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老いないカギは「あいだ」にある

第19回日本抗加齢医学会総会の大会長である伊藤 裕氏(慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 教授)が、今提唱しているのが「幸福寿命」。本大会でも、その考え方に沿って数々の新機軸を打ち出す。その内容とは?抗加齢医学を捉え直す時期に来ています。これまでアンチエイジングというと、どうしても見た目を若く見せるために、シワをなくすとか、シミをとる、といった小手先の医療をイメージしがちだったと思います。もちろんそれも抗加齢医学の一部です。しかし、人生100年時代と言われるようになり、もっと本質的な抗加齢というものを学会として提唱していかなくはならないタイミングだと感じています。6月に横浜で開催される日本抗加齢医学会総会で大会長を務めさせていただきますが、テーマを「異次元のアンチエイジング」としたのは、そういう意図です。これまでのアンチエイジングの活動を拡充、拡大するのではなく、まったく違う次元に行く。ある意味、医学の一分野という枠を越えて、心身だけでなく、環境や社会全体をアンチエイジングという観点から捉え直したい。そう考えています。“幸せ感”を持ち続けることが究極のアンチエイジング昨年「幸福寿命」という本を出版させていただきました。「幸福寿命」とは何なのか? たとえば、100歳まで生きた人に「幸せですか」と尋ねると、皆さん「幸せです」とおっしゃいます。でも、それは100歳まで生きられたから幸せ、という結果ではなく、ずっと幸せだったから、100歳まで生きられた、という過程の話なのだと思います。つまり、健康で長生きするには、常に“幸せ感”を持ち続けていることが重要であって、それこそが究極のアンチエイジングだと私は考えています。では、どうしたら、幸せ感を持ち続けられるのか?ということなりますが、そのカギは「あいだ」にあります。自分一人で幸せを感じることはなかなかできません。ほかの人との間。夫婦、家族、職場、地域、いろいろな場面での人と人の「あいだ」こそが、幸せ感を醸成するのです。もう少し医学的な話をしますと、最近、腸内細菌叢が抗加齢に関係しているということが科学的にわかっていますが、これも「あいだ」なんですね。細菌はわれわれの腸の中にすんでいるわけで、彼らとわれわれは共生関係にある。いわばペットを飼っているようなものです。ペットを飼っている人が、ペットをかわいがっているとき、飼い主は幸せを感じているのではないでしょうか。ストレスが和らいで、柔らかな、いい気分になっていると思いませんか?そういうときは、実際、“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンが脳から分泌されているわけです。腸内細菌をペットのようにかわいがる腸内細菌も同じです。腸内細菌をかわいがってあげればいいんです。ペットにするのと同じように、腸内細菌が喜ぶようなことをする。具体的に言えば、彼らが好きな食物繊維をたくさん取る、いつも同じものでは飽きるでしょうから、バラエティーに富んだ食材を食べる、バランスよく規則正しく食事を取る、といったことです。すると、彼らはホルモンやサイトカインを介してわれわれが幸せを感じるように働きかけてくれるのです。幸せを感じるメカニズムも、そういうふうに物質レベルで科学的に説明できるようになってきています。今年の学会では、特別講演として、マーティン・J・ブレイザー先生を招き、腸内細菌とアンチエイジングについて話していただきます。微生物学の世界的権威であり、彼の話が日本で生で聞けるというのは本当にすごいことです。私自身、とても楽しみにしています。ほかの目玉としては、Presidential Symposium で「スマートシティ」「ロボット」「AIとビッグデータ」「美しさ」という4つのテーマを設定しました。ロボットやAIで高齢者をどう介護するか、といった話ではなく、これからロボットやAIがわれわれの生活にどんどん入ってきたとき、人間の健康、幸福感、エイジングがどう変化していくのか?そういうもっと大きな枠組みでディスカッションしていただくようにシンポジストの先生方にはお願いしています。それではもう「医学会」ではないじゃないか、と言われそうですが、最初にお話ししたように、アンチエイジングは今そのくらい大きな動きがある、エキサイティングな分野なのです。加齢というのはそもそも誰にとっても身近な問題でもありますから、医療に関わるすべての人に興味を持ってもらえればと思っています。メッセージ(動画)

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日本人統合失調症患者に対するブロナンセリンとハロペリドールの二重盲検ランダム化比較試験

 以前、CNS薬理研究所の村崎 光邦氏が、統合失調症患者に対するブロナンセリンの有効性および安全性について、ハロペリドールとの比較を行った日本の多施設共同ランダム化二重盲検試験を日本語で発表した。米国・マイアミ大学のPhilip D. Harvey氏らは、以前報告されたプロトコルごとのデータセットの代わりに完全な分析データセットに基づく試験結果を提示し、統合失調症の薬理学的治療の最新知識に照らし合わせて、調査結果についての議論を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年4月30日号の報告。 対象患者265例は、ブロナンセリン(8~24mg/日)またはハロペリドール(4~12mg/日)の1日2回8週間投与に、ランダムに割り付けられた。有効性の評価には、臨床全般印象改善度(CGI-I)および陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・試験終了時のCGI-I改善率において、ブロナンセリンはハロペリドールに劣ることなく、10%のマージンを示した(60.5% vs.50.0%、p<0.001)。・PANSS合計スコアの減少については、両群間で差は認められなかった(-10.3 vs.-7.1)。・PANSS陰性症状スコアの減少は、ハロペリドールよりもブロナンセリンで有意に大きかった(p=0.006)。・ブロナンセリンは、忍容性が良好であった。・有害事象発生率は、両群間で同様であった。・錐体外路系有害事象、鎮静、低血圧、プロラクチン上昇の発生は、ハロペリドールよりもブロナンセリンで低かった。・臨床的に重要な体重増加は、認められなかった。 著者らは「統合失調症治療において、ブロナンセリンはハロペリドールと同様に効果的である。そして、ブロナンセリンは、ハロペリドールと比較し、錐体外路症状のリスクが低く、陰性症状に対してより効果的である」としている。

