サイト内検索|page:976

検索結果 合計:36088件 表示位置:19501 - 19520

19501.

がん患者の喫煙継続で増える治療失敗とコストはどの程度?

 喫煙は、がんの大きなリスク因子といわれているが、がん患者の喫煙継続およびがん1次治療の失敗増は、がん2次治療コストの有意な増大と関連していることが、米国・サウスカロライナ医科大学のGraham W. Warren氏らによる検討の結果、示された。著者は「さらなる調査を行い、コスト増を軽減する最適な方法を明らかにする必要があるだろう」と述べている。先行研究で、がん患者の喫煙継続は全死亡率・がん死亡率や二次原発がんリスク、がん治療の毒性作用を増大することが示唆されていたが、著者らによれば、喫煙によるがん治療の追加コストの推算はこれまでされていなかったという。JAMA Network Open 2019年4月5日号掲載の報告。 研究グループは、がん2次治療による増大コストとがん患者の喫煙継続の関連をモデル化するため、2014年の米国 Surgeon General's Report(非喫煙がん患者で予測される1次治療の失敗率、喫煙率、非喫煙と比較した喫煙によるがん1次治療失敗のオッズ比、および1次治療失敗後のがん治療コストを検討している)からデータを集め、2018年に経済評価モデルを開発した。 主要評価項目は、がん1次治療失敗増および2次治療によるコスト増と、喫煙を継続するがん患者との関連であった。 主な結果は以下のとおり。・治療失敗率は、非喫煙者における1次治療治癒率が低いと予測された場合と比べ、高いと予測される場合に高かった。・喫煙による治療失敗率は、非喫煙者における治癒率が50~65%と予測された場合にピークを示した。・非喫煙患者における予測治療失敗率30%、喫煙率20%、非喫煙患者に対する喫煙患者の1次治療失敗のオッズ比1.6、1次治療失敗に対処する平均追加コスト10万ドルの条件下では、1,000患者当たりの追加コストは210万ドル、喫煙患者1例当たりの追加コストは1万678ドルと推算された。・同条件下において、がんと診断される患者の年間160万例の喫煙による増大コストは、34億ドルと見込まれた。

19502.

alpelisib併用群、HR+/HER2-進行乳がんのPFS延長/NEJM

 PIK3CA遺伝子変異を有する内分泌療法歴のあるホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がん患者において、alpelisib+フルベストラント併用療法により無増悪生存期間(PFS)が延長した。フランス・パリ第11大学のFabrice Andre氏らが、国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SORAR-1(Clinical Studies of Alpelisib in Breast Cancer 1)試験」の結果を報告した。PIK3CA遺伝子変異は、HR+/HER2-乳がん患者の約40%に認められる。PI3Kαを特異的に阻害するalpelisibは、初期の試験で抗腫瘍活性が示唆されていた。NEJM誌2019年5月16日号掲載の報告。572例を対象に、PIK3CA遺伝子変異の有無でalpelisibの有効性を評価 SORAR-1試験は、日本を含む34ヵ国198施設で実施された。対象は内分泌療法歴があるHR+/HER2-進行乳がん患者で、腫瘍組織のPIK3CA遺伝子変異の有無で2つのコホートに登録し、各コホート内でalpelisib(300mg/日経口投与)+フルベストラント(1サイクル28日として、500mgを1日目および15日目、以降は1日目に筋肉内投与)群(以下、alpelisib併用群)と、プラセボ+フルベストラント群(以下、プラセボ群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおける治験担当医師評価によるPFSであった。PIK3CA遺伝子変異陰性コホートにおいても同様にPFSを解析した。副次評価項目として奏効率(ORR)および安全性等についても評価した。 2015年7月26日~2017年7月21日の期間に計572例が無作為化され、PIK3CA遺伝子変異陽性コホートが341例、陰性コホートが231例であった(うちalpelisib併用群がそれぞれ169例および115例、計284例)。PIK3CA遺伝子変異陽性患者ではPFSが約2倍に延長 PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおいて、追跡期間中央値20ヵ月(データカットオフ2018年6月12日)時点のPFSは、alpelisib併用群で11.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.5~14.5)、プラセボ群で5.7ヵ月(95%CI:3.7~7.4)であった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.50~0.85、p<0.001)。 PIK3CA遺伝子変異陰性コホートでは、追跡期間中央値7.4ヵ月(データカットオフ2016年12月23日)時点のPFSが、alpelisib併用群7.4ヵ月(95%CI:5.4~9.3)、プラセボ群5.6ヵ月(95%CI:3.9~9.1)、HRは0.85(95%CI:0.58~1.25)で、事前に定められたProof of Conceptの基準を満たさなかった。 PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおけるORRは、alpelisib併用群がプラセボ群よりも高かった(全例:26.6% vs.12.8%、ベースライン時に測定可能病変を認めた患者:35.7% vs.16.2%)。 両コホートを合わせた全症例において、Grade3/4の有害事象は高血糖(alpelisib併用群36.6% vs.プラセボ群0.7%)が最も多く、次いで発疹(9.9% vs.0.3%)、下痢(6.7% vs.0.3%)であった。Grade4の発疹、下痢は報告されなかった。有害事象によりalpelisibおよびプラセボを中止した患者の割合は、それぞれ25.0%および4.2%であった。

19503.

