1,015件において、ガイドラインの推奨期間を超えて抗菌薬が処方された期間は約130万日間であった。

19942.

死と隣り合わせの日々を超えて(解説:岡村毅氏)-1012

 集中治療室(ICU)では、患者は緊迫した部屋の中でさまざまな機械につながれる。陽の光は当たらず、時間もわからないこともある。睡眠は浅くなり、感覚は麻痺してゆく。患者はコミュニケーションができない状態であることもある。しかし自分以外の多くの患者が苦しみ、時に亡くなることはよくわかる。それはあまりにも苛烈な体験である。生き延びて無事に退院しても、「今も自分がそこにいるような体験をする」「多少似ているだけのものをも回避する」「常に覚醒し休まらない」といった事態が起きる。心的外傷後ストレス障害(PTSD)である。 これに対して実際的で合理的なアプローチをしたのが本研究である。看護師が専門家の指導の下PTSDについて学び、環境を改善し、簡単な認知行動療法的な介入をするというものである。 PTSDというと精神分析的な深い介入をイメージする方も多いかもしれないが(そのような謎のヴェールに包まれた精神医学介入はとても魅力的に聞こえるが)、ここでは専門家の指導の下であえて実装可能な「浅い」介入をしている。簡単に言えばICUを少しでもストレスのない環境にしようとしているとも言える。 実は筆者も1年ほど救命センターで働いたことがある(およそ20年近く前の昔話をすることをお許しいただきたい)。そのころの救急はとてもマッチョな世界だった…今はまったく違うだろうが。最高に頭脳を使わねばならない救急専門医の指導医の方々は、とても真摯な方々であったが、(人生をすべて捧げているというのに)正当に遇されているといえず、寝不足の中で単純肉体労働すらさせられ、疲弊しておられた。そういう環境ではゆっくりと「ここは厳しい治療の場だ」「つらくても頑張るべき」「強いものが生き残る」という世界観がわれわれを支配しようとする。もちろん患者さんにそんな態度をするスタッフはいないが、スタッフが疲弊しているとそういう雰囲気は自然とにじみ出てしまう。私のささやかな個人的経験を普遍化してはならないが、集中治療の現場を少しでもしなやかなものにしようとする本研究の価値を伝えるにあたり、少しでも説得力を持たせるために個人的な経験を少し記した。 本研究では残念ながら介入によってPTSD症状に有意な改善はなかった。ICUでの日々はそれほどまでに苛烈な体験だということなのであろう。でもこういう小さな変化が重要なのだ。たとえば精神科医としての私は診察室の座る位置、パソコンモニターの角度、椅子の高さなどの細部は診察前に必ず修正する。つまらないことであるが、こういう小さな変数が重要であることを知っているからだ。そしてこれらは数秒で介入可能なのである。本研究は「できることをする、小さなことでも、一歩一歩進む」そういう研究である。この研究グループは賢く、現実的だ。

19943.

リアル悪夢【Dr. 中島の 新・徒然草】(262)

二百六十二の段 リアル悪夢前回のブログが、なぜか人気記事のランキングに入り、なんと2位までいったので驚きました。おそらくは担当者のつけた「学会発表でのブーイング」というタイトルがうまく、人々の興味をひいたようです。たぶん読者の皆様には、・「学会発表でのブーイング!」って?・何か珍発表でもして恥をかきよったんか!・どれどれ、ひとつどんな大惨事になったのか読んでやろうと期待されたのでしょう。内容は悪夢の話だったので、実際にブーイングにさらされたわけではありません。ガッカリさせてしまった人には謝ります。すみません。さて、実は本当に人前で話をして大失敗したことがあります。思い出したくもないリアル悪夢ですが、今回は恥を忍んでその時の経験を述べましょう。もう何十年も前、学生時代の事です。医学部に入ってきた新入生に対して、各クラブが宣伝する時間が設けられました。そこで、私も卓球部に新人を獲得すべく出かけていったのです。ところが、何を話すのかをまったく考えておらず、ぶっつけ本番でしゃべってしまいました。今思えば、これが大間違い。大阪という土地柄、何か面白い事をいって笑わせたモノが勝ちであり、何一つ笑いをとれなかったモノは負けなのです。それぞれが会場を爆笑させながら勧誘する中、何も気の利いたことの言えなかった私は、一敗地に塗れてしまいました。「中島さんのことやから、きっと面白いに違いない!」「いつものギャグが炸裂するぞ」そう思って見物に来ていた後輩たちの期待を見事に裏切ってしまいました。あまりの不甲斐なさに私の出番の直後、彼らが「この中で卓球の経験のある人はいませんか?」「ちょっとでも卓球に興味のある人は手を上げてください」と呼びかけたのですが、冷え切った会場からは何の反応もなし、まったくのゼロ。全然ダメだった私のプレゼンテーションに比べて、素晴らしかったのはラグビー部でした。会場の新入生の中に何人かサクラを忍ばせておき、質疑応答させたのです。勧誘者「以上で私の話は終わりです。何か質問はありませんか?」サクラ1「はい! ラグビーは練習がキツイと聞いていますけど」勧誘者「まったくそんな事はありません。大丈夫です」サクラ2「初心者でもついていけますか?」勧誘者「全員が初心者です。心配しなくていいですよ」サクラ3「ラグビー部に入りたくなってきました」勧誘者「大歓迎です。一緒に頑張りましょう」サクラ1「僕も入りたいです!」サクラ2「僕も入れてください!」勧誘者「よし、今夜は大歓迎会だ」サクラ全員「やった!」完全に会場の心をつかんでしまった鮮やかなやりとりを横目に、私は決意しました。「これからはどんな簡単なスピーチでも必ず原稿を準備するぞ」と。以来、あらかじめ分かっている場合は声に出して練習を重ね、急に指名された時などでも、簡単に4つか5つのキーワードをメモしておき、途中で詰まったときに備えています。何事も準備が大切ということですね。どうか読者の皆様も心掛けてください。最後に1句準備せず 本番臨めば 地獄待つ

19945.