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プロカルシトニン値による抗菌薬投与短縮と肺炎再発

 肺炎における抗菌薬投与について、プロカルシトニン(PCT)値に基づいた管理により、死亡率を増加させることなく投与期間を短縮したという研究がいくつか報告されている。今回、福岡大学筑紫病院の赤木 隆紀氏らの研究により、PCTガイドによる抗菌薬中止により、肺炎の再発を増加させることなく投与期間を短縮するのに役立つ可能性が示唆された。the American Journal of the Medical Sciences誌オンライン版2019年4月16日号に掲載。 本研究では、2014~17年、入院時PCT値が0.20ng/mLを超えていた市中肺炎または医療関連肺炎の入院患者を前向きに登録した。PCT値は5、8、11日目、その後必要があれば3日ごとに測定した。PCT値が0.20ng/mLを下回った場合に抗菌薬中止を勧奨され、0.10ng/mLを下回った場合は中止するよう強く勧奨された。なお、2010~14年の入院患者をヒストリカルコントロール(対照群)とした。主要評価項目は、抗菌薬投与期間と抗菌薬中止後30日以内の肺炎再発とした。 主な結果は以下のとおり。・PCTガイド群および対照群は、それぞれ116例であった。・肺炎の重症度およびPCT値を含む背景因子は、2つのグループ間で同様であった。・抗菌薬投与期間の中央値は、PCTガイド群で8.0日、対照群で11日であった(p<0.001)。・多変量回帰分析において、PCTガイドによる抗菌薬中止(偏回帰係数[PRC]:-1.9319、p<0.001)、PCT(PRC:0.1501、p=0.0059)およびアルブミン(PRC:-1.4398、p=0.0096)が、抗菌薬投与期間と有意に関連していた。・抗菌薬中止後30日以内の肺炎再発は、2群間で統計的に差がなかった(4.3% vs.6.0%、p=0.5541)。

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がん患者の喫煙継続で増える治療失敗とコストはどの程度?

 喫煙は、がんの大きなリスク因子といわれているが、がん患者の喫煙継続およびがん1次治療の失敗増は、がん2次治療コストの有意な増大と関連していることが、米国・サウスカロライナ医科大学のGraham W. Warren氏らによる検討の結果、示された。著者は「さらなる調査を行い、コスト増を軽減する最適な方法を明らかにする必要があるだろう」と述べている。先行研究で、がん患者の喫煙継続は全死亡率・がん死亡率や二次原発がんリスク、がん治療の毒性作用を増大することが示唆されていたが、著者らによれば、喫煙によるがん治療の追加コストの推算はこれまでされていなかったという。JAMA Network Open 2019年4月5日号掲載の報告。 研究グループは、がん2次治療による増大コストとがん患者の喫煙継続の関連をモデル化するため、2014年の米国 Surgeon General's Report(非喫煙がん患者で予測される1次治療の失敗率、喫煙率、非喫煙と比較した喫煙によるがん1次治療失敗のオッズ比、および1次治療失敗後のがん治療コストを検討している)からデータを集め、2018年に経済評価モデルを開発した。 主要評価項目は、がん1次治療失敗増および2次治療によるコスト増と、喫煙を継続するがん患者との関連であった。 主な結果は以下のとおり。・治療失敗率は、非喫煙者における1次治療治癒率が低いと予測された場合と比べ、高いと予測される場合に高かった。・喫煙による治療失敗率は、非喫煙者における治癒率が50~65%と予測された場合にピークを示した。・非喫煙患者における予測治療失敗率30%、喫煙率20%、非喫煙患者に対する喫煙患者の1次治療失敗のオッズ比1.6、1次治療失敗に対処する平均追加コスト10万ドルの条件下では、1,000患者当たりの追加コストは210万ドル、喫煙患者1例当たりの追加コストは1万678ドルと推算された。・同条件下において、がんと診断される患者の年間160万例の喫煙による増大コストは、34億ドルと見込まれた。

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alpelisib併用群、HR+/HER2-進行乳がんのPFS延長/NEJM