「ソーダ税」導入、販売量への効果は?/JAMA

 2017年1月、ペンシルベニア州フィラデルフィア市は、砂糖あるいは人工甘味料入り飲料の消費を減らすために、1オンス(約30mL)当たり1.5セントの加糖飲料税(いわゆるソーダ税)を米国で2番目に導入した。米国・ペンシルベニア大学医学大学院のChristina A. Roberto氏らは、課税導入後の飲料価格と販売量について、フィラデルフィアと非課税のメリーランド州ボルティモア市を比較し、課税商品の購入を避けるための越境ショッピングの可能性を評価した。解析の結果、フィラデルフィアでは加糖飲料の価格が有意に上昇し、課税飲料の販売量は半減したことが認められたが、その一部は、近隣地域での販売量増加によって相殺されることが明らかになったという。JAMA誌2019年5月14日号掲載の報告。課税導入のフィラデルフィアと非導入地域で、価格、販売量を比較・解析 研究グループは、差分の差分法(difference-in-differences)を用い、2016年1月1日(課税前)~2017年12月31日(課税後)の期間の販売データを解析し変化を比較した。店の形態、飲料の甘味料の種類、飲料の大きさごとの違いを検証。小売業者の販売データには、フィラデルフィア、ボルティモア(非課税の対照都市)、フィラデルフィア近隣地域(フィラデルフィア市境界から約3マイル以内のバックス郡、デラウェア郡、モンゴメリー郡)にある大規模チェーン店の販売データも組み込まれた。これらのデータは、フィラデルフィアにおける課税飲料の販売量(オンス)の約25%に相当した。 主要評価項目は、課税飲料の価格と販売量の変化であった。近隣地域の増加分を差し引くと課税都市フィラデルフィアの販売量低下は38% 計291店(スーパーマーケット54店、大型小売店20店、薬局217店)のデータが解析に組み込まれた。 フィラデルフィアでは、ボルティモアと比較して加糖飲料の価格が有意に上昇し、課税導入後の課税飲料の販売量が有意に低下した。 すなわち、フィラデルフィアとボルティモアにおいて、加糖飲料1オンス当たりの平均価格は、課税導入後にすべての形態の店で上昇した。フィラデルフィアでは、スーパーで5.43セント(2016年)から6.24セント(2017年)に、大型店で同5.28→6.24セントに、薬局で同6.60→8.28セントに上昇した。ボルティモアではそれぞれ、5.33→5.50/6.34→6.52/6.76→6.93セントに上昇した。両都市間の1オンス当たりの平均価格上昇分の差は、スーパー0.65セント(95%信頼区間[CI]:0.60~0.69)、大型店0.87(0.72~1.02)、薬局1.56(1.50~1.62)で有意差があった(すべてのp<0.001)。 また、両都市とも4週間当たりの加糖飲料の販売量には、すべての形態の店での減少が認められた。フィラデルフィアでは、スーパーで485万→199万オンスに、大型店で298万→172万オンスに、薬局で16万→13万オンスに減少した。ボルティモアではそれぞれ、283万→281万/105万→100万/14万→13万オンスに減少した。両都市間の減少分の差は、スーパーが-285万オンス(95%CI:-410万~-160万、p<0.001)で、ボルティモアと比較しフィラデルフィアのスーパーでは58.7%低下した。同じく、大型店は-120万オンス(-204万~-36万、p=0.001)、40.4%低下、薬局は-2万オンス(-3万~-1万、p<0.001)、12.6%の低下であった。 フィラデルフィアにおける課税飲料の販売総量は、課税導入後に12億6,100万オンス(2016年:24億7,500万→2017年:12億1,400万)、51.0%の低下が認められた。一方で、近隣地域における販売量が3億820万オンス(7億1,310万→10億2,100万)増加していた。これは、フィラデルフィアにおける販売量低下の24.4%を相殺し、フィラデルフィアでの実質販売量低下は38%と考えられた。

19504.

Supraflex対Xienceの比較試験(解説:上田恭敬氏)-1052

 Supraflex stent(Sahajanand Medical Technologies, Surat, India)とXience stent(Abbott Vascular, Santa Clara, CA, USA)を比較した単盲検国際多施設無作為化比較非劣性試験の結果である。Supraflex stentはultrathin struts(60μm)、biodegradable polymer等を特徴とする新世代ステントの1つである。 720症例がSupraflex群に715症例がXience群に割り付けられた。主要評価項目は1年でのcardiac death, target-vessel myocardial infarction, or clinically indicated target lesion revascularisationの複合エンドポイントである。ほとんど除外基準のないall-comerデザインで検討された。 1年での主要評価項目の発生頻度は4.9% vs.5.3%(Supraflex群vs.Xience群)で非劣性が証明された。また、ステント血栓症(definite or probable)にも群間に差を認めなかった。よって、1年までの臨床成績はSupraflex stentとXience stentで同等ということになる。 このような非劣性試験が次々に報告されるが、1年の成績によってその後の長期成績は予測できず、1年の成績には単なる経過報告の価値しかない。容認できないほどの重篤なイベントが有意に多いのでなければ、5〜10年の長期成績が出て初めて、どちらのステントを使うべきかを考える判断材料となりえる。それよりも、画像診断や病理所見から、将来問題となる可能性のある所見が認められないか、といった詳細な検討を行うことが重要であろう。 また、ultrathin strutsを持つステントにおいては、冠動脈内イメージングによって、新生内膜被覆が良好であるというメリットが指摘されているが、IVUSガイドによる至適拡張が大きく結果を向上させることを考慮すると、100%IVUSガイド下にPCIが行われた場合にもそのメリットが有意に予後改善の影響を持つか否かは、今後の検討が必要であろう。

19505.

ニック式英会話【Dr. 中島の 新・徒然草】(273)

二百七十三の段 ニック式英会話ドゥユワミダセラッパミリン?これは YouTube の「ニック式英会話:英語 リスニング 英語 発音:この英語、聴こえますか?(#6)」に出てくる英文です。皆さんは何を言っているか、おわかりになるでしょうか?正解は、Do you want me to set up a meeting?(私がミーティングのセッティングをしましょうか?)だそうです。難しいですね。でも英語を母語とする人たちはこの通りにしゃべっているので、われわれ日本人も受け入れるしかありません。YouTube の「ニック式英会話」は、オーストラリアのシドニー出身のニック・ウイリアムソン氏がほぼ完璧な日本語を使って英語を教える動画で、これまで見た中でも最も面白く、しかもためになるものです。ニック氏が動画の中で何度も言っているのは、子音が2つ並んだら、最初の子音は消える文末の子音は消える子音と母音が並んだら、それらは連結するt は母音が続いても脱落することがあるwant to は「ワナ」と発音するwant me to は「ワミダ」と発音するset up a は「セラッパ」と発音するmeeting の発音は「ミーティング」よりも「ミリン」に近いといったことです。そして、日本人はこのようにしゃべる必要はないけれども、聴き取る必要はあると強調しています。さらに、聴き取るためには、自分でもこのように発音する練習をするのがベストな方法だそうです。結局、日本人もこのような発音を練習するのがいいみたいですね。他の英文発音例を2つほど挙げましょう。解答は最後の1句の後に書いておきます。アイメリムアラパーディ。アイッビーンワニダブレイカッ。わかりますか?「ニック式英会話」は発音だけでなく、文法や会話もわかりやすく役に立つので、読者の皆さんにもお勧めいたします。最後に1句ニック式 聴いてるだけで よくわかる解答:I met him at a party.(私は彼にパーティーで会った)I’ve been wanting to break up.(最近、別れたいなと思っています)

19507.

