サイト内検索|page:945

検索結果 合計:35665件 表示位置:18881 - 18900

18881.

027)いくつになってもきれいな肌でいたい【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第27回 いくつになってもきれいな肌でいたいしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆皮膚の加齢変化のひとつである、脂漏性角化症(イボ)。老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)とも呼ばれるこのイボは、中高年の顔面によく見られ、主な原因は加齢や紫外線といわれています。とある外来で、「もう見た目を気にする歳でもないんだけど…」と診察室を訪れたのは、60代の男性患者さん。顔には多数のイボがありますが、こめかみにある一番大きなイボが気になるようで、そこだけ焼いて取りたいという希望。指定のイボを液体窒素による凍結療法で処置したところ、イボがあった部位は数週間でつるつるの平坦な肌になりました。後日、すっきりとした様子の患者さんは、別のイボも気になってきたようで、「今度はこっちのイボも焼いてほしい」と言い始めました。皮膚科では、「ここだけ治療をしたい」と始めたはずが、だんだんと「こっちも、あっちも」と気になる部位が増えるのは、実はよくあるパターンです。「見た目を気にする年齢じゃない」と言いつつも、やはり肌がきれいになるのはいくつになっても嬉しいものです。どちらにせよ、一度の受診で多数のイボを処置することは、診察の都合上難しいこともあるので、あまりに多数のイボがある患者さんは、左右片方ずつなど、部位ごとに対応していくようにしています。ちなみに、脂漏性角化症に対する液体窒素による凍結療法は、健康保険が適応されます。今回は、皮膚科でよくあるイボ除去についての話でした。それでは、また~!

18882.

家族性良性慢性天疱瘡〔familial benign chronic pemphigus〕

1 疾患概要■ 概念・定義家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病[Hailey-Hailey disease])は、厚生労働省の指定難病(161)に指定されている皮膚の難病である。常染色体優性遺伝を示す先天性の水疱性皮膚疾患で、皮膚病変は生下時には存在せず、主として青壮年期以降に発症する。臨床的に、腋窩・鼠径部・頸部・肛囲などの間擦部に小水疱、びらん、痂皮などによる浸軟局面を生じる。通常、予後は良好である。しかし、広範囲に重篤な皮膚病変を形成し、極度のQOL低下を示す症例もある。また、一般的に夏季に増悪、冬季に軽快し、紫外線曝露・機械的刺激・2次感染により急激に増悪することがある。病理組織学的に、皮膚病変は、表皮下層を中心に棘融解性の表皮内水疱を示す。責任遺伝子はヒトsecretory pathway calcium-ATPase 1(hSPCA1)というゴルジ体のカルシウムポンプをコードするATP2C1であり、3番染色体q22.1に存在する。類似の疾患として、小胞体のカルシウムポンプ、sarco/endoplasmic reticulum Ca2+ ATPase type 2 isoformをコードするATP2A2を責任遺伝子とするダリエ病があり、この疾患は皮膚角化症に分類されている。■ 疫学わが国の患者数は300例程度と考えられている。現在、本疾患は、指定難病として厚生労働省難治性疾患政策研究事業の「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班」(研究代表者:大阪公立大学大学院医学研究科皮膚病態学 橋本 隆)において、アンケートを中心とした疫学調査が進められている。その結果から、より正確なわが国における本疾患の疫学的情報が得られることが期待される。■ 病因本症の責任遺伝子であるATP2C1遺伝子がコードするヒトSPCA1はゴルジ体に存在し、カルシウムやマグネシウムをゴルジ体へ輸送することにより、細胞質およびゴルジ体のホメオスタシスを維持している。ダリエ病と同様に、常染色体優性遺伝する機序として、カルシウムポンプタンパクの遺伝子異常によってハプロ不全が起こり、正常遺伝子産物の発現が低下することによって本疾患の臨床症状が生じると考えられる。しかし、細胞内カルシウムの上昇がどのように表皮細胞内に水疱を形成するか、その機序は明らかとなっていない。■ 症状生下時には皮膚病変はなく、青壮年期以降に、腋窩・鼠径部・頸部・肛門周囲などの間擦部を中心に、小水疱、びらん、痂皮よりなる浸軟局面を示す(図1)。皮膚症状は慢性に経過するが、温熱・紫外線・機械的刺激・感染などの因子により増悪する。時に、胸部・腹部・背部などに広範囲に皮膚病変が拡大することがあり、極度に患者のQOLが低下する。とくに夏季は発汗に伴って増悪し、冬季には軽快する傾向がある。皮膚病変上に、しばしば細菌・真菌・ヘルペスウイルスなどの感染症を併発する。皮膚病変のがん化は認められない。高度の湿潤状態の皮膚病変では悪臭を生じる。表皮以外にも、全身の細胞の細胞内カルシウムが上昇すると考えられるが、皮膚病変以外の症状は生じない。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)診断は主として、厚生労働省指定難病の診断基準に従って行う。すなわち、臨床的に、腋窩・鼠径部・頸部・肛囲などの間擦部位に、小水疱、びらんを伴う浸軟性紅斑局面を形成し、皮疹部のそう痒や、肥厚した局面に生じた亀裂部の痛みを伴うこともある。青壮年期に発症後、症状を反復し慢性に経過する。20~50歳代の発症がほとんどである。皮疹は数ヵ月~数年の周期で増悪、寛解を繰り返す。常染色体優性遺伝を示すが、わが国の約3割は孤発例である。参考項目としては、増悪因子として高温・多湿・多汗(夏季)・機械的刺激、合併症として細菌・真菌・ウイルスによる2次感染、その他のまれな症状として爪甲の白色縦線条、掌蹠の点状小陥凹や角化性小結節、口腔内および食道病変を考慮する。皮膚病変の生検サンプルの病理所見として、表皮基底層直上を中心に棘融解による表皮内裂隙を形成する(図2)。裂隙中の棘融解した角化細胞は少数のデスモソームで緩やかに結合しており、崩れかけたレンガ壁(dilapidated brick wall)と表現される。画像を拡大するダリエ病でみられる異常角化細胞(顆粒体[grains])がまれに出現する。棘融解はダリエ病に比べて、表皮中上層まで広く認められることが多い。生検組織サンプルを用いた直接蛍光抗体法で自己抗体が検出されない。最終的には、ATP2C1の遺伝子検査により遺伝子変異を同定することによって診断確定する(図3)。変異には多様性があり、遺伝子変異の部位・種類と臨床的重症度との相関は明らかにされていない。別に定められた重症度分類により、一定の重症度以上を示す場合、医療費補助の対象となる。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)ステロイド軟膏や活性型ビタミンD3軟膏などの外用療法やレチノイド、免疫抑制薬などの全身療法が使用されているが、対症療法が主体であり、根治療法はない。2次的な感染症が生じたときには、抗真菌薬・抗菌薬・抗ウイルス薬を使用する。予後としては、長期にわたり皮膚症状の寛解・再燃を繰り返すことが多い。比較的長期間の寛解状態を示すことや、加齢に伴い軽快傾向がみられることもある。4 今後の展望前述のように、本疾患は、指定難病として厚生労働省難治性疾患政策研究事業の「皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班」において、各種の臨床研究が進んでいる。詳細な疫学調査によりわが国での本疾患の現状が明らかとなること、最終的な診療ガイドラインが作成されることなどが期待される。最近、新しい治療として、遺伝子上の異常部位を消失させるmutation read throughを起こさせる治療として、suppressor tRNAによる遺伝子治療やゲンタマイシンなどの薬剤投与が試みられている。5 主たる診療科皮膚科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報厚生労働省の難治性疾患克服事業(難治性疾患政策研究事業)皮膚の遺伝関連性希少難治性疾患群の網羅的研究班(研究代表者:橋本 隆 大阪公立大学・大学院医学研究科 皮膚病態学 特任教授)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 家族性良性慢性天疱瘡(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Hamada T, et al. J Dermatol Sci. 2008;51:31-36.2)Matsuda M, et al. Exp Dermatol. 2014;23:514-516.公開履歴初回2019年6月25日

18883.