 PIK3CA遺伝子変異を有する内分泌療法歴のあるホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がん患者において、alpelisib+フルベストラント併用療法により無増悪生存期間(PFS)が延長した。フランス・パリ第11大学のFabrice Andre氏らが、国際共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SORAR-1(Clinical Studies of Alpelisib in Breast Cancer 1)試験」の結果を報告した。PIK3CA遺伝子変異は、HR+/HER2-乳がん患者の約40%に認められる。PI3Kαを特異的に阻害するalpelisibは、初期の試験で抗腫瘍活性が示唆されていた。NEJM誌2019年5月16日号掲載の報告。572例を対象に、PIK3CA遺伝子変異の有無でalpelisibの有効性を評価 SORAR-1試験は、日本を含む34ヵ国198施設で実施された。対象は内分泌療法歴があるHR+/HER2-進行乳がん患者で、腫瘍組織のPIK3CA遺伝子変異の有無で2つのコホートに登録し、各コホート内でalpelisib(300mg/日経口投与)+フルベストラント(1サイクル28日として、500mgを1日目および15日目、以降は1日目に筋肉内投与)群(以下、alpelisib併用群)と、プラセボ+フルベストラント群(以下、プラセボ群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおける治験担当医師評価によるPFSであった。PIK3CA遺伝子変異陰性コホートにおいても同様にPFSを解析した。副次評価項目として奏効率(ORR)および安全性等についても評価した。 2015年7月26日~2017年7月21日の期間に計572例が無作為化され、PIK3CA遺伝子変異陽性コホートが341例、陰性コホートが231例であった(うちalpelisib併用群がそれぞれ169例および115例、計284例)。PIK3CA遺伝子変異陽性患者ではPFSが約2倍に延長 PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおいて、追跡期間中央値20ヵ月(データカットオフ2018年6月12日)時点のPFSは、alpelisib併用群で11.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:7.5~14.5)、プラセボ群で5.7ヵ月(95%CI:3.7~7.4)であった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.50~0.85、p<0.001)。 PIK3CA遺伝子変異陰性コホートでは、追跡期間中央値7.4ヵ月(データカットオフ2016年12月23日)時点のPFSが、alpelisib併用群7.4ヵ月(95%CI:5.4~9.3)、プラセボ群5.6ヵ月(95%CI:3.9~9.1)、HRは0.85(95%CI:0.58~1.25)で、事前に定められたProof of Conceptの基準を満たさなかった。 PIK3CA遺伝子変異陽性コホートにおけるORRは、alpelisib併用群がプラセボ群よりも高かった(全例:26.6% vs.12.8%、ベースライン時に測定可能病変を認めた患者:35.7% vs.16.2%)。 両コホートを合わせた全症例において、Grade3/4の有害事象は高血糖(alpelisib併用群36.6% vs.プラセボ群0.7%)が最も多く、次いで発疹(9.9% vs.0.3%)、下痢(6.7% vs.0.3%)であった。Grade4の発疹、下痢は報告されなかった。有害事象によりalpelisibおよびプラセボを中止した患者の割合は、それぞれ25.0%および4.2%であった。

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「ソーダ税」導入、販売量への効果は?/JAMA

 2017年1月、ペンシルベニア州フィラデルフィア市は、砂糖あるいは人工甘味料入り飲料の消費を減らすために、1オンス(約30mL)当たり1.5セントの加糖飲料税(いわゆるソーダ税)を米国で2番目に導入した。米国・ペンシルベニア大学医学大学院のChristina A. Roberto氏らは、課税導入後の飲料価格と販売量について、フィラデルフィアと非課税のメリーランド州ボルティモア市を比較し、課税商品の購入を避けるための越境ショッピングの可能性を評価した。解析の結果、フィラデルフィアでは加糖飲料の価格が有意に上昇し、課税飲料の販売量は半減したことが認められたが、その一部は、近隣地域での販売量増加によって相殺されることが明らかになったという。JAMA誌2019年5月14日号掲載の報告。課税導入のフィラデルフィアと非導入地域で、価格、販売量を比較・解析 研究グループは、差分の差分法(difference-in-differences)を用い、2016年1月1日(課税前)~2017年12月31日(課税後)の期間の販売データを解析し変化を比較した。店の形態、飲料の甘味料の種類、飲料の大きさごとの違いを検証。小売業者の販売データには、フィラデルフィア、ボルティモア(非課税の対照都市)、フィラデルフィア近隣地域(フィラデルフィア市境界から約3マイル以内のバックス郡、デラウェア郡、モンゴメリー郡)にある大規模チェーン店の販売データも組み込まれた。これらのデータは、フィラデルフィアにおける課税飲料の販売量(オンス)の約25%に相当した。 主要評価項目は、課税飲料の価格と販売量の変化であった。近隣地域の増加分を差し引くと課税都市フィラデルフィアの販売量低下は38% 計291店(スーパーマーケット54店、大型小売店20店、薬局217店)のデータが解析に組み込まれた。 フィラデルフィアでは、ボルティモアと比較して加糖飲料の価格が有意に上昇し、課税導入後の課税飲料の販売量が有意に低下した。 すなわち、フィラデルフィアとボルティモアにおいて、加糖飲料1オンス当たりの平均価格は、課税導入後にすべての形態の店で上昇した。フィラデルフィアでは、スーパーで5.43セント(2016年)から6.24セント(2017年)に、大型店で同5.28→6.24セントに、薬局で同6.60→8.28セントに上昇した。ボルティモアではそれぞれ、5.33→5.50/6.34→6.52/6.76→6.93セントに上昇した。両都市間の1オンス当たりの平均価格上昇分の差は、スーパー0.65セント(95%信頼区間[CI]:0.60~0.69)、大型店0.87(0.72~1.02)、薬局1.56(1.50~1.62)で有意差があった(すべてのp<0.001)。 また、両都市とも4週間当たりの加糖飲料の販売量には、すべての形態の店での減少が認められた。フィラデルフィアでは、スーパーで485万→199万オンスに、大型店で298万→172万オンスに、薬局で16万→13万オンスに減少した。ボルティモアではそれぞれ、283万→281万/105万→100万/14万→13万オンスに減少した。両都市間の減少分の差は、スーパーが-285万オンス(95%CI:-410万~-160万、p<0.001)で、ボルティモアと比較しフィラデルフィアのスーパーでは58.7%低下した。同じく、大型店は-120万オンス(-204万~-36万、p=0.001)、40.4%低下、薬局は-2万オンス(-3万~-1万、p<0.001)、12.6%の低下であった。 フィラデルフィアにおける課税飲料の販売総量は、課税導入後に12億6,100万オンス(2016年:24億7,500万→2017年:12億1,400万)、51.0%の低下が認められた。一方で、近隣地域における販売量が3億820万オンス(7億1,310万→10億2,100万)増加していた。これは、フィラデルフィアにおける販売量低下の24.4%を相殺し、フィラデルフィアでの実質販売量低下は38%と考えられた。

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Supraflex対Xienceの比較試験(解説:上田恭敬氏)-1052