ASCO-GU2019レポート 前立腺がん

レポーター紹介ASCO-GU 2019に参加してきました。ASCO-GU前夜にレストランで前列左から鈴木先生(東邦大学医療センター佐倉病院 教授)杉元先生(香川大学教授)、後列左から松原先生(国立がん研究センター 東病院)、私(三好:横浜市立大学附属市民総合医療センター)、加藤先生(香川大学)2019年2月14日~16日のスケジュールで、ASCO-GU 2019が開催されました。学会正式名称はGenitourinary Cancers Symposium 2019、場所は今年もサンフランシスコ Mosconeセンターです。学会参加者は年々増えていて2016年3,320人、2017年3,409人、2018年4,300人、今年の参加者は4,400人とのことです。抄録の55%が米国外からで、総数765件、疾患別では前立腺がんの抄録が最多で進行前立腺がん232件、限局性前立腺がん151件だそうです。全体の約半数が前立腺がんの抄録のようです。今回は1泊4日での参加でしたので初日に行われた前立腺がんのsessionしか聴講できませんでした。この中から気になる注目演題3つを取り上げたいと思います。ARAMIS:efficacy and safety of darolutamide in nonmetastatic castration-resistant prostate cancer.(Poster Session A, board A4)【Abstract No.:140】First Author:Karim FizazinmCRPC(非転移性去勢抵抗性前立腺がん)におけるdarolutamide(本邦未承認)の有効性を示した第III相ランダム化比較試験、ARAMIS試験の結果です。nmCRPCはsurvivalが比較的長く、OSに代わる適切なsurrogate endpointがないために、これまで臨床試験が組まれなかった経緯があります。しかしながら米国にて年間5~6万人のnmCRPC患者発生があるとの推計もあり、nmCRPCの治療はunmet needsとされてきました。FDAにおいてmetastasis-free survival(MFS)がOSのsurrogate endpointとして設定され、それに基づいてapalutamide(本邦未承認)(SPARTAN試験)、enzalutamide(PROSPER試験)のnmCRPCにおけるMFS改善効果が2018年に報告されました。今回発表されたのはdarolutamideです。darolutamide はapalutamide、enzalutamideと同様に新規抗アンドロゲン薬に分類される薬剤です。今回darolutamide(ARAMIS試験)のMFS改善効果が発表され、同日N Engl J Medに報告されています。背景:nmCRPCの治療としてapalutamide、enzalutamideがありますが、fall、fracture、other adverse eventsとの関連が報告されています。darolutamideはapalutamide、enzalutamideとは構造が異なり、blood-brain barrierを通過しにくいため、中枢神経系への副作用が少なく忍容性が改善される可能性があると報告されています。また、darolutamideはARへのaffinityは高く、GABA-Aへの親和性や薬物相互作用が低いと報告されています。ARAMIS試験trial design:PSADT10ヵ月未満のハイリスクnmCRPC 1,509例を2:1にランダム化したdarolutamide1,200mg+ADT vs.プラセボ+ADTの比較試験のprimary endpointはMFSです。MFSは遠隔転移または死亡と定義されています。画像検査は16週間ごとに行われ、もしbaselineの状態がindependent reviewで遠隔転移と診断されると、baseline eventとしてカウントされます。secondary endpointはOSなどです。患者:PSADTは6ヵ月以下のハイリスク症例が両群とも約7割、Bone-sparing agentの使用は3~6%です。結果:primary endpointであるMFSはHR:0.41(95%CI:0.34~0.50)、p

19946.

ナッツ摂取、糖尿病患者でCVD・全死亡減:大規模前向きコホート

 心血管疾患(CVD)合併や早期死亡の予防に、ナッツ類(とくに木の実)の摂取を増やすことは、糖尿病診断後いつからでも遅くはないのかもしれない―。これまで、CVDをはじめとした慢性疾患発症に対するナッツ摂取の効果が報告されてきたが、2型糖尿病とすでに診断された患者に対するナッツ摂取の長期的ベネフィットについては、エビデンスが十分ではなかった。米国・ハーバードT.H.Chan公衆衛生大学院のGang Liu氏らが、看護師健康調査(1980~2014年)と医療従事者追跡調査(1986~2014年)の参加者のうち、ベースライン時あるいは追跡期間中に2型糖尿病と診断された1万6,217例について行った試験で明らかにしたもので、Circulation Research誌オンライン版2019年2月19日号で発表した。 本研究は、ナッツ摂取量と冠動脈疾患(CHD)や脳卒中を含むCVDリスク、全死因死亡率と疾患特異的死亡率の関連を調べることを目的として行われた。ナッツ摂取は総量のほか、木の実やピーナッツといった、特定種類の摂取量についても検討された。なお、ナッツ摂取量は食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価され、2~4年ごとに更新された。 主な結果は以下のとおり。・延べ追跡期間は22万3,682~25万4,923人年。その間に3,336例がCVDを発症し、5,682例が死亡した。・総ナッツ摂取量の増加は、CVD発生率および死亡率低下と関連した。・週5サービング(1サービング=28g)以上のナッツ摂取量が多い参加者は、月に1サービング未満の少ない参加者と比較して、総CVD発生率(多変量調整後のハザード比[HR]:0.83、95%信頼区間[95%CI]:0.71~0.98、傾向のp=0.01)、CHD発生率(HR:0.80、95%CI:0.67~0.96、傾向のp=0.005)、CVD死亡率(HR:0.66、95%CI:0.52~0.84、傾向のp<0.001)、全死因死亡率(HR:0.69、95%CI:0.61~0.77、傾向のp<0.001)が低かった。・総ナッツ摂取量は、脳卒中発症やがんによる死亡率と有意な関連はみられなかった。・木の実(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカダミア、ヘーゼルナッツなど)の摂取量が多いほど、総CVDおよびCHD発生率、CVDとがんによる死亡率、全死因死亡率が低下していた。一方、ピーナッツ摂取量の増加は、全死因死亡率の低下のみと関連していた(すべて、傾向のp<0.001)。・糖尿病と診断後に総ナッツ摂取量を変えなかった参加者と比較して、診断後に摂取量を増やした参加者は、CVDリスクが11%、CHDリスクが15%低かった。また、CVD死亡率は25%、全死因死亡率は27%低かった。・これらの関連は、性別/コホート、糖尿病診断時のBMI、喫煙状態、糖尿病罹患期間、糖尿病診断前のナッツ摂取量、または食事の質によって層別化されたサブグループ分析においても持続した。■関連記事ナッツを毎日食べる人ほど健康長寿/NEJM本当にナッツが血糖改善するか?

19947.