薬剤師飽和時代がいよいよ到来 厚労省の研究報告【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第27回

薬剤師不足が叫ばれて久しいですが、皆さんの薬局では必要な人員が確保できていますでしょうか? このたび、薬剤師の需要に関する見通しについて、研究結果が発表されました。厚生労働科学研究の一環として行われた薬剤師の需要予測によると、ほぼ均衡状態にある2018年度から、43年度には需要総数40.0万人に達して、供給総数は40.8万人と8,000人程度の過剰になることが分かった。(中略)報告書では「今後数年間は需要と供給が均衡している状況が続くことになるが、長期的に見ると供給が上回ることが見込まれている」と指摘した。(2019年6月6日付 日刊薬業)私が薬剤師になってからはや10数年経ちますが、私が学生の頃から「この先、薬剤師は供給過多になるぞ!」と言われていました。その頃から増え続ける薬局軒数、とくに門前薬局の多さが指摘されたり、調剤だけを行っている薬剤師が医薬分業の観点から批判の的となったりしていたので、若かったということもあり結構ビビったものです。実際には、後発医薬品の使用促進や在宅訪問など、さまざまな新しい取り組みもあったことから、薬局が立ち行かなくなるほどの大幅な調剤報酬の削減は免れ、薬局数は右肩上がりに増え続け、薬剤師の求人倍率は5.22(2018年)と売り手市場となっています。今後もこの動向が続くのかどうかは全薬剤師が気になるところでしょう。今回の厚生労働省の研究の一環として行われた予測では、どのような見通しとなっているのでしょうか。【薬剤師の供給予測】直近3年間の薬剤師国家試験の傾向から1年間で約9,800人が毎年合格するとして、25年後の2043年の薬剤師の供給予測は40.8万人と推計されています。なお、6年制薬剤師の割合は、71.3%に達するとされています。【薬剤師の需要予測】2018年の薬局薬剤師数は17.7万人、病院・診療所薬剤師数は5.9万人、処方箋受取率(医薬分業率)は75%を上限として推移すると考えると、2043年の全薬剤師の必要人数は40万人で、そのうち薬局薬剤師数は21.1万人に増加し、病院・診療所薬剤師は5.8万人に減少すると推計されています。今回の研究では、いわゆる対人業務による薬剤師の業務の変化は考慮されていないので、単純に薬局やドラッグストアの店舗数の増加が見込まれていると考えられます。2043年時点では薬剤師の需要よりも供給が8,000人多くなっており、「今後数年間は需要と供給が均衡している状況が続くことになるが、長期的に見ると供給が上回ることが見込まれている」と結論付けられています。もっとも、算出プロセスとして現在および過去の環境や薬剤師業務をもとにしていることから、今後求められる対人業務やAIの活用、もっといえば調剤報酬の変化によって、大きく動向が変わる可能性があります。最も“ゆるく”考えてこの結果なのだという程度に捉えたほうがいいかもしれません。実は、今回報道された研究結果は、とある研究の一部という位置付けでした。それは、「かかりつけ薬剤師・薬局の多機関・多職種との連携に関する調査研究」(研究代表者:安原 眞人氏)という研究で、変わりゆく医療環境の中で、薬剤師が多機関・多職種と連携したPBPM(プロトコールに基づく薬物治療管理)に基づく高度薬学管理機能を患者に提供するための方策を検討し、評価したものです。研究者の中には、がん専門薬剤師など各種分野で活躍されている薬剤師の名前があり、具体的な分野に関して連携やフォロー方法なども記載されています。とても興味深く、勉強になる研究報告書ですので、ぜひ皆さんにも読んでほしいと思います。

18884.

光免疫療法、局所再発頭頸部がんで良好な成績/ASCO2019

 BRCA1/2やATM遺伝子(相同組換え修復遺伝子:HRR遺伝子)に変異があり、かつ転移も有する 去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する、PARP阻害薬のオラパリブと標準的なホルモン剤との比較試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で、米国・Northwestern University Feinberg School of MedicineのMaha Hussain氏により発表された。 本試験は国際共同オープンラベル第III相試験である。・対象:1次治療のホルモン剤(エンザルタミドまたはアビラテロン)投与後に病勢進行となったmCRPC患者で、HRR遺伝子のBRCA1/2、ATM、CDK12、CHEK2など15遺伝子のうち1つでも変異の有る患者387例。・試験群:[コホートA]HRR遺伝子のうちBRCA1、BRCA2、ATMに変異を有する患者、[コホートB]他のHRR遺伝子の変異を有する患者にオラパリブ300mgx2/日投与。(Ola群)・対照群:[コホートA、Bとも]、主治医選択によるホルモン剤(エンザルタミドまたはアビラテロン)を投与。(EA群)・評価項目:[主要評価項目]コホートAの画像評価による無増悪生存期間(rPFS)判定。[副次評価項目]コホートA+BのrPFS、コホートAにおける奏効率、疼痛が増悪するまでの期間(TPP)、全生存期間(OS)であった。EA群からOla群へのクロスオーバーが認められていた。各遺伝子の変異は、NGSによる中央測定で決定した。 主な結果は以下のとおり。・2017年4月~2018年11月までの登録期間で、コホートAとコホートBに2対1の割合(245例と142例)で割り付けられた。・コホートAのrPFS中央値はOla群で7.39ヵ月、EA群で3.55ヵ月(ハザード比[HR):0.34(95%信頼区間[CI):0.25~0.47、p<0.0001]と有意にOla群が良好であった。・コホートAの奏効率は、Ola群が33.3%、EA群が2.3%でHR20.86(95%CI:4.18~379.18)、p<0.0001と有意にOla群が高かった。・同様にコホートAのTPP中央値は、Ola群が未到達、EA群が9.92ヵ月で、HR0.44(95%CI:0.22~0.91)、p=0.0192とOla群で有意に延長していた。・さらにコホートAのOS中央値は、中間解析でOla群が18.50ヵ月、EA群が15.11ヵ月、HR0.64(95%CI:0.43~0.97)、p=0.0173だった。中間解析用の事前設定のp値の閾値は0.01であったたため、この時点では有意性は検証できなかった。・コホートAで病勢進行の見られた患者の80.6%でオラパリブへのクロスオーバーが行われていた。・コホートA+BのrPFS中央値は、Ola群で5.82ヵ月、EA群で3.52ヵ月、HR0.49(95%CI:0.38~0.63)、p<0.0001とOla群で有意に延長していた。・Ola群の安全性プロファイルは、他がん種の報告と同様で、新たなる予見はみられなかった。

18885.