 Supraflex stent(Sahajanand Medical Technologies, Surat, India)とXience stent(Abbott Vascular, Santa Clara, CA, USA)を比較した単盲検国際多施設無作為化比較非劣性試験の結果である。Supraflex stentはultrathin struts(60μm)、biodegradable polymer等を特徴とする新世代ステントの1つである。 720症例がSupraflex群に715症例がXience群に割り付けられた。主要評価項目は1年でのcardiac death, target-vessel myocardial infarction, or clinically indicated target lesion revascularisationの複合エンドポイントである。ほとんど除外基準のないall-comerデザインで検討された。 1年での主要評価項目の発生頻度は4.9% vs.5.3%(Supraflex群vs.Xience群)で非劣性が証明された。また、ステント血栓症(definite or probable)にも群間に差を認めなかった。よって、1年までの臨床成績はSupraflex stentとXience stentで同等ということになる。 このような非劣性試験が次々に報告されるが、1年の成績によってその後の長期成績は予測できず、1年の成績には単なる経過報告の価値しかない。容認できないほどの重篤なイベントが有意に多いのでなければ、5〜10年の長期成績が出て初めて、どちらのステントを使うべきかを考える判断材料となりえる。それよりも、画像診断や病理所見から、将来問題となる可能性のある所見が認められないか、といった詳細な検討を行うことが重要であろう。 また、ultrathin strutsを持つステントにおいては、冠動脈内イメージングによって、新生内膜被覆が良好であるというメリットが指摘されているが、IVUSガイドによる至適拡張が大きく結果を向上させることを考慮すると、100%IVUSガイド下にPCIが行われた場合にもそのメリットが有意に予後改善の影響を持つか否かは、今後の検討が必要であろう。

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ニック式英会話【Dr. 中島の 新・徒然草】(273)

二百七十三の段 ニック式英会話ドゥユワミダセラッパミリン?これは YouTube の「ニック式英会話:英語 リスニング 英語 発音:この英語、聴こえますか?(#6)」に出てくる英文です。皆さんは何を言っているか、おわかりになるでしょうか?正解は、Do you want me to set up a meeting?(私がミーティングのセッティングをしましょうか?)だそうです。難しいですね。でも英語を母語とする人たちはこの通りにしゃべっているので、われわれ日本人も受け入れるしかありません。YouTube の「ニック式英会話」は、オーストラリアのシドニー出身のニック・ウイリアムソン氏がほぼ完璧な日本語を使って英語を教える動画で、これまで見た中でも最も面白く、しかもためになるものです。ニック氏が動画の中で何度も言っているのは、子音が2つ並んだら、最初の子音は消える文末の子音は消える子音と母音が並んだら、それらは連結するt は母音が続いても脱落することがあるwant to は「ワナ」と発音するwant me to は「ワミダ」と発音するset up a は「セラッパ」と発音するmeeting の発音は「ミーティング」よりも「ミリン」に近いといったことです。そして、日本人はこのようにしゃべる必要はないけれども、聴き取る必要はあると強調しています。さらに、聴き取るためには、自分でもこのように発音する練習をするのがベストな方法だそうです。結局、日本人もこのような発音を練習するのがいいみたいですね。他の英文発音例を2つほど挙げましょう。解答は最後の1句の後に書いておきます。アイメリムアラパーディ。アイッビーンワニダブレイカッ。わかりますか?「ニック式英会話」は発音だけでなく、文法や会話もわかりやすく役に立つので、読者の皆さんにもお勧めいたします。最後に1句ニック式 聴いてるだけで よくわかる解答:I met him at a party.(私は彼にパーティーで会った)I’ve been wanting to break up.(最近、別れたいなと思っています)

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認知症患者におけるカフェインと精神症状~システマティックレビュー

 カフェイン摂取は、健康成人の行動や睡眠に影響を及ぼすことが知られている。行動症状や睡眠障害に対しカフェイン摂取が影響している可能性のある認知症患者は、多く見受けられる。オランダ・ライデン大学のM. A. Kromhout氏らは、認知症患者におけるカフェイン摂取と精神症状との関連について調査するため、システマティックレビューを行った。Experimental Gerontology誌オンライン版2019年4月30日号の報告。 2019年1月、Medline(PubMed)、Embase、Emcare、Cochrane、PsychInfo、Web of Science、灰色文献より、広範な調査を行った。認知症診断患者を調査し、精神症状の報告があり、カフェインまたはコーヒー摂取による介入を使用し、カフェインまたはコーヒー摂取と精神症状との関連性を検討した研究を抽出した。非認知症患者を含む研究、レビューやエキスパートによる意見を述べた報告は除外した。2人の独立したレビューアーが研究を評価し、評価の合意を行った。 主な結果は以下のとおり。・本レビューの対象となった研究は7件であった。そのうち、睡眠障害についての報告が4件、行動症状についての報告は5件であった。・精神症状に対するカフェイン摂取の影響は、一貫して認められなかった。たとえば、カフェイン摂取の増加と減少のどちらにおいてもアパシーの低下と関連し、コーヒー療法とカフェイン除去のいずれにおいても総Neuropsychiatric Inventory(Nursing Home)の減少が認められた。・また、カフェイン摂取とカフェイン除去のいずれにおいても、睡眠の改善が認められた。 著者らは「これらの知見は、カフェインが認知症患者の精神症状を誘発または軽減することを示唆している。そのため、認知症患者におけるカフェイン摂取では、患者個々への慎重なアプローチが求められる。また、各精神症状に対するカフェインの影響に関して、さらなる研究が必要である」としている。

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ESUSの再発予防、ダビガトランvs.アスピリン/NEJM