認知症患者におけるカフェインと精神症状~システマティックレビュー

 カフェイン摂取は、健康成人の行動や睡眠に影響を及ぼすことが知られている。行動症状や睡眠障害に対しカフェイン摂取が影響している可能性のある認知症患者は、多く見受けられる。オランダ・ライデン大学のM. A. Kromhout氏らは、認知症患者におけるカフェイン摂取と精神症状との関連について調査するため、システマティックレビューを行った。Experimental Gerontology誌オンライン版2019年4月30日号の報告。 2019年1月、Medline(PubMed)、Embase、Emcare、Cochrane、PsychInfo、Web of Science、灰色文献より、広範な調査を行った。認知症診断患者を調査し、精神症状の報告があり、カフェインまたはコーヒー摂取による介入を使用し、カフェインまたはコーヒー摂取と精神症状との関連性を検討した研究を抽出した。非認知症患者を含む研究、レビューやエキスパートによる意見を述べた報告は除外した。2人の独立したレビューアーが研究を評価し、評価の合意を行った。 主な結果は以下のとおり。・本レビューの対象となった研究は7件であった。そのうち、睡眠障害についての報告が4件、行動症状についての報告は5件であった。・精神症状に対するカフェイン摂取の影響は、一貫して認められなかった。たとえば、カフェイン摂取の増加と減少のどちらにおいてもアパシーの低下と関連し、コーヒー療法とカフェイン除去のいずれにおいても総Neuropsychiatric Inventory(Nursing Home)の減少が認められた。・また、カフェイン摂取とカフェイン除去のいずれにおいても、睡眠の改善が認められた。 著者らは「これらの知見は、カフェインが認知症患者の精神症状を誘発または軽減することを示唆している。そのため、認知症患者におけるカフェイン摂取では、患者個々への慎重なアプローチが求められる。また、各精神症状に対するカフェインの影響に関して、さらなる研究が必要である」としている。

19508.

ESUSの再発予防、ダビガトランvs.アスピリン/NEJM

 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)を発症した患者に対し、ダビガトラン投与群はアスピリン投与群との比較において、再発予防効果について優越性は示されなかった。一方で、大出血ではないものの臨床的に重要な出血の発生リスクは、ダビガトラン群が高かった。ドイツ・Duisburg-Essen大学のH.-C. Diener氏らによる、42ヵ国5,390例の患者を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年5月16日号で発表した。脳梗塞の20~30%は原因不明で、その大半がESUSに分類されるという。これらESUS後の再発予防において、先行無作為化試験で、リバーロキサバンの有効性はアスピリンと同程度であることが示されていた。ダビガトランがESUS再発予防に有効であるかは不明であった。42ヵ国564ヵ所を通じて5,390例を対象に無作為化試験 研究グループは2014年12月~2018年1月にかけて、42ヵ国564ヵ所の医療機関を通じて、ESUSを発症した5,390例を対象に試験を開始した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはダビガトラン(150mgまたは110mg、1日2回、2,695例)を、もう一方にはアスピリン(100mg、1日1回、2,695例)を投与した。 主要アウトカムは、脳梗塞の再発。安全性に関する主要アウトカムは、大出血だった。脳梗塞再発は両群とも7~8% 追跡期間中央値は19ヵ月だった。その間に脳梗塞の再発が認められたのは、ダビガトラン群177例(6.6%、年率4.1%)、アスピリン群207例(7.7%、年率4.8%)で、両群間に有意差はなかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.69~1.03、p=0.10)。脳梗塞の発症は、ダビガトラン群172例(6.4%、年率4.0%)、アスピリン群203例(7.5%、年率4.7%)だった(HR:0.84、95%CI:0.68~1.03)。 大出血の発生は、ダビガトラン群77例(2.9%、年率1.7%)、アスピリン群64例(2.4%、年率1.4%)だった(HR:1.19、95%CI:0.85~1.66)。 一方で、大出血ではないものの臨床的に重要な出血の発生は、アスピリン群41例(年率0.9%)に対し、ダビガトラン群は70例(年率1.6%)と発生頻度が高かった(HR:1.73、95%CI:1.17~2.54)。

19509.

重症OSAは非心臓手術後30日の心血管リスクと関連/JAMA

 非心臓大手術を受ける成人において、未診断の重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、術後30日の心血管合併症リスクの有意な増大と関連することが示された。中国・香港中文大学のMatthew T.V. Chan氏らが、1,218例を対象に行った前向きコホート試験の結果で、JAMA誌2019年5月14日号で発表した。一般集団の検討で、未診断のOSAは心血管リスクを増大することが示されていたが、OSAが周術期において同程度のリスクとなるかは不明であった。今回の結果について著者は、「さらなる研究を行い、介入によって同リスクが軽減可能かを評価する必要がある」とまとめている。術前にOSA重症度を調べ、術後30日の心血管複合イベント発生との関連を調査 研究グループは、2012年1月~2017年7月にかけて、5ヵ国8病院で、OSA未診断で非心臓大手術を受ける患者1,218例を対象に試験を開始し、2017年8月まで追跡した。被験者は、術前のポータブル・睡眠モニタリングで、OSA軽症(呼吸イベント指数[REI]:5~14.9/時)、中等症(REI:15~30)、重症(REI:>30)に分類された。術後は、夜間パルスオキシメーター、心筋トロポニン濃度測定などによるモニタリングを行った。 主要アウトカムは、術後30日の、心筋傷害、心臓死、心不全、血栓塞栓症、心房細動、脳卒中の心血管複合イベント発生だった。比例ハザード分析を行い、OSAと術後心血管合併症リスクとの関連を検証した。重症OSA患者のリスクは非OSA患者の2.23倍 被験者の平均年齢は67歳、うち女性は40.2%だった。術後30日の心血管複合イベントの発生率は、重症OSAが30.1%(136例中41例)、中等症OSAが22.1%(235例中52例)、軽症OSAが19.0%(452例中86例)、非OSAが14.2%(395例中56例)だった。OSAと、術後30日の心血管複合イベントリスク増大との有意な関連が認められた(補正後ハザード比[HR]:1.49、95%信頼区間[CI]:1.19~2.01、p=0.01)。 OSAの重症度別では、同イベントリスク増大との有意な関連が認められたのは重症OSAのみで、対非OSAの補正後HRは2.23(95%CI:1.49~3.34、p=0.001)だった。中等症OSA(補正後HR:1.47、95%CI:0.98~2.09、p=0.07)、軽症OSA(1.36、0.97~1.91、p=0.08)では、有意差は認められなかった。 なお、術後3夜の酸化ヘモグロビン飽和度が80%未満であった時間の平均累積値は、術後心血管合併症の未発症群10.2分(95%CI:7.8~10.9)に対し、発症群は23.1分(15.5~27.7)と有意に長かった(p<0.001)。

19510.