第2世代抗精神病薬経口剤の長期有効性~メタ解析

 統合失調症の維持療法においては、第2世代抗精神病薬(SGA)の使用が推奨される。しかし、各SGAの長期有効性の違いは、明らかとなっていない。慶應義塾大学の岸本 泰士郎氏らは、統合失調症および関連疾患におけるSGAの有効性を直接比較した6ヵ月以上のランダム化試験について、システマティックレビュー、メタ解析を実施した。World psychiatry誌2019年6月号の報告。 主要アウトカムは、全原因による中止とした。副次アウトカムは、精神病理、無効および忍容性に関連した中止、再発、入院、寛解、機能、QOL、有害事象を含む有効性および忍容性とした。プールされたリスク比(RR)および標準化平均差(SMD)の算出には、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・59研究(4万5,787例、持続期間47.4±32.1週[24~186週])からの有効性、忍容性の結果において、SGAの一貫した優位性は認められなかった。・全原因による中止では、クロザピン、オランザピン、リスペリドンは、他のSGAよりも有意に優れていたが(p<0.05)、クエチアピンは他のSGAよりも劣っていた。・精神病理学的側面では、クロザピン、オランザピンは他のSGAよりも優れていたが、クエチアピン、ziprasidoneは、他のSGAよりも劣っていた。・他の有効性アウトカムに関するデータは、希薄であった。・忍容性に関連した中止では、他のSGAと比較し、リスペリドンは優れており、クロザピンは劣っていた。・体重増加については、オランザピンは、クロザピンを除く他のすべてのSGAよりも悪く、リスペリドンは、いくつかのSGAよりも有意に悪かった。・パーキンソン症候群については、オランザピンは、リスペリドンよりも優れていたが、アカシジアについては有意な差が認められなかった。・鎮静および傾眠作用については、クロザピンおよびクエチアピンは、他のSGAよりも有意に悪かった。 著者らは「本検討により、さまざまなSGAの長期有効性および忍容性のパターンが明らかとなった。特定のSGAにおける長期的なリスクとベネフィットのプロファイルは、維持療法の治療効果を最適化するため、個々の患者に合わせて調整する必要がある」としている。

18886.

アルバイト代は200万円未満が6割

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で年収に占めるアルバイト代について尋ねたところ、約60%の医師が年間で200万未満と回答、次いで約10%の医師が200~400万円と回答した。 年代別にみると35歳以下の医師で年収に占めるアルバイト代200万円未満の割合は44%、36~45歳では54%、46~55歳では71%と年代が上がるにつれ、収入におけるアルバイト代比率は低くなり、若い医師ほどアルバイト代に依存する割合が高いことが明らかになった。 また、46~55歳でもアルバイト代が年収の200~400万円を占める割合が12%、56~65歳で13%、66歳以上でも11%と年を重ねても、アルバイトで何らかの収入をあげていることが判明した。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別のアルバイト代についても、以下のページで結果を発表している。■参考医師の年収に関するアンケート2019【第2回】アルバイト代

18887.

デュラグルチドが2型DMの腎アウトカム改善/Lancet

 デュラグルチド(商品名:トルリシティ)は、Stage3/4の慢性腎臓病患者において、1年後の推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を軽減することが報告されている。カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らREWIND試験の研究グループは、今回、同試験の探索的解析として、デュラグルチドの長期使用による2型糖尿病患者の腎アウトカムへの影響を検討し、プラセボと比較して有意な改善効果が得られることを示した。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。本試験では、既存の血糖降下レジメンへのデュラグルチドの追加により、2型糖尿病患者の心血管イベントのリスクが低減することが確認されている。デュラグルチドによる腎アウトカムへの影響を評価 本研究は、心血管リスク因子を有し、HbA1cが広範囲にわたる2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおけるデュラグルチドの有用性を検討する、二重盲検プラセボ対照無作為化試験「REWIND試験」の探索的解析である(Eli Lilly and Companyの助成による)。 対象は、年齢50歳以上、BMI≧23で、2剤以内の安定用量の経口血糖降下薬を服用している2型糖尿病(HbA1c≦9.5%、下限値は設けない)で、心血管イベントの既往または心血管リスク因子を有する患者であった。 被験者は、デュラグルチド(1.5mg)またはプラセボを毎週1回皮下注射する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。少なくとも6ヵ月ごとに、アウトカムの評価のためのフォローアップが行われた。また、12ヵ月ごとに、尿検査と血清学的検査を実施し、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)およびeGFRを推算した。 探索的解析として、細小血管症の複合アウトカムのうち腎関連項目(新規の顕性アルブミン尿[UACR>33.9mg/mmol]の初回発現、eGFRのベースラインから30%以上の持続的低下、持続的腎代替療法[透析、腎移植])の評価を行った。デュラグルチド群の腎アウトカム:17.1% vs.19.6%(p=0.0004) 2011年8月~2013年8月の期間に24ヵ国371施設で9,901例が登録され、デュラグルチド群に4,949例(平均年齢66.2歳(SD 6.5)、女性46.6%、平均HbA1c 7.3%[SD 1.1])、プラセボ群には4,952例(66.2歳(SD 6.5)、46.1%、7.4%[1.1])が割り付けられた。ベースライン時に、791例(7.9%)が顕性アルブミン尿を発症しており、平均eGFR値は76.9(SD 22.7)mL/分/1.73m2であった。 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:5.1~5.9)の時点(5万1,820人年)で、腎アウトカムはデュラグルチド群が848例(17.1%、3.5件/100人年)で発現したのに対し、プラセボ群は970例(19.6%、4.1件/100人年)と、デュラグルチド群が15%有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.77~0.93、p=0.0004)。 最も明確なデュラグルチドの効果を認めたのは、顕性アルブミン尿の抑制効果(HR:0.77、95%CI:0.68~0.87、p<0.0001)であり、eGFRの30%以上の持続的低下(0.89、0.78~1.01、p=0.066)と持続的腎代替療法(0.75、0.39~1.44、p=0.39)には有意差はみられなかった。 重篤な腎有害事象の発現率は、両群間に有意差を認めなかった(デュラグルチド群1.7% vs.プラセボ群1.9%、HR:0.90、95%CI:0.67~1.20、p=0.46)。 著者は、「今後、ベースライン時に腎機能が保持された患者や低下した患者において、デュラグルチドの腎機能への影響の特性をさらに明らかにするために、大規模な前向き試験を行う必要がある」としている。■「デュラグルチド」関連記事デュラグルチドのREWIND試験は1次予防の壁を越えるか

18888.

