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初回エピソード統合失調症に対するコンピューター化認知機能改善療法~ランダム化比較試験

 統合失調症患者は、社会的機能低下に関連する認知機能障害を呈する。コンピューター化された認知機能改善療法は、慢性期統合失調症の認知機能と機能障害の両方に対する改善効果が知られているが、これらのアプローチを統合失調症の初期段階に用いた場合の効果については、あまり知られていない。スペイン・Universidad Miguel HernandezのLorena Garcia-Fernandez氏らは、初回エピソード統合失調症患者を対象にコンピューター化認知機能改善療法の効果について検証を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2019年9月7日号の報告。 特定のプログラムを受けている初回エピソード統合失調症患者86例を対象に、REHACOMのコンピューター化認知機能改善療法群またはアクティブ対照群(2回/週、24の1時間セッション)にランダムに割り付けた。臨床的特徴、認知機能および機能障害について、ベースライン時、治療介入後、介入完了6ヵ月後に評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・認知機能改善療法群36例、対照群50例が割り付けられた。・全体として神経認知機能および機能障害の有意な改善が認められ、治療介入後およびフォローアップ後で、両群間に差は認められなかった。・社会認知を除くすべての認知機能領域において、研究期間中にSD範囲0.5~1程度の改善が認められた。 著者らは「初回エピソード統合失調症外来患者に対するREHACOMのコンピューター化認知機能改善療法は、対照群と比較し、認知機能と機能障害の改善に効果的であることは証明されていない」としている。