 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)を発症した患者に対し、ダビガトラン投与群はアスピリン投与群との比較において、再発予防効果について優越性は示されなかった。一方で、大出血ではないものの臨床的に重要な出血の発生リスクは、ダビガトラン群が高かった。ドイツ・Duisburg-Essen大学のH.-C. Diener氏らによる、42ヵ国5,390例の患者を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌2019年5月16日号で発表した。脳梗塞の20~30%は原因不明で、その大半がESUSに分類されるという。これらESUS後の再発予防において、先行無作為化試験で、リバーロキサバンの有効性はアスピリンと同程度であることが示されていた。ダビガトランがESUS再発予防に有効であるかは不明であった。42ヵ国564ヵ所を通じて5,390例を対象に無作為化試験 研究グループは2014年12月~2018年1月にかけて、42ヵ国564ヵ所の医療機関を通じて、ESUSを発症した5,390例を対象に試験を開始した。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはダビガトラン(150mgまたは110mg、1日2回、2,695例)を、もう一方にはアスピリン(100mg、1日1回、2,695例)を投与した。 主要アウトカムは、脳梗塞の再発。安全性に関する主要アウトカムは、大出血だった。脳梗塞再発は両群とも7~8% 追跡期間中央値は19ヵ月だった。その間に脳梗塞の再発が認められたのは、ダビガトラン群177例(6.6%、年率4.1%)、アスピリン群207例(7.7%、年率4.8%)で、両群間に有意差はなかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.69~1.03、p=0.10)。脳梗塞の発症は、ダビガトラン群172例(6.4%、年率4.0%)、アスピリン群203例(7.5%、年率4.7%)だった(HR:0.84、95%CI:0.68~1.03)。 大出血の発生は、ダビガトラン群77例(2.9%、年率1.7%)、アスピリン群64例(2.4%、年率1.4%)だった(HR:1.19、95%CI:0.85~1.66)。 一方で、大出血ではないものの臨床的に重要な出血の発生は、アスピリン群41例(年率0.9%)に対し、ダビガトラン群は70例(年率1.6%)と発生頻度が高かった(HR:1.73、95%CI:1.17~2.54)。

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重症OSAは非心臓手術後30日の心血管リスクと関連/JAMA

 非心臓大手術を受ける成人において、未診断の重症閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)は、術後30日の心血管合併症リスクの有意な増大と関連することが示された。中国・香港中文大学のMatthew T.V. Chan氏らが、1,218例を対象に行った前向きコホート試験の結果で、JAMA誌2019年5月14日号で発表した。一般集団の検討で、未診断のOSAは心血管リスクを増大することが示されていたが、OSAが周術期において同程度のリスクとなるかは不明であった。今回の結果について著者は、「さらなる研究を行い、介入によって同リスクが軽減可能かを評価する必要がある」とまとめている。術前にOSA重症度を調べ、術後30日の心血管複合イベント発生との関連を調査 研究グループは、2012年1月~2017年7月にかけて、5ヵ国8病院で、OSA未診断で非心臓大手術を受ける患者1,218例を対象に試験を開始し、2017年8月まで追跡した。被験者は、術前のポータブル・睡眠モニタリングで、OSA軽症(呼吸イベント指数[REI]:5~14.9/時)、中等症(REI:15~30)、重症(REI:>30)に分類された。術後は、夜間パルスオキシメーター、心筋トロポニン濃度測定などによるモニタリングを行った。 主要アウトカムは、術後30日の、心筋傷害、心臓死、心不全、血栓塞栓症、心房細動、脳卒中の心血管複合イベント発生だった。比例ハザード分析を行い、OSAと術後心血管合併症リスクとの関連を検証した。重症OSA患者のリスクは非OSA患者の2.23倍 被験者の平均年齢は67歳、うち女性は40.2%だった。術後30日の心血管複合イベントの発生率は、重症OSAが30.1%(136例中41例)、中等症OSAが22.1%(235例中52例)、軽症OSAが19.0%(452例中86例)、非OSAが14.2%(395例中56例)だった。OSAと、術後30日の心血管複合イベントリスク増大との有意な関連が認められた(補正後ハザード比[HR]:1.49、95%信頼区間[CI]:1.19~2.01、p=0.01)。 OSAの重症度別では、同イベントリスク増大との有意な関連が認められたのは重症OSAのみで、対非OSAの補正後HRは2.23(95%CI:1.49~3.34、p=0.001)だった。中等症OSA(補正後HR:1.47、95%CI:0.98~2.09、p=0.07)、軽症OSA(1.36、0.97~1.91、p=0.08)では、有意差は認められなかった。 なお、術後3夜の酸化ヘモグロビン飽和度が80%未満であった時間の平均累積値は、術後心血管合併症の未発症群10.2分(95%CI:7.8~10.9)に対し、発症群は23.1分(15.5~27.7)と有意に長かった(p<0.001)。