尿失禁が生命予後に影響?OABに早期介入の必要性

 わが国では、40歳以上の約7人に1人が過活動膀胱(OAB)を持ち、切迫性尿失禁を併せ持つ割合は70%を超えると推定されている。定期通院中の患者が症状を訴えるケースも多く、専門医以外でも適切な診療ができる環境が求められる。 2019年2月28日、OAB治療薬「ビベグロン錠50mg(商品名:ベオーバ)」の発売元であるキョーリン製薬とキッセイ薬品が共催したメディアセミナーにて、吉田 正貴氏(国立長寿医療研究センター 副院長 泌尿器外科部長)が講演を行った。本セミナーでは、「OABの病態と治療―新たな治療選択肢を探るー」をテーマに、高齢のOAB患者を取り巻く現状と薬物療法について語られた。“過活動膀胱”もしくは“低活動膀胱”を持つ高齢者が増加 OABとは、尿意切迫感を必須症状とし、しばしば昼間/夜間頻尿や切迫性尿失禁を伴う症状症候群である。発症率は加齢とともに上がり、ホルモン変化、神経疾患や局所性疾患、生活習慣病など、さまざまな要因が関与すると考えられている。とくに最近では、下部尿路への血流の悪さが発症要因の1つとして注目されている。 吉田氏は、高齢者におけるOAB診療の問題点として、加齢に伴う副作用(口内乾燥、便秘)の発生頻度増加、フレイルとサルコペニア、認知症への影響、多剤服用の4つを提起した。さらに、高度の慢性膀胱虚血は、排尿筋の活動低下“低活動膀胱”を引き起こす。これは、近年増加しているため、高齢者に抗コリン薬を使用する際にはとくに注意が必要だという。フレイルと尿失禁による生命予後の悪化が危惧される 続いて、高齢者のフレイルと尿失禁の併発による生命予後への影響が語られた。これまでに、65~89歳の尿失禁有症者は尿禁制者に比べ、フレイルへ分類される可能性が6.6倍にもなること1)や、フレイルは1年以内の尿失禁発症の予測因子となり、尿失禁は1年後の死亡リスク上昇につながる恐れがあること2)などが海外で報告されている。 尿失禁がある患者は、臭いやトイレの近さを気にするため引きこもりがちになり、筋力が低下しやすいことを指摘し、「高齢者のフレイルや尿失禁は、生命予後にかかわる可能性があり、OAB患者の尿失禁にはとくに早期に介入していく必要がある」と強調した。高齢者のOAB治療における薬剤選択は慎重に行うべき 今回紹介されたビベグロンは、国内で2番目のβ3受容体作動薬で、膀胱の伸展を増強する。国内第III相比較試験では、プラセボ群に対して、1日の平均排尿回数を有意に減らし、すべての排尿パラメータを改善するなどの結果を収め、世界で初めてわが国で承認された薬剤だ。長期投与における安全性と有効性も確認されており、過活動膀胱診療ガイドライン(2015)の次回改定では、既存の同効薬ミラベクロンと同様の推奨グレードになる見通しだという。 同氏は、高齢者OAB患者に対する薬物療法の注意点について、ガイドラインに記載される6項目を紹介した。1.少量で開始し、緩やかに増量する2.薬剤用量は若年者より少なくする(開始量の目安は成人量の4分の1~2分の1)3.薬効を短期間で評価する:効果に乏しい場合は漫然と増量せず、中止して別の薬に変更4.服薬方法を簡易にする:服薬回数を減らす5.多剤服用を避ける:認知症患者ではとくに注意が必要6.服薬アドヒアランスを確認する:在宅患者では、一元的な服薬管理と有害事象の早期発見が重要 最後に、「高齢社会でOAB患者は増加しているが、これは健康寿命の延伸を抑制する一因となっている。高齢者の診療に当たって、多剤服用はフレイルの増悪因子であり、安易な薬剤の追加には注意が必要。とくに、抗コリン薬は認知機能やせん妄にも影響する恐れがあるため、患者の状況をしっかり確認して、慎重に治療薬を選択してほしい。β3受容体作動薬は、抗コリン作用を持たないため、高齢者にも比較的安全に使用できる可能性がある」と締めくくった。

19948.

心不全患者への在宅移行支援、予後は改善せず/JAMA

 心不全入院患者に対する、看護師などによる患者中心の在宅移行支援は、入院中の担当医の裁量の下で行われる通常ケアと比べて、再入院や救急受診などの複合臨床アウトカムを改善しなかったことが、カナダ・Population Health Research InstituteのHarriette G. C.Van Spall氏らによる、約2,500例を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果、示された。在宅移行支援は心不全患者のアウトカムを改善可能とされるが、これまで系統的な検証は行われていなかったという。ただし、今回の試験はカナダ・オンタリオ州で行われたものであることを踏まえて著者は、「ほかのヘルスケアシステムや地域で有効かどうかのさらなる検討が必要だろう」と述べている。JAMA誌2019年2月26日号掲載の報告。退院後のセルフケア教育やかかりつけ医への受診予約などを提供 研究グループは、在宅移行支援モデル「Patient-Centered Care Transitions in HF(PACT-HF)」の有効性を評価する目的で、2015年2月~2016年3月にかけて、カナダ・オンタリオ州の10病院で、心不全で入院した2,494例の成人患者を対象に試験を行った。対照期からある時点で介入期へ移行するステップ・ウェッジ(stepped-wedge)法でのクラスター無作為化試験を行い、2016年11月まで追跡した。 同グループは試験対象病院を無作為に2群に分け、一方を介入群(1,104例)として、退院時に看護師が患者に対し、セルフケア教育と個別的に作成された退院サマリーの提供を行い、退院後1週間以内のかかりつけ医への受診予約を手配した。また高リスク患者に対しては、看護師による組織的な訪問看護と心機能に関する外来ケアを行った。 もう一方は対照群(1,390例)として、在宅移行期のケアについては入院中の担当医の裁量に任せた。 主要アウトカムは、階層的に順位付けて評価した複合アウトカムで、(1)退院3ヵ月時点で評価したあらゆる再入院・救急受診・死亡の複合(第1複合アウトカム)、(2)30日時点のあらゆる再入院・救急受診(第2複合アウトカム)だった。 副次アウトカムは、退院準備に関する「B-PREPARED」スコア(範囲:0[最良]~22[最少])、移行期ケアの質に関する指標「3-Item Care Transitions Measure:CTM-3」(範囲:0[最も悪い]~100[最良])、生活の質に関する指標「5-level EQ-5D:EQ-5D-5L」(範囲:0[死亡]~1[健康状態最良])、質調整生存年(QALY、範囲:0[死亡]~0.5[6ヵ月時点で健康状態最良])だった。退院準備や移行期ケアの質などは向上 被験者2,494例は、平均年齢77.7歳、1,258例(50.4%)が女性だった。 主要アウトカムの発生について、第1複合アウトカムは介入群49.4%(545件)、対照群50.2%(698件)と、両群で有意差はみられなかった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.83~1.19)。第2複合アウトカムも、それぞれ27.5%(304件)、29.3%(408件)と有意差はみられなかった(HR:0.93、95%CI:0.73~1.18)。 一方、副次アウトカムについて、6週時点の平均B-PREPAREDスコアが、介入群16.6 vs.対照群13.9(群間差:2.65[95%CI:1.37~3.92]、p<0.001)、平均CTM-3スコアが76.5 vs.70.3(6.16[0.90~11.43]、p=0.02)と有意差が認められた。平均EQ-5D-5Lスコアも、6週時点で0.7 vs.0.7(0.06[0.01~0.11]、p=0.02)、6ヵ月時点で0.7 vs.0.6(0.06[0.01~0.12]、p=0.02)と有意差があった。しかし、6ヵ月時点の平均値QALYは0.3 vs.0.3(0.00[-0.02~0.02]、p=0.98)で有意差は認められなかった。

19949.