第8回 腹部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第8回 腹部の痛み腹痛の愁訴は外来診療ではよく見られ、誰もが経験する痛みでもあります。治療の必要性がないケースも多いのですが、急性的な痛みや重症度の高い痛みは、重篤な腹部疾患を疑わなければならないこともあり得るので、十分注意する必要があります。なかには生命を脅かすケースもあり、迅速な診断と外科的な処置が必要となることもあります。今回は、この腹部の痛みを取り上げたいと思います。腹痛の発生源は3分類で考える腹部の痛みの発生源は、大きく分けて内臓痛、体性痛、関連痛に分類されます。1)内臓痛自律神経を主とした腹部臓器に由来する痛みですので、そのものの局在性は不明確です。また、その特徴は鈍い、しくしくした、不快な痛みです。時に疝痛(せんつう)と呼ばれる非常に痛い思いをすることもあります。胃腸など管腔臓器では、内腔壁の痛み受容器が伸展拡張に対して過敏であるためです。腸管閉塞による疝痛がこれに当たります。しかも、内腔壁に炎症や充血などが生じていれば、ほんのわずかな刺激によっても激痛として感じることになります。2)体性痛壁側腹膜に刺激を受けると突き刺すような鋭い痛みを感じます。これはAδ神経線維を主体とする、体性神経が刺激されるためです。感染などによって惹起される炎症刺激に反応します。痛みの程度は内臓痛よりも強く、持続性です。したがって、鋭い痛みで局在性が明確です。そのため、疼痛部位は病変臓器あたりに限局していますし、非対称的な痛みになります。3)関連痛内臓痛そのものの局在性は不明確ですが、同じ脊髄節支配の皮膚に投射されて痛みを感じる「関連痛」が存在します。この関連痛は、痛みの部位が明確です。図に、内臓の知覚支配と関連痛の現れる部位を示します。この関連痛の投射部位である皮膚におきましては、疼痛過敏や異常知覚を伴なったり、筋肉の緊張、自律神経の異常興奮が見られることもあります。画像を拡大する腹痛の部位と鑑別診断については、表に示しております。それぞれの疾患が疑われれば、それに対応する検査、身体所見を詳細にとり対応します。必要があれば、専門診療科に委ねることも大切です。画像を拡大する次回は腰痛について述べます。1)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143: 142-1432)山村秀夫ほか編集 痛みを診断する 有斐閣選書1984;143:20-38

19511.

第20回 意識消失発作の症例から学ぶ脈拍の異常2【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は脈拍の異常を来した患者さん2例を紹介します。脈の乱れは「不整脈」といわれ、その不整脈が徐脈であっても頻脈であっても、患者さんの状態が「不安定」であるときに急を要します。徐脈や頻脈が認められた時、どのような点に気を付けて患者さんと接することがポイントになるでしょうか?症例を通してシミュレーションしていきましよう。患者さんGの場合◎経過──156歳、女性。施設の介護職員です。勉強会が終了し後片付けをしていたときに急に動悸が始まって、倒れそうになりました。椅子に座り苦しそうにしています。「どうしたの?大丈夫?」と職員が心配して集まってきました。◎経過──2Gさんは、以前から動悸を自覚することがあり、病院では「WPW症候群※1、発作性頻拍症」と診断されていると話してくれました。今までは動悸が長く続くことがなかったため経過を見ていました。「今日は少しひどいみたい...」その日は休みだったのですが、勉強会のために施設に来ました。今は夕方ですが、その日に限って昼食はまだ食べておらず水分もあまり摂っていなかったそうです。顔色は蒼白で冷汗をかいています。脈は非常に速くて弱く不規則でした。なんとなく少しボーッとしています。(ショックの徴候かも...)そう思いました。バイタルサインは表の通りで、顕著な頻脈の他に血圧低下が認められました。総合的にみて「循環(C:circulation)」の異常があります。※1 Wolf-Parkinson-White syndrome:ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群正常な刺激伝導(電気信号の流れるルート)では、洞結節から発した電気信号は心房から房室結節を経て心室へ至る。しかし同症候群では、通常のルート以外にKent(ケント)束と呼ばれるバイパス(副伝導路)を有するため、心室への信号は房室結節とKent束を経由することになり、心電図上デルタ波と呼ばれる波形が生じる。副伝導路が存在するため、発作性上室性頻拍を来すことがある。◎経過──3勉強会後に一時席を外していた医師と看護師が戻ってきました。WPW症候群と診断されていることを聞き、Gさんの状態とバイタルサインを見て、救急車を呼ぶことにしました。医師の指示を受けた看護師は静脈路を確保しました。まもなく救急車が到着し心電図モニターを開始しました。「偽性心室頻拍※2ですね...」医師はそう言って、近隣の病院へと向かいました。※2 WPW症候群で心房細動発作が起こると、心房からの頻回の電気信号が、信号を通しやすい副伝導路を通り心室へと伝わる。デルタ波があるために、発作時のQRS幅が広く、心室頻拍のような心電図波形を示すことから「偽性心室頻拍」と呼ばれる。心室細動に移行する危険があるため緊急を要する場合が多い。頻脈に対する診療アルゴリズム図4は頻脈の診療アルゴリズムです。頻脈が確認されたら患者さんの状態が不安定か否かを確認します。図4にあるような症状や徴候があれば「不安定」な状態と考えられ、直ちに治療を開始します。ご覧の通り、不安定か否かを判断する基準は徐脈の場合と同じですね。エピローグ頻脈のGさんは、病院に搬送された後、救急外来で抗不整脈薬による治療を受けました。その日、大事をとって入院し、後日カテーテルアブレーション※3の治療を受けました。退院後、施設に薬を届けに行くとGさんは「あなたがいる所にはいろいろ事件が起こるわね」と冗談交じりに笑顔で話しかけてくれました。※3 経皮的にカテーテルを心臓内部の標的部位に挿入し、高周波通電を行い、頻脈の原因となる異常興奮部位(Kent束)を電気的に焼灼する方法。頻脈性不整脈を根治する治療法。徐脈と頻脈、安定と不安定「徐脈と頻脈」といっても多くの種類の不整脈があります。どんな徐脈性不整脈や頻脈性不整脈であっても、それにより血圧などの循環動態が悪くなったり、図3や図4に示すような「不安定な状態」を示唆したりするような、バイタルサインに大きく影響するような不整脈は緊急度が高いということは、知っておくとよいと思います。

19512.