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第30回 異常Q波の厳しいオキテ~存在=異常なんてある?~【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第30回:異常Q波の厳しいオキテ~存在=異常なんてある?~胸痛あってのST変化や動悸ありきの不整脈…典型的な症状とともに心電図所見が出るだけだったら、世の中の“見逃し”は今よりもずっと少ないでしょう。患者さんは無症状であっても、時に心電図が強烈なメッセージを放っている場合があります。それをいかに“受信”できるか、それは系統的判読以外では難しいと思います。今回は「Q波」に関するそんな一例をDr.ヒロがレクチャーします!症例提示83歳、女性。両側膝関節置換術の既往あり(70歳時)。現在は骨粗鬆症と胃炎にて内服加療中。最近、物忘れや言動のつじつまが時折合わないことを心配した家族とともに認知症の専門外来を受診した。諸検査よりアルツハイマー型認知症が疑われ、投薬開始に伴って以下のようなコンサルトがあった。『今後、コリンエステラーゼ阻害剤を用いた治療を検討していますが、初診時検査の一環として施行した心電図にて異常を認めました。循環器科への受診指示がありました。心機能評価ほか貴科的御高診下さい』実際の心電図を示す(図1)。(図1)外来受診時の心電図画像を拡大する【問題1】心電図所見として正しいものを選べ。1)異所性心房調律2)左軸偏位3)軽度ST-T変化4)左室高電位5)PR(Q)延長解答はこちら3)解説はこちら今回は抗認知症薬による治療が検討されている高齢女性です。こんな状況で心電図、心疾患が関係してくるって意外ですが、実に興味深いです。1問目では、“お決まり”の心電図所見を問うています。「系統的判読」ですよ、もちろんね(第1回)。1)×:型通り“レーサー(R3)・チェック”をして下さい。R-R間隔は整、心拍数は新・検脈法で60/分(従来法でも同値)(第29回)、そして調律は“イチニエフの法則”ですね。バッチリこれを満たすので、「異所性心房調律」ではなく、サイナス(洞調律)です。2)×:電気軸はI、aVF(またはII)誘導のQRS波の向きがポイント。今回はI、II、aVFすべて上向きですから、自信を持って「正常軸」と言いましょう。具体的な角度は“ちょいムズ”ですが、うまく工夫すると「+40°」までは迫れます*1。3)○:「ST-T部分」は“スタート”のチェックですね。V4~V6では、1mmに満たずとも、わずかに基線(T-P/T-QRS/Q-Qライン)よりST部分が低下しているように見えます。また、T波に関してもI、aVLは陰性、V3~V6でも陰性部分がありそう(二相性かな)です。両者“合わせ技”で「軽度*2ST-T変化」として指摘できます。4)×:V4ではR波が上に向かって“つんざく”勢いですが、V5、V6はおとなしめで「左室高電位」には該当しません。5)×:「PR(Q)部分」は“バランスよし!”の(波形同士の)“バランス”でチェックします。P波とQRS波との距離は、“くっつき過ぎず離れ過ぎない”の適度な距離感が大事で「120~200ms(0.12~0.20秒)」が正常と考えて下さい。1mm四方の目盛りで言ったら“3~5目盛り”以内-今回はその範囲ですから「PR(Q)間隔」はセーフです。*1:III誘導のQRS波が“わずかに上向き”と“わずかに下向き”とが混在して少し難しい。III誘導が“トントン”と考えて「+30°」でも悪くないが、その先の「-aVL」との間で“III寄り”が“トントン・ポイント”なら「+40°」で自動計測値(43度)にも近くなる。*2:「軽微な」という表現が用いられることも。【問題2】[A]自動診断は「軽度ST-T異常」となっているが、心電図診断はそれのみで良いか? 約9年前の心電図(図2)も参照して述べよ。[B]心エコーでは大きな異常はなかった。コンサルト返答のため、必要な追加検査はどうか。血清Creは1.17mg/dLであった。(図2)約9年前の心電図画像を拡大する解答はこちら[A]V2(V3)誘導の「異常Q波」[B]核医学(RI)検査、心臓MRI検査など解説はこちら心電図(図1)の右上部分のコメント欄は、『ST変化あり。循環器対診をご検討ください』となっています。前問で取り上げたように、ST変化は確かにあります。「軽度」と書いてありますね。しかし、注目すべきはそこでしょうか? 実はST-T変化以外に大事な所見が隠れており、それを問題[A]で問うています。過去の心電図を横において“間違い探し”の要領で異常を探しましょう。また問題[B]では、心精査についてです。“どこまでやるか”は医師個人や病院設備にも依存しますが、心エコーで左心機能に異常がない、との評価でも心電図から深い洞察ができる好例として取り上げてみました。“抗認知症薬と心疾患”いろいろな疾患に精通した先生方に笑われてしまいそうですが、正直、いきなり「コリンエステラーゼ阻害薬」とか言われると、浅学なボクは一瞬「んっ?」ってなります(笑)。えーっと、代表的な薬剤を一般名で言いますと、ドネペジル(商品名:アリセプト)、ガランタミン(同:レミニール)、リバスチグミン(同:リバスタッチ、イクセロン)の3種類になりましょうか。しかし、認知症でなぜ心臓病?…って思う方はいませんか?循環器医をしていると、実は今回のような相談は一度や二度ではありません。普段、あまり意識されずに使われているケースも目にしますが、代表的な抗認知症薬であるコリンエステラーゼ阻害薬は、時に心臓に悪さをする可能性があります。キーワードは「コリン作動性」。これは、心臓に関しては迷走神経機能を亢進させ、QT延長効果も相まって、心室不整脈(心室頻拍・細動)や徐脈性不整脈を惹起すると添付文書にも記載されています。ですから、こうした状況で大事なポイントは、おおむね次の3つです。■コリンエステラーゼ阻害薬の投与前に注意せよ!■(1)器質的心疾患(2)電解質異常(3)抗不整脈薬の使用(2)と(3)は催不整脈性に関連しますが、今回の患者さんにはなく(1)が問題となるわけです。“安静時ST低下は虚血じゃない”コンサルティ*3の先生は、『ST-T変化→何か背景に心疾患があるのかも?』と考えたのではないでしょうか(心電図判読医による勧めもあるでしょうが)。心電図(図1)に軽微ながら「ST-T変化」が見られるのは事実です。ただ…さかのぼること1年前、Dr.ヒロは言いました。「安静時に見られるST低下はほとんど(心筋)虚血じゃない!」と。「左室肥大」や「脚ブロック」に伴うニ次性変化を除けば、安静時に認められるST変化は非特異的所見なことが圧倒的に多いのです。今回もそうですが、無症状*4の場合はなおさらです。もっとも大きな原因は、ズバリ「非特異的変化」。とくに心疾患とリンクするわけでもなく、“あっても別に病的意義はない”っていうニュアンスでしょうか。とりわけ中高年女性に多い所見です。ですから、心疾患の既往も思わせぶりな自覚症状もないのであれば、このST-T変化を掘り下げても通常は何も出てきません。注目すべき点は別にあります。*3:コンサルト「した」側。*4:術前心電図の回(第13回)に述べた「心疾患の“5大症状”」のうち、動悸、息切れ、胸痛の3つがとくに大事。“どうなら「異常Q波」?”たまたま、この方には約9年前にとられた心電図(図2)が残っていました。「正常範囲」とされた図2と今回の図1の両者を比べてみてください。注目すべきは胸部誘導。確かにST部分やT波の様相もだいぶ変化しています。ただ、ボクが今回述べたいのはV1~V3誘導についてです。過去に比べてV1、V2誘導のR波がゴソッと削げています。よく見ないとわかりませんが、V2誘導は陰性波から始まっているのです(図3赤矢印)。しかも、通常はV1→V2→V3となるに従ってR(r)波は“徐々に伸びる”ものですが(R波増高:R-wave progression)、なんだかV2で凹んでいるのもオカシイです。この2点に気づけたヒトは鋭い! ボクは普段“スパイク・チェック”のR波の高さをチェックする際、“高すぎ・低すぎ”をチェックする以外に、このV1~V3誘導のR波の増高過程が正常かも確認することを推奨しています*5*5:異常な場合、「R波の増高不良」という所見になること多し。(図3)図1よりV1~V3誘導のみ抜粋画像を拡大するQRS波が陰性波からはじまる場合、それを「Q(q)波」というのでしたね(第17回)。この「Q(q)波」ですが、“異常”なものに関しては心筋梗塞をはじめ、壊死した心筋巣を反映する意味で重要でした。今回はV1~V3誘導に限って扱いますが、この3つの誘導については、「Q(q)波」は“ある”、つまり「存在」だけでアウトです。どんなに幅が狭くても、深さが浅くても、“any Q(q)”、つまりあったら常に異常だということ。これが今回、ボクが最も言いたかったことです。今回はラッキーなことに過去の心電図がありましたが、仮になくても同じく異常を指摘できないといけません。“正常QRS波の成り立ちを考えよ”「なぜ?」と思われる方も多いかもしれません。それには心室内を電気が流れる順番の理解が必要です。房室結節を越えた電気は、直下のヒス束から左右の「脚」へと続き、心室中隔を下行していきますが、両者は同時ではなく、左脚の興奮がわずかに先行します*6。正常だと電気は0.1秒(100ms)以内に心室の隅々にまで行き渡りますが、ごく初期(20ms)の時間帯には左脚から右脚に向かう、矢印で描くと「左→右」のような流れとなります(図4)。心電図の世界では、観察点に電気・興奮が向かってくるときに陽性(上向き)の波として描かれるルールを思い出しましょう。心臓の真ん中より右側にあるV1~V3誘導は“右”前胸部誘導と呼ばれ、心室中隔の初期興奮を迎え入れることになるため、QRS波は陽性波(R[r]波)からスタートするはずです。(図4)心室中隔の電気の流れ[等時相マップ]と胸部誘導波形画像を拡大するちなみに、反対に心臓を左側から眺めるI、aVL、V5、V6誘導(イチ・エル・ゴロク)などでは、逆にQRS波が小さな陰性波から始まり、その部分は「中隔性q波」と呼ばれます。今回は、だいぶはしょりましたが、この辺を詳しく知りたい方は拙著*7をどうぞ(笑)。*6:下手過ぎてダジャレにもなりませんが、ボクは「左脚が先」と覚えています(“「さ」つながり”)。*7:心電図のみかた、考え方[基礎編](中外医学社)のp.246~251を参照。“どこの心筋梗塞でしょう?”どうやら異常はV1~V3誘導あたりにありそうです。仮に心筋梗塞が昔起きていた場合、病変はどこにあるのでしょうか? それを探るには、胸部誘導の各電極の位置と対応する左室壁について説明した回(第17回)、を見返してみましょう(図5)。(図5)胸部誘導と両心室の位置関係(再掲)画像を拡大するR波が削げてもQ波にはなっていないので、V1誘導の担当する「(心室)中隔」はセーフです。しかし、V2、V3は小さいながら“異常”なQ波ということになります。こうした隣接2誘導で異常Q波があることは、梗塞(壊死)を示唆する有意な条件の一つであり、左室「前壁」にその可能性があるわけです。よく見るとV3誘導に関しては、以前から「q波」があるようですが、V2誘導は新しく生じた異常Q波。やはり、一部であっても左室「前壁」に心筋梗塞が起きたと考えるべきだと思います。以上から中隔よりの狭い範囲かもしれませんが、「陳旧性前壁心筋梗塞」を疑わせる心電図になるわけです。大丈夫そうに見えて、一気に心疾患の“黄信号”が点滅し出したのです。“事の顛末とコンサルト返答”最後に問題2に関する必要な追加検査を述べて終わります。心筋梗塞などの虚血性心疾患を疑ったとして、80歳以上で膝に人工関節の入った人に運動負荷心電図は難しいですよね? トレッドミル検査はいわんや、マスター階段試験もはばかられます。しかも、今回のように軽度でも既存のST-T変化がある場合、偽陽性が出やすいことも知っておくべきです。さらに腎機能も悪いときたら…残りは核医学(RI:radio-isotope)検査かMRIですよね。共にある程度以上の病院でないとできない検査ですから、代わりに十分な補液などを行って腎機能に配慮し、冠動脈造影CT検査などがなされるかもしれません。この辺のアレンジは担当医の裁量でしょう。実際には、アデノシン三リン酸(ATP)を静注して行う薬剤負荷シンチグラフィ検査が行われました。結果は、可逆性のある誘発性虚血はなく、一部ながら「陳旧性前壁梗塞」の所見がありました。駆出率(LVEF)は60%強と保持されていましたが、上記検査による評価では左室前壁の壁運動は低下していました。そうです、恐れていた器質的心疾患がこの女性にはあるのです! あくまでも「過去」の話で、患者さんは今現在に何の症状も訴えないのですが。で、でも見つけたぞ、“幽霊の正体”を(笑)。梗塞範囲が比較的小さかったためか、あるいは単純な見落としかは不明ですが、エコーでは異常が検出されていませんでした(検者や読影者にもよるでしょう)。しかし、RI結果の“真実”を心電図は実に見事に教えてくれています(実はエコーの検者にも心電図の読みが問われています)。その“ささやき”を受信できるか、かつて“星の王子さま”に例えましたが、今回も同じです(第10回)。最終的な返答として、以下のようでどうでしょうか?『20XX年の心電図と比較すると、前・側胸部誘導のST-T変化に加えてV1、V2誘導のR波減高(V2誘導は新出の異常Q波)を認めます。過去に胸痛イベントはなかったようですが、RI検査でも陳旧性前壁梗塞に合致する所見でした。したがって、不整脈(徐脈・頻脈性ともに)などに注意しながらコリンエステラーゼ阻害剤を使用してゆくべきだと思います』今回は“クルッと”の“ク”で、いの一番にチェックすべきV1~V3誘導の異常Q波について扱いました。“ある時点で即アウト”の厳しいオキテ、非常に大事なのでよく復習しておきましょうね。では、また!Take-home Message安静時ST-T変化は非特異的所見なことが多し~症状や臨床背景を加味しようV1~V3誘導はQ(q)波があれば「必ず」異常!前壁誘導(V1~V4)のうち隣り合う2つで異常Q波があったら陳旧性心筋梗塞を疑うべし!【古都のこと~百代通いの悲恋伝説~】随心院は小野小町と縁が深いことでも知られます。仁明天皇の崩御に伴い、宮仕えの職を辞した後、小町は山科小野と呼ばれるこの地に隠棲し、境内の一角に残る「化粧井戸(けわいのいど)の水で毎日“メイク”をしたそうです。小野小町のイメージといえば、六歌仙*1よりも“美女”という皆さんも多いのでは? 小町は800年代の前半に容貌秀絶の名を欲しいままにしたとされ、実際に貴公子たちから彼女宛に送られた数多くの“ラブレター”が埋められた文塚も残っています。ところで、この今風で言う“恋多き美人歌手”に心ときめいてしまった深草少将(ふかくさのしょうしょう)の「百夜通い(ももよがよい)」の伝説*2を知っていますか? ご存じの方はかなりのツウと見ました! 実際、この悲しい純愛ラブストーリーは後年「通小町(かよいこまち)」として能でも演じられているそうです(一度は見に行かなきゃ!)。また、現在でも3月末に行われる“はねず*3踊り”は、この伝説をモチーフにしており、カワイイ娘さんのいる方なら、一度は見に行って「小町絵馬」と「美心御守」も一緒にゲットしたいものですね。個人的には、いつぞや人気となった『電車男』よりも、“happy ending”でない深草少将の話のほうがジーンときます。現代風にアレンジしたら、どんなキャストになるのかなぁと、勝手に“監督面”してニヤケるDr.ヒロなのでした(笑)*1:「花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」など小町は哀愁に富み情熱的な夢の歌を多く残したのはご存じの通り。*2:募る思いを胸に深草から求愛にやって来た少将を鬱陶しく思った小町は、「私のもとへ百夜通い続けたら、晴れて契りを結びましょう」と告げる。この大人の“塩対応”に気づかぬピュア少将は、「あなたの心が解けるまで幾夜でも参ります」と発言する。小町は門前の榧(かや)の実を取って日を数えたそう。ただ、通いつめて九十九夜目の雪の夜、病と寒さで少将は息絶える。小町はこれを悔い、晩年一つ足りない“榧の実リング”を地に播いたとされ、かつては99本の榧の木があったとされる。書院内で榧の切り株や実際のものとされる木の実も見ることができる。*3:随心院には有名な小野梅園がある。“はねず”とは梅の白みがかった薄紅色のこと。