小児ピーナッツアレルギー、経皮免疫療法は有効か/JAMA

 4~11歳のピーナッツアレルギーの患児に対するピーナッツパッチを用いた経皮免疫療法は、プラセボ投与と比べて、12ヵ月時点の評価でピーナッツへの耐性が強化された患児の割合が21.7ポイント高かった。米国・コロラド大学デンバー校のDavid M. Fleischer氏らが356例の患児を対象に行った、第III相プラセボ対照無作為化比較試験の結果で、JAMA誌オンライン版2019年2月22日号で発表された。ピーナッツアレルギーについては承認された治療法がまだない。今回示された結果について研究グループは、「事前に規定した“肯定的な試験結果”としての信頼区間(CI)下限値を満たさなかった。しかし、そもそも達成すべき下限値の臨床的な妥当性については議論の余地がある」と述べている。250μgピーナッツ蛋白含むパッチを使用 研究グループは2016年1月8日~2017年8月18日にかけて、5ヵ国の31医療機関を通じて、4~11歳のピーナッツアレルギー患児356例を対象に試験を行った。 対象児は、重度アナフィラキシー歴がなく、300mg以下のピーナッツ蛋白の誘発用量投与によるプラセボ対照二重盲検食物負荷試験で他覚症状が認められた場合に登録された。 被験児を無作為に2群に分け、一方には250μgのピーナッツ蛋白を含むピーナッツパッチを(パッチ群)、もう一方にはプラセボパッチを(プラセボ群)、いずれも12ヵ月間貼付した。 主要アウトカムは、ベースラインと12ヵ月時点の食物負荷試験で確認されたピーナッツ蛋白誘発用量(高用量で症状発現/即時に過敏性反応が発現)をベースとした、両群のresponderの割合(%)の差だった。responderの定義は、ベースラインの誘発用量10mg以下の場合は介入後の誘発用量300mg以上とし、ベースラインの同用量10~300mgの場合は介入後の同用量1,000mg以上とした。 また、主要アウトカムの95%CI下限値15%以上を、「肯定的な試験結果」として事前に規定した。 そのほか、治療関連有害イベント(TEAE)を集めて有害イベント評価を行った。responderはパッチ群35%、プラセボ群14% 被験児356例の年齢中央値は7歳、男児の割合が61.2%で、試験を完了したのは89.9%、治療アドヒアランス平均値は98.5%だった。 responderの割合は、プラセボ群13.6%に対し、ピーナッツパッチ群では35.3%と有意に高率だった(群間差:21.7%、95%CI:12.4~29.8、p<0.001)。しかし、CI下限値は事前規定の15%を下回っていた。 主にみられたTEAEはパッチ貼付部反応で、パッチ群95.4%、プラセボ群89%で認められた。あらゆる原因による貼付中止の発生率は、パッチ群10.5%、プラセボ群9.3%だった。

19950.

統合失調症患者の認知機能に対するNMDA受容体増強薬のメタ解析

 いくつかのN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体増強薬は、統合失調症の認知機能に対して有望な薬剤であるといわれている。しかし、その研究結果は矛盾している。台湾・中国医薬大学のChun-Hung Chang氏らは、認知機能に対するNMDA受容体増強薬の効果について、最新のメタ解析を実施した。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2019年2月7日号の報告。 統合失調症患者の認知機能に対するNMDA受容体増強薬の効果に関して、2018年9月までの研究を、PubMed、コクラン比較臨床試験レジストリおよびシステマティックレビューより検索した。認知機能評価尺度を用いた二重盲検ランダム化プラセボ試験を含んだ。追加のNMDA受容体増強薬との比較を行うため、ランダム効果モデルを用いた。認知機能スコアは、ベースライン時とその後のレベルを比較し、NMDA受容体陽性モジュレーターを、標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を用いて評価した。ファンネルプロットとI2統計を用いて、不均一性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・25件の研究より、1,951例が抽出された。・全体的な認知機能に対するNMDA受容体増強薬の効果は、プラセボと比較して小さく、有意ではなかった(SMD:0.068、95%CI:-0.056~0.193、p=0.283)。・30~39歳の患者を対象とした試験において、有意な効果が認められた(SMD:0.163、95%CI:0.016~0.310、p=0.030)。・男性において、全体的な認知機能に対するNMDA受容体陽性モジュレーターのより小さな効果が認められた。・認知領域のサブグループメタ解析では、N-アセチルシステイン(NAC)の作業記憶に対する有意な効果が認められた(相互作用に対するp値:0.038、SMD:0.679、95%CI:0.397~0.961、p<0.001)。 著者らは「本メタ解析では、全体的な認知機能に対するNMDA受容体増強薬の有意な効果は認められなかった。しかし、サブグループ解析では、比較的若い統合失調症患者に対するNMDA受容体増強薬の効果、およびNACの作業記憶に対する効果が示唆された。これらの認知領域を評価し、そのメカニズムを明らかにするためにも、より大規模なサンプルによる追加試験が求められる」としている。■関連記事統合失調症の認知機能に対するアセチルコリンエステラーゼ阻害薬2つのNMDA受容体拮抗薬、臨床像はなぜ異なるのか統合失調症の認知機能障害、コリン作動系薬の可能性

19951.

第12回 毎日簡単! 料理をしないでちょい足し「お手軽タンパク質」【実践型!食事指導スライド】

第12回 毎日簡単! 料理をしないでちょい足し「お手軽タンパク質」医療者向けワンポイント解説日本の総人口1億2,671万人(平成29年10月1日現在)のうち、65歳以上人口は、3,515万人で、総人口の27.7%を占めています。また、65歳以上人口は、平成37年(2025年)には、3,677万人に達し、平成54年(2042年)に3,935万人でピークを迎え、そのあとは減少に転じると推計されています。さらに、平成48年(2036年)には、3人に1人が、平成77年(2065年)には、2.6人に1人が65歳以上の社会になると推測されています*。高齢化に向けて問題になっているのが、サルコペニア、フレイルです。サルコペニアは加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下、フレイルは高齢期におけるさまざまな生理的予備能が低下したことで健康障害が起こりやすい状態のことを示します。サルコペニアは、フレイルの要因の一つでもあり、この状態に繋がる原因として、栄養不良、タンパク質不足などが挙げられます。1日のタンパク質の摂取量について、日本人の食事摂取基準(2015年版・最新版)によると、18〜70歳以上のタンパク質の推奨量は、男性:60g、女性:50gと明記されています。また、平成29年国民健康・栄養調査の結果では、たんぱく質の摂取量は60歳代で最も多いことが明らかになりました。65歳以上の低栄養傾向の者(BMI≦20kg/m2)の割合は、全体:16.4%、男性:12.5%、女性:19.6%であり、ここ10年間での有位な増減は見られません。しかし、人口全体が高齢化に向かっていくことや、年齢と共に食事量が減ること、嗜好によるタンパク質不足、吸収率の低下などを考慮すると、元気なうちからタンパク質を意識することが大切です。今回は、栄養不足の方、高齢者の方が元気に過ごすために、意識してもらいたい「簡単にちょい足しできる調理不要のタンパク質」についてご紹介します。まずは、タンパク質の意識・取り入れ方法について説明します。1)食事にプラスしてタンパク質を意識しようタンパク質の摂取が不足する要因として、a)食事量が少ない b)欠食 c)嗜好がご飯やパン、麺類などの炭水化物に偏る、などがあります。普段からタンパク質が不足しているような患者さんには、『お手軽タンパク質』をプラスして摂取するよう伝えてみましょう。2)調理しなくていい「お手軽タンパク質」を常備しようタンパク質をプラスするには献立に取り入れることも大切ですが、普段から食べているものにプラスする意識を持つと、摂取量を安定的に増やすことができます。ほかの栄養素を合わせて摂るメリットも伝え、常備を心がけてもらいましょう。3)分けて食べようタンパク質は、消化に負担がかかること、エネルギー不足と共に少しずつ分解されていくことをふまえ、まとめて食べるのではなく、こまめに取り入れることがオススメです。三度の食事のほか、間食、飲み物、夜食などに加えると良いでしょう。【調理をしないでとりやすい「お手軽タンパク質」】卵茹でる、炒める、味噌汁に加えるなど、調理が簡単で、手軽に食べられるタンパク質源。アミノ酸バランスも理想的なタンパク質。ツナ缶マグロやカツオの油煮または水煮。米、パン、麺など何にでも相性がよい。サバ缶安くて、栄養価が豊富と大人気のタンパク質源。オメガ3系脂肪酸のDHA、EPAが豊富であり、血管の炎症などを抑える働きがある。イワシ缶サバ缶より脂質が少なく、タンパク質も豊富。サバと同じくDHA、EPAが豊富。納豆低脂肪、発酵食品。腸内環境を整えるほか、骨粗鬆症の予防効果が期待できるビタミンKが豊富に含まれている。チーズおやつとしても手軽に食べられることが魅力的なタンパク質源。豆腐木綿のほうがタンパク質はやや多い。絹ごし豆腐は、コンビニなどでも多く扱っているため購入しやすいタンパク質。低脂肪であり、柔らかい食感は、どの世代にも取り入れやすい。ヨーグルト発酵食品であり、ヨーグルトによって菌の種類、働き、味わいが異なるため、いろいろなヨーグルトで変化をつけられる。間食としても良い。パルメザンチーズチーズの中で一番タンパク質の含有量が高い。パスタや炒め物にかけるだけではなく、味噌汁やサラダなどに簡単に加えることができる。◆きな粉1回に食べられる量は少ないが、大豆の粉なのでタンパク質は豊富。ヨーグルトやアイスなどのデザート類にかけたり、料理に加えても美味しい。*:平成30年版高齢者社会白書