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第8回 腹部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第8回 腹部の痛み腹痛の愁訴は外来診療ではよく見られ、誰もが経験する痛みでもあります。治療の必要性がないケースも多いのですが、急性的な痛みや重症度の高い痛みは、重篤な腹部疾患を疑わなければならないこともあり得るので、十分注意する必要があります。なかには生命を脅かすケースもあり、迅速な診断と外科的な処置が必要となることもあります。今回は、この腹部の痛みを取り上げたいと思います。腹痛の発生源は3分類で考える腹部の痛みの発生源は、大きく分けて内臓痛、体性痛、関連痛に分類されます。1)内臓痛自律神経を主とした腹部臓器に由来する痛みですので、そのものの局在性は不明確です。また、その特徴は鈍い、しくしくした、不快な痛みです。時に疝痛(せんつう)と呼ばれる非常に痛い思いをすることもあります。胃腸など管腔臓器では、内腔壁の痛み受容器が伸展拡張に対して過敏であるためです。腸管閉塞による疝痛がこれに当たります。しかも、内腔壁に炎症や充血などが生じていれば、ほんのわずかな刺激によっても激痛として感じることになります。2)体性痛壁側腹膜に刺激を受けると突き刺すような鋭い痛みを感じます。これはAδ神経線維を主体とする、体性神経が刺激されるためです。感染などによって惹起される炎症刺激に反応します。痛みの程度は内臓痛よりも強く、持続性です。したがって、鋭い痛みで局在性が明確です。そのため、疼痛部位は病変臓器あたりに限局していますし、非対称的な痛みになります。3)関連痛内臓痛そのものの局在性は不明確ですが、同じ脊髄節支配の皮膚に投射されて痛みを感じる「関連痛」が存在します。この関連痛は、痛みの部位が明確です。図に、内臓の知覚支配と関連痛の現れる部位を示します。この関連痛の投射部位である皮膚におきましては、疼痛過敏や異常知覚を伴なったり、筋肉の緊張、自律神経の異常興奮が見られることもあります。画像を拡大する腹痛の部位と鑑別診断については、表に示しております。それぞれの疾患が疑われれば、それに対応する検査、身体所見を詳細にとり対応します。必要があれば、専門診療科に委ねることも大切です。画像を拡大する次回は腰痛について述べます。1)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143: 142-1432)山村秀夫ほか編集 痛みを診断する 有斐閣選書1984;143:20-38

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第20回 意識消失発作の症例から学ぶ脈拍の異常2【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は脈拍の異常を来した患者さん2例を紹介します。脈の乱れは「不整脈」といわれ、その不整脈が徐脈であっても頻脈であっても、患者さんの状態が「不安定」であるときに急を要します。徐脈や頻脈が認められた時、どのような点に気を付けて患者さんと接することがポイントになるでしょうか?症例を通してシミュレーションしていきましよう。患者さんGの場合◎経過──156歳、女性。施設の介護職員です。勉強会が終了し後片付けをしていたときに急に動悸が始まって、倒れそうになりました。椅子に座り苦しそうにしています。「どうしたの?大丈夫?」と職員が心配して集まってきました。◎経過──2Gさんは、以前から動悸を自覚することがあり、病院では「WPW症候群※1、発作性頻拍症」と診断されていると話してくれました。今までは動悸が長く続くことがなかったため経過を見ていました。「今日は少しひどいみたい...」その日は休みだったのですが、勉強会のために施設に来ました。今は夕方ですが、その日に限って昼食はまだ食べておらず水分もあまり摂っていなかったそうです。顔色は蒼白で冷汗をかいています。脈は非常に速くて弱く不規則でした。なんとなく少しボーッとしています。(ショックの徴候かも...)そう思いました。バイタルサインは表の通りで、顕著な頻脈の他に血圧低下が認められました。総合的にみて「循環(C:circulation)」の異常があります。※1 Wolf-Parkinson-White syndrome:ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群正常な刺激伝導(電気信号の流れるルート)では、洞結節から発した電気信号は心房から房室結節を経て心室へ至る。しかし同症候群では、通常のルート以外にKent(ケント)束と呼ばれるバイパス(副伝導路)を有するため、心室への信号は房室結節とKent束を経由することになり、心電図上デルタ波と呼ばれる波形が生じる。副伝導路が存在するため、発作性上室性頻拍を来すことがある。◎経過──3勉強会後に一時席を外していた医師と看護師が戻ってきました。WPW症候群と診断されていることを聞き、Gさんの状態とバイタルサインを見て、救急車を呼ぶことにしました。医師の指示を受けた看護師は静脈路を確保しました。まもなく救急車が到着し心電図モニターを開始しました。「偽性心室頻拍※2ですね...」医師はそう言って、近隣の病院へと向かいました。※2 WPW症候群で心房細動発作が起こると、心房からの頻回の電気信号が、信号を通しやすい副伝導路を通り心室へと伝わる。デルタ波があるために、発作時のQRS幅が広く、心室頻拍のような心電図波形を示すことから「偽性心室頻拍」と呼ばれる。心室細動に移行する危険があるため緊急を要する場合が多い。頻脈に対する診療アルゴリズム図4は頻脈の診療アルゴリズムです。頻脈が確認されたら患者さんの状態が不安定か否かを確認します。図4にあるような症状や徴候があれば「不安定」な状態と考えられ、直ちに治療を開始します。ご覧の通り、不安定か否かを判断する基準は徐脈の場合と同じですね。エピローグ頻脈のGさんは、病院に搬送された後、救急外来で抗不整脈薬による治療を受けました。その日、大事をとって入院し、後日カテーテルアブレーション※3の治療を受けました。退院後、施設に薬を届けに行くとGさんは「あなたがいる所にはいろいろ事件が起こるわね」と冗談交じりに笑顔で話しかけてくれました。※3 経皮的にカテーテルを心臓内部の標的部位に挿入し、高周波通電を行い、頻脈の原因となる異常興奮部位(Kent束)を電気的に焼灼する方法。頻脈性不整脈を根治する治療法。徐脈と頻脈、安定と不安定「徐脈と頻脈」といっても多くの種類の不整脈があります。どんな徐脈性不整脈や頻脈性不整脈であっても、それにより血圧などの循環動態が悪くなったり、図3や図4に示すような「不安定な状態」を示唆したりするような、バイタルサインに大きく影響するような不整脈は緊急度が高いということは、知っておくとよいと思います。

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IV期NSCLCにおける放射線治療と免疫CP阻害薬の相乗効果