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初回エピソードうつ病患者における発症年齢と皮質の厚さとの関連

 以前の研究で、早期発症成人うつ病(EOD)患者と遅発性成人うつ病(LOD)患者では、脳灰白質の体積変化に違いがあることが示唆されていた。中国・昆明医科大学のZonglin Shen氏らは、皮質の厚さ(CT)がうつ病の発症年齢の影響を受けるかについて検討を行った。Neuroreport誌オンライン版2019年9月9日号の報告。 EOD患者54例、LOD患者58例、若者対照群57例、高齢対照群58例の高解像度MRI画像より検討を行った。うつ病の重症度は、ハミルトンうつ病評価尺度17項目(HDRS17)を用いて評価した。患者のCTと臨床スコアとの関連について分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・診断における主要な影響は、左吻側前帯状皮質(rACC)、右下側頭回、右外側部前頭眼窩野(lOFC)、両側脳梁周において有意に認められた。・rACCおよび両側尾側前帯状皮質(cACC)において、CTに対する発症年齢の影響が顕著に認められた。・診断による発症年齢の相互作用の影響は、両側rACCおよび右lOFCで認められた。・EOD患者では、若者対照群と比較し、両側rACCにおけるCTの萎縮が観察された。・LOD患者では、高齢対照群と比較し、lOFCにおけるCTの肥大が観察された。・EOD患者では、LOD患者と比較し、右cACCおよび後帯状皮質(PCC)において皮質の萎縮が認められた。・右cACCまたはPCCと症状重症度または罹病期間との間に有意な関連は認められなかった。 著者らは「うつ病患者は、発症年齢が異なると、CT変化に明確な違いが生じており、EODとLODの病理学的メカニズムが異なる可能性が示唆された」としている。

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心臓再同期療法における左室の逆リモデリングと長期予後【Dr.河田pick up】

 心臓再同期療法(CRT)が有効とされる主な機序は、左室逆リモデリングおよび左室収縮期径の縮小である。MADIT-CRT(Multicenter Automatic Defibrillator Implantation Trial With Cardiac Resynchronization Therapy)試験は、軽度の心不全(NYHA I-II、LVEF<30%、QRS≧130ms)を有する心筋症患者において、CRTの有効性を調べた研究であり、2011年に発表された。その結果により、CRTの適応が拡大された経緯がある。今回、米国・ロチェスター大学のValentina Kutyifa氏ら研究グループがMADIT-CRTの長期フォローのデータを用い、CRTにおける左室収縮末期容量の改善および死亡への影響、その関係性は左脚ブロック(LBBB)において影響があるのかどうかを検証した。JACC-EP誌2019年9月号に掲載。左室収縮末期容量の変化をLBBB/非LBBBで層別解析 CRTを導入した患者において、左室逆リモデリングの検出は、予後の予測に有用であることが示されているが、どの程度、長期の生存率に貢献しているかは不明である。そこで研究グループは、MADIT-CRTに登録されたデータのうち、CRT-Dの植込みを受け、かつ1年後の心エコーによるフォローを受けた752例について、左室収縮末期容量の変化についてLBBB群/非LBBB群で層別解析を行い、長期の全死亡率と関連付けると共に、植込み型除細動器 (ICD)のみのケース(684例)と比較した。左脚ブロック患者では左室逆リモデリングが長期予後の改善に関連 LBBB群では、左室収縮末期容量の減少が35%(平均中央値)以上の場合、ICDのみの患者と比べ、長期死亡リスク(ハザード比[HR]:0.34、p<0.001)、心不全イベント(HR:0.21、p<0.001)、心不全もしくは死亡(HR:0.27、p<0.001)がいずれも減少していた。また、左室収縮末期容量の減少が35%以下の場合、ICD例と比べ、心不全リスクおよび死亡リスクがいずれも有意に減少したが、死亡率に関しては、減少したものの有意なレベルではなかった。左室収縮末期容量の減少は、その程度に関わらず、心不全イベントのリスクの低下がみられた。一方、非LBBB群では、左室収縮末期容量が平均値よりも減少していたにも関わらず(27.6%>)、生存率の改善は認められなかった(HR:0.68、p=0.271)。また、非LBBB群のCRT-D例では、逆リモデリングは最小で(第1四分位)、ICD例と比べ死亡リスクが3倍以上も高かった。非左脚ブロックでも逆リモデリングが認められたが、予後の改善は見られず LBBB群のCRT-D例では、1年後のフォロー時において、左室収縮末期容量の減少は、長期予後の改善と関連していた。一方、非LBBB群では、左室逆リモデリングが認められたにもかかわらず、CRT-D例では生存率の改善はみられず、予後不良となるケースすらあった。こうした結果から筆者らは、CRT-D植込み後の軽度心不全において、左室逆リモデリングについての評価は簡易で有用であると結論付けている。(Oregon Heart and Vascular Institute 河田 宏)

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糖尿病診療ガイドライン2019を公開~日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:門脇 孝)は、『糖尿病診療ガイドライン2019』を発行し、同会のホームページ上で公開を始めた。 糖尿病診療ガイドラインは、エビデンスに基づく糖尿病診療の推進と糖尿病診療の均てん化を目的に3年ごとに改訂されて、今回の第6版が最新版となる。糖尿病診療ガイドライン2019はCQ・Q方式を踏襲し、付録も充実 糖尿病診療ガイドライン2019の記載方式は2016年版と同様に「CQ・Q方式」とし、推奨グレードも策定委員の投票で決定し、合意率も記載されている。また、今般では、CQ・Qの各項目を適宜見直すとともに、必要に応じ新たなCQ・Qを設定している。 糖尿病診療ガイドライン2019の内容としては、新しい文献をできうる限り引用し、これらの知見を取り上げているほか、付録としてわが国における大規模臨床試験「J-DOIT 1〜3」「JDCP study」「J-DREAMS」を紹介している。とくに食事療法に関しては、従来の標準体重の代わりに目標体重という概念を取り入れ、より個々の症例に対応可能な柔軟な食事療法が示されている。もちろん日本動脈硬化学会や日本高血圧学会の最新のガイドラインを参考に、これらとの齟齬がないような改訂が行われている。糖尿病診療ガイドライン2019は21項目で詳細に診療方針を記載 糖尿病診療ガイドライン2019は「糖尿病診断の指針」から始まり、「糖尿病治療の目標と指針」「食事療法」「運動療法」「血糖降下薬による治療(インスリンを除く)」など大きく21項目に分け、その中にCQまたはQ、その両方が記載される構成である。 たとえば、「血糖降下薬による治療(インスリンを除く)」のQ5-1「血糖降下薬の適応はどう考えるべきか?」に対し、ステートメントとして2項目が詳細に説明されている。 糖尿病診療ガイドライン2019の策定に関する委員会では、「このガイドラインがわが国での糖尿病診療の向上に貢献することを期待するとともに、さらに発展を続けていくことを願っている」と糖尿病診療への活用に期待を寄せている。 詳しくは、同学会のホームページを参照されたい。また、糖尿病診療ガイドライン2019の書籍については10月中旬に南江堂より発刊される予定。

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ロミプロスチム、化学療法誘発性血小板減少症を改善/JCO