19952.

第9回 呼吸の異常-2 喉元で「ゴロゴロ」【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は呼吸の異常について取り上げたいと思います。前回お話しした救急のABCを覚えていますか?「気道(Airway)」「呼吸(Breathing)」「循環(Circulation)」でしたね。呼吸の異常に関係するAとBは、バイタルサインでいうと呼吸数です。患者さんを観察し、バイタルサインを評価することによって、気道・呼吸・循環の状態を考え、急を要するか否かを考えてみましょう。患者さんAの場合◎経過──2そこで、家族に状況を聞きながら、患者さんの状態を観察し、バイタルサイン〈表1〉を確認してみました。1週間前頃から食事をとった後、喉がゴロゴロするようになり、水分を飲むと少しむせ込むことがあったそうです。昨晩までは何とか食事ができていたのですが、今朝はぐったりして、食事ができなくなりました。胸はしっかり動いているようでしたが、呼吸のたびに喉元で「ゴロゴロ」といった痰が絡む音が聞こえました。開眼し、話しかけると何とか返事はありました(名前は言えました)が、会話にはなりませんでした。ベッド上でぐったりしています。観察とバイタルサインよりバイタルサインで注目すべきなのは、「頻呼吸・発熱・意識レベルの低下」です。その中でも顕著だったのは頻呼吸です。ここでABCについて考えてみましょう。気道は「呼吸のたびに喉元で『ゴロゴロ』といった痰が絡む音が聞こえた」「返事はあった」ことから、気道が完全に閉塞しているわけではありませんが異常がありそうです。呼吸は「浅くて速い」頻呼吸の状態です。循環については血圧・脈拍は正常範囲内ですが、やや頻脈の傾向があります。まとめると、気道の軽度の異常、呼吸の異常があり、循環はそれほど悪くなさそうです。あなたは患者さんの観察とバイタルサインから、気道と呼吸の異常を見出しました。バイタルサインに異常があるわけですから、この時点で、病院受診を勧めてもよいですし、または訪問看護師や訪問診療の主治医に連絡しても良いと思います。が、そこでもう1つ、力強いツールを紹介します。経皮的動脈血酸素飽和度モニター(パルスオキシメーター)〈写真〉です。動脈血酸素分圧と動脈血酸素飽和度動脈血液中の酸素分圧はPaO2と略され、そのPaO2が60mmHgを下回ると、低酸素により組織や臓器の障害を来します。また、血液中に取り込まれた酸素の大部分はヘモグロビンと結合し、酸化ヘモグロビンとして存在します。動脈血酸素飽和度とは、すべてのヘモグロビンに対する酸化ヘモグロビンの割合を示します。現場では動脈血酸素飽和度は、「SpO2(Saturation of pulse oximetry oxygen)」とか「サチュレーション」などと呼ばれます。PaO2は動脈血を検査室に提出しないと測定できませんが、SpO2は皮膚を介して簡便に測定できます(多くは指をはさみます)ので、患者さんの血液を採取することなく、動脈血液中の酸素分圧を推定することができます。その測定器が、パルスオキシメーターです。SpO2とPaO2の関係を〈図〉と〈表2〉に示します。PaO2が約60mmHgの時にはSpO2が90%ですから、SpO2が90%以下になると組織や臓器の障害が起こることになります(通常、健康な人のSpO2は96〜98%程度です)。パルスオキシメーターを使用する時には、この90%という値が限界線であることを覚えておくとよいでしょう。◎経過──3パルスオキシメーターを指に装着してみると、SpO2は91%でした。低酸素の状態であったため、直ちに訪問医師・看護師に連絡しました。報告を受けた医師・看護師が訪問する頃には呼吸状態はさらに悪化していました。チアノーゼ(唇や指先が紫色になること)を呈しており、すぐに近くの病院に救急搬送となりました。患者搬送が落ち着いた後、担当医は「連絡ありがとうございました。ところで、呼吸状態が悪い時の意識レベルの悪化は、急を要するサインのひとつですよ」とアドバイスしてくれました。ところでパルスオキシメーターにも、弱点があります。それは、「酸素」飽和度は測定できますが、「二酸化炭素」の状態についてはわからないという点です。呼吸不全には「低酸素」の場合と、「高二酸化炭素」の場合があり、後者を見逃すことがあります。また、末梢(手指)の循環不全がある時や、震えている時、マニキュアをしていたり指先や爪がひどく汚れている時などでは、正確な値が出ませんので注意が必要です。エピローグ患者さんは病院で検査をした結果、誤嚥性肺炎の診断で入院となり、2週間後、無事に退院となりました。呼吸の異常を見つけたときのDo Not!患者さんにとって呼吸が楽な体位をとらせてください。座位が楽だという患者さんに「苦しいのでしたら、横になりましょう」と言って臥位にさせると、呼吸状態が急に悪化することがあります。実は、ずいぶん前に、心不全で呼吸困難の強い患者さんを臥位にして心エコーをした際に、まもなく呼吸状態が悪化しました。その時の指導医からこっぴどく叱られたことがあります(苦笑)。

19953.

ADHD患者の就労に関するレビュー

 これまでの研究では、多くの注意欠如多動症(ADHD)児が、成人期までの間に数々の障害を抱え続けていることが示唆されている。米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のChanelle T. Gordon氏らは、小児ADHD患者が抱える将来の職業的障害、それに伴う教育上・経済上の問題に関するシステマティックレビューを行った。Clinical Child and Family Psychology Review誌オンライン版2019年2月6日号の報告。 PsycINFO、PubMed、その他のソース(専門家によるコンサルタントや専門書)よりシステマティックに検索し、ADHDまたは関連症状の既往歴のある成人患者を対象とした19件の縦断的研究に関する35論文を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・複数の研究において、ADHD既往者は、そうでない人と比較し、教育的障害が多く、高校や大学を卒業する可能性が低いことが示唆された。・その後、ADHD既往者は、業務達成率の低下、雇用状況の不安定性の増加、業務パフォーマンスの低下がみられ、これらの結果は、性別、薬歴、症状の持続性に関係なく、一貫して認められた。・同様の結果が、米国内外の臨床試験および代表的な国内試験でも認められていたが、より古い試験においては、職業的障害が少ないことを示唆する傾向が認められた。・さらに、ADHDは、年収低下、公的支援への依存増大、ホームレスリスクの増大など、いくつかの経済的問題との関連が認められた。 著者らは「今後の研究では、より多様なソースを利用し、マクロおよびミクロレベルでの分析による、職業的障害に対する革新的な対策が求められる。また、職場環境におけるADHD患者への効果的な支援および介入に関する研究が必要とされる」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向2つのADHD治療薬、安全性の違いは日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学

19954.