IV期NSCLCにおける放射線治療と免疫CP阻害薬の相乗効果

 切除不能な局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する化学放射線同時療法の維持治療にデュルバルマブが適応になるなど、放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬との組み合わせは相乗効果をもたらすとされる。しかし、IV期NSCLCにおける放射線治療の意義を明確に示した報告は少ない。埼玉医科大学国際医療センターの山口央氏らは、放射線療法(RT)の治療歴がその後のニボルマブ(抗PD-1抗体)の治療効果や予後に影響を与えるかを後方視的に解析した。Thoracic Cancer誌2019年4月号の掲載報告。 2016年2月~2017年12月に既治療の進行NSCLC患者124例にニボルマブが投与された。この研究では、それらの患者をニボルマブ開始前に何らかの放射線治療歴のある群(RT群)と放射線治療歴のない群(非RT群)に分け比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・124例中RT群は66例(53%)で、脳以外への照射が52例(42%)、胸部への照射は40例(32%)であった。・ニボルマブ治療期間の中央値は4サイクルであった。・ニボルマブ治療全体(124例)の客観的奏効率(ORR)は28.0%、病勢コントロール率(DCR)は58.4%であった。・RT群のORRは36.4%、非RT群は19%で、RT群で有意に高かった。・ニボルマブの治療効果はとくに脳以外に照射歴のある非腺がん患者(59例)および扁平上皮がん患者(38例)で高く、非腺がんのORRは48.3%、DCRは87.1%、扁平上皮がんのORRは52.6%、DCRは84.2%であった。・多変量解析では放射線治療歴と喫煙歴が無増悪生存期間(PFS)の独立した予後因子であった。・脳以外に照射歴のある非腺がん患者(59例)を対象とした予後解析ではRT群は非RT群に比べPFSと全生存期間が有意に延長していた。 RTはニボルマブ治療との相乗効果を示し、進行NSCLC患者のORR、PFSを改善することが確認された。RT治療歴は、ニボルマブの治療効果に関する予後良好因子の1つ考えられる。

19513.

治療抵抗性統合失調症に対するECTの治療反応速度と臨床的有効性

 治療抵抗性統合失調症患者に対する電気けいれん療法(ECT)は、有効であることが示唆されているが、治療反応率、認知機能およびQOLのアウトカムに関するエビデンスは限られている。シンガポール・Institute of Mental HealthのChristopher Yi Wen Chan氏らは、治療抵抗性統合失調症患者を対象とした自然主義的レトロスペクティブコホート研究において、ECTの有効性および治療反応速度について検討を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2019年4月26日号の報告。治療抵抗性統合失調症へのECTで50%が治療反応 レトロスペクティブにデータベース分析を行った。主要な有効性アウトカムは、BPRS精神症状サブスケールに基づき、治療開始前スコアからの40%以上の改善と定義した。分析対象患者は、まずDSM-5で統合失調症と診断され、2016年7月1日~12月1日までに治療抵抗性統合失調症と診断された患者または統合失調症治療のために急性期ECTが開始された患者とした。 治療抵抗性統合失調症患者におけるECTの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・分析対象患者は、入院患者50例であった。・ECT完了後、治療抵抗性統合失調症患者の50%において、BPRS精神症状サブスケールスコアの40%以上減少が認められた。・ETCによる治療反応が認められた治療抵抗性統合失調症患者の割合は、最初の3セッションで16.7%、6セッションで39.3%、9セッションで46.4%、12セッションで50%であった。・BPRSスコアの最も大きな改善は、ECT治療3~6セッション間で認められた。・BPRSスコア、臨床全般印象度(CGI)、認知機能評価(Montreal Cognitive Assessment)、機能の全体的評定(GAF)の有意な改善が認められた。・QOLのアウトカムに有意な差は認められなかった。 著者らは「本研究は、治療抵抗性統合失調症患者における最新の技術を用いて、ECT治療を受けている患者のリアルワールドでの有効性および治療反応率を示している」としている。

19514.

大腸がんの便潜血検査、アスピリンで感度は向上するか/JAMA

 アスピリンは免疫学的便潜血検査(FIT)による進行新生物の検出感度を、とくに男性において改善することが、観察研究で示されている。ドイツ・German Cancer Research CenterのHermann Brenner氏らは、この知見を検証するために、大腸内視鏡検査が予定されている40~80歳の男女を対象に無作為化試験を行った。その結果、FITの前にアスピリンを経口投与しても、進行大腸がんの検出感度は上昇しないことが示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年5月7日号に掲載された。FITは、大腸がんの検出において高い特異度を有するが、多くの大腸がんの前駆病変である進行腺腫(advanced adenoma)の検出能は十分でない。特異度を損なわずに感度を向上させることができれば、大腸がんのスクリーニングにおけるFITの検出能が改善される可能性があるという。2つのカットオフ値の検出感度を評価 本研究は、ドイツの18施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2013年6月~2016年11月の期間に参加者の登録が行われた(ドイツ連邦教育・研究省の助成による)。 対象は、年齢40~80歳、大腸内視鏡検査が予定され、アスピリンおよび他の抗血栓作用を有する薬剤を使用していない集団であった。被験者は、FITのための便検体採取の2日前に、アスピリン300mgを含む錠剤を1錠投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。FITの結果と大腸内視鏡検査所見を比較した。 主要アウトカムは、事前に規定された2つのカットオフ値(10.2および17μg Hb/g便検体)における、定量的なFITによる進行新生物(大腸がん、進行腺腫)の検出感度とした。2つのカットオフ値とも、感度に差はなく、特異度は低い 2,422例(平均年齢59.6[SD 7.9]歳、男性1,219例[50%])が無作為化の対象となり、このうち2,134例(アスピリン群1,075例、プラセボ群1,059例)が解析に含まれた。78%がスクリーニング大腸内視鏡検査、22%は診断的大腸内視鏡検査を受けた。 進行新生物は、224例(10.5%)で同定され、そのうち8例(0.4%)が大腸がんで、216例(10.1%)は進行腺腫であった。 定量的FITのカットオフ値10.2μg Hb/gにおける進行新生物の検出感度は、アスピリン群が40.2%と、プラセボ群の30.4%と比較して有意な差は認めなかった(群間差:9.8%、95%信頼区間[CI]:-3.1~22.2、p=0.14)。また、カットオフ値17μg Hb/gの感度は、それぞれ28.6%、22.5%であり、有意差はなかった(6.0%、-5.7~17.5、p=0.32)。 一方、カットオフ値10.2μg Hb/gの特異度は、アスピリン群が82.2%であり、プラセボ群の88.7%に比べ有意に低く(群間差:-6.4%、95%CI:-9.6~-3.2、p<0.001)、カットオフ値17μg Hb/gではそれぞれ91.7%、94.8%と、有意差が認められた(-3.1%、-5.4~-0.8、p=0.008)。 さらに、定性的な検査では、感度はアスピリン群が有意に高かったものの(34.7% vs.22.0%、群間差:12.7%、95%CI:0.1~24.7、p=0.048)、特異度は有意に低かった(83.8% vs.91.8%、-8.0%、-11.0~-4.9、p<0.001)。陽性適中率(PPV)および陰性適中率(NPV)にも、全体として有意な差はみられなかった。 重篤な有害事象は、アスピリン群で2例(急性虫垂炎、急性腎障害に伴う急性化膿性胆管炎)に発現し、いずれも入院を要したが、試験薬との関連はないと判定された。 著者は、「これまでの観察研究と本試験の結果を併せて考慮すると、アスピリンによるFITの検出能への影響を評価するには、より大規模で高い検出力を有するなど新たな試験研究が必要である。必要なアスピリンの用量、至適な投与時期、便検体の採取法なども重要な検討課題である」としている。

19515.