 米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのGerald A. Soff氏らは、化学療法誘発性血小板減少症を伴う固形がん患者を対象に、ロミプロスチム投与群と経過観察群を比較する無作為化第II相臨床試験を行い、ロミプロスチムは化学療法誘発性血小板減少症の改善に有効であることを明らかにした。化学療法誘発性血小板減少症は、がん治療の遅延または縮小につながるが、これまでに承認された治療法はない。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年9月23日号掲載の報告。 研究グループは、化学療法を遅延または減量しても血小板数が4週間以上10万/μL未満の患者23例を、ロミプロスチム群(目標血小板数10万/μL以上とし、毎週用量を漸増)または対照群(通常ケアでモニタリング)に無作為に割り付けた。その後、37例をロミプロスチム単独群として治療した。 主要評価項目は3週間以内の血小板数の改善、副次評価項目は化学療法誘発性血小板減少症の再発を伴わない化学療法の再開とした。 主な結果は以下のとおり。・登録時の平均血小板数は6万2,000/μLであった。・無作為化試験期において、ロミプロスチム群では15例中14例(93%)が3週間以内に血小板数の改善を認めたのに対し、対照群では8例中1例(12.5%)であった(p<0.001)。・ロミプロスチムで治療されたすべての患者(52例)は、治療2週時で平均血小板数が14万1,000/μLであった。・対照群8例では、治療3週時で平均血小板数が5万7,000/μLであった。・ロミプロスチムにより血小板数が改善した44例は、ロミプロスチム毎週投与の併用により化学療法を再開した。・化学療法誘発性血小板減少症のため、再び化学療法の遅延または減量に至った患者は3例(6.8%)であった。

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術前療法で残存病変のあるHER2+早期乳がん、術後T-DM1による末梢神経障害・血小板減少症・CNS再発(KATHERINE)/ESMO2019

 トラスツズマブを含む術前化学療法で浸潤がんの残存がみられたHER2陽性早期乳がんに対する術後補助療法としてT-DM1(トラスツズマブ エムタンシン)の効果をトラスツズマブと比較したKATHERINE試験において、末梢神経障害、血小板減少症、中枢神経系(CNS)再発に関する詳細な分析結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)でドイツ・Helios Klinikum Berlin BuchのMichael Untch氏より報告された。T-DM1による末梢神経障害に関して、ベースライン時の末梢神経障害が持続期間と消失率に影響する可能性があるが発現率には影響せず、術前化学療法でのタキサン製剤の種類は発現率に影響しないことがわかった。 KATHERINE試験は、HER2陽性早期乳がん1,486例を対象とした国際多施設無作為化オープンラベル第III相試験で、術後補助療法としてT-DM1(3.6mg/kg静注、3週ごと)またはトラスツズマブ(6mg/kg静注、3週ごと)を14サイクル投与した。本試験の結果は、2018年のサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2018)で、T-DM1がトラスツズマブに比べ無浸潤疾患生存期間(IDFS)を有意に改善したことが報告されているが、T-DM1群で末梢神経障害および血小板減少症が高率に発現し、最初のIDFSイベントとしてCNS再発率も高かった。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の末梢神経障害に関係なく、T-DM1群で末梢神経障害の発現率が高かった(ベースライン時に神経障害あり:T-DM1群36.3%、トラスツズマブ群17.5%、ベースライン時に神経障害なし:T-DM1群31.1%、トラスツズマブ群16.8%)。・ベースライン時に末梢神経障害があると末梢神経障害発現期間の中央値が大きく、消失率が低かった(ベースライン時に神経障害あり:352~337日、66.0~63.6%、ベースライン時に神経障害なし:243~232日、81.2~82.5%)。・術前化学療法でのタキサン製剤の種類により、末梢神経障害の発現率に差はなかった(ドセタキセル:T-DM1群32.1%、トラスツズマブ群17.8%、パクリタキセル:T-DM1群31.8%、トラスツズマブ群16.6%)。・術前化学療法でプラチナ製剤が投与されていた場合、T-DM1群で血小板減少症の発現率が高かった(T-DM1群36%、トラスツズマブ群27%)が、Grade3~4の血小板減少症における発現期間中央値(33日、29日)と消失率(95%、96%)はプラチナ製剤の投与の有無で差はなかった。・T-DM1群における最初のIDFSイベントとしてのCNS再発率は高かったが、全CNS再発率は同等であった。・T-DM1群のほうがCNS無再発期間の中央値が大きく(T-DM1群17.5ヵ月、トラスツズマブ群11.9ヵ月)、CNS再発後の全生存期間は両群に差はなかった(ハザード比:1.07、95%信頼区間:0.60~1.91)

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HIV感染妊婦、結核のイソニアジド予防療法開始は出産後に/NEJM

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染し抗レトロウイルス療法を受けている妊婦において、結核予防のためのイソニアジド療法の開始時期は、出産後に比べて妊娠中のほうが、リスクが大きいと思われることが示された。米国・ジョンズ・ホプキンズ大学のAmita Gupta氏らが、イソニアジド予防療法の開始時期を検証した多施設共同二重盲検プラセボ対照非劣性試験「IMPAACT P1078 TB APPRISE試験」の結果を報告した。抗レトロウイルス療法を受けているHIV感染妊婦の結核予防を目的とした、イソニアジド療法の安全性、有効性および適切なタイミングに関しては明らかになっていなかった。NEJM誌2019年10月3日号掲載の報告。イソニアジドの開始を、妊娠中(即時群)と産後3ヵ月時(遅延群)とで比較 研究グループは、18歳以上で妊娠14~34週のHIV感染妊婦を、妊娠中にイソニアジド予防療法を開始する即時群と、分娩後12週時点で開始する遅延群のいずれかに無作為に割り付けた。即時群では、イソニアジド(1日300mg)を試験参加時から登録後28週間毎日経口投与し、その後は分娩後40週までプラセボを投与した。遅延群では、試験参加時から分娩後12週までプラセボを投与し、その後の28週間イソニアジド(1日300mg)を毎日投与した。母親と乳児を、分娩後48週まで追跡した。 主要評価項目は、母親におけるGrade3以上の治療関連有害事象と、有害事象による治療レジメンの永続的中止の複合エンドポイントであった。非劣性マージンは、イベント発生率の群間差の95%信頼区間(CI)上限が5件/100人年未満とし、intention-to-treat解析を行った。 2014年8月~2016年4月の期間で計956例が登録された。有害妊娠アウトカムの発生が即時群で高率 主要評価項目のイベントは、即時群で477例中72例15.1%、遅延群で479例中73例15.2%に発生した。発生率はそれぞれ15.03件/100人年および14.93件/100人年で、発生率の群間差は0.10(95%CI:-4.77~4.98)であり、非劣性基準を満たしたことが確認された。 死亡は、即時群2例、遅延群4例であった(発生率は0.40/100人年、0.78/100人年、群間差:-0.39、95%CI:-1.33~0.56)。死亡はすべて出産後に起こり、4例は肝不全(うち2例[各群1例]はイソニアジドによる肝不全)が原因であった。結核は6例(各群3例)で確認され、発症率は即時群0.60/100人年、遅延群0.59/100人年であった(群間差:0.01、95%CI:-0.94~0.96)。有害妊娠アウトカムに含まれるイベント(死産または自然流産、低出生体重児、早産、乳児の先天異常)の発生率は、即時群が遅延群より高値であった(23.6% vs.17.0%、群間差:6.7ポイント[95%CI:0.8~11.9])。 なお著者は、妊娠初期の女性を除外したこと、器官形成に関するイソニアジドの影響を評価していなかったこと、最近結核に曝露した女性を除外したことなどを挙げて、研究結果は限定的であるとしている。

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コントロール不良の喘息、トリプル吸入療法が有効/Lancet

 コントロール不良の喘息患者において、吸入ステロイド(ICS)+長時間作用性β2刺激薬(LABA)への長時間作用性抗コリン薬(LAMA)追加併用療法は、肺機能を改善し喘息増悪の発生を減少することが示された。ドイツ・ロストック大学のJohann Christian Virchow氏らが、ICS(ベクロメタゾンプロピオン酸エステル:BDP)、LABA(ホルモテロールフマル酸塩水和物:FF)、LAMA(グリコピロニウム:G)の3成分の極細粒子を、1つの吸入デバイスに配合した吸入剤の有効性および安全性を検証した2件の第III相無作為化二重盲検実薬対照比較試験、「TRIMARAN試験」および「TRIGGER試験」の結果を報告した。これまで、喘息に対する単一吸入器によるトリプル吸入療法の有効性は明らかになっていなかった。Lancet誌オンライン版2019年9月30日号掲載の報告。ICS/LABA/LAMAとICS/LABAを比較 TRIMARAN試験は16ヵ国171施設、TRIGGER試験は17ヵ国221施設で実施された。対象は、前年に1回以上の喘息増悪の既往を有し、ICS(TRIMARAN試験:中用量、TRIGGER試験:高用量)+LABAによる治療歴があるコントロール不良の成人(18~75歳)喘息患者とした。当初2週間、BDP/FF(TRIMARAN試験:BDP 100μg/FF 6μg、TRIGGER試験:BDP 200μg/FF 6μg)を投与した後、国で層別化し、次のように割り付け検討した。 TRIMARAN試験では、2016年2月17日~2018年5月17日の間に1,155例を3剤併用群(BDP 100μg/FF 6μg/G 10μg、579例)または2剤併用群(BDP 100μg/FF 6μg、576例)に1対1の割合で無作為に割り付け、1回2吸入を1日2回、52週間投与した。 TRIGGER試験では、2016年4月6日~2018年5月28日に1,437例を、3剤併用群(BDP 200μg/FF 6μg/G 10μg、573例)、2剤併用群(BDP 200μg/FF 6μg、576例)(以上2群は二重盲検下、1回2吸入を1日2回)、または非盲検下の2剤(BDP 200μg/FF 6μg、1回2吸入を1日2回)+チオトロピウム(2.5μg、1回2吸入を1日1回)群(288例)に2対2対1の割合で無作為に割り付け、52週間投与した。 両試験(3剤併用群と2剤併用群の比較)の主要評価項目は2つで、26週時点の投与前1秒量(FEV1)と52週間の中等度~重度の増悪発生率とした。トリプル吸入療法で中等度~重度の増悪発生率が減少 3剤併用群は2剤併用群と比較し、26週時点の投与前FEV1がTRIMARAN試験で57mL(95%信頼区間[CI]:15~99、p=0.0080)、TRIGGER試験で73mL(95%CI:26~120、p=0.0025)改善した。 52週間の中等度~重度の増悪発生率は、TRIMARAN試験15%(率比:0.85、95%CI:0.73~0.99、p=0.033)、TRIGGER試験12%(率比:0.88、95%CI:0.75~1.03、p=0.11)の減少を認めた。 TRIMARAN試験で3剤併用群の1例、TRIGGER試験で3剤併用群の1例および2剤併用群の2例、計4例に治療に関連した重篤な有害事象が発現した。また、TRIMARAN試験の3剤併用群3例と、TRIGGER試験の2例(3剤併用群1例、2剤併用群1例)は有害事象により死亡したが、治療に関連した死亡は確認されなかった。