1日1回plazomicin、複雑性尿路感染症に有効/NEJM

 多剤耐性株を含む腸内細菌科細菌による複雑性尿路感染症(UTI)および急性腎盂腎炎の治療において、plazomicin1日1回投与はメロペネムに対し非劣性であることが、ドイツ・ユストゥス・リービッヒ大学ギーセンのFlorian M. E. Wagenlehner氏らが行ったEPIC試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月21日号に掲載された。近年、グラム陰性尿路病原菌では多剤耐性菌が増加し、重篤な感染症に対する新たな治療薬が求められている。plazomicinは、アミノグリコシド系抗菌薬で、カルバペネム耐性を含む多剤耐性腸内細菌科細菌に対し殺菌活性を発揮するという。非劣性を検証する無作為化試験 本研究は、急性腎盂腎炎を含む複雑性UTIの治療におけるplazomicinのメロペネムに対する非劣性の検証を目的とする国際的な二重盲検無作為化第III相試験である(Achaogen社などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、クレアチニンクリアランス>30mL/分で、膿尿がみられ、4日以上の抗菌薬静脈内投与を要する複雑性UTIまたは急性腎盂腎炎の患者であった。 被験者は、plazomicin(15mg/kg体重、1日1回)またはメロペネム(1g、8時間ごと)を静脈内投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。4日以上の静脈内投与を施行後、経口投与へのステップダウンを選択できることとし、合計7~10日の治療が行われた。 主要エンドポイントは、微生物学的修正intention-to-treat(ITT)集団における治療開始5日時と治癒判定の受診時(治療開始から15~19日)の複合治癒(臨床的治癒、微生物学的除菌)であった。非劣性マージンは15ポイントとした。24~32日時の微生物学的・臨床的再発率も良好 2016年1月~9月の期間に、北米と欧州の68施設で609例が登録され、このうち604例(99.2%)が修正ITT集団(安全性解析の対象)、388例(63.7%)が微生物学的修正ITT集団に含まれた。 微生物学的修正ITT集団の平均年齢は59.4歳、72.2%に腎機能障害が認められた。複雑性UTIが58.2%、急性腎盂腎炎は41.8%であった。平均静脈内投与期間は両群とも5.5日、平均静脈内投与+経口投与期間はplazomicin群が9.2日、メロペネム群は8.9日であり、それぞれ80.6%、76.6%で経口薬(主にレボフロキサシン)へのステップダウン治療が行われていた。 有効性の主要エンドポイントに関して、plazomicinはメロペネムに対し非劣性であった。治療開始5日時の複合治癒は、plazomicin群の88.0%(168/191例)、メロペネム群の91.4%(180/197例)で観察された(差:-3.4ポイント、95%信頼区間[CI]:-10.0~3.1)。また、治癒判定受診時の複合治癒は、それぞれ81.7%(156/191例)および70.1%(138/197例)で観察された(11.6ポイント、2.7~20.3)。 治癒判定受診時の除菌率は、plazomicin群がメロペネム群に比べ、アミノグリコシド系抗菌薬に感受性のない腸内細菌科細菌(78.8 vs.68.6%)および基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)産生腸内細菌科細菌(82.4 vs.75.0%)において高かった。 治療開始24~32日のフォローアップでは、plazomicin群はメロペネム群に比し、複合治癒の割合が高く(77.0 vs.60.4%、差:16.6ポイント、95%CI:7.0~25.7)、微生物学的再発率(3.7 vs.8.1%)および臨床的再発率(1.6 vs.7.1%)が低かった。 plazomicin群で頻度の高い有害事象は、下痢(2.3%)、高血圧(2.3%)、頭痛(1.3%)、悪心(1.3%)、嘔吐(1.3%)、低血圧(1.0%)であった。腎機能低下に関連する有害事象は、plazomicin群の3.6%、メロペネム群の1.3%にみられ、重篤な有害事象は両群とも1.7%に認められた。また、血清クレアチニン値のベースラインから0.5mg/dL以上(40μmol/L以上)の上昇が、plazomicin群の7.0%(21/300例)およびメロペネム群の4.0%(12/297例)に発生した。 著者は、「これらの知見は、他のアミノグリコシド系抗菌薬に感受性のない腸内細菌科細菌や、ESBL産生腸内細菌科細菌に起因する感染症を含む複雑性UTIおよび急性腎盂腎炎の成人患者の治療における、plazomicin 1日1回投与を支持するものである」としている。

19955.

子のアトピー性皮膚炎、母親の自己免疫疾患と関連

 アトピー性皮膚炎(AD)の発症機序に迫る興味深い論文が発表された。ADは、アトピー状態やフィラグリン遺伝子変異を含む多くの因子に影響を受け、遺伝子転座など遺伝子の一部が重複するような自己免疫疾患と関連していることが知られている。デンマーク・コペンハーゲン大学のC.R. Hamann氏らは症例対照研究を行い、母親の皮膚および消化器の自己免疫疾患が子のAD発症と密接に関連していることを明らかにした。これまで、親のADは子のADにおける重要なリスクになるものの、親の自己免疫疾患と子のAD発症との関連性はほとんどわかっていなかった。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2019年2月18日号掲載の報告。 研究グループは、1996~2011年に出生した小児のうち、5歳未満でADと診断された小児と、一般集団の小児を1対10の割合でマッチさせた。登録データベースを用いて両親の自己免疫疾患について評価、親の自己免疫疾患と子のADとの関係性について条件付きロジスティック回帰分析を用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・AD小児群8,589例、ならびに対照群8万5,890例が解析に組み込まれた。・親が1つ以上の自己免疫疾患を有する割合は、AD小児の母親5.89%(506例)、父親3.67%(315例)であり、対照群はそれぞれ4.85%(4,163例)、3.28%(2,816例)だった。・母親の自己免疫疾患は子のADと関連したが(オッズ比[OR]:1.20、95%信頼区間[CI]:1.20~1.32)、父親はしなかった(OR:1.08、95%CI:0.96~1.22)。・母親の自己免疫疾患が2つ以上(OR:1.96、95%CI:1.36~2.84)、皮膚の自己免疫疾患(OR:1.60、95%CI:1.24~2.07)、および消化器の自己免疫疾患(OR:1.24、95%CI:1.06~1.45)すべての項目で、子のAD発症と関連していた。

19956.