新生児アトピー予防戦略、ビタミンD補給よりも紫外線曝露

 ビタミンDとアトピー性疾患の関連はさまざまに取り上げられている。オーストラリア・西オーストラリア大学のKristina Rueter氏らは、新生児におけるビタミンD補給による湿疹および免疫能への効果を明らかにするため、二重盲検無作為化プラセボ対照試験を実施。その結果、ビタミンD補給と湿疹罹患率との間に有意な関連はみられなかった。一方で、一部の対象児について行った紫外線曝露量との関連評価(非無作為の探索的解析)から、その曝露量が多い児では湿疹罹患率が低く、炎症誘発性免疫マーカー値が低値であったことを報告した。著者は今回の検討は紫外線量と湿疹罹患率などの関連を初めて明らかにしたものだとしたうえで、「生まれて間もない時期のアレルギー予防策として、紫外線曝露がビタミンD補給よりも有益と思われることを示すものである」とまとめている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌2019年3月号掲載の報告。 試験は西オーストラリア州の州都パース(南緯32度[日本では鹿児島県が北緯32度])で、第一度近親者(両親・兄弟)がアトピー性疾患を有し、37週以降に生まれた生後28日未満の児を集めて行われた。 被験児は、ビタミンD(介入)群(400IU/日)またはプラセボ(ココナッツおよびパーム核油)群に無作為に割り付けられ、生後6ヵ月まで投与が行われた。 また、非無作為に選択した一部の被験児にパーソナルUV線量計を割り当て、生後3ヵ月までの紫外線(290~380nm)曝露量を測定した。 ビタミンDレベルを生後3ヵ月と6ヵ月時点で、湿疹および喘息ならびに免疫機能については6ヵ月時点で評価した。 主な結果は以下のとおり。・2012年10月9日~2017年1月23日の期間に計195例(介入群97例、プラセボ群98例)が参加し、そのうち紫外線曝露量の測定は86例に行われた。・ビタミンD値は、介入群がプラセボ群よりも、生後3ヵ月(p<0.01)、6ヵ月時点(p=0.02)いずれにおいても有意に高値だった。・いずれの評価時点においても、湿疹罹患率に差は認められなかった(3ヵ月:介入群10.0% vs.プラセボ群6.7%、6ヵ月:21.8% vs.19.3%)。・紫外線曝露量が測定された被験児において、湿疹を呈した児は呈さなかった児よりも、紫外線曝露量が有意に少量であった(中央値555J/m2[四分位範囲:322~1,210]vs.998J/m2[676~1,577]、p=0.02)。・また、TLRリガンドを介したサイトカイン(IL-2、GM-CSF、eotaxin)産生と紫外線曝露量に逆相関の関連が認められた。

19516.

IV期NSCLCにおける放射線療法とICIの相乗効果:筆頭著者 山口央氏に聞く 【肺がんインタビュー】 第25回

第25回 IV期NSCLCにおける放射線療法とICIの相乗効果:筆頭著者 山口央氏に聞く お詫び:当コンテンツの表題の一部に誤植がございました。ご迷惑をかけ申し訳ございませんでした。出演:埼玉医科大総合医療センター 呼吸器内科 山口 央氏放射線療法の治療歴が免疫CP阻害薬の治療効果や予後に影響を与えるかを、 IV期非小細胞肺がん(NSCLC)で後方視的に解析した結果が発表された。筆頭著者の埼玉医科大学国際医療センターの山口央氏に研究の背景などについて聞いた。Yamaguchi O, et al.Radiotherapy is an independent prognostic marker of favorable prognosis in non-small cell lung cancer patients after treatment with the immune checkpoint inhibitor, nivolumab. . Thorac Cancer. 2019;10:992-1000.記事本文はこちら

19517.