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ALK陽性肺がんの脳転移例に特化したセリチニブの臨床効果(ASCEND-7)/ESMO2019

 脳転移は、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(ALK陽性NSCLC)の30~50%に発生し、予後も不良である。第2世代ALK-TKIセリチニブは、ALK陽性NSCLCの脳転移病変に対する抗腫瘍活性が報告されている。そのような中、脳転移のあるALK陽性NSCLCのみを対象に、セリチニブの抗腫瘍活性を評価する第II相多施設オープンラベル試験ASCEND-7が行われ、その結果を、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)において、ワシントン大学のLaura QM Chaw氏が発表した。・対象:進行性の脳and/or髄膜転移を有するALK融合遺伝子陽性NSCLC(PS0~2)・試験群: ARM1:脳照射あり、ALKi投与あり(n=42) ARM2:脳照射なし、ALKi投与あり(n=40) ARM3:脳照射あり、ALKi投与なし(n=12) ARM4:脳照射なし、ALKi投与なし(n=44) ARM5:髄膜がん腫症(n=18) 各群ともセリチニブ750mg/日(空腹時服用)を28日ごとに投与された。当発表では、ARM1~4の解析について報告された。・評価項目: [主要評価項目]全身の奏効率(ORR) [副次評価項目]治験担当医評価による全身のDCR;脳内/脳外のORR、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DOR);全身のDOR、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、薬物動態(PK)など 主な結果は以下のとおり。・全身ORRはARM1 35.7%、ARM2 30.0%、ARM3 50.0%、ARM4 59.1%であった。・全身DCRはARM1 66.7%、ARM2 82.5%、ARM3 66.7%、ARM4 70.5%であった。・全身DORはARM1 10.8ヵ月、ARM2 12.8ヵ月、ARM3 NE、ARM4 9.2ヵ月であった。・全身PFSはARM1 7.2ヵ月、ARM2 5.6ヵ月、ARM3 NE、ARM4 7.9ヵ月であった。・脳内ORRはARM1 39.3%、ARM2 27.6%、ARM3 28.6%、ARM4 51.5%であった。・脳内DCRはARM1 75.0%、ARM2 82.8%、ARM3 85.7%、ARM4 75.8%であった。・有害事象は従来の報告と同様であった。 セリチニブは、脳転移に対する、高く持続的な効果を、すべてのARMで示したが、その効果はとくにALKi未投与患者でより高かった。 Discussantであるオランダ・Maastricht UMCのLizza Hendriks氏は、当試験のセリチニブの用法は750mg空腹時投与だが、薬物動態から考え、現在の用法である450mg食後投与でも同様の脳転移への結果が期待できるであろうと述べた。

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腰を引っ張る【Dr. 中島の 新・徒然草】(293)

二百九十三の段 腰を引っ張る60代の女性、事の発端は右下腿背側の痺れでした。少し前から転倒しやすくなったそうです。近くの医療機関を受診し、腰椎MRIが撮影されました。その結果、「これは腰やない。脳から来とるんや」ということで当科を受診したのです。原因が脳か脊髄か末梢神経か、というのはいつも悩まされるところです。私は運動障害+感覚障害がある場合、多くは脊髄か末梢神経と考えています。もちろん、例外もあります。視床出血なら、脳病変でありながら運動障害+感覚障害を来します。でも、視床出血なら半身全部の運動・感覚が障害されてしまいます。下腿背側だけ、というのは見たことがありません。この患者さんの場合は、運動障害+感覚障害のパターンです。ということは、脊髄か末梢神経だと思われました。そこで、以前(第285の段)にも述べた腰引っ張りのワザで確認してみることにしました。実はこの数週間、腰引っ張りのワザにも色々な改良を加えていたのです。脇に手を入れて引っ張る代わりに、下から肘を引っ張り上げるようにしました。こうすると患者さんも楽、私も楽、しかも腰がうまく伸びます。中島「どうですか、腰が伸びましたか?」患者「伸びました。気持ちいい!」中島「じゃあ歩いてみましょう。きっと良くなっていますよ」患者「うーん、どうだかなあ。そう言われればそんな気も」中島「良くなっているに決まっていますよ」なんたる誘導尋問!中島「信じる者は救われる。足が軽くなったでしょう!」患者「軽くなったような、なってないような」中島「痺れも取れたんじゃないですか?」患者「そうですかねえ」どうも効果のほどはもう一つ、といった感じです。中島「おかしいなあ。腰だと思ったんだけど」そう呟きながら、電子カルテを書いていた時です。患者「来たあ。また痺れてきた!」さっきまで伸びていた腰が元に戻って、痺れの再来。これこそ動かぬ証拠。中島「ということは、原因は脳やなくて腰ですね」患者「でもMRIでは腰じゃないと言われたんですけど」中島「MRIは単なる目安ですよ」腰を引っ張ったら良くなった。しばらくしたら元に戻った。それで十分では?中島「じゃあ、僕の知っている腰名人に診てもらいましょう」患者「腰名人がいるのですか?」中島「〇〇病院の△△先生です。さっそく紹介状を書きましょう」患者「是非お願いします」ということで、紹介状を書きました。右下腿背側の感覚障害と、おそらくは運動障害もありそうなこと。人力で腰を引っ張ったら症状が改善し、しばらくしたら悪化したこと。なので、L5またはS1の神経根の症状だと推測すること。待つこと数日間。外側陥凹症候群:L4/5椎間高位での椎間板突出に伴う外側陥凹の狭窄という診断が名人から返ってきました。どうやら私の診断は間違っていなかったようです。レベルはちょっと外したかも。いかにも怪しい人力腰椎引っ張りの術。結構いい身体診察法だと私は思っています。機会を見つけて、ビジュアルな形で読者の皆様に披露しましょう。色々あったところで最後に1句人力で 腰を伸ばせば 気持ちいい!