日本人非扁平上皮NSCLCへの維持療法、Bev対Bev+Pem(COMPASS)/ASCO2019

 日本人進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者における、カルボプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ後の維持療法として、ベバシズマブとベバシズマブ・ペメトレキセド併用を比較した第III相COMPASS試験の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、九州がんセンターの瀬戸 貴司氏が発表した。・対象:化学療法歴のない、Stage IIIB~IV、EGFR野生型または不明の非扁平上皮NSCLC患者(被験者は、カルボプラチン・ペメトレキセド・ベバシズマブ併用3週ごと4サイクルの導入療法実施後、維持療法として、ベバシズマブ群とベバシズマブ・ペメトレキセド併用群に無作為に割り付けられた)・試験群:(維持療法)ベバシズマブ+ペメトレキセド3週ごとPDまで(Bev+Pem群)・対照群:(維持療法)ベバシズマブ3週ごとPDまで(Bev群)・評価項目:[主要評価項目]無作為化後の全生存期間(OS)[副次評価項目]無作為化後の無増悪生存期間(PFS)、1次登録(導入療法開始前)時からのOSとPFS、安全性 1次登録での主な結果は以下のとおり。・2010年9月~2015年9月に、71施設から907例が1次登録され、導入療法が実施された。1次登録からの追跡期間中央値は63.3ヵ月。・1次登録におけるPFS中央値は7.1ヵ月、OS中央値は21.1ヵ月であった。 無作為化後の主な結果は以下のとおり。・導入療法後、599例がBev群とBev+Pem群に無作為に割り付けられ、うち維持療法評価に登録された患者は594例(Bev群295例、Bev+Pem群299例)であった。無作為化後の追跡期間中央値は59.9ヵ月。・無作為化後のOS中央値は、Bev群19.6ヵ月に対しBev+Pem群23.3ヵ月であった(HR:0.87、95%CI:0.73~1.05、p=0.069)。・無作為化後のPFS中央値は、Bev群4.0ヵ月に対しBev+Pem群5.7ヵ月と、Bev+Pem群で有意に改善した(HR:0.67、95%CI:0.57~0.79、p<0.001)。・無作為化後のOSについてサブグループ解析の結果、70歳未満(Bev群19.7ヵ月対Bev+Pem群23.7ヵ月、HR:0.79、95%CI:0.64~0.98、p=0.03)ならびにEGFR野生型(Bev群18.8ヵ月対Bev+Pem群23.3ヵ月、HR:0.82、95%CI:0.68~0.99、p=0.041)において、Bev+Pem群でより改善した。・維持療法におけるGrade3以上の有害事象のうち、Bev+Pem群で多くみられたのは好中球数減少(1.0%対14.0%)、白血球数減少(0.0%対5.4%)であった。高血圧については、Bev群16.6%、Bev+Pem群11.7%であった。新たな有害事象のプロファイルはみられなかった。 Bev+Pemによる維持療法は、Bev単剤に比べPFSを延長し、また、70歳未満およびEGFR野生型患者においてはOSを有意に改善した。瀬戸氏は、カルボプラチン・ペメトレキセドベースの1次治療において、ペメトレキセドによる継続維持療法は外せないと結論付けている。

18889.

Stage I NSCLCにおける術後補助化学療法の効果/ASCO2019

 StageIの非小細胞肺がん(NSCLC)には異質性があり、再発を来すケースがある。しかし、これらの集団に対する術後補助化学療法には議論の余地がある。広島大学の津谷 康大氏らは、再発リスクによる病理StageI(pStage I)のNSCLCの術後補助化学療法の効果を分析し、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。 肺葉手術で完全切除したpStageI NSCLC 1,278例を分析対象とした。再発高リスクはCox比例ハザードモデルにより、腫瘍径(浸潤径)2cm超、リンパ管侵襲あり、血管侵襲あり、臓側胸膜浸潤ありと定義した。評価項目は無再発生存期間(RFS)、全生存期間(OS)、がん特異的生存期間(CSS)とした。 主な結果は以下のとおり。[高リスク群と低リスク群の予後]・5年RFSは低リスク群96.0%、高リスク群76.7%(HR:6.62、95%CI:4.18~11.10、p<0.0001)、5年OSは低リスク群96.0%、高リスク群85.7%(HR:3.99、95%CI:2.39~7.03、p<0.0001)と、いずれも高リスク群で不良であった。[術後補助化学療法の効果]低リスク群・5年RFSは術後補助化学療法群98.1%、観察群95.7%(HR:0.47、95%CI:0.07~1.67、p=0.30)、5年OSは術後補助化学療法群98.0%、観察群95.6%(HR:0.50、95%CI:0.08~1.81、p=0.35)、5年CSSは補助療法群100%、観察群99.4%(HR:NA、p=0.52)と、いずれも統計学的な差は示さなかった。高リスク群・5年RFSは術後補助化学療法群81.4%、観察群73.8%(HR:0.63、95%CI:0.41~0.93、p=0.023)、5年OSは術後補助化学療法群92.7%、観察群81.7%(HR:0.28、95%CI:0.13~0.53、p<0.0001)、5年CSSは術後補助化学療法群95.0%、観察群89.5%(HR:0.34、95%CI:0.13~0.77、p=0.012)と、いずれも術後補助化学療法で有意に良好であった。・高リスク群における化学療法をプラチナダブレットと単剤化学療法(以下、単剤)で比較したところ、5年RFSはプラチナダブレット群72.8%、単剤群83.3%(HR:1.45、95%CI:0.72~2.94、p=0.29)、5年OSはプラチナダブレット群72.8%、単剤群83.3%(HR:0.69、95%CI:0.32~4.98、p=0.69)と統計学的な差は認められなかったが、5年CSSについてはプラチナダブレット群89.9%、単剤群98.4%と単剤で良好であった(HR:8.92、95%CI:1.40~172.80、p=0.018)。 同氏らは、腫瘍径(浸潤径)2cm超、リンパ管侵襲あり、血管侵襲あり、臓側胸膜浸潤ありは再発高リスク因子であること、術後補助化学療法は高リスク患者の生存を改善すること、pStageIのNSCLCにおける単剤化学療法と比べたプラチナダブレットの生存改善は認められなかったことを結論として示した。

18890.

局所進行NSCLCにおけるCCRT+アテゾリズマブの評価(DETERRED)/ASCO2019

 デュルバルマブが局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)の化学放射線同時併用療法(CCRT)後の地固め療法の新たなスタンダードとなるなど、CCRTと免疫療法の併用によるサバイバルの改善が期待されている。そのような中、StageII~IIIのNSCLCにおいて、CCRTとアテゾリズマブの併用(地固めおよび維持療法)とCCRT単独を比較する第II相臨床試験DETERREDが実施された。その結果を米国・MDアンダーソンがんセンターのSteven H. Lin氏らが米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で発表した。 同試験の対象は手術不能でPS2以下、StageII~IIIの局所進行NSCLC患者40例。患者のステージは、StageIIが15%、IIIAが50%、IIIBが35%、組織型は腺がん58%、扁平上皮がん35%、分類不能が7%であった。 登録患者は40例で、パート1(10例)、パート2(30例)に割り付けられた。パート1はCCRT(カルボプラチン+パクリタキセル+放射線、毎週)後に地固め化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)+アテゾリズマブ3週ごとを2サイクル、さらにその後に維持療法として1年以内のアテゾリズマブを3週ごと。パート2はCCRT(パート1と同様)+アテゾリズマブ後に地固め化学療法(パート1と同様)+アテゾリズマブ3週ごとを2サイクル、さらにその後に維持療法として1年以内のアテゾリズマブ3週ごとという投与方法である。主要評価項目は安全性、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、Grade3以上の放射線肺臓炎など。 Grade3以上の有害事象発現頻度はパート1が60%、パート2が67%、試験薬の投与中止につながった有害事象発現頻度はそれぞれ30%、17%、Grade3以上のアテゾリズマブに関係する免疫関連有害事象の発現頻度はそれぞれ30%、20%だった。 PFS中央値はパート1が18.6ヵ月、パート2が13.2ヵ月、OS中央値はパート1が22.8ヵ月、パート2が未到達であった。

18891.

176)長生きするスポーツはどれ?【糖尿病患者指導画集】

患者さん用:長生きするスポーツはどれ?説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師運動のほうはいかがですか?患者それがなかなか。したい気持ちはあるのですが…。医師若い頃は、何か運動やスポーツをされていましたか?患者中学と高校はテニスをしていました。医師それはいいですね。ところで、継続するスポーツによって、平均余命に差があるのを知っていますか?患者いえ、知らないです。医師では、ここでクイズです。この表の1~3に当てはまるスポーツは、どれだと思いますか?患者うーん…。体操は筋肉が付きそうなので、1ですか?医師なるほど。答えは、1がテニス、2がサッカー、3が体操です。患者えっ! ちょっと意外な結果です。医師これはデンマークのデータですが、仲間と一緒にできるスポーツのほうが、長生きする可能性があるそうですよ。患者そうなんですか。また始めてみようかな…。●ポイント対戦相手がいる社交的なスポーツは、長生きする可能性があることを、エビデンスに基づいて説明します。患者さん用(解答):長生きするスポーツはどれ?■解答1.テニス2.サッカー3.体操1)Schnohr P, et al. Mayo Clin Proc. 2018;93:1775-1785.