第12回 呼吸困難 意外に多い呼吸困難の原因とは?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)呼吸数に注目し、帰してはいけない患者を見逃さないようにしよう!2)バイタルサインは必ず普段のADLで評価しよう!3)検査は事前確率に応じて、適切な検査を提出・実施しよう!【症例】70歳男性。来院当日、奥さんと買い物中に呼吸困難を自覚した。途中、近くのベンチで休み症状は改善傾向にあったが、心配となり帰宅途中にかかりつけのクリニックを受診した。原因は何が考えられるか? どのようにアプローチするべきだろうか?●受診時のバイタルサイン意識清明血圧152/98mmHg脈拍100回/分(整)呼吸24回/分SpO295%(RA)体温36.2℃瞳孔3/3mm+/+既往歴高血圧(51歳~)、2型糖尿病(54歳~)内服薬アムロジピン(Ca拮抗薬)、メトホルミン(メトホルミン塩酸塩)「意識障害」の後は、救急外来や一般の外来で出会う頻度の多い主訴のうち、時に重篤な場合がある症候を、順に取り上げていこうと思います。今回は「呼吸困難」です。X線やCT検査をすれば大抵の診断はつきますが、画像で異常が認められない場合やそもそも重症度を見誤り、適切な画像検査を行わず見逃してしまうことがあるため注意が必要です。高齢者の呼吸困難の原因呼吸困難の患者を診たら、(1)心不全などの心疾患、(2)肺炎などの肺疾患、(3)上部消化管出血などの貧血、(4)過換気症候群などの心因性の4つに分類し、考えて対応しています。若年者が急性の呼吸困難を訴えた場合には、気胸や喘息が鑑別の上位にあがりますが、高齢者ではどうでしょうか? 原因は多岐にわたりますが、頻度を考慮し、[1]心不全、[2]肺炎、[3]COPD(慢性閉塞性肺疾患)の急性増悪、[4]肺血栓塞栓症の4つをまずは念頭に鑑別を進めるとよいでしょう1)。初療時の鑑別のポイント:やはり“Hi-Phy-Vi”が大切!細かいことは抜きにして、[1]~[4]の鑑別ポイントを改めて理解しておきましょう。●病歴(History):発症様式に注目!一般的に肺炎やCOPDの急性増悪が突然発症することはありません。数日前、最低でも数時間前から咳嗽や発熱などの症状を認めるはずです。それに対して、後負荷がドカッと上がるびまん性肺水腫を主病態とする心不全や、肺血栓塞栓症は急激な発症様式を呈することが多く、救急外来でもしばしば出会います。真のonsetをきちんと聴取し、いつから症状を認めているのかを正確に把握しましょう。心不全の既往、発作性夜間呼吸困難は、心不全らしい所見であり、既往歴やいつ(就寝中、労作時など)症状を認めるかなども忘れずに聴取しましょう。就寝前までおおむね問題なかった患者が、夜間に突然呼吸が苦しくなった場合には、素直に考えれば肺炎よりも心不全らしいですよね。●身体所見(Physical):左右差に注目!呼吸音、心音、頸部所見(頸静脈怒張の有無)、下肢の浮腫や左右差などの身体所見は、ごく当然にとる必要があることは言うまでもありませんが、発症初期では聴取が難しい、III音は聴く努力をしながらもやっぱり難しいし、足の浮腫もいつからなんだか…など実際の現場では悩ましいことが多いのも事実です。最も簡単な方法は、左右差に注目することです。呼吸音に左右差があれば、肺炎らしく(初期では全吸気時間で聴取:holo crackles)、両側に喘鳴を聴取すれば心不全らしいでしょう。当たり前ですが、何となく聴診していると明らかな喘鳴の聴取は容易でも、わずかな場合や肺炎の初期の副雑音をキャッチできないことは珍しくありません。下腿の浮腫は、両側性の場合には心不全を示唆しますが、左右差を認める場合には、肺血栓塞栓症の原因の大半を占める深部静脈血栓症の存在を示唆します(エコーを当てれば瞬時に判断できます)。Thinker's sign(Dahl's sign)は、呼吸困難を軽減させるための姿勢によって生じた所見であり、慢性の呼吸不全の存在を示唆します2)。気管短縮や呼吸音の減弱、心窩部心尖拍動とともに患者の肘や膝上の皮膚所見も確認する癖を持ちましょう。●バイタルサイン(Vital signs):脈圧に注目!「呼吸困難を訴えるもののSpO2の低下がない」これは逆に危険なサインです。頻呼吸で何とか代償しようとしている、もしくは気道狭窄を示唆し、異物や喉頭蓋炎、アナフィラキシーの可能性を考え対応するようにしましょう。SpO2の低下を認め、[1]~[4]を鑑別する場合には、脈圧がヒントになります。肺炎など感染症が関与している場合には、通常脈圧は開大します。それに対して心機能が低下しているなどアウトプットが低下している場合には、脈圧が低下します。両者が混在する場合や、普段の患者背景にもよりますが、脈圧が低下している場合には、虚血に伴う心不全、submassive以上の肺血栓塞栓症など重篤な病態を早期に見抜く手掛かりになります。呼吸困難患者の脈圧が低下している場合には、早期に心電図を確認することをお勧めします(ST変化などの虚血性変化、洞性頻脈・SIQIIITIIIなどの肺血栓塞栓症らしい所見をチェック)。普段のADLと比較!初療時には酸素を必要としていた患者さんの中には、精査中にoffにすることができる場合があります。そのような場合には安心しがちですが、もう一歩踏み込んでバイタルサインを確認しましょう。ストレッチャー上のバイタルサインではなく、普段と同様のADLの状態でのバイタルサインを評価してほしいのです。本症例の原因は肺血栓塞栓症でしたが、安静時には酸素を要さず、呼吸回数は落ち着いてしまいました。しかし、帰宅前に歩行をしてもらうとSpO2が低下し、呼吸困難症状の再燃を認めたのです。肺血栓塞栓症は、過換気症候群や原因不明として見逃されることがあり、私は普段と同様のADLで(1)他に説明がつかない頻呼吸、(2)他に説明がつかない低酸素、(3)他に説明がつかない頻脈の場合には、疑って精査するように努めています3)。さいごに呼吸困難を訴える患者では、胸部X線、CT検査ですぐに確認したくなりますが、それのみではなかなか確定診断は難しく、また、肺炎と心不全は両者合併することも珍しくありません。D-dimerも役には立ちますが、それのみで肺血栓塞栓症や大動脈解離を診断・除外するものではありません。“Hi-Phy-Vi”を徹底し、鑑別疾患を意識して検査結果をオーダー、解釈することを常に意識しておきましょう。1)Ray P, et al. Crit Care. 2006;10:R82.2)Patel SM, et al. Intern Med. 2011;50:2867-2868.3)坂本壮. 救急外来ただいま診断中!. 中外医学社;2015.p.216-230.

19518.

国内初1日1回経口投与の子宮筋腫症状治療薬「レルミナ錠40mg」【下平博士のDIノート】第25回

国内初1日1回経口投与の子宮筋腫症状治療薬「レルミナ錠40mg」今回は、GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)アンタゴニスト製剤「レルゴリクス錠(商品名:レルミナ錠40mg)」を紹介します。本剤は、フレアアップ現象を生じることなく子宮筋腫に基づく諸症状を改善する国内初の経口薬です。<効能・効果>本剤は、子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月1日より発売されています。また、2021年12月に「子宮内膜症に基づく疼痛の改善」の適応が追加されました。<用法・用量>通常、成人にはレルゴリクスとして40mgを1日1回食前に経口投与します。なお、初回投与は月経周期1~5日目に行います。本剤の投与によって、エストロゲン低下作用に基づく骨塩量の低下がみられることがあるので、6ヵ月を超える投与は原則として行われません。<副作用>国内第III相試験で認められた主な副作用は、不正子宮出血(46.8%)、ほてり(43.0%)、月経異常(15.5%)、頭痛、多汗、骨吸収試験異常(各5%以上)などでした。なお、重大な副作用としてうつ状態(1%未満)、肝機能障害(頻度不明)、狭心症(1%未満)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、下垂体に作用して卵巣からの女性ホルモンの分泌を低下させることで、子宮筋腫に基づく過多月経、下腹痛、腰痛、貧血などの症状を改善します。2.初回は、月経が始まった日から5日目までの間に服用を開始してください。3.食後の服用では薬の効き目が低下するため、食事の30分以上前に服用してください。4.この薬を服用している間はホルモン性避妊薬以外の方法で避妊をしてください。5.長期に使用すると骨塩量が低下することがあるため、日ごろから適度な運動を心がけ、カルシウムやビタミンD、ビタミンKを含む食材を積極的に取りましょう。6.気分が憂鬱になる、悲観的になる、思考力が低下する、眠れないなど、うつ様の症状が現れた場合にはご連絡ください。7.女性ホルモンの低下によって、ほてり、頭痛、多汗などの症状が現れることがあります。症状がつらいときはご相談ください。<Shimo's eyes>従来、子宮筋腫の薬物療法としてGnRHアゴニストであるリュープロレリン酢酸塩(商品名:リュープリン注)やブセレリン酢酸塩(同:スプレキュア皮下注/点鼻液)などが用いられています。GnRHアゴニストは、下垂体前葉にあるGnRH受容体を継続的に刺激することで本受容体を減少させ、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の分泌を抑制させます。投与開始初期にはFSHやLH分泌が一過性に増加するため、不正性器出血や月経症状の増悪などのフレアアップ現象が生じやすいことが知られています。これに対しGnRHアンタゴニスト製剤である本剤は、GnRH受容体を選択的に阻害することでFSHとLHの分泌を抑制します。このため、投与開始初期であってもフレアアップ現象を生じることなく女性ホルモンであるエストラジオールおよびプロゲステロンの産生を低下させます。本剤は1日1回服用の経口薬であり、子宮筋腫に伴う諸症状に悩んでいる患者さんのアドヒアランスとQOLの向上が期待できます。投与に当たっては、妊娠中や授乳中でないかを確認するとともに、服用タイミングなどの指導をしっかり行ってこまめに経過を観察するようにしましょう。※2021年12月の添付文書改訂に伴い、一部内容の修正を行いました。