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第29回 PPIの胃酸分泌抑制作用はどのくらい差があるのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 H2ブロッカーやプロトンポンプ阻害薬(PPI)などの胃酸分泌抑制薬にはさまざまな製品がありますが、なかでもPPIのボノプラザンはとりわけ強力な胃酸分泌抑制作用を有していることで知られています。インタビューフォームには、既存のPPIよりも塩基性が高く胃壁細胞に高濃度に長時間残存して酵素活性を阻害すること、作用発現が早いこと、代謝酵素の遺伝子多型に影響されないことなどの特徴が記載されています1)。ピロリ菌の除菌率の高さからも処方頻度が増えていますので、今回はそのボノプラザンの効果の程度と注意点について紹介します。効果については、エソメプラゾール、ラベプラゾールと胃酸分泌抑制作用を比較した研究があります2)。CYP2C19に遺伝子変異のない成人男性ボランティア20名における胃酸分泌抑制作用を評価したオープンラベルのクロスオーバーランダム化比較試験で、比較1としてボノプラザン20mgとエソメプラゾール20mg、比較2としてボノプラザン20mgとラベプラゾール10mgをそれぞれ1日1回7日間服用してpH holding time ratio(pH HTR:酸分泌抑制作用の指標となる胃内pHを一定以上に保つ時間の割合)や胃内平均pHの上昇を検討しています。胃酸分泌抑制作用は1日目と7日目の両時点ともにボノプラザンが有意に優れており、とくに7日目のpH4 HTRは比較1ではボノプラザン群85.8%に対してエソメプラゾール群61.2%と24.6%の差で、比較2ではボノプラザン群93.8%に対してラベプラゾール群65.1%と28.8%の差がありました。1~7日目の24時間pH4 HTRは、ボノプラザン群>0.8、ラベプラゾール群0.393、エソメプラゾール群0.370で、大ざっぱに捉えると胃酸分泌抑制作用はボノプラザン>ラベプラゾール≒エソメプラゾールなのかなという印象です。論文には胃内pHの変動グラフが掲載されていますが、ボノプラザンでは胃内pHが塩基性領域に入っている時間帯すらあり、胃酸分泌抑制作用の強さには目を見張ります。忍容性はいずれの薬剤も良好で、ボノプラザン群では発疹による中止が1例ありましたが中止後に回復しています。ただし、潰瘍や出血の予防といった臨床的なエンドポイントを設定した研究ではないことは念のため付言しておきます。pH上昇により併用薬の吸収や溶解性が低下する場合も注意点としては、ボノプラザンに限った話ではありませんが、胃内pHを変動させる薬剤はしばしば添付文書にはない間接的な相互作用を招く恐れがあること。薬剤師として留意しておきたい点です。まして、pHの変動幅が大きい薬剤であればなおさらです。胃内pH上昇によって、分子型・イオン型の比率の変化や薬の溶解性・胃内容排出速度の変化が生じることがあります。前者の例としては、胃内pHが上昇することでイオン型が多くなる弱酸性薬剤の溶解性が低下し、消化管吸収が落ちるとする報告があります3)。具体的には、バルビツール酸類、フェニトイン、プロプラノロール、プロベネシド、ワルファリン、レボドパ、カルビドパなどが該当します。ちなみに、パーキンソン病患者にレボドパを投与する際にレモン汁によって酸を補充して胃内pHを低下させることで、血中レボドパ濃度の改善が認められたという報告もあります4)。後者の例としては、胃内pH上昇により溶解性が低下するイトラコナゾール5)、チロシンキナーゼ阻害薬(ゲフィチニブ、エルロチニブなど)が該当します6)。ボノプラザンなどの作用時間の長いPPIは、日内で服用タイミングをずらしても相互作用を回避できるものではありません。抗がん剤使用時は胃酸分泌抑制薬が必須となるケースもあるため、相互作用を許容して併用するケースもありますが、こうした可能性を踏まえて効果の程度を類推できるとよいと思います。服用タイミングをずらした場合の影響などは患者さんからの頻出質問だと思いますので、メカニズムを理解して説明できるようにしておきたいものです。1)ボノプラザンフマル酸塩錠インタビューフォーム2)Sakurai Y, et al. Aliment Pharmacol Ther. 2015;42:719-730.3)Mitra A, et al. Mol Pharm. 2013;10:3970-3979.4)Yazawa I, et al. Rinsho Shinkeigaku. 1994;34:264-266.5)Jaruratanasirikul S, et al. Eur J Clin Pharmacol. 1998;54:159-161.6)Zenke Y, et al. Clin Lung Cancer. 2016;17:412-418.

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統合失調症患者に対する長時間作用型抗精神病薬治療と機能的および臨床的寛解との関連

 機能的寛解は、統合失調症の主要な治療目標となってきたが、良好なアウトカムの割合は、15~51%の範囲で大きなばらつきがある。また、臨床的寛解が機能的寛解の前提条件であるかについてもよくわかっていない。フランス・パリ大学のPhilip Gorwood氏らは、急性期エピソード後に長時間作用型持効性注射剤(LAI)による治療を開始した統合失調症患者の機能的および臨床的寛解との関連性を評価するため、プロスペクティブ観察研究を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2019年9月7日号の報告。 対象は、急性期エピソード後にLAI抗精神病薬による治療を開始したフランスの統合失調症患者。機能的および臨床的寛解を、FROGSおよびAndreasen基準を用いて評価し、臨床的寛解の役割および機能的寛解の予測因子について評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者(DSM-IV診断基準)303例を対象に、12ヵ月間フォローアップを行った。・12ヵ月間で、機能的寛解が認められた患者は45.1%、臨床的寛解が認められた患者は55.1%であった。・臨床的寛解により、機能的寛解の促進が認められた(OR:14.74)。とくに、5年未満の統合失調症患者では顕著であった(OR:23.73)。・その他の予測因子として、家族環境、教育レベル、雇用状況、ベースライン時の機能レベルおよび病識と関連が認められた。 著者らは「LAI治療を行った統合失調症患者の約半数において、1年間のフォローアップ後に機能的寛解が認められた。臨床症状の軽減および臨床的寛解の達成は、主に機能的寛解と関連が認められた。これらの結果から、機能的寛解を達成し、リカバリーの機会を最大化するためには、継続的かつ適切な対症療法が重要であると考えられる」としている。

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日本人アレルギー性喘息に対するダニ舌下免疫療法の安全性

 ダニアレルゲン舌下免疫療法(HDM SLIT)は、コントロール不良のアレルギー性喘息に対し、有効かつ安全であることが、これまでに欧州で確認されている。 今回、田中 明彦氏(昭和大学医学部内科学講座 呼吸器・アレルギー内科部門 講師)らは、日本人を対象に、最大19ヵ月にわたるHDM SLITの有効性と安全性を評価した。その結果、成人アレルギー性喘息患者において、HDM SLITは良好な安全性プロファイルを示した。The journal of allergy and clinical immunology:In practice誌2019年9月18日号に掲載。 本研究は、18~64歳のアレルギー性喘息患者を対象に行われた無作為化二重盲検プラセボ対照試験。患者はSQ HDM SLITタブレットの1万JAU群、2万JAU群、またはプラセボ群にランダムに割り付けられた。被験者の喘息コントロール質問票のスコアは1.0~1.5であり、無作為化時には、フルチカゾン プロピオン酸エステル200~400μg(吸入ステロイド:ICS)を毎日吸入していた。 主要評価項目は、無作為化からICSの投与量を減らしていき、最初の喘息増悪までの期間とした。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された826例のうち、693例(84%)が試験を完了した。・主要評価項目または他の有効性評価項目において、治療群とプラセボ群の間に統計学的有意差は認められなかった。・事後解析において、ベースライン期間中に短時間作用性β2刺激薬を使用していた被験者では、2万JAU群とプラセボ群の間に有意差が示された(ハザード比:0.70、 95%信頼区間:0.48~1.00、p=0.04997)。・死亡やアナフィラキシー反応の報告はなく、ほとんどの有害事象は軽度~中等度だった。 これらの結果について、研究グループは「日本人の成人アレルギー性喘息患者に対するSQ HDM SLITタブレットによる治療は、良好な安全性プロファイルを示した。この治療は、発作治療薬を必要とする患者に有効だと思われる」と結論付けている。

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ドセタキセル+ADTがmHSPCのOSを延長(STAMPEDE試験)/ESMO2019

 転移を有するホルモン療法未治療の前立腺がん(mHSPC)患者に対する、ドセタキセル(DTX)とアンドロゲン除去療法(ADT)の併用療法の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、英国・Queen Elizabeth Hospital のNick James氏より発表された。 本試験(STAMPEDE試験)は前立腺がんを対象に、10群(A~L群)のアームを持ち、1万人以上の症例が登録される国際共同臨床試験である。既にmHSPCの1次治療としてDTX+ADTのOS改善報告がある。今回は2005年10月~2013年3月に登録のあった、A群(ADT群)とC群(DTX群)との長期追跡の結果と、高腫瘍量/低腫瘍量ごとの解析である。・試験群:DTX+ADT(DTX群:362例)・対照群:ADT(ADT群:724例)・評価項目: [主要評価項目]全生存期間(OS) [副次的評価項目]治療成功期間(FFS)、無増悪生存期間(PFS)、前立腺がん特異的生存期間(PCSS)、転移無増悪生存期間(MPFS) 高腫瘍量/低腫瘍量の判定はCHAARTED試験のカテゴリー(高腫瘍量:内臓転移ありまたは骨転移4ヵ所以上でそのうち少なくとも1ヵ所以上は脊椎・骨盤以外の転移)を使用した。 主な結果は以下のとおり。・CHAARTED試験カテゴリーの低腫瘍量に該当する患者はADT群33%、DTX群34%、高腫瘍量に該当する患者はそれぞれ44%と41%だった。・追跡期間中央値6.5年における全症例を対象にしたDTX群対ADT群のOSハザード比(HR)は0.81(95%信頼区間[CI]:0.69~0.95)、p=0.009と有意にDTX群が良好であった。5年OS率はADT群37%、DTX群49%であった。・同様にDTX群対ADT群のFFSは、HR0.66(95%CI:0.57~0.76)、p<0.001と有意にDTX群が良好であった。また、5年FFS率はADT群13%、DTX群21%であった。・低腫瘍量の患者におけるOSのHRは0.76(95%CI:0.54~1.07)、p=0.107で、5年OS率はADT群57%、DTX群72%であった。また、高腫瘍量の患者におけるOSのHRは0.81(95%CI:0.64~1.02)、p=0.064で、5年OS率はADT群24%、DTX群34%であった。・全症例と低腫瘍量症例と高腫瘍量症例の間で、ドセタキセルのOSに対する効果に差異はみられなかった(p=0.827)。・その他、同様にFFS、PFS、PCSSについても、全症例と低腫瘍量症例と高腫瘍量症例の間でドセタキセルのOSに対する効果に差異はみられなかった。・薬剤投与1年未満に発現したGrade3の有害事象の発現は、ADT群21%、DTX群29%、Garde4は3%と13%、Grade5は両群ともに1%未満であった。さらに投与1年間以降に発現した有害事象は、Grade3がADT群24%、DTX群25%、Grade4は3%と2%、Grade5は1%未満と0%であった。