18892.

第22回 心電図には秘密の“地下世界”がある?~ラダーグラムを描こう~(前編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第22回:心電図には秘密の“地下世界”がある?~ラダーグラムを描こう~(前編)皆さんは不整脈の心電図に遭遇し『ぎょぎょっ!』となったことはありませんか? もちろん、あまりに難解すぎる場合にはすぐに循環器医に相談するのが一番ですが、心臓内でどんなことが起こっているのかが想像できるようになると、おのずから冷静な対処も可能となるでしょう。いつもの心電図に「ラダーグラム」という“地下の見取図”を付け足すだけで、診断にも役立ちます。ボク自身、不整脈のカテーテル検査*のハードルを乗り越えるとき、この“見取図”を常に意識することが非常に有用でした(つまり“プロ”にも通じる知識ってこと)。今回はその入り口として、洞調律による正常収縮を例に、描き方の基本をDr.ヒロが解説しましょう。*心臓電気生理学的検査、いわゆるEPS(Electrophysiological Study)のこと。循環器医でも苦手にする人が多い症例提示50歳、男性。約1年前に心房細動(AF)に対するカテーテルアブレーションを受けた。時折、動悸は自覚するもののいずれも短時間で、術後AFの再発は記録されていない。以下に定期外来での心電図を示す(図1)。(図1)定期外来時の心電図画像を拡大する【問題1】次の(1)~(5)について、それぞれ適切なものを選べ。肢誘導および胸部誘導の3、6拍目は(1)(ア:洞収縮、イ:期外収縮、ウ:補充収縮、エ:副収縮)である。QRS波形について、幅は(2)(ア:狭、イ:広)く、洞収縮と(3)(ア:同じ、イ:異なる)形状である。先行P波の有無からも、起源は(4)(ア:心室、イ:房室接合部、ウ:心房)と判断できる。このような収縮パターンのくり返しを(5)(ア:二、イ:三、ウ:四)段脈と呼ぶ。解答はこちら(1)イ、(2)ア、(3)ア、(4)ウ、(5)イ解説はこちらまずは復習問題から。「期外収縮」の概念(第16回)やその発生起源が心房か心室かについて、見極め方の鉄則(第21回)を見直しておきましょう。『線香とカタチと法被が大事よね』でしたね? 洞収縮の波形と同一で、QRS幅がnarrow(狭い)、手前にP’波も確認できますから、「心房期外収縮」(PAC)と判断するのが正しいです。“洞-洞-期*”という、3つの収縮がセットになってくり返されており、このパターンは「三段脈」(trigeminy)と呼ぶのでした(第20回)。*:洞は洞収縮、期は期外収縮を示す。この場合、“期”がPACですから、「心房三段脈」という名称がより正確です(心室期外収縮[PVC]なら心室三段脈と言います)。【問題2】II誘導を抜粋して示す(図2)。ピンク色枠で示した部分のラダーグラムを描け。(図2)図1よりII誘導のみ抜粋画像を拡大する解答はこちら図3の下段部(図3)正常洞収縮のラダーグラム(正式版)画像を拡大する解説はこちらピンク色枠で示されているのは、何の変哲もない「洞収縮」です。さて、問題は「ラダーグラム」のほう。この言葉を知っているという方は、かなり心電図の勉強が進んだ人です。ボクの予想では、この用語を初めて聞いたよ、という方も少なくないと予想します。ですから、今回のメインテーマは次の2つです。1)「ラダーグラム」とは何なのか?2)洞収縮の「ラダーグラム」をどう描くか?“地下に広がるラダーグラムの世界”『心電図とは何ですか?』…この質問をされたら、『心臓内を電気が流れることで心房や心室が活動するさまを表現した波形』とボクは答えます。この場合、四肢と胸部につけた電極から構築される「体表面心電図」のことを指します。つまり、通常の心電図には、心房や心室の収縮・拡張といった、実際に“目で見える”活動の様子、いわば最終的な「結果」だけが表現されているわけです。一方、今回扱う「ラダーグラム」(laddergram)または「ラダー・ダイアグラム」(ladder diagram)は少しコンセプトが違います。“ラダー”とは“はしご”を意味するので、直訳すると「はしご図」です(実際にこう呼ぶ人は少ない)。何拍も続く心収縮が描かれた実際の図を遠目に見ると、確かにそう見えます。これは、電気刺激が心臓内を辿る「過程」を中心に描いた、いわゆるダイヤグラムのこと。普段、交通機関の運行表を略して“ダイヤ”と呼んでいる、あれです。ここで余談ですが、体表面心電図が完成された“製品”(たとえば自動車)だけを見ているものだとしたら、ラダーグラムは自分が乗るメカ(自動車や電車…)の“内部構造”を把握すること。物が出来上がる工程や実際の様子は多くの人にとっては不必要・無意味なのかもしれませんが、後者を知ることで、より使い易く愛着の念を抱くのはDr.ヒロだけ?この心電図界の“ダイヤ”(運行表)であるラダーグラムでは、電気刺激が伝わっていく「過程」が描かれるので、心房や心室で実際に起きていることはもちろん、普通の心電図では表現されない、“見えない”P波やQRS波についても表現できる点がスゴイのです。体表面心電図を上段にしてラダーグラムを下段に描いた様子は、さながら“地下の見取図”です。心電図を見ながらラダーグラムを描くことは、ボクたちの想像力をかき立て、不整脈の成因を理解するのに有効だと思います。ただ、残念ながら、昨今の多くの教科書や医学部・卒後研修においても、あまり取り上げられることがありません。ですから、この連載ではラダーグラムをあえて取り上げ、皆さんにその有用性を実感してもらいたいと思います。“洞調律のラダーグラムを描こう”今回は、ラダーグラムを描画する上での“イロハ”の“イ”について、図2の網掛け部分に示された洞収縮を例に、ラダーグラムの描き方を解説します(図3)。(図3)洞収縮のラダーグラム(正式版)画像を拡大するボクが“地下見取図”と言った意味がわかってもらえますか? このように、ラダーグラムは心電図を上に置き、その下に描いていきます。この図3は“地下4階”までありますね。“階”に相当する用語としては、「tier」ないし「row」という英語が用いられます。刺激伝導系を思い浮かべると、はじめに洞結節が興奮し、心房内の導線を電気が流れて心房全体が収縮します。洞結節(SN)の興奮は体表面では見えないので、P波の「はじまり」よりも少し手前になるように“地下1階”の天井部分に黄色丸を描きました。教科書によっては「×」や「*」などの記号が用いられますが、いずれも洞結節の興奮を表します。続いて洞結節の黄色丸とP波の「はじまり」を結びましょう(ピンク線)。“地下1階”は「洞結節-心房」の“経路”(S-A)を示すので、これで刺激が心房に到達します(洞房伝導)。“地下2階”は「心房」(A)フロアで、P波の「はじまり」からスタートです。“中継点”はP波の「おわり」ではなく「頂点」部分。これがミソで、同時点で“地下3階”の「房室結節」周囲の興奮も始まるとされるからなんです。誘導によってはP波もきれいな“山型”ではないため(例:二相性)、その場合は“真ん中”あたりを選びましょう(その辺アバウトでOKです)。P波の「はじまり」と「頂点」を結ぶ赤線が心房興奮/収縮を表しています。ここから先は意外にカンタンです。“地下3階”は心房(A)と心室(V)との“つなぎ目”となるフロアで、正確には「房室接合部」(A-V junction:A-V)と呼ばれます。実はここがラダーグラムを理解する上で“要”となる部分です。「AVN」と表記している本もあり「房室結節」と思っても悪くはないです。P波の「頂点」とQRS波の「はじまり」とを結べば“地下3階”の「房室接合部」(A-Vフロア)は完成です。ここが心房から心室への「房室伝導」と呼ばれる時間帯に相当します(心電図ではPR[Q]部分)。緑線を見ると、ほかの階よりも傾きが緩やかで、この部分の電気伝導がほかよりも遅いことを見事に反映しています。そして最後の“地下4階”は「心室」(V)フロアです。青線のようにQRS波の「はじまり」と「おわり」を結べばOKです。以上で4本の折れ線からなる正常洞収縮のラダーグラムが完成しました。今回はここまで。ラダーグラムを紹介し、正常洞調律を地下4階建てに描く方法について解説しました。初めて聞いたことばかりだったかもしれませんね。次回も同じ症例を用いて、一歩進んだラダーグラム描画を扱います。お楽しみに!Take-home Message想像力を働かせてラダーグラム(ラダー・ダイアグラム)を描こう心内の電気伝導の「過程」を知ることで、不整脈を目で見える形で理解できる!【古都のこと~三宅八幡宮~】学会で京都国際会館などを訪れた際、左京区上高野の三宅八幡宮はギリギリ徒歩圏内でしょう。古くは小野郷と呼ばれ、遣隋使として有名な小野妹子とも縁が深い場所です。隋への道すがら筑紫で病にかかった妹子が宇佐八幡に祈願すると平癒したことから、帰国後に同神社を勧請して建立されました。田の虫よけ神であった伝承から、子供のかんの虫・夜なき退治の御利益もあるのだそう。別称“鳩神社”としても知られ、入り口では犬ではなく“狛鳩”の出迎えを受け、境内では多数の鳩(御祭神[応神天皇]の使い)と出会えます。子供にも鳩にもやさしい“ホッコリ系”神社と言えましょうか。なお、同敷地内に、“七生報国*”と刻まれた馬上の楠木正成像もあり、南北朝、室町時代との関係性を調べるという一つの自習課題が生まれました。*:「この世に生まれ変わる限り国のために尽力する」。足利尊氏に敗れ自刃する大楠公が弟正季らと誓ったという。かつて戦時教育にも用いられた。