19519.

消化器がん 海外学会レポート

ASCO-GI、ASCO、ESMOの重要トピックを紹介ASCO-GIASCOESMOASCO-GI2018会員聴講レポート02/02 ASCO-GI2018レポートASCO2019現地シカゴからオンサイトレビュー06/05 ASCO2019現地速報 消化器がん2018現地シカゴからオンサイトレビュー06/04 ASCO2018レポート 現地速報【Upper GI】06/04 ASCO2018レポート 現地速報【Lower GI】会員聴講レポート07/26 ASCO2018レポート 消化器がん(肝胆膵)06/28 ASCO2018レポート 消化器がんESMO2019現地バルセロナからオンサイトレビュー10/02 ESMO2019レポート現地速報 消化器がん2018現地ミュンヘンからオンサイトレビュー10/23 ESMO2018レポート現地速報 消化器がん会員聴講レポート11/26 ESMO2018レポート 消化器がん

19520.

第9回 高齢者糖尿病の薬物療法(総論、SU薬)【高齢者糖尿病診療のコツ】

第9回 高齢者糖尿病の薬物療法(総論、SU薬)Q1 低血糖リスクを考慮した薬剤選択の原則について教えてください高齢者の糖尿病治療では、まずは患者ごとに適正な血糖コントロール目標値を設定することが重要です(第4回参照)。そのうえで、低血糖リスクを考慮しつつ各薬剤をどのように使い分けるか、考え方を以下にご紹介します。DPP-4阻害薬は、単独では低血糖リスクがきわめて低く、腎障害があっても使用できる薬剤があります。またSU薬に加えることで、SU薬の減薬や中止をする際に非常に有用です。また、同じインクレチン関連薬であるGLP-1受容体作動薬の使用も考慮されることがあります。フレイルの高齢者で、SU薬以外の内服薬±GLP-1受容体作動薬が、SU薬やインスリンを中心とした場合に比べ低血糖の発症が1/5になったというデータもあります(図)1)。画像を拡大するメトホルミンは高齢者で唯一投与できるビグアナイド薬です。高齢者でもメトホルミンの使用は心血管疾患、死亡のリスクを減らし、サルコペニア、フレイルなどへの好影響を及ぼすという報告があります。したがって、海外のガイドラインでは高齢者でもメトホルミンは第一選択薬とされており、低血糖リスクを考慮すると、DPP-4阻害薬とともに高齢者でまず選択すべき薬剤の1つとなります。メトホルミンはeGFR 30mL/分/1.73m2以上を確認して使用します(第10回、Q1で詳述)。DPP-4阻害薬、メトホルミンでも血糖コントロールが不良の場合には、少量のSU薬、SGLT2阻害薬、グリニド薬、αグルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)、チアゾリジン薬のいずれかを選択します。SU薬は高用量で投与すると低血糖の重大なリスクとなるため、SU薬使用者では血糖コントロール目標値に下限値が設けられています(第6回参照)。したがって、SU薬はなるべく使わず、使用したとしても少量の使用にとどめることにしています。グリクラジドで20mg(できれば10mg)/日、グリメピリドで0.5mg(できれば0.25mg)/日以下にとどめます。肥満がなくインスリン分泌が軽度低下している場合、少量のSU薬が血糖コントロールに有用なケースもあります。この場合の投与量は空腹時血糖が低血糖にならないレベルに設定するべきであり、可能であればCGM(Continuous Glucose Monitoring)を行って、夜間・空腹時低血糖がないことを確認することが望まれます。なお、グリニド薬はSU薬に比べ重症低血糖のリスクは少ないものの、やはり注意が必要です。α‐GIは腸閉塞など腹部症状のリスクがあり、開腹歴のある患者では使用を控えます。チアゾリジン薬は浮腫・心不全、またとくに女性において骨折のリスクが知られており、心不全患者には投与しないようにします。女性では少量(たとえば7.5 mg)から開始し、慎重に投与します。Q2 SU薬の減量と他剤への切り替えのポイントは?SU薬は腎排泄なので、腎機能低下例(eGFR<45mL/分/1.73m2)では減量、 eGFR<30では原則中止して、DPP-4阻害薬などの他剤へ切り替えます。しかし、SU薬をDPP-4阻害薬にいきなり切り替えると高血糖になることが少なくありません。そのため、まずはSU薬の用量を半分に減らし、DPP-4阻害薬を追加することをおすすめします。さらに、腎機能低下が軽度にとどまる場合は、メトホルミン、また肥満・インスリン抵抗性が疑われる場合はSGLT2阻害薬へ切り替えるケースもありますが、それぞれ第10回で後述する注意点があります。このほか、グリニド薬、α‐GI、チアゾリジン薬などのいずれかを追加することで、徐々にSU薬を減らしていくといいと思います。しかし、これらの薬剤のアドヒアランス低下がある場合や使用できない場合は、DPP-4阻害薬をGLP-1受容体作動薬に変更するとうまくいく場合があります(第10回、Q3)。食事量にムラがある場合は、インスリン分泌に影響のある薬剤を投与すると低血糖を起こしやすいため、やはりDPP-4阻害薬を中心としたレジメンとなります。また、中等度以上の認知症で食事量が不規則な場合、体重減少が著しい場合、HbA1c値が目標下限値を下回った場合(たとえばHbA1c 6.0%未満または6.5%未満)には低血糖リスクが高い薬剤から減薬を試みます。1)Heller SR, et al. Diabetes Obes Metab. 2018;20:148-156.

検索結果 合計:36088件 表示位置:19501 - 19520