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ペムブロリズマブ、既治療TN乳がんへの単剤投与は?(KEYNOTE-119)/ESMO2019

 局所進行/転移を有するトリプルネガティブ乳がん(mTNBC)患者に対する、2~3次治療としてのペムブロリズマブ単剤療法は、化学療法単剤と比較して生存期間を有意に改善しなかった。しかし、PD-L1発現レベルが上昇するにつれてペムブロリズマブによる治療効果が高まる傾向が確認されている。スペインで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、スペイン・Vall d'Hebron Institute of OncologyのJavier Cortes氏が第III相無作為化非盲検試験KEYNOTE-119の結果を発表した。・対象:1~2レジメンの全身化学療法(アントラサイクリン系および/またはタキサン系薬剤を含む)を受け、最新の治療でPDとなったmTNBC患者・試験群:以下の2群に1対1の割合で無作為に割り付けペムブロリズマブ群:ペムブロリズマブ(200mgを3週ごと、最大35サイクル) 312例化学療法群:治験担当医師が選択した化学療法(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、ビノレルビン) 310例・評価項目: [主要評価項目]PD-L1陽性患者(CPS ≧10およびCPS ≧1)における全生存期間(OS)、全患者におけるOS [副次評価項目]全患者における無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、安全性・忍容性。追加の副次評価項目として、全患者およびPD-L1陽性患者(CPS ≧10/CPS ≧1)における奏効持続期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)が加えられた [探索的解析]PD-L1陽性患者におけるCPSの追加的なカットポイントでのOS、PFS、ORR、DOR 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時点での治療歴は、1ラインの患者がペムブロリズマブ群で59.9%、化学療法群で60.3%を占めた。PD-L1発現状況は、CPS ≧1が65.1% vs.65.2%、CPS ≧10が30.8% vs.31.6%、CPS ≧20が18.3% vs.16.8%であった。・化学療法の内訳は、エリブリン53.9%、カペシタビン27.4%、ビノレルビン13.9%、ゲムシタビン4.8%であった。・2019年4月11日のデータカットオフ時点で、追跡期間中央値はペムブロリズマブ群で9.9ヵ月、化学療法群で10.9ヵ月。・OS中央値は、CPS≧1の患者でペムブロリズマブ群10.7ヵ月 vs. 化学療法群10.2ヵ月(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.69~1.06、p=0.073)、CPS≧10の患者で12.7ヵ月 vs. 11.6ヵ月(HR:0.78、95%CI:0.57~1.06、p=0.057)とペムブロリズマブ群での有意な改善はみられなかった。全患者では9.9ヵ月 vs. 10.8ヵ月(HR:0.97、95%CI:0.82~1.15)、探索的解析項目のCPS≧20の患者では、14.9ヵ月 vs. 12.5ヵ月(HR:0.58、95%CI:0.38~0.88)であった。・PFS中央値は、全患者で2.1ヵ月 vs. 3.3ヵ月(HR:1.60、95%CI:1.33~1.92)、CPS≧1の患者で2.1ヵ月 vs. 3.1ヵ月(HR:1.35、95%CI:1.08~1.68)、CPS≧10の患者で2.1ヵ月 vs. 3.4ヵ月(HR:1.14、95%CI:0.82~1.59)、CPS≧20の患者で3.4ヵ月 vs. 2.4ヵ月(HR:0.76、95%CI:0.49~1.18)であった。・ORRは、CPS≧1の患者で12.3% vs. 9.4%、CPS≧10の患者で17.7% vs. 9.2%、CPS≧20の患者で26.3% vs. 11.5%であった。・DOR中央値は、CPS≧1の患者で12.2ヵ月vs. 6.5ヵ月、CPS≧10の患者でNR vs. 7.1ヵ月、CPS≧20の患者でNR vs. 7.1ヵ月で、全体としてペムブロリズマブ群で長い傾向がみられた。・Grade3以上の有害事象は、ペンブロリズマブ34.6% vs.化学療法群49.0%。治療中止や用量調整につながる有害事象の発生は、ペンブロリズマブ群で低かった。Grade3以上の免疫関連有害事象は3.2% vs.1.0%で、死亡例は確認されていない。

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高リスクPCI施行患者の出血、チカグレロル単独vs.DAPT/NEJM

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた出血・虚血イベントリスクの高い患者において、術後3ヵ月間チカグレロル+アスピリンの併用投与後、チカグレロル単剤投与への変更は併用投与継続の場合と比べて、死亡・心筋梗塞・脳卒中のリスクを上昇することなく臨床的に重大な出血リスクを有意に低下することが示された。米国・マウントサイナイ医科大学のRoxana Mehran氏らが行ったプラセボ対照二重盲検無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月26日号で発表された。これまでP2Y12阻害薬を早期に中断して抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)の期間を最短とするアプローチについて、いくつかの試験が行われていたが、概して低リスクの患者が対象で虚血イベントに関する検出力が不足していた。研究グループは、アスピリン投与期間を短縮することで、とくに消化器毒性についてのアスピリンに関連した出血リスクを回避でき、P2Y12阻害薬の効力を長期に受けられる可能性があるとの仮説を立て検討を行った。BARC出血基準タイプ2、3、5の発生リスクを比較 研究グループは、11ヵ国187ヵ所の医療機関を通じ、PCIで薬剤溶出ステントを1ヵ所以上に埋設し、担当医がチカグレロル+アスピリン療法下で退院させることを予定していた、出血または虚血イベントリスクが高い患者を対象に試験を行った。 PCIを施行しチカグレロル+アスピリンを3ヵ月投与した後、大出血イベントまたは虚血イベントのなかった患者を無作為に2群に分け、両群にチカグレロルを継続したまま、一方にはアスピリンを、もう一方にはプラセボを、いずれも1年間併用投与した。 主要エンドポイントは、BARC出血基準タイプ2、3、5の出血とした。また、全死因死亡・非致死的心筋梗塞・脳卒中の複合エンドポイントについても評価。非劣性マージンは絶対差1.6ポイントとした。チカグレロル単剤投与群でBARC出血基準2、3、5発症リスクは0.56倍に  2015年7月~2017年12月に9,006例が試験に登録され、そのうち3ヵ月後に無作為化を受けたのは7,119例(intention-to-treat集団)だった。平均年齢は65歳、女性が23.8%、糖尿病を有していたのは36.8%で、64.8%が急性冠症候群によるPCI施行であった(29.8%が非ST上昇型心筋梗塞)。無作為化後1年間の服薬アドヒアランスはチカグレロル+アスピリン(併用)群、チカグレロル+プラセボ(単剤)群で同等だった(85.9% vs.87.1%)。 無作為化から1年間の主要エンドポイントの発生率は、単剤群4.0%、併用群7.1%で(ハザード比[HR]:0.56、95%信頼区間[CI]:0.45~0.68、p<0.001)、群間差は-3.08ポイント(95%CI:-4.15~-2.01)だった。BARC出血基準タイプ3または5の発生リスクの群間差も同様だった(発生率は単剤群1.0%、併用群2.0%、HR:0.49[95%CI:0.33~0.74])。 全死因死亡・非致死的心筋梗塞・脳卒中の複合エンドポイント発生率は、両群ともに3.9%だった(群間差:-0.06ポイント[95%CI:-0.97~0.84]、HR:0.99[95%CI:0.78~1.25]、非劣性のp<0.001)。■「DAPT」関連記事ステント留置後のDAPT投与期間、1ヵ月は12ヵ月より有効?/JAMA