 切除不能な局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する化学放射線同時療法の維持治療にデュルバルマブが適応になるなど、放射線治療と免疫チェックポイント阻害薬との組み合わせは相乗効果をもたらすとされる。しかし、IV期NSCLCにおける放射線治療の意義を明確に示した報告は少ない。埼玉医科大学国際医療センターの山口央氏らは、放射線療法(RT)の治療歴がその後のニボルマブ(抗PD-1抗体)の治療効果や予後に影響を与えるかを後方視的に解析した。Thoracic Cancer誌2019年4月号の掲載報告。 2016年2月~2017年12月に既治療の進行NSCLC患者124例にニボルマブが投与された。この研究では、それらの患者をニボルマブ開始前に何らかの放射線治療歴のある群(RT群)と放射線治療歴のない群(非RT群)に分け比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・124例中RT群は66例(53%)で、脳以外への照射が52例(42%)、胸部への照射は40例(32%)であった。・ニボルマブ治療期間の中央値は4サイクルであった。・ニボルマブ治療全体(124例)の客観的奏効率(ORR)は28.0%、病勢コントロール率(DCR)は58.4%であった。・RT群のORRは36.4%、非RT群は19%で、RT群で有意に高かった。・ニボルマブの治療効果はとくに脳以外に照射歴のある非腺がん患者(59例)および扁平上皮がん患者(38例)で高く、非腺がんのORRは48.3%、DCRは87.1%、扁平上皮がんのORRは52.6%、DCRは84.2%であった。・多変量解析では放射線治療歴と喫煙歴が無増悪生存期間(PFS)の独立した予後因子であった。・脳以外に照射歴のある非腺がん患者(59例)を対象とした予後解析ではRT群は非RT群に比べPFSと全生存期間が有意に延長していた。 RTはニボルマブ治療との相乗効果を示し、進行NSCLC患者のORR、PFSを改善することが確認された。RT治療歴は、ニボルマブの治療効果に関する予後良好因子の1つ考えられる。

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治療抵抗性統合失調症に対するECTの治療反応速度と臨床的有効性

 治療抵抗性統合失調症患者に対する電気けいれん療法(ECT)は、有効であることが示唆されているが、治療反応率、認知機能およびQOLのアウトカムに関するエビデンスは限られている。シンガポール・Institute of Mental HealthのChristopher Yi Wen Chan氏らは、治療抵抗性統合失調症患者を対象とした自然主義的レトロスペクティブコホート研究において、ECTの有効性および治療反応速度について検討を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2019年4月26日号の報告。治療抵抗性統合失調症へのECTで50%が治療反応 レトロスペクティブにデータベース分析を行った。主要な有効性アウトカムは、BPRS精神症状サブスケールに基づき、治療開始前スコアからの40%以上の改善と定義した。分析対象患者は、まずDSM-5で統合失調症と診断され、2016年7月1日~12月1日までに治療抵抗性統合失調症と診断された患者または統合失調症治療のために急性期ECTが開始された患者とした。 治療抵抗性統合失調症患者におけるECTの有効性を検討した主な結果は以下のとおり。・分析対象患者は、入院患者50例であった。・ECT完了後、治療抵抗性統合失調症患者の50%において、BPRS精神症状サブスケールスコアの40%以上減少が認められた。・ETCによる治療反応が認められた治療抵抗性統合失調症患者の割合は、最初の3セッションで16.7%、6セッションで39.3%、9セッションで46.4%、12セッションで50%であった。・BPRSスコアの最も大きな改善は、ECT治療3~6セッション間で認められた。・BPRSスコア、臨床全般印象度(CGI)、認知機能評価(Montreal Cognitive Assessment)、機能の全体的評定(GAF)の有意な改善が認められた。・QOLのアウトカムに有意な差は認められなかった。 著者らは「本研究は、治療抵抗性統合失調症患者における最新の技術を用いて、ECT治療を受けている患者のリアルワールドでの有効性および治療反応率を示している」としている。

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大腸がんの便潜血検査、アスピリンで感度は向上するか/JAMA