18893.

第43回 母の死をきっかけにグリーフケアを極めた大森眞樹先生【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回のゲストは学校薬剤師、災害支援、ケア・カフェなど、さまざまな分野で活躍する熊本県の大森眞樹先生。母親を亡くし、自らグリーフ(悲嘆)を抱えた経験からグリーフケアの資格を取得。その重要性と傾聴の技術について語ります。家族、仕事、環境、そして医療者と患者さんの間でもロスはある。老年薬学会のにぎやかな会場の片隅で、真っすぐすぎる薬剤師の目に光るものが…。

18895.

終末期14日間の化学療法、5%未満に減少/JCO

 終末期(end of life、以下EOL)がん患者の積極的治療について、わが国でも高齢者においては中止を支持する機運が醸成されつつあるのではないだろうか。米国ではEOL化学療法は、最も広く行われている、不経済で、不必要な診療行為として、ベンチマーキングで医師のEOL14日間の化学療法使用を減らす取り組みが行われている。その結果、同施行は2007年の6.7%から2013年は4.9%に減少したことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのPenny Fang氏らによる調査の結果、明らかになった。著者は、「首尾よく5%未満に減少した。この結果を現行のEOLオンコロジー戦略に反映することで、さらに高レベルのEOLの実践が期待できるだろう」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年5月29日号の掲載報告。 研究グループは全米のEOL化学療法と標的療法の最近の傾向を評価するため、SEER-Medicareデータベースを用いて、2007~13年に乳がん(1万9,887例)、肺がん(7万9,613例)、大腸がん(2万9,844例)、前立腺がん(1万7,910例)で死亡した65歳以上の患者について、EOL14日間の化学療法の使用に関するガイドラインベンチマーク指標を評価した。 EOL6ヵ月間の各タイムポイントでの化学・標的療法の非ベンチマーク指標を比較アウトカムとし、Cochran-Armitage検定法で時間的傾向を評価。また、医師レベルによるEOL化学療法の使用のばらつきを、マルチレベル・ロジスティックモデルおよび級内相関係数(ICC)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・EOL14日間の化学療法は、2007年6.7%から2013年は4.9%まで減少した(傾向のp<0.001、Δ=-1.8%)。・同様の減少傾向は、EOL1ヵ月間(傾向のp<0.001、Δ=-1.8%)および同2ヵ月間(傾向のp<0.001、Δ=-1.3%)にも認められた。・対象的に、EOL4~6ヵ月間の化学療法使用は増加していた(傾向のp≦0.04、Δ=0.7→1.7%)。・EOL6ヵ月間で化学療法を受けた患者は、全体の43.0%であった。・EOL6ヵ月間のすべてのタイムポイントの標的療法の頻度は、2007~13年にわずかだが安定的に上昇していた(傾向のp=0.09~0.82、Δ=-0.2→1.8%)・標的療法を受けた患者は、EOL14日間で1.2%、同1ヵ月間で3.6%であった。同6ヵ月間では13.2%であった。・マルチレベルモデルの評価(ICC法による)において、医師レベルに起因すると考えられるEOL14日間の化学療法のばらつきは5.19%であった。

18896.