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卵巣がん、導入・維持療法でのveliparib投与でPFS延長/NEJM

 StageIIIまたはIVの高悪性度漿液性卵巣がんに対し、導入化学療法としてカルボプラチン+パクリタキセル+veliparibを行い、その後に維持療法としてveliparib単独療法を行うレジメンが、カルボプラチン+パクリタキセルの導入化学療法のみの場合と比べて、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長することが示された。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのRobert L. Coleman氏らが、北米・日本などの患者1,140例を対象に行った第III相の国際共同プラセボ対照無作為化比較試験の結果を、NEJM誌オンライン版2019年9月28日号に発表した。高悪性度漿液性卵巣がん患者の初回治療として、veliparibのようなADPリボースポリメラーゼ阻害薬を化学療法への上乗せや維持療法として使用することに関して、データは限定的であった。BRCA変異コホート、HRDコホート、ITT集団で解析  研究グループは、StageIIIまたはIVの高悪性度漿液性卵巣がんで未治療の患者において、veliparibをファーストライン導入化学療法のカルボプラチン+パクリタキセルに上乗せし、続いて単独維持療法として使用する場合の有効性を評価した。 被験者を無作為に1対1対1の3群に分け、1群にはカルボプラチン+パクリタキセル+プラセボ投与後に維持療法としてプラセボを投与(対照群)、2群にはカルボプラチン+パクリタキセル+veliparib投与後に維持療法としてプラセボを投与(veliparib導入療法併用のみ群)、3群にはカルボプラチン+パクリタキセル+veliparib投与後に維持療法としてveliparibを投与した(veliparib導入・維持使用群)。 腫瘍縮小術は、試験治療開始前または同治療3サイクル後に実施可能とした。いずれの試験治療も導入化学療法は6サイクル、維持療法は30サイクル行った。 主要エンドポイントは、対照群と比較したveliparib導入・維持使用群の試験担当者評価によるPFSだった。BRCA変異コホート、相同組み換え修復異常(HRD)コホート(BRCA変異コホートを含む)、intention-to-treat(ITT)集団について、段階的に解析を行った。PFS中央値、各コホート解析でveliparib導入・維持使用群が有意に延長 2015年7月~2017年7月に合計1,140例が無作為化を受けた(対照群375例、veliparib導入療法併用のみ群383例、veliparib導入・維持使用群382例)。BRCA変異コホートには298例(26%)が、HRDコホートには627例(55%)が包含された。 BRCA変異コホートにおいて、PFS中央値はveliparib導入・維持使用群34.7ヵ月、対照群22.0ヵ月だった(病勢進行または死亡に関するハザード比:0.44、95%信頼区間[CI]:0.28~0.68、p<0.001)。HRDコホートでは、それぞれ31.9ヵ月、20.5ヵ月だった(0.57、0.43~0.76、p<0.001)。ITT集団では、それぞれ23.5ヵ月、17.3ヵ月だった(0.68、0.56~0.83、p<0.001)。 veliparib使用群では、カルボプラチン+パクリタキセルと併用時に貧血や血小板減少症の発現頻度が高く、全体的に悪心、疲労の発現頻度が高かった。 なお著者は、「veliparib導入療法のみ併用群の有用性については明らかではなかった」と述べている。

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資産づくりで結果を出す人だけが知る「3つの心掛け」【医師のためのお金の話】第25回

資産づくりで結果を出す人だけが知る「3つの心掛け」こんにちは。自由気ままな整形外科医です。医師として研鑽することと、資産づくりで結果を出すことの要諦は共通しています。それはすなわち「たくさん行動してたくさん経験を積む」です。ただでさえ忙しい医療の現場で、医師の本業であるはずの「研究して論文を書く」ことでさえ、ハードルが高いですよね。いわんや本業とは関係のない資産づくりで結果を出すとなると、何から手を付けてよいのかさえわからない、という方が多いのではないでしょうか?経済的自由に到達できるほど、資産づくりで結果を出すことは簡単ではありません。配偶者に丸投げし、資産づくりについて考えないようにしている、という方もいるでしょう。その気持ちもよくわかりますが、運を天に任せていても結果が出ないことは、自明の理です。そんな悩める先生方に、私が資産づくりで心掛けていることをお伝えします。心掛け(1) 寝る最初にお伝えするのは「寝る」ことです。はぁ? いきなり何を言っているんだコイツは! と怒った方もいるかもしれません。でも、私は大真面目に「寝る」ことが大事だと思っています。では、具体的に「寝る」とはどういうことでしょうか?医療の現場同様に、資産づくりにおいても「何をやってもうまくいかずにトラブルが連発する」ことがあります。トラブル→精神的に追い詰められる→判断が甘くなる→さらなるトラブルを引き起こす、という負のサイクルに陥るのです。医療は健康、資産づくりはお金という、人生でも上位にくる重要なものを扱うにあたって資産づくり、精神的に追い詰められ判断が甘くなることは致命的なダメージです。このような雲行きの怪しい状況になったら、まずは「寝る」。短時間でも寝ることで、頭の中のモヤモヤ感をリセットし、疲れた頭をリフレッシュさせるのです。そして、寝ることの利点はこれだけではありません。寝ることで、追い詰められた状況をいったん忘れることも重要な効用です。寝ただけでは状況を完全に忘れることはないでしょうが、精神的な圧迫感がなくなることはよくあります。「あれ、なぜあんなに悩んでいたのだろう?」という感覚になるのです。心掛け(2) とにかく最後までやってみる論文作成と同様に、資産づくりにおいても完了するまでに膨大な時間を費やしがちです。何らかの勉強や手続きが億劫になってしまい、いつまでたっても始められない経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか? かくいう私もそのうちの一人で、本稿を書く時期をズルズルと先送りしてきました(笑)。しかし、それではいつまでたっても進歩がありません。内容が稚拙であったとしても、形だけでも最後まで仕上げてしまうことが肝要です。たとえば、株式投資を始める場合を考えてみましょう。通常は、関連書籍やインターネットで情報を収集して基礎知識を身に付けてから、証券会社に口座を開設するというステップを踏むでしょう。しかし、初めて投資に接する人にとっては、本もインターネットも知らない用語だらけなので情報収集が遅々として進みません。この段階で嫌になって挫折してしまう人が多いでしょう。ここで踏みとどまって、まずは証券会社に口座を開設して資金を振り込んでしまいましょう。あとは「習うよりも慣れよ」です。用語や仕組みの理解が多少あやふやでも、痛い目に遭いながら経験を積み重ねていくのです。このように、最初の段階は100点満点中10点でも、とにかく形だけ最後まで仕上げてしまえば合格です。とても人に見せられるシロモノではない論文でも、あやふやな投資の知識でも、とにかく一度最後までやり切ることで、全体を俯瞰する能力を獲得できます。この「全体を見渡せる状態に到達する」ことが重要であり、高いレベルの考察をする足掛かりとなります。最初は10点でも全体を俯瞰することで、どんどん知識がブラッシュアップされ、獲得できる点数が上がっていくのです。心掛け(3) 悩みを話す最後にお伝えしたい心掛けは、「問題が発生したときに一人で抱え込まない」ことです。臨床や研究同様に、資産づくりでも新しいことをするたびに壁にぶち当たります。専門性・個別性が高いので、「他人に話しても仕方がない」と考えがちです。もちろん、まったくの門外漢に話しても仕方がないのですが、臨床や研究であれば医師仲間、資産づくりに関することなら身近にいる投資家に悩みを打ち明けることが、問題解決の糸口になることが多いのです。この場合、「他人から正解を教えてもらう」というよりも、相談する過程で自分の考えがまとまり、思わぬ解決策を思いつく、ということが多いのです。悩みを打ち明けることで気持ちがラクになる副次的効果もあるので、他人に悩みを話すことはお勧めです。重要なのは「枝葉の知識」ではないここまで資産づくりで結果にコミットするための、3つの心掛けを紹介しました。抽象的ではありますが、実際の資産づくりにおいては知識よりも物事の取り組み方が重要だと感じます。その理由は、「トラブルなく結果を出すことは不可能」だからです。いかにして困難や問題点を乗り越えるか、それが、臨床同様に資産づくりにおいても重要です。2017年に著書を出版したとき、一部の書評で「具体的な内容が記載されていない」というご批判がありました。そのような情報を求めてご購入いただいた先生には申し訳なかったのですが、本当の意味で資産づくりを志すには、枝葉の知識ではなく根幹を成す投資戦略や考え方が重要だと信じています。今回の話を、投資戦略を実行に移す際のTIPSとして参考にしていただきたいと思います。

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