ごく早期に発現するがん悪液質の食欲不振とグレリンの可能性/JSPEN

 本年(2019年)2月、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会(JSPEN2019)が開催された。その中から、がん悪液質に関する発表について、日本緩和医療学会との合同シンポジウム「悪液質を学ぶ」の伊賀市立上野総合市民病院 三木 誓雄氏、教育講演「がんの悪液質と関連病態」の鹿児島大学大学院 漢方薬理学講座 乾 明夫氏の発表の一部を報告する。前悪液質状態の前から起きている食欲不振 伊賀市立上野総合市民病院 三木 誓雄氏は「がん悪液質の病態評価と治療戦略」の中で次のように発表した。 がん悪液質の出現割合は全病期で50%、末期になると80%にもなる。また、がん患者の30%は悪液質が直接の原因で死亡する。EPCR(European Palliative Care Research Collaborative)のガイドラインでは、がん悪液質は前悪液質(Pre-Cachexia)、悪液質(Cachexia)、不可逆的悪液質(Refractory Cachexia)の3つのステージに分けられる。ESPEN(European Society for Clinical Nutrition and Metabolism:欧州静脈経腸栄養学会)のエキスパートグループは、食欲不振・食物摂取の制限は前悪液質となる前から現れると述べている。 この食欲不振の原因は全身性炎症反応である。McMahon氏らの研究では、未治療の肺がん患者のCRPは、手術侵襲のピーク時を超える高値で持続するとされる。全身性炎症反応の最も大きな原因は、腫瘍から放出されるTNFα、IL-6、IL-1などの炎症性サイトカイン。「炎症性サイトカインが中枢神経に働きかけて、まず食欲が失われ、それに伴って悪液質が始まり、代謝異化に向かい体重減少し、最後にはサルコペニアに至る」という。悪液質の発現で変わるがん治療効果 全身性炎症はまた、がんの治療効果にも影響を及ぼす。全身性炎症が亢進すると、薬物代謝酵素である肝臓のチトクロームP450活性が低下する。薬の代謝が抑制されるため薬物毒性が増える。一方、代謝を受けて薬効を示すプロドラッグなどは効果が減弱する。Carla氏らの報告では、非悪液質患者の抗がん剤の毒性出現頻度は約20%だが、悪液質患者では約50%と上昇する。抗がん剤の治療成功期間(Time to progression)も、非悪液質に比べ悪液質では約400日短縮する。 三木氏らは、伊賀市立上野総合市民病院で、5%以上の体重減少があるがん化学療法施行消化器がん患者179例に対して栄養療法(EPA 1g/日含有栄養剤:300kcal)のトライアルを行った。結果、栄養支持療法なし群だけをみると悪液質(体重減少5%以上かつCRP 0.5以上)は20%に発現し、この悪液質発現群では非発現群と同様の化学療法を受けていても全生存期間が有意に短かった(p<0.01)。また、栄養支持療法あり群では、がん化学療法施行時中もCRPは上昇せず、骨格筋量、除脂肪体重は増加した。栄養支持療法なし群ではCRPは上昇し、骨格筋量、除脂肪体重は増加しなかった。がん化学療法継続日数は栄養支持療法あり群で80日延長した(388.8日 vs.308.0日)。これら栄養支持療法による生命予後改善は、悪液質患者に限ってみられた(全患者:p=0.84、悪液質患者:p=0.0096)。「栄養支持療法をすることで、悪液質患者を非悪液質患者と同じ抗がん剤治療の土俵へ上げることができたことになる」と三木氏は述べる。がん悪液質におけるグレリンの役割 鹿児島大学大学院 漢方薬理学講座 乾 明夫氏は「がん悪液質と関連病態」の中でグレリンについて次のように述べた。 グレリンは胃から分泌され、摂食促進、エネルギー消費抑制に働く。グレリンはグレリン受容体(成長ホルモン分泌促進受容体)に結合し、食欲促進ペプチドである視床下部の神経ペプチドY(NPY)に作用し食欲を増やす。また、下垂体前葉において成長ホルモンの分泌を促進しサルコペニアを改善する。 がん悪液質では、グレリンの相対的分泌低下とレプチンの相対的上昇があり、食欲抑制系が優位状態となっていることが、動物実験で示されている。そのため「外部からグレリンを投与し補充することは理論的」と乾氏は言う。動物実験では実際に、グレリンを投与すると空腹期強収縮が起こり、胃の中に食物があっても空腹期様の強収縮を起こすことも示されている。 グレリン化合物には、多くの開発品がある。anamorelinは、グレリン受容体に強力な親和性を有する経口のグレリンアゴニストである。すでに4つの第II相試験と2つの第III相試験を実施している。StageIII/IVの悪液質を有する非小細胞肺がん患者174例を対象にした第III相試験においては、主要評価項目である除脂肪体重(p<0.0001)に加え、全体重も有意に改善した(p<0.001)。握力はp=0.08で有意な改善は示さなかったものの、「悪液質の診断がついて早期に使えば、より大きな効果を期待できるであろう」と乾氏。 さらに、グレリン・NPYを活性化するものに人参養栄湯がある。グレリン分泌の促進とグレリン非依存性のNPY活性化という2つの作用を有する。食欲、サルコペニア、疲労・抑うつの改善など、重症がん患者に対する支持療法としてさまざまな効果がある。「将来はグレリンアゴニストと人参養栄湯をドッキングして使われることもあると思う」と乾氏は言う。

19957.

血液凝固の難しいところ(解説:後藤信哉氏)-1011

 血液凝固、血栓の非専門医は、Xa阻害はトロンビン阻害の上流程度の認識をしている。Xa阻害薬とトロンビン阻害薬が商業的にNOAC、DOACなどと包括されたことも誤解を増した。実際にはトロンビン阻害薬とXa阻害薬には本質的な差異がある。Xaは活性化血小板などの細胞膜上にて、他の凝固因子、リン脂質とプロトロンビナーゼ複合体を形成してトロンビン産生速度を上昇させる。トロンビン阻害薬の効果を阻害するためには、液相のトロンビンの酵素阻害作用を解除させればよかった。Xaは、液相に存在するものよりも、細胞膜上にてプロトロンビナーゼ複合体を構成している役割のほうが大きい。トロンビン阻害薬の効果は抗体により阻害できた。Xa阻害薬では、細胞膜上のプロトロンビナーゼ複合体中のXaの機能も阻害されているため液相のXa阻害の中和に加えて細胞膜上のXa阻害の中和の工夫が必要である。 andexanet alfaはXa阻害薬の効果を中和する薬剤であるが、トロンビン阻害薬の効果を阻害する抗体とはまったく異なる。トロンビン阻害薬の中和薬の効果は凝固マーカーの計測により臨床効果を予測できた。しかし、Xa阻害薬の中和薬であるandexanet alfaの出血イベント予防効果は血液凝固マーカーにより予測できないことが本研究により示唆された。Xa阻害薬の中和薬としてXaのおとりを使用するとのコンセプトは科学的に革新的であった。しかし、血液凝固マーカーにより臨床イベント予測ができないことは当初から懸念された。本研究は当初の懸念が事実であることを示唆した。凝固マーカーにより臨床イベントを予測できないとなると、イベント発症率を比較するランダム化比較試験が必要となる。 本研究は重要である。血液凝固における「cell based coagulation」まで考慮すると薬剤の効果予測が困難となる。andexanet alfaの臨床開発が困難との解釈もできるし、これまで血液凝固マーカーを指標に薬剤スクリーニングを行ってきたが、意外なところに血栓イベントを予防可能な「cell based coagulation」阻害薬が隠れている可能性も示唆している。比較的単純な生体現象である「血液凝固の難しいところ」を示す貴重な研究であった。

19958.