 アスピリンは免疫学的便潜血検査(FIT)による進行新生物の検出感度を、とくに男性において改善することが、観察研究で示されている。ドイツ・German Cancer Research CenterのHermann Brenner氏らは、この知見を検証するために、大腸内視鏡検査が予定されている40~80歳の男女を対象に無作為化試験を行った。その結果、FITの前にアスピリンを経口投与しても、進行大腸がんの検出感度は上昇しないことが示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年5月7日号に掲載された。FITは、大腸がんの検出において高い特異度を有するが、多くの大腸がんの前駆病変である進行腺腫(advanced adenoma)の検出能は十分でない。特異度を損なわずに感度を向上させることができれば、大腸がんのスクリーニングにおけるFITの検出能が改善される可能性があるという。2つのカットオフ値の検出感度を評価 本研究は、ドイツの18施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2013年6月~2016年11月の期間に参加者の登録が行われた(ドイツ連邦教育・研究省の助成による)。 対象は、年齢40~80歳、大腸内視鏡検査が予定され、アスピリンおよび他の抗血栓作用を有する薬剤を使用していない集団であった。被験者は、FITのための便検体採取の2日前に、アスピリン300mgを含む錠剤を1錠投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。FITの結果と大腸内視鏡検査所見を比較した。 主要アウトカムは、事前に規定された2つのカットオフ値(10.2および17μg Hb/g便検体)における、定量的なFITによる進行新生物(大腸がん、進行腺腫)の検出感度とした。2つのカットオフ値とも、感度に差はなく、特異度は低い 2,422例(平均年齢59.6[SD 7.9]歳、男性1,219例[50%])が無作為化の対象となり、このうち2,134例(アスピリン群1,075例、プラセボ群1,059例)が解析に含まれた。78%がスクリーニング大腸内視鏡検査、22%は診断的大腸内視鏡検査を受けた。 進行新生物は、224例(10.5%)で同定され、そのうち8例(0.4%)が大腸がんで、216例(10.1%)は進行腺腫であった。 定量的FITのカットオフ値10.2μg Hb/gにおける進行新生物の検出感度は、アスピリン群が40.2%と、プラセボ群の30.4%と比較して有意な差は認めなかった(群間差:9.8%、95%信頼区間[CI]:-3.1~22.2、p=0.14)。また、カットオフ値17μg Hb/gの感度は、それぞれ28.6%、22.5%であり、有意差はなかった(6.0%、-5.7~17.5、p=0.32)。 一方、カットオフ値10.2μg Hb/gの特異度は、アスピリン群が82.2%であり、プラセボ群の88.7%に比べ有意に低く(群間差:-6.4%、95%CI:-9.6~-3.2、p<0.001)、カットオフ値17μg Hb/gではそれぞれ91.7%、94.8%と、有意差が認められた(-3.1%、-5.4~-0.8、p=0.008)。 さらに、定性的な検査では、感度はアスピリン群が有意に高かったものの(34.7% vs.22.0%、群間差:12.7%、95%CI:0.1~24.7、p=0.048)、特異度は有意に低かった(83.8% vs.91.8%、-8.0%、-11.0~-4.9、p<0.001)。陽性適中率(PPV)および陰性適中率(NPV)にも、全体として有意な差はみられなかった。 重篤な有害事象は、アスピリン群で2例(急性虫垂炎、急性腎障害に伴う急性化膿性胆管炎)に発現し、いずれも入院を要したが、試験薬との関連はないと判定された。 著者は、「これまでの観察研究と本試験の結果を併せて考慮すると、アスピリンによるFITの検出能への影響を評価するには、より大規模で高い検出力を有するなど新たな試験研究が必要である。必要なアスピリンの用量、至適な投与時期、便検体の採取法なども重要な検討課題である」としている。

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新生児アトピー予防戦略、ビタミンD補給よりも紫外線曝露

 ビタミンDとアトピー性疾患の関連はさまざまに取り上げられている。オーストラリア・西オーストラリア大学のKristina Rueter氏らは、新生児におけるビタミンD補給による湿疹および免疫能への効果を明らかにするため、二重盲検無作為化プラセボ対照試験を実施。その結果、ビタミンD補給と湿疹罹患率との間に有意な関連はみられなかった。一方で、一部の対象児について行った紫外線曝露量との関連評価(非無作為の探索的解析)から、その曝露量が多い児では湿疹罹患率が低く、炎症誘発性免疫マーカー値が低値であったことを報告した。著者は今回の検討は紫外線量と湿疹罹患率などの関連を初めて明らかにしたものだとしたうえで、「生まれて間もない時期のアレルギー予防策として、紫外線曝露がビタミンD補給よりも有益と思われることを示すものである」とまとめている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌2019年3月号掲載の報告。 試験は西オーストラリア州の州都パース(南緯32度[日本では鹿児島県が北緯32度])で、第一度近親者(両親・兄弟)がアトピー性疾患を有し、37週以降に生まれた生後28日未満の児を集めて行われた。 被験児は、ビタミンD(介入)群(400IU/日)またはプラセボ(ココナッツおよびパーム核油)群に無作為に割り付けられ、生後6ヵ月まで投与が行われた。 また、非無作為に選択した一部の被験児にパーソナルUV線量計を割り当て、生後3ヵ月までの紫外線(290~380nm)曝露量を測定した。 ビタミンDレベルを生後3ヵ月と6ヵ月時点で、湿疹および喘息ならびに免疫機能については6ヵ月時点で評価した。 主な結果は以下のとおり。・2012年10月9日~2017年1月23日の期間に計195例(介入群97例、プラセボ群98例)が参加し、そのうち紫外線曝露量の測定は86例に行われた。・ビタミンD値は、介入群がプラセボ群よりも、生後3ヵ月(p<0.01)、6ヵ月時点(p=0.02)いずれにおいても有意に高値だった。・いずれの評価時点においても、湿疹罹患率に差は認められなかった(3ヵ月:介入群10.0% vs.プラセボ群6.7%、6ヵ月:21.8% vs.19.3%)。・紫外線曝露量が測定された被験児において、湿疹を呈した児は呈さなかった児よりも、紫外線曝露量が有意に少量であった(中央値555J/m2[四分位範囲:322~1,210]vs.998J/m2[676~1,577]、p=0.02)。・また、TLRリガンドを介したサイトカイン(IL-2、GM-CSF、eotaxin)産生と紫外線曝露量に逆相関の関連が認められた。

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IV期NSCLCにおける放射線療法とICIの相乗効果:筆頭著者 山口央氏に聞く 【肺がんインタビュー】 第25回

第25回 IV期NSCLCにおける放射線療法とICIの相乗効果:筆頭著者 山口央氏に聞く お詫び:当コンテンツの表題の一部に誤植がございました。ご迷惑をかけ申し訳ございませんでした。出演:埼玉医科大総合医療センター 呼吸器内科 山口 央氏放射線療法の治療歴が免疫CP阻害薬の治療効果や予後に影響を与えるかを、 IV期非小細胞肺がん(NSCLC)で後方視的に解析した結果が発表された。筆頭著者の埼玉医科大学国際医療センターの山口央氏に研究の背景などについて聞いた。Yamaguchi O, et al.Radiotherapy is an independent prognostic marker of favorable prognosis in non-small cell lung cancer patients after treatment with the immune checkpoint inhibitor, nivolumab. . Thorac Cancer. 2019;10:992-1000.記事本文はこちら

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