患者の死への立ち合い方-医学部で教わらなかった大切なこと

 医師として働いている以上、何百回と患者の死に立ち合う。死は医療者にとっての日常だが、患者と家族には人生で数回しかない出来事だ。ある意味、死に慣れている医療者の悪気ない言動は、時に家族の悲しみを深めてしまうことがある。死に立ち合うとき、医療者は何に気を付ければよいのだろうか? 『地域の多職種で作る「死亡診断時の医師の立ち居振る舞い」についてのガイドブック』1)作成者の日下部 明彦氏(横浜市立大学 総合診療医学教室)に話を聞いた。-当直医の心ない振る舞いが、ガイドブック作成の原点 緩和ケア病棟で責任者をしていたとき、ある当直医の先生に対して、何人もの看護師や遺族から苦情を受けていました。 患者の死亡診断時にバタバタと入室して死亡時刻だけ告げて去っていくといった医師の振る舞いが、遺族を蔑ろにしているように感じられるというのです。医療スタッフの中には、そうした当直医の言動で、それまでに緩和ケアチームで行ってきたケアを台無しにされたと感じる人もいました。 態度を改めるよう注意しようと思っても、当直医の先生は私よりもはるかに年上です。年下の私から指摘されても反発されるだけだろうと悩みました。考えた末の結論が、研究や論文として形にすることです。医師同士で話すための説得力があると思い、アンケート調査とハンドブック作成に至りました。-医師が患者の死亡診断に向かうまでの望ましい振る舞いを時系列で例示 ガイドブックでは、医師が患者の死亡診断に向かうまでの準備から退出までの望ましい振る舞いを、時系列で例示しています。 患者のカルテを確認し、お名前をフルネームで覚える、病気の経過を把握する、身だしなみを整える、自分の名前を名乗る、経過・死因の説明を行う、携帯電話ではなく時計で死亡時刻を確認するといったことです。 これらは遺族・訪問看護師・在宅医へのアンケートから、遺族が重要だと感じた項目を基にしています。 ガイドブックは1つの参考として、ご家族や先生方の働いている環境に応じて、その場の空気感を大切にしてもらえたらと思います。-患者の死期を予測してチームに周知することが医師に求められる役割 ガイドブックは死亡診断時の振る舞いに特化していますが、医師にしかできないことがほかにあります。 それは患者の死期を予測することです。なぜなら、人生の最終段階の医療・ケアは予後予測に基づいて計画されるべきだからです。 予後数週間のがん患者に対して、輸液で延命効果は得られないというコンセンサスがあります2)。また、予後数日と考えられる老衰の患者への褥瘡処置は、治癒を目的としたものではないはずです。 予後予測のエビデンスとしては、がん、老衰、慢性疾患それぞれに経過が異なることが知られています。がんの場合は、急激にADLが低下し、そのまま回復を遂げることなく数ヵ月のうちに亡くなることが一般的です。ですから、がん患者の予後予測は比較的容易といえます。老衰では徐々にADLが衰えていきます。慢性疾患では、入院を要する急性増悪のたびに亡くなる可能性がありますが、入院加療で回復する場合とそうでない場合を事前に予測することは困難です3)。 Palliative Prognosis Score4)といった指標も有用です。身体活動や食事摂取状況などをスコアリングして、1ヵ月単位の中期的な余命を算出することができます。週単位の予測指標(Palliative Prognostic Index)もあります。これらを参考に日々の身体診察を行うことで、予後予測の能力は上がっていくものと考えます。 そして予後予測は、患者に関わる多職種チームに必ず共有してほしい。その情報が共有されてこそ、患者の余命に即した治療・ケアを行うことができるからです。 老衰や慢性疾患といった予測が難しい場合も、そのときの病状で可能な限りの予測を立て、病状が変わるたびに更新し、チームに周知することが医師に求められる役割だと思っています。-患者の死が予期できなかった場合に遺族の悲しみが長期化・深刻化 予後予測は、医療スタッフと共有するためだけに行うのではありません。残された時間を家族に伝えることも重要です。それも、わかりやすい言葉で。 はっきりと伝えることで家族を傷つけるのではないかと、心配される先生もおられるかもしれません。ですが、実際はその反対です。 がん患者の家族に予後1ヵ月程度と伝えたときに、「それならば、頑張って自宅で看取ります」と前向きな返答をもらうことはしばしばあります。 患者の死が予期できなかった場合、遺族の悲しみが長期化・深刻化して複雑性悲嘆となり、疾患に発展しやすいことが知られています。配慮をもって余命をお伝えすることは、亡くなるまでの時間をより有意義に過ごすため、そして遺族の今後のために医師にしかできない最善のサポートだと思います。-医師が患者の死期を告げるには遠回しな言葉では伝わらない 医師が家族に予測を伝えるときの言葉も重要です。私たちも人間ですから、患者の死期を告げるのは心苦しいものです。「何が起きてもおかしくありません」「急変の危険があります」といった遠回しな表現になってしまうのは致し方ないことだと思います。 ただ、こうした言い方では家族に伝わらないということをぜひ知ってほしい。 ではどういった言い方がよいのか。たとえば、「数日のうちにお亡くなりになると思います」「今夜あたりお別れになると思います」といった表現は一例です。亡くなる、お別れ、といった言葉を使うと伝わりやすくなります。 言い方以上に重要なのは、予後をお伝えする意図も併せてお話しすることだと思っています。医師が患者の死期をお伝えするのは、亡くなるまでの時間をより良く過ごせるように願っているからにほかなりません。そして、最期まで家族ができることも、ぜひ伝えてほしい大切な点です。 たとえば、患者の聴覚は最期まで残っています。好きな音楽をかけたり話し掛けたりすれば、患者が明確に反応できなくても伝わっている、というようなことです5)。 患者が亡くなるまでの間に家族ができることを伝えることで、一見つらいお話をする意図が伝わりやすくなると感じています。-患者の死を遺族が健全な形で受容し立ち直っていけるサポートが緩和ケア 死はとてもデリケートな場面ですが、どのように振る舞えばいいかを医学部で教わることはありませんでした。精いっぱいの医療を提供していても、振る舞い方を知らないばかりに医療者が遺族を傷つけてしまうというのは、双方にとって悲しいことです。 WHOの定義によると、緩和ケアには遺族の悲嘆ケアも含まれています。遺族が患者の死を健全な形で受容し立ち直っていけるよう、診断から患者の死後に至るまでのサポートが緩和ケアということです。 このスキームは現在の医学部教育にも組み込まれていて、遺族ケアの視点に根差した関わり方は、今後さらに求められていきます。 私は、治療のゴールは「遺族に良い医療を受けたと思ってもらえること」だと思うのです。そうでなければ、将来にわたって医療者が信頼されることはないのではないかと。死亡診断を行う医師は、たとえ当直医であっても、遺族から見れば医療チームの1人です。医療者を代表して、遺族に良い医療を受けたと思ってもらえる振る舞いをしていくことが、医療の継続につながると信じています。 日下部 明彦(くさかべ あきひこ)氏横浜市立大学 総合診療医学教室 准教授1996年、横浜市立大学医学部卒業。横浜甦生病院ホスピス病棟長(2007年)、みらい在宅クリニック副院長(2012年)を経て、2014年より現職。初期研修修了後、消化器内科、ホスピス、在宅医を経験し、各医療機関から見た緩和ケアや終末期医療の課題解決に取り組む。■関連コンテンツCareNeTV「死への立ち合い方‐死亡診断書の書き方から遺族への接し方まで」※視聴には有料の会員登録が必要です。

18897.

日本人高齢者におけるアルコール摂取と認知症

 岡山大学のYangyang Liu氏らは、日本人高齢者におけるアルコール摂取の量や頻度と認知症発症との関連を評価するため、長期間のフォローアップを行った大規模サンプルデータを用いて検討を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2019年6月7日号の報告。 本研究は、日本で実施されたレトロスペクティブコホート研究。日本人高齢者5万3,311人を、2008~14年までフォローアップを行った。アルコール摂取の量や頻度は、健康診断質問票を用いて評価した。認知症発症は、介護保険の認知症尺度を用いて評価した。性別によるアルコール摂取のカテゴリー別の認知症発症率の調整ハザード比(aHR)、95%信頼区間(CI)を算出するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。アルコール摂取量によっては認知症発症リスクを減少させる可能性 アルコール摂取の量や頻度と認知症発症との関連を評価した主な結果は以下のとおり。・7年間のフォローアップ期間中に、認知症と診断された高齢者は、1万4,479例であった。・非飲酒者と比較し、アルコール摂取量が2ユニット(純アルコール換算:40g)/日以下の高齢者における多変量aHRは、時折の飲酒(男性、aHR:0.88、95%CI:0.81~0.96、女性、aHR:0.84、95%CI:0.79~0.90)および毎日の飲酒(男性、aHR:0.79、95%CI:0.73~0.85、女性、aHR:0.87、95%CI:0.78~0.97)において統計学的に有意な認知症発症リスク低下が認められ、男性では、時折の飲酒と毎日の飲酒において、有意な差が認められた。・しかし、アルコール摂取量が2ユニット/日超の高齢者では、時折の飲酒(男性、aHR:0.91、95%CI:0.71~1.16、女性、aHR:1.09、95%CI:0.72~1.67)および毎日の飲酒(男性、aHR:0.89、95%CI:0.81~1.00、女性、aHR:1.16、95%CI:0.84~1.81)において有意な差は認められなかった。 著者らは「高齢者において時折または毎日の2ユニット/日以下のアルコール摂取量では、認知症発症リスクを減少させる可能性があり、このような食生活をしている男性においては、より大きなメリットがもたらされると考えられる」としている。

18898.