35)タービュヘイラー(パルミコート)/使用の前準備【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、タービュヘイラー(パルミコート)使用の前準備を説明します。※初回のみ行う操作です。手順としては、使用開始時、フィルムをはがして開封する→左手で下の回転グリップを持ち、右手でキャップを反時計回りにひねって開ける→左手で本体を固定し、右手で回転グリップを反時計回りに止まるまで回す→今度は時計回りに回して、1回目のカチッという音を確認する→また反時計回りに止まるまで回す(音は鳴らない)→もう一度時計回りに回して、2回目のカチッという音を確認する→前準備完了※斜めにすると、吸入器の中の薬がこぼれてしまいます。吸うとき以外は、まっすぐに立てて操作してください。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)パルミコート

19959.

国内初のアルコール依存症に対する飲酒量低減薬「セリンクロ錠10mg」【下平博士のDIノート】第20回

国内初のアルコール依存症に対する飲酒量低減薬「セリンクロ錠10mg」今回は、「ナルメフェン塩酸塩水和物錠(商品名:セリンクロ錠10mg)」を紹介します。本剤は、中枢神経に作用して飲酒欲求を抑えることで、多量飲酒を繰り返すアルコール依存症患者の飲酒量を低減させることが期待されています。<効能・効果>本剤は、アルコール依存症患者における飲酒量の低減の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月5日より販売されています。本剤は、選択的オピオイド受容体調節薬であり、鎮痛または麻酔目的で使用されるオピオイド系薬剤との併用は、緊急手術などのやむを得ない場合を除いて禁忌となっています。<用法・用量>通常、成人にはナルメフェン塩酸塩として1回10mgを飲酒の1~2時間前に経口投与します。服用は1日1回までです。症状により適宜増量できますが、最大量は20mgです。本剤を服用せずに飲酒を始めた場合は、気付いた時点で服用しますが、飲酒終了後には服用できません。本剤による治療の際には、服薬遵守および飲酒量の低減を目的とした心理社会的治療と併用する必要があります。<副作用>第III相二重盲検比較試験において、安全性解析の対象となった432例中307例(71.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められました。主な副作用は悪心(31.0%)、浮動性めまい(16.0%)、傾眠(12.7%)、頭痛(9.0%)、嘔吐(8.8%)、不眠症(6.9%)、倦怠感(6.7%)でした。<患者さんへの指導例>1.この薬は、中枢神経に作用して飲酒欲求を抑えることで、飲酒量を減らします。2.麻酔薬や強い痛み止め薬が効きづらくなってしまうことがあるので、手術などの予定がある場合には、事前にこの薬を使用していることを医師に伝えてください。3.注意力の低下、浮動性のめまい、強い眠気などが起こることがあるので、自動車の運転など、危険を伴う機械の操作はしないでください。4.悪心、吐き気、胸やけ、胃のむかつきなどの症状が現れることがあります。強い症状が現れたら、医師または薬剤師にお知らせください。<Shimo's eyes>「新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン(2018)1)」では、アルコール依存症の最終的な治療目標は「断酒の達成とその継続」と設定されています。治療の主体は心理社会的治療(認知行動療法、動機付け面接法など)ですが、補助的役割として薬物療法が行われます。既存薬としては、飲酒すると動悸や嘔気・嘔吐などの不快な症状を引き起こす抗酒薬であるジスルフィラム(商品名:ノックビン)とシアナミド(同:シアナマイド)、飲酒欲求を抑える断酒補助薬としてアカンプロサート(同:レグテクト)が承認されています。これらはいずれも断酒を目標とした治療薬ですが、軽症の依存症で臓器障害などの合併症がない場合や、本来は断酒すべきであってもゴールの高さから断酒の同意が得られない場合などでは、飲酒量低減を治療目標とすることがあります。本剤は、オピオイド受容体に拮抗して飲酒欲求を抑制し、飲酒量を減らす「飲酒量低減薬」であり、多量な飲酒を繰り返すアルコール依存症患者さんの飲酒量低減や断酒に至るための第一歩を補助する薬剤として期待されています。飲酒量低減の達成の目安は、男性では純アルコール量として1日平均40g以下、女性では20g以下、または飲酒に関連した健康問題や社会問題が顕著に改善された状態を3ヵ月間維持できることです。純アルコール量40gの例は、ビール(Alc.5%)500mL 2缶、チューハイ(7%)350mL 2缶、日本酒(15%)2合、ワイン(12%)グラス3杯などです。絶対的な飲酒量だけでなく、治療開始前後の飲酒量の差や、社会・家族に与える影響の軽減など、患者さんの状況を総合的に見て治療効果が判断されます。これまで、必ずしも断酒が必要ではなかった患者さんや、断酒に踏み切れなかった患者さんのアルコール依存症治療に、飲酒量低減という新たな選択肢が加わりました。適切な治療を受ける患者さんが増えることで、患者さんを取り巻く社会・家族の負担軽減にもつながるでしょう。なお、本剤を交付する際は「ナルメフェン塩酸塩水和物の使用に当たっての留意事項について2)」の通知が発出されているので、投薬前に確認するようにしましょう。参考1)一般社団法人 日本アルコール・アディクション医学会/日本アルコール関連問題学会 新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン2)厚生労働省 ナルメフェン塩酸塩水和物の使用に当たっての留意事項について

19960.

加糖飲料と人工甘味飲料、認知機能との関連は

 砂糖入り飲料(SSB)および人工甘味料入り飲料(ASB)と認知機能低下との関連について結果が一致していない。ASBはカロリーが低く、砂糖の含有量が抑えられているため、SSBより健康的と思われているが、人工甘味料の摂取が認知症リスクと関連していたという報告もある。今回、スペイン・ナバラ大学のMariana I Munoz-Garcia氏らの縦断的な検討では、SSBの摂取で6年後の認知機能低下と有意に関連がみられたが、ASBでは有意ではなかったことが報告された。Nutritional Neuroscience誌オンライン版2019年2月22日号に掲載。 本研究では、55歳以上の大学卒業生のSeguimiento Universidad de Navarra (SUN)コホートのサブサンプルについて、「認知状態に関するスペイン語での電話インタビュー」(STICS-m)により6年の間隔で2回評価した。SSBとASBの摂取量は、食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価した。心血管代謝変数を含む潜在的な交絡因子を調整し、6年でのSTICS-mスコアの変化を従属変数として線形回帰モデルを当てはめた。 主な結果は以下のとおり。・全サンプルにおいて、SSBの摂取とSTICS-mにより評価された認知機能の変化との間に有意な関連が認められ、1杯/月を超えて摂取していた被験者では、摂取経験なし/ほとんどなしの被験者に比べ、−0.43(95%CI:−0.85~−0.02、p=0.04)の変化がみられた。・ASBの摂取との関連は有意でなかったが、ポイント推定値は認知機能低下を示唆する負の値を示した。

検索結果 合計:36088件 表示位置:19941 - 19960