中高年ハイリスク2型DMにデュラグルチドが有用/Lancet

 心血管疾患の既往または心血管リスク因子を有する2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおいて、デュラグルチド(商品名:トルリシティ)皮下注は有用なマネジメントの方法となりうることが、カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らが実施した「REWIND試験」で示された。研究の詳細はLancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。デュラグルチドは多くの国で、2型糖尿病患者の高血糖のマネジメントに資するとして承認を得ている、長時間作用型のGLP-1受容体作動薬であり、心血管疾患の既往のある患者において、心血管アウトカムの改善効果が報告されている。50歳以上の心血管リスク因子を持つ患者が対象 本研究は、血糖コントロールの状態がさまざまな2型糖尿病患者において、既存の血糖降下レジメンへのデュラグルチド追加による主要有害心血管イベント(MACE)への影響を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験である(Eli Lilly and Companyの助成による)。 対象は、年齢50歳以上、BMI≧23で、2剤以内の安定用量の経口血糖降下薬を服用している2型糖尿病(HbA1c≦9.5%、下限値は設けない)で、心血管イベントの既往または心血管リスク因子を有する患者であった。 被験者は、デュラグルチド(1.5mg)またはプラセボを毎週1回皮下注射する群に無作為に割り付けられた。少なくとも6ヵ月ごとにフォローアップし、心血管および他の重篤な臨床アウトカムの評価が行われた。 主要評価項目は、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死の複合エンドポイントの新規発症とした。HbA1c、体重、収縮期血圧、心拍数の改善効果も良好 2011年8月~2013年8月の期間に、24ヵ国371施設で9,901例(平均年齢66.2[SD 6.5]歳、女性4,589例[46.3%]、HbA1c中央値7.2%[IQR:6.6~8.1])が登録され、デュラグルチド群に4,949例、プラセボ群には4,952例が割り付けられた。 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:5.1~5.9)の時点で、主要複合エンドポイントは、デュラグルチド群は594例(12.0%、2.4件/100人年)で認められ、プラセボ群の663例(13.4%、2.7件/100人年)に比べ有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.79~0.99、p=0.026)。 非致死的脳卒中(HR:0.76、95%CI:0.61~0.95、p=0.017)はデュラグルチド群で有意に少なかったが、心血管死(0.91、0.78~1.06、p=0.21)と非致死的心筋梗塞(0.96、0.79~1.16、p=0.65)は、両群間に差はみられなかった。また、全死因死亡にも、両群間に差はなかった(デュラグルチド群536例[10.8%] vs.プラセボ群592例[12.0%]、HR:0.90、95%CI:0.80~1.01、p=0.067)。 フォローアップ期間中に、ベースラインとの差が、プラセボ群よりもデュラグルチド群で優れた評価項目として、HbA1c(最小二乗平均[LSM]が0.61%低い、p<0.0001)、体重(同1.46kg低い、p<0.0001)、BMI(同0.53低い、p<0.0001)、収縮期血圧(同1.70mmHg低い、p<0.0001)、平均動脈圧(同0.49mmHg[95%CI:0.25~0.73]低い)、脈圧(同1.82mmHg[1.53~2.12]小さい)、心拍数(同1.87拍/分高い、p<0.0001)、総コレステロール(同0.07mmol/L[0.03~0.10]低い)、LDLコレステロール(同0.05mmol/L[0.02~0.08]低い)などが挙げられた。 事前に規定されたとくに注目すべき有害事象(重篤な消化器イベント、重症低血糖、がん、膵炎)や、重篤な有害事象の頻度は、両群間に差はなかった。一方、フォローアップ期間中に、消化器有害事象がデュラグルチド群の2,347例(47.4%)で報告され、プラセボ群の1,687例(34.1%)と比較して有意に多かった(p<0.0001)。 著者は、「これらの結果により、心血管リスク因子を有する糖尿病患者のマネジメントにデュラグルチドを加えることにより、血糖値が低下し、低血糖の発生は最小化し、減量と血圧降下をもたらし、心血管イベントを抑制する可能性があることが示唆される」としている。■「デュラグルチド」関連記事デュラグルチドのREWIND試験は1次予防の壁を越えるか

18899.

HER2陽性早期乳がん、トラスツズマブ投与期間短縮で効果は?/Lancet

 HER2陽性早期乳がんの治療において、トラスツズマブの6ヵ月投与は、12ヵ月投与に対し非劣性であることが、英国・ケンブリッジ大学のHelena M. Earl氏らが行った「PERSEPHONE試験」で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2019年6月6日号に掲載された。術後のトラスツズマブ治療は、HER2陽性早期乳がん患者のアウトカムを有意に改善する。標準的な投与期間は12ヵ月だが、より短い期間でも有効性はほぼ同様で、毒性は軽減し、費用は削減される可能性が示唆されている。HER2陽性早期乳がん患者にトラスツズマブを6ヵ月または12ヵ月投与 PERSEPHONE試験は、英国の152施設が参加した非盲検無作為化第III相非劣性試験であり、2007年10月~2015年7月の期間に患者登録が行われた(英国国立衛生研究所[NIHR]の助成による)。 対象は、年齢18歳以上、HER2陽性で、化学療法の明確な適応がある浸潤性早期乳がん患者であった。被験者は、化学療法との併用(同時または逐次投与)で、3週ごとにトラスツズマブを静脈内投与(負荷用量8mg/kgののち、維持用量6mg/kg)または皮下投与(600mg)され、これを6ヵ月間または12ヵ月間施行する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は無病生存期間とした。非劣性マージンは4年無病生存率の3%であった。4年無病生存率:トラスツズマブ6ヵ月投与群89.4% vs. 12ヵ月投与群89.8% HER2陽性早期乳がん患者4,088例が登録され、トラスツズマブ6ヵ月投与群に2,043例(年齢中央値56歳[範囲23~83])、トラスツズマブ12ヵ月投与群には2,045例(56歳[23~82])が割り付けられた。 全体の69%がエストロゲン受容体陽性であった。術前化学療法を受けた620例では、89%がアンスラサイクリン系薬剤とタキサン系薬、9%がアンスラサイクリン系薬のみ、2%がタキサン系薬のみを投与され、術後化学療法を受けた3,468例では、それぞれ41%、47%、11%の投与であった。 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:3.6~6.7)の時点で、無病生存イベントはトラスツズマブ6ヵ月投与群が265例(13%)、12ヵ月投与群は247例(12%)に認められた。4年無病生存率は、それぞれ89.4%、89.8%で、ハザード比(HR)は1.07(90%信頼区間[CI]:0.93~1.24、非劣性のp=0.011)であり、6ヵ月投与群の非劣性が示された。 全生存率は、トラスツズマブ6ヵ月投与群が93.8%、12ヵ月投与群は94.8%であり、非劣性が確認された(HR:1.14、90%CI:0.95~1.37、非劣性のp=0.0010)。 トラスツズマブ6ヵ月投与群は、12ヵ月投与群に比べ重篤な有害事象(19%[373/1,939例] vs.24%[459/1,894例]、p=0.0002)が少なく、心毒性による早期治療中止(3%[61/1,939例] vs. 8%[146/1,894例]、p<0.0001)も少なかった。 著者は、「これらの結果は、再発リスクが本試験の患者と同程度の女性における、トラスツズマブ投与期間の短縮の検討を支持する」としている。

検索結果 合計:35665件 表示位置:18881 